JP4886984B2 - 電子線描画装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子線描画装置に関し、詳細には超微細パターンを安定して作成できる電子線描画装置に関する。
IT社会の進展はますます加速される傾向にある。これに対応すべく産業界ではより膨大な情報を記録する技術開発が要望されている。2003年に発売されたBlue−rayディスク(25GB/面)に続く光ディスク媒体容量は50GB〜100GBを目標としてロードマップが設定されている。記録ピットの微細化と共に多値記録化が進められており、そのためには200nm以下の記録ピット径の実現が必須である。また、書き込み/読み出しに必要なビーム径は100nm前後が必須となる。しかし、現状の技術では、青色レーザ(波長400nm)及び高NA化(NA:0.95)を使用しても、ビーム径は250nmとなり更なる高密度化は困難である。
一方、通産省高エネルギー開発機構(NEDO)委託のナノメータ制御光ディスクシステムプロジェクトで開発されている100GB/inの記録方式では、1マークに8bitsの多値情報を持たせている。この場合、マーク間距離380nm、トラック間隔140nmという非常に微細な露光技術が要求される。また、エッジ変調記録であってピット長さの精度を1nm以下にすることが必須となる。更に、ブランキング性能の大幅な向上は元よりピット形状生成のための総合的な技術開発が前提とされているものである。
また、目標とする微細パターンを安定的に製作する上での阻害要因としては種々あることが一般に知られている。パターン領域面積が一定だと仮定すると、生産技術面では半導体分野に比べ100倍以上の高速な露光が必須となることは明らかである。つまり、数十nm以下に絞られ、かつ高電流密度を有する電子線束を利用せざるを得ない。
更に、照射電流が10nA超えるような大電流での電子線露光領域では、電子同士の反発作用、即ちクーロン効果が問題となってくる。この条件は電子線のビームエストから急激なビーム拡散が起こることは公知である。照射電流が1nAのとき焦点深度として±5μm程度が見込まれるのに対して大電流になると、図5に示すように、サブミクロン以下しか期待できない。即ち、従来のフォーカス制御方式の限界を超えた領域を対象とせざるを得ない。
このように、電子線光学系の大幅な革新を期待できない現状では、ワーク高速回転時の面振れ量を抑える機構を新規に検討しなければならなかった。
そこで、面振れを極限まで抑える方法について検討してみる。目標を1μm以下とした。
1)平面性の良い被加工物の提供。(そりの補正)
2)装置セット時の新たな高周波面振れ成分の発生防止方法の検討(ワーク固定起因の外力から解放)。
3)回転モーメントを最小にするワーク位置決め方法検討。
4)実回転周波数での振動減衰方法の検討。
以上、4つの観点で検討を実施した結果、被加工面の上下運動は主に、回転テーブルの面振れが半径60mmで25μm以上となり、直動ステージの加工精度ならびに組み付け精度に起因するピッチングやヨーイングは5μm/100mm以上となる。また、被加工体の平面度ならびに平行度に起因する面振れが5煤Aウェハで10μm以上である。
これらの阻害要因への対策として、一般的には試料チャンバの外面に光学的なハイトセンサを装着する。即ち、加工面高さを計測しその情報をフォーカスレンズやピエゾ素子を配したZステージに反映する方式が知られている。しかし、1m/s超える高速度露光条件では、計測性能が充分でも応答性が追従できない状況にある。必要な応答性の目安としては基本回転数(rpm)〜3次波まで考慮しなければならない。例えば線速3m/sでは半径20mmで3600rpm(60Hz)となる。180Hzでストローク30μmを満足するピエゾ素子(通常70Hz程度)はない。電磁レンズあるいは静電レンズから成るフォーカスレンズ系では100Hz程度が限界であった。
以上説明したように、サブミクロンオーダの焦点深度しかない電子線を前提にすると、従来の方式では対応できない。
ここで、面振れ量をフィードバックさせて、テーブル高さあるいはビーム焦点面の高さを制御する方式の問題点と高速描画時の限界性について説明する。
従来例の一つとして特許文献1には、電子線照射部と原盤表面との間の距離を計測し、その距離が一定になるように原盤を原盤表面に垂直な方向に駆動しつつ、電子線を回転する原盤の半径方向及び回転方向に偏向して原盤が1回転する間に複数のトラックのパターンを描画する光ディスク原盤作成方法が提案されている。また、特許文献2には、ガラス基板に高精度で電子線描画を行うためにガラス基板の平坦度を維持した状態でホルダへ固定し、ガラス基板の下面にOリングを配置して押圧力を発生させる方法が提案されている。更には、特許文献3によれば、電子線を原盤の所定の位置に正確に照射し、原盤カッティング時に原盤が1回転する間に複数のトラックを形成できるようにし、また原盤と電子銃の対物レンズとの間の距離が一定になるよう制御機構を設け、駆動手段は回転テーブルと原盤固定冶具との間に配置されたピエゾ素子を組み込んでいる。
特許第3,323,182号明細書 特開2003−045369号公報 特開2001−307385号公報
しかしながら、これらの従来例によれば、あくまで低電流領域、即ち半導体分野のような0.1m/s以下の描画速度では有効であるが、現実的には回転テーブルとワークの起因による面振れの回避は困難であり、常時ジャストフォーカス状態を維持するための対処法として、面振れ計測ユニットを一般例として設けている。ワーク面の総合面振れ量は直径200mm範囲で±30μm程度が発生する。これに対して、電子ビームの焦点深度は、その電流値と加速電圧により決まる。例えば、加速電圧50KVの時に照射電流Ip=1nAとすると電子ビームの焦点深度は±10μmという結果が得られている。しかし、10nA〜100nAという大電流領域では、電流密度が極端に高いため電子相互のクーロン効果が顕著となりビーム焦点部を通過した直後に急激なビーム広がり現象がある。この場合、焦点深度は±1μm以下となる。しかしながら、この値は電磁レンズや静電レンズでの補正限界を超えていることを示すものである。半導体描画速度は0.05m/sのオーダに対して、光ディスク等の大容量大面積露光に必須とされる線速度は1m/s以上である。補正の時間応答性において20倍以上かつ制御分解能は1/10倍が必要となる。また、一般的に、電子線による描画では、電子線の自動焦点合わせを対物レンズの焦点位置を変化させることにより行うことから、電子線を偏向させると、電子線が原盤に当たる位置が所望の位置からずれてしまうという問題が発生する。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、ワーク毎に面振れ量を制御可能となり、高速露光条件でも安定した露光品質を得られ、かつ信頼性の高い電子線描画装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明の電子線描画装置は、回転する露光原盤に電子線で所望のパターンを描画する時に原盤の面振れ量を任意の値に制御する。そして、露光開始の前段階で原盤の重心位置を決定した後に、原盤をテーブル面に載置する機構部材と、回転中の面振れ量を非接触状態で制御すべく設けられた応力場発生部材と、面振れ量を検知して応力場発生部材による応力場の増減を制御する制御部材とを有する。本発明の電子線描画装置において、応力場発生部材は原盤の表裏近傍に対向して設置され、かつ電位勾配を有するグラーディエント静電場を発生させる部材である。よって、クーロン力を使わない静電場の採用により簡単な構造で制御が容易になる。
また、応力場発生部材は、制御部材による面振れ量の調整を真空環境で、かつ原盤の実露光回転周波数を整数で除した任意の周波数で行うことにより、ワーク毎の共振周波数を考慮でき、信頼性の高い面振れ抑制機能を有する電子線描画装置を提供でき
更に、機構部材、回転体に設置された球面座を介して載物台が連結されており、回転体に設置されたテーパ形状の駆動用突起部材と載物台に設けた勘合穴により回転方向の駆動力を伝達することにより、ワークの動きの自由度を確保でき、振動減衰効果が得られる。
また、応力場発生部材を1箇所のみに設置する場合は、応力場発生部材をワーク中心と電子線の照射点を結ぶ直線上の任意の位置に設置する。よって、露光位置での面振れは抑制でき、安定したパターン品質が得られる。
本発明の電子線描画装置によれば、クーロン力を使わない静電場の採用により簡単な構造で制御が容易になり、高速露光条件でも安定した露光品質を確保できる。
図1は本発明を適用する光ディスク原盤露光装置の外観を示す斜視図である。同図において、制御部10は、図示していないが、電子銃、電子光学系、回転テーブル、直動ステージ(半径方向)の各コントローラとフィードバック回路を有している。筐体11内には、図示していないが、電子光学系並びに外部磁場遮蔽構造部材並びに真空排気系の部材が収納されている。架台12は、図示していないが、除振機構を有する常盤ならびに、各種ステージであるガイドレール、磁性流体内蔵スピンドルモータなど、ターボ分子モータ、ステージ位置検出用のレーザ光学ユニットが載置されている。更に、微細パターン加工ゾーンである真空チャンバは高真空状態に保持される。原盤はシリコンウェハ表面に電子線露光用レジスト膜を有する構成となっている。原盤を回転駆動するため回転テーブルが高精密スピンドルモータに結合されている。高精密スピンドルモータと回転テーブルを含む回転ステージは直動ステージに載置され、直動ステージにより原盤の半径方向に所望の速度で移動することで、原盤にはスパイラル状のパターンが形成される。この原理を応用すれば、高精度ピッチを有する複数の同心円パターンが形成できる。原盤の回転と半径方向に移動に呼応しながら電子ビームが電子筐体内部の電子光学系により、所望のタイミングとサイズをもって照射される。電子筐体内部において、電子ビームのオン/オフがブランキングユニットで制御される。また、直動ステージの起因により半径方向位置誤差はスポット位置を偏向電極により補正される。
図2は本発明を適用する電子線描画装置の構成を示す概略断面図である。同図に示す電子線描画装置20は、主として、電子光学系と、ワークにスパイラルパターンを形成するためのX−θ駆動系とを含んで構成されている。同図において、電子銃21から電界放射により得られた電子ビームはコンデンサレンズ23で絞られ、微細穴(φ30〜100μm)が設けられたアパーチャ24を通過後、対物レンズ25で所定の焦点深度とビーム径(10〜100nm)で回転テーブル28に載置されたワーク(EBレジスト/基板)27に到達する。電子線が保有するエネルギーはポジレジスト膜の高分子の主鎖を切る作用をする。この作用により低分子化された露光部分は現像液による溶解、流動現象で狙いのパターンが形成される。パターン形状は主に、ビームの加速電圧(KV)と照射電流(nA)とビーム径(nm)に代表される各種露光パラメータより決定される。それぞれのパラメータの中でビーム径は一般にビームエストと呼ばれる領域での寸法である。この領域の進行方向長さが長ければ長いほどワーク面の面振れ即ち上下変動に強い露光環境である。換言すると焦点深度の深いビームということができる。照射電流が数nA以下の領域では焦点深度は±5μm程度である。しかし、大電流になると電子同士の反発力即ちクーロン効果によりビームは極端に広がり易くなる。一般的に、高精度テーブルといわれる構成でも光軸方向(フォーカス方向)±30μm程度変動することが知られている。よって、本発明はこの大電流露光で浮上する課題を解決するためのものである。
図3は高さセンサによる原盤7の高さ検出の原理の説明図である。投光部31から真空室32内に導入されたレーザ光は、原盤33の表面で反射し、受光部の受光位置センサ34に入射される。原盤33の表面高さが面振れ等の原因で上下すると、その変化量に応じて受光位置センサ34では受光位置が変化する。この位置変化量から幾何学的計算により原盤表面高さ変化を求めることができる。なお、受光位置センサ34はPSDを用いても、CCDを用いても構わない。投光部31と受光位置センサ34の相対的な位置精度を厳密に管理すればするほど検出精度は向上する。このように、この高さ変化量を電子光学系のフォーカス制御にフィードバックを掛ける仕組みとなっている。しかし、露光速度の増大によりその応答性は実用域を遥かに超える高速性が要求されており新たな工夫が必要になっている。
そこで、図2の原盤27を回転させながら半径方向に移動しながら、電子ビームが照射される。電子ビーム光学系では形成すべきピットに応じてビームのオン/オフを図2のブランキングプレート22によってタイミングならびに照射時間の制御をする。また、原盤27の半径方向の位置誤差も検出する回路を持ち、スポット位置を図2の偏向電極26により補正する。
しかし、上記のごとき高さセンサ検出方式では、検出値に変動が発生する現象が報告されている。この現象は受光位置センサ34の出力値にオフセットが乗る現象である。これは大気圧の変動と相関がある。また、図4の(a)に示すように、片面研磨のシリコンウェハやガラス基板の原盤41では加工ひずみの影響により8インチサイズで10μm程度の反り量(=ΔH)は避けられない。そこで、図4の(b)に示すように、反り量を減らすべく原盤41の中央で固定部材42により固定し全体的な反りを小さくしようとすると、うねり成分が発生する。これは周波数の高い変形の原因となりフォーカスレンズの制御にとって悪い条件を生み出す結果となる。また、レジスト塗布後は200℃で30分間のベーキング工程を実施する。レジスト膜の面振れの応力により薄い基板では20μm程度の新たな反りが付加される場合もある。よって、より一層局部的な押さえ込みによる面形状の矯正は高周波うねり成分を助長する結果となる。
そこで、図5に示すように、ワークに新たなうねりを発生させずに反り量を減らす方法として、原盤51の裏面にスパッタ処理などで任意の薄膜52を形成させバイメタル作用を利用する方法は一応原理的には有効である。しかし、本来反り量が安定していない場合には安定的な方法ではないが補助手段として採用することはできる。例えば初期において20μmの反りだったものを3μm程度に改善できる。高感度EB用ポジ型レジストの代表銘柄ZEP520(日本ゼオン社製)は、スピンコート後にクリーンオーブン内で200℃にて30分プリベーク処理が必要である。レジスト膜の硬化収縮作用と基板(シリコンウェハあるいはガラスなど)との線膨張差が原因でφ8inchサイズでは30〜50μmの反りが発生する。この反りは中心部が低い御椀型形状をとる。レーザ光での光学的ハイトセンス方式では反射面の傾斜の変化が大きすぎて精度が極端に低下する。しかもフォーカスレンズの作動範囲は±20μm程度が一般的な値である。基板サイズの増大はフォーカス制御の面で大きな阻害要因となっている。そこで、両面レジスト塗布方式と裏面側に剛性の高いプレートを接合して変形を矯正する裏打ち方式を実施し共に良好な結果が得られた。
図6は対物レンズ近傍の電子線のプロファィルを模式化した図である。電子ビーム電流が十分に小さく、それを構成する個々の電子間の相互作用が無視できる場合は電磁場論的には扱いやすく基準軌道との近軸軌道そして各種収差に分解でき設計と実際のマッチングが容易である。しかし、本発明が対象とする数nA〜数百nAの領域では次のような現象が起きる。図6の(a)に示すように、Boersch効果により、エネルギー分布が陰極を出発する時よりも、異常に広がる。また、図6の(b)に示すように、Loeffler効果により、ビーム直径が連続流体近似での計算値よりも増加し、電流密度の裾が広がる。そして、実測した例を図7に示す。なお、同図の特性図の横軸はビーム径が最小となる位置を原点にとり、そこからのずれ量(電子線進行軸に沿った方向:Z方向)をZシフト量と表現している。実線は小電流密度の場合であって、Zシフトが±5μmにおいて10nm以下のビーム径が得られている。一方、一点鎖線及び点線で示す大電流密度では数十倍以上に急速に広がっていることがわかる。この特性からわかるように、ワークの高さ方向の変位、即ち回転に伴う面振れがおよそ1ミクロン以下でなければならない。低い周波数の面振れ(反り成分)に関しては従来からのハイトセンサ補正方式で追従有可能である。しかし、高い周波数成分(回転周波数の3倍まで)に関してはフォーカスレンズの応答性能が追従困難である。
図8はワーク内の半径位置に対する面振れ量を示す特性図である。同図において、実線は各位置での面振れ量を示している。一点鎖線は緩やかな反り成分である。反り成分に局部的なうねり成分が加算されると実線A〜Dとなる。また、図9に示すように、図8の点A、B、C、Dにおいてビームのデフォーカス作用により様々なパターンが刻まれることとなる。点Aはジャストフォーカス状態、点Bと点Cは僅かにずれたためパターンの肩部にだれが生じている。また、点Dでは露光ドーズ不足で底の無いパターン形状となっている。
次に、本発明の基本的な原理について図10、図11を用いて説明すると、真空環境では空気抵抗が作用しないので、図10に示すように、回転中ワークで考慮すべき力は支持点と重心位置とのずれ(図中、δL)で発生するモーメント力成分と、図11に示すようにワークの遠心力成分と、テーブル回転軸の倒れによる偏芯による面振れ成分である。すなわち、本発明は重心位置に極力近い点でのワーク固定を静的状態で実施するものである。ワークの遠心力成分はワーク自身が反り量を修正する作用である。面振れ成分に対しては回転軸倒れからワークが解放される構造を採用することで対応することにしたものである。
図12は本発明の一実施の形態例に係る電子線描画装置の構成を示す概略図である。同図に示す本実施の形態例の電子線描画装置100において、ワーク200は固定ケース102に設けられた静電チャック101で固定されている。なお、固定ケース102の上面はワーク200と接触面積を少なくするために外周に向かって傾斜を有している。また、固定ケース102の底部には複数の勘合穴103が設けられている。それぞれの勘合穴103には回転駆動用の突起部材104が非固定状態で挿入されている。この突起部材104は円錐状の形態をとり、固定ケース102が傾いていても必ずどこかで線圧が発生する構造となっている。そして、回転軸105の回転力は固定ケース102と突起部材104の任意の面を介して伝達される。回転軸105の先端には球面座加工を施された円盤部106がある。また、耐磨耗性の良い合金鋼で作成されたボール107は円盤部106に設けられた球面座に嵌め込まれ、外周リング108とピン109を介して円盤部106と共に回転する。そして、ボール107の表面には真空仕様のシリコン系潤滑剤が塗布されている。また、ワーク200の外周端近傍には所定の強制力を作用させるべく静電場形成部材110がワーク200を挟んで対向するように配置している。なお、この対の静電場形成部材110を複数箇所に設けても良いが、1箇所のみに設置する場合はワーク200の中心と電子線照射点を結ぶ直線上の任意の位置に設置することが望ましい。そして、回転体には一般的に基本周波数の3倍までの固有共振周波数の存在が見込まれている。静電場形成部材110のグラーディエント静電場によりワーク200の面振れ現象を減衰させる。露光開始前に低速回転状態から徐々に高速回転域に至るまでにフォーカスレンズが応答可能な値(加速度μm/sec、P−P変位μm)に達するまで面振れ調整を継続する。なお、低速回転数は実露光回転数の1/3を採用した。
ここで、本実施の形態例では、図12の静電チャック101にワーク200を固定することを前提条件としている。図13に示す原理図からわかるように、ワークの外周面の3個所を点接触状態で押し曳きしながらワーク重心位置を求めている。また、図14に示すように、重心位置への到達確認はギャップセンサ121にて行う。このギャップセンサ121は3箇所に配置されており基準面を形成している。各ギャップセンサ121からの距離が等しくなるまで調整を続ける。この調整途中ではワーク200は図14のセンターピン122に支持されているだけであって、つまり固定されていない。センターピン122には鍔部を設けられ圧縮バネ123で支持されている。ワーク200の位置を決定したら、静電チャック12をON状態にすることでワーク200は静電的な吸引力で下降し回転テーブルに固定される。図13と図14で示した工程は図1のロードロック室13の中で大気環境のもとで実施する。ロードロック室13を真空状態に設定後、仕切壁を開きワーク200は露光ゾーンへ搬入される。露光ゾーンでは図12で示す如くワーク200を低速回転させ、3対の静電場形成部材110の静電場を微調整しながら静電容量型のギャップセンサ121からの信号をフィードバックしながら面振れ最小の状態を形成する。この後に高速回転モードに移り、ブランキングOFFとして、電子線照射し露光を開始するものである。よって、本発明では、ワーク面高さはギャップセンサ121の基準面で規定される構造をとったので、従来のようなハイトセンサ方式は採用する必要がなくなった。遠心力でワークの反り成分はほぼ解消されている。静電場形成部材110の設置個数は、多段的に外力を付加することが減衰効率の面で、複数箇所の方が好ましい。しかし、一箇所のみでも効果はあり、この場合ワーク中心と電子線照射点(固定)を結ぶ直線上の任意の位置に静電場形成部材110を設置する条件がより好ましい。
図15は芯出し方式を具体化した説明図である。同図の(a)に示した従来の支持台固定方式が一般的である。この方式は、3点の載置外周ピン151〜153による支持での反力が均等になるように、外終端を押したり曳いたりしながらワーク200の重心が固定支持台直上に順次近づけていく方式である。この方法ではワークの外周部に独立した可動機構が必要となりスペース的にも制御的にも大掛かりになりやすい。そこで、同図の(b)に示すように、外終端は予め固定支持部材154〜156で軽く固定しておき3軸可動なようにピエゾ素子157を積層した部材の上に支持台158を設置した。載置外周ピン151〜153での反力が等しく成るべくX−Yのピエゾ素子157の伸縮を自動的に繰り返しワーク重心位置に一致させる構造にした。電子線の焦点位置にワーク面を自由に移動すべく、Z軸はワークの厚みに対応すべく設けられたものである。この状態で露光チャンバへ搬送される構成とした。
図16は本発明の全体動作を示すフローチャートである。同図に示す動作は本発明の装置構成を組み合わせた全体的なルーチンを示す。ステップS101、S102は重心位置決定のフロー、ステップS103〜S107は真空室内でのワーク自体の遠心力と静電場による振動減衰場の付与仮定のフローである。先ず、ワークを回転テーブル内のピボットピンに載置外周ピンで位置調整を行い、中心を出す(ステップS101)。そして、ワークの傾き度を変位センサで測定する(ステップS102)。測定したワークの傾き度と目標値を比較して、ワークの傾き度が目標値に到達していれば(ステップS103;YES)、回転テーブル内蔵の静電チャックをONにする(ステップS104)。そして、Xテーブルを作動させ、露光原点位置まで移動する(ステップS105)。回転テーブルの作動を開始する(ステップS106)。次に、ワーク外周部に配置された静電場ユニットを作動させて電圧を調整する(ステップS107)。そして、ワーク面高さ変位センサで回転時の面振れ量を測定する(ステップS108)。測定した面振れ量が目標値に達していれば露光を開始して電子線を照射してCLV駆動を行う(ステップS109)。その結果、真空環境では空気の抵抗が無いので、純粋に遠心力と回転中心からのずれで発生する回転モーメントを考慮しつつ、ワークには十分な自由度を与えて面振れを低減させるという当初の設計方針が活かされる結果となった。
なお、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
本発明を適用する光ディスク原盤露光装置の外観を示す斜視図である。 本発明を適用する電子線描画装置の構成を示す概略断面図である。 高さセンサによる原盤の高さ検出の原理の説明図である。 加工ひずみの影響により反りと固定部材によるうねり成分を示す図である。 ワークに新たなうねりを発生させずに反り量を減らした原盤の構造を示す断面図である。 対物レンズ近傍の電子線のプロファィルを模式化した図である。 小電流密度及び大電流密度における電子ビーム径とZシフト量の特性図である。 ワーク内の半径位置に対する面振れ量を示す特性図である。 半径位置に対する面振れ量に起因するビームのデフォーカス作用による様々なパターンを示す図である。 本発明の基本的な原理を説明する図である。 本発明の基本的な原理を説明する図である。 本発明の一実施の形態例に係る電子線描画装置の構成を示す概略図である。 ワーク重心位置出しを説明する図である。 ワーク重心位置出し後のワークギャップ出し機構を示す概略断面図である。 芯出し方式を具体化した説明図である。 本発明の全体動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100;電子線描画装置、101;静電チャック、
102;固定ケース、103;勘合穴、104;突起部材、
105;回転軸、106;円盤部、107;ボール、
108;外周リング、109;ピン、110;静電場形成部材、
200;ワーク。

Claims (4)

  1. 回転する露光原盤に電子線で所望のパターンを描画する時に原盤の面振れ量を任意の値に制御する電子線描画装置であって、露光開始の前段階で原盤の重心位置を決定した後に、原盤をテーブル面に載置する機構部材と、回転中の面振れ量を非接触状態で制御すべく設けられた応力場発生部材と、面振れ量を検知して前記応力場発生部材による応力場の増減を制御する制御部材とを有する電子線描画装置において、
    前記応力場発生部材は原盤の表裏近傍に対向して設置され、かつ電位勾配を有するグラーディエント静電場を発生させる部材であることを特徴とする電子線描画装置。
  2. 前記応力場発生部材は、制御部材による面振れ量の調整を真空環境で、かつ原盤の実露光回転周波数を整数で除した任意の周波数で行うことを特徴とする請求項1記載の電子線描画装置。
  3. 前記機構部材、回転体に設置された球面座を介して載物台が連結されており、前記回転体に設置されたテーパ形状の駆動用突起部材と前記載物台に設けた勘合穴により回転方向の駆動力を伝達することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線描画装置
  4. 応力場発生部材を1箇所のみに設置する場合は、前記応力場発生部材をワーク中心と電子線の照射点を結ぶ直線上の任意の位置に設置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子線描画装置。
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