JP4851541B2 - 機械式アジャスタ - Google Patents

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Description

本発明は、アジャスタに係り、特に、内燃機関のバルブクリアランスやチェーン張力等を自動調整するために用いられる機械式アジャスタに関する。
自動車等のエンジンに用いられる吸気バルブや排気バルブをシリンダヘッドの吸気口や排気口に装着するに際して、例えば、バルブステムに連結されたロッカーアームを機械式ラッシュアジャスタを支点として回動し、吸気バルブ等のバルブとロッカーアームとのバルブクリアランスを機械式ラッシュアジャスタの駆動によって自動調整するようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、自動車等のエンジンに用いられるカム駆動チェーン等のチェーン張力を一定に保つために、機械式アジャスタ(チェーンテンショナ)の駆動によって自動的に張力調整するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
実開平3−1203号公報 特開2001−124159号公報
しかし、従来の機械式ラッシュアジャスタは、バルブクリアランスを減少させる方向での動作は可能であるが、バルブクリアランスを増加させる方向については、ねじのガタ分の調整代はあっても、バルブクリアランスを積極的に増加させるアジャスト構造を有していなかった。このため、機関(エンジン)が暖まった状態で停止した後、急激に冷えるような場合、ラッシュアジャスタによるアジャスト状態はバルブクリアランスが過小な(マイナス)状態となり、次回の冷間始動時には、バルブリフト量が過大となったり、シール性が不良になったりすることが危惧される。
また、同様に、従来の機械式アジャスタ(チェーンテンショナ)は、チェーン張力を増加させる方向での動作は可能であるが、チェーン張力を積極的に減少させる構造を有していなかった。このため、チェーンに過張力が生じることが危惧される。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、バルブクリアランスまたはチェーン張力の増加・減少を自動的に調整することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、筒状に形成されて、その内周側にねじ部が形成されたハウジングと、前記ハウジングのねじ部とねじ結合されて、バルブスプリングまたはチェーンの反力を受ける第1のねじ部材と、前記第1のねじ部材と前記ハウジングの軸方向では移動自在で且つ回転方向では互いに拘束された状態で連結されて、前記ハウジングのねじ部とねじ結合された第2のねじ部材と、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材との間に配置されて、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材を前記ハウジングの軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材と、前記第2のねじ部材と前記ハウジングとの間に配置されて、前記第2のねじ部材を、前記バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向とは逆の方向の力で付勢する第2の弾性部材とを備え、前記第1のねじ部材は、前記バルブスプリングまたはチェーンの反力または前記第1の弾性部材からの軸力方向に応じて回転可能に前記ハウジングに支持され、前記第2のねじ部材は、前記第1の弾性部材からの軸力方向に対しては自立し、前記第2の弾性部材からの軸力方向に応じて回転可能に前記ハウジングに支持され、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材は、前記第1のねじ部材に作用する荷重と、前記第1のねじ部材および前記第2のねじ部材に生じるトルクが所定の条件を満たすときに、互いに一体となって正方向または逆方向に回転しながら前記ハウジングの軸方向に沿って移動してなる構成とした。
(作用)第1のねじ部材が、バルブスプリングまたはチェーンの反力または第1の弾性部材からの軸力方向(軸力が作用する方向)に応じて回転可能にハウジングに支持され、第2のねじ部材が、第1の弾性部材からの軸力方向に対しては自立し、第2の弾性部材からの軸力方向に応じて回転可能にハウジングに支持されている状態にあるときに、第1のねじ部材に作用する荷重と、第1のねじ部材および第2のねじ部材に生じるトルクが所定の条件を満たすときには、第1のねじ部材および第2のねじ部材は、互いに一体となって正方向または逆方向に回転しながら移動する。第1のねじ部材および第2のねじ部材が、互いに一体となって正方向に回転しながら移動、例えば、バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向とは逆の方向に移動すると、バルブクリアランスまたはチェーン張力が減少し、逆に、第1のねじ部材および第2のねじ部材が、互いに一体となって逆方向に回転しながら移動、例えば、バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向に移動すると、バルブクリアランスまたはチェーン張力が増加する。
請求項2に係る機械式アジャスタにおいては、請求項1に記載の機械式アジャスタにおいて、前記第1のねじ部材に作用する荷重が低い設定荷重以下の場合、前記第1のねじ部材の滑りトルク>前記第2のねじ部材の自立トルクであることを条件に、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材は、互いに一体となって回転しながら前記バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向とは逆の方向に移動し、前記第1のねじ部材に作用する荷重が高い設定荷重近傍あるいは超える場合、前記第1のねじ部材の滑りトルクの絶対値>前記第2のねじ部材の自立トルクであることを条件に、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材は、互いに一体となって回転しながら前記バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向に移動してなる構成とした。
(作用)第1のねじ部材に作用する荷重が低い設定荷重以下の場合、第1のねじ部材の滑りトルク>第2のねじ部材の自立トルクであることを条件に、第1のねじ部材および第2のねじ部材が、互いに一体となって回転しながらバルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向とは逆の方向に移動すると、バルブクリアランスまたはチェーン張力が減少し、逆に、第1のねじ部材に作用する荷重が高い設定荷重近傍あるいは超える場合、第1のねじ部材の滑りトルクの絶対値>第2のねじ部材の自立トルクであることを条件に、第1のねじ部材および第2のねじ部材が、互いに一体となって回転しながらバルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向に移動すると、バルブクリアランスまたはチェーン張力が増加する。
請求項3に係る機械式アジャスタにおいては、請求項1または2に記載の機械式アジャスタにおいて、前記ハウジングの内周側には、前記第1のねじ部材とねじ結合される第1のねじ部と前記第2のねじ部材とねじ結合される第2のねじ部が前記ハウジングの軸方向に沿って形成されてなる構成とした。
(作用)ハウジングの内周側には、第1のねじ部材とねじ結合される第1のねじ部と第2のねじ部材とねじ結合される第2のねじ部がハウジングの軸方向に沿って形成されているので、第1のねじ部材と第2のねじ部材をハウジングの軸方向に沿って直列に並べて配置することができる。
請求項4に係る機械式アジャスタにおいては、請求項1または2に記載の機械式アジャスタにおいて、前記ハウジングの内周側には、前記第1のねじ部材または前記第2のねじ部材とねじ結合されるねじ部が形成され、前記ハウジングの軸心を含む領域には円柱部または円筒部が形成され、前記円柱部外周側または前記円筒部内周側には前記第1のねじ部材または前記第2のねじ部材とねじ結合されるねじ部が形成され、前記第1のねじ部材または前記第2のねじ部材のうち前記ハウジングの内周側のねじ部にねじ結合された一方のねじ部材が筒状に形成され、他方のねじ部材が前記一方のねじ部材の内側に配置されてなる構成とした。
(作用)ハウジングの内周側には、第1のねじ部材または第2のねじ部材とねじ結合されるねじ部が形成されているとともに、ハウジングの円柱部外周側または円筒部内周側には第1のねじ部材または第2のねじ部材とねじ結合されるねじ部が形成され、第1のねじ部材または第2のねじ部材のうちハウジングの内周側のねじ部にねじ結合された一方のねじ部材が筒状に形成され、他方のねじ部材が一方のねじ部材の内側に配置されているので、第1のねじ部材と第2のねじ部材をハウジングの軸方向において互いにオーバーラップさせて配置することができる。
請求項1によれば、バルブクリアランスまたはチェーン張力の増加・減少を自動的に調整することができる。
請求項2によれば、バルブクリアランスまたはチェーン張力の増加・減少を自動的に調整することができる。
請求項3によれば、第1のねじ部材と第2のねじ部材をハウジングの軸方向に沿って直列に並べて配置することができる。
請求項4によれば、第1のねじ部材と第2のねじ部材をハウジングの軸方向において互いにオーバーラップさせて配置することができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図、図2(a)は、等フランク角のねじ部の断面図、図2(b)は、不等フランク角のねじ部の断面図、図3(a)は、ねじ部材とかぎ型相互回転防止継ぎ手の断面図、図3(b)は、ねじ部材とスリット型相互回転防止継ぎ手の断面図、図3(c)は、ねじ部材と斜め型相互回転防止継ぎ手の断面図、図4(a)〜(d)は、ねじ部材に作用する軸力とねじ部材の回転の状態を説明するための説明図、図5は、バルブスプリング反力とアジャスト量との関係を示す特性図、図6は、本発明の第2実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図、図7は、本発明の第3実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図、図8は、図7に示す機械式ラッシュアジャスタの底面図、図9(a)〜(d)は、ねじ部材に作用する軸力とねじ部材の回転の状態を説明するための説明図、図10は、本発明の第4実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図、図11は、本発明の第5実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図、図12は、本発明の第6実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図、図13(a)〜(c)は、ハウジングを二体構造とした場合の断面図である。
図1において、機械式ラッシュアジャスタ10は、例えば、自動車等の内燃機関(エンジン)に用いられる吸気バルブまたは排気バルブと弁座とのバルブクリアランスを自動的に調整するための装置として、ハウジング12、ねじ部材14、16、弾性部材18、20を備えて構成されている。
ハウジング12は、エンジンのシリンダヘッド(図示せず)に配置される、例えば鉄製の筒体として、円筒状に形成されており、ハウジング12の内周側には、環状溝22を基準に、環状溝22より上側にねじ部24が形成され、環状溝22より下側には、ねじ部26が形成されている。ねじ部24は、図2(a)に示すように、フランク角θ1が等しい雌ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。ねじ部26は、図2(b)に示すように、フランク角θ2、θ3が異なる(θ2>θ3)雌ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
なお、ハウジング12は、図13(a)〜(c)に示すように、内周側の環状溝22を境に2つに分割して二体構造とし、分割したものを、図13(a)に示すように、溶接により接合したり、図13(b)に示すように、カシメにより接合したり、あるいは図13(c)に示すように、圧入により接合したりすることも可能である(以下の第2実施例や第3実施例も同様である。)。
ねじ部材14は、第1のねじ部材として、略円柱状に形成されており、ねじ部材14の上部側には、略半球状の球頭部28が形成されている。球頭部28は、吸気バルブまたは排気バルブのバルブステムに連結されたロッカアームの一端側に形成された半球状のピポット(図示せず)と嵌合可能に形成されており、ロッカアームがローラ軸を中心として回動するときの支点として機能し、ロッカアームの回動時に、ロッカアームからの力、すなわち、バルブステムの周囲に装着されて、吸気バルブ又は排気バルブに対して閉弁方向の付勢力を付与するバルブスプリングの反力をハウジング12の軸方向に沿った軸力として受けるようになっている。球頭部28より下方のねじ部材14外周側には、ねじ部30が形成されている。ねじ部30は、ハウジング12のねじ部24とねじ結合された雄ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。ねじ部材14の下部側には、図3(a)に示すように、かぎ型の相互回転防止継ぎ手32と弾性部材収納室34が形成されている。ねじ部材14の軸心部には、弾性部材収納室34に連なる貫通孔36が形成されており、弾性部材収納室34には、弾性部材18が収納されている。弾性部材18は、ねじ部材14とねじ部材16との間に配置されて、ねじ部材14とねじ部材16をハウジング12の軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材として、例えば、コイルばねで構成されている。
ねじ部材16は、頭部が閉塞された円筒体として形成されており、ねじ部材16の上部側には、図3(a)に示すように、ねじ部材14の継ぎ手30と嵌合可能なかぎ型相互回転防止継ぎ手38が形成されている。ねじ部材16外周側にはねじ部40が形成されている。ねじ部40は、ハウジング12のねじ部26とねじ結合された雄ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。ねじ部材16の内側には、弾性部材収納室42が形成されており、弾性部材収納室42には、弾性部材20が収納されている。弾性部材20は、ハウジング12底部のねじ部26に固定された支持板44とねじ部材16との間に配置されて、ねじ部材16をハウジング12の軸方向に沿ってねじ部材14に近づける方向の力(バルブスプリングの反力が作用する方向とは逆方向の力)で付勢する第2の弾性部材として、例えば、コイルばねで構成されている。
なお、継ぎ手30、38の代わりに、図3(b)に示すように、スリット型相互回転防止継ぎ手43、45や、図3(c)に示すように、斜め型相互回転防止継ぎ手46、48を用いることができる。
ここで、ねじ部材14は、等フランク角のねじ部30が等フランク角のねじ部24にねじ結合された状態でハウジング12に支持されているので、球頭部28にハウジング12の軸心に沿って下向きの軸力F1が作用したときには、図4(a)に示すように、軸力F1に従って回転しながら下方に移動し、逆に、弾性部材収納室34上部壁面に、ハウジング12の軸心に沿って上向きの軸力F2が作用したときには、図4(b)に示すように、軸力F2に従って回転しながら上方に移動するようになっている。
一方、ねじ部材16は、不等フランク角のねじ部40が不等フランク角のねじ部26にねじ結合された状態でハウジング12に支持されているので、弾性部材収納室42上部にハウジング12の軸心に沿って下向きの軸力F3が作用しても、ねじ部26とねじ部40のうちフランク角の大きいねじ接触面に軸力F3が作用するので、このねじ接触面(縮み側のねじ接触面)がセルフロック(自立)し、図4(c)に示すように、軸力F3によって回転することなく、停止した状態にある。逆に、弾性部材収納室42上部壁面に、ハウジング12の軸心に沿って上向きの軸力F4が作用したときには、ねじ部材16は、ねじ部26とねじ部40のうちフランク角の小さいねじ接触面に軸力F4が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)することなく(ねじ接触面が滑り)、図4(d)に示すように、軸力F4に従って回転しながら上方に移動するようになっている。
また、ねじ部材14とねじ部材16は、かぎ型相互回転防止継ぎ手30、32を介して連結され、回転方向において互いに拘束された状態にある。このため、ねじ部材14とねじ部材16は、単独で回転することができず、回転するときには、両者が一体となって回転するようになっている。例えば、ねじ部材14とねじ部材16は、ねじ部材14に軸力F2が作用し、ねじ部材16に軸力F4が作用したときには、ねじ接触面が共に滑り、両者が一体となって回転しながら上方に移動する。
しかし、ねじ部材14に軸力F1が作用し、ねじ部材16に軸力F3が作用したときには、ある条件下では、ねじ部材14は回転可能であっても、ねじ部材16は回転できないので、両者が一体となって回転することなく、停止した状態になる。
但し、ねじ部材14に軸力F1と同じ方向の力が作用し、ねじ部材16に軸力F3と同じ方向の力が作用したときに、ねじ部材16に設定値以上のトルク(自立トルクを超えるトルク)が作用したときには、ねじ部26、40におけるねじ接触面が滑って、ねじ部材16が回転可能となり、ねじ部材14とねじ部材16は、軸力に従って一体となって回転しながら下方に移動する。
すなわち、ねじ部材14は、ねじ部30の伸び側と縮み側が共に滑り、ねじ部材16は、ねじ部40の伸び側が滑り、縮み側が自立するように、ねじ部材14とねじ部材16のリード角とフランク角が設定されている。
また、弾性部材18の反力とバルブスプリングの反力との差分に応じてねじ部材14に発生する滑りトルクをTUとし、弾性部材20による反力と弾性部材18による反力との差分に応じてねじ部材16に発生する自立トルクをTLとしたときに、両者のトルクバランスは以下のように設定されている。
(1)ねじ部材14に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、
ねじ部材14の滑りトルクTU>ねじ部材16の自立トルクTL
のときには、ねじ部材14とねじ部材16がハウジング12の軸方向に沿って伸び方向に動き、バルブクリアランスを減少させる。
(2)ねじ部材14に働く荷重が、バルブ閉荷重〜バルブ開荷重の範囲(バルブクリアランス=0)の場合、
ねじ部材14の滑りトルクTUの絶対値|TU|≦ねじ部材16の自立トルクTL
のときには、ねじ部材14は、ねじ部材16の自立トルクTLに拘束され、ねじ部材14とねじ部材16は停止した状態にある。
(3)ねじ部材14に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、
ねじ部材14の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材16の自立トルクTL
のときには、ねじ部材14の滑りトルクTUは、ねじ部材16の自立トルクTLに打ち勝ち、ねじ部材14とねじ部材16を含むねじ部材全体としては、ハウジング12の軸方向に沿って縮む方向に動き、バルブクリアランスを増加(拡大)させる。
ここで、バルブ閉荷重Fa、バルブ開荷重Fbとして、上記(1)〜(3)の条件で、バルブスプリング反力とアジャスト量の関係をグラフ化したものを図5に示す。図5において、特性Aは、上記(1)の条件に対応し、特性Bは、上記(2)の条件に対応し、特性Cは、上記(3)の条件に対応している。なお、特性Dは、伸び方向にストッパ(ねじ部材14がある範囲から伸び側に移動するのを阻止するストッパ)を設けたときの特性を示す。
このように、本実施例においては、ねじ部材14に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、ねじ部材14の滑りトルクTU>ねじ部材16の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを減少させ、ねじ部材14に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、ねじ部材14の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材16の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを増加させることができる。
従って、本実施例によれば、バルブクリアランスの増加・減少を自動的に調整することができる。
また、本実施例によれば、エンジンの高回転時には、ねじ部材14、16の慣性力により、バルブクリアランスが増加(拡大)する方向(ねじ部材全体が縮む方向)の荷重が増加するので、剛性を高めることができる。
次に、本発明の第2実施例を図6に従って説明する。本実施例における機械式ラッシュアジャスタ10aは、ハウジング12のねじ部24の上部側に円環状のストッパ50を固定し、ねじ部材14のねじ部30とストッパ50との当接により、ねじ部材14がある範囲から伸び方向に移動するのを阻止するようにしたものであり、その他の構成は、第1実施例と同様である。
本実施例によれば、バルブクリアランスの増加・減少を自動的に調整することができるとともに、ねじ部材14がある範囲から伸び方向に移動するのを阻止することができる。
次に、本発明の第3実施例を図7および図8に従って説明する。本実施例における機械式ラッシュアジャスタ10bは、ダイレクト型リフターボディ内に組み込まれるようになっている。機械式ラッシュアジャスタ10bは、略円筒状に形成されたハウジング52を備えており、ハウジング52は、閉塞された上部側がダイレクト型リフターボディ内に固定され、開口された下部側にバルブステムが挿入されるようになっている。
ハウジング52は、その内部に同心円状の円筒部54が形成されているとともに、ねじ部材56、58および弾性部材60、62が収納されている。ハウジング52の内周側には、ねじ部64が形成され、円筒部54の内周側にはねじ部66が形成されている。ハウジング52のねじ部64は、不等フランク角の雌ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成され、円筒部54のねじ部66は、等フランク角の雌ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材56は、第1のねじ部材として、円板部68と円柱部70とが一体となって形成されており、円板部68外周側がねじ部材58とスリット型の相互回転防止継ぎ手(図示せず)を介して連結され、円柱部70外周側にはねじ部72が形成されている。円板部68には、バルブステムの軸方向端部が当接され、バルブスプリングの反力が付与されるようになっている。円柱部70のねじ部72は、円筒部54のねじ部66とねじ結合された等フランク角の雄ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材58は、第2のねじ部材として、略円筒状に形成されており、ねじ部材58の外周側にはねじ部74が形成され、上部側には円環状のフランジ部76が形成されている。ねじ部74は、ハウジング52のねじ部64とねじ結合された不等フランク角の雄ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
弾性部材60は、ねじ部材56の円板部68とねじ部材58のフランジ76との間に配置されて、ねじ部材56とねじ部材58をハウジング52の軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材として、例えば、皿ばねで構成されている。弾性部材62は、ハウジング52上部壁面とねじ部材58のフランジ部76との間に配置されて、ねじ部材58をハウジング52の軸方向に沿って下方に移動させる力(バルブスプリングの反力が作用する方向とは逆方向の力)で付勢する第2の弾性部材として、例えば、コイルばねで構成されている。
ここで、ねじ部材56は、等フランク角のねじ部72が等フランク角のねじ部66にねじ結合された状態でハウジング52に支持されているので、円板部68にハウジング52の軸心に沿って上向きの軸力F1が作用したときには、図9(a)に示すように、軸力F1に従って回転しながら上方に移動し、逆に、円板部68に、ハウジング52の軸心に沿って下向きの軸力F2が作用したときには、図9(b)に示すように、軸力F2に従って回転しながら下方に移動するようになっている。
一方、ねじ部材58は、不等フランク角のねじ部74が不等フランク角のねじ部64にねじ結合された状態でハウジング52に支持されているので、ねじ部材58のフランジ部76にハウジング52の軸心に沿って上向きの軸力F3が作用しても、ねじ部64とねじ部74のうちフランク角の大きいねじ接触面に軸力F3が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)し、図9(c)に示すように、軸力F3によって回転することなく、停止した状態にある。逆に、ねじ部材58のフランジ部76にハウジング52の軸心に沿って下向きの軸力F4が作用したときには、ねじ部材58は、ねじ部64とねじ部74のうちフランク角の小さいねじ接触面に軸力F4が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)することなく、図9(d)に示すように、軸力F4に従って回転しながら下方に移動するようになっている。
また、ねじ部材56とねじ部材58は、スリット型相互回転防止継ぎ手を介して連結され、回転方向において互いに拘束された状態にある。このため、ねじ部材56とねじ部材58は、単独で回転することができず、回転するときには、両者が一体となって回転するようになっている。例えば、ねじ部材56とねじ部材58は、ねじ部材56に軸力F2が作用し、ねじ部材58に軸力F4が作用したときには、両者が一体となって回転しながら下方に移動する。
しかし、ねじ部材56に軸力F1が作用し、ねじ部材58に軸力F3が作用したときには、ある条件下では、ねじ部材56は回転可能であっても、ねじ部材58は回転できないので、両者が一体となって回転することなく、停止した状態になる。但し、ねじ部材56に軸力F1が作用し、ねじ部材58に軸力F3が作用したときに、ねじ部材58に設定値以上のトルク(自立トルクを超えるトルク)が作用したときには、ねじ部材58が回転可能となり、ねじ部材56とねじ部材58は、トルクに従って一体となって回転しながら縮み側に移動する。
すなわち、ねじ部材56は、ねじ部72の伸び側と縮み側が共に滑り、ねじ部材58は、ねじ部74の伸び側が滑り、縮み側が自立するように、ねじ部材56とねじ部材58のリード角とフランク角が設定されている。
また、弾性部材60の反力とバルブスプリングの反力との差分に応じてねじ部材56に発生する滑りトルクをトルクTUとし、弾性部材62による反力と弾性部材60による反力との差分に応じてねじ部材58に発生する自立トルクをトルクTLとしたときに、両者のトルクバランスは以下のように設定されている。
(1)ねじ部材56に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、
ねじ部材56の滑りトルクTU>ねじ部材58の自立トルクTL
のときには、ねじ部材56とねじ部材58がハウジング52の軸方向に沿って伸び方向に動き、バルブクリアランスを減少させる。
(2)ねじ部材56に働く荷重が、バルブ閉荷重〜バルブ開荷重の範囲(バルブクリアランス=0)の場合、
ねじ部材56の滑りトルクTUの絶対値|TU|≦ねじ部材58の自立トルクTL
のときには、ねじ部材56は、ねじ部材58の自立トルクTLに拘束され、ねじ部材56とねじ部材58は停止した状態にある。
(3)ねじ部材56に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、
ねじ部材56の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材58の自立トルクTL
のときには、ねじ部材56の滑りトルクTUは、ねじ部材58の自立トルクTLに打ち勝ち、ねじ部材56とねじ部材58を含むねじ部材全体としては、ハウジング52の軸方向に沿って縮む方向に動き、バルブクリアランスを増加(拡大)させる。
このように、本実施例においては、ねじ部材56に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、ねじ部材56の滑りトルクTU>ねじ部材58の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを減少させ、ねじ部材56に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、ねじ部材56の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材58の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを増加させることができる。
従って、本実施例によれば、バルブクリアランスの増加・減少を自動的に調整することができる。
また、本実施例によれば、エンジンの高回転時には、ねじ部材56、58の慣性力により、バルブクリアランスが増加(拡大)する方向(ねじ部材全体が縮む方向)の荷重が増加するので、剛性を高めることができる。
次に、本発明の第4実施例を図10に従って説明する。本実施例における機械式ラッシュアジャスタ10cは、ダイレクト型リフターボディ内に組み込まれるようになっている。機械式ラッシュアジャスタ10cは、略円筒状に形成されたハウジング78を備えており、ハウジング78は、閉塞された上部側がダイレクト型リフターボディ内に固定され、開口された下部側にバルブステムが挿入されるようになっている。
ハウジング78は、その内部に同心円状の円柱部80が形成されているとともに、ねじ部材82、84および弾性部材86、88が収納されている。ハウジング78の内周側には、ねじ部90が形成され、円柱部80の外周側にはねじ部92が形成されている。ハウジング78のねじ部90は、等フランク角の雌ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成され、円柱部80のねじ部92は、不等フランク角の雄ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材82は、第1のねじ部材として、円板部94と筒部96とが一体となって円筒状に形成されており、筒部96上部内周側がねじ部材84とスリット型の継ぎ手(図示せず)を介して連結され、筒部96外周側にはねじ部98が形成されている。円板部94には、バルブステムが当接され、バルブスプリングの反力が付与されるようになっている。筒部96のねじ部98は、ハウジング78のねじ部90とねじ結合された雄ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材84は、第2のねじ部材として、略円筒状に形成されており、ねじ部材84の内周側にはねじ部100が形成され、上部外周側には円環状のフランジ部102が形成されている。ねじ部100は、円柱部80のねじ部92とねじ結合された不等フランク角の雌ねじ、例えば、鋸歯ねじで構成されている。
弾性部材86は、ねじ部材82の円板部94とねじ部材84のフランジ部102との間に配置されて、ねじ部材82とねじ部材84をハウジング78の軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材として、例えば、皿ばねで構成されている。弾性部材88は、ハウジング78上部壁面とねじ部材84のフランジ部102との間に配置されて、ねじ部材84をハウジング78の軸方向に沿って伸びる方向に移動させる力(バルブスプリングの反力が作用する方向とは逆方向の力)で付勢する第2の弾性部材として、例えば、コイルばねで構成されている。
ここで、ねじ部材82は、等フランク角のねじ部98が等フランク角のねじ部90にねじ結合された状態でハウジング78に支持されているので、円板部94にハウジング78の軸心に沿って縮む方向の軸力F1が作用したときには、図9(a)に示すように、軸力F1に従って回転しながら縮む方向に移動し、逆に、円板部94に、ハウジング78の軸心に沿って伸びる方向の軸力F2が作用したときには、図9(b)に示すように、軸力F2に従って回転しながら伸びる方向に移動するようになっている。
一方、ねじ部材84は、不等フランク角のねじ部100が不等フランク角のねじ部92にねじ結合された状態でハウジング78に支持されているので、ねじ部材84のフランジ部102にハウジング78の軸心に沿って縮む方向の軸力F3が作用しても、ねじ部92とねじ部100のうちフランク角の大きいねじ接触面に軸力F3が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)し、図9(e)に示すように、軸力F3によって回転することなく、停止した状態にある。逆に、ねじ部材84のフランジ部102にハウジング78の軸心に沿って伸びる方向の軸力F4が作用したときには、ねじ部材84は、ねじ部92とねじ部100のうちフランク角の小さいねじ接触面に軸力F4が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)することなく、図9(f)に示すように、軸力F4に従って回転しながら伸びる方向に移動するようになっている。
また、ねじ部材82とねじ部材84は、スリット型相互回転防止継ぎ手を介して連結され、回転方向において互いに拘束された状態にある。このため、ねじ部材82とねじ部材84は、単独で回転することができず、回転するときには、両者が一体となって回転するようになっている。例えば、ねじ部材82とねじ部材84は、ねじ部材82に軸力F2が作用し、ねじ部材84に軸力F4が作用したときには、両者が一体となって回転しながら伸びる方向に移動する。
しかし、ねじ部材82に軸力F1が作用し、ねじ部材84に軸力F3が作用したときには、ある条件下では、ねじ部材82は回転可能であっても、ねじ部材84は回転できないので、両者が一体となって回転することなく、停止した状態になる。
但し、ねじ部材82に軸力F1が作用し、ねじ部材84に軸力F3が作用したときに、ねじ部材84に設定値以上のトルク(自立トルクを超えるトルク)が作用したときには、ねじ部材84が回転可能となり、ねじ部材82とねじ部材84は、トルクに従って一体となって回転しながら縮む方向に移動する。
すなわち、ねじ部材82は、ねじ部98の伸び側と縮み側が共に滑り、ねじ部材84は、ねじ部100の伸び側が滑り、縮み側が自立するように、ねじ部材82とねじ部材84のリード角とフランク角が設定されている。
また、弾性部材86の反力とバルブスプリングの反力との差分に応じてねじ部材82に発生する滑りトルクをトルクTUとし、弾性部材88による反力と弾性部材86による反力との差分に応じてねじ部材84に発生する自立トルクをトルクTLとしたときに、両者のトルクバランスは以下のように設定されている。
(1)ねじ部材82に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、
ねじ部材82の滑りトルクTU>ねじ部材84の自立トルクTL
のときには、ねじ部材82とねじ部材84がハウジング78の軸方向に沿って下の方向(伸び方向)に動き、バルブクリアランスを減少させる。
(2)ねじ部材82に働く荷重が、バルブ閉荷重〜バルブ開荷重の範囲(バルブクリアランス=0)の場合、
ねじ部材82の滑りトルクTUの絶対値|TU|≦ねじ部材84の自立トルクTL
のときには、ねじ部材82は、ねじ部材84の自立トルクTLに拘束され、ねじ部材82とねじ部材84は停止した状態にある。
(3)ねじ部材82に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、
ねじ部材82の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材84の自立トルクTL
のときには、ねじ部材82の滑りトルクTUは、ねじ部材84の自立トルクTLに打ち勝ち、ねじ部材82とねじ部材84を含むねじ部材全体としては、ハウジング78の軸方向に沿って縮む方向に動き、バルブクリアランスを増加(拡大)させる。
このように、本実施例においては、ねじ部材82に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、ねじ部材82の滑りトルクTU>ねじ部材84の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを減少させ、ねじ部材82に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、ねじ部材82の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材84の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを増加させることができる。
従って、本実施例によれば、バルブクリアランスの増加・減少を自動的に調整することができる。
また、本実施例によれば、エンジンの高回転時には、ねじ部材82、84の慣性力により、バルブクリアランスが増加(拡大)する方向(ねじ部材全体が縮む方向)の荷重が増加するので、剛性を高めることができる。
次に、本発明の第5実施例を図11に従って説明する。本実施例における機械式ラッシュアジャスタ10dは、ダイレクト型リフターボディ内に組み込まれるようになっている。機械式ラッシュアジャスタ10dは、略円筒状に形成されたハウジング104を備えており、ハウジング104は、閉塞された上部側がダイレクト型リフターボディ内に固定され、開口された下部側にバルブステムが挿入されるようになっている。
ハウジング104は、その内部に同心円状の円筒部106が形成されているとともに、ねじ部材108、110および弾性部材112、114が収納されている。ハウジング104の内周側には、ねじ部116が形成され、円筒部106の内周側にはねじ部118が形成されている。ハウジング104のねじ部116は、不等フランク角の雌ねじである鋸はねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成され、円筒部106のねじ部118は、等フランク角の雌ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材108は、第1のねじ部材として、大円柱部120と小円柱部122とが一体となって円柱状に形成されており、大円柱部120底部外周側がねじ部材110とスリット型の相互回転防止継ぎ手124を介して連結され、小円柱部122外周側にはねじ部126が形成されている。大円柱部120には、バルブステムが当接され、バルブスプリングの反力が付与されるようになっている。小円柱部122のねじ部126は、円筒部106のねじ部118とねじ結合された等フランク角の雄ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材110は、第2のねじ部材として、大円筒部128と小円筒部130とが一体となって略円筒状に形成されており、大円筒部128の外周側にはねじ部132が形成され、小円筒部130上部外周側には円環状のフランジ部134が形成されている。ねじ部132は、ハウジング104のねじ部116とねじ結合された不等フランク角の雄ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
弾性部材112は、ねじ部材108の大円柱部120上面とねじ部材110のフランジ部134との間に配置されて、ねじ部材108とねじ部材110をハウジング104の軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材として、例えば、皿ばねで構成されている。弾性部材114は、ハウジング104上部壁面とねじ部材110の大円筒部128上面との間に配置されて、ねじ部材110をハウジング104の軸方向に沿って伸びる方向に移動させる力(バルブスプリングの反力が作用する方向とは逆方向の力)で付勢する第2の弾性部材として、例えば、コイルばねで構成されている。
ここで、ねじ部材108は、等フランク角のねじ部126が等フランク角のねじ部118にねじ結合された状態でハウジング104に支持されているので、大円柱部120にハウジング104の軸心に沿って縮む方向の軸力F1が作用したときには、図9(a)に示すように、軸力F1に従って回転しながら縮む方向に移動し、逆に、大円柱部120に、ハウジング104の軸心に沿って伸びる方向の軸力F2が作用したときには、図9(b)に示すように、軸力F2に従って回転しながら伸びる方向に移動するようになっている。
一方、ねじ部材110は、不等フランク角のねじ部132が不等フランク角のねじ部116にねじ結合された状態でハウジング104に支持されているので、ねじ部材110の大円筒部128にハウジング104の軸心に沿って縮む方向の軸力F3が作用しても、ねじ部132とねじ部116のうちフランク角の大きいねじ接触面に軸力F3が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)し、図9(c)に示すように、軸力F3によって回転することなく、停止した状態にある。逆に、ねじ部材110の大円筒部128にハウジング104の軸心に沿って伸びる方向の軸力F4が作用したときには、ねじ部材110は、ねじ部132とねじ部116のうちフランク角の小さいねじ接触面に軸力F4が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)することなく、図9(d)に示すように、軸力F4に従って回転しながら伸びる方向に移動するようになっている。
また、ねじ部材108とねじ部材110は、スリット型相互回転防止継ぎ手124を介して連結され、回転方向において互いに拘束された状態にある。このため、ねじ部材108とねじ部材110は、単独で回転することができず、回転するときには、両者が一体となって回転するようになっている。例えば、ねじ部材108とねじ部材110は、ねじ部材108に軸力F2が作用し、ねじ部材110に軸力F4が作用したときには、両者が一体となって回転しながら伸びる方向に移動する。
しかし、ねじ部材108に軸力F1が作用し、ねじ部材110に軸力F3が作用したときには、ある条件下では、ねじ部材108は回転可能であっても、ねじ部材110は回転できないので、両者が一体となって回転することなく、停止した状態になる。
但し、ねじ部材108に軸力F1が作用し、ねじ部材110に軸力F3が作用したときに、ねじ部材110に設定値以上のトルク(自立トルクを超えるトルク)が作用したときには、ねじ部材110が回転可能となり、ねじ部材108とねじ部材110は、トルクに従って一体となって回転しながら縮む方向に移動する。
すなわち、ねじ部材108は、ねじ部118の伸び側と縮み側が共に滑り、ねじ部材110は、ねじ部132の伸び側が滑り、縮み側が自立するように、ねじ部材108とねじ部材110のリード角とフランク角が設定されている。
また、弾性部材112の反力とバルブスプリングの反力との差分に応じてねじ部材108に発生する滑りトルクをトルクTUとし、弾性部材112による反力と弾性部材114による反力との差分に応じてねじ部材110に発生する自立トルクをトルクTLとしたときに、両者のトルクバランスは以下のように設定されている。
(1)ねじ部材108に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、
ねじ部材108の滑りトルクTU>ねじ部材110の自立トルクTL
のときには、ねじ部材108とねじ部材110がハウジング104の軸方向に沿って下の方向(伸び方向)に動き、バルブクリアランスを減少させる。
(2)ねじ部材108に働く荷重が、バルブ閉荷重〜バルブ開荷重の範囲(バルブクリアランス=0)の場合、
ねじ部材108の滑りトルクTUの絶対値|TU|≦ねじ部材110の自立トルクTLのときには、ねじ部材108は、ねじ部材110の自立トルクTLに拘束され、ねじ部材108とねじ部材110は停止した状態にある。
(3)ねじ部材108に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、
ねじ部材108の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材110の自立トルクTLのときには、ねじ部材108の滑りトルクTUは、ねじ部材110の自立トルクTLに打ち勝ち、ねじ部材108とねじ部材110を含むねじ部材全体としては、ハウジング104の軸方向に沿って縮む方向に動き、バルブクリアランスを増加(拡大)させる。
このように、本実施例においては、ねじ部材108に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、ねじ部材108の滑りトルクTU>ねじ部材110の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを減少させ、ねじ部材108に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、ねじ部材108の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材110の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを増加させることができる。
従って、本実施例によれば、バルブクリアランスの増加・減少を自動的に調整することができる。
また、本実施例によれば、エンジンの高回転時には、ねじ部材108、110の慣性力により、バルブクリアランスが増加(拡大)する方向(ねじ部材全体が縮む方向)の荷重が増加するので、剛性を高めることができる。
さらに、本実施例によれば、ばね部材112、114および弾性部材108、110がそれぞれ並列に配列されているので、ハウジング104の軸方向の長さを短くすることができ、他の実施例のものよりも小型化を図ることができる。
次に、本発明の第6実施例を図12に従って説明する。本実施例における機械式ラッシュアジャスタ10eは、ダイレクト型リフターボディ内に組み込まれるようになっている。機械式ラッシュアジャスタ10eは、略円筒状に形成されたハウジング136を備えており、ハウジング136は、閉塞された上部側がダイレクト型リフターボディ内に固定され、開口された下部側にバルブステムが挿入されるようになっている。
ハウジング136は、その内部のうち上部側の領域に、環状溝138を間にして、ねじ部140とねじ部142が上下に分かれて形成されているとともに、ねじ部材144、146および弾性部材148、150がそれぞれ互いに直列になって収納されている。
ハウジング136内周側のねじ部140は、等フランク角の雌ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成され、ねじ部142は、不等フランク角の雌ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材144は、第1のねじ部材として、円板部152と円筒部154とが一体となって略有底円筒状に形成されており、円筒部154外周側にねじ部156が形成され、円筒部154上部側がねじ部材146とスリット型の継ぎ手158を介して連結されている。円板部152には、バルブステムが当接され、バルブスプリングの反力が付与されるようになっている。円筒部154のねじ部156は、ハウジング136のねじ部140とねじ結合された等フランク角の雄ねじ、例えば、等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
ねじ部材146は、第2のねじ部材として、円板部160と円筒部162とが一体となって略有底円筒状に形成されており、円筒部162の外周側にはねじ部164が形成されている。ねじ部164は、ハウジング136のねじ部142とねじ結合された不等フランク角の雄ねじである鋸歯ねじ、例えば、不等フランク角の三角ねじ又は台形ねじで構成されている。
弾性部材148は、ねじ部材144の円板部152上面とねじ部材146の円板部160底面との間に配置されて、ねじ部材144とねじ部材146をハウジング136の軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材として、例えば、皿ばねで構成されている。弾性部材150は、ハウジング136上部壁面とねじ部材146の円板部160上面との間に配置されて、ねじ部材146をハウジング136の軸方向に沿って伸びる方向に移動させる力(バルブスプリングの反力が作用する方向とは逆方向の力)で付勢する第2の弾性部材として、例えば、コイルばねで構成されている。
ここで、ねじ部材144は、等フランク角のねじ部156が等フランク角のねじ部140にねじ結合された状態でハウジング136に支持されているので、円板部152にハウジング136の軸心に沿って縮む方向の軸力F1が作用したときには、図9(a)に示すように、軸力F1に従って回転しながら縮む方向に移動し、逆に、円板部152に、ハウジング136の軸心に沿って伸びる方向の軸力F2が作用したときには、図9(b)に示すように、軸力F2に従って回転しながら伸びる方向に移動するようになっている。
一方、ねじ部材146は、不等フランク角のねじ部164が不等フランク角のねじ部142にねじ結合された状態でハウジング136に支持されているので、ねじ部材146の円板部160にハウジング136の軸心に沿って縮む方向の軸力F3が作用しても、ねじ部142とねじ部164のうちフランク角の大きいねじ接触面に軸力F3が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)し、図9(c)に示すように、軸力F3によって回転することなく、停止した状態にある。逆に、ねじ部材146の円板部160にハウジング136の軸心に沿って伸びる方向の軸力F4が作用したときには、ねじ部材146は、ねじ部142とねじ部164のうちフランク角の小さいねじ接触面に軸力F4が作用するので、このねじ接触面がセルフロック(自立)することなく、図9(d)に示すように、軸力F4に従って回転しながら伸びる方向に移動するようになっている。
また、ねじ部材144とねじ部材146は、スリット型相互回転防止継ぎ手158を介して連結され、回転方向において互いに拘束された状態にある。このため、ねじ部材144とねじ部材146は、単独で回転することができず、回転するときには、両者が一体となって回転するようになっている。例えば、ねじ部材144とねじ部材146は、ねじ部材144に軸力F2が作用し、ねじ部材146に軸力F4が作用したときには、両者が一体となって回転しながら伸びる方向に移動する。
しかし、ねじ部材144に軸力F1が作用し、ねじ部材146に軸力F3が作用したときには、ある条件下では、ねじ部材144は回転可能であっても、ねじ部材146は回転できないので、両者が一体となって回転することなく、停止した状態になる。
但し、ねじ部材144に軸力F1が作用し、ねじ部材146に軸力F3が作用したときに、ねじ部材146に設定値以上のトルク(自立トルクを超えるトルク)が作用したときには、ねじ部材146が回転可能となり、ねじ部材144とねじ部材146は、トルクに従って一体となって回転しながら縮む方向に移動する。
すなわち、ねじ部材144は、ねじ部156の伸び側と縮み側が共に滑り、ねじ部材146は、ねじ部164の伸び側が滑り、縮み側が自立するように、ねじ部材144とねじ部材146のリード角とフランク角が設定されている。
また、弾性部材148の反力とバルブスプリングの反力との差分に応じてねじ部材144に発生する滑りトルクをトルクTUとし、弾性部材148による反力と弾性部材150による反力との差分に応じてねじ部材146に発生する自立トルクをトルクTLとしたときに、両者のトルクバランスは以下のように設定されている。
(1)ねじ部材144に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、
ねじ部材144の滑りトルクTU>ねじ部材146の自立トルクTL
のときには、ねじ部材144とねじ部材146がハウジング136の軸方向に沿って下の方向(伸び方向)に動き、バルブクリアランスを減少させる。
(2)ねじ部材144に働く荷重が、バルブ閉荷重〜バルブ開荷重の範囲(バルブクリアランス=0)の場合、
ねじ部材144の滑りトルクTUの絶対値|TU|≦ねじ部材146の自立トルクTLのときには、ねじ部材144は、ねじ部材146の自立トルクTLに拘束され、ねじ部材144とねじ部材146は停止した状態にある。
(3)ねじ部材144に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、
ねじ部材144の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材146の自立トルクTLのときには、ねじ部材144の滑りトルクTUは、ねじ部材146の自立トルクTLに打ち勝ち、ねじ部材144とねじ部材146を含むねじ部材全体としては、ハウジング136の軸方向に沿って縮む方向に動き、バルブクリアランスを増加(拡大)させる。
このように、本実施例においては、ねじ部材144に作用する荷重がバルブ閉荷重以下(バルブクリアランス≧0)の場合、ねじ部材144の滑りトルクTU>ねじ部材146の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを減少させ、ねじ部材144に働く荷重が、バルブ開荷重近傍あるいは超える(バルブクリアランス<0)場合、ねじ部材144の滑りトルクTUの絶対値|TU|>ねじ部材146の自立トルクTLであることを条件に、バルブクリアランスを増加させることができる。
従って、本実施例によれば、バルブクリアランスの増加・減少を自動的に調整することができる。
また、本実施例によれば、エンジンの高回転時には、ねじ部材144、146の慣性力により、バルブクリアランスが増加(拡大)する方向(ねじ部材全体が縮む方向)の荷重が増加するので、剛性を高めることができる。
一方、第3実施例から第5実施例によれば、第1のねじ部材56、82、108と第2のねじ部材58、84、110をハウジング52、78、104の軸方向において互いにオーバーラップさせて配置することができる。
なお、本発明による機械式ラッシュアジャスタは、荷重を自動調整する各種テンショナ(チェーンテンショナ、ベルトテンショナ等)にも、機械式アジャスタとして使用可能である。この場合は、第1のねじ部材は、チェーンの反力を受けることになる。また、第1のねじ部材に作用する荷重としては、バルブ閉荷重の代わりに、チェーンに設定される荷重のうち低い設定荷重が用いられ、バルブ開荷重の代わりに、チェーンに設定される荷重のうち高い設定荷重が用いられる。
また、機械式ラッシュアジャスタとして使用する場合、及び、各種テンショナとして使用する場合のいずれにおいても、動作原理は同じであり、第1のねじ部材および第2のねじ部材に生じるトルクが所定の条件を満たすとき、互いに一体となって回転しながらハウジングの軸方向に沿って移動し、バルブクリアランス(調整対象のクリアランス)、または、チェーン張力(調整対象の張力)の増加・減少を自動的に調整するものに本発明を適用することができる。
本発明の第1実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図である。
(a)は、等フランク角のねじ部の断面図、(b)は、不等フランク角のねじ部の断面図である。
(a)は、ねじ部材とかぎ型相互回転防止継ぎ手の断面図、(b)は、ねじ部材とスリット型相互回転防止継ぎ手の断面図、(c)は、ねじ部材と斜め型相互回転防止継ぎ手の断面図である。
(a)〜(d)は、ねじ部材に作用する軸力とねじ部材の回転の状態を説明するための説明図である。
バルブスプリング反力とアジャスト量との関係を示す特性図である。
本発明の第2実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図である。
本発明の第3実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図である。
図7に示す機械式ラッシュアジャスタの底面図である。
(a)〜(d)は、ねじ部材に作用する軸力とねじ部材の回転の状態を説明するための説明図である。
本発明の第4実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図である。
本発明の第5実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図である。
本発明の第6実施例を示す機械式ラッシュアジャスタの断面図である。
(a)〜(c)は、ハウジングを二体構造とした場合の断面図である。
符号の説明
10 機械式ラッシュアジャスタ
12、52、78、104、132 ハウジング
14、16、56、58、82、84、108、110、144、146 ねじ部材
18、20、60、62、86、88、112、114、148、150 弾性部材
24、30、 66、72、90、98、118、126、140、156 ねじ部(等フランク角)
26、40、64、74、92、100、116、132、142、164 ねじ部(不等フランク角)

Claims (4)

  1. 筒状に形成されて、その内周側にねじ部が形成されたハウジングと、前記ハウジングのねじ部とねじ結合されて、バルブスプリングまたはチェーンの反力を受ける第1のねじ部材と、前記第1のねじ部材と前記ハウジングの軸方向では移動自在で且つ回転方向では互いに拘束された状態で連結されて、前記ハウジングのねじ部とねじ結合された第2のねじ部材と、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材との間に配置されて、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材を前記ハウジングの軸方向に沿って互いに離れる方向に付勢する第1の弾性部材と、前記第2のねじ部材と前記ハウジングとの間に配置されて、前記第2のねじ部材を、前記バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向とは逆の方向の力で付勢する第2の弾性部材とを備え、
    前記第1のねじ部材は、前記バルブスプリングまたはチェーンの反力または前記第1の弾性部材からの軸力方向に応じて回転可能に前記ハウジングに支持され、前記第2のねじ部材は、前記第1の弾性部材からの軸力方向に対しては自立し、前記第2の弾性部材からの軸力方向に応じて回転可能に前記ハウジングに支持され、
    前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材は、前記第1のねじ部材に作用する荷重と、前記第1のねじ部材および前記第2のねじ部材に生じるトルクが所定の条件を満たすときに、互いに一体となって正方向または逆方向に回転しながら前記ハウジングの軸方向に沿って移動してなる機械式アジャスタ。
  2. 請求項1に記載の機械式アジャスタにおいて、前記第1のねじ部材に作用する荷重が低い設定荷重以下の場合、前記第1のねじ部材の滑りトルク>前記第2のねじ部材の自立トルクであることを条件に、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材は、互いに一体となって回転しながら前記バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向とは逆の方向に移動し、前記第1のねじ部材に作用する荷重が高い設定荷重近傍あるいは超える場合、前記第1のねじ部材の滑りトルクの絶対値>前記第2のねじ部材の自立トルクであることを条件に、前記第1のねじ部材と前記第2のねじ部材は、互いに一体となって回転しながら前記バルブスプリングまたはチェーンの反力が作用する方向に移動してなることを特徴とする機械式アジャスタ。
  3. 請求項1または2に記載の機械式アジャスタにおいて、前記ハウジングの内周側には、前記第1のねじ部材とねじ結合される第1のねじ部と前記第2のねじ部材とねじ結合される第2のねじ部が前記ハウジングの軸方向に沿って形成されてなることを特徴とする機械式アジャスタ。
  4. 請求項1または2に記載の機械式アジャスタにおいて、前記ハウジングの内周側には、前記第1のねじ部材または前記第2のねじ部材とねじ結合されるねじ部が形成され、前記ハウジングの軸心を含む領域には円柱部または円筒部が形成され、前記円柱部外周側または前記円筒部内周側には前記第1のねじ部材または前記第2のねじ部材とねじ結合されるねじ部が形成され、前記第1のねじ部材または前記第2のねじ部材のうち前記ハウジングの内周側のねじ部にねじ結合された一方のねじ部材が筒状に形成され、他方のねじ部材が前記一方のねじ部材の内側に配置されてなることを特徴とする機械式アジャスタ。
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