JP4804440B2 - ポーラ変調送信装置及び無線通信装置、並びにポーラ変調送信方法 - Google Patents

ポーラ変調送信装置及び無線通信装置、並びにポーラ変調送信方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば携帯電話のような無線通信システムに利用可能なポーラ変調送信装置及び無線通信装置、並びにポーラ変調送信方法に関する。
無線通信装置において、例えば携帯電話端末の場合、その送信に使用されるアンテナの近傍に人体やその他の導電体が存在する状態で使用される場合が多く、実際のアンテナ近傍の状態は、使用状況の変化に伴って頻繁に変化する。このような状況においては、アンテナのインピーダンスが大きく変動する。アンテナは、送信用の高周波電力増幅器の出力に負荷として接続されているので、アンテナのインピーダンスが変動すると高周波電力増幅器の出力負荷が変動することになり、送信特性の劣化が懸念される。具体的に劣化が想定される送信特性としては、隣接チャネル漏洩電力、変調精度などがある。
すなわち、無線通信装置としては、高周波電力増幅器の出力にインピーダンスの変動するアンテナが直接接続されているので、アンテナのインピーダンス変動に伴って高周波電力増幅器の出力信号に歪み(高調波成分)が発生し、送信特性に劣化が生じることになる。このような問題を解消する方法として、一般的には以下に説明するような2種類の方法のいずれかが従来より用いられている。
1つ目の方法では、電力増幅器として線形性の高い線形電力増幅器を使用すると共に、アンテナと電力増幅器出力の間にアイソレータを挿入する。アイソレータを挿入することにより、アンテナのインピーダンスが変動しても、電力増幅器の出力負荷が変動しなくなるため、出力信号に歪みが発生するのを防止できる。
この方法では、低歪な線形電力増幅器を使用するため、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4相位相シフトキーイング)やHPSK(Hybrid Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude modulation)などの線形変調信号を低歪で増幅することができる。しかし、挿入されたアイソレータによって生じる電力損失を補うために電力増幅器の出力電力を増加させる必要があり、消費電力が増加する。また、アイソレータを追加するため、装置の規模やコストが増大する。
2つ目の方法では、電力増幅器として非線形電力増幅器を使用する。非線形電力増幅器は一般的に出力負荷の変動により歪が増大することはない(飽和状態で使用するのでインピーダンスの変化は波形に影響しない)ので、送信特性の劣化も生じない。しかし、非線形動作の電力増幅器を使用する場合には、FM(Frequency Modulation)やGMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)のように変調波形の包絡線のレベルが変化しない特定の変調信号の増幅のみに用途が限定される。振幅の変化する線形変調信号を増幅すると波形が変化するので、変調情報を正しく伝送することができない。
一方、公知のポーラ変調(polar modulation)を採用する場合には、上記2つの方法の両方の利点が得られる。ポーラ変調を採用した送信装置においては、変調信号(入力信号)を位相情報と振幅情報とに分離し、定包絡線の位相情報を非線形電力増幅器に入力して増幅し、同時に例えば前記電力増幅器に供給される電源の電圧を前記振幅情報を用いて変調することで、位相情報と振幅情報とが合成された変調信号を前記電力増幅器の出力に得ることができる。具体的な動作について以下に説明する。
図7は従来のポーラ変調送信装置の構成例を示すブロック図である。この従来例のポーラ変調送信装置700は、I信号入力端子701と、Q信号入力端子702と、極座標変換部703と、位相変調部704と、電力増幅器705と、アンテナ706と、送信電力設定信号入力端子707と、乗算器709と、振幅変調部710と、電源入力端子711とを備えている。
送信対象の信号であるベースバンドIQ信号のうち、I成分はI信号入力端子701に印加され、Q成分はQ信号入力端子702に印加される。したがって、このベースバンドIQ信号はI信号入力端子701、Q信号入力端子702を経由して極座標変換部703に入力される。
極座標変換部703は、I信号入力端子701、Q信号入力端子702から入力されたベースバンドIQ信号を極座標変換することにより、この信号に含まれている位相成分と振幅成分とをそれぞれ分離して取り出す。極座標変換部703によって前記ベースバンドIQ信号から分離抽出された信号のうち、位相成分の信号は位相変調部704に入力され、振幅成分の信号は乗算器709に入力される。
位相変調部704は、その内部で生成したキャリア信号を極座標変換部703から入力された位相成分の信号により位相変調し、その変調結果を電力増幅器705に出力する。一方、乗算器709は、極座標変換部103から入力された振幅成分の信号と、送信電力設定信号入力端子707から入力された送信電力を示す送信電力設定信号とを乗算し、その乗算結果を振幅変調部710に出力する。
振幅変調部710は、所定の直流電源から電源入力端子711を介して供給される電源電圧を、乗算器709の出力信号により振幅変調する。したがって、振幅変調された電源電圧が電力増幅器705の電源ラインに供給される。この電源電圧は、電力増幅器705の内部でドレイン電圧・コレクタ電圧等として使用される。
電力増幅器705は、非線形モード(飽和状態)で動作しているので、電力増幅器705から出力される信号の電力は、電力増幅器705に供給される電源電圧の大きさに比例する。そのため、電力増幅器705から出力される信号は、I信号入力端子701、Q信号入力端子702に入力されたベースバンドIQ信号に従って位相変調及び振幅変調され、更にその信号電力は、送信電力設定信号入力端子707から入力された送信電力設定信号に応じて定まる。
このように、電力増幅器705は、包絡線のレベルに変化が生じない位相変調信号のみを増幅し、同時に供給される電源電圧の制御によって振幅変調が行われるので、非線形電力増幅器を使用しながら、線形変調信号を出力することができる。このとき、電力増幅器705は常に飽和動作しているため電力効率は高く、振幅変調も行えるため、線形変調方式、非線形変調方式を問わずに送信出力を得ることができる。また、電力増幅器705が出力負荷変動に強い非線形動作であるため、アンテナ706のインピーダンスが変化しても送信特性が劣化することはない。
なお、例えば従来技術である特許文献1においては、送信に用いるアンテナのインピーダンス変動の影響を低減するために、複数のアンテナを設けてこれらを選択的に使用すると共に、送信増幅器に流れ込む電流の大きさを検出し、この電流に基づいて最適なアンテナを自動的に選択することが開示されている。
特開2001−102844号公報
しかしながら、ポーラ変調送信装置においては、電力増幅器の出力に負荷として接続されるアンテナのインピーダンスが変化した場合、すなわち負荷変動が生じた場合に、電力増幅器の動作効率が低下する。その結果、電力増幅器内部の電力損失が増大するため発熱量が大きくなり、装置の筐体温度も上昇する。そして、過度な筐体温度上昇が装置の故障につながるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、直交変調方式の送信装置と同等以上のアンテナ放射電力を保ちながら、筐体温度上昇を抑制することが可能なポーラ変調送信装置及び無線通信装置、並びにポーラ変調送信方法を提供することを目的とする。
本発明のポーラ変調送信装置は、送信対象の入力信号に含まれる振幅変調成分と位相変調成分とを分離して電力増幅する電力増幅器を備えるポーラ変調送信装置であって、前記電力増幅器の消費電流を検出する電流検出部と、前記電力増幅器の出力電力の大きさを2種類以上に切り替え可能な出力電力切り替え部と、前記電流検出部が検出した消費電流の大きさが所定の閾値を超えている場合に、所定のパワーダウン信号を前記出力電力切り替え部に与えるパワーダウン制御部と、を備えるものである。
これにより、消費電流の大きさが所定の閾値を超えている場合に、所定のパワーダウン信号を出力して電力増幅器の出力電力を切り替えることによって、直交変調方式の送信装置と同等以上のアンテナ放射電力を保ちながら、筐体温度上昇を抑制することが可能となる。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信装置であって、前記パワーダウン制御部は、予め定めた第1の閾値及び第2の閾値をそれぞれ保持し、前記電力増幅器の出力電力が所定量の通常状態の時に前記電流検出部が検出した消費電流の大きさが前記第1の閾値を超えると、前記出力電力を前記通常状態よりも小さいパワーダウン状態に切り替え、前記電力増幅器の出力電力が前記パワーダウン状態の時に前記電流検出部が検出した消費電流の大きさが前記第2の閾値以下になると、前記パワーダウン状態を解除するものを含む。
これにより、電力増幅器の消費電流の大きさに応じて、所定の通常状態とパワーダウン状態とに切り替えることが可能となる。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信装置であって、前記パワーダウン制御部は、周期的に発生するタイミング信号に同期して、所定のタイミングが到来する度に、前記出力電力切り替え部に与えるパワーダウン信号を解除した後、前記電流検出部が検出した消費電流の大きさを把握し、前記消費電流の大きさが前記所定の閾値を超えている場合には、前記電力増幅器の出力電力を所定量の通常状態よりも小さいパワーダウン状態に定め、前記消費電流の大きさが前記閾値以下の場合には前記電力増幅器の出力電力を前記通常状態に定めるものを含む。
これにより、電力増幅器の消費電流の大きさに応じて、所定の通常状態とパワーダウン状態とに切り替えることが可能となる。また、常にパワーダウンを解除した状態で消費電流の大きさを検出するので、複数の閾値を用いる必要がなくなり、出荷時の調整工程を削減し、製造コストを低減することが可能である。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信装置であって、前記パワーダウン制御部は、前記電力増幅器の動作周波数、変調方式、及び通信システムモードのうちの少なくとも1つが異なる状態を表す複数の動作条件のそれぞれに適合する複数種類の閾値を保持し、前記動作条件を指定する入力信号に応じて、保持している複数種類の閾値の中から選択した1組の閾値を使用して制御を実行するものを含む。
これにより、電力増幅器の動作周波数や、変調方式、通信システムモード毎の最適なパワーダウン制御が行われ、常に送信電力の低減量を最小限に抑えることが可能となり、通信品質の劣化を抑えることができる。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信装置であって、前記出力電力切り替え部は、前記電力増幅器の出力電力の目標値を定める電力指定値と、前記パワーダウン制御部が出力するパワーダウン信号とを加算した加算結果を出力する加算器を有し、前記振幅変調成分と前記加算器の出力とを乗算した結果に基づいた変調信号を生成する振幅変調部を備えるものを含む。
これにより、通常状態の出力電力を定める電力指定値(例えば定数)を基準として、パワーダウン信号に相当する低減量を加算(又は減算)した結果と振幅変調成分とを乗算した結果に基づいて、電力増幅器の出力信号の振幅(電力)が決定される。このため、出力電力の低減量を容易に調整可能となる。
また、本発明は、上記いずれかに記載のポーラ変調送信装置を備えた無線通信装置を提供する。
本発明のポーラ変調送信方法は、送信対象の入力信号に含まれる振幅変調成分と位相変調成分とを分離して電力増幅する電力増幅器を備えるポーラ変調送信装置を制御するためのポーラ変調送信方法であって、前記電力増幅器の消費電流を検出する電流検出ステップと、前記電力増幅器の出力電力の大きさを2種類以上に切り替え可能な出力電力切り替えステップと、前記検出した消費電流の大きさが所定の閾値を超えている場合に、所定のパワーダウン信号を発生して前記出力電力の切り換えを制御するパワーダウン制御ステップと、を有するものである。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信方法であって、前記パワーダウン制御ステップでは、予め定めた第1の閾値及び第2の閾値をそれぞれ保持し、前記電力増幅器の出力電力が所定量の通常状態の時に検出した消費電流の大きさが前記第1の閾値を超えると、前記出力電力を前記通常状態よりも小さいパワーダウン状態に切り替え、前記電力増幅器の出力電力が前記パワーダウン状態の時に検出した消費電流の大きさが前記第2の閾値以下になると、前記パワーダウン状態を解除するものを含む。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信方法であって、前記パワーダウン制御ステップでは、周期的に発生するタイミング信号に同期して、所定のタイミングが到来する度に、前記パワーダウン信号を解除した後、消費電流の大きさを把握し、前記消費電流の大きさが前記所定の閾値を超えている場合には、前記電力増幅器の出力電力を所定量の通常状態よりも小さいパワーダウン状態に定め、前記消費電流の大きさが前記閾値以下の場合には前記電力増幅器の出力電力を前記通常状態に定めるものを含む。
また、本発明は、上記のポーラ変調送信方法であって、前記パワーダウン制御ステップでは、前記電力増幅器の動作周波数、変調方式、及び通信システムモードのうちの少なくとも1つが異なる状態を表す複数の動作条件のそれぞれに適合する複数種類の閾値を保持し、前記動作条件を指定する入力信号に応じて、保持している複数種類の閾値の中から選択した1組の閾値を使用して制御を実行するものを含む。
本発明によれば、直交変調方式の送信装置と同等以上のアンテナ放射電力を保ちながら、筐体温度上昇を抑制することが可能なポーラ変調送信装置及び無線通信装置、並びにポーラ変調送信方法を提供できる。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図である。
第1の実施形態のポーラ変調送信装置100は、I信号入力端子101と、Q信号入力端子102と、極座標変換部103と、位相変調部104と、電力増幅器105と、アンテナ106と、送信電力設定信号入力端子107と、加算器108と、乗算器109と、振幅変調部110と、電源入力端子111と、電流検出部112と、パワーダウン制御部113と、パワーダウン解除閾値格納部114と、パワーダウン閾値格納部115と、パワーダウン値格納部116とを備えている。
送信対象の信号であるベースバンドIQ信号のうち、I成分はI信号入力端子101に印加され、Q成分はQ信号入力端子102に印加される。したがって、このベースバンドIQ信号はI信号入力端子101、Q信号入力端子102を経由して極座標変換部103に入力される。
極座標変換部103は、I信号入力端子101、Q信号入力端子102から入力されたベースバンドIQ信号を極座標変換することにより、この信号に含まれている位相成分と振幅成分とをそれぞれ分離して取り出す。極座標変換部103によって前記ベースバンドIQ信号から分離抽出された信号のうち、位相成分の信号は位相変調部104に入力され、振幅成分の信号は乗算器109に入力される。
位相変調部104は、その内部に存在するキャリア発振部(図示せず)で生成したキャリア信号を、極座標変換部103から入力された位相成分の信号により位相変調し、その変調結果を電力増幅器105に出力する。
一方、乗算器109は、極座標変換部103から入力された振幅成分の信号と、加算器108の出力とを乗算し、その乗算結果を振幅変調部110に出力する。送信電力設定信号入力端子107には、通常の状態における送信電力の目標値に相当する送信電力設定信号(すなわち設定値)が入力される。加算器108は、出力電力切り替え部の機能を実現するもので、送信電力設定信号入力端子107より入力された前記送信電力設定信号の値から、パワーダウン制御部113が出力するパワーダウン値(通常の状態では0)を減算した結果を、乗算器109に入力する。そして、乗算器109の出力、すなわち極座標変換部103から出力される振幅成分の信号と加算器108の出力とを乗算した結果が振幅変調部110に入力される。
振幅変調部110は、所定の直流電源から電源入力端子111を介して供給される電源電圧を、乗算器109の出力信号により振幅変調する。したがって、振幅変調された電源電圧が電力増幅器105の電源ラインに供給される。この電源電圧は、電力増幅器105の内部でドレイン電圧・コレクタ電圧等として使用される。
電力増幅器105は非線形モード(飽和状態)で動作しているので、電力増幅器105から出力される信号の電力は、電力増幅器105に供給される電源電圧の大きさに比例する。そのため、電力増幅器105から出力される信号は、I信号入力端子101、Q信号入力端子102に入力されたベースバンドIQ信号に従って位相変調及び振幅変調され、更にその信号電力は、送信電力設定信号入力端子107から入力された送信電力設定信号に応じて定まる。
また、パワーダウン制御部113が出力するパワーダウン値を制御することにより、振幅変調部110における変調の振幅を切り替えて電力増幅器105から出力される信号の電力を切り替えることができる。すなわち、通常の状態とは異なる特定の状況においては、送信電力設定信号入力端子107から入力される送信電力設定信号に比べて送信電力を低減することができる。
具体的には、アンテナ106近傍の状態が変化し、アンテナ106のインピーダンス変動(負荷変動)が生じると、電力増幅器105の動作効率が低下し、電力増幅器105の発熱量が増大するので装置の筐体等の温度が異常に上昇する可能性がある。このような異常な温度上昇を抑制するために、パワーダウン制御部113が自動的に送信電力の制御を行う。
電力増幅器105の動作効率が低下しているかどうかを調べるために、本実施形態では電源入力端子111から振幅変調部110を経由して電力増幅器105の電源ラインに流れる消費電流の大きさを電流検出部112で検出している。すなわち、アンテナ106のインピーダンス変動(負荷変動)によって生じる電力増幅器105の動作効率や発熱量の変化と消費電流との間には大きな相関が認められるので、電力増幅器105の発熱の状態を調べるために消費電流の大きさを調べる。
実際には、パワーダウン制御部113は、通常の状態においては電流検出部112が検出した消費電流の大きさをパワーダウン閾値格納部115が保持しているパワーダウン閾値(第1の閾値:定数)と比較することにより、通常の状態からパワーダウン状態に遷移するかどうかを識別する。また、パワーダウン状態においては、消費電流の大きさをパワーダウン解除閾値格納部114が保持しているパワーダウン解除閾値(第2の閾値:定数)と比較することにより、パワーダウン状態から通常の状態に遷移するかどうかを識別する。パワーダウン状態に遷移するときには、パワーダウン制御部113はパワーダウン値格納部116が保持しているパワーダウン値(定数)を出力し、これを加算器108に入力する。パワーダウン状態から通常の状態に遷移するときには、加算器108に入力するパワーダウン値を0に切り替える。
図2は図1に示したポーラ変調送信装置100の動作特性を示すグラフである。この図2を参照しながら第1の実施形態のポーラ変調送信装置100の動作特性の具体例について説明する。
図2において、本実施形態のポーラ変調送信装置の特性201が上側に示されており、従来の送信装置の特性220が下側に示されている。従来の送信装置については、一般的な直交変調方式を用いた送信装置を想定すると共に、電力増幅器とアンテナとの間にアイソレータが挿入されたものを想定している。
なお、アンテナのインピーダンスが変動すると、送信装置の出力回路とアンテナとの間にインピーダンスの不整合が生じ、その結果、アンテナから放射されずに戻る反射波が生じ定在波が発生する。したがって、アンテナのインピーダンス変動の状態を表すために、図2においてはVSWR(定在波比:Voltage Standing Wave Ratio)を用いて特性を示してある。
すなわち、図2の上側に示す特性201は、電力増幅器105の消費電流とアンテナ106のVSWR特性との関係を示している。また、図2の下側に示す特性220は、従来例の送信装置のアンテナロス(アイソレータとアンテナの不整合により生じるロス)とアンテナVSWR特性との関係を示している。図2に示した各特性及びパラメータの詳細については次の通りである。
202:送信電力24dBm設定(通常送信時)の電力増幅器105の消費電流対アンテナ106のVSWR特性
203:送信電力24dBm設定(パワーダウン時)の電力増幅器105の消費電流対アンテナ106のVSWR特性
204:送信電力22dBm設定(通常送信時)の電力増幅器105の消費電流対アンテナ106のVSWR特性
205:送信電力22dBm設定(パワーダウン時)の電力増幅器105の消費電流対アンテナ106のVSWR特性
206:送信電力20dBm設定(通常送信時)の電力増幅器105の消費電流対アンテナ106のVSWR特性
207:パワーダウン閾値(送信電力24dBm時)
208:パワーダウン解除閾値(送信電力24dBm時)
209:パワーダウン閾値(送信電力22dBm時)
210:パワーダウン解除閾値(送信電力22dBm時)
また、図2に示すように、ポーラ変調送信装置100が24dBm送信時にパワーダウン状態に遷移する時(b)−(b′)のアンテナVSWRはX1であり、従来例の送信装置においてはアンテナVSWRがX1の時のアンテナロス211がY1になっている。また、ポーラ変調送信装置100が22dBm送信時にパワーダウン状態に遷移する時のアンテナVSWRはX2であり、従来例の送信装置においてはアンテナVSWRがX2の時のアンテナロス212がY2になっている。
ポーラ変調送信装置100が通常状態からパワーダウン状態に遷移する時の出力電力の低減量は、従来例の送信装置におけるアンテナロス(Y1,Y2)と同等か又はそれよりも小さくなるように定めてある。
図3は図1に示したポーラ変調送信装置100の動作例を示すタイムチャートである。図3においては、電力増幅器105の通常送信時の消費電流301と、パワーダウン時の電力増幅器105の消費電流302の変化と、パワーダウン閾値303及びパワーダウン解除閾値304とが示されている。
また図3において、消費電流301、302については、実際にパワーダウン及びパワーダウン解除処理が行われた場合の波形が太い実線で表され、それ以外の波形の部分は細い実線で表されている。この例では、図3中に示す負荷変動区間305において、通常状態からパワーダウン状態への遷移、並びにパワーダウン状態から通常状態への遷移を行う場合(太い実線で示す状態)を想定している。
本実施形態のポーラ変調送信装置100においては、送信電力設定信号入力端子107に入力する送信電力設定信号を切り替えることにより、通常動作時の出力電力も図2に示すように可変(24dBm,22dBm)にすることができる。
通常動作時の出力電力が変化すると、パワーダウン制御部113におけるパワーダウン制御及びパワーダウン解除制御で用いる閾値やパワーダウン値も変更する必要がある。そこで、パワーダウン閾値格納部115及びパワーダウン解除閾値格納部114にはそれぞれ複数の閾値(図2に示す207〜210に相当)が予め格納してあり、パワーダウン値格納部116にも複数のパワーダウン値が格納してある。パワーダウン制御部113は、送信電力設定信号入力端子107に入力された送信電力設定信号の値に応じて適切な閾値やパワーダウン値を選択する。したがって、適切な条件で通常状態からパワーダウン状態に遷移したり、パワーダウン状態を解除することができ、パワーダウン状態での出力電力の低減量(パワーダウン値に相当する)についても適切に決定できる。
実際には、送信電力24dBm時のパワーダウン値は、同等の条件における従来の送信装置のアンテナロス(図2に示すY1)より小さい値に定め、送信電力22dBm時のパワーダウン値は、同等の条件における従来の送信装置のアンテナロス(図2に示すY2)より小さい値に定めてある。したがって、パワーダウン状態においても、ポーラ変調送信装置100は従来の送信装置よりも大きな送信出力を実現できる。
次に、本実施形態のポーラ変調送信装置100の具体的な動作について、24dBm送信時を例に図2、図3を用いて時系列で説明する。なお、図2、図3に示した(a)、(b)、(b′)、(c)、(c′)、(d)は、各々同時刻での動作状況を示している。この例ではアンテナのVSWRがVSWR=1からX1(>1)まで変化し、再びVSWR=1に戻った状況を説明する。
(a)〜(b):送信中に負荷変動によりVSWRが高くなると、電力増幅器105の消費電流は特性202に従って増加する。
(b)〜(b′):電力増幅器105の消費電流がパワーダウン閾値207を超えると、パワーダウン処理が実行され、パワーダウン値格納部116が保持しているパワーダウン値(Y1相当以下)だけ送信電力を低減する。
(b′)〜(c):負荷変動が小さくなりVSWRが小さくなると、電力増幅器105の消費電流は特性203に従って減少する。
(c)〜(c′):電力増幅器105の消費電流がパワーダウン解除閾値208を下回ると、パワーダウン解除処理が実行され、通常送信に復帰する。
(c′)〜(d):負荷変動が収まり初期状態(a)に戻る。
このように、本実施形態では、電力増幅器105の消費電流を検出することで負荷変動をモニタし、設定された閾値を超えた場合にパワーダウン制御部113によって送信電力を低減することにより電力増幅器105での発熱量を抑える。また、送信電力の低減量は従来の直交変調方式でのアンテナインピーダンス変化によるアンテナロス(=電力増幅器出力電力−アンテナ放射電力)よりも小さい値に設定する。これにより、直交変調方式の送信装置と同等以上のアンテナ放射電力を保ちながら、筐体温度上昇を低減することができる。
上述したように、第1の実施形態によれば、アンテナのインピーダンス変動に伴って電力増幅器105内部の発熱量が大きくなった場合に、パワーダウン信号を出力することにより、電力増幅器105の出力電力を切り替えて発熱量を低減することができる。アンテナのインピーダンスが変動して電力増幅器内部の発熱量が大きくなる場合には、電力増幅器105が消費する電流が通常よりも増大することが判明している。そこで、電力増幅器105の消費電流を検出し、その大きさを閾値と比較することにより、大きな発熱が生じているか否かを識別できるので、発熱が大きい場合にパワーダウン制御部113がパワーダウン信号を出力して電力増幅器105の出力電力を減らせば、発熱量も低減される。
ここで、電力増幅器の出力とアンテナとの間にアイソレータが挿入された状態で使用される従来の直交変調方式の送信装置と比べて同等以上のアンテナ放射電力を保つためには、パワーダウン信号を出力することによって制御する送信電力の低減量を次のように定めればよい。すなわち、送信電力の低減量を、アンテナインピーダンス変化に伴う直交変調方式でのアンテナロス(=電力増幅器出力電力−アンテナ放射電力)よりも小さい値に設定する。これにより、直交変調方式の送信装置と同等以上のアンテナ放射電力を保ちながら、筐体温度上昇を低減することができる。
また、電力増幅器105の消費電流の変化、すなわちアンテナのインピーダンス変化に応じて、パワーダウン閾値を超えて発熱量が過大な状態になると電力増幅器の出力電力を通常状態からパワーダウン状態に切り替え、パワーダウン解除閾値より下がって発熱量が小さい状態に復帰すると電力増幅器の出力電力をパワーダウン状態から通常状態に切り替えることができる。このときの状態の切り替えの条件については、2つの閾値により自由に決定できる。
また、送信電力設定信号入力端子107に入力される通常状態の出力電力を定める電力指定値(送信電力設定信号)を基準として、パワーダウン信号に相当する低減量を加算(又は減算)した結果と振幅変調成分とを乗算した結果に基づき、振幅変調部110で変調信号が生成されて電力増幅器105が駆動される。この場合、振幅変調部110に入力される前記乗算結果に基づいて電力増幅器105の出力信号の振幅(電力)が決定されるため、出力電力の低減量を容易に調整できる。
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してある。
第2の実施形態のポーラ変調送信装置400は、I信号入力端子101と、Q信号入力端子102と、極座標変換部103と、位相変調部104と、電力増幅器105と、アンテナ106と、送信電力設定信号入力端子107と、加算器108と、乗算器109と、振幅変調部110と、電源入力端子111と、電流検出部112と、パワーダウン制御部413と、パワーダウン閾値格納部415と、パワーダウン値格納部416と、パワーダウン制御タイミング信号入力端子401とを備えている。
すなわち、第1の実施形態と対比すると、パワーダウン解除閾値格納部114が省略され、代わりにパワーダウン制御タイミング信号入力端子401が設けられた点が異なっている。また、パワーダウン制御部413の動作が変更されている。動作の詳細については後で説明する。
図5は図4に示したポーラ変調送信装置400の動作例を示すタイムチャートである。図5においては、電力増幅器105の通常送信時の消費電流301と、パワーダウン時の電力増幅器105の消費電流302の変化と、パワーダウン閾値303と、パワーダウン制御開始タイミング501〜503と、パワーダウン制御周期504とが示されている。また図5において、消費電流301、302については、実際にパワーダウン及びパワーダウン解除処理が行われた場合の波形が太い実線で表され、それ以外の波形の部分は細い実線で表されている。
この例では、図5中に示す負荷変動区間305において、通常状態からパワーダウン状態への遷移、並びにパワーダウン状態から通常状態への遷移を行う場合(太い実線で示す状態)を想定している。また、負荷変動区間305中のパワーダウン制御開始タイミング503の近傍の詳細が拡大波形510として示されている。また、拡大波形510中に示すように、パワーダウン解除区間505が設けられている。
図4に示した第2の実施形態のポーラ変調送信装置400の基本的な動作については第1の実施形態と同様であるので、ポーラ変調送信装置400の特有の特徴的な動作についてのみ以下に説明する。
ポーラ変調送信装置400のパワーダウン制御タイミング信号入力端子401には、一定の周期(図5に示したパワーダウン制御周期504、又はその半周期に相当する)で周期的にレベルが変化するパルス信号がパワーダウン制御タイミング信号として印加される。
したがって、パワーダウン制御部413は、このパワーダウン制御タイミング信号のレベル変化から定期的に現れるパワーダウン制御開始タイミング501〜503をそれぞれ認識し、これらのタイミングに同期して定期的に制御を行う。
このとき、パワーダウン制御部413は、パワーダウン制御周期504毎に現れるパワーダウン制御開始タイミング(501〜503)のそれぞれに同期して、次に説明する処理を行う。
すなわち、まずパワーダウンを解除し(通常送信時はそのままの状態を維持)、次に電流検出部112から出力される消費電流の検出値(モニタ値)を取得し、消費電流の検出値とパワーダウン閾値格納部415に保持されているパワーダウン閾値とを比較し、その比較結果に応じてパワーダウン処理またはパワーダウン解除処理を行う。つまり、消費電流の検出値がパワーダウン閾値を超えていればパワーダウン値格納部416が保持しているパワーダウン値を加算器108に与えてパワーダウン状態に遷移し、消費電流の検出値がパワーダウン閾値以下であればパワーダウンを解除して通常状態に遷移する。
いずれにしても、パワーダウン制御部413が各パワーダウン制御開始タイミング(501〜503)に同期して処理を行う際には、図5に示すパワーダウン解除区間505のように、一定の区間だけパワーダウンを解除し、その状態で消費電流の検出を行う。そのため、通常状態からパワーダウン状態に遷移するかどうかを識別する際の閾値と、パワーダウン状態から通常状態に遷移するかどうかを識別する際の閾値とを共通にすることができ、第1の実施形態のようなパワーダウン解除閾値格納部114は不要になる。
これにより、第2の実施形態では、出荷時の調整工程を削減し、製造コストを低減することができる。また、パワーダウン解除区間は全体の送信時間に対して十分短いので、筐体温度上昇に与える影響は少ない。
なお、実際のパワーダウン解除区間505については、無線通信システムの送信電力制御最小区間(例:W−CDMA(Release99)であれば1slot=667μs単位)の整数倍とするのが望ましい。
上述したように、第2の実施形態によれば、電力増幅器105の消費電流の変化、すなわちアンテナのインピーダンス変化に応じて、発熱量が過大な状態になると電力増幅器の出力電力を通常状態からパワーダウン状態に切り替え、発熱量が小さい状態に復帰すると電力増幅器の出力電力をパワーダウン状態から通常状態に切り替えることができる。また、常にパワーダウンを解除した状態で消費電流の大きさを検出するので、複数の閾値を用いる必要がなくなり、装置の出荷時の調整工程を削減し、製造コストを低減することができる。
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態は第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態と対応する要素は同一の符号を付けて示してある。
第3の実施形態のポーラ変調送信装置600は、I信号入力端子101と、Q信号入力端子102と、極座標変換部103と、位相変調部104と、電力増幅器105と、アンテナ106と、送信電力設定信号入力端子107と、加算器108と、乗算器109と、振幅変調部110と、電源入力端子111と、電流検出部112と、パワーダウン制御部613と、パワーダウン解除閾値格納部614と、パワーダウン閾値格納部615と、パワーダウン値格納部616と、動作条件信号入力端子601とを備えている。
図6に示した第3の実施形態のポーラ変調送信装置600の基本的な動作については第1の実施形態と同様であるので、ポーラ変調送信装置600の特有の特徴的な動作についてのみ以下に説明する。
ここで、ポーラ変調送信装置600に設けられた動作条件信号入力端子601に入力される信号については、電力増幅器の動作周波数や、変調方式、通信システムモード等の少なくとも1つの違いを表す動作条件信号が入力されることを想定している。
すなわち、このポーラ変調送信装置600が実際に使用される用途や環境の違いによって、電力増幅器の動作周波数や、変調方式、通信システムモード等の動作条件が変化するが、動作条件が変化すると最適な閾値やパワーダウン値も変化する。そこで、図6に示したパワーダウン解除閾値格納部614、パワーダウン閾値格納部615、パワーダウン値格納部616には、それぞれの動作条件適した複数組の閾値やパワーダウン値が予め格納してある。
そして、パワーダウン解除閾値格納部614は、動作条件信号入力端子601に入力された動作条件信号に応じて最適なパワーダウン解除閾値を選択し、このパワーダウン解除閾値をパワーダウン制御部613に与える。同様に、パワーダウン閾値格納部615は、入力された動作条件信号に応じて最適なパワーダウン閾値を選択し、このパワーダウン閾値をパワーダウン制御部613に与える。また、パワーダウン値格納部616は、入力された動作条件信号に応じて最適なパワーダウン値を選択し、このパワーダウン値をパワーダウン制御部613に与える。そして、パワーダウン制御部613がこれらの入力値に応じて出力するパワーダウン値を制御することで、送信電力の制御を行う。
したがって、第3の実施形態のポーラ変調送信装置600においては、電力増幅器の動作周波数や、変調方式、通信システムモード毎の実際の動作条件に適合する最適なパラメータを用いてパワーダウン制御が行われるので、常に送信電力の低減量を最小限に抑えることが可能となり、通信品質の劣化を抑えることができる。
なお、上述した第1〜第3のいずれの実施形態においても、加算器や乗算器のような様々な電気回路を構成要素として用いる場合を想定しているが、マイクロプロセッサ及びメモリのようなハードウェアと、これを動作させて所定の処理を行うソフトウェアとの組み合わせにより、同様の制御機能を実現することも可能であるのは言うまでもない。
また、上記第1〜第3の実施形態のポーラ変調送信装置を種々の無線通信装置に適用し、本実施形態のポーラ変調送信装置を備えた無線通信装置を構成可能である。この場合、上記実施形態と同様に、アンテナのインピーダンス変動に伴う異常な発熱を抑制し、筐体温度の上昇を抑制できる。例えば、携帯電話端末のように小型で携帯して用いられ無線送信機能と無線受信機能とを備える移動可能な無線通信装置に本実施形態のポーラ変調送信装置を搭載することにより、アンテナ近傍の状態の変化に伴ってインピーダンスが変動しても、筐体温度の上昇を抑制できる。また、アイソレータを挿入する必要がないので、電力消費の増大も抑制できる。特に、携帯電話端末のようにアンテナの近傍に人体やその他の導電体等が存在し、それらの状態が変化するような環境で使用される場合に、アンテナのインピーダンスが変動しても発熱による筐体等の温度上昇を抑制できるので、安全性を高めるのに役立つ。
なお、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明は、直交変調方式の送信装置と同等以上のアンテナ放射電力を保ちながら、筐体温度上昇を抑制することが可能となる効果を有し、携帯電話のような無線通信システムに利用可能なポーラ変調送信装置及び無線通信装置、並びにポーラ変調送信方法等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図 第1の実施形態のポーラ変調送信装置の動作特性を示すグラフ 第1の実施形態のポーラ変調送信装置の動作例を示すタイムチャート 本発明の第2の実施形態に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図 第2の実施形態のポーラ変調送信装置の動作例を示すタイムチャート 本発明の第3の実施形態に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図 従来のポーラ変調送信装置の構成例を示すブロック図
符号の説明
100 ポーラ変調送信装置
101 I信号入力端子
102 Q信号入力端子
103 極座標変換部
104 位相変調部
105 電力増幅器
106 アンテナ
107 送信電力設定信号入力端子
108 加算器
109 乗算器
110 振幅変調部
111 電源入力端子
112 電流検出部
113 パワーダウン制御部
114 パワーダウン解除閾値格納部
115 パワーダウン閾値格納部
116 パワーダウン値格納部
400 ポーラ変調送信装置
401 パワーダウン制御タイミング信号入力端子
413 パワーダウン制御部
415 パワーダウン閾値格納部
416 パワーダウン値格納部
600 ポーラ変調送信装置
601 動作条件信号入力端子
613 パワーダウン制御部
614 パワーダウン解除閾値格納部
615 パワーダウン閾値格納部
616 パワーダウン値格納部

Claims (10)

  1. 送信対象の入力信号に含まれる振幅変調成分と位相変調成分とを分離して電力増幅する電力増幅器を備えるポーラ変調送信装置であって、
    前記電力増幅器の消費電流を検出する電流検出部と、
    前記電力増幅器の出力電力の大きさを2種類以上に切り替え可能な出力電力切り替え部と、
    前記電流検出部が検出した消費電流の大きさが所定の閾値を超えている場合に、所定のパワーダウン信号を前記出力電力切り替え部に与えるパワーダウン制御部と、
    を備えるポーラ変調送信装置。
  2. 請求項1に記載のポーラ変調送信装置であって、
    前記パワーダウン制御部は、予め定めた第1の閾値及び第2の閾値をそれぞれ保持し、前記電力増幅器の出力電力が所定量の通常状態の時に前記電流検出部が検出した消費電流の大きさが前記第1の閾値を超えると、前記出力電力を前記通常状態よりも小さいパワーダウン状態に切り替え、前記電力増幅器の出力電力が前記パワーダウン状態の時に前記電流検出部が検出した消費電流の大きさが前記第2の閾値以下になると、前記パワーダウン状態を解除するポーラ変調送信装置。
  3. 請求項1に記載のポーラ変調送信装置であって、
    前記パワーダウン制御部は、周期的に発生するタイミング信号に同期して、所定のタイミングが到来する度に、前記出力電力切り替え部に与えるパワーダウン信号を解除した後、前記電流検出部が検出した消費電流の大きさを把握し、前記消費電流の大きさが前記所定の閾値を超えている場合には、前記電力増幅器の出力電力を所定量の通常状態よりも小さいパワーダウン状態に定め、前記消費電流の大きさが前記閾値以下の場合には前記電力増幅器の出力電力を前記通常状態に定めるポーラ変調送信装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポーラ変調送信装置であって、
    前記パワーダウン制御部は、前記電力増幅器の動作周波数、変調方式、及び通信システムモードのうちの少なくとも1つが異なる状態を表す複数の動作条件のそれぞれに適合する複数種類の閾値を保持し、前記動作条件を指定する入力信号に応じて、保持している複数種類の閾値の中から選択した1組の閾値を使用して制御を実行するポーラ変調送信装置。
  5. 請求項1に記載のポーラ変調送信装置であって、
    前記出力電力切り替え部は、前記電力増幅器の出力電力の目標値を定める電力指定値と、前記パワーダウン制御部が出力するパワーダウン信号とを加算した加算結果を出力する加算器を有し、
    前記振幅変調成分と前記加算器の出力とを乗算した結果に基づいた変調信号を生成する振幅変調部を備えるポーラ変調送信装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポーラ変調送信装置を備えた無線通信装置。
  7. 送信対象の入力信号に含まれる振幅変調成分と位相変調成分とを分離して電力増幅する電力増幅器を備えるポーラ変調送信装置を制御するためのポーラ変調送信方法であって、
    前記電力増幅器の消費電流を検出する電流検出ステップと、
    前記電力増幅器の出力電力の大きさを2種類以上に切り替え可能な出力電力切り替えステップと、
    前記検出した消費電流の大きさが所定の閾値を超えている場合に、所定のパワーダウン信号を発生して前記出力電力の切り換えを制御するパワーダウン制御ステップと、
    を有するポーラ変調送信方法。
  8. 請求項7に記載のポーラ変調送信方法であって、
    前記パワーダウン制御ステップでは、予め定めた第1の閾値及び第2の閾値をそれぞれ保持し、前記電力増幅器の出力電力が所定量の通常状態の時に検出した消費電流の大きさが前記第1の閾値を超えると、前記出力電力を前記通常状態よりも小さいパワーダウン状態に切り替え、前記電力増幅器の出力電力が前記パワーダウン状態の時に検出した消費電流の大きさが前記第2の閾値以下になると、前記パワーダウン状態を解除するポーラ変調送信方法。
  9. 請求項7に記載のポーラ変調送信方法であって、
    前記パワーダウン制御ステップでは、周期的に発生するタイミング信号に同期して、所定のタイミングが到来する度に、前記パワーダウン信号を解除した後、消費電流の大きさを把握し、前記消費電流の大きさが前記所定の閾値を超えている場合には、前記電力増幅器の出力電力を所定量の通常状態よりも小さいパワーダウン状態に定め、前記消費電流の大きさが前記閾値以下の場合には前記電力増幅器の出力電力を前記通常状態に定めるポーラ変調送信方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載のポーラ変調送信方法であって、
    前記パワーダウン制御ステップでは、前記電力増幅器の動作周波数、変調方式、及び通信システムモードのうちの少なくとも1つが異なる状態を表す複数の動作条件のそれぞれに適合する複数種類の閾値を保持し、前記動作条件を指定する入力信号に応じて、保持している複数種類の閾値の中から選択した1組の閾値を使用して制御を実行するポーラ変調送信方法。
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