JP4800179B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイス、多層配線基板などの電気・電子材料に用いられる、感光性絶縁膜に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、LSIチップのバッファコート材料や再配線層等に好適な、パターニングされた絶縁膜を作製するための感光性樹脂組成物及び当該絶縁膜に関するものである。
LSIチップのバッファコート材料や再配線層などの絶縁材料に対する性能要求は、LSIの高性能化に伴い高解像、低温キュア、低応力などの特性において厳しさを増している。特に、層間絶縁膜材料が低誘電率化の要求を満たすため、耐応力、耐熱性に弱くなって来ていたり、再配線層にも高速化が要求されたり、再配線Cuが電流密度増大で厚膜化傾向となって来ていることから、上層バッファコート材料や再配線層としては、これまでの高解像度、耐薬品性、耐温度ストレス耐性などに加えて、厚膜形成能、平坦化能、低応力、低温キュア硬化処理なども満足できなければならなくなって来ている。
従来は、LSIチップのバッファコート材料や再配線層材料としては、例えば、感光性ポリイミドが、その代表例の1つとして使われて来た。感光性ポリイミドとは、まず側鎖に2重結合を持ったポリイミド前駆体を合成し、LSIウエハ上にスピンコートした後、光架橋反応で側鎖の2重結合のみを架橋させ、現像でパターン形成し、熱硬化処理により架橋鎖を分解揮発させると同時にポリイミド構造を形成させるものである。こうして形成されたポリイミドは、耐熱性、耐薬品性、機械特性に優れる。
このような感光性ポリイミドの問題点として、残留応力が大きいため厚膜形成時にクラックが発生しやすいこと、熱硬化処理おいて4割近い収縮が起こるためウェハ上層の段差に対する平坦化能が低いこと、200℃以下の低温ではポリイミド構造を形成するのが困難で、ポリイミドとしての特性が発揮できないことがあった。
これに対し、特許文献1には、光重合性官能基を有するトリアルコキシシランと、ジアリールシランジオールを縮合して得られる、ドイツ国 Fraunhofer ISC社製のORMOCER ONEとして登録商標されている感光性シリコーンの開示がある。このものは、150℃という低温でキュアすることができ、300℃以上というポリイミドと同等の耐熱性を有し、同時に10MPa以下の残留低応力、熱キュア前後の膜減りが3%以内など、ポリイミドでは達成できない優れた特性を有する。しかし、このものは露光する前の材料のタック性(材料のべたつき)が大きく、ハンドリング性が悪いといった問題点があった。
カナダ国特許第2378756号公報
本発明は、LSIチップのバッファコート材料や再配線層として好適な、低温キュア性に優れ、熱キュア前後の膜減りがほとんど無く、露光前の感光性樹脂組成物のタック性が改善された感光性シリコーンを含む感光性樹脂組成物並びにそれを用いた樹脂絶縁膜、キュア膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、前期課題を解決するため、感光性置換基を有するシリコーンと、摂氏20℃で固体状のシリコーンの組合せを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.下記(a)、(b)及び(c)成分を含む感光性樹脂組成物。
(a)下記一般式(1)で示される、少なくとも1種のシラノール化合物、及び、下記一般式(2)で示される、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を、(1)/(2)=40mol%/60mol%〜60mol%/40mol%の範囲の割合で、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく縮合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン:100質量部。

Si (OH) (1)
R’ R’’ Si (OR’’ )4−a−b (2)

ここで、Rは炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数6〜20のアルキルアリール基から選ばれる1種以上の基であり、2つのRは互いに同じであっても異なっていても良く、また共有結合を介して互いに結ばれていても良い。R’ はエポキシ基、及び炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選ばれる一種以上の基である。R’’ はメチル基またはエチル基である。ここでR’とR’’は共有結合を介して互いに結ばれていても良い。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。
(b)光重合開始剤:0.1〜20質量部。
(c)摂氏20℃で固体状のシリコーン:50〜200質量部。
2.下記(a)及び(b)成分を含む感光性樹脂組成物。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物、及び、(3)シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンを、下記の範囲の割合で、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく縮合させる方法で得られるポリオルガノシロキサン:100質量部。
<各成分の割合> 下記一般式(1)で示されるシラノール化合物中のシラノール基のモル数をx、上記(3)シリコーン中ののシラノール基のモル数をyとしたとき、下記一般式(1)で表される化合物と上記(3)のシリコーンは、x:y=1:0.5〜1:3を満たす割合で添加され、このとき下記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物は、(x+y/4)/2〜(x+3y/4)/2を満たす割合で添加される。

Si (OH) (1)
R’ R’’ Si (OR’’ )4−a−b (2)

ここで、Rは炭素数6〜20のアリール基又はアルキルアリール基である。R’ はエポキシ基、及び炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選ばれる一種以上の基である。R’’ はメチル基またはエチル基である。ここでR’とR’’は共有結合を介して互いに結ばれていても良い。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。
(b)光重合開始剤:0.1〜20質量部。
3. 前記触媒として、アルカリ土類金属水酸化物、B(OR’’’)、Al(OR’’’)、Ti(OR’’’)、Zr(OR’’’)、及びNHF(ここでR’’’は、炭素数1〜12の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基)からなる群より選ばれる1種以上を、前記一般式 (1)で表されるシラノール化合物及び前記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物の合計総量に対し、0.01〜10mol%添加して合成した(a)ポリオルガノシロキサンを用いることを特徴とする1.記載の感光性樹脂組成物。
4.前記触媒として、アルカリ土類金属水酸化物、B(OR’’’)、Al(OR’’’)、Ti(OR’’’)、Zr(OR’’’)、NHF(ここでR’’’は、炭素数1〜12の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基)からなる群より選ばれる1種以上を、前記(1)のシラノール化合物、前記(2)のアルコキシシラン化合物、及び前記(3)のシリコーンの合計総量に対し、0.01〜10mol%触媒として添加して合成した(a)ポリオルガノシロキサンを用いることを特徴とする2.記載の感光性樹脂組成物。
5. 1.〜4.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物を、基材上に塗布し、露光し、現像して得られる樹脂絶縁膜。
6. 5.記載の樹脂絶縁膜を150℃以上300℃以下で加熱して得られるキュア膜。
本発明により、LSIチップのバッファコート材料や再配線層として好適な、低温キュア性に優れ、熱キュア前後の膜減りがほとんど無く、露光前の感光性樹脂組成物のタック性が改善された感光性シリコーンを含む感光性樹脂組成物並びにそれを用いた樹脂絶縁膜、キュア膜を得ることができるという効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の第1形態は、下記(a)、(b)及び(c)成分を含む感光性樹脂組成物である。
(a)下記一般式(1)で示される、少なくとも1種のシラノール化合物、及び、下記一般式(2)で示される、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を、(1)/(2)=40mol%/60mol%〜60mol%/40mol%の範囲の割合で、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく縮合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン:100質量部。

Si (OH) (1)
R’ R’’ Si (OR’’ )4−a−b (2)

ここで、Rは炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数6〜20のアルキルアリール基から選ばれる1種以上の基であり、2つのRは互いに同じであっても異なっていても良く、また共有結合を介して互いに結ばれていても良い。R’ はエポキシ基、及び炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選ばれる一種以上の基である。R’’ はメチル基またはエチル基である。ここでR’とR’’は共有結合を介して互いに結ばれていても良い。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。
(b)光重合開始剤:0.1〜20質量部。
(c)摂氏20℃で固体状のシリコーン:50〜200質量部。
(a)ポリオルガノシロキサンの原料である上記一般式(1)で表されるシラノール化合物におけるRとしては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。このうち好ましく用いることができるのは、フェニル基である。このような上記一般式(1)で表されるシラノール化合物としては、ジフェニルシランジオールが好ましく用いられる。
(a)ポリオルガノシロキサンの原料である上記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物におけるR’としては、例えば、ビニル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)基、3−グリシドキシプロピル基、スチリル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基、2−(メタ)アクリロキシエチル基、(メタ)アクリロキシメチル基等を挙げることができる。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル基及びメタクリル基を示す。以下同じである。このうち好ましく用いることができるのは、3−(メタ)アクリロキシプロピル基である。このような上記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物としては、3−メタクロリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランが好ましく用いられる。
(a)ポリオルガノシロキサンは、上記一般式(1)で表されるシラノール化合物と上記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物とを、60mol%/40mol%〜40mol%/60mol%、好ましくは55mol%/45mol%〜45mol%/55mol%、より好ましくは52mol%/48mol%〜48mol%/52mol%、最も好ましくは、50mol%/50mol%の比で仕込み、積極的に水を加えることなく、触媒の存在下、50〜150℃、好ましくは70〜120℃で加熱還流後生成するアルコールを減圧留去させることによって得られる。触媒としては、アルカリ土類金属水酸化物、B(OR’’’)、Al(OR’’’)、Ti(OR’’’)、Zr(OR’’’)、及びNHF(ここでR’’’は、炭素数1〜12の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基)から選ばれる1種以上のものが好ましく用いられ、最も好ましくは、水酸化バリウム、チタンアルコキサイドである。触媒の添加量は、前記一般式(1)で表されるシラノール化合物及び前記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物の合計総量に対し、0.01〜10mol%が好ましく、より好ましくは0.1〜5mol%である。
(b)光重合開始剤としては、365nmに吸収を有する公知の光ラジカルもしくはカチオン重合開始剤が用いられる。公知の光重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 651)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE(登録商標、以下同じ)184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製DAROCURE 1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 2959)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 127)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 369)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 379)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE 819)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製DAROCURE TPO)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ), 2−(O−ベンゾイルオキシム)](商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE OXE01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE OXE02)、ヨードニウム,(4−メチルフェニル)[4−(−メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロホスフェート(商品名:チバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE250)、ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビスエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、フェニルグリオキシ酸メチル、2−エチルアントラキノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げることができる。これら光重合開始剤のうちで、好ましく用いることができるのは、IRGACURE 369単独、もしくはIRGACURE 369と4,4’−ビスエチルアミノベンゾフェノンの組合せである。
(b)光重合開始剤の含有量は、0.1〜20質量部であり、0.2〜10質量部がより好ましく、0.2〜5質量部が更に好ましい。感度の観点より0.1質量部以上であり、機械特性の観点より20質量部以下である。
本発明の第1形態に用いられる(c)摂氏20℃で固体状のシリコーンは、下記に示す第2形態の(a)ポリオルガノシロキサンを合成する際に用いられる(3)シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンと、シラノール基を有さない摂氏20℃で固体状のシリコーンを合わせたものを示す。シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンについては、下記の本発明の第2形態の説明部分に(a)成分の合成の際に用いられる(3)シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンとして例示する。シラノール基を有さない摂氏20℃で固体状のシリコーンとしては、Si−O−Si結合を有する化合物であれば特に制限はなく、例えばMQ型シリコーンレジン(商品名:旭化成ワッカーシリコーン社製 MQ803TF等)、末端エトキシ型ポリフェニルシルセスキオキサン(商品名:小西化学社製PPSQ−E)、高縮合型ポリフェニルシルセスキオキサン(商品名:小西化学社製PPSQ−T)等を挙げることができる。以上はもともと固体として販売されている製品だが、これらが溶剤に溶けたワニスとして販売されていれも、その溶剤を減圧留去することにより摂氏20℃で固体状のシリコーンを得ることができる。これらシラノール基を有さない摂氏20℃で固体状のシリコーンの中で、好ましく用いられるのは、フェニル基を含むものである。
(c)摂氏20℃で固体状のシリコーンの含有量は、50〜200質量部であり、75〜150質量部がより好ましい。タックの観点より50質量部以上であり、感度の観点より200質量部以下である。
本発明の第2形態は、下記(a)及び(b)成分を含む感光性樹脂組成物である。
(a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物、及び、(3)シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンを、下記の範囲のモル比で、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく縮合させる方法で得られるポリオルガノシロキサン:100質量部。
<各成分の割合> 下記一般式(1)で示されるシラノール化合物中のシラノール基のモル数をx、上記(3)シリコーン中ののシラノール基のモル数をyとしたとき、下記一般式(1)で表される化合物と上記(3)のシリコーンは、x:y=1:0.5〜1:3を満たす割合で添加され、このとき下記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物は、(x+y/4)/2〜(x+3y/4)/2を満たす割合で添加される。

Si (OH) (1)
R’ R’’ Si (OR’’ )4−a−b (2)

ここで、Rは炭素数6〜20のアリール基又はアルキルアリール基である。R’ はエポキシ基、及び炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選ばれる一種以上の基である。R’’ はメチル基またはエチル基である。ここでR’とR’’は共有結合を介して互いに結ばれていても良い。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。
(b)光重合開始剤:0.1〜20質量部。
本発明の第2形態においても、(a)ポリオルガノシロキサンの合成には、第1形態で述べた(1)シラノール化合物及び(2)アルコキシシラン化合物を用いる。
本発明の第2形態では、(a)ポリオルガノシロキサンの合成において、(3)シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンを用いる。このものについては、摂氏20℃で固体状の、末端シラノール型のSi−O−Si結合を有する化合物であれば良い。使用できるものについて具体名を挙げると、例えば、末端シラノールポリジフェニルシロキサン(商品名:Gelest社製PDS−9931)、フェニルプロピル系フレーク(商品名:東レダウコーニング社製Z−6018、旭化成ワッカーシリコーン社製SILRES SY300等)、フェニル系フレーク(商品名:東レダウコーニング社製217FLAKE、旭化成ワッカーシリコーン社製SILRES 603、SILRES SY430、SILRES IC836等)、フェニルメチル系フレーク(商品名:東レダウコーニング社製220FLAKE、233FLAKE、249FLAKE、旭化成ワッカーシリコーン社製SILRES 604、SILRES 605、SILRES H44、SILRES REN100、信越化学工業社製X−40−9805、等)、メチル系フレーク(旭化成ワッカーシリコーン社製SILRES 610、SILRES MK等)、末端シラノール型ラダー型ポリフェニルシルセスキオキサン(小西化学社製PPSQ−H)等を挙げることができる。また、以上はもともと固体として販売されている製品だが、これらが溶剤に溶けたワニスとして販売されていれも、その溶剤を減圧留去することにより摂氏20℃で固体状のシリコーンを得ることができる。これらシラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンの中で、好ましく用いられるのは、フェニル基を含むものである。ゾルゲル法によって製造したシリコーンの、末端シラノールの定量分析は、例えばNMRによって行なうことができる。すなわち、例えば29SiNMRにおいて末端シリコンの数が、一方HNMRにおいて末端アルコキシ基の数を求めることができるが、このとき末端シリコンの数に見合うだけの末端アルコキシ基が観測されない場合、残りの末端はシラノールであると考えることができる。
本発明の第2形態における(a)ポリオルガノシロキサンは、上記一般式(1)で示されるシラノール化合物中のシラノール基のモル数をx、上記(3)シリコーン中ののシラノール基のモル数をyとしたとき、上記一般式(1)で表される化合物と上記(3)のシリコーンは、x:y=1:0.5〜1:3を満たす割合で添加され、このとき上記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物は、(x+y/4)/2〜(x+3y/4)/2を満たす割合で仕込み、触媒の存在下、積極的に水を加えることなく、縮合して得られる。用いられる触媒は、本発明の第1形態と同様のものが用いられる。
本発明の第2形態における(b)光重合開始剤においても、上記第1形態における(b)光重合開始剤と同じものを用いることができる。
本発明の第1形態、第2形態共に、更に解像性の観点から光重合性モノマーを加えたり、製膜時のシリコンウェハとの密着性を上げるため密着性向上剤としてシランカップリング剤等を加えても良い。
本発明の感光性樹脂組成物は、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、酢酸プロピル等の溶剤に溶解させても良い。このとき用いられる溶剤は、上記(a)ポリオルガノシロキサン、上記(b)光重合開始剤及び上記(c)シリコーンが溶解するものであれば特に制限はない。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いて得られた樹脂絶縁膜の形成法について述べる。樹脂絶縁膜は、上記により得られた感光性樹脂組成物を、例えばスピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布するか、スプレーコーター等で噴霧塗布する方法によりシリコンウェハ等の基板上に積層形成することができる。基板上に形成された感光性樹脂組成物層の厚みは1〜100μmが好ましく、より好ましくは2〜50μmである。
得られた塗膜は、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥などにより乾燥する。
このようにして得られた塗膜は、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、紫外線光源等により露光される。光硬化型樹脂としてのパターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長はi線が好ましく、装置としてはステッパーが好ましい。
現像は、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法などの中から任意の方法を選んで行うことができる。これにより、樹脂絶縁膜を得ることができる。
使用される現像液としては、本発明の第1形態においては(a)ポリオルガノシロキサン及び(c)摂氏20℃で固体状のシリコーン、本発明の第2形態においては(a)ポリオルガノシロキサンに対する良溶媒と貧溶媒の組み合わせが好ましい。この良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが、また、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び水などが用いられる。良溶媒に対する貧溶媒の割合は本発明の第1形態においては(a)ポリオルガノシロキサン及び、(c)摂氏20℃で固体状のシリコーン成分、本発明の第2形態においては(a)ポリオルガノシロキサンに対する溶解性により調整される。各溶媒を組み合わせて用いることもできる。
次いで、得られた感光性樹脂絶縁膜を150℃以上300℃以下に加熱し、未反応二重結合又は未反応エポキシ基を更に反応させてキュアして、キュア膜を得ることができる。加熱温度は、150℃以上250℃以下がより好ましい。キュア時の未反応二重結合又は未反応エポキシ基の反応の進行の観点から150℃以上、熱分解の観点から300℃以下である。加熱は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンにより行うことが出来る。加熱させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
<ポリオルガノシロキサンの合成>
500mlのナス型フラスコ中にジフェニルシランジオール0.5モル(108.16g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5モル(124.18g)、チタンテトライソプロポキシド0.011モル(3.13g)を仕込み、冷却器をナスフラスコに取り付け、オイルバスで室温から80℃まで徐々に昇温し、80℃で発生メタノールによるリフラックス確認後、1時間同温度でリフラックス継続させたのち冷却器をとり除き、同じ温度でメタノールを真空引きで除去した。このとき、突沸が起こらないように徐々に真空度を上げ1〜3torr程度になったら、80℃で攪拌しながら真空引きを継続し、最後に常圧に戻しメタノール除去を終了した。
<感光性樹脂組成物の調製と評価>
合成したポリオルガノシロキサン100質量部、光重合開始剤としてチバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE369 1質量部及び4,4’−ビスエチルアミノベンゾフェノン0.2質量部、摂氏20℃で固体状のシリコーンとして東レダウコーニング社製217フレーク100質量部、シリコンウェハへの密着助剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.2質量部を、N−メチルピロリドン100質量部に攪拌しながら溶解させた。このワニスをスピンコータを用いてシリコンウェハ上にスピンコートし、120℃で6分でプリベークした。このとき塗布された樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。続いてI線ステッパを用い、樹脂面全体を露光した(露光量500mJ/cm)。これをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を現像液、IPA(イソプロパノール)をリンス液としてスピン現像した所、現像前後膜厚の差から求めた残膜率は50%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例2]
実施例1においてポリオルガノシロキサン合成時、触媒としてチタンイソプロポキシド0.011モルの代わりに水酸化バリウム0.001モルを用いた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンの合成し、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は50%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例3]
実施例1においてポリオルガノシロキサン合成時、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの代わりに3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを用いた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンの合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は45%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例4]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製・評価時、217フレークの添加量をポリオルガノシロキサンに対し100質量部から50質量部に変えた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンを合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指には痕跡は残らなかったが樹脂面には痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は70%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例5]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製時に、摂氏20℃で固体状のシリコーンとしての217フレークの添加量をポリオルガノシロキサンに対し100質量部から200質量部とした他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンを合成し、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は20%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例6]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製時に、摂氏20℃で固体状のシリコーンとして、217フレークの代わりに東レダウコーニング社製Z6018を用いた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンの合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は50%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例7]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製・評価時、摂氏20℃で固体状のシリコーンとして、217フレークの代わりに小西化学社製PPSQ−Eを用いた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンの合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指には痕跡は残らなかったが樹脂面には痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は50%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例8]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製・評価時、摂氏20℃で固体状のシリコーンとして、217フレークの代わりに小西化学社製PPSQ−Tを用いた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンの合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は50%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例9]
<ポリオルガノシロキサンの合成>
200mlのナス型フラスコ中にジフェニルシランジオール0.0353モル(シラノールとして0.0706モル)(7.64g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.0706モル(17.53g)、東レダウコーニング社製217フレーク(分子量2000、シラノール水酸基6質量%)0.02モル(シラノールとして0.1412モル)(40g)、チタンテトライソプロポキシド0.00155モル(0.44g)を仕込み、冷却器をナスフラスコに取り付け、オイルバスで室温から80℃まで徐々に昇温し、80℃で発生メタノールによるリフラックス確認後、1時間同温度でリフラックス継続させたのち冷却器をとり除き、同じ温度でメタノールを真空引きで除去した。このとき、突沸が起こらないように徐々に真空度を上げ1〜3torr程度になったら、80℃で攪拌しながら真空引きを継続し、最後に常圧に戻しメタノール除去を終了した。
<感光性樹脂組成物の調製と評価>
合成したポリオルガノシロキサン100質量部、光重合開始剤としてチバスペシャルティケミカルズ社製IRGACURE369 1質量部及び4,4’−ビスエチルアミノベンゾフェノン0.2質量部、シリコンウェハへの密着助剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.2質量部を、N−メチルピロリドン50質量部に攪拌しながら溶解させた。このワニスをスピンコータを用いてシリコンウェハ上にスピンコートし、120℃で6分でプリベークした。このとき塗布された樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。続いてI線ステッパを用い、樹脂面全体を露光した(露光量500mJ/cm)。これをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を現像液、IPA(イソプロパノール)をリンス液としてスピン現像した所、現像前後膜厚の差から求めた残膜率は40%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[実施例10]
<ポリオルガノシロキサンの合成>
200mlのナス型フラスコ中にジフェニルシランジオール0.0353モル(シラノールとして0.0706モル)(7.64g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.0523モル(13.15g)、東レダウコーニング社製217フレーク(分子量2000、シラノール水酸基6質量%)0.01モル(シラノールとして0.0706モル)(40g)、チタンテトライソプロポキシド0.00116モル(0.33g)を仕込み、冷却器をナスフラスコに取り付け、オイルバスで室温から80℃まで徐々に昇温し、80℃で発生メタノールによるリフラックス確認後、1時間同温度でリフラックス継続させたのち冷却器をとり除き、同じ温度でメタノールを真空引きで除去した。このとき、突沸が起こらないように徐々に真空度を上げ1〜3torr程度になったら、80℃で攪拌しながら真空引きを継続し、最後に常圧に戻しメタノール除去を終了した。
<感光性樹脂組成物の調製と評価>
実施例9と同様に、合成したポリオルガノシロキサンを用いて感光性樹脂組成物の調製、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指には痕跡は残らなかったが樹脂面には痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は70%であった。この現像膜をN中で3時間180℃でのキュアして硬化完了させたが、このキュアの過程で膜減りは認められなかった。
[比較例1]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製・評価時、217フレークの添加量をポリオルガノシロキサンに対し100質量部から25質量部に変えた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンを合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指にも樹脂面にも痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は83%であった。
[比較例2]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製・評価時、217フレークの添加量をポリオルガノシロキサンに対し100質量部から250質量部に変えた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンを合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は0%であった。
[比較例3]
実施例1において、感光性樹脂組成物の調製・評価時、摂氏20℃で固体状のシリコーンである217フレークの代わりに、摂氏20℃で液状のシリコーンである東レダウコーニング社製3074 INTERMEDIATEを用いた他は、実施例1と同様にポリオルガノシロキサンの合成、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指にも樹脂面にも痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は50%であった。
[比較例4]
<ポリオルガノシロキサンの合成>
200mlのナス型フラスコ中にジフェニルシランジオール0.0353モル(シラノールとして0.0706モル)(7.64g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.0406モル(10.08g)、東レダウコーニング社製217フレーク(分子量2000、シラノール水酸基6質量%)0.003モル(シラノールとして0.0212モル)(6g)、チタンテトライソプロポキシド0.0009モル(0.25g)を仕込み、冷却器をナスフラスコに取り付け、オイルバスで室温から80℃まで徐々に昇温し、80℃で発生メタノールによるリフラックス確認後、1時間同温度でリフラックス継続させたのち冷却器をとり除き、同じ温度でメタノールを真空引きで除去した。このとき、突沸が起こらないように徐々に真空度を上げ1〜3torr程度になったら、80℃で攪拌しながら真空引きを継続し、最後に常圧に戻しメタノール除去を終了した。
<感光性樹脂組成物の調製と評価>
実施例9と同様に、合成したポリオルガノシロキサンを用いて感光性樹脂組成物の調製、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指にも樹脂面にも痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は80%であった。
[比較例5]
<ポリオルガノシロキサンの合成>
200mlのナス型フラスコ中にジフェニルシランジオール0.0353モル(シラノールとして0.0706モル)(7.64g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1059モル(26.30g)、東レダウコーニング社製217フレーク(分子量2000、シラノール水酸基6質量%)0.04モル(シラノールとして0.2824モル)(80g)、チタンテトライソプロポキシド0.0023モル(0.66g)を仕込み、冷却器をナスフラスコに取り付け、オイルバスで室温から80℃まで徐々に昇温し、80℃で発生メタノールによるリフラックス確認後、1時間同温度でリフラックス継続させたのち冷却器をとり除き、同じ温度でメタノールを真空引きで除去した。このとき、突沸が起こらないように徐々に真空度を上げ1〜3torr程度になったら、80℃で攪拌しながら真空引きを継続し、最後に常圧に戻しメタノール除去を終了した。
<感光性樹脂組成物の調製と評価>
実施例9と同様に、合成したポリオルガノシロキサンを用いて感光性樹脂組成物の調製、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触っても、指にも樹脂面にも痕跡は残らなかった。また、露光現像後の残膜率は0%であった。
[比較例6]
<ポリオルガノシロキサンの合成>
200mlのナス型フラスコ中にジフェニルシランジオール0.0353モル(シラノールとして0.0706モル)(7.64g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.0706モル(17.53g)、東レダウコーニング社製217フレーク(分子量2000、シラノール水酸基6質量%)0.01モル(シラノールとして0.0706モル)(40g)、チタンテトライソプロポキシド0.00155モル(0.44g)を仕込み、冷却器をナスフラスコに取り付け、オイルバスで室温から80℃まで徐々に昇温し、80℃で発生メタノールによるリフラックス確認後、1時間同温度でリフラックス継続させたのち冷却器をとり除き、同じ温度でメタノールを真空引きで除去した。このとき、突沸が起こらないように徐々に真空度を上げ1〜3torr程度になったら、80℃で攪拌しながら真空引きを継続し、最後に常圧に戻しメタノール除去を終了した。
<感光性樹脂組成物の調製と評価>
実施例9と同様に、合成したポリオルガノシロキサンを用いて感光性樹脂組成物の調製、評価を行なった。このときプリベーク後樹脂面を指で触った所、指にも樹脂面にも痕跡が残った。また、露光現像後の残膜率は75%であった。
以上実施例1〜8の結果を表1に、比較例1〜3の結果を表2に、実施例9〜10と比較例4〜6の結果を表3にまとめて示す。
Figure 0004800179
Figure 0004800179
Figure 0004800179
本発明は、半導体デバイス、多層配線基板などの電気・電子材料に用いられる、感光性絶縁膜の分野で好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 下記(a)、(b)及び(c)成分を含む感光性樹脂組成物。
    (a)下記一般式(1)で示される、少なくとも1種のシラノール化合物、及び、下記一般式(2)で示される、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物を、(1)/(2)=40mol%/60mol%〜60mol%/40mol%の範囲の割合で、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく縮合させる方法で得られる、ポリオルガノシロキサン:100質量部。

    Si (OH) (1)
    R’ R’’Si (OR’’ )4−a−b (2)

    ここで、Rは炭素数6〜20のアリール基、及び炭素数6〜20のアルキルアリール基から選ばれる1種以上の基であり、2つのRは互いに同じであっても異なっていても良く、また共有結合を介して互いに結ばれていても良い。R’ はエポキシ基、及び炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選ばれる一種以上の基である。R’’ はメチル基またはエチル基である。ここでR’とR’’は共有結合を介して互いに結ばれていても良い。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。
    (b)光重合開始剤:0.1〜20質量部。
    (c)摂氏20℃で固体状のシリコーン:50〜200質量部。
  2. 下記(a)及び(b)成分を含む感光性樹脂組成物。
    (a)下記一般式(1)で示される少なくとも1種のシラノール化合物、下記一般式(2)で示される少なくとも1種のアルコキシシラン化合物、及び、(3)シラノール基を有する摂氏20℃で固体状のシリコーンを、下記の範囲の割合で、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく縮合させる方法で得られるポリオルガノシロキサン:100質量部。
    <各成分の割合> 下記一般式(1)で示されるシラノール化合物中のシラノール基のモル数をx、上記(3)シリコーン中ののシラノール基のモル数をyとしたとき、下記一般式(1)で表される化合物と上記(3)のシリコーンは、x:y=1:0.5〜1:3を満たす割合で添加され、このとき下記一般式(2)で示されるアルコキシシラン化合物は、(x+y/4)/2〜(x+3y/4)/2を満たす割合で添加される。

    Si (OH) (1)
    R’ R’’ Si (OR’’ )4−a−b (2)

    ここで、Rは炭素数6〜20のアリール基又はアルキルアリール基である。R’ はエポキシ基、及び炭素−炭素二重結合基を少なくとも1つ含む炭素数2〜17の基からなる群より選ばれる一種以上の基である。R’’ はメチル基またはエチル基である。ここでR’とR’’は共有結合を介して互いに結ばれていても良い。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。
    (b)光重合開始剤:0.1〜20質量部。
  3. 前記触媒として、アルカリ土類金属水酸化物、B(OR’’’)、Al(OR’’’)、Ti(OR’’’)、Zr(OR’’’)、及びNHF(ここでR’’’は、炭素数1〜12の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基)からなる群より選ばれる1種以上を、前記一般式 (1)で表されるシラノール化合物及び前記一般式(2)で表されるアルコキシシラン化合物の合計総量に対し、0.01〜10mol%添加して合成した(a)ポリオルガノシロキサンを用いることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記触媒として、アルカリ土類金属水酸化物、B(OR’’’)、Al(OR’’’)、Ti(OR’’’)、Zr(OR’’’)、NHF(ここでR’’’は、炭素数1〜12の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基)からなる群より選ばれる1種以上を、前記(1)のシラノール化合物、前記(2)のアルコキシシラン化合物、及び前記(3)のシリコーンの合計総量に対し、0.01〜10mol%触媒として添加して合成した(a)ポリオルガノシロキサンを用いることを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を、基材上に塗布し、露光し、現像して得られる樹脂絶縁膜。
  6. 請求項5記載の樹脂絶縁膜を150℃以上300℃以下で加熱して得られるキュア膜。
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