JP4789346B2 - 加工用ネット地及びその製作方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元構造の加工用ネット地に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ウレタン等のパッド材と比較して、薄型でも高いクッション性を発揮できると共に、多数の空隙を有し、通気性に優れた三次元構造のネットを用いたネット製品が知られている。表面メッシュ層と裏面メッシュ層との間を多数のパイルで連結し、トラス構造(三次元構造)としたもので、へたりにくい弾性構造物となっており、体圧の分散及び衝撃吸収特性に優れている。かかる三次元構造のネットを用いたネット製品としては、例えば、自動車などの乗物用のシートとして実現されている。
【0003】
三次元構造のネットは、上記したように表面メッシュ層及び裏面メッシュ層に中間層としてのパイルが編み込まれて形成されるが、任意のネット製品に加工される以前の加工用原材料の形態(加工用ネット地)では、必要な幅を備えた長尺な帯状に形成され、かつ、ロール状に巻回されたロール反として提供されるのが通常である。ネット製品の加工業者は、このロール反を巻き戻し方向に回転させて加工用ネット地を引き出し、裁断し、振動溶着や縫製などの処理を行い、所定のネット製品に加工している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の加工用ネット地は、表面メッシュ層及び裏面メッシュ層の各メッシュの形状及びサイズ、並びにこれらに連結されるパイルの編み(織り)込み本数等の編み(又は織り)条件が全範囲に亘りほぼ一定である。これに伴い、該加工用ネット地のいずれの部位においても厚み方向における圧縮率はほぼ一定である。この圧縮率は、ネット製品として加工された際の用途に必要な弾力性や減衰性等の諸特性を考慮して定められる。このため、例えば、自動車用シートであれば、その加工用原材料である三次元構造の加工用ネット地は、その全ての部位が自動車用シートとして使用するのに適する圧縮率で製造されている。
【0005】
このようにネット製品として要求される特性に適した圧縮率で形成されている場合には、加工を施す対象となる部位としては、圧縮率が比較的低い一方、圧縮弾性率が比較的高く、例えば、裁断工程においては、弾性力が抵抗になって裁断しにくいという問題があった。裁断処理は、通常、ロール反から所定長の加工用ネット地に裁断した後、さらに、これらを複数枚重ねて任意の形状に、プレス機、裁断刃を備えたカッタ、高圧水を利用したウオータジェット式のカッタ等を用いて裁断して行くが、特に、複数枚重ねて裁断する際には抵抗によって位置ずれが生じやすいという問題があった。また、端末処理のために行う振動溶着工程や縫製工程においても、圧縮率が低い場合には、これらの作業を行いにくいという問題があった。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みなされたものであり、加工用原材料としての加工用ネット地を用いてネット製品を製造するに当たって、裁断、溶着あるいは縫製などの加工を従来よりも容易に行うことができると共に、これらの加工工程を簡略化でき、ネット製品の製造コストを低減させることができる三次元構造の加工用ネット地及びその製作方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、請求項1記載の本発明の加工用ネット地は、表面メッシュ層と裏面メッシュ層とが多数のパイルで結合され、任意のネット製品の加工用原材料として用いられる三次元構造の加工用ネット地であって、
前記任意のネット製品の各加工工程において裁断又は端末処理の対象となる部位における、次式:
圧縮率(%)={(t −t )/t }×100
(但し、式中、t は、3.5g/cm (0.343kPa)で加圧したときの厚さ(mm)であり、t は、200g/cm (19.6kPa)で加圧したときの厚さ(mm)である)
で示される厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の本発明の加工用ネット地は、請求項1記載の加工用ネット地であって、シートのバック部用ネット及びクッション部用ネットとして加工するための加工用原材料として用いられ、
幅方向中央の第1裁断部位を基準とした一方側に前記バック部用ネット及び他方側に前記クッション部用ネットを切り出し可能な幅を有し、
前記第1裁断部位と各側部ラインに沿った所定幅の側縁部位を振動溶着による端末処理対象とするため、前記第1裁断部位と各側縁部位の厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように形成されていることを特徴とする
【0009】
請求項3記載の本発明の加工用ネット地は、請求項2記載の加工用ネット地であって、前記第1裁断部位を基準とした一方側のバック部用ネット及び他方側のクッション部用ネットを一組のシート用ネットとし、隣接する一組のシート用ネット同士間が第2裁断部位となっており、この第2裁断部位を振動溶着による端末処理対象とするため、その厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように形成されていることを特徴とする
【0010】
請求項4記載の本発明の加工用ネット地は、請求項1〜3のいずれか1記載の加工用ネット地であって、前記端末処理対象となる部位と他の部位との厚み方向の圧縮率の差が、5%以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の本発明の加工用ネット地は、請求項4記載の加工用ネット地であって、前記端末処理対象となる部位と他の部位との厚み方向の圧縮率の差が、10〜70%の範囲であることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の本発明の加工用ネット地は、請求項1〜5のいずれか1に記載の加工用ネット地であって、前記圧縮率が、ネット組織の密度により調整されたものであることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の本発明の加工用ネット地は、請求項6記載の加工用ネット地であって、前記ネット組織の密度が、表面メッシュ層のメッシュ形状、表面メッシュ層のメッシュサイズ、裏面メッシュ層のメッシュ形状、裏面メッシュ層のメッシュサイズ、パイルの配設密度、表面メッシュ層と裏面メッシュ層と間のパイルの長さ、及びパイルの太さのうちのいずれか1つの要素又は任意の2つ以上の要素の組み合わせにより調整されたものであることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の本発明の加工用ネット地は、請求項1〜7のいずれか1に記載の加工用ネット地であって、前記圧縮率が、表面メッシュ層、裏面メッシュ層及びパイルを構成する各繊維のうち、いずれか少なくとも1つ以上において、繊維の材質又は種類を変えることにより調整されたものであることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の本発明の加工用ネット地の製作方法は、表面メッシュ層と裏面メッシュ層とが多数のパイルで結合され、任意のネット製品の加工用原材料として用いられる三次元構造の加工用ネット地の製作方法であって、
前記任意のネット製品の各加工工程において裁断又は端末処理の対象となる部位における、次式:
圧縮率(%)={(t −t )/t }×100
(但し、式中、t は、3.5g/cm (0.343kPa)で加圧したときの厚さ(mm)であり、t は、200g/cm (19.6kPa)で加圧したときの厚さ(mm)である)
で示される厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように編むことを特徴とする
請求項10記載の本発明の加工用ネット地の製作方法は、請求項9記載の加工用ネット地の製作方法であって、シートのバック部用ネット及びクッション部用ネットとして加工するための加工用原材料として用いられる加工用ネット地の製作方法であり、
幅方向中央の第1裁断部位を基準とした一方側に前記バック部用ネット及び他方側に前記クッション部用ネットを切り出し可能な幅で、
前記第1裁断部位と各側部ラインに沿った所定幅の側縁部位を振動溶着による端末処理対象とするため、前記第1裁断部位と各側縁部位の厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように編むことを特徴とする
請求項11記載の本発明の加工用ネット地の製作方法は、請求項10記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記第1裁断部位を基準とした一方側のバック部用ネット及び他方側のクッション部用ネットを一組のシート用ネットとし、隣接する一組のシート用ネット同士間を第2裁断部位とし、かつ、この第2裁断部位を振動溶着による端末処理対象とするため、その厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように編むことを特徴とする。
請求項12記載の本発明の加工用ネット地の製作方法は、請求項9〜11のいずれか1に記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記圧縮率を、前記端末処理対象となる部位におけるネット組織の密度と他の部位におけるネット組織の密度を変化するように編むことにより調整することを特徴とする。
請求項13記載の本発明の加工用ネット地の製作方法は、請求項12記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記端末処理対象となる部位におけるネット組織の密度と他の部位におけるネット組織の密度を、表面メッシュ層のメッシュ形状、表面メッシュ層のメッシュサイズ、裏面メッシュ層のメッシュ形状、裏面メッシュ層のメッシュサイズ、パイルの配設密度、表面メッシュ層と裏面メッシュ層と間のパイルの長さ、及びパイルの太さのうちのいずれか1つの要素又は任意の2つ以上の要素を変化するように編むことにより調整することを特徴とする。
請求項14記載の本発明の加工用ネット地の製作方法は、請求項9〜13のいずれか1に記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記圧縮率を、前記端末処理対象となる部位と他の部位において、表面メッシュ層、裏面メッシュ層及びパイルを構成する各繊維のうち、いずれか少なくとも1つ以上において、繊維の材質又は種類を変えて編むことにより調整することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。図1〜図3は、本実施形態にかかる加工用ネット地10の一部を示す図であり、まず、これらの図に基づき、該加工用ネット地10の基本構造を説明する。図1に示すように、この加工用ネット地10は、表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12及び該表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12とを結合する多数のパイル13とを有する立体的なトラス構造(三次元構造)から構成されている。
【0017】
表面メッシュ層11は、例えば、図2に示したように、単繊維を撚った糸から、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する構造に形成されている。裏面メッシュ層12は、例えば、図3に示したように、単繊維を撚った糸をゴム編みにして形成され、表面メッシュ層11のハニカム状のメッシュよりも小さなメッシュ(細目)を有する構造に形成されている。パイル13は、単繊維又は糸で形成し、表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12とが所定の間隔を保持するように、該表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12との間に編み込んだもので、この立体メッシュニットとなっている加工用ネット地10に所定の剛性を付与している。
【0018】
ここで、請求項6〜7及び本明細書中のその他の記載において単に「繊維」と述べた場合には、単繊維(モノフィラメント)と糸(マルチフィラメント)の両者のほか、紡績糸等をも含む意味である。
【0019】
なお、本実施の形態では、ハニカム状のメッシュを有する層を表面(例えば、自動車用シートのクッション部として用いた場合に、人体に接する面)としているが、これを裏面とし、小さなメッシュを有する層を表面として使用することもできる。また、後述の表1で示したように、このメッシュ層組織としてはハニカム状や細目以外のメッシュ形状を採用することももちろん可能である。
【0020】
表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12又はパイル13を構成する繊維の材料としては、熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂類、ナイロン6、ナイロン66などに代表されるポリアミド樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代表されるポリオレフィン樹脂類、あるいはこれらの樹脂を2種類以上混合した樹脂などを用いることができる。
【0021】
表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12又はパイル13を構成する繊維の太さは任意であり、その好ましい範囲は、加工されるネット製品によって種々異なるが、例えば、パイル13であれば、自動車用シートのクッション部として加工する場合には、380d以上で、好ましくは600d以上がよい。これによって着座者の荷重を各メッシュ層11,12を構成するメッシュの変形とパイル13の倒れによって支持することができ、応力集中の起きない柔構造とすることができる。
【0022】
図4は、ネット製品の加工用原材料の形態となっている長尺な加工用ネット地10を示す平面図である。上記したように、この加工用ネット地10は、実際には、ロール状に巻回されてロール反として提供される。また、この加工用ネット地10は、自動車用シートとして加工されるものであり、図4の幅方向中央から裁断することにより、その一方側にバック部用ネット10aを、他方側にクッション部用ネット10bをそれぞれ切り出せるものである。
【0023】
図4において、20〜22は、厚み方向の圧縮率が相対的に高い部位を示し、23,24は、厚み方向の圧縮率が相対的に低い部位を示す。すなわち、長尺な加工用ネット地10の各側部ライン20a,21aに沿った所定幅の側縁部位20,21と、該側部ライン20a,21aの中間に位置し、これらのラインに平行な所定幅の第1の裁断部位22との各圧縮率が、それらの間に挟まれた他の部位23,24の圧縮率よりも高くなるように形成されている。側縁部位20,21及び第1の裁断部位22は、いずれも、ネット製品に加工するに当たって裁断や端末処理等、種々の加工対象となる部位であり、当該部位の厚み方向の圧縮率を相対的に高く設定することにより、これらの加工が行いやすくなる。
【0024】
ここで、圧縮率は、JASO規格M404−84「圧縮率及び圧縮弾性率」に基づいた試験方法により測定される。具体的には、50mm×50mmに切り出した3枚の試料に、それぞれ、厚み方向に初荷重3.5g/cm(0.343kPa)で30秒間加圧したときの厚さを測り、次に、200g/cm(19.6kPa)の圧力のもとで10分間放置したときの厚さを測る。次に、荷重を除いて10分間放置後、再び3.5g/cm(0.343kPa)で30秒間加圧したときの厚さを測る。そして、次式により圧縮率及び圧縮弾性率を算出し、それぞれ3枚の平均値で表したものである。
【数1】
Figure 0004789346
【数2】
Figure 0004789346
ここに、tは、3.5g/cm(0.343kPa)で加圧したときの厚さ(mm)であり、tは、200g/cm(19.6kPa)で加圧したときの厚さ(mm)であり、t’は、再び3.5g/cm(0.343kPa)で加圧したときの厚さ(mm)である。
【0025】
側縁部位20,21及び第1の裁断部位22と他の部位23,24に係る上記した圧縮率の差は、5%以上であることが好ましい。側縁部位20,21及び第1の裁断部位22の圧縮率を他の部位23,24よりも5%以上高く設定することにより、例えば、裁断工程でいえば、それらの部位はいわば切り欠きのような役割を果たすため、裁断手法の種類に拘わらず裁断し易くなり、端末処理工程においては表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12間の厚みを薄くして剛性を高める振動溶着作業が行い易くなる。圧縮率の差は10%以上であることがより好ましい。
【0026】
但し、例えば、加工処理対象となる側縁部位20,21及び第1の裁断部位22の圧縮率を高く設定し過ぎ、剛性をきわめて低いものとすると、端末処理工程における振動溶着作業を実施するために必要な剛性を確保できなくなることから、上記した圧縮率の差は、10〜70%の範囲であることがより好ましい。
【0027】
加工処理対象となる側縁部位20,21及び第1の裁断部位22と他の部位23,24との間で厚み方向の圧縮率に差を設ける手段は任意であるが、例えば、次のような手段が挙げられる。
【0028】
まず、ネット組織の密度を変化させる手段、すなわち、加工処理対象となる側縁部位20,21及び第1の裁断部位22のネット組織の密度を、他の部位23,24に係るネット組織の密度よりも、粗にする手段が挙げられる。
【0029】
ネット組織の密度を変化させる具体的な手段としては、表面メッシュ層11のメッシュ形状、表面メッシュ層11のメッシュサイズ、裏面メッシュ層12のメッシュ形状、裏面メッシュ層12のメッシュサイズ、パイル13の配設密度、表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12と間のパイル13の長さ(パイル層の厚み)、及びパイル13の太さのうちのいずれか1つの要素又は任意の2つ以上の要素の組み合わせにより調整する手段が挙げられる。
【0030】
すなわち、加工用ネット地10を編む(又は織る)際に、加工処理対象となる側縁部位20,21及び第1の裁断部位22を形成する段階に至ったならば、上記のいずれかの要素が変化するように、例えば、表面メッシュ層11又は裏面メッシュ層12のメッシュサイズを大きくしたり、メッシュ形状を細目からハニカム状に変えたり、パイル13の編み込み(織り込み)間隔を広くし、単位長さ当たりの編み込み(織り込み)本数を少なくしたりする。
【0031】
より具体的には、例えば、パイル13の編み込み本数を調整することにより、図4に示した三次元構造の加工用ネット地10を製作する場合には、編み機に内蔵されるマイクロコンピュータに、パイル13の編み込み本数を減らす位置、編み込み本数等の諸条件を予め設定しておくことにより行うことができる。例えば、幅970mmの加工用ネット地10を編む場合には、一方の側部ライン20aから内側に、数mmのヒートセット用治具の掴み代20bを除いた30mmの範囲においてパイル13の編み込み本数を少なくして一方の側縁部位20を形成し、続いてパイル13の編み込み本数を増加させて、バック部用ネット10aを構成する他の部位23を形成し、幅方向中央位置50mmの範囲において、再びパイル13の編み込み本数を少なくして第1の裁断部位22を形成する。さらに、パイル13の編み込み本数を増加させてクッション部用ネット10bを構成する他の部位24を形成した後、他方の側部ライン21aから内側に30mmの範囲においてはパイル13の編み込み本数を少なくし(但し、ヒートセット用治具の掴み代21bを除く)、他方の側縁部位21を形成する。
【0032】
なお、ヒートセットとは、編み上げ後、治具(図示せず)により上記の各掴み代20b,21bを掴んで引っ張りながら熱をかけて、編み縮みを矯正することをいい、加工用ネット地10は、通常、ヒートセット後、ロール反に巻き取られて出荷される。但し、本実施形態によれば、側縁部位20,21及び第1の裁断部位22のように、ネット組織の密度を粗にすること等により圧縮率が相対的に高い部位を有していることから、編み縮みによる反り具合が、従来の圧縮率が均等(ネット組織の密度が均等)のものと比較して、少ない。従って、ヒートセット作業も行い易く、短時間で済む。
【0033】
加工用ネット地10の厚み方向における圧縮率を部分的に変化させる手段としては、上記のほか、表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12及びパイル13を構成する各繊維のうち、いずれか少なくとも1つ以上において、繊維の材質を変える手段が挙げられる。例えば、パイル13として、他の部位23,24においては、高い剛性を発揮できる、ポリエステルやポリプロピレン繊維等を用い、側縁部位20,21及び第1の裁断部位22を形成する際には、これよりも剛性の低い、ナイロンやPBT繊維等を用いて製作する。
【0034】
また、前記圧縮率を、表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12及びパイル13を構成する各繊維のうち、いずれか少なくとも1つ以上において、繊維の種類を変えることにより調整することもできる。ここでいう繊維の種類には、単繊維(モノフィラメント)、糸(マルチフィラメント)及び紡績糸などがあり、例えば、材質、太さ(外径)が同じであれば、マルチフィラメントよりもモノフィラメントの方が剛性が高い。従って、例えば、パイル13として、他の部位23,24においてモノフィラメントを用い、側縁部位20,21及び第1の裁断部位22において同じ材質でかつ同じ太さのマルチフィラメントを用いることにより、これらの部位20〜22における圧縮率を相対的に高くすることができる。
【0035】
なお、圧縮率を変化させる際に上記の手段を適宜に2以上組み合わせることももちろん可能であり、例えば、側縁部位20,21及び第1の裁断部位22においてマルチフィラメントを用いると共に、繊維の太さを他の部位23,24に編み込まれたパイル13を構成しているモノフィラメントよりも細くしたり、剛性の弱い材質のものを採用したり、さらには、ネット組織の密度を粗にする手段のいずれか1つ以上の要素を適宜に組み合わせることもできる。
【0036】
表1に、他の部位23,24において自動車用シートのバック部又はクッション部として適する特性を発揮できると共に、側縁部位20,21及び第1の裁断部位22において加工しやすい特性を発揮できる加工用ネット地10の諸特性を例示する。なお、表1で示したものは、全てパイル13の単位長さ当たりの配設本数を調整することで、圧縮率を調整したものである。
【0037】
【表1】
Figure 0004789346
【0038】
表1において、「d」はデニールを表し、1dは1グラムの繊維を9,000m引っ張ったときの太さの単位であり、例えば、220dは1グラムの繊維を9,000/220=40.9m引っ張ったときの太さの繊維である。「f」はフィラメントを表し、単繊維の数を示す単位で、例えば、70fは70本の単繊維で1本の糸を構成していることを意味する。引張強度の「kg/5cm」は、5cm幅のものを引っ張ったときの強度である。パイル組織の「パラレル」は表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12とを連結するパイル13が側面から見て交差していない状態をいい、「クロス」とは側面から見て交差している状態をいう。
【0039】
なお、パイル13の配設の仕方(パイル組織)としては、表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12とを連結するパイル13の側面から見た状態で表すと、より具体的には、例えば、図10に示したような種類に分類される。(a),(b)は、表面メッシュ層11を構成する各糸に対し、これに対向する裏面メッシュ層12を構成する各糸との間にパイル13が配設されているストレートタイプであり、このうち(a)は8の字状にしてストレートに編んだもので、(b)は単純なストレートに編んだものである。(c)〜(e)は、表面メッシュ層11の隣接する各糸と、これに裏面メッシュ層12の隣接する各糸との間で、パイル13が中途で交差するように編んだクロスタイプであり、このうち(c)は8の字状にクロスさせたもの、(d)は単純なクロスに編んだもの、(e)は2本ずつまとめてクロス(ダブルクロス)させたものである。
【0040】
次に、上記した三次元構造の加工用ネット地10を用いて自動車用シートを加工する工程を説明する。
まず、図4に示したように、ロール反となっている加工用ネット地10を引き出し、取扱い易い任意の長さで幅方向に沿って裁断する。次に、図5に示したように、幅方向に沿って、バック部用ネット10aとクッション部用ネット10bとが一体となった状態の一組ずつのシート用ネット10cに裁断する。
【0041】
次に、任意の裁断機、例えば、ウオータジェット式のカッタの加工台に、図6に示したように、裁断した各組のシート用ネット10cを複数枚積層して載せて位置合わせする。そして、このカッタを起動させて高圧水により第1の裁断部位22の予定の裁断ライン22a,22bに沿って裁断する。この際、本実施形態によれば、第1の裁断部位22の圧縮率が他の部位23,24よりも高く設定されており、圧縮し易く、加工用ネット地10が三次元構造であるが故に裁断性を損なう弾性力に起因した障害が減殺される。すなわち、従来のものは、他の部位23,24と第1の裁断部位22とが同じ圧縮率であると共に、クッション部やバック部等としての特性を発揮するのに必要な圧縮率であったため、比較的低い圧縮率で高い圧縮弾性率(弾性率)に設定されている。このため、複数枚重ね合わせて裁断する場合には、弾性力が抵抗となり、裁断ラインが曲がったり、また、下方から高圧水を供給するウオータジェット式のカッタで裁断する場合には、上部に重ねられたものまで裁断できなかったりしていたが、本実施形態によれば、第1の裁断部位22の圧縮率が高いため、予め切り欠きを形成した場合と同様の機能を果たし、複数枚積層した状態であっても、ほとんど位置ずれを起こすことなく、予定の位置から正確に裁断できる。
【0042】
なお、表1からも明らかなように、圧縮率と弾性率とは必ず反比例関係にあるというものではなく、圧縮率が高くて弾性率も高い場合や、この逆の場合もある。しかしながら、いずれにしても、圧縮率が相対的に高くなっていれば、たとえ弾性率がそれほど低くなくても裁断や振動溶着が行い易くなることに変わりはない。
【0043】
次に、第1の裁断部位22からバック部用とクッション部用に分断した各ネット10a,10bを、バック部用ネット10a同士、クッション部用ネット10b同士でそれぞれ複数枚重ね合わせ、さらに、側縁部位20,21において破線で示した裁断ライン20c,21cに沿ってカットする(図4〜図6参照)。この場合も、側縁部位20,21の圧縮率が上記のように設定されているため、第1の裁断部位22に沿ってカットする場合と同様、容易かつ正確に裁断加工することができる。
【0044】
このようにして、バック部用ネット10a及びクッション部用ネット10bを切り出したならば、さらに細部を裁断加工して図7の第1工程に示したような所望の形状にする。
【0045】
バック部用ネット10aは、さらに、第2工程においてシートフレームに連結する際に使用されるワッシャ61が両側部に縫製により取り付けられ、第3工程において化粧用のトリム63が端末に縫製により取り付けられる。クッション部用ネット10bは、さらに、第2工程において余分な端末がカットされ、第3工程において端末にトリム64が縫製により取り付けられる。
【0046】
この際、本実施形態によれば、化粧用のトリム63,64を、相対的に圧縮率を高く設定した上記の側縁部位20,21等に設ける場合には、例えば、ネット組織の密度が粗であるため、縫製を行い易く、縫製時の針の折れ等を防止することができる。
【0047】
一方、上記のバック部用ネット10a、クッション部用ネット10bと同様に、ネット状加工地10から別途に裁断加工したベースネット30を準備する(図7の第1工程)。このベースネット30も加工処理対象となる部位の厚み方向の圧縮率は、他の部位の厚み方向の圧縮率より高くなるように形成されている。そして、第2工程において、圧縮率が高くなるように形成している側縁部の一部31,32を内側に折り返して振動溶着し、第3工程において補強用ベルト65を適宜部位に振動溶着により取り付ける。
【0048】
以上のようにして、バック部用ネット10a、クッション部用ネット10b及びベースネット30のそれぞれの加工が終了したならば、第4工程において、これらを組み付ける。組み付けに当たっては、バック部用ネット10a又はクッション部用ネット10bの側縁部位20,21又は第1の裁断部位22を、図8に示したように、ベースネット30において圧縮率が高くなるように形成した部位30aに振動溶着により固着して一体化する。この際、振動溶着用の治具50、50間に、合成樹脂製のプレート40を配置して、このプレート40も一緒に振動溶着する。
【0049】
振動溶着は、強固な接合力が得られ、振動溶着を施した部分では、表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12及びパイル13が相互に溶着して、側縁部位20,21、第1の裁断部位22を形成している表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12とが近接した状態で固定され硬くなっている。これにより、このようにして振動溶着処理(端末処理)を施した部分を、シートフレームにネジ止めあるいは引っ掛け等によって係止することが可能となるものであるが、本実施形態によれば、振動溶着の対象となる側縁部位20,21及び第1の裁断部位22の厚み方向における圧縮率が他の部位23,24よりも高いため、ベースネット30に対する振動溶着処理を裁断処理後直接行うことができる。
【0050】
これに対し、従来の加工用ネット地を用いた場合には、振動溶着処理対象となる部位の圧縮率が他の部位と同じであったため、裁断加工後、本実施形態のようにベースネット30に直接振動溶着処理を施しても、両者が容易には溶着しなかった。このため、従来は、バック部用ネット10a及びクッション部用ネット10bの場合には、裁断加工後、例えば、図7の第1工程と第2工程との間で、ベースネット30の場合には、例えば、第3工程で補強用ベルト65を取り付けた後に、組み付け時に振動溶着処理対象となる部位をそれぞれ単独で振動溶着して予め半潰しの状態にしておく加工工程が必要であった。しかしながら、本実施形態によれば、かかる半潰し加工する工程を不要とすることができ、ネット製品を製作するに当たっての加工工程の簡略化、製造コストの低減化を図ることができる。また、振動溶着処理は、熱により繊維自身の機械的特性を減じるものでもあるが、振動溶着処理工程の回数が減ることにより、繊維自身の機械的特性の低下度合いを少なくすることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、振動溶着処理対象となる部位の圧縮率が相対的に高いことにより、振動溶着が確実に行われることから、振動溶着されずに一部のパイル13が端面から飛び出したりすることも防止できる。
【0052】
なお、振動溶着による端末処理には、上記した図7の第4工程のみに限られるものではなく、シートフレーム等にネジ止めや引っ掛けなどによりネットを固定するに当たり、端末部である側縁部位20,21又は第1の裁断部位22の剛性を高めるため、バック部用ネット10a又はクッション部用ネット10b等の各端末部の所定箇所をそれぞれ単独で、振動溶着することもある。例えば、端末部に相当する部位の表面メッシュ層11、裏面メッシュ層12及びパイル13を相互に溶着して、側縁部位20,21を形成している表面メッシュ層11と裏面メッシュ層12とを近接させた状態で固定して所定の硬度を確保したり、かかる手段を施した上で、さらに合成樹脂製のプレート(図8参照)を振動溶着により固着する場合等がある。このような端末処理を行う場合にも、本実施形態によれば、加工処理対象となる部位の圧縮率を高く設定してあるため、従来よりも容易に行うことができる。
【0053】
図9は、本発明の他の実施形態にかかる加工用ネット地10を示す平面図である。この加工用ネット地10の場合には、幅方向に沿って、バック部用ネット10aとクッション部用ネット10bとが一体となった状態の一組ずつのシート用ネット10c(図5参照)に裁断する部位を第2の裁断部位25とし、この第2の裁断部位25に当たる部分も所定幅で厚み方向の圧縮率を他の部位23,24よりも高くなるように形成している。
【0054】
これにより、第2の裁断部位25の所定の裁断ラインに沿って裁断する作業を、上記第1の裁断部位22に沿って裁断する場合と同様に容易にでき、裁断加工精度を上げることができる。また、第2の裁断部位25における振動溶着処理(端末処理)の加工性も上記実施形態の第1の裁断部位22と同様に向上させることができる。
【0055】
なお、本発明の加工用ネット地10は、裁断や振動溶着等の加工処理対象となる部位における厚み方向の圧縮率が他の部位23,24と比較して高くなるように形成されていればよく、加工処理対象となる部位が上記した各実施形態に限定されるものではないことはもちろんである。目的とするネット製品によって加工処理対象となる部位が異なるため、圧縮率を相対的に高くする部位はそれに合わせて形成すればよい。
【0056】
また、上記した説明では、自動車用シートに加工される場合を例にとり説明しているが、車椅子用シート、学習机や事務机などに使用される家具用の椅子、映画館等における座席シート等に適用することもできる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加工用ネット地によれば、裁断や振動溶着等の加工処理対象となる部位における厚み方向の圧縮率が他の部位と比較して相対的に高くなるように形成されている。従って、三次元構造でありながら、ネット製品に加工する際の加工性に優れ、これらの加工工程を簡略化でき、ネット製品の製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態にかかる加工用ネット地の一部を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示した加工用ネット地の表面メッシュ層を示す拡大図である。
【図3】図3は、図1に示した加工用ネット地の裏面メッシュ層を示す拡大図である。
【図4】図4は、上記実施形態にかかる長尺な加工用ネット地を示す平面図である。
【図5】図5は、加工用ネット地から切り出した一組のシート用ネットを示す平面図である。
【図6】図6は、シート用ネットを複数枚重ねて裁断する工程を説明するための図である。
【図7】図7は、裁断加工したバック部用ネット、クッション部用ネットを用いてネット製品である自動車用シートを製作する工程を説明するための図である。
【図8】図8は、振動溶着工程を説明するための図である。
【図9】図9は、他の実施形態にかかる長尺な加工用ネット地を示す平面図である。
【図10】図10は、パイル組織の種類を示す図である。
【符号の説明】
10 加工用ネット地
10a バック部用ネット
10b クッション部用ネット
10c シート用ネット
11 表面メッシュ層
12 裏面メッシュ層
13 パイル
20,21 側縁部位
22 第1の裁断部位
23,24 他の部位
25 第2の裁断部位
30 ベースネット
40 プレート

Claims (14)

  1. 表面メッシュ層と裏面メッシュ層とが多数のパイルで結合され、任意のネット製品の加工用原材料として用いられる三次元構造の加工用ネット地であって、
    前記任意のネット製品の各加工工程において裁断又は端末処理の対象となる部位における、次式:
    圧縮率(%)={(t −t )/t }×100
    (但し、式中、t は、3.5g/cm (0.343kPa)で加圧したときの厚さ(mm)であり、t は、200g/cm (19.6kPa)で加圧したときの厚さ(mm)である)
    で示される厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように形成されていることを特徴とする加工用ネット地。
  2. 請求項1記載の加工用ネット地であって、シートのバック部用ネット及びクッション部用ネットとして加工するための加工用原材料として用いられ、
    幅方向中央の第1裁断部位を基準とした一方側に前記バック部用ネット及び他方側に前記クッション部用ネットを切り出し可能な幅を有し、
    前記第1裁断部位と各側部ラインに沿った所定幅の側縁部位を振動溶着による端末処理対象とするため、前記第1裁断部位と各側縁部位の厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように形成されていることを特徴とする加工用ネット地。
  3. 請求項2記載の加工用ネット地であって、前記第1裁断部位を基準とした一方側のバック部用ネット及び他方側のクッション部用ネットを一組のシート用ネットとし、隣接する一組のシート用ネット同士間が第2裁断部位となっており、この第2裁断部位を振動溶着による端末処理対象とするため、その厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように形成されている加工用ネット地。
  4. 請求項1〜3のいずれか1記載の加工用ネット地であって、前記端末処理対象となる部位と他の部位との厚み方向の圧縮率の差が、5%以上であることを特徴とする加工用ネット地。
  5. 請求項4記載の加工用ネット地であって、前記端末処理対象となる部位と他の部位との厚み方向の圧縮率の差が、10〜70%の範囲であることを特徴とする加工用ネット地。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の加工用ネット地であって、前記圧縮率が、ネット組織の密度により調整されたものであることを特徴とする加工用ネット地。
  7. 請求項6記載の加工用ネット地であって、前記ネット組織の密度が、表面メッシュ層のメッシュ形状、表面メッシュ層のメッシュサイズ、裏面メッシュ層のメッシュ形状、裏面メッシュ層のメッシュサイズ、パイルの配設密度、表面メッシュ層と裏面メッシュ層と間のパイルの長さ、及びパイルの太さのうちのいずれか1つの要素又は任意の2つ以上の要素の組み合わせにより調整されたものであることを特徴とする加工用ネット地。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の加工用ネット地であって、前記圧縮率が、表面メッシュ層、裏面メッシュ層及びパイルを構成する各繊維のうち、いずれか少なくとも1つ以上において、繊維の材質又は種類を変えることにより調整されたものであることを特徴とする加工用ネット地。
  9. 表面メッシュ層と裏面メッシュ層とが多数のパイルで結合され、任意のネット製品の加工用原材料として用いられる三次元構造の加工用ネット地の製作方法であって、
    前記任意のネット製品の各加工工程において裁断又は端末処理の対象となる部位における、次式:
    圧縮率(%)={(t −t )/t }×100
    (但し、式中、t は、3.5g/cm (0.343kPa)で加圧したときの厚さ(mm)であり、t は、200g/cm (19.6kPa)で加圧したときの厚さ(mm)である)
    で示される厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように編むことを特徴とする加工用ネット地の製作方法
  10. 請求項9記載の加工用ネット地の製作方法であって、シートのバック部用ネット及びクッション部用ネットとして加工するための加工用原材料として用いられる加工用ネット地の製作方法であり、
    幅方向中央の第1裁断部位を基準とした一方側に前記バック部用ネット及び他方側に前記クッション部用ネットを切り出し可能な幅で、
    前記第1裁断部位と各側部ラインに沿った所定幅の側縁部位を振動溶着による端末処理対象とするため、前記第1裁断部位と各側縁部位の厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように編むことを特徴とする加工用ネット地の製作方法
  11. 請求項10記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記第1裁断部位を基準とした一方側のバック部用ネット及び他方側のクッション部用ネットを一組のシート用ネットとし、隣接する一組のシート用ネット同士間を第2裁断部位とし、かつ、この第2裁断部位を振動溶着による端末処理対象とするため、その厚み方向の圧縮率が、他の部位の厚み方向の圧縮率と比較して相対的に高くなるように編む加工用ネット地の製作方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1に記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記圧縮率を、前記端末処理対象となる部位におけるネット組織の密度と他の部位におけるネット組織の密度を変化するように編むことにより調整する加工用ネット地の製作方法。
  13. 請求項12記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記端末処理対象となる部位におけるネット組織の密度と他の部位におけるネット組織の密度を、表面メッシュ層のメッシュ形状、表面メッシュ層のメッシュサイズ、裏面メッシュ層のメッシュ形状、裏面メッシュ層のメッシュサイズ、パイルの配設密度、表面メッシュ層と裏面メッシュ層と間のパイルの長さ、及びパイルの太さのうちのいずれか1つの要素又は任意の2つ以上の要素を変化するように編むことにより調整することを特徴とする加工用ネット地の製作方法。
  14. 請求項9〜13のいずれか1に記載の加工用ネット地の製作方法であって、前記圧縮率を、前記端末処理対象となる部位と他の部位において、表面メッシュ層、裏面メッシュ層及びパイルを構成する各繊維のうち、いずれか少なくとも1つ以上において、繊維の材質又は種類を変えて編むことにより調整する加工用ネット地の製作方法。
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