JP4768361B2 - フランシス形ランナ及び水力機械 - Google Patents

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Description

本発明は、フランシス形水車またはポンプ水車等の水力機械に用いられるフランシス形ランナ及び水力機械に関する。
一般に、フランシス形水車またはポンプ水車等の水力機械に用いられるフランシス形ランナは、主軸の軸線を中心に回転可能なクラウンを有し、そのクラウンと離間して設けられたリング状のバンドと上記クラウンの間に、そのクラウン及びバンドを接続するように周方向に複数の板状のランナ羽根が設けられて構成されている。そして、水車運転時にはクラウンとバンドとの間に外方から水を導入し、導入された水の作用により主軸の軸線を中心にフランシス形ランナを回転させ、主軸に連結された発電機を駆動する。
図30はフランシス形水車が据え付けられた水力発電所のフランシス形水車近傍の縦断面図であり、発電運転時には、水は図示省略の上池から水圧鉄管を通り、ケーシング1からステーベーン2およびガイドベーン3を通ってランナ4に流れ込み、その水流によってランナ4が回転駆動され、主軸5を介して発電機6が駆動される。一方、ランナ4を駆動した水は吸出し管7を経て図示省略の放水路へと流出する。本運転時にはガイドベーン3の開度を変化させることにより、ランナ4に流入する水量を調整し、発電量を変化させている。なお、フランシス型ランナは、主軸5に固着されたクラウン8と、リング状のバンド9と、上記クラウン8とバンド9とを接続するように配設された複数枚のランナ羽根10から形成されている。
ところで、前述したように運転時には発電量を調整するために、ガイドベーン3の開度を調整し水量を変化させるため、ランナ4内の流れは運転状態により大きく変化する。図31は水量の違いによるランナ4内の子午面流れの模式を示したものである。即ち、ランナ4の子午面流れは、流れを内周側に押し込もうとする水流の動圧力11と、流れを外周側に押し出そうとするランナ4の回転による遠心力12のバランスにより決まるため、設計点(発電効率を最高にしたい点)より水量の小さな運転点では、図31(b)に示すように、遠心力12が相対的に大きくなり流れが外周側に偏り、中心部に図31(a)に示す設計点に比較して広い死水領域13が形成され、設計点(発電効率を最高にしたい点)より水量の大きな運転点では、図31(c)に示すように、遠心力12が相対的に小さくなり流れが内周側に偏り、外周側に死水領域13が形成される。
上述した流れの偏りは2次流れと称され、非設計点において、ランナ4内で発生する水力損失の主因となっている。このような、非設計点の2次流れを低減する方法としては、図32のように、クラウン8とバンド9との間の入口側流路に、クラウン8とバンド9の半径方向長さより短い整流羽根14をほぼ平行に複数枚ランナ羽根10から突設する方法が提案されている(例えば特許文献1)。また図33のようにランナ羽根10の相互間にランナ羽根よりも翼長が短い中間羽根15を設ける方法も提案されている(例えば特許文献2)。この様な整流羽根14や中間羽根15の整流効果により、設計点より水量の小さな運転点や設計点より水量の大きな運転点では、ランナ4の子午面内流れの偏りが緩和され、2次流れを低減することが出来る。
特開平8−296544号公報 特開昭57−126566号公報
しかしながら、上述したフランシス形ランナにおいては、2次流れが弱い設計点流れでは、整流羽根14や中間羽根15による整流効果が小さく、整流羽根14や中間羽根15が摩擦抵抗として強く作用する。このため、非設計点の2次流れ損失は低減されるが、設計点の摩擦損失が増加することが課題であった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、設計点の摩擦損失を増加させることなく、2次流れに起因した非設計点の水力損失発生を抑制するフランシス形ランナ及び水力機械を提供することを目的とする。
本願の第1の発明は、
回転軸に固着されたクラウンとリング状のバンドとの間に周方向に複数のランナ羽根が設けられたフランシス形ランナであって、
子午断面におけるランナ羽根の後縁のバンド側線がこの縁線とバンドとの交点にてバンドの内面に対して鉛直に立てた線よりも上流側にあり、且つ下流側に向かって凹曲状に形成されているフランシス形ランナにおいて、
上記ランナ羽根後縁の縁線とバンドとの交点をP1b、P1bにてバンドの内面に対して鉛直に立てた線とランナ羽根後縁の縁線との交点をP2b、P1bとP2bとの間に形成される直線をLLb、直線LLbとランナ羽根後縁の縁線との距離の最大値をsbとすると、
0<sb/LLb<0.15
を満たすことを特徴とする。
また第2の発明は、
回転軸に固着されたクラウンとリング状のバンドとの間に周方向に複数のランナ羽根が設けられたフランシス形ランナであって、
子午断面におけるランナ羽根の後縁のクラウン側線が、上記縁線とクラウンとの交点にてクラウンの内面に対して鉛直に立てた線よりも上流側にあり、且つ下流側に向かって凹曲状に形成されているフランシス形ランナにおいて、
上記ランナ羽根後縁の縁線とクラウンとの交点をP1c、P1cにてクラウンの内面に対して鉛直に立てた線とランナ羽根後縁の縁線との交点をP2c、P1cとP2cとの間に形成される直線をLLc、直線LLcとランナ羽根後縁の縁線との距離の最大値をscとすると、
0<sc/LLc<0.15
を満たすことを特徴とする。
上記構成により、設計点の摩擦損失を増加させることなく、設計点より水量の大きな運転点或いは設計点より水量の少ない運転点の子午面内の2次流れが効果的に低減され、2次流れに起因した非設計点の水力損失発生を抑制することができる。
以下、本発明に係るフランシス形ランナの各実施形態および各参考例について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1は第1の実施の形態のフランシス形水車ランナの子午断面を示しており、水車ランナは、クラウン8、バンド9、及びランナ羽根10から形成されている。本第1実施形態においては、図1に示されるように、子午断面においてランナ羽根10の後縁の縁線10aのバンド側形状が、縁線10aとバンド9との交点P1bにてバンド9に対し鉛直に立てた線16よりも上流側にあり、且つ下流側に向かって凹曲状に形成されている点を特徴としている。
このように構成された本第1実施形態においては、ランナ羽根後縁近傍に形成されるよどみ点17で静圧が急激に回復して静圧値が大きくなるため、図2に示されるようにランナ羽根出口のバンド側近傍領域では内周側から外周側へかけて圧力が低下する圧力勾配18が形成される。この圧力勾配は羽根出口部位のバンド側流れを外周側すなわちバンド側に押し付けるように作用するので、設計点より水量の大きな運転点で発生する外周側の死水領域13の大きさが低減される。したがって、本第1実施形態によれば、図3に示すように、設計点より水量の大きな運転点における子午面内の2次流れが低減され、水力損失発生を抑制することができる。
なお、本第1実施形態による発明を効果的に機能させるためは、図4に示すように、回転軸の軸線を含む子午面におけるランナ羽根の後縁の縁線10aとバンド9との交点をP1b、P1bにてバンド9に対し鉛直に立てた線16とランナ羽根の後縁の縁線10aとの交点をP2b、P1bとP2bとの間に形成される直線Lbの長さをLLb、直線Lbとランナ羽根の後縁の縁線10aとの距離の最大値をsbとする時、sb/LLbの値を適正にする必要がある。即ち、sb/LLbの値は0より大きい程、バンド側の子午面内流れを外周側へ押し付ける力18が強くなるが、図5に示す様に、これに伴い羽根出口中央部付近ではこれとは逆に子午面流れを内周側に押し付ける力19も強くなる。このため、sb/LLbの値を極度に大きくすると、羽根中央部付近で流れが剥離20し、2次流れ損失がかえって増大することになる。図6に流れ解析で算定した、sb/LLbと2次流れ損失の関係を示す。本図より、0<sb/LLb<0.15の領域では、ランナ内の2次流れ損失を低減できていることが分かる。従って、本第1実施形態において、
0<sb/LLb<0.15
と数値限定することで、設計点より水量の大きな運転点の子午面内の2次流れが効果的に低減され、水力損失発生を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るフランシス形ランナの第2の実施の形態を図7乃至9を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図7は本発明における第2の実施の形態のフランシス形水車ランナの子午断面を示している。本第2実施形態が従来の水車ランナと異なるのは、図7に示されるように、子午断面においてランナ羽根の後縁の縁線10aのクラウン側形状が、縁線10aとクラウン8の内面との交点P1cにてクラウン8に対し鉛直に立てた線21よりも上流側にあり、且つその縁線10aが下流側に向かって凹曲状に形成されていることである。
このように構成された本第2実施形態においては、ランナ羽根後縁近傍に形成されるよどみ点17で静圧が急激に回復して静圧値が大きくなるため、図8に示されるようにランナ羽根出口クラウン側近傍領域では外周側から内周側へかけて圧力が低下する圧力勾配19が形成される。本圧力勾配は羽根出口部位のクラウン側流れを内周側に押し付ける様に作用するので、設計点より水量の小さな運転点で発生する内周側の死水領域13の大きさが低減される。したがって、本第2実施形態によれば、設計点より水量の小さな運転点の子午面内の2次流れが低減され、水力損失発生を抑制することができ、図9に示すように、設計点より水量の小さな運転点での水力効率を向上させることができる。
なお、本第2実施形態による発明を効果的に機能させるためは、図10に示すように、子午面にてランナ羽根の後縁の縁線10aとクラウン8との交点をP1c、P1cにてクラウン8の内面に対し鉛直に立てた線21とランナ羽根の後縁の縁線10aとの交点をP2c、P1cとP2cとの間に形成される直線Lcの長さをLLc、直線Lcとランナ羽根の後縁の縁線10aとの距離の最大値をscとする時、sc/LLcの値を適正にする必要がある。即ち、sc/LLcの値は0より大きい程、クラウン側の子午面内流れを内周側へ押し付ける力19が強くなるが、図11に示す様に、これに伴い羽根出口中央部付近ではこれとは逆に子午面流れを外周側に押し付ける力18も強くなる。このため、sc/LLcの値を極度に大きくすると、羽根中央部付近で流れが剥離20し、2次流れ損失がかえって増大することになる。図12に流れ解析で算定した、sc/LLcと2次流れ損失の関係を示す。本図より、0<sc/LLc<0.15の領域では、ランナ内の2次流れ損失を低減できていることが分かる。従って、本第2実施形態において
0<sc/LLc<0.15
と数値限定することで、設計点より水量の小さな運転点の子午面内の2次流れが効果的に低減され、水力損失発生を抑制することができる。
第1参考例
図13は本発明の第1参考例のフランシス形水車ランナの子午断面を示している。本第1参考例が従来の水車ランナと異なるのは、図13に示される様に、子午断面においてランナ羽根10の後縁の縁線10aのクラウン側形状が、縁線10aとクラウン8の内面との交点Pcにてクラウンの内面に対し鉛直に立てた線21よりも上流側にあり、且つ、子午断面においてランナ羽根10の後縁の縁線10aのバンド側形状が、縁線10aとバンド9との交点Pbにてバンドに対し鉛直に立てた線16よりも上流側にあり、しかも上記縁線10aが下流方向に向かって凹曲状に形成されていることである。
第1参考例は、第1および第2の実施の形態を組み合わせたものである。したがって、両者の相乗効果により、非設計点のランナ内の2次流れが低減され、水力損失発生を抑制することができ、図14に示すように、設計点より水量が大きい運転点及び小さな運転点での水力効率を向上させることができる。
なお、本第1参考例による発明を効果的に機能させるためは、図15に示すように、子午面にてランナ羽根の後縁の縁線10aとバンド10との交点をPb、ランナ羽根の後縁の縁線10aとクラウン8との交点Pc、PbとPcとの間に形成される直線Lの長さをLL、直線Lとランナ羽根の後縁の縁線10aとの距離の最大値をsとする時、s/LLの値を適正にする必要がある。即ち、s/LLの値は0より大きい程、クラウン側の子午面内流れを内周側へ押し付ける力19とバンド側の子午面流れを外周側へ押し付ける力18が強くなる。しかしながら、図16に示す様に、s/LLの値を極度に大きくすると、羽根中央部付近で流れが剥離20し、2次流れ損失がかえって増大することになる。図17に流れ解析で算定した、s/LLと2次流れ損失の関係を示す。本図より、0<s/LL<0.15の領域では、ランナ内の2次流れ損失を低減できていることが分かる。
したがって、本第1参考例において
0<s/LL<0.15
と数値限定することで、非設計点の子午面内の2次流れがより効果的に低減され、水力損失発生を抑制することができる。
第2参考例
次に、本発明に係るフランシス形ランナの第2参考例を図18,19を用いて説明する。なお、第1および第2の実施形態、第1参考例と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略してある。
図18は第2参考例のフランシス形水車ランナの子午断面を示している。本第2参考例が従来の水車ランナと異なるのは、図18に示される様に、子午断面においてランナ羽根10の後縁の縁線10aのバンド付根部位に、下流側にのびるフィレット22が取付けられていることである。
このように構成された本第2参考例においては、ランナ羽根後縁近傍に形成されるよどみ点17で静圧が急激に回復して静圧値が大きくなるため、第1の実施の形態と同様に、図19に示される如くランナ羽根出口バンド側近傍領域では内周側から外周側へかけて圧力が低下する圧力勾配18が形成される。そして、この圧力勾配は羽根出口部位のバンド側流れを外周側に押し付ける様に作用するので、設計点より水量の大きな運転点で発生する外周側の死水領域13の大きさが低減される。従って、本第2参考例によれば、設計点より水量の大きな運転点の子午面内の2次流れが低減されるので、水力損失発生を抑制することができ、図20に示すように、設計点より水量の大きな運転点での水力効率を向上させることができる。
なお、本第2参考例を効果的に機能させるためは、図21に示すように、子午面におけるランナ羽根の後縁の縁線10aとバンド9との交点をPb、ランナ羽根の後縁の縁線10aとクラウン8の内面との交点をPc、PbとPcとの間に形成される直線の長さをLL、バンド付根部位のフィレット22の曲率半径をRbとする時、Rb/LLの値を適正にする必要がある。即ち、Rb/LLの値は0より大きい程、バンド側の子午面内流れを外周側へ押し付ける力18が強くなる。しかしながら、Rb/LLの値が極度に小さいと、バンド側の子午面内流れを外周側へ押し付ける力18が弱く、二次流れ損失低減の明確な効果が現れない。また、Rb/LLの値を極度に大きくすると、本作用が子午面流路全域に影響を与える様になり、クラウン側の子午面内流れをも外周側に押しやる様に作用し、設計点より水量の大きな運転点の2次流れ損失は減少するが、設計点より水量の小さな運転点の2次流れ損失は増加してしまう。図22に流れ解析で算定した、Rb/LLと各運転点での2次流れ損失の関係を示す。本図より、0.05<Rb/LL<0.3の領域では、設計点より水量の小さな運転点の2次流れ損失が増加することなく、設計点より水量の大きな運転点の2次流れ損失を低減できていることが分かる。従って、本第2参考例において、
0.05<Rb/LL<0.3
と数値限定することで、設計点より水量の大きな運転点の子午面内の2次流れが効果的に低減され、水力損失発生を抑制することができる。
第3参考例
次に、本発明に係るフランシス形ランナの第3参考例
を図23、24を用いて説明する。なお、第1および第2の実施形態、第1および第2参考例と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図23は本第3参考例のフランシス形水車ランナの子午断面を示している。本第3参考例が従来の水車ランナと異なるのは、図23に示されるように、子午断面においてランナ羽根10の後縁の縁線10aのクラウン付根部位に、下流側にのびるフィレット23を取付けたことである。
このように構成された本第3参考例においては、ランナ羽根後縁近傍に形成されるよどみ点17で静圧が急激に回復して静圧値が大きくなるため、第2の実施の形態と同様に、図24に示される如くランナ羽根出口クラウン側近傍領域では外周側から内周側へかけて圧力が低下する圧力勾配19が形成される。そして、この圧力勾配は羽根出口部位のクラウン側流れを内周側に押し付ける様に作用するので、設計点より水量の小さな運転点で発生する内周側の死水領域13の大きさが低減される。従って、本第3参考例によれば、設計点より水量の小さな運転点の子午面内の2次流れが低減されるので、水力損失発生を抑制することができ、図25に示すように、設計点より水量の小さな運転点での水力効率を向上させることができる。
なお、本第3参考例を効果的に機能させるためは、図26に示すように、子午面におけるランナ羽根10の後縁の縁線10aとバンド9との交点をPb、ランナ羽根の後縁の縁線10aとクラウン8との交点をPc、PbとPcとの間に形成される直線の長さをLL、クラウン付根部位のフィレット23の曲率半径をRcとする時、Rc/LLの値を適正にする必要がある。即ち、Rc/LLの値は0より大きい程、クラウン側の子午面内流れを内周側へ押し付ける力19が強くなる。しかしながら、Rc/LLの値が極度に小さいと、クラウン側の子午面内流れを内周側へ押し付ける力19が弱く、二次流れ損失低減の明確な効果が現れない。また、Rc/LLの値を極度に大きくすると、本作用が子午面流路全域に影響を与える様になり、バンド側の子午面内流れをも内周側に押しやる様に作用し、設計点より水量の小さな運転点の2次流れ損失は減少するが、設計点より水量の大きな運転点の2次流れ損失は増加してしまう。図27に流れ解析で算定した、Rc/LLと各運転点での2次流れ損失の関係を示す。本図より、0.05<Rc/LL<0.3の領域では、設計点より水量の大きな運転点の2次流れ損失が増加することなく、設計点より水量の小さな運転点の2次流れ損失を低減できていることが分かる。従って、本第3参考例において
0.05<Rc/LL<0.3
と数値限定することで、設計点より水量の小さな運転点の子午面内の2次流れが効果的に低減され、水力損失発生を抑制することができる。
第4参考例
次に、本発明に係るフランシス形ランナの第4参考例を図28を用いて説明する。なお、第1および第2の実施形態、第1乃至第3参考例と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図28は本第4参考例のフランシス形水車ランナの子午断面を示している。本第4参考例が従来の水車ランナと異なるのは、図28に示されるように、子午断面においてランナ羽根10の後縁の縁線10aのクラウン付根部位とバンド付根部位に、下流側に延びるとともに下流側に向かって凹曲状に形成されたフィレット23、22を取付けたことことである。
第4参考例は、第2および第3の参考例を組み合わせたものである。したがって、両者の相乗効果により、非設計点のランナ内の2次流れがより効果的に低減され、水力損失発生を抑制することができ、図29に示すように、設計点より水量の小さな運転点及び大きな設計点での水力効率を向上させることができる。
本発明における第1の実施の形態のフランシス形水車ランナの子午断面図。 第1の実施の形態のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第1の実施の形態における水力効率の変化を示す図。 第1の実施の形態における各部寸法の説明図。 第1の実施の形態のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第1の実施の形態のフランシス形水車ランナのsb/LLbと2次流れ損失相関図。 第2の実施の形態のフランシス形水車ランナの子午断面図。 第2の実施の形態のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第2の実施の形態における水力効率の変化を示す図。 第2の実施の形態における各部寸法の説明図。 第2の実施の形態のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第2の実施の形態のフランシス形水車ランナのsc/LLcと2次流れ損失相関図。 第1参考例のフランシス形水車ランナの子午断面図。 第1参考例における水力効率の変化を示す図。 第1参考例における各部寸法の説明図。 第1参考例のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第1参考例のフランシス形水車ランナのs/LLと2次流れ損失相関図。 第2参考例のフランシス形水車ランナの子午断面図。 第2参考例のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第2参考例における水力効率の変化を示す図。 第2参考例における各部寸法の説明図。 第2参考例のフランシス形水車ランナのRb/LLと2次流れ損失相関図。 第3参考例のフランシス形水車ランナの子午断面図。 第3参考例のフランシス形水車ランナの内部流れ模式図。 第3参考例における水力効率の変化を示す図。 第3参考例における各部寸法の説明図。 第3参考例のフランシス形水車ランナのRc/LLと2次流れ損失相関図。 第4参考例のフランシス形水車ランナの子午断面図。 第4参考例における水力効率の変化を示す図。 従来のフランシス形水車ランナが据え付けられた水力発電所の縦断面図。 (a)、(b)、(c)は、それぞれ水量の違いによるランナ内の子午面内流れ模式図。 従来の2次流れ低減技術を示す図。 従来の2次流れ低減技術を示す図。
1 ケーシング
3 ガイドベーン
4 ランナ
5 吸出し管
8 クラウン
9 バンド
10 羽根
10a 羽根後縁の縁線
13 死水領域
16 バンド面に対し鉛直に立てた線
17 静圧が急激に回復するよどみ点領域
18 圧力勾配により外周側に作用する流体力
19 圧力勾配により内周側に作用する流体力
21 クラウン面に対し鉛直に立てた線
22 フィレット

Claims (3)

  1. 回転軸に固着されたクラウンとリング状のバンドとの間に周方向に複数のランナ羽根が設けられたフランシス形ランナであって、
    子午断面におけるランナ羽根の後縁のバンド側線がこの縁線とバンドとの交点にてバンドの内面に対して鉛直に立てた線よりも上流側にあり、且つ下流側に向かって凹曲状に形成されているフランシス形ランナにおいて、
    上記ランナ羽根後縁の縁線とバンドとの交点をP1b、P1bにてバンドの内面に対して鉛直に立てた線とランナ羽根後縁の縁線との交点をP2b、P1bとP2bとの間に形成される直線をLLb、直線LLbとランナ羽根後縁の縁線との距離の最大値をsbとすると、
    0<sb/LLb<0.15
    を満たすことを特徴とするフランシス形ランナ。
  2. 回転軸に固着されたクラウンとリング状のバンドとの間に周方向に複数のランナ羽根が設けられたフランシス形ランナであって、
    子午断面におけるランナ羽根の後縁のクラウン側線が、上記縁線とクラウンとの交点にてクラウンの内面に対して鉛直に立てた線よりも上流側にあり、且つ下流側に向かって凹曲状に形成されているフランシス形ランナにおいて、
    上記ランナ羽根後縁の縁線とクラウンとの交点をP1c、P1cにてクラウンの内面に対して鉛直に立てた線とランナ羽根後縁の縁線との交点をP2c、P1cとP2cとの間に形成される直線をLLc、直線LLcとランナ羽根後縁の縁線との距離の最大値をscとすると、
    0<sc/LLc<0.15
    を満たすことを特徴とするフランシス形ランナ。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のフランシス形ランナを備えた水力機械。
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