JP4754182B2 - ホスフィン−ボラン錯体の製造法 - Google Patents

ホスフィン−ボラン錯体の製造法 Download PDF

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本発明は、ホスフィン-ボラン錯体の製造法に関する。
ホスフィン-ボラン錯体は、一般に空気や水に分解されない化合物である一方でアミンにより容易に脱ボラン化しホスフィンに変換するため、ホスフィン等価体として多くの有機リン化合物の合成に利用されている。例えば、非特許文献1には、不斉還元反応の配位子として有用な1,2-ビス[(o-アニシル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)の合成法として下記反応式が記載されている。
Figure 0004754182
また、非特許文献2には、パラジウム触媒下、アリールトリフレートと反応させてトリアリールホスフィンが合成できることが報告されている。
Figure 0004754182
そして、ホスフィン-ボラン錯体の製造法として、
1)ホスフィンオキサイドを塩化セリウム、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化リチウムアルミニウムの存在下で反応させ、ホスフィン-ボラン錯体を得る方法(非特許文献3)、
2)ホスフィンオキサイドをメチルトリフレート、水素化リチウムアルミニウムおよびボラン-テトラヒドロフラン錯体の存在下で反応させ、ホスフィン-ボラン錯体を得る方法(非特許文献4)、
3)ホスフィンを原料としてボラン-テトラヒドロフラン錯体を反応させ、ホスフィン-ボラン錯体を得る方法(非特許文献5)、
4)クロロホスフィンを原料として水素化リチウムアルミニウムおよびボラン−テトラヒドロフラン錯体を反応させ、ホスフィン-ボラン錯体を得る方法(非特許文献6)、
5)ホスフィンオキサイドをジエチルボランの存在下で反応させ、ホスフィン-ボラン錯体を得る方法(非特許文献7)および
6)環状ホスフィンオキサイドをボラン-ジメチルスルフィド錯体の存在下で反応させ、ホスフィン-ボラン錯体を得る合成法(非特許文献8)が報告されている。
ヘテロアトム・ケミストリー(Heteroatom Chemistry)、3号、563-575頁、1992年 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、40号、201-204頁、1999年 ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)、107号、5301-5303頁、1985年 オーガニック・レターズ(Organic Letters)、3号、87-90頁、2001年 アンゲバンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International Edition)、18号、781-782頁、1979年 ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)、112号、5244-5252頁、1990年 ヒエーミシュ・ベリッヒテ(Chemische Berichte)、120号、1117-1123頁、1987年 ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ、パーキン・トランスアクションズ(Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1)、4451-4455頁、2000年
前記3)、4)では、反応試薬として酸化されやすく不安定な3価の有機リン化合物を、1)、2)、および4)では還元剤として水素化リチウムアルミニウムをそれぞれ用いているため、精製操作が煩雑になる上、安全上疑問がもたれる。また、5)の合成法ではホスフィン-ボラン錯体のみを選択的に得ることは難しく、6)では環状ホスフィン-ボラン錯体の合成例が報告されているのみである。
本発明者らは、有機リン化合物の合成に利用されるホスフィン-ボラン錯体の製造法について種々検討し、式
Figure 0004754182
〔式中、R1、R2およびR3は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよい複素環基を示す(R1およびR2は、隣接するリン原子とともに4ないし6員環を形成してもよい)〕で表される化合物〔以下、化合物(II)と略記することもある〕またはその塩を、ボラン試薬の存在下に溶媒中で初めて反応させたところ式
Figure 0004754182
〔式中、各記号は前記と同意義を表す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体〔以下、化合物(I)と略記することもある〕またはその塩が温和な条件で、かつ高収率で得られることを見出し、これらに基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
〔1〕式
Figure 0004754182
〔式中、R1、R2およびR3は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよい複素環基を示す(R1およびR2は、隣接するリン原子とともに4ないし6員環を形成してもよい)〕で表される化合物またはその塩を、ボラン試薬の存在下に溶媒中で変換させることを特徴とする式
Figure 0004754182
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるホスフィン-ボラン錯体またはその塩の製造法、
〔2〕R3が水素原子である前記〔1〕記載の製造法、
〔3〕R1とR2が、隣接するリン原子とともに5員環を形成している前記〔2〕記載の製造法、
〔4〕R1およびR2が同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよい複素環基(R1およびR2は、隣接するリン原子とともに4ないし6員環を形成してもよい)、R3がハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよい複素環基である前記〔1〕記載の製造法、
〔5〕R1とR2が、隣接するリン原子とともに4又は6員環を形成している前記〔4〕記載の製造法、
〔6〕R1およびR2が同一または異なって置換されていてもよいアリール基である前記〔2〕又は〔4〕記載の製造法、
〔7〕R1およびR2が同一または異なって1ないし5個の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよいフェニルである前記〔6〕記載の製造法、
〔8〕R1およびR2が同一または異なって低級アルキル基または低級シクロアルキル基である前記〔2〕又は〔4〕記載の製造法、
〔9〕ボラン試薬がボラン-テトラヒドロフラン錯体である前記〔1〕記載の製造法等に関する。
不斉配位子として遷移金属(例、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、ロジウム等)と錯体形成し、不斉合成反応に利用することができるホスフィン配位子(例えば1,2-ビス[(o-アニシル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(PROPHOS)、2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(CHIRAPHOS)、2,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(BDPP)等)の製造中間体として有用であるホスフィン-ボラン錯体を、本発明の製造法に従うことにより温和な条件かつ高収率で製造することができる。
前記式中、R1、R2およびR3は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基を示す。
R1、R2およびR3で示される「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
R1、R2およびR3で示される「置換されていてもよいアルキル基」のアルキル基としては、例えば、低級アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基)が挙げられる。
該アルキル基の置換基としては、(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基)、(6)ホルミル、(7)低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル等のC1-6アルキル-カルボニル基)、(8)低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等のC1-6アルコキシ-カルボニル基)、(9)カルボキシル、(10)N-モノ低級アルキルカルバモイル基(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル、N-イソブチルカルバモイル、N-tert-ブチルカルバモイル等のN-モノC1-6アルキル-カルバモイル基)、(11)N,N-ジ低級アルキルカルバモイル基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル、N,N-ジイソプロピルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイル等のN,N-ジC1-6アルキル-カルバモイル基)、(12)ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(13)モノ-低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ等のモノ-C1-6アルキルアミノ基)、(14)ジ-低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ等のジ-C1-6アルキルアミノ基)等が挙げられる。これらの置換基から選ばれる1ないし3個を置換可能な位置に有していてもよい。
R1、R2およびR3で示される「置換されていてもよいシクロアルキル基」のシクロアルキル基としては、例えば低級シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基)等が挙げられる。
該「シクロアルキル基」の置換基としては、前記の「置換されていてもよいアルキル基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
R1、R2およびR3で示される「置換されていてもよいアリール基」のアリール基とは、例えばフェニル、1-ナフチル、2-ナフチル等のC6-10アリール基、ビフェニル、ナフチル-フェニル等の環集合芳香族炭化水素基等を示す。
該「アリール基」の置換基としては、(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基)、(6)低級アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基)、(7)ホルミル、(8)低級アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル等のC1-6アルキル-カルボニル基)、(9)低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等のC1-6アルコキシ-カルボニル基)、(10)カルボキシル、(11)N-モノ低級アルキルカルバモイル基(例えば、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル、N-イソブチルカルバモイル、N-tert-ブチルカルバモイル等のN-モノC1-6アルキル-カルバモイル基)、(12)N,N-ジ低級アルキルカルバモイル基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバモイル、N,N-ジイソプロピルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイル等のN,N-ジC1-6アルキル-カルバモイル基)、(13)ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、(14)モノ-低級アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ等のモノ-C1-6アルキルアミノ基)、(15)ジ-低級アルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ等のジ-C1-6アルキルアミノ基)、(16)ハロゲノ-低級アルキル基(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル等のハロゲノ-C1-6アルキル基)等が挙げられる。これらの置換基から選ばれる1ないし5個を置換可能な位置に有していてもよい。
R1、R2およびR3で示される「置換されていてもよい複素環基」の複素環基とは、例えば、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、ピロリニル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリジニル、3-イミダゾリニル、4-イミダゾリジニル、イミダゾリニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、ピラジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、1-ピペリジル、2-ピペリジル、3-ピペリジル、4-ピペリジル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-フリル、3-フリル、2-ピラニル、3-ピラニル、4-ピラニル、5-ピラニル、6-ピラニル、1,3-ジオキソラン-2-イル、1,3-ジオキソラン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、1,4-ジオキサン-3-イル等が挙げられる。
該「複素環基」の置換基としては、前記の「置換されていてもよいアリール基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
R1およびR2は、隣接するリン原子とともに4ないし6員環を形成するとき、化合物(II)は、例えば、式
Figure 0004754182
〔式中、環A、環Bおよび環Cは置換基を有していてもよい、R3は前記と同意義を示す〕で表される構造を示すものが挙げられる。上記式中、環が有していてもよい置換基としては、前記の「置換されていてもよいアリール基」の有していてもよい置換基と同個数、同様の置換基が挙げられる。
R1およびR2としては、同一または異なって置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基または置換されていてもよいアリール基が好ましい。
なかでも、低級アルキル基、低級シクロアルキル基または置換されていてもよいC6-10アリール基が好ましい。とりわけ、1ないし5個の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよいフェニルが好ましい。特に1ないし3個の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、モノ低級アルキルアミノ基またはジ低級アルキルアミノ基で置換されていてもよいフェニルが好ましい。
R3としては、水素原子が好ましい。
化合物(I)および化合物(II)の塩としては、例えば無機酸(例えば,塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等)との塩、または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、蓚酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等)との塩等が用いられる。また、化合物(I)および化合物(II)がカルボキシル基等の酸性基を有している場合には、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属、アンモニア等)との塩、または有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン等)との塩等が用いられる。
本発明で用いられる「ボラン試薬」としては、例えば、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、ボラン-ジメチルスルフィド錯体、ボラン-アミン錯体(例えば、ボラン-アンモニア錯体、ボラン-tert-ブチルアミン錯体、ボラン-ジメチルアミン錯体、ボラン-トリエチルアミン錯体、ボラン-トリメチルアミン錯体、ボラン-4-エチルモルホリン錯体、ボラン-2,6-ルチジン錯体、ボラン-モルホリン錯体、ボラン-4-メチルモルホリン錯体、ボラン-4-フェニルモルホリン錯体、ボラン-ピペラジン錯体、ボラン-ピリジン錯体、ボラン-N,N-ジエチルアニリン錯体、ボラン-N,N-ジイソプロピルアニリン錯体等)等のボラン錯体が挙げられる。このうち好ましくはボラン-テトラヒドロフラン錯体である。
本発明の製造法は、化合物(II)またはその塩とボラン試薬を溶媒中で反応させ、化合物(I)またはその塩を得るものである。
ボラン試薬の使用量は、化合物(II)1モルに対して約0.5ないし10モル、好ましくは約3ないし5モルである。
前記反応は、不活性な有機溶媒中または不活性な含水有機溶媒中で行うことができる。該有機溶媒としては、炭化水素類(例、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(例、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン等)、エーテル類(例、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素類等)、ニトリル類(例、アセトニトリル、プロピオニトリル等)等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、また混合溶媒として用いてもよい。好ましい溶媒は芳香族炭化水素類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類等である。さらに好ましくは芳香族炭化水素類(トルエン、ベンゼン)である。
該反応における反応温度は、約0ないし40℃、好ましくは約20ないし30℃である。該反応におけるボラン試薬の添加時間は、0時間以上、好ましくは約0.5時間以上、更に好ましくは約2時間以上である。ただし、通常は、約5時間以内である。該反応における反応時間は、約0.5ないし24時間、好ましくは約1ないし5時間である。
生成物は常法に従って反応混合物中からも単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製することができる。
以下に実施例および参考例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例の各物性の測定には次の機器を用いた。1H核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、内部基準物質:テトラメチルシラン。13C核磁気共鳴スペクトル(13C-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、内部基準物質:CDCl331P核磁気共鳴スペクトル(31P-NMR):DPX300(ブルッカー社製)、外部基準物質:85%H3PO4水溶液。
参考例1
ジ(p-トリル)ホスフィンオキサイド
Figure 0004754182
窒素気流下、マグネシウム (58.41 g, 3.48 当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのテトラヒドロフラン (400 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。p-ブロモトルエン(411.11 g, 3.48 当量)のテトラヒドロフラン (2000 mL)溶液を22℃で加えた後、40℃で1時間攪拌した。ついで20℃で亜リン酸ジエチル(94.76 g, 0.69 mol)のテトラヒドロフラン (160 mL)溶液を加えた後、24℃で30分間撹拌した。4℃で6M-HCl (320 mL)を加え、ついで水 (320 mL)、トルエン (1000 mL)を加えた後、室温で30分間攪拌した。反応液を分液し、有機層を水 (320 mL)、5% NaHCO3水溶液 (320 mL)、5% NaCl水溶液 (320 mL)で順次洗浄し、有機層を減圧ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後 (減圧、40℃)、表題化合物(87.12 g, 白色粉末)を得た。収率54.8%
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 2.39 (s, 6H), 7.27-7.30 (m, 4H), 7.54 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 8.03 (d, 1H, JH-P = 477.6 Hz).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 23.01, 129.16, 130.53, 130.85, 131.02, 131.99, 132.15, 144.38, 144.41.
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.67 (dquint, JH-P = 477.6 Hz, JHCC-P = 13.3 Hz).
参考例2
ジナフチルホスフィンオキサイド
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、マグネシウム (2.94 g, 2.00 当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのテトラヒドロフラン (60 mL)溶液を室温で1時間撹拌した。2-ブロモナフタレン (25.00 g, 2.00 当量)のテトラヒドロフラン (20 mL)溶液を27℃で加えた後、40℃で45分間攪拌した。ついで-9℃で亜リン酸ジエチル(9.77 g, 0.06 mol)の テトラヒドロフラン (10 mL)溶液を加えた後、2℃で3時間撹拌した。-5℃で水 (20 mL)を加え、ついでトルエン (60 mL)、6M-HCl (20 mL)を加えた後分液し、有機層を5% NaHCO3水溶液、5% NaCl水溶液で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をイソプロピルエーテル/n-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(9.621g,白色粉末)を得た。収率53.0%
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 7.49-7.64 (m, 6.5H), 7.86-7.95 (m, 6H), 8.40 (d, 2H, J = 15.7 Hz), 9.15 (0.5H).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3)δ: 125.07, 125.23, 127.13, 127.76, 127.93, 128.41, 128.81, 128.96, 132.43, 132.62, 132.82, 132.96, 135.05.
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 22.99 (dquint, JH-P = 481.0 Hz, JHCC-P = 13.4 Hz).
参考例3
ジシクロヘキシルホスフィンオキサイド
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、マグネシウム(7.05 g, 1.93 当量)および少量のヨウ素のテトラヒドロフラン (70 mL)溶液にブロモシクロヘキサン(50.00 g, 2.00 当量)を38〜43℃で加えた後、5℃で1時間攪拌した。ついで5℃で亜リン酸ジエチル(20.70 g, 0.15 mol)を加えた後、5℃で2時間撹拌した。5℃で水 (50 mL)を加え、ついで6M-HCl (50 mL)、トルエン(70 mL)を加え分液した。有機層を水、5% NaHCO3水溶液、5% NaCl水溶液で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、自然ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘプタンより再結晶し、乾燥後 (減圧、40℃)、表題化合物 (10.5 g, 白色粉末)を得た。収率37.6%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 1.25-1.98 (m, 22H), 6.28 (d, 1H, JH-P = 433.6 Hz).
31P-NMR (121 MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 50.07 (d, JH-P = 433.5 Hz).
参考例4
ジパラメトキシフェニルホスフィンオキサイド
Figure 0004754182
窒素気流下、マグネシウム(19.45 g, 4.00 当量)および少量のヨウ素、1,2-ジブロモエタンのテトラヒドロフラン(140mL)溶液を室温で30分間撹拌した。1-ブロモ-4-メトキシベンゼン(151.47 g, 4.00 当量)のテトラヒドロフラン(650mL)溶液を25〜30℃で加えた後、40℃で1時間撹拌した。ついで25〜30℃で亜リン酸ジエチル(27.71 g, 0.20 mol)のテトラヒドロフラン(60 mL)溶液を加えた。0〜5℃で6M-HCl(110 mL)を加え、ついで水(110 mL)、トルエン(110 mL)を加えた。反応液を分液し、有機層を水(110 mL)、5% NaHCO3水溶液(110 mL)、5% NaCl水溶液(110 mL)で順次洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム(25 g)で乾燥後、減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(15.71 g, 白色粉末)を得た、収率30.0%
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 3.85 (s, 6H), 6.98 (d, 2H, J = 2.1 Hz), 7.01 (d, 2H, J = 2.1Hz), 7.57 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 8.03 (d, 1H, JH-P = 477 Hz).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 55.31, 114.29, 114.28, 122.27, 123.70, 132.51, 132.68, 162.87.
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 21.19 (dq, JH-P = 477 Hz, JH-CCP = 13Hz).
ジフェニルホスフィン-ボラン錯体
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、室温 (25℃)でジフェニルホスフィンオキサイド (0.4078 g, 2.0 mmol)にトルエン2 mL及びテトラヒドロフラン1 mLを加えて懸濁撹拌した。ついで1.02mol/Lのボラン-テトラヒドロフラン錯体(6 mL, 3.06 当量)を加えた。反応液を減圧濃縮後、トルエンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル25 g、トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物 (0.2982 g、澄明オイル)を得た。収率70.3%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS)δ: 0.51-1.75 (m, 3H), 6.31 (dq, 1H, JH-P = 378.7 Hz, J = 7.0 Hz), 7.42-7.52 (m, 6H), 7.64-7.71 (m, 4H).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3)δ: 125.50, 126.26, 128.66, 128.80, 131.28, 131.31, 132.54, 132.67.
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 0.69-1.69 (m), 3.83-4.83 (m)
ジ(p-トリル)ホスフィン-ボラン錯体
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、参考例1で合成したビス(p-トリル)ホスフィンオキサイド(7.11 g, 30.9 mmol)に室温 (25℃)でトルエン32 mLを加えて懸濁撹拌した。ついで1.02 mol/Lのボラン-テトラヒドロフラン錯体(100 mL, 3.30 当量)を加えた。反応液を減圧濃縮後、トルエンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル25 g、トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後 (減圧、40℃)、表題化合物 (6.44g、白色粉末)を得た。収率91.4%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.45-1.65 (m, 3H), 2.37 (s, 6H), 6.24 (dq, 1H, JH-P = 377.5 Hz, J = 6.6 Hz), 7.22-7.25 (m, 4H), 7.49-7.56 (m, 4H).
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -1.43- -0.18 (m), 1.81-3.00 (m).
ジナフチルホスフィン-ボラン錯体
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、参考例2で合成したジナフチルホスフィンオキサイド(0.6061 g, 2.00 mmol)に室温(25℃)でトルエン4 mLを加えて懸濁撹拌した。ついで1.02 mol/Lのボラン-テトラヒドロフラン錯体(5 mL, 2.55 当量)を加えた。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル15 g、トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣を乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(0.4577 g、白色粉末)を得た。収率76.2%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.60-1.85 (m, 3H), 6.56 (dq, 1H, JH-P= 378.7 Hz, J = 6.9 Hz), 7.52-8.31 (m, 14H).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 124.40, 125.16, 128.53, 129.22, 129.31, 129.61, 129.96, 130.30, 130.43, 134.20, 134.36, 135.91, 135.94, 135.99, 136.14.
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 1.10-2.21 (m), 3.92-4.95 (m).
ジシクロヘキシルホスフィン-ボラン錯体
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、参考例3で合成したジシクロヘキシルホスフィンオキサイド (0.1106 g, 0.50 mmol)に室温(25℃)でトルエン1 mLを加えて溶解した。ついで1.02 mol/Lのボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.5 mL, 3.06 当量)を加えた。反応液を減圧濃縮後、トルエンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル10 g、トルエン)にて精製し、有効区分を減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(0.05 g、白色粉末)を得た。収率4.3%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.25-0.95 (m, 3H), 1.27-1.90 (m, 22H), 4.13 (dq, 1H, JH-P = 351.1 Hz, J = 4.7 Hz).
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: 16.20-17.54 (m), 18.98-20.31 (m).
ジパラメトキシフェニルホスフィン-ボラン錯体
Figure 0004754182
アルゴン雰囲気下、参考例4で合成したジパラメトキシフェニルホスフィンオキサイド (13.11 g, 0.17 mmol)に室温(25℃)でトルエン80 mLを加えて溶解した。ついで1.02 mol/Lのボラン-テトラヒドロフラン錯体(165 mL, 3.30 当量)を2時間で加えた。反応液にシリカゲル(20 g)を加えた後、ろ別し、減圧濃縮後した。残渣をn-ヘキサンより再結晶し、乾燥後(減圧、40℃)、表題化合物(11.1 g、白色粉末)を得た。収率85%。
1H-NMR (300MHz, CDCl3, TMS) δ: 0.26-1.65 (m, 3H), 3.83 (s, 6H), 6.26 (dm, 1H, JH-P = 378 Hz), 6.94 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.61 (s, 1H).
13C-NMR (75MHz, CDCl3, CDCl3) δ: 55.30, 114.59, 114.74, 116.84, 117.67, 134.43, 134.57, 162.23.
31P-NMR (121MHz, CDCl3, 85%H3PO4) δ: -4.5-(-3.2) (m), -1.6-0.4 (m).
以上記載したごとく、本発明によれば、有機リン化合物の合成に利用されるホスフィン-ボラン錯体が温和な条件で、かつ高収率で製造できる。

Claims (8)


  1. Figure 0004754182
    〔式中、R、RおよびRは同一または異なって(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルコキシ基、(6)ホルミル、(7)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(9)カルボキシル、(10)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(11)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)ハロゲン原子、(13)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(14)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアルキル基、(iv)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルコキシ基、(6)ホルミル、(7)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(9)カルボキシル、(10)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(11)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)ハロゲン原子、(13)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(14)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいシクロアルキル基、(v)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアリール基または(vi)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよい複素環基を示す〕で表される化合物またはその塩とボラン試薬(ただし、該ボラン試薬はジメチルスルフィドボラン以外である)を溶媒中で反応させることを特徴とする式
    Figure 0004754182
    〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表されるホスフィン−ボラン錯体またはその塩の製造法
  2. が水素原子である請求項1記載の製造法。
  3. およびRが同一または異なって(i)水素原子、(ii)ハロゲン原子、(iii)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルコキシ基、(6)ホルミル、(7)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(9)カルボキシル、(10)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(11)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)ハロゲン原子、(13)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(14)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアルキル基、(iv)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルコキシ基、(6)ホルミル、(7)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(9)カルボキシル、(10)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(11)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)ハロゲン原子、(13)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(14)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいシクロアルキル基、(v)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアリール基または(vi)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよい複素環基、R(i)ハロゲン原子、(ii)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルコキシ基、(6)ホルミル、(7)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(9)カルボキシル、(10)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(11)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)ハロゲン原子、(13)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(14)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアルキル基、(iii)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルコキシ基、(6)ホルミル、(7)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(8)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(9)カルボキシル、(10)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(11)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)ハロゲン原子、(13)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(14)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基から選ばれる1ないし3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいシクロアルキル基、(iv)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアリール基または(v)(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよい複素環基である請求項1記載の製造法。
  4. およびRが同一または異なって(1)ニトロ、(2)ニトロソ、(3)シアノ、(4)ヒドロキシ、(5)C 1−6 アルキル基、(6)C 1−6 アルコキシ基、(7)ホルミル、(8)C 1−6 アルキル−カルボニル基、(9)C 1−6 アルコキシ−カルボニル基、(10)カルボキシル、(11)N−モノC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(12)N,N−ジC 1−6 アルキル−カルバモイル基、(13)ハロゲン原子、(14)モノ−C 1−6 アルキルアミノ基、(15)ジ−C 1−6 アルキルアミノ基、及び(16)ハロゲノ−C 1−6 アルキル基から選ばれる1ないし5個の置換基を置換可能な位置に有していてもよいアリール基である請求項2又は3記載の製造法。
  5. およびRが同一または異なって1ないし5個のC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子、モノC1−6アルキルアミノ基またはジC1−6アルキルアミノ基で置換されていてもよいフェニルである請求項4記載の製造法。
  6. およびRが同一または異なってC1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基である請求項2又は3記載の製造法。
  7. ボラン試薬がボラン−テトラヒドロフラン錯体又はボラン−アミン錯体である請求項1記載の製造法。
  8. ボラン試薬がボラン−テトラヒドロフラン錯体である請求項1記載の製造法。
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