JP4745308B2 - 減衰機構付き免震装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、地震による地面の揺れを吸収して建築物の震動を軽減する目的で使用され、あるいは精密機器の輸送等において該精密機器に作用する震動を軽減する目的で使用される免震装置に関する。
従来より、ビルや住宅といった不動産の地震対策として、あるいは精密機器や美術品のショーケース等の運搬時における振動対策として、地面あるいは床面の振動を吸収して揺れを軽減する免震装置が用いられている。この免震装置としては、従来、地面等の基盤と建造物等の構造体との間にゴム板を積層したタイプのものや、基盤と構造体との間にフッ素樹脂等による低摩擦摺動面を形成したタイプのもの等が知られている。
しかし、近年では新たな免震装置として、工作機械のワークテーブル等に用いられる直線案内装置を利用した免震装置が提案されている(特開平8−240033号公報)。この免震装置は、図14に示すように、長手方向に沿ってボール等の転動体の転走面が形成されると共に、基盤100及び構造体101の夫々に対して互いに直交するように固定された第1及び第2軌道レール102,103と、多数の転動体を介して第1軌道レール102に組み付けられると共に該第1軌道レール102に沿って自在に直線往復運動可能な第1スライド部材104と、この第1スライド部材104に対して固定されると共に多数の転動体を介して第2軌道レール103に組み付けられ、該第2軌道レール103に沿って自在に直線往復運動可能な第2スライド部材105とから構成されており、地震等によって基盤100が震動すると各軌道レール102,103とこれらに組み付けられたスライド部材104,105とが相対的な直線往復運動を行うようになっている。
図15はこの免震装置の具体的使用方法を上方から見た概略図である。基盤100上には前述の免震装置が4か所に配置されており、各免震装置の第1軌道レール102がX方向に沿って上記基盤100に固定されている。一方、第2軌道レール103は第1軌道レール102と直交するY方向に沿って構造体(図示せず)に固定されている。上記軌道レール102,103とスライド部材104,105との間の動摩擦係数は極めて小さいため、基盤100が地震等によって水平方向へ揺れ動くと、かかる揺れを吸収するようにして各免震装置のスライド部材104,105が軌道レール102,103上をX方向又はY方向に沿って移動する。すなわち、免震装置上に設けられた構造体は基盤100の揺れから絶縁されており、恰も空気中に浮遊したような状態となっている。地震等によって構造体が激しく揺れるのは、基盤の揺れの周期と構造体の揺れの周期とが合致して、共振現象を引き起こすためと考えられる。しかし、このように基盤と構造体との間を免震装置で絶縁した場合には、構造体の揺れの周期を十分に長く設定して共振の発生を避けることができるので、構造体の揺れを軽減することが可能となる。
一方、この免震装置は基盤と構造体との共振を防止はするものの、構造体の揺れを完全に防止し得るものではなく、しかも前述の如く基盤の揺れと構造体の揺れとを絶縁するものであるから、例えば地震が収まった後にも構造体の揺れは残ることになる。このため、かかる免震装置を用いて構造体を支持する際には、図15に示すように、これら基盤100と構造体との間に免震装置とは別個に減衰装置106を設け、構造体の揺れが早く収まるようにそのエネルギを吸収してやる必要があった。従来、このような減衰装置としては、ゴム板と補強板とを交互に積層して形成したゴム円柱体で基盤と構造体とを連結し、構造体の震動エネルギを上記ゴム円柱体の剪断変形に伴う熱エネルギに変換させて吸収するようにしたもの等が知られている。
特開平8−240033号公報
しかし、この減衰装置では基盤と構造体とを連結するゴム円柱体の剪断変形量を大きく設定し得ないことから、減衰装置が免震装置におけるXY方向への移動を制限してしまう結果となる。このため、直線案内装置を利用した免震装置との組み合わせで上記減衰装置を用いた場合には、構造体を基盤から完全に絶縁することが不能となり、基盤の震動を免震装置で十二分に吸収することができなくなってしまう。また、減衰装置を免震装置と別個に設けると、その分だけ余分に手間がかかり、免震装置内における基盤上に構造体を設ける作業が複雑化するといった問題点もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、構造体を基盤から絶縁して該基盤の震動を効果的に吸収することができると共に、基盤や構造体に対する取付け作業の簡易化を図ることが可能な減衰機構付き免震装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、基盤とこの基盤上に設置された構造体との間に配置され、かかる基盤から構造体に対する震動の伝達を抑える免震装置であって、長手方向に沿ってボール転走面が形成されると共に互いに直交して配置された第1及び第2軌道レールと、多数のボールを介して上記第1軌道レールに組み付けられると共に該第1軌道レールに沿って自在に直線往復運動可能な第1スライド部材と、上記第1軌道レール又は第1スライド部材のいずれか一方に結合されると共に多数のボールを介して上記第2軌道レールに組み付けられ、該第2軌道レールに沿って自在に直線往復運動可能な第2スライド部材と、軸心が上記第1スライド部材又は第2スライド部材の移動方向と合致するように配設された回転伝達体を有すると共に該スライド部材の直線往復運動を該回転伝達体の正逆回転運動に変換する運動変換手段と、上記回転伝達体に連結された回転スリーブと、この回転スリーブを収容すると共に該回転スリーブとの間に減衰力の作用室を形成する固定スリーブと、上記作用室に封入される粘性流体とから構成されることを特徴とするものである。
このように構成された本発明の免震装置は、例えば、第1軌道レールを基盤に固定する一方、この第1軌道レールと直交する第2軌道レールには構造体を固定し、これら第1及び第2軌道レールに沿って移動する第1スライド部材及び第2スライド部材を互いに固定して使用される。このとき、第1スライド部材又は第2スライド部材には当該スライド部材の直線往復運動を正逆回転運動に変換する運動変換手段、例えばボールねじ装置が連結されており、基盤の揺れに伴って第1スライド部材又は第2スライド部材が軌道レール上を運動すると、上記運動変換手段に具備された回転伝達体が回転すると共に、この回転伝達体に連結された回転スリーブが回転する。この回転スリーブは固定スリーブに収容されて作用室を形成しており、かかる作用室には粘性流体が封入されている。従って、回転スリーブが回転すると、作用室内の粘性流体に対して剪断摩擦力が作用し、回転スリーブの運動エネルギは粘性流体の熱エネルギとして消費される。つまり、スライド部材の直線往復運動のエネルギが粘性流体によって熱エネルギとして消費されたことになり、軌道レールに対するスライド部材の運動、ひいては基盤に対する構造体の運動を減衰させることができるものである。
ここで、上記スライド部材に連結される運動変換手段は単に往復直線運動を回転運動に変換するだけであるから、かかるスライド部材の運動を何ら制限するものではなく、本発明の免震装置は基盤の震動を効率よく吸収することができる。また、減衰装置として作用する回転スリーブが運動変換手段を介してスライド部材に直接固定されているので、基盤に対して構造体を設けるに際しては、免震装置とは別個に減衰装置を設ける必要はなく、その分だけ構造体の設置作業を簡略化することができるものである。
以下、添付図面に基づいて本発明の減衰機構付き免震装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用した減衰機構付き免震装置の第1実施例を示すものである。この免震装置1は、建造物等の構造体と基礎等の基盤との間に設けられて該構造体の荷重に抗してこれを基盤上に支承する支持案内部1aと、この支持案内部1aによって支承された構造体の揺れを収束させる減衰部1bとから構成されている。
図2は上記支持案内部の構成を示す斜視図である。上記支持案内部1aは、上記構造体Aに固定される第1軌道レール10と、この第1軌道レール10に組み付けられた第1スライド部材11と、上記第1軌道レール10と直交するようにして基礎等の基盤Bに固定される第2軌道レール12と、この第2軌道レール12に組み付けられると共に上記第1スライド部材11に対して固定された第2スライド部材13とから構成されている。各軌道レールには長手方向に沿って複数条のボール転走溝が形成される一方、各スライド部材11,13にはこのボール転走溝を転走する多数のボールが内臓されており、これらボールの転走によってスライド部材11,13が各軌道レール10,12上を極小さな動摩擦抵抗で自在に移動し得るようになっている。第1スライド部材11及び第2スライド部材13は全く同一の部材であり、ブラケットを介して互いに背中合わせに固定されている。そして、第1軌道レール10と第2軌道レール12は互いに直交して設けられていることから、第1スライド部材11が第1軌道レール10に沿って移動し、第2スライド部材13が第2軌道レール12に沿って移動すると、構造体Aが基盤B上で二次元的に移動することになる。
一方、図3は上記減衰部1Bの構成を示す斜視図である。この減衰部1Bは、上記第2軌道レール12と平行に配設されると共に上記基盤B上に回転自在に支承されたねじ軸15と、このねじ軸15に螺合すると共に上記第2スライド部材13に固定されたナット部材16と、上記ねじ軸15の一端と軸継手17を介して連結された減衰ロッド18とから構成されている。上記ねじ軸15の外周面には螺旋状のボール転動溝が所定のリードで形成されており、上記ナット部材16は無限循環する多数のボールを介してこのねじ軸15に螺合している。従って、ナット部材16は極小さな動摩擦抵抗でねじ軸15の周囲を螺旋状に移動することが可能となっている。また、上記ねじ軸15の一端は基盤B上に立設されたブラケット19によって回転自在に支承され、他端は軸継手17及び減衰ロッド18を介してやはり基盤B上に立設されたブラケット20に支承されている。一方、ナット部材16は連結ブラケット21を介して第2スライド部材13に固定されており、第2スライド部材13が第2軌道レール12に沿って移動すると、これに伴ってねじ軸15の軸方向へ移動するように構成されている。ナット部材16は連結ブラケット21によって回転不能に保持されているため、このようにしてナット部材16が第2スライド部材13と共に移動すると、上記ねじ軸15がナット部材16によって回転トルクを与えられる結果となり、第2スライド部材13の移動量に応じた回転量がねじ軸15に発生する。すなわち、この第1実施例では上記ねじ軸15が本発明の回転伝達体に相当する。
一方、図4は上記減衰ロッド18の構造の詳細を示すものである。この減衰ロッド18は、上記軸継手17を介してねじ軸15に連結された回転スリーブ25と、この回転スリーブ25を回転自在に保持すると共に基盤B上に立設されたブラケット20に固定される固定スリーブ26とから構成されており、固定スリーブ26の中空部内に回転スリーブ25が収容された状態となっている。回転スリーブ25の外周面と固定スリーブ26の内周面との間には僅かな隙間が設けられており、この隙間には粘性流体27が充填されている。従って、回転スリーブ25が固定スリーブ26に対して回転を生じると、これらの間に存在する粘性流体27に対して剪断摩擦力が作用し、回転スリーブ25の運動エネルギが粘性流体27の熱エネルギに変換されて消費され、回転スリーブ25の運動エネルギを減衰させることができるようになっている。つまり、粘性流体27の充填された回転スリーブ25と固定スリーブ26との隙間が本発明における減衰力の作用室に相当する。
上記回転スリーブ25は軸継手17を介してねじ軸15と結合されていることから、減衰ロッド18はねじ軸15の回転運動を減衰していることになり、また、ねじ軸15の回転運動は第2軌道レール12上における第2スライド部材13の直線運動を変換したものであるから、上記減衰ロッド18は第2スライド部材13の直線運動のエネルギを減衰していることになる。すなわち、この免震装置1では、第2スライド部材13が第2軌道レール12上で直線往復運動を行うと、その運動エネルギがねじ軸15の回転運動のエネルギに変換された後、減衰ロッド18内の粘性流体27によって減衰される。
図5は本発明を適用した免震装置を用いて基盤B上に構造体Aを支承した例を示すものである。この例では構造体Aと基盤Bとの間の4箇所に免震装置1−1、1−2、1−3、1−4が配置されており、例えば免震装置1−1、1−3では第2スライド部材の移動方向がX方向に、免震装置1−2、1−4では第2スライド部材の移動方向がY方向に合致している。そして、このように各免震装置を配置し、前述の支持案内部1aが基盤B上で構造体Aを支承することにより、構造体Aが基盤B上をX方向及びY方向のいずれにも自在に移動し得るようになる。つまり、構造体Aは基盤Bから分離された状態にあり、基盤Bが地震によって揺れた場合であっても、構造体Aに作用する揺れが基盤Bの揺れと共振するのを防止し、構造体Aの揺れを軽減することができるものである。また、支持案内部1aの第2スライド部材13に対して上記減衰部1bが結合されていることから、構造体Aの揺れに伴って第2スライド部材13が第2軌道レール12上をX方向又はY方向へ移動すると、その運動が減衰部1bによって減衰され、構造体Aの揺れを早期に収束させることができるものである。
次に、図6は本発明を適用した免震装置の第2実施例を示すものである。
この第2実施例においても構造体Aを基盤Bに対して支承する支持案内部の構成は第1実施例と全く同一である。但し、減衰部の構成は第1実施例と若干異なる。従って、支持案内部については図6中に第1実施例と同一の符号を付してその詳細な説明は省略し、減衰部についてのみ説明をする。
第1実施例の減衰部1bではナット部材16が第2スライド部材13と共に移動すると、かかる移動に伴ってねじ軸15に回転が与えられていたが、この第2実施例の減衰部1cでは第2スライド部材13の移動に伴ってナット部材30それ自身が回転するように構成されている。すなわち、第2スライド部材13に固定された筒状ケーシング31の内部にはナット部材30が回転軸受を介して回転自在に収容されており、このナット部材30と減衰ロッド32の回転スリーブ33が継手34によって連結されている。上記ナット部材30が螺合するねじ軸35は、その両端が基盤Bに立設された一対の固定ブラケット36に嵌合しており、第2軌道レール12と平行に且つ回転不能に配設されている。減衰ロッド32の構成は前述の第1実施例と略同じであるが、上記ねじ軸35が回転スリーブ33内を貫通している点、連結ブラケット37によって第2スライド部材13に固定されている点においてのみ異なる。
そして、このように構成された第2実施例の減衰部1cでは、第2スライド部材13が第2軌道レール12上を移動すると、ナット部材30が減衰ロッド32及び第2スライド部材13と共に同一方向へ移動する。このとき、ナット部材30が螺合するねじ軸35は基盤Bに対して固定的に設けられていることから、かかるねじ軸35上を移動するナット部材30は自ら回転を生じることになり、第2スライド部材13の移動量に応じた回転量がナット部材30に与えられる。そして、ナット部材30には減衰ロッド32の回転スリーブ33が連結されていることから、第2スライド部材13の移動に伴って該回転スリーブ33が回転を生じることになり、第2スライド部材13の直線運動のエネルギが減衰ロッド32によって減衰されることになる。つまり、この第2実施例においても、第2スライド部材13が第2軌道レール12上で直線往復運動を行うと、その運動エネルギが回転運動のエネルギに変換された後、減衰ロッド32内の粘性流体によって減衰されるのである。
ナット部材の外径の方がねじ軸の外径よりも当然に大きいことから、ナット部材を回転させるトルクはねじ軸を回転させるトルクよりも小さくて足り、第1実施例と第2実施例を比較した場合には、第2実施例の方が第2スライド部材13の直線運動のエネルギを効率よく回転運動のエネルギに変換することが可能となる。従って、図6に示した第2実施例の免震装置の方が構造体Aに作用する揺れのエネルギを第1実施例の免震装置よりも効率よく減衰させることが可能である。
次に、図7は本発明を適用した免震装置の第3実施例を示すものである。
この第3実施例の免震装置も、構造体Aを基盤Bに対してX及びY方向へ支承する支持案内部40aと、構造体の揺れを収束させる減衰部40bとから構成されている。上記支持案内部40aは、上記基盤Bに固定される第1軌道レール41と、この第1軌道レール41に沿って運動する第1スライド部材42と、上記第1軌道レール41と直交するようにして第1スライド部材42に固定された第2軌道レール43と、この第2軌道レール43に沿って運動する第2スライド部材44とから構成されている。図8乃至図10に示すように、各軌道レール41,43は凹条溝46を具備してチャネル状に形成されており、かかる凹条溝46の内側面には片側2条ずつ計4条のボール転走溝47が形成されている。一方、各スライド部材42,44は略矩形状に形成されており、僅かな隙間を介して軌道レール41,43の凹条溝46内に遊嵌するようになっている。スライド部材42,44の両側面には軌道レール41,43のボール転走溝47と対向する負荷転走溝48が形成されており、多数のボール49がこの負荷転走溝48と軌道レール41,43のボール転走溝47との間で荷重を負荷しながら転走するように構成されている。また、スライド部材42,43には上記負荷転走溝48を転走し終えたボール49を循環させるための無負荷ボール通路50が形成されている。すなわち、上記スライド部材42,44は多数のボール49を介して軌道レール41,43に組み付けられており、ボール49の循環に伴ってスライド部材42,44が軌道レール41,43の凹条溝46内を自在に往復運動し得るように構成されている。
また、上記減衰部40bは、軌道レール41,43の凹状溝46内に配設されたねじ軸51と、軌道レール41,43の一端において上記ねじ軸51に連結された減衰ロッド52とから構成されている。軌道レール41,43の長手方向の一端には支持板53が固定される一方、他端には支持ブロック54が固定されており、上記ねじ軸51はこれら支持板53及び支持ブロック54によって回転自在に且つ軸心を軌道レール41,43の長手方向と合致させるようにして支承されている。また、上記支持ブロック54は減衰ロッド52を軌道レール41,43に固定するためのブラケットの役割を果たしている。上記ねじ軸51には多数のボールを介してスライド部材42,44が螺合しており、スライド部材42,44が軌道レール41,43に沿って凹状溝46内を移動すると、その移動量に応じてねじ軸51が回転するようになっている。すなわち、スライド部材42,44とねじ軸51はボールねじを構成している。
一方、上記減衰ロッド52は、第1実施例のそれと同様、軸継手56を介して上記ねじ軸51に結合された回転スリーブ57と、この回転スリーブ57を回転自在に保持すると共に上記支持ブロック54に固定された固定スリーブ58とから構成されており、固定スリーブ58の中空部内に回転スリーブ57が収容された状態となっている。図11に示すように、回転スリーブ57の外周面と固定スリーブ58の内周面との間には僅かな隙間が設けられており、この隙間には粘性流体59が充填されている。尚、上記軸継手56としては、回転スリーブ57の軸心がねじ軸51の軸心に対して若干偏心している場合であっても、かかるねじ軸51の回転を回転スリーブ57に対して確実に伝達することができるよう、オルダム継手を用いるのが好ましい。
そして、このように構成された第3実施例の減衰部40bでは、各スライド部材42,44が軌道レール41,43の凹条溝46内を移動すると、これらスライド部材42,44と螺合するねじ軸51が回転を生じることになり、スライド部材42,44の移動量に応じた回転量が該ねじ軸51に与えられる。そして、ねじ軸51には減衰ロッド52の回転スリーブ57が連結されていることから、各スライド部材42,44の移動に伴って該回転スリーブ57が回転を生じることになり、スライド部材42,44の直線運動のエネルギが減衰ロッド52によって減衰されることになる。つまり、この第3実施例においても、スライド部材42,44が軌道レール41,43上で直線往復運動を行うと、その運動エネルギが回転運動のエネルギに変換された後、減衰ロッド52内の粘性流体によって減衰されるのである。
図12は第1スライド部材42と第2軌道レール43の固定状態を示すものである。第1スライド部材42の上面には固定ボルト61が螺合するタップ穴62が形成される一方、第2軌道レール43の底面には固定ボルト61を挿通させるための貫通穴63が形成されており、これらタップ穴62と貫通穴63を利用して固定ボルト61を締結することにより、第2軌道レール43が第1スライド部材42に固定されている。このとき、第2軌道レール43はその長手方向を第1スライド部材42の移動方向、すなわち第1軌道レール41の長手方向と直交させるようにして固定される。これにより、第1軌道レール41を基盤Bに固定し、第2スライド部材44を構造体Aに固定した際に、かかる構造体Aを基盤B上でX方向及びY方向へ自在に案内することが可能となる。
尚、この第3実施例の免震装置では必ずしも第1スライド部材42に対して第2軌道レール43を固定する必要はなく、図13に示すように、第1スライド部材42に対して第2スライド部材44を背中合わせに固定し、第2軌道レール43を構造体Aに固定するように構成しても差支えない。また、このように第1スライド部材42と第2スライド部材44とを互いに結合するのであれば、最初から両スライド部材42,44を一体に形成し、これを第1軌道レール41と第2軌道レール43とに組み付けるように構成しても差支えない。更に、第1軌道レール41についても、これを必ずしも基盤Bに固定する必要はなく、第1軌道レール41及び第2軌道レール43を互いに直交するように且つ背中合わせに結合し、第1軌道レール41に沿って運動する第1スライド部材42を基盤Bに固定する一方、第2軌道レール43に沿って運動する第2スライド部材44を構造体Aに固定するように構成しても差し支えない。
そして、この第3実施例の免震装置も、これを構造体Aと基盤Bの間に配置することによって、構造体Aが基盤B上をX方向及びY方向のいずれにも自在に移動し得るようになり、構造体Aは基盤Bから絶縁された状態となる。これにより、基盤Bが地震によって揺れた場合であっても、構造体Aに作用する揺れが基盤Bの揺れと共振するのを防止し、構造体Aの揺れを軽減することができるものである。また、各スライド部材42,44s螺合するねじ軸51には減衰ロッド52が結合されていることから、構造体Aの揺れに伴って各スライド部材42,44が軌道レール41,43上をX方向又はY方向へ移動すると、その運動が減衰ロッド52によって減衰され、構造体Aの揺れを早期に収束させることができるものである。
このように第1乃至第3実施例に示した本発明の免震装置においては、スライド部材の直線運動を減衰させるための減衰部が支持案内部と一体的に設けられていることから、この免震装置を用いる場合には、減衰装置を別途設ける必要がなく、その分だけ設置に要する手間を削減することができるものである。
更に、本発明の免震装置では、地震に伴う軌道レールとスライド部材との間の直線運動をねじ軸によって回転運動に変換し、その回転運動を回転スリーブと固定スリーブとの間に充填された粘性流体の熱エネルギーに変換することによって減衰しているので、ねじ軸を長くすることによって大きな地震にも容易に対応することができる。しかも、減衰部が支持案内部におけるスライド部材の移動を何ら拘束するものではないから、減衰部によって免震効果が制限される弊害を回避することが可能となる。
以上説明してきたように、本発明の減衰機構付き免震装置によれば、スライド部材に連結される運動変換手段は単に往復直線運動を回転運動に変換するだけであるから、かかるスライド部材の運動を何ら制限するものではなく、構造体を基盤から絶縁して該基盤の震動を効果的に吸収することが可能となる。また、減衰装置として作用する回転スリーブが運動変換手段を介してスライド部材に直接固定されているので、基盤に対して構造体を設けるに際しては、免震装置とは別個に減衰装置を設ける必要はなく、その分だけ基盤や構造体に対する取付け作業の簡易化を図り、ひいては構造体の設置作業の手間をも軽減することが可能となる。
本発明を適用した免震装置の第1実施例を示す平面図である。 第1実施例に係る免震装置の支持案内部を示す斜視図である。 第1実施例に係る免震装置の減衰部を示す側面図である。 第1実施例に係る減衰部に具備された減衰ロッドを示す断面図である。 本発明の免震装置を用いて基盤上に構造体を支承した例を示す斜視図である。 本発明を適用した免震装置の第2実施例を示す斜視図である。 本発明を適用した免震装置の第3実施例を示す斜視図である。 第3実施例に係る免震装置の軌道レール及びスライド部材を示す斜視図である。 第3実施例に係る免震装置の軌道レール及びスライド部材を示す平面図である。 図9のX−X線断面図である。 第3実施例に係る減衰ロッドの要部拡大図である。 第3実施例に係る第1スライド部材と第2軌道レールとの固定状態を示す断面図である。 第3実施例に係る第1スライド部材と第2スライド部材とを固定して免震装置を構成する例を示す断面図である。 直線案内装置を組み合わせて構成した従来の免震装置を示す断面図である。 従来の免震装置の使用例を示す平面図である。
符号の説明
1a…支持案内部、1b…減衰部、10…第1軌道レール、11…第1スライド部材、12…第2軌道レール、13…第2スライド部材、16…ナット部材、18…減衰ロッド、25…回転スリーブ、26…固定スリーブ、27…粘性流体

Claims (2)

  1. 基盤とこの基盤上に設置された構造体との間に配置され、かかる基盤から構造体に対する震動の伝達を抑える免震装置であって、
    長手方向に沿ってボール転走面が形成されると共に互いに直交して配置された第1及び第2軌道レールと、
    多数のボールを介して上記第1軌道レールに組み付けられると共に該第1軌道レールに沿って自在に直線往復運動可能な第1スライド部材と、
    上記第1軌道レール又は第1スライド部材のいずれか一方に結合されると共に多数のボールを介して上記第2軌道レールに組み付けられ、該第2軌道レールに沿って自在に直線往復運動可能な第2スライド部材と、
    軸心が上記第1スライド部材又は第2スライド部材の移動方向と常に合致するように配設された回転伝達体と、
    上記第1スライド部材又は第2スライド部材に固定されると共に前記回転伝達体に螺合して運動変換手段を構成し、該スライド部材の直線往復運動を上記回転伝達体の正逆回転運動に変換する部材と、
    上記回転伝達体に連結された回転スリーブと、
    この回転スリーブを収容すると共に回転自在に保持し、当該回転スリーブとの間に減衰力の作用室を形成する固定スリーブと、
    上記作用室に封入される粘性流体とから構成されることを特徴とする減衰機構付き免震装置。
  2. 前記第2軌道レールが基盤に固定される一方、前記回転伝達体に螺合して運動変換手段を構成する部材は前記第2スライド部材に固定され、前記回転伝達体はその軸心が上記第2スライド部材の移動方向と合致し、前記固定スリーブは基盤に固定されていることを特徴とする請求項1記載の減衰機構付き免震装置。
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