JP4734813B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を使用した遊技は、手軽に楽しむことができることから広く親しまれた遊技であり、多くの遊技者に愛好されている。かかる遊技機は、遊技機メーカ各社によって新台と呼ばれる新しい機種が続々と開発されており、各ホールでは、遊技者に飽きることなく遊技を楽しませるために、旧式台や不人気台から新台への入れ替えが定期的に行われている。一方、各ホールにおいて不要となった旧式台等は、LCDや制御基板等の比較的高価な一部の部品を除き、産業廃棄物として廃棄処理されるのが一般的であり、その廃棄量は膨大な量に達している。
【0003】
ところで、例えば、パチンコ機においては、遊技盤、前枠または扉枠などの多くの樹脂構成部材が熱可塑性の合成樹脂を使用して成型されているので、廃棄処理されるパチンコ機から樹脂構成部材を取り外し、かかる樹脂構成部材を再生樹脂成形材料(例えば、粉砕して再生樹脂粉粒物にしたり再生ペレットなどを製造する)として再利用することが可能である。再利用が可能となれば、産業廃棄物としての廃棄量を低減することができ、また、資源の有効活用の観点からも価値が高いものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、使用済み樹脂構成部材を再利用した再生樹脂成形材料は、汚れが十分に除去されないままの再利用によって不純物が混入する等に起因して、未使用の樹脂成形材料に対して視認性等の点で劣るのである。
【0005】
そのため、パチンコ機において視認性が要求される部位、例えば、遊技球の移送経路となる部材等には、上記のように視認性の劣る再生樹脂成形材料を安易に使用することができないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、樹脂構成部材を積層構造として、再生樹脂成形材料の使用に伴う問題点、例えば視認性を補うことができる遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を形成する通路形成部材を備えたものであり、該通路形成部材は、光透過性樹脂材料によって表層部を形成するスキン層と、そのスキン層に挟まれる中間部を再生樹脂成形材料で形成するコア層とにより少なくとも3層構造とされる箇所と、前記光透過性樹脂材料により単層構造に形成される箇所とが設けられると共に、該単層構造に形成される箇所によって前記移送経路を通過する遊技球が視認可能となるように配設され、前記3層構造とされる箇所と、前記単層構造とされる箇所との境界を示す表示部が設けられている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記遊技機は、パチンコ遊技機である。
【0007】
【発明の効果】
請求項1記載の遊技機によれば、光透過性樹脂材料により単層構造に形成される箇所が移送経路を通過する遊技球が視認可能となるように配設される一方で、光透過性樹脂材料によって表層部を形成するスキン層と、そのスキン層に挟まれる中間部を再生樹脂成形材料で形成するコア層とにより少なくとも3層構造とされる箇所を有しているので、球詰まりの確認が目視により可能という機能を保持しつつ、再生樹脂成形材料を使用することにより、例えば、産業廃棄物としての廃棄量を低減できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技機がパチンコ遊技機であるので、パチンコ遊技機において請求項1記載の遊技機が奏する効果を奏することができるという効果がある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0009】
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1の前面には前面枠2が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの内周には金枠3が周設されている。この金枠3の内側の上方には、2枚のガラス板を装着可能なガラス扉枠4が開閉可能に配設されており、ガラス扉枠4の後方に遊技盤5が配置されている。
【0010】
遊技盤5の前面には略円弧状の外レール6が植立され、その外レール6の内側位置には円弧状の内レール7が植立されている。この内レール7と外レール6とにより囲まれた遊技盤5の前面には、遊技球が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、その遊技領域8内には、遊技球が入賞することにより5個から15個の遊技球が賞球として払い出される複数の普通入賞口9が配設されている。遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄などを変動表示する液晶ディスプレイ(LCD)10を備えた可変表示装置11が配設されている。この可変表示装置11の液晶ディスプレイ10の手前側周囲には、装飾部材を兼ねたセンターフレーム11aが周設されており、このセンタフレーム11aにより液晶ディスプレイ10の周囲が装飾されている。また、センタフレーム11aの上部中央には表示装置の一種である7セグメントLED11bが配設されている。
【0011】
可変表示装置11の下方には、図柄作動口(第1種始動口)12が配設されている。この図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると、第1種始動口スイッチ(図示せず)がオンして、上述した可変表示装置11で変動表示が開始されると共に、5個の遊技球が賞球として払い出される。また、図柄作動ゲート12の下方には可変入賞装置13が配設されている。この可変入賞装置13は、その略中央部分に2以上の遊技球が同時に通過可能な幅広矩形状の開口である大入賞口が穿設されている。
【0012】
この大入賞口は、可変表示装置11の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり表示)の1つと一致する場合に、遊技球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒間)経過するまで、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで、開放される入賞口である。この大入賞口の開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。かかる可変入賞装置13の下方であって、遊技領域8の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域8外へ排出するためのアウト口14が形成されている。
【0013】
アウト口14の下方、即ちガラス扉枠4の下方には、金枠3に開閉可能に取着された前面扉板(腰板)15が配設されている。この前面扉板15の前面には、遊技球を貯留すると共に遊技球発射装置(図示せず)へ遊技球を供給するための上皿16が配設され、その上皿16の下方であって、前面枠2の下側部分には上皿16に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿17が配設されている。また、下皿17の右側部分には、遊技球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル18が配設され、かかる操作ハンドル18の内部には遊技球発射装置の発射用モータ(図示せず)を駆動させるためのハンドルスイッチ18aが内蔵されている。
【0014】
上述した上皿16の左側部分上方には、略矩形状に開口した上皿導出通路19が設けられている。この上皿導出通路19は、賞球払出装置及び貸球払出装置(図示せず)から払い出された遊技球を上皿16へ送出する開口であり、賞球払出装置及び貸球払出装置から払い出された遊技球は、この上皿導出通路19を通過して上皿16へ移送される。また、上皿導出通路19は、板状に形成された装飾板部材19aを備えており、その装飾板部材19aによって前面扉板15の前面が覆われて装飾されている。
【0015】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1に使用される樹脂構成部材について説明する。まず、パチンコ機1の前面側、即ち、遊技中の遊技者が視認可能な位置に配設され、装飾性が要求される樹脂構成部材について、図2を参照して説明する。
【0016】
図2は、図1のII−II線における断面図であり、上皿16及び上皿導出通路19の断面を示している。なお、図2では、上皿導出通路19の一部を省略して図示している。また、図2中の矢印は遊技球の流下方向を示している。上皿導出通路19は、上記した通り、賞球払出装置及び貸球払出装置(図示せず)から払い出された遊技球を上皿16へ送出するための通路であり、図2に示すように、上皿16の上方から賞球払出装置側(図2右側)へ向かって延設されている。
【0017】
この上皿導出通路19の下面には、遊技球が転動するための転動部材19aが設けられており、この転動部材19aは、賞球払出装置側(図2右側)から上皿16側(図2左側)に向かって下降傾斜して形成されている。よって、転動部材19aは、賞球払出装置等から払い出された遊技球を上皿16へ向かって転動させて移送することができる。また、上皿導出通路19の左側部分には、図2に示すように、側面視平板状の装飾板部材19bが連設されており、この装飾板部材19bによってパチンコ機1(前面扉板15)の前面側が装飾されている(図1参照)。
【0018】
ここで、上皿導出通路19の断面構造は、転動部材19aと装飾板部材19bとで異なる断面構造を有している。即ち、装飾板部材19bの断面構造は、表層部を形成するスキン層20と、そのスキン層20に挟持されつつ中間層を形成するコア層21とから3層構造とされているのに対して、転動部19aの断面構造は、スキン層20だけを有する、即ち、コア層21を有しない単層構造とされている。
【0019】
スキン層20は、未使用樹脂成形材料(バージンペレット)を原料として構成された層である。一方、コア層21は、使用済み遊技機から回収した樹脂構成部材(例えば、上皿や上皿導出通路)を再利用した再生樹脂成形材料(再生ペレット)を原料として構成された層であり、そのため、スキン層20よりも材料コストは安価であるが、機械的強度や色つやが劣るという特徴を有している。
【0020】
そのため、上皿導出通路19の装飾板部材19bは、機械的強度や色つやの劣るコア層21を未使用樹脂成形材料からなるスキン層20で挟持して3層構造を形成する。3層構造となった装飾板部材19bは、その強度(剛性)を維持しつつ、表層部のスキン層20により鮮やかな色を発色させることができ、その結果、パチンコ機1の外観を損なうことが防止されるのである。
【0021】
一方、上皿導出通路19の転動部19aは、遊技球が転動する箇所であるため、装飾板部材19bと比較して大きな負荷が作用する。そのため、転動部19aには、強度に劣るコア層21が積層されず、未使用樹脂成形材料からなるスキン層20のみからなる単層構造とされている。よって、転動部19aは、十分な強度(剛性)を得ることができ、遊技球の転動に起因して破損等することが防止されるので、賞球払出装置等から払い出された遊技球を上皿16へ確実に移送することができるのである。
【0022】
上皿16は、上記した上皿導出通路19から流下する遊技球を受け止め、この遊技球を遊技球発射装置へ移送するためのものであり、また、上皿導出通路19から大量の遊技球が流下した場合には、この遊技球を貯溜しておく役割も担う。このため、上皿16には、図2に示すように、遊技球を転動させると共に遊技球を貯溜するための支保部材16aが断面略くの字型に屈曲して形成されている。また、この支保部材16aの端部には、装飾部材16bが連設されており、この装飾部材16bは、上皿16の側面側(図2左側)を装飾しつつ、パチンコ機1の外観を形成している。
【0023】
上皿16の断面構造は、上記した上皿導出通路19と同様に、表層部を形成するスキン層20と、そのスキン層20に挟持されつつ中間層を形成するコア層21とから構成されている。スキン層20は、未使用樹脂成形材料(バージンペレット)を原料として構成され、コア層21は、使用済み遊技機から回収した樹脂構成部材を再利用した再生樹脂成形材料(再生ペレット)を原料として構成されている。
【0024】
よって、上皿16の支保部材16aは、図2に示すように、強度に劣るコア層21が積層されず、未使用樹脂成形材料からなるスキン層20のみから単層構造に構成されている。従って、支保部材16は、十分な強度(剛性)を得ることができるので、上皿導出通路19から流下する遊技球の衝突に対しても破損することなく受け止めることができ、その結果、遊技球を発射装置へ確実に移送することができ、また、貯溜することができる。
【0025】
このように、上皿16及び上皿導出通路19は、強度や色つやに劣るが材料コストの安価な再生樹脂成形材料をコア層として使用することにより、パチンコ機1の外観が損なわれることを防止しつつ、材料コストを低減して、その分、パチンコ機1全体としての材料コストを低減することができるのである。また、強度が必要とされる箇所には、かかるコア層を積層せず単層構造とすることで、遊技球の移送経路として必要な強度を十分に担保することができるのである。
【0026】
よって、樹脂構成部材の強度と装飾性とを確保しつつ、再利用された再生樹脂成形材料を使用することができるので、産業廃棄物としての廃棄量を低減することができ、資源の有効活用の観点からも価値が高いものとなる。
【0027】
次に、パチンコ機1の裏面側に配設される樹脂構成部材について、図3を参照して説明する。図3は、機構板33の裏面図である。なお、図3では、遊技球を搬送するために機構板33の前面側(図3紙面奥側)に設けられる各通路を破線を用いて図示すると共に、機構板33の裏面側(図3紙面手前側)に取着される各種基板ボックス等を省略して図示している。
【0028】
機構板33は、パチンコ機1の前面枠2および遊技盤5の裏面側に取着されてその対向面間に遊技球の移送経路を形成すると共に、賞球の払い出しを行う賞球払出装置38や制御回路基板を収容する各種の基板ボックス等を搭載するための部品である。この機構板33は、中央部に略矩形状の開口33bが貫通形成された平板状に形成されており、右側側端部に配設されたヒンジピン33a,33aによって、前面枠2の裏面側に開閉可能に支持されている。
【0029】
機構板33の裏面上方部(図3上側)には、台管理装置(図示せず)から供給される遊技球が一旦貯留される球タンク35が配設されている。この球タンク35の下方には球タンクレール36が連設され、更に、球タンクレール36の側方(図3右側)にはケースレール37が連設されている。これら球タンクレール36及びケースレール37は、球タンク35に供給された遊技球を賞球払出装置38及び貸球払出装置39へ誘導するための部材であり、ケースレール37の下流側端部に賞球払出装置38及び貸球払出装置39の上部が連設されている。
【0030】
賞球払出装置38及び貸球払出装置39の下方には、払出経路ユニット80が連設されており、賞球払出装置38等により払い出された遊技球は、払出経路ユニット80を介して上皿16又は下皿17へ移送される。
【0031】
賞球払出装置38の右側部分には、球タンク35に貯留される遊技球を排出するための連結通路37aが設けられており、この連結通路37aは、払出経路ユニット80の右側部分に設けられた第2連結通路80aと連通されている。球タンク35から排出された遊技球は、連結通路37aおよび第2連結通路80aを通過してパチンコ機1の外へ移送される。
【0032】
連結通路37aは遊技球3個分の奥行きに形成される一方、第2連結通路80aは遊技球2個分の奥行きに形成されているため、連結通路37aと第2連結通路80aとの連結部に段差が生じてしまい球詰まりが発生する危険がある。そこで、この連結部を遊技球の外径略1個分の傾斜を有する傾斜部材87により連結することにより、遊技球が円滑に通過できるようにされている。また、ケースレール37及び払出ユニット80は、カーボンを配合した樹脂により成形されるため不透明な黒色を有し、内部を視認できないが、この傾斜部材87は、通路内部を視認可能とするために透明な樹脂材料により成形されているので、球詰まりの発生を容易に確認することができる。
【0033】
また、機構板33の下方部(図3下側)には、入賞球およびアウト球を収集し所定の箇所へ誘導する収集通路75や遊技球を下皿17へ移送する下皿導出通路77等が形成されている。これら各通路75,77等は前面側(図3紙面奥側)が開放して形成されており、その開放面側をパチンコ機1の前面枠2および遊技盤5の裏面側に当接することにより、遊技球の通路となる閉じた空間が形成される。また、例えば、収集通路75は、流下する入賞球およびアウト球を受け止める球受け板73,74を備えており、この球受け板73,74に受け止められた遊技球は、収集通路75に集められ一括して移送される。
【0034】
図4は、図3のIV−IV線における断面図であり、球タンク35の横断面を示している。なお、図中の矢印は、遊技球の流下方向を示している。球タンク35は、例えばABS樹脂材料を材質として上方(図4上側)が開放した箱状に成形されており、その内部に一定量の遊技球の貯留が可能となっている。また、球タンク35の下流側(図4紙面奥側)には、球タンクレール36(図3参照)と連通する開口が設けられており、球タンク35に貯留される遊技球は、その開口から球タンクレール36へ流下する。
【0035】
球タンク35は、図4に示すように、底部材35aと、その底部材35aの両端部から立設する側壁部材35bとから箱状に形成されている。台管理装置から流下した遊技球は、底部材35aに受け止められ、その後、底部材35a上を転動しつつ上述した開口から球タンクレール36へ流下する。そのため、球タンク35の底部材35aは、比較的強度が必要とされる一方で、球タンク35自体は、遊技中の遊技者の目に触れることがない部品であり、装飾性は特に必要とされていない。
【0036】
従って、球タンク35の断面構造は、球タンク35全体(スキン層20)を色つやは劣るが材料コストに優れる再生樹脂成形材料を原料として構成しつつ、強度の必要とされる箇所には、優れた強度を有する未使用樹脂成形材料を原料とするコア層を積層して、必要な強度を担保するよう構成されている。即ち、側壁部材35bの断面構造は、スキン層20から単層構造とされているのに対して、底部材35aの断面構造は、表層部を形成するスキン層20と、そのスキン層20に挟持されつつ中間層を形成するコア層21とから3層構造とされている。
【0037】
その結果、3層構造となった球タンク35の底部材35aは、十分な強度(剛性)を得ることができ、台管理装置から流下された遊技球を破損することなく受け止めることができる。その結果、球タンク35は、遊技球を球タンクレール36へ確実に移送することができ、遊技球移送経路としての機能を発揮することができるのである。
【0038】
図5は、図3のV−V線における断面図であり、機構板33の横断面を示している。なお、図5では、機構板33の一部を省略して図示している。また、図5において、2点鎖線はパチンコ機1の前面枠2及び遊技盤5の裏面を表しており、矢印は遊技球の流下方向を示している。
【0039】
機構板33は、図5に示すように、その前面側(図5右側)が前面枠2及び遊技盤5の裏面側に当接された状態でパチンコ機1に支持されており、前面枠2等との対向面間に遊技球の通路となる閉じた空間が形成されている。この通路を流下する遊技球は、機構板33の前面側から前面枠2に向かって延設された球受け板73により受け止められ、その後、球受け板73上を転動しつつ収集通路75に集められる(図3参照)。そのため、機構板33の球受け板73は、比較的強度が必要とされる一方で、機構板自体は、遊技中の遊技者の目に触れることがない部品であり、装飾性は特に必要とされていない。
【0040】
従って、機構板33の断面構造は、上述した球タンク35の場合と同様に、機構板33全体(スキン層20)が色つやは劣るが材料コストに優れる再生樹脂成形材料を原料として構成され、更に、強度が必要とされる箇所には、優れた強度を有する未使用樹脂成形材料を原料とするコア層21を積層して3層構造とする。その結果、3層構造となった機構板33の球受け板73は、十分な強度(剛性)を得ることができるので、流下された遊技球を破損等することなく受け止めることができる。よって、機構板33は、遊技球を球収集通路75へ確実に移送することができ、遊技球移送経路としての機能を発揮することができるのである。
【0041】
このように、球タンク35及び機構板33は、材料コストの安価な再生樹脂成形材料を部材全体(スキン層21)に使用する。よって、樹脂構成部材の材料コストを低減し、その分、パチンコ機1全体としての材料コストを低減する。更に、球タンク35及び機構板33は、高価であるが強度に優れる未使用樹脂成形材料からなるコア層を強度が必要とされる箇所にのみ中間層として積層するので、材料コストの増加を抑えつつ、遊技球の移送経路として必要な強度を担保することができるのである。また、再生樹脂成形材料を使用することにより、産業廃棄物としての廃棄量を低減することもできるので、資源の有効活用の観点からも価値が高いものとなる。
【0042】
図6は、図3のVI−VI線における断面図であり、ケースレール37に覆設される傾斜部材87の横断面を示している。なお、図中の2点鎖線は、機構板33の裏面側を表している。傾斜部材87は、図6に示すように、断面コ字状に形成されつつケースレール37の連結通路37a上に覆設されており、これら連結通路37aと傾斜部材87との間に形成される内部空間内が遊技球の通路とされている。
【0043】
この傾斜部材87は、上述したように、球詰まりが発生する危険のある箇所に配設されており、透明な光透過性樹脂から構成されている。よって、ホールの店員等は、かかる傾斜部材87を介して連結通路37a上に球詰まりが発生しているか否かを目視により確認することができるのである。しかし、この傾斜部材87は、図6に示すように、賞球払出装置38に隣接して設けられているため、賞球払出装置38側(図6左側)に位置する側壁部87aを透明な光透過性樹脂で構成する必然性に欠ける。そこで、本実施例では、かかる側壁部87に再生樹脂成形材料からなるコア層21を中間層として積層し3層構造としている。即ち、傾斜部材87の断面構造は、目視による球詰まりを可能とするために傾斜部材87全体(スキン層20)を透明な光透過性樹脂材料から構成しつつ、その必要がない箇所、即ち、他の部材の陰となるような箇所には、材料コストに優れる再生樹脂成形材料を原料とするコア層21を積層し3層構造とするのである。
【0044】
その結果、傾斜部材87は、球詰まりの確認が目視により可能という機能を保持しつつ、材料コストの安価な再生樹脂成形材料を使用することができる。よって、傾斜部材87の材料コストを低減することができ、その分、パチンコ機1全体としての材料コストを低減することができるのである。また、再利用された再生樹脂成形材料を使用することにより、産業廃棄物としての廃棄量を低減し、資源の有効活用の観点からも価値が高いものとなる。
【0045】
次に、上述のように構成される樹脂構成部材の成形方法について、図7を参照して説明する。本発明の樹脂構成部材は、周知の射出成形方法であるコ・インジェクション法(サンドイッチ法)によって、スキン層とコア層とからなる3層構造箇所および単層構造箇所を有した状態に射出成形される。
【0046】
図7(a)は、サンドイッチ射出成形装置の正面図であり、図7(b)は、サンドイッチ射出成形装置により成形された樹脂構成部材の断面図である。なお、図7(a)では、理解を容易とする為に金型97を断面視して図示している。
【0047】
サンドイッチ射出装置90(以下、射出装置90と称す。)は、メインシリンダ91を備えており、このメインシリンダ91の内部は、スキン層20とコア層21とを形成するために二重構造に構成されている。また、射出装置90は、ヒータ(図示せず)を備えており、樹脂成形材料は、このヒータによって加熱され溶融状態で金型に射出される。
【0048】
メインシリンダ91の先端には特殊ノズル92が取着されており、この特殊ノズル92によって、二重構造とされる溶融樹脂通路の開閉量が調整可能とされている。溶融樹脂通路の開閉量は、後端のシリンダ93に内蔵されるピストン(図示せず)の前後方向への稼働によって調整される。
【0049】
メインシリンダ91の両側(図7(a)左右側)には、第1のサブシリンダ94及び第2のサブシリンダ95が配設されている。この両サブシリンダ94,95には、ヒータと混練用のスクリューとが内蔵されており(図示せず)、樹脂成形材料を溶融させつつ混練する。また、両サブシリンダ94,95は、通路96を介してメインシリンダ91の溶融樹脂通路に接続されており、メインシリンダ91の先端に設けられた特殊ノズル92は、金型97に連通されている。
【0050】
第1のサブシリンダ94側には、スキン層20を形成するための原料としてのペレット(例えば、未使用樹脂成形材料を主体とするもの)がホッパ98から投入される。一方、第2のサブシリンダ95側には、コア層21を形成するための原料としてのペレット(例えば、使用済み樹脂成形材料を主体とするもの)がホッパ98から投入される。投入された原料(ペレット)は、各サブシリンダ94,95内で混練されつつメインシリンダ91内へ搬送される。
【0051】
第1のサブシリンダ94から搬送された溶融樹脂は、メインシリンダ91内において二重構造の外側に導かれる一方、第2のサブシリンダ95から搬送された溶融樹脂は、メインシリンダ91内において二重構造の中心側に導かれる。そして、各溶融樹脂を金型97のキャビティ97a内に射出し、スキン層20及びコア層21を成形する。この場合、溶融樹脂通路の開閉量、射出圧力或いは射出時間等を溶融樹脂通路の各通路毎に調整しつつ射出することにより、単層構造箇所および3層構造箇所が金型97のキャビティ97a内に形成される。
【0052】
その後、金型97は、キャビティ97a内に射出された溶融樹脂が硬化するまで保持される。硬化後、金型97が離型され成形品98が取り出されると、その成型品98には、図7(b)に示しように、単層構造箇所と3層構造箇所とが構成されるのである。なお、図7(a)では、金型97の略中央部に1つのゲートが設けられているが、ゲートの位置や配設数は、キャビティ97aの形状等を考慮して、適宜変更することが可能である。
【0053】
ここで、上記実施例おいて、樹脂成形材料の構成については、その説明を省略したが、樹脂成形材料としては広く熱可塑性樹脂を使用することができる。特に、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、酢酸ビニル等を使用することが好ましい。
【0054】
これらは、単体で用いられることもあればポリマーブレンドやポリマーアロイとして組み合わせて用いることもある。組み合わせとしては、例えば、ABS樹脂とポリアミド、ABS樹脂とポリカーボネート、ポリカーボネートとポリエステル等が挙げられる。但し、これら以外でもブレンド或いはアロイ化することができ、例えば、ゴムをブレンドしても良い。このようにブレンド或いはアロイ化することにより樹脂の性質を補うことができ、対衝撃性が向上したり、寸法安定性が向上したりすることが期待できる。
【0055】
また、スキン層20とコア層21とに使用する原料は、相溶性にあまり問題がなければ、異なる原料を使用することもできる。例えば、ABS樹脂とポリカーボネートは相溶性が良いため、スキン層20に未使用樹脂成形材料としてABS樹脂を使用し、コア相21に使用済み樹脂成形材料としてポリカーボネート或いはポリカーボネートを含むABS樹脂を使用することも可能である。
【0056】
但し、基本的には同じものを使用することが好ましい。例えば、スキン層20をABS樹脂で構成するのであれば、コア層21もABS樹脂で構成することが好ましい。このようにスキン層20とコア層21とを同一原料から構成することにより、各層間の相溶性の問題を低減することができる。
【0057】
また、樹脂構成部材のスキン層20とコア層21とが同一原料からなるものであれば、使用済み樹脂構成部材全体をそのまま再利用することができる。この場合には、所定の樹脂構成部材(例えば、球タンク)は、必ず特定メーカの特定樹脂構成部材(例えば、球タンク)を使用して成形するように規定する。その結果、樹脂構成部材の材質(品質)を一定に保ちつつ、使用済み樹脂構成部材を完全に再利用(リサイクル)することができる。
【0058】
使用済み樹脂構成部材への未使用樹脂成形材料の配合割合は、特に限定されるわけではなく、産業廃棄物の低減、資源の有効活用を図るとの趣旨を鑑みて、使用済み樹脂構成部材単体で原料として使用することが好ましい。但し、再利用を繰り返されることにより強度が著しく劣ってきた場合には、未使用樹脂成形材料を配合する。特に強度や色つや等が要求される場合には、未使用樹脂成形材料を50重量パーセント以上配合することが好ましく、より好ましくは80重量パーセント以上を配合することが好ましい。なお、スキン層20とコア層21との厚みの比率は特に限定されない。
【0059】
使用済み樹脂成形材料は、既にこの発明の実施の結果としての使用済み樹脂構成部材を原料として用いても良く、それ以外の樹脂構成部材を原料として用いても良い。更に、前者の使用済み樹脂構成部材に後者の使用済み樹脂構成部材が一部混入されていても良い。また、この発明の実施の結果としての使用済み樹脂構成部材は、部材全体を一の原料として再利用しても良く、或いは、単層構造箇所と3層構造箇所とを分離して別々の原料として再利用しても良い。
【0060】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0061】
例えば、本実施例では、樹脂構成部材が第1、第2の樹脂構成材料から3層構造に形成される場合を説明したが、4層或いは5層以上の複層構造に形成しても良く、かかる場合には、3種類以上の樹脂構成部材を使用しても良い。また、本実施例では、樹脂構成部材の強度が必要な箇所、即ち、樹脂構成部材の断面構造を3層構造(或いは、単層構造)に構成する箇所として遊技球が流下等する箇所を用いて説明したが、他の箇所に適用しても良い。一例としては、ねじが螺合される箇所が挙げられる。図8を参照して説明する。
【0062】
樹脂構成部材101は、図8に示すように、その露出面側(図8右側)が部材102により覆われる部材であるため、装飾性が比較的要求されない。そのため、強度や色つやに劣るが材料コストに優れる再生樹脂成形材料(スキン層20)から構成されている。しかし、樹脂構成部材101には、部材102がねじ103によって螺着されるため、かかる樹脂構成部材101に螺刻された雌ねじ部がねじ103との螺合により破損等するおそれがある。そこで、強度や耐摩耗性等に優れる未使用樹脂成形材料からなるコア層21をかかる雌ねじ部に積層する。その結果、ねじ103を雌ねじ部に強固に螺合させることができ、部材102を樹脂構成部材101に確実に螺着することができるのである。特に、ねじ自身でねじ立てするタッピンねじによりねじ103が構成される場合にかかる効果が発揮される。
【0063】
また、樹脂構成部材の表面に、その樹脂構成部材の3層構造に形成される箇所と単層構造に形成される箇所との境界を示す表示部を予め設けておいても良い。例えば、回収した使用済み樹脂構成部材を粉砕し、再生樹脂成形材料として再利用する場合には、かかる使用済み樹脂構成部材の材質や品質等を分類することが望ましい。例えば、同材質の樹脂であっても、再生回数毎に原料を分類することにより、再生された再生樹脂成形材料の品質を精度良く管理することができ、その商品価値も向上する。
【0064】
従って、本発明の樹脂構成部材において、例えば、スキン層には未使用樹脂成形材料が使用され、コア層には再生樹脂成形材料が使用されている場合には、3層構造箇所と単層構造箇所との境界を示す表示部に沿ってかかる樹脂構成部材を切断することにより、少なくとも単層構造箇所を構成する未使用樹脂成形材料を再生樹脂成形材料から分離して回収することができ、再生原料の品質管理を精度良く行うことができるのである。
【0065】
また、本実施例では、1の樹脂構成部材に対して1箇所にのみ3層構造箇所が形成される場合を説明したが、特にこれに限定されるものではなく、2又は3箇所以上に3層構造箇所を互いに独立した状態に設けても良い。
【0066】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0067】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0068】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0069】
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記第1の樹脂成形材料は未使用樹脂成形材料あるいは再生樹脂成形材料を主体とすると共に、第2の樹脂成形材料は、再生樹脂成形材料を主体とするものであり、前記第1の樹脂成形材料が主体とする再生樹脂成形材料は、前記第2の樹脂成形材料が主体とする再生樹脂成形材料よりも優れた特性を備えたものであることを特徴とする遊技機1。なお、「優れた特性」とは、機械的強度や色つや等が、対比される再生樹脂成形材料よりも優れており、未使用樹脂成形材料の機械的強度や色つや等により近いことを意味している。具体的には、原料の再生回数や原料のバージンペレットと再生ペレットとの混合割合等により決定され、例えば、原料の再生回数が少ないほど、又は、原料のバージンペレットの混合割合が多いほど「優れた特性」を有する再生樹脂成形材料となる。
【0070】
遊技機1において、前記第1の樹脂成形材料は未使用樹脂成形材料を主体とすると共に、前記第2の樹脂成形材料は再生樹脂成形材料を主体とするものであることを特徴とする遊技機2。
【0071】
遊技機1及び2によれば、強度や色つやに劣る再生樹脂成形材料を主体とした第2の樹脂成形材料からなる層(コア層)は、その第2の樹脂成形材料よりも強度や色つやに優れた再生樹脂成形材料または未使用樹脂成形材料を主体とした第1の樹脂成形材料からなる層(スキン層)によって覆われている(3層構造とされている)ので、かかる3層構造とされる箇所の強度を維持しつつ装飾性に優れた樹脂構成部材を得ることができるという効果がある。
【0072】
更に、この樹脂構成部材は、第1の樹脂成形材料から単層構造に構成される箇所を備えている。この単層構造箇所は、3層構造箇所よりもより強度に優れているので、樹脂構成部材として強度が要求される箇所には、かかる単層構造を配置し、比較的強度が要求されない箇所には、3層構造を配置することができる。よって、強度に劣る再生樹脂成形材料を使用しつつ樹脂構成部材全体としての強度を確保することができるという効果がある。
【0073】
このように、樹脂構成部材の特定の箇所のみを3層構造とし他の箇所を単層構造とすることによって、樹脂構成部材の強度と装飾性とを確保しつつ、再利用された再生樹脂成形材料を樹脂構成部材に使用することができる。その結果、再生樹脂成形材料の使用により産業廃棄物としての廃棄量を低減することができるという効果があり、資源の有効活用の観点からも価値が高いものとなる。また、一般に再生樹脂成形材料は材料コストに優れるため、樹脂構成部材の材料コストを低減して、その分、遊技機全体としての材料コストを低減することができるという効果がある。
【0074】
遊技機1または2において、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を構成する部材であり、その移送経路における遊技球が転動する箇所は、第1の樹脂成形材料から単層構造に形成されると共に、前記移送経路における他の箇所は、表層部を第1の樹脂成形材料で形成するスキン層と、そのスキン層に挟持されつつ中間部を第2の樹脂成形材料で形成するコア層とにより3層構造とされていることを特徴とする遊技機3。
【0075】
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を構成する部材であり、その移送経路において上流から流下した遊技球が衝突する箇所は、第1の樹脂成形材料から単層構造に形成されると共に、前記移送経路における他の箇所は、表層部を第1の樹脂成形材料で形成するスキン層と、そのスキン層に挟持されつつ中間部を第2の樹脂成形材料で形成するコア層とにより3層構造とされていることを特徴とする遊技機4。
【0076】
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を構成する部材であり、その移送経路に貯溜された遊技球を支保する箇所は、第1の樹脂成形材料から単層構造に形成されると共に、前記移送経路における他の箇所は、表層部を第1の樹脂成形材料で形成するスキン層と、そのスキン層に挟持されつつ中間部を第2の樹脂成形材料で形成するコア層とにより3層構造とされていることを特徴とする遊技機5。
【0077】
遊技機3から5によれば、強度や色つやに劣る第2の樹脂成形材料から形成されるコア層は、より強度や色つやに優れた第1の樹脂成形材料から形成されるスキン層によって挟持されている(3層構造とされている)ので、かかる3層構造とされる箇所の強度を維持しつつ装飾性に優れた樹脂構成部材を得ることができるという効果がある。よって、かかる樹脂構成部材を上皿等に使用しても、遊技機の外観を損ねることを防止することができる。
【0078】
更に、この樹脂構成部材は、遊技球移送経路としての強度が要求される箇所、即ち、遊技球が転動する箇所等がコア層のない単層構造とされている。よって、かかる樹脂構成部材は、強度に劣る再生樹脂成形材料をコア層に使用する箇所を設けつつも、遊技球移送経路として必要な強度を確保することができ、遊技球移送部材としての機能を発揮することができるという効果がある。その結果、再生樹脂成形材料の使用により産業廃棄物の廃棄量を低減することができ、また、樹脂構成部材の材料コストを低減して、その分、遊技機全体としての材料コストを低減することができるという効果がある。
【0079】
なお、遊技機3から5において、樹脂構成部材は、遊技球が転動、衝突する可能性のある箇所、或いは貯溜された遊技球を支保する箇所の全てが単層構造に形成されている必要はない。少なくとも転動する箇所等の一部が単層構造に形成されていれば良く、また、遊技球が転動しない箇所等をも含めて単層構造に形成されていても良い。
【0080】
請求項1記載の遊技機において、前記第1の樹脂成形材料は再生樹脂成形材料を主体とすると共に、第2の樹脂成形材料は、未使用樹脂成形材料あるいは再生樹脂成形材料を主体とするものであり、前記第2の樹脂成形材料が主体とする再生樹脂成形材料は、前記第1の樹脂成形材料が主体とする再生樹脂成形材料よりも優れた特性を備えたものであることを特徴とする遊技機6。なお、「優れた特性」とは、上記遊技機2においてした説明と同様の意である。
【0081】
遊技機6において、前記第1の樹脂成形材料は再生樹脂成形材料を主体とすると共に、前記第2の樹脂成形材料は未使用樹脂成形材料を主体とするものであることを特徴とする遊技機7。
【0082】
遊技機6及び7によれば、樹脂構成部材は、第1の樹脂成形材料から単層構造とされる箇所に加えて、その第1の樹脂成形材料の間(中間層)に強度等に優れる第2の樹脂成形材料を積層した3層構造箇所を備えている。この3層構造箇所は、第1の樹脂構成部材で構成される単層構造箇所よりもより強度に優れるので、樹脂構成部材として強度が要求される箇所には、かかる3層構造を配置し、比較的強度が要求されない箇所には、単層構造を配置することができる。よって、強度に劣る再生樹脂成形材料を使用しつつ樹脂構成部材全体としての強度を確保することができるという効果がある。
【0083】
更に、樹脂構成部材は、その特定箇所のみが3層構造とされているので、樹脂構成部材全体を3層構造とした場合と比較して第2の樹脂成形材料の使用量が抑制され、その結果、より材料コストに優れる再生樹脂成形材料の使用量を増加させることができる。よって、樹脂構成部材の材料コストを低減して、その分、遊技機全体としての材料コストを低減することができるという効果がある。また、再生樹脂成形材料の使用により産業廃棄物としての廃棄量を低減することができるという効果があり、資源の有効活用の観点からも価値が高いものとなる。
【0084】
遊技機6または7において、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を構成する部材であり、その移送経路における遊技球が転動する箇所は、表層部を第1の樹脂成形材料で形成するスキン層と、そのスキン層に挟持されつつ中間部を第2の樹脂成形材料で形成するコア層とにより3層構造とされると共に、前記移送経路における他の箇所は、第1の樹脂成形材料から単層構造に形成されていることを特徴とする遊技機8。
【0085】
遊技機6から8のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を構成する部材であり、その移送経路において上流から流下した遊技球が衝突する箇所は、表層部を第1の樹脂成形材料で形成するスキン層と、そのスキン層に挟持されつつ中間部を第2の樹脂成形材料で形成するコア層とにより3層構造とされると共に、前記移送経路における他の箇所は、第1の樹脂成形材料から単層構造に形成されていることを特徴とする遊技機9。
【0086】
遊技機6から9のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を構成する部材であり、その移送経路に貯溜された遊技球を支保する箇所は、表層部を第1の樹脂成形材料で形成するスキン層と、そのスキン層に挟持されつつ中間部を第2の樹脂成形材料で形成するコア層とにより3層構造とされると共に、前記移送経路における他の箇所は、第1の樹脂成形材料から単層構造に形成されていることを特徴とする遊技機10。
【0087】
遊技機8から10によれば、樹脂構成部材は、遊技球移送経路としての強度が要求される箇所、即ち、遊技球が転動する箇所等には、強度等に優れる第2の樹脂成形材料からなるコア層が積層され3層構造とされている。よって、かかる樹脂構成部材は、強度に劣る再生樹脂成形材料を全体に使用しつつも、遊技球移送経路として必要な箇所の強度は確保することができ、遊技球移送部材としての機能を発揮することができるという効果がある。その結果、再生樹脂成形材料の使用により産業廃棄物の廃棄量を低減することができ、また、樹脂構成部材の材料コストを低減して、その分、遊技機全体としての材料コストを低減することができるという効果がある。
【0088】
なお、遊技機8から10において、樹脂構成部材は、遊技球が転動、衝突する可能性のある箇所、或いは貯溜された遊技球を支保する箇所の全てが3層構造に形成されている必要はない。少なくとも転動する箇所等の一部が3層構造に形成されていれば良く、また、遊技球が転動しない箇所等をも含めて3層構造に形成されていても良い。
【0089】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、前記第1の樹脂成形材料および第2の樹脂成形材料は、いずれか一方が導電性樹脂を含む樹脂成形材料を主体としたものであると共に、他方が導電性樹脂を含まない樹脂成形材料を主体とするものであることを特徴とする遊技機11。
【0090】
遊技機11によれば、高価な導電性材料を樹脂構成部材全体に使用する必要がないので、樹脂構成部材の材料コストを低減して、その分、遊技機全体としての材料コストを低減することができるという効果がある。一方、導電性材料の添加により強度が劣る導電性樹脂を使用した場合でも、その導電性樹脂は非導電性樹脂と積層されるので、樹脂構成部材全体としての強度を確保することができるという効果がある。なお、導電性樹脂としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニルビニレン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンスルフィド、グラファイト、ポリエチレンオキシド等をドーピングしたものが例示される。また、樹脂自体に導電性があるものの他、カーボンや金属末を樹脂材料に添加したものであっても良い。
【0091】
請求項1記載の遊技機または遊技機1若しくは2において、前記第1の樹脂成形材料は、光透過性樹脂材料であることを特徴とする遊技機12。
【0092】
遊技機12において、前記樹脂構成部材は、遊技球を上流側から下流側へ移送する移送経路に覆設される覆設部材であると共に、前記第1の樹脂成形材料で単層構造に形成される箇所が、前記移送経路上を移送される遊技球が視認可能となるように配設されていることを特徴とする遊技機13。
【0093】
遊技機13によれば、第1の樹脂構成部材は光透過性樹脂材料であるので、移送経路における球詰まりを容易に発見できるという効果がある。また、コア層が不透明な再生樹脂により構成された場合でも、第1の樹脂成形材料で単層構造に形成される箇所は、移送経路上を移送される遊技球が視認可能となるように配設されているので、球詰まりの確認に支障をきたすことなく、再生樹脂成形材料を使用することができるという効果がある。なお、光透過性樹脂材料は、完全な透明である必要はなく、いわゆる半透明であっても良い。
【0094】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から13において、前記樹脂構成部材の表面には、前記第1の樹脂成形材料および第2の樹脂成形材料から3層構造に形成される箇所と、前記第1の樹脂成形材料から単層構造に形成される箇所との境界を示す表示部が凸設または凹設されていることを特徴とする遊技機14。遊技機14によれば、樹脂構成部材には、3層構造に形成される箇所と単層構造に形成される箇所との境界を表す表示部が表面に凸設または凹設されている。よって、かかる表示部に沿って樹脂構成部材を切断することにより、樹脂構成部材を3層構造箇所と単層構造箇所とに容易に分離することができるという効果があり、その結果、再生工程において再生樹脂成形材料の原料をより精度良く管理することができる。
【0095】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から14のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、他の樹脂構成部材または非樹脂構成部材と隣接する箇所を備えており、前記他の樹脂構成部材等と隣接する箇所を3層構造としたことを特徴とする遊技機15。なお、他の樹脂構成部材等に隣接する箇所とは、隣接する他の樹脂構成部材等によって遮られ、一見して視認することができない箇所をいう。よって、かかる箇所は、他の樹脂構成部材等に完全に密着している必要はなく、少なくとも近接していれば足りる趣旨である。
【0096】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から15のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、他の樹脂構成部材または非樹脂構成部材が覆設される箇所を備えており、前記他の樹脂構成部材等が覆設される箇所を3層構造としたことを特徴とする遊技機16。なお、他の樹脂構成部材等が覆設される箇所とは、覆設された他の樹脂構成部材等によって遮られ、一見して視認することができない箇所をいう。よって、かかる箇所は、他の樹脂構成部材等が完全に密着した状態に覆設されている必要はなく、少なくとも近接していれば足りる趣旨である。
【0097】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から16のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、少なくとも遊技中の遊技者が視認できない箇所を備えており、その遊技中の遊技者が視認できない箇所を3層構造としたことを特徴とする遊技機17。なお、遊技中の遊技者が視認できない箇所とは、一見して視認できない箇所の意であり、現実に視認できるか否かは問わない趣旨である。
【0098】
一般に、樹脂構成部材の製造、特に装飾性が重視される樹脂構成部材の製造では、コア層(第2の樹脂形成部材)がスキン層(第1の樹脂形成部材)表面に露出する等の射出不良を防止するために、試作時において十分な成形トライを繰り返した後、量産工程に移行する。しかし、量産時においては、大量生産であるが故に、射出条件等がばらつき射出不良が当然に発生する。この場合に、成形品を全数検査していたのでは、検査コストが増加し、その結果、遊技機のコストが増加してしまう。そこで、遊技機15から17では、射出不良が発生しても遊技機の外観を損なわない箇所に3層構造箇所を設けることにより、樹脂構成部材の検査コストを低減し得るのである。即ち、樹脂構成部材の3層構造箇所、即ち、コア層がスキン層表面に露出する射出不良が発生する可能性がある箇所は、例えば、他の樹脂構成部材等により遮られている、或いは、他の樹脂構成部材等が覆設されているので、仮にコア層がスキン層表面に露出する射出不良が発生した場合でも、例えば、遊技中の遊技者に視認されることがなく、遊技機の外観が損なわれることを防止することができるのである。
【0099】
また、上述した遊技機15から17において示した箇所、即ち、他の樹脂構成部材等と隣接する箇所、他の樹脂構成部材等が覆設される箇所、或いは、少なくとも遊技中の遊技者が視認できない箇所に、ゲートを設けるようにしても良い。
【0100】
ゲートの配設位置は、成形材料の流動性(充填性)に関係し、成形品の寸法精度、強度あるいは成形サイクルに大きく起因する重要な要素である。そのため、ゲートを配設し得る位置は、1の樹脂構成部材に対してより広範囲に設定できることが、最適なゲート位置を得る上で好ましい。しかし、ゲートが配設される位置は、ゲート跡が成形品表面に残るため、樹脂構成部材(遊技機)の外観が損なわれる。特に、3層構造を形成する場合には、コア層とスキン層とで樹脂成形材料の色彩が異なるため、ゲート跡により外観が損なわれやすい。そのため、より最適なゲート位置の選択範囲が限定されがちである。そこで、上述した箇所にゲートを配設することにより、その分だけ選択範囲が広がるので、より最適な位置にゲートを配設することができるのである。
【0101】
なお、ゲートとは、ノズルから射出される樹脂成形材料を金型のキャビティ内へ導くための流路となる部位(いわゆる、注入口)である。このゲートは、1の樹脂構成部材に対して2以上設けられていても良い。また、ゲート形状は、特に限定されるものではなく、ディスクタイプやオーバーラップタイプ、或いは、タブタイプ等が例示される。
【0102】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から17のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材の3層構造とされる箇所(重点箇所)においては、かかる重点箇所に対するコア層(第2の樹脂成形材料)の配分割合が、重点箇所全体の50%以上の割合とされる一方、前記重点箇所に対するスキン層(第1の樹脂成形材料)の配分割合が、前記コア層(第2の樹脂成形材料)の配分割合に対応して、重点箇所全体の50%以下の割合とされていることを特徴とする遊技機18。なお、スキン層とコア層(第1および第2の樹脂成形材料)との配分割合としては、成形前の各樹脂成形材料の重量割合や体積割合、或いは、成形後の樹脂構成部材に占める各層の重量割合、体積割合が例示される。
【0103】
遊技機18によれば、3層構造とされる箇所においては、コア層が少なくとも50%以上の割合で配分されている。よって、例えば、コア層に強度に優れる未使用樹脂成形材料を使用した場合には、かかる3層構造箇所の強度(剛性)を補強するという効果を十分に得ることができ、また、例えば、コア層に再生樹脂成形材料を使用した場合には、十分な量の再生樹脂成形材料が再利用され、その結果、資源をより有効に活用することができるのである。なお、コア層の配分割合は、上述した効果をより顕著なものとするために、重点箇所全体の70%以上とすることがより好ましい。
【0104】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から18のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材に対するスキン層(第1の樹脂成形材料)の配分割合は、前記樹脂構成部材全体の70%以上の割合とされ、前記樹脂構成部材に対するコア層(第2の樹脂成形材料)の配分割合は、前記スキン層(第1の樹脂成形材料)の配分割合に対応して前記樹脂構成部材全体の30%以下の割合とされていることを特徴とする遊技機19。
【0105】
遊技機19によれば、スキン層(第1の樹脂成形材料)に挟持されるコア層(第2の樹脂形成部材)は、樹脂構成部材全体の30%以下とされているので、一般的な射出成形条件を用いて樹脂構成部材を3層構造に成形することができる。よって、無理な射出成形条件(例えば、過高圧の射出圧力や過高速の射出速度など)を用いた射出成形に伴い発生する射出成形不良、例えば、コア層(第2の樹脂形成部材)がスキン層(第1の樹脂形成部材)表面に露出する等の不具合を未然に防止することができ、品質に優れる樹脂構成部材を得ることができるのである。また、例えば、射出圧力の高圧化に伴い射出成形機を大型化する必要がないので、樹脂構成部材の製造コストを低減することができ、その結果、遊技機全体の製造コストを低減することができるのである。
【0106】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から19のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、平板状に形成される箇所を備えており、その平板状に形成される箇所を3層構造としたことを特徴とする遊技機20。遊技機20によれば、樹脂構成部材は、平板状に形成される箇所を3層構造としている。射出成型時において、樹脂構成部材の平板状に形成される箇所は、金型のキャビティ内に射出された溶融樹脂の流動配向が一定し、安定した流動性を確保することができる箇所である。よって、例えば、コア層(第2の樹脂形成部材)がスキン層(第1の樹脂形成部材)表面に露出する等の射出成型不良を未然に防止しつつ、優れた品質の樹脂構成部材を得ることができるのである。
【0107】
なお、平板状に形成される箇所とは、板厚に対して十分広い表面積を有する箇所をいい、少なくともその平板状箇所の平板部表面積が樹脂構成部材全体の総表面積に対して10%以上を有することが好ましく、樹脂構成部材の総表面積に対して20%以上を有することがより好ましい。よって、かかる平板状に形成される箇所は、例えば、リブや突条突起あるいは穿穴が設けられる箇所等の比較的複雑な形状を有する箇所が除外される趣旨である。また、平板状は、完全な平板、即ち、完全に水平な外形を有している必要はなく、十分大きな曲率半径(例えば、肉厚と同程度以上の曲率半径)で湾曲した状態(反った状態)に形成されていても良い。
【0108】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から20のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材は、肉厚の変動幅が所定の条件を満たす箇所を備えており、その肉厚変動幅が所定の条件を満たす箇所を3層構造としたことを特徴とする遊技機21。なお、肉厚の変動幅が所定の条件を満たす箇所とは、一定の領域内における最大の肉厚が最小の肉厚の2.5倍以下とされている領域をいう。
【0109】
遊技機21によれば、樹脂構成部材は、肉厚の変動幅が所定の条件を満たす箇所を3層構造としている。かかる箇所は、射出成型時において、金型のキャビティ内に射出された溶融樹脂の流動配向が一定し、安定した流動性を確保することができる箇所である。よって、例えば、コア層(第2の樹脂形成部材)がスキン層(第1の樹脂形成部材)表面に露出する等の射出成型不良を未然に防止しつつ、優れた品質の樹脂構成部材を得ることができるのである。なお、上述した遊技機20および遊技機21において、樹脂構成部材は、平板状に形成される箇所または肉厚の変動幅が所定の条件を満たす箇所の全てが3層構造に形成されている必要はなく、その一部のみが3層構造とされていても良い。また、かかる箇所のみでなく、他の箇所も同時に3層構造とされていても良い。
【0110】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から21のいずれかにおいて、前記樹脂構成部材において3層構造とされる箇所は、1の樹脂構成部材に対して2箇所以上に点在して設けられていることを特徴とする遊技機22。樹脂構成部材において、例えば、リブ等が配設される箇所は、比較的複雑な形状を有するため、ボイドの発生や充填不足による形状不良などの成形不良が発生し易い。しかし、遊技機22によれば、3層構造とされる箇所は2箇所以上に点在して設けられているので、例えば、上記のように複雑な形状を有する箇所を避けつつ、必要な箇所のみを3層構造とすることができるので、成形不良の発生を未然に防止して、品質に優れる樹脂構成部材を得ることができるのである。
【0111】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から22において、前記樹脂構成部材は、その樹脂構成部材を識別する識別情報を保持する識別情報保持手段を備えていることを特徴とする遊技機23。なお、識別情報としては、例えば、使用する樹脂成形材料の材質、コア層とスキン層との(第1の樹脂成形材料と第2の樹脂成形材料との)混合割合(重量割合や体積割合等)、各樹脂成形材料の再生回数や原料の組成、或いは、コア層の配設箇所などが例示され、識別情報保持手段としては、例えば、シール、ICチップ、刻印、或いは、ペイントなどが例示される。また、識別情報保持手段は、各樹脂構成部材毎に設けても良く、各樹脂構成部材の識別情報を一括して一箇所に設けても良い。
【0112】
樹脂成形材料から成形される樹脂構成部材を備え、その樹脂構成部材と非樹脂成形材料から成形される非樹脂構成部材とによって組み立てられる遊技機において、前記樹脂構成部材は、特定の箇所が第1の樹脂成形材料で形成されると共に他の箇所が第2の樹脂成形材料で形成されていることを特徴とする遊技機24。
【0113】
このように、異なる樹脂成形材料を積層することなく使用して樹脂構成部材を構成しても良い。かかる遊技機24によれば、強度や色つやに劣る再生樹脂成形材料を使用しても、必要な強度を確保し、または、遊技機の外観を損なうことのない樹脂構成部材を得ることができるという効果がある。例えば、樹脂構成部材において強度や色つやの要求される箇所は、第1の樹脂成形材料を未使用樹脂成形材料を主体として構成し、比較的強度や色つやの要求されない箇所は、第2の樹脂成形材料を再生樹脂成形材料を主体として構成するのである。
【0114】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から24のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機25。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0115】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から24のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機26。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0116】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から24のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機27。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】 図1のII−II線における断面図である。
【図3】 機構板の裏面図である。
【図4】 図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】 図3のV−V線における断面図である。
【図6】 図3のVI−VI線における断面図である。
【図7】 (a)はサンドイッチ射出成形装置の正面図であり、(b)はサンドイッチ射出成形装置により成形された樹脂構成部材の断面図である。
【図8】 樹脂構成部材の断面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
20 スキン層
21 コア層
87 傾斜部材(通路形成部材)

Claims (2)

  1. 遊技球を上流側から下流側へ移送するための移送経路を形成する通路形成部材を備えた遊技機において、
    該通路形成部材は、
    光透過性樹脂材料によって表層部を形成するスキン層と、そのスキン層に挟まれる中間部を再生樹脂成形材料で形成するコア層とにより少なくとも3層構造とされる箇所と、
    前記光透過性樹脂材料により単層構造に形成される箇所とが設けられると共に、
    該単層構造に形成される箇所によって前記移送経路を通過する遊技球が視認可能となるように配設され、
    前記3層構造とされる箇所と、前記単層構造とされる箇所との境界を示す表示部が設けられていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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