JP4677783B2 - 車両用エアコン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用エアコン制御装置に関する。
従来より、エンジンと変速機との間にロックアップクラッチ付きトルクコンバータが設けられた車両が知られている。こうした車両では、所定条件下でエンジンと変速機とを直接接続するロックアップを実行することで、トルクコンバータでの流体すべりによる動力伝達効率の低下を抑制している。また、そうしたロックアップクラッチ付き車両において、車両減速時にロックアップ状態を保持すれば、駆動輪の回転が直接エンジンへと伝達されるので燃料を供給しなくてもエンジン回転が維持される。したがって、燃料カット領域を拡大して、燃費向上を図ることができる。特に、変速比を連続して変更することのできる無段変速機を備える車両では、ロックアップクラッチを作動させた状態で変速が可能なため、より長期間にわたって車両減速中のロックアップクラッチの作動を保持し、燃料カット領域を更に拡大することが可能である。
ところで、エアコン用コンプレッサはエンジンで駆動される。また、コンプレッサはON/OFF作動するので、減速中にコンプレッサが起動するとエンジンの負荷が急増し、これに起因してショックの発生するおそれがある。そこで、エアコン用コンプレッサの作動要求がなされると、ロックアップクラッチを解除してショックを回避することが考えられる。しかし、上記作動要求とともにロックアップ解除を指令しても、ロックアップクラッチには動作遅れがあるため、ロックアップが解除されないうちにコンプレッサが起動し、ショックの発生する可能性がある。特に、低速走行中は再加速しやすいように、変速比をロー側に設定しているので、上述のエアコン用コンプレッサの始動に伴うショックが大きく、そうしたショックの発生が運転者に違和感を与えるおそれがある。
そこで、特許文献1では車速が所定以下の低車速時には、エアコン用コンプレッサの作動指令に伴って、ロックアップクラッチの解除を指令し、ロックアップクラッチが完全に解除されてからエアコン用コンプレッサを作動させる。このようにすることによって、エアコン用コンプレッサの始動に伴うショックによる運転性の悪化を回避する。
特開2001−200927号公報
上述の特許文献1に開示されている制御装置は、ロックアップクラッチの解除後にエアコン用コンプレッサを作動させるため運転性を向上させることはできる。しかし、ロックアップクラッチを解除させないものではなく、また解除を遅らせるものでもないため、燃費はあまり向上していない。
エアコン用コンプレッサの作動タイミングを制御することにより、良好な運転性は維持しながら、ロックアップクラッチの解除を回避させる若しくは遅らせることによって、燃費を向上させる車両用エアコン制御装置を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、ロックアップクラッチ付変速装置(14)を備える車両に設けられ、エンジン(10)で駆動されるコンプレッサ(21)によって加圧される冷媒を用いて空気を冷却する車両用エアコンの制御装置(30)であって、ロックアップ中の冷房能力指標温度の目標値を車速車速が低下するほど低く設定する。
本発明によれば、エアコン用コンプレッサの作動状況を車速に応じて制御し、ロックアップクラッチを解除する低速域に至るまでに十分に車内を冷却する。これにより、エアコン用コンプレッサが再び作動するまでの時間を長くとることでき、ロックアップクラッチの解除が完了するまでの時間を確保することができる。したがって、低速域におけるエアコン用コンプレッサの作動により発生するショックで運転性が悪化することを防ぐことができる。また、ロックアップクラッチの解除速度をエアコンの作動状況にかかわらず、一定にすることができるのでロックアップする速度範囲を拡大することができ、燃費を向上させることができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による車両用エアコン制御装置の第1実施形態を示す図である。エンジン10の出力軸10aは、内部の作動流体を媒介してトルクの伝達を行うトルクコンバータ11を介して変速機14に接続され、さらにディファレンシャル16を介し駆動輪17に連結されている。
トルクコンバータ11は、エンジン出力を流体(オイル)を媒介して伝達する流体継ぎ手の一種である。トルクコンバータ11は、流体を媒介することによってエンジン出力軸10aの回転を適宜に調整して駆動輪17側へと伝達する。また、トルクコンバータ11は、ロックアップクラッチ12を備えている。ロックアップクラッチ12は、油圧制御回路19による油圧制御に基づき作動して、トルクコンバータ11に入力された動力を駆動輪17側に直接伝達している。
また、こうしたロックアップクラッチ12を備えるトルクコンバータ11の駆動輪17側は、車両後進時にエンジン10側から入力される回転の方向を反転する前進後進切替機構13に連結されている。その更に駆動輪17側には、変速を行うための変速機14に連結されている。
ロックアップクラッチ12は、その作動/解除によって、エンジン10と変速機14とを断続する。ロックアップクラッチ12が作動すると、トルクコンバータ11の流体(オイル)を媒介せずにエンジン10の動力を変速機14へ直接伝達する、いわゆる「ロックアップ」を実行する。ロックアップを実行することにより、トルクコンバータ11内での流体すべりによる動力伝達効率の低下を回避し、エンジン10の燃費向上を図ることができる。
変速機14は、変速比を連続して無段階に変更することのできる無段変速機である。この変速機14は、互いに巻掛けられたベルト14aによって駆動連結された駆動プーリ14bと従動プーリ14cとを備えている。それら駆動プーリ14b及び従動プーリ14cは、油圧によってベルト14aの挟み幅を変更する。そして、上記油圧制御回路19による油圧制御に基づいて、両プーリ14b、14cのベルト14aの挟み幅を変更し、ベルト14aの巻き掛け半径を調整することで、連続的に変速比を変更する。また、変速機14の出力側は、回転を減速して伝達する減速機構15に連結されている。
このようにして、エンジン10と駆動輪17との間では、ロックアップクラッチ12を備えるトルクコンバータ11や変速機14等を通じて動力伝達が行われる。
また、エンジン10の出力軸10aは、エアコンの冷媒を圧縮して空気を冷却するエアコン用コンプレッサ(コンプレッサ)21に連結されている。ここでは、エンジン10の出力軸10aの回転を、巻掛伝達機構20を介してコンプレッサ21に伝達する。コンプレッサ21は、エンジン出力軸10aとコンプレッサ21との駆動連結を電磁クラッチ22によって選択的に断続することによって、作動/停止が切り替えられる。
さらに、コンプレッサ21には、冷媒配管25によってエアコンコンデンサ23及びエバポレータ24が連結されている。そこで、低圧ガス状の冷媒がコンプレッサ21によって圧縮されて高温高圧のガスとなり、エアコンコンデンサ23で走行風やファンによって冷却されて液化され、高圧液状の冷媒がエバポレータ24で熱を奪ってガス状冷媒となる。この気化の際に熱を大量に奪って冷却を行い、再び低圧ガス状の冷媒となってコンプレッサ21に戻される。そして、空気ダクト38を通過する空気流をエバポレータ24に接触させ、温度を調整した冷風を車室内に送る。
次に、ロックアップクラッチ12や変速機14などの駆動伝達系の制御や、エンジン10の制御、コンプレッサ21の制御を行なう同車両の制御系の構成について説明する。
本実施形態の対象となる車両では、上記の制御系として役割を担う電子制御装置(ECU)30を備えている。このECU30は、燃料噴射制御や点火時期制御などのエンジン10を制御するエンジン用ECU、油圧制御回路19の作動制御に基づく変速機14やロックアップクラッチ12などの制御を行なう変速機用ECU、コンプレッサ21の作動/停止を行うなどのエアコン制御を行なうエアコン用ECUなどを含む電子回路群によって構成されている。
このECU30の入力ポートには、車両の走行速度(車速「V」)を検知する速度センサ33や、アクセルペダル35aの踏み込み量を検知するアクセルセンサ35をはじめとして、車両やエンジン10の運転状態を検知する各種センサの出力が入力される。また、その入力ポートには、エアコンの作動によって車内に送られる冷風の温度を検知する冷風温度センサ34の出力やその冷風により冷却される車内の温度(冷却空気温「T」)を検知する温度センサ36の出力も入力される。
一方、ECU30の出力ポートには、エンジン10によって制御される各種アクチュエータや、上記油圧制御回路19、コンプレッサ21などを駆動する各駆動回路などが接続される。そしてECU30は、上記各種センサの出力に基づき、燃料噴射などのエンジン10の運転制御、油圧制御回路19を駆動制御しての変速機14の変速制御やロックアップクラッチ12の作動制御なども実行する。さらに、ECU30はエアコン制御の一環として、上記コンプレッサ21の作動制御を実行する。
次に、車両減速時におけるECU30の制御について説明する。上述のように車両減速中にロックアップクラッチ12を作動させれば、駆動輪17からエンジン10側へと動力が直接伝達され、同エンジン10を稼動しなくてもその回転が維持される。そのため、こうした車両減速中の燃料カットの実施の際に、ロックアップクラッチ12を作動すれば、燃料カット領域を拡大して燃費向上を図ることができるようになる。特に、本実施形態のように無段変速機14を備える車両では、ロックアップクラッチ12を作動させたままでの変速が可能であるため、より長期間にわたって車両減速中のロックアップクラッチ12の作動を保持し、燃料カット領域をより拡大することが可能である。本実施形態では、アクセルペダル35aがオフであって車両が減速中の場合は、エンジン10の燃料カットを実施すると共にロックアップクラッチ12を作動して、燃料カット領域を拡大するようにしている。
一方、車両が減速されるにつれ、無段変速機14の変速比は再加速時の動力性能を確保するためにロー側に設定される。そのため、車両がある程度よりも低速度となってからもロックアップクラッチ12の作動を保持すると、多大なエンジンブレーキが作用して、運転者の意図するよりも急激に車両が減速される。そこで、ロックアップ解除速度V1を設定し、車速がその解除速度V1を下回れば、ロックアップを禁止してロックアップクラッチ12を解除し、運転性の悪化を防止している。このように車速V1以下の範囲がロックアップ禁止速度範囲であり、車速V1よりも高速の範囲がロックアップ許可速度範囲である。
続いて、本実施形態における車両用エアコン制御装置の制御を図2のフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU30によって所定時間毎(例えば10ミリ秒)に周期的に実行される。
本ルーチンの処理が実行されると、ステップS1では、ECU30は車速Vが速度V1から速度V0の範囲にあるか、エアコンが作動中であるか否か、ロックアップ中であるか否か、さらに車両が減速中であるか否かを判断する。なお、速度V0は、本実施形態の制御方法でエアコン制御を行う車速の上限値である。また、速度V1は上述したようにロックアップ解除速度であるが、本実施形態の制御方法でエアコン制御を行う車速の下限値でもある。
ここで、上記条件がすべて満たされていれば(ステップS1:YES)、続くステップS2の処理に移行する。また、いずれかひとつでも条件が満たされていなければ(ステップS1:NO)、処理をステップS7に移行する。ステップS7は、通常制御に移行するために、コンプレッサ始動温度TUを通常制御時の値TU0に設定する。また、車速Vが速度V1以下の場合は、ECU30によるロックアップクラッチ12の駆動伝達系の制御により、ロックアップクラッチ12を解除する(ステップS8→S9)。
ステップS2では、速度Vを引数とする関数TU(V)によってコンプレッサ始動温度TUが算出され、その結果が制御装置に設定される。
ステップS3では、冷却空気温Tがコンプレッサ始動温度TUよりも高く、コンプレッサ21が停止中であるか否かを判断し、条件が満たされれば処理をステップS4に移動する。ステップS3の条件がひとつでもを満たされない場合には(ステップ3:NO)、処理をステップS5に移動する。ステップS4では、コンプレッサ21を作動する。
ステップS5では、冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLよりも低く、エアコン用コンプレッサ21が作動中か否かを判断する。この条件をすべて満たしている場合には、ステップS6に処理を移動し、コンプレッサ21を停止する。
ここで、本発明の効果を一層明確にするために従来の車両用エアコン制御装置について説明する。図8は、従来の車両用エアコン制御装置の制御の一例を示すタイムチャートである。図8(a)は車速の推移を、図8(b)はコンプレッサ21の作動要求の推移を、図8(c)はコンプレッサ21の作動状態の推移を、図8(d)は冷却空気温Tの推移をそれぞれ示している。また、図8(e)はロックアップクラッチ12の解除指令の推移を、図8(f)はロックアップクラッチ12の作動状態の推移をそれぞれ示している。
図8(a)に示すとおり車速がV0以下で冷却空気温Tが基準温度TU0を上回り(図8(d)の時刻TMLU)、コンプレッサ21の作動要求がECU30からなされたときには(図8(b))、図8(e)に示すようにロックアップクラッチの解除指令がなされる。このロックアップクラッチの解除指令は、車速がV0以下であれば、ロックアップ許可速度範囲であってもなされる。また、図8(f)に示すように、ECU30から解除指令が出されても、ロックアップクラッチの解除が完了するまで時間(TMLU〜TMv1)を要する。ロックアップクラッチの解除中にコンプレッサ21を作動させると、前述のようにエンジン10に過大な負荷を与えるため、運転性の悪化を招くことになる。そこで、図8(c)に示すように、ロックアップクラッチの解除完了時刻TMLUを経過してからコンプレッサ21を作動させることにより、運転性の悪化を防いでいる。したがって、図8(d)に示すように、冷却空気温Tがコンプレッサ始動温度TUを超えても、ロックアップクラッチの解除が完了するまでコンプレッサ21は停止している。通常、ECU30は、冷却空気温Tがコンプレッサ始動温度TU以上となるとコンプレッサ21を作動させ、コンプレッサ停止温度TL以下となると停止させる。ここで、コンプレッサ始動温度TU及びコンプレッサ停止温度TLは、運転者に指定された設定温度T0によって定められる固定値(TU=TU0、TL=TL0)である。ECU30は、このようにして冷却空気温Tを所定の温度範囲(TL≦T≦TU)内に保持するようにコンプレッサ21を制御している。
したがって、従来の車両用エアコン制御装置では、車速がV0以下になるとコンプレッサ21の作動要求が出された時点でロックアップクラッチ12を解除するため、燃料カット領域を拡大した状態での走行を最大限に継続することができなかった。
次に、本発明について説明する。図3は、本実施形態の車両用エアコン制御装置における車両減速時の制御の一例を示すタイムチャートである。図3(a)は車速の推移を、図3(b)はコンプレッサ21の作動要求の推移を、図3(c)はコンプレッサ21の作動状態の推移を、図3(d)は冷却空気温Tの推移をそれぞれ示している。また、図3(e)はロックアップクラッチ12の解除指令の推移を、図3(f)はロックアップクラッチ12の作動状態の推移をそれぞれ示している。
なお、車速V0は本実施形態による制御を開始する基準速度である。また、車速V1はロックアップクラッチ12が作動中にコンプレッサ21が起動しても運転性に影響を与えない車速の下限値であり、ロックアップクラッチ12の解除速度である。さらに、時刻TMV0は車速V0に到達する時刻を表し、時刻TMV1は車速V1に到達する時刻を表す。時刻TMLUは従来の車両用エアコン制御装置において、ロックアップクラッチ12の解除指令がなされる時刻を表す。
車両が基準速度V0まで減速するなど所定の条件を満たすと(ステップS1:YES)、図3(d)に示すようにECU30はコンプレッサ始動温度TUを速度に応じて設定する(ステップS2)。本実施形態では、車速がV1≦V≦V0の間でステップS1の条件を満たす限り、速度がV1に近づくにつれてコンプレッサ始動温度TUの値が低くなるように設定している。また、時刻TMONでは、図3(d)に示すように冷却空気温Tがコンプレッサ始動温度TUに到達したことでコンプレッサ21の作動を開始させる(図3(b)(c)、ステップS3、S4)。同様に時刻TMOFFでは、冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLに到達したことにより、コンプレッサ21を停止させる(ステップS5、S6)。
一方、コンプレッサ停止温度TLは一定であるため(TL=TL0)、コンプレッサ始動温度TUとコンプレッサ停止温度TLとの差が減少する。そのため、車速がV1に近づくにつれて、コンプレッサ21の運転・停止を頻繁に繰り返し、冷却空気温Tを下げるように制御する。これは設定温度T0自体を下げることと同様の効果を示すことになる。
さらに、速度がV1まで減速すると(図3(a))、コンプレッサ始動温度TUの値は通常制御時のコンプレッサ始動温度の値TU0に戻される(図3(a)の時刻TMV1、ステップS7)。このとき、図3(e)及び図3(f)に示すようにECU30からロックアップクラッチの解除指令が出され、ロックアップクラッチが解除される(ステップS8、S9)。
本実施形態による制御によれば、速度V1付近では十分に冷却空気温Tが下がっているため、ECU30からロックアップクラッチの解除命令を出されても、コンプレッサ21の作動するまでの時間が十分に確保されることとなる。したがって、コンプレッサ21の作動によるショックの発生を回避することができ、運転性の悪化を防ぐことができる。さらに、車両減速中のロックアップクラッチ12の作動が困難であった低車速まで、ロックアップクラッチ12の作動を継続することができる。これにより、燃料カット領域を更に拡大し、車両の燃費性能をより一層向上することができる。
一方、従来の制御では車速がV0以下となったときにコンプレッサ21の作動要求が出された時点でロックアップクラッチを解除し、完了するまでコンプレッサ21の作動を待機するように制御している。本実施形態では車速がV1に減速するまでロックアップクラッチを解除する必要がないため、低速域においても燃料カット領域を拡大した状態で走行できる。したがって、本実施形態による制御では、図3に示すように、時刻TMLUからTMV1の間でロックアップクラッチ12の作動を継続して走行することができる。しかし、従来の制御ではこの間ロックアップクラッチ12が解除されているため、本実施形態と比較して燃費効率が劣ることになる。
(第2実施形態)
図4は、本発明による車両用エアコン制御装置の制御の第2実施形態を示すフローチャートである。
なお以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
本実施形態においては、コンプレッサ始動温度TUに加えて、コンプレッサ停止温度TLも制御対象とする(ステップS102)。他の制御については、第1実施形態と同様である。また、通常制御に復帰する場合には、コンプレッサ始動温度TUとコンプレッサ停止温度TLをともにそれぞれの初期値TU0、TL0に設定する(ステップS107)。
図5は、第2実施形態の車両用エアコン制御装置における車両減速時の制御の一例を示すタイムチャートである。コンプレッサ始動温度TUは、第1実施形態と同様の制御がなされるが、同じタイミングでコンプレッサ停止温度TLも変化する。すなわち、図5(a)に示すように車両が速度V0まで減速すると、図5(d)に示すとおりECU30はコンプレッサ始動温度TUと同様にコンプレッサ停止温度TLが車速に応じて低くなるように制御する。
本実施形態によれば、コンプレッサ停止温度TLを車速に応じて下げるため、速度V1に到達したときの冷却空気温Tを平均的に低く抑えることができる。また、コンプレッサ始動温度TUとコンプレッサ停止温度TLを同時に制御するため、これらの温度の差を保つことができる。これにより、コンプレッサ21が作動・停止の頻度を極端に増加させることなく冷却空気温Tを下限値に近づけることができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明による車両用エアコン制御装置の制御の第3実施形態を示すフローチャートである。
本ルーチンの処理が実行されると、他の実施形態と同様に、ステップS1で本実施形態の制御方法でエアコン制御を行うか否かを判断する。そして、ステップS1のすべての条件を満たすと、ステップS212に処理を移動する。
ステップS212では、現在走行中のペースで車両の速度を減速した場合に車速がV1に到達するまでの時間TMV1を予測する。例えば、現在の車速をV、単位時間当たりの減速割合をAとした場合に速度V1に到達する時間TMV1は(V−V1)/Aと表すことができる。
ステップS213では、現在の冷却空気温Tからコンプレッサ21の作動を開始することによりコンプレッサ停止温度TLまで冷却される時間TMTLを予測する。具体的には、コンプレッサ21が作動している場合に単位時間(例えば1秒)あたりの低下温度をTCとした場合、コンプレッサ停止温度TLに到達する時間TMTLは(T−TL)/TCと表すことができる。
ステップS214では、車速がV1に到達する時間TMV1が、冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLに到達する時間TMTL以下であるか否か、かつ、コンプレッサ21が作動中であるか否かを判断する。これらの条件をすべて満たす場合には(ステップS214:YES)、コンプレッサ21の作動を開始する(ステップS215)。これらの条件をいずれかひとつでも満たさない場合には(ステップS214:NO)、ステップS3以降の処理に移動する。これにより、車速がV1に到達する時間TMV1と車内の冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLに到達する時間TMTLを一致させることができる。
図7は、第3実施形態の車両用エアコン制御装置における車両減速時の制御の一例を示すタイムチャートである。
図7(a)に示すように車速が速度V0まで減速すると、速度V1となるまでの時間TMV1を予測し(ステップS212)、時間TMV1に冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLとなるようにコンプレッサ21を制御する。例えば、車速が速度Vに到達した時間TMVの時点でコンプレッサ21の作動を開始した場合、図7(d)の破線Bに示すように冷却空気温Tが低下すると予測できる。したがって、冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLに到達する時刻は、図7(d)に示す時刻TMVTLと予測することができる(ステップS213)。このようにして、車速が速度V1となる時間TMV1と冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLとなる時間が一致する車速Xを判断することができる(ステップS214)。そして、車速Xに到達した時間TMXでコンプレッサ21を作動させれば(ステップS215)、車速が速度V1となる時間に冷却空気温Tがコンプレッサ停止温度TLとなる時間を一致させることができる。
本実施形態によれば、通常のコンプレッサ始動温度TUとコンプレッサ停止温度TLを特に変更することなく、低車速域でロックアップを実施することができる。また、コンプレッサ21の作動を特定のタイミングに1度行なうのみであるため、コンプレッサ21を頻繁に作動・停止する必要がない。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、本願発明は、ロックアップクラッチ12を作動させた状態のままでの変速が可能な無段階変速機を装備した車両に適用すると特に有効であるが、ロックアップクラッチ12が装備されたオートマチック車両であっても適用可能である。また、コンプレッサ21の負荷調整ができないため運転性に影響を与えやすい固定容量型コンプレッサでなくとも、コンプレッサ21の負荷調整が可能な可変容量型コンプレッサに対しても本発明は適用可能である。さらに、冷却空気温Tのかわりに空気との熱交換部位すなわちエバポレータ24内の冷媒温度としてもよい。
本発明による車両用エアコン制御装置を装備した車両及びその制御装置の概略構成を示す図である。 本発明による車両用エアコン制御装置の第1実施形態の車両用エアコン制御装置の制御を示すフローチャートである。 本発明による車両用エアコン制御装置の第1実施形態の制御の一例を示すタイムチャートである。 本発明による車両用エアコン制御装置の第2実施形態の車両用エアコン制御装置の制御を示すフローチャートである。 本発明による車両用エアコン制御装置の第2実施形態の制御の一例を示すタイムチャートである。 本発明による車両用エアコン制御装置の第3実施形態の車両用エアコン制御装置の制御を示すフローチャートである。 本発明による車両用エアコン制御装置の第3実施形態の制御の一例を示すタイムチャートである。 従来の車両用エアコン制御装置の制御を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 エンジン
10a エンジン出力軸
11 トルクコンバータ
12 ロックアップクラッチ
14 無段変速機
19 油圧制御回路
21 エアコン用コンプレッサ
22 電磁クラッチ
23 エアコンコンデンサ
24 エバポレータ
30 電子制御装置
33 速度センサ
34 冷風温度センサ
35 アクセルセンサ
35a アクセルペダル
36 温度センサ
38 空気ダクト
T 冷却空気温 (冷房能力指標温度)
U コンプレッサ始動温度 (冷房能力指標温度の目標値、第1基準温度)
L コンプレッサ停止温度 (冷房能力指標温度の目標値、第2基準温度)
0 制御開始基準速度 (基準車速)
1 ロックアップクラッチ解除速度

Claims (16)

  1. ロックアップクラッチ付変速装置を備える車両に設けられ、エンジンで駆動されるコンプレッサによって加圧される冷媒を用いて空気を冷却する車両用エアコンの制御装置であって、
    ロックアップ中の冷房能力指標温度の目標値を車速が低下するほど低く設定する
    ことを特徴とする車両用エアコンの制御装置。
  2. 前記冷房能力指標温度は、空気との熱交換部位近傍の冷媒温度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用エアコンの制御装置。
  3. 前記冷房能力指標温度は、冷却された空気の温度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用エアコンの制御装置。
  4. ロックアップクラッチ付変速装置を備える車両に設けられ、エンジンで駆動されるコンプレッサによって加圧される冷媒を用いて空気を冷却する車両用エアコンの制御装置であって、
    ロックアップ中は、冷房能力指標温度の目標値を、車速が基準車速以下のときに、その基準車速より高速の場合の目標値よりも低い値に設定する制御を実施する一方
    非ロックアップ中は、前記制御を実施しない
    ことを特徴とする車両用エアコンの制御装置。
  5. ロックアップクラッチ付変速装置を備える車両に設けられ、エンジンで駆動されるコンプレッサによって加圧される冷媒を用いて空気を冷却する車両用エアコンの制御装置であって、
    ロックアップ中の前記冷房能力指標温度を第1基準温度と前記第1基準温度よりも低い第2基準温度の間に制御するコンプレッサ制御手段を備え、
    前記コンプレッサ制御手段は、車速が基準車速以下のときに、その基準車速より高速の場合よりも前記第1基準温度を低下させる
    ことを特徴とする車両用エアコンの制御装置。
  6. 前記コンプレッサ制御手段は、低車速のときほど前記第1基準温度を低下させる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の車両用エアコンの制御装置。
  7. 前記コンプレッサ制御手段は、ロックアップ中であって車速が基準車速以下に減速したときに、前記第2基準温度を低下させる、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車両用エアコンの制御装置。
  8. 前記コンプレッサ制御手段は、低車速のときほど前記第2基準温度を低下させる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両用エアコンの制御装置。
  9. 前記コンプレッサ制御手段は、ロックアップ中でないときは前記第1基準温度を予め決められた固定値にする、
    ことを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の車両用エアコンの制御装置。
  10. 前記コンプレッサ制御手段は、ロックアップ中でないときは車速に基づいて、前記第1基準温度を設定する、
    ことを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の車両用エアコンの制御装置。
  11. 前記コンプレッサ制御手段は、ロックアップ中でないときは前記第2基準温度を予め決められた固定値にする、
    ことを特徴とする請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載の車両用エアコンの制御装置。
  12. 前記コンプレッサ制御手段は、ロックアップ中でないときは車速に基づいて、前記第2基準温度を設定する、
    ことを特徴とする請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載の車両用エアコンの制御装置。
  13. 前記ロックアップクラッチ制御機構には、ロックアップ許可速度範囲とロックアップ禁止速度範囲とが設けられている、
    ことを特徴とする請求項5から請求項12までのいずれか1項に記載の車両用エアコン制御装置。
  14. 前記第1基準温度は、前記ロックアップ許可速度範囲内において、車速に基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の車両用エアコン制御装置。
  15. 前記第2基準温度は、前記ロックアップ許可速度範囲内において、車速に基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の車両用エアコン制御装置。
  16. 前記コンプレッサは固定容量型である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の車両用エアコン制御装置。
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