JP4661034B2 - 印刷品質検査装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷物の印刷品質を検査するための印刷品質検査装置に関し、特に複数回の印刷処理により形成される印刷物の検査のための装置に関する。
請求書や納品書などの定型文書の印刷では、定型部分が事前に印刷された用紙(プレプリント紙と呼ぶ)を用意しておき、個々の文書に固有の個別情報(例えば請求書の宛先や金額)をこのプレプリント紙に対して個別に印刷する場合が多い。
このようなプレプリント紙に対する印刷結果の品質を検査する装置として、特許文献1及び特許文献2に示される装置がある。
特許文献1に示される装置は、プレプリント紙の定型部分の画像を記憶しており、その定型部分の画像とプレプリント紙に印刷される個別情報との画素毎の論理和をとり、印刷結果を読み取った画像をその論理和画像と比較することで、印刷結果の良否を判定している。
しかしながら、この装置の処理方法では、個別情報の画像がプレプリント紙に印刷される際に位置ずれ(平行移動)や倍率変動(拡大・縮小)が起こった場合、パターンマッチングの精度が低下し、パターンマッチング自体が不可能になることもある。例えば、位置ずれや倍率変動が許容範囲内である場合、印刷品質は良好と判定されるべきであるが、パターンマッチングの不具合により不良と判定されてしまう場合がある。また、プレプリント紙の定型部分の画像の印刷に位置ずれなどがある場合もあり、この場合も同様の問題が生じる。
また特許文献2に示される装置は、印刷結果を読み取った画像のうち、プレプリント紙の定型部分の画像に該当する部分をマスクし、マスクの結果残った画像を個別情報の画像と比較することで、印刷結果の良否を判定する。
この装置の処理方法では、プレプリント紙の定型部分の印刷に位置ずれ等があれば、印刷された定型部分を完全にマスクすることが出来ないため、良否判定に悪影響がある。また、給紙部のプレプリント紙束に白紙が混入していた場合、白紙の場合もプレプリント紙の場合も同じマスク結果となるので、白紙に個別情報が印刷された場合も品質が良好と判定されてしまう。
特開平3−281276号公報 特開平11−78183号公報
本発明は、プレプリント紙に印刷する場合など、複数回の印刷処理により形成される印刷物の品質検査において、いずれかの回に印刷された画像に位置ずれや拡大・縮小などの幾何学的な変化があった場合でも、適切な品質判定が出来る様にすることを目的とする。
本発明に係る印刷品質検査装置は、同一用紙面上に第1基準画像と第2基準画像とが別々の印刷処理により印刷されてなる印刷物を検査するための印刷品質検査装置であって、前記第1基準画像と、前記印刷物の印刷面の読取により得られた印刷面画像中で前記第1基準画像に対応する第1対応画像部分と、の間の第1の幾何学的変換を計算する第1変換計算部と、前記第2基準画像と、前記印刷面画像中で前記第2基準画像に対応する第2対応画像部分と、の間の第2の幾何学的変換を計算する第2変換計算部と、前記第1基準画像、前記第2基準画像、前記第1の幾何学的変換、前記第2の幾何学的変換を用いて、前記印刷面画像の品質を判定する第1判定部と、を備え、前記第1変換計算部は、前記印刷面画像と前記第1基準画像との所定の画像特徴同士を比較することにより前記第1の幾何学的変換を計算し、前記第2変換計算部は、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算し、前記第1判定部は、前記第1の幾何学的変換を前記第1基準画像に施すことにより得られる第1の変換後画像と、前記第2の幾何学的変換を前記第2基準画像に施すことにより得られる第2の変換後画像と、を合成して合成画像を形成し、前記印刷面画像と前記合成画像との比較に基づき前記印刷面画像の品質を判定前記所定の画像特徴は、画像を当該画像の面内の所定の複数の方向にそれぞれ投影して得られる複数の投影波形であることを特徴とする。
また本発明の更に別の側面では、前記第2変換計算部は、前記印刷面画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換の逆変換を反映したものと前記第1の基準画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算する。
ここで、前記所定の画像特徴としては、例えば、画像を当該画像の面内の所定の方向に投影して得られる投影波形、を用いることができる。2次元画像の位置ずれや拡大・縮小を考慮した場合、異なる2方向以上の投影波形を用いることが望ましい。
本発明の1つの好適な態様では、前記第1変換計算部及び/又は第2変換計算部は、2つの画像の投影波形を比較するに当たり、それら各投影波形の複数の特徴点同士が最もよく対応づけられる幾何学的変換をハフ変換演算を用いて計算する。
本発明に係る装置は、例えば第1基準画像が罫線又は表罫線又は枠線を含む画像である場合に好適に適用できるが、適用対象はこれに限るものではない。罫線又は表罫線又は枠線以外であっても、第1基準画像が特定の方向に沿って特異的に黒画素が密に並んだパターンを有する画像であれば、その方向に対して各画像の投影を行って投影波形を作成することで、上述と同様にして幾何学的変換を計算することができる。
また、更に別の好適な態様では、前記第1変換計算部又は前記第2変換計算部で計算された幾何学的変換が所定の許容範囲を逸脱する場合、前記印刷面画像が不良であると判定し、前記第1判定部による判定処理を実行しないようにする。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
まず図1A〜図5を参照して、本実施形態に係る印刷品質検査装置が実行する照合処理を説明する。本実施形態の画像照合処理は、定型情報部分と個別情報部分から構成される定型文書の印刷結果の品質を検査するための処理である。
定型文書の印刷では、定型情報部分を事前に印刷したプレプリント用紙を用意し、このプレプリント用紙に個別情報部分を印刷するという処理形態がとられることが少なくない。定型情報部分は同一内容なので、刷版を作成して大量印刷することで1枚当たりの印刷コストをダウンできる。これに対し、個別情報部分は、1文書ごとに異なるので、個別に印刷する必要がある。
図1A〜図5に示す例では、定型文書の一例として「領収書」を取り上げている。例示した「領収書」の場合、図1Aに示すように、定型情報部分の画像である定型画像120は、文書の表題122、宛先に付ける敬称124、金額記入欄126、及び当該領収書の発行元の社名128、を示す画像要素を含んでいる。表題122の文字列「領収書」には、強調のためのアンダーラインが付されている。また、金額記入欄126には、強調のために太い枠線126aが示されている。また、個別情報部分の画像である個別画像140は、図1Bに示すように、宛先の名称142と領収金額144を示す画像要素を含んでいる。検査画像100は、定型画像120が事前に印刷されたプレプリント用紙に対し個別画像140が印刷された印刷物の印刷面を読み取ることにより得られた画像を示す。
定型画像120を印刷した上に、個別画像140を印刷するという2段階の印刷処理で1つの定型文書を作成する場合、それら各段階で画像の位置ずれや拡大・縮小などの幾何学的な歪みが生じる可能性がある。図1A及び図1Bに示す検査画像100は、定型画像120が拡大方向に倍率変動し、正しい位置よりも左にずれ、個別画像140が縮小方向に倍率変動し正しい位置よりも右にずれて印刷された場合の印刷面の画像を示している。
このような定型文書の印刷結果の検査のために、本実施形態の処理では、まず定型画像120の投影波形を求める。2次元の画像の幾何学的な歪みを補正しようとする場合、少なくとも異なる2方向についての投影波形を求め、これら各方向に沿った投影波形について処理を行う必要がある。ただし、各方向に沿った投影波形に対して行う処理の内容は同じなので、以下では1つの方向に沿った投影波形に対する処理を説明する。
図2Aには、定型画像120の水平(横)方向、すなわちX方向に沿った投影波形240を例示している。
ここでの画像の投影は、画像内に設定される積分経路に沿って、当該経路上の各画素の値を積分する処理である。画像内に設定された複数の積分経路の積分値(すなわち投影値)をそれら積分経路の順序に従って並べた系列が、投影波形である。X方向に沿った投影波形は、積分経路をそのX方向に対し垂直なY方向(すなわち垂直方向)に沿って平行に1画素間隔ごとに設定したときに得られる投影波形である。
同様に、検査画像100についても、投影波形を求める。図2Bには、検査画像100のX方向に沿った投影波形220が示される。
次に、定型画像120の投影波形210と検査画像100の投影波形220とを比較することにより、定型画像12が印刷される際に生じた幾何学的な変換を示す変換パラメータを計算する。この計算では、図3に示すように、定型画像120の投影波形210と検査波形100の投影波形220からそれぞれ特徴的なピーク212(黒丸で示す)及び222(白丸で示す)を抽出し、ハフ(Hough)変換の考えを利用して、互いに対応するピーク212と222とのX方向位置が一致するような変換パラメータを計算する。
投影波形210及び220から特徴的なピーク212,222を選択するルールとしては、例えば、投影波形における直前又は直後の位置との波高(積分値)の差が所定の閾値より大きいピークを選択する、とルールを例示することができる。しかしながら、これはあくまで一例であり、この他のルールを用いることもできる。
ハフ変換を利用した計算処理によれば、変換パラメータとして、投影波形210と220との間のX方向の位置ずれ量、及びX方向についての拡大又は縮小の倍率を求めることが出来る。この処理により求められる幾何学的変換の変換パラメータは、定型画像120を印刷した際に生じたX方向の位置ずれの量及び拡大・縮小の倍率を示す。この例では、例えば、定型画像120の印刷時のX方向の位置ずれ量が左方向に5画素であり、拡大・縮小の倍率は1.05(拡大)であることが求められる。なお、このハフ変換を利用した計算処理の詳細は後述する。
このようにして変換パラメータが計算されると、次に、図4Aに示すように、その変換パラメータを用いて定型画像120の投影波形210を平行移動及び拡大・縮小(スケール変換)することにより、検査画像100の投影波形220に位置合わせする。そして、投影波形220から、位置合わせされた投影波形210を減算して、差分波形230を求める。この差分波形230は、X方向についての位置ずれ及び拡大・縮小が補正された定型画像120を検査画像100から減算した差分画像の、X方向に沿った投影波形に等しい。
すなわち、例えば、以上の処理をX,Yの各方向について行えば、定型画像120が印刷された際のX,Yの両方向についての位置ずれ及び拡大・縮小を補正することができる。したがって、補正済みの定型画像120を検査画像100から減算すると、検査画像100のうち個別画像140に対応する画像部分のみが残ることになる。差分波形230は、この個別画像に対応する画像部分の、X方向に沿った投影波形と等価である。
次に、図4Bに示すように、個別画像140のX方向に沿った投影波形240を求める。
次に、個別画像140の投影波形240と差分波形230とを比較することにより、画像12が印刷される際に生じた幾何学的な変換パラメータを計算する。この計算では、検査画像100と定型画像120との間の変換パラメータの計算と同様ハフ変換を利用して、各々の波形240及び230から特徴的なピーク242(図4Bに黒丸で示す)及び232(図4Aに白丸で示す)を抽出し、ハフ変換の考えを利用して、互いに対応するピーク242と232とのX方向位置が一致するような変換パラメータを計算する。この例では、例えば、個別画像140の印刷時のX方向の位置ずれ量が右方向に5画素であり、拡大・縮小の倍率は0.95であることが求められる。
なお、波形240及び230のピークから特徴的なピーク242及び232を選択するルールは、投影波形210及び220の場合と同様のものを用いることができる。ただし、選択の基準となる波高差の閾値は、投影波形210及び220の場合と異なるものを用いることができる。
このようにして、個別画像140の印刷時の幾何学的な変換パラメータが計算されると、次は、図5に示すように、定型画像120と個別画像140とを各々の変換パラメータの分だけ補正した上で、それら補正後の定型画像120及び個別画像140を画素毎に加算することで、合成画像160を作成する。そして、この合成画像160と検査画像100とを照合することで、印刷物に欠陥があるかどうかを判定する。合成画像160は、印刷時の位置ずれ及び拡大・縮小を無視した時の理想的な印刷面の状態を示すので、これと検査画像10とを比較することで、実際の印刷面の欠陥を求めることができる。例えば、ある画素が合成画像160上では黒色であるが検査画像100上では白色である場合、当該画素は印刷抜けの画素である可能性がある。逆に、合成画像160上では白色であるが検査画像100上では黒色の画素は、印刷時の汚れである可能性がある。
なお、このように合成画像160と検査画像100に差があっても、その差が直ちに画像の欠陥であるとは限らない。差がある画素の塊が目立たなければ、品質上問題ないからである。そこで、照合処理では、それら両画像の比較から、印刷抜けや汚れを示す画素の塊を特定し、塊の大きさや濃さなどに基づき、それら各塊が欠陥であるかどうかを判定する。このような合成画像160と検査画像100との照合処理には、パターンマッチングを初めとする既存の様々な手法を利用することができる。
以上、具体例を用いて、本実施形態の装置が実行する処理の流れを説明した。以上の説明では、定型画像120及び個別画像140の印刷の際の幾何学的な歪みが、X方向の位置ずれのみであるという簡単な例を用いたため、上述のようにX方向についての処理だけで十分であった。しかし、一般には印刷時にはY方向についても位置ずれや拡大・縮小が生じる可能性がある。このため実際には、Y方向についても上述と同様の演算処理を行って、定型画像120と個別画像140のY方向についての位置ずれ及び拡大・縮小を求め、合成画像160を作成する際には、X,Y両方向の位置ずれ及び拡大・縮小を考慮する。
以上の説明で示した処理の順序はあくまで一例であり、これ以外の順序も可能である。例えば、定型画像120は一連の定型文書群の印刷を開始する段階で取得することができるので、その時点で投影波形210を作成することができる。したがって、その時点で投影波形210を作成して保存し、個々の検査画像100を検査する際にその投影波形210を読み出して利用することができる。また、個別画像140も、個々の定型文書の印刷を開始する時点で取得することが出来るので、その時点で投影波形240を作成することができる。
以上に説明したように、本実施形態の印刷品質検査装置は、印刷時の定型画像120や個別画像140の位置ずれや拡大・縮小を補正した合成画像160を作成し、この合成画像160をテンプレートとして検査画像100と照合処理を行う。特許文献1及び2の各技術の場合、定型画像120や個別画像140がそれぞれ個別に位置ずれしていたり、拡大又は縮小されたりした場合、照合精度低下や照合失敗などを招くおそれがあったが、本実施形態の処理方法によれば、そのような問題は解消される。また、プレプリント用紙に白紙が混入している場合でも、印刷面の検査でそれを検出することができる。
現実の印刷品質検査では、印刷時の定型画像120や個別画像140の位置ずれや拡大・縮小の率が許容範囲内の軽微なものであれば、印刷結果の品質が良好であると判断する方が生産性や印刷コストの点で有益である。本実施形態では、このような観点から、特許文献1及び2に示される従来技術よりも有益であるといえる。なお、印刷時の定型画像120や個別画像140の位置ずれや拡大・縮小が許容範囲を超えることが判明した場合は、印刷結果が不良であると判定するようにすればよい。
以上に説明した本実施形態の処理は、定型画像120と個別画像140とが、検査画像100の投影波形220において、定型画像120の投影波形210のピークと対応するピークが顕著に現れるような関係をなしていれば、成立する。
例えば、領収書や請求書、納品書などの業務文書の場合、定型画像120が罫線、表罫線、強調のための枠線などを含んでいる場合が多い。罫線や表罫線、枠線は、画像の縦及び横、すなわちX及びY方向に沿って黒画素が密に配列することにより表されるので、定型画像120のY方向及びX方向に沿った各投影波形においては、それら各線に対応する位置に顕著なピークが現れる。一方、業務文書の場合、個別画像140は文字や単純な絵柄で構成される場合が多く、それら文字や絵柄はそれら罫線や表罫線、枠線同士の間に配置される場合が多い。一般には、文字や単純な絵柄からなる画像を投影しても、黒画素が密に並んだ線に匹敵するほどの大きな投影値にはならない。したがって、検査画像100をX,Y方向に投影した各投影波形にも、罫線や表罫線、枠線等の線に対応する顕著なピークが現れる。したがって、罫線や表罫線、枠線を含んだ文書については、上述した本実施形態の処理が有効に適用できる。
ただし、罫線や表罫線、枠線等を含む業務文書は、本実施形態の手法が適用できる対象の一例に過ぎない。そのような罫線などを含まない文書であっても、検査画像100の投影波形に定型画像120の投影波形の顕著なピークに対応するピークが現れるような文書であれば、どのような文書にも上記手法は適用できる。
また、本実施形態の処理の実行に当たって、どの方向に沿った投影波形を用いるかは、検査対象となる画像の性質によって決めることができる。例えば、X方向及びY方向の線や破線などが目立つ業務文書を検査する場合は、それら上に例示したように、X及びY方向に沿った投影波形を作成すればよい。同様に、定型画像120に特定の方向に沿って特異的に黒画素が密に並んだパターンがあることが予め分かっていれば、その方向に対して投影を行い、その方向に垂直な方向に沿った投影波形を作成することで、上述と同様にして位置ずれや拡大・縮小の量を計算することができる。
次に、投影波形同士の位置ずれ及び拡大・縮小の量を求めるための、ハフ変換を利用した処理の具体例を説明する。この処理は、本出願人による特開2003−91730号公報及び特開2003−109007号公報にも説明されている処理と同様の処理である。以下では、検査画像100の投影波形220と定型画像120の投影波形210との間の変換パラメータを求める場合を例にとって説明するが、差分波形230と個別画像140の投影波形240との間の変換パラメータを求める場合も同様の処理でよい。
この処理では、幾何学的変換の変換パラメータを求めるために、各投影波形の特徴的部分を抽出し、その位置関係を比較して変換パラメータを得る。ここでは特徴的部分としては、投影波形の特徴的なピークを用いるが、これはあくまで一例であり、この他にも変曲点などの投影波形の微分波形で特徴的な点であってもよいし、また投影波形の最大値の位置や、投影波高が所定値となる位置、投影波形の重心位置、ピークの幅など投影波形自体から得られる特徴的な位置や量を組み合わせて用いてもよい。データベース内の画像データに対しては、これらの特徴的な位置や量を事前に抽出し、対応する画像データに関連づけておくことも好ましい。
例えば各投影波形の特徴的ピークが求められた場合、この特徴的ピークの位置を求める。通常投影波形内に複数の特徴的ピークがあるので、この位置は、位置のリストとなる。
そして検査画像100の投影波形220に関するピークリストと、定型画像120の投影波形210に関するピークリストとを比較して変換パラメータを求める。この比較処理においては、各ピーク位置を対応付けして変換パラメータを求めるのであるが、例えば比較される2つの投影波形にそれぞれ3つのピーク(A,B,C及びα,β,γ)があり(図6A及び図6B参照)、2つの画像データが同じ画像データである場合に、Aとα、Bとβとを一致させる(正しい)対応付けを行った場合と、Aとβ、Bとγを一致させる(誤った)対応付けをした場合とでは次のように事情が異なる。なお、以下の説明では簡単のため、比較される両画像データの縮尺は一致しているものとする(すなわちスケーリング(拡大・縮小)については考えない)。なお、図6A及び図6Bでは説明のため、ピーク以外を平坦で示した。
すなわち、Aとαとの関係により求められる平行移動量と、Bとβとの関係により求められる平行移動量とはほぼ一致するのに対し、Aとβとの関係により求められる平行移動量と、Bとγとの関係により求められる平行移動量は一般に異なるのである。
そこで、すべての対応付けを総当たり的に試行し、各結果同士を比較して多数決原理により最も尤もらしい値(最尤値)を求めることにより、適切な値が求められることになる。
スケーリング(拡大・縮小)補正を要する場合、それぞれのピークリスト内のピーク位置の対応関係からは、スケーリング量kと平行移動量sとの関係が求められる。すなわち、一方の画像データに関連するピーク位置xiと、他方の画像データに関連するピーク位置ξiとを対応づける場合、次の(1)式の関係が得られる。
Figure 0004661034
そして各ピーク位置の総当たり的に対応付けて、(1)式による直線をk−s平面((スケーリング補正量)−(平行移動量)平面)に複数描画すると、理想的には多くの直線が交差する座標が求められ、この座標値(k,s)として正しいスケーリング補正量が求められることとなる。ここで「理想的には」というのは、演算の誤差等の要因により、各直線から求められるkやsは必ずしも一致しないからである。そこで多数決原理により最尤値を選んでk,sを決定することになる。このように正しく対応付けがされた場合に、多数のパラメータの候補がある値近傍に集まることに着目し、多数決原理を利用して最尤値を求めているのである。
同様にして、例えば一方の画像データの水平方向に対する投影波形のピークリストと、他方の画像データの垂直方向に対する投影波形のピークリストとが正しく対応づけられる(つまりより多数のパラメータ候補があるパラメータ値近傍に集まる)ならば90度回転したものと判別することができる。また、一方のピークリストの順序を入れ替える(要するに一方の投影波形の向きを逆転する)とよりよく対応付けられるとするならば、反転しているものと判別することができる。すなわち、この処理は、定型画像120と検査画像100とが90度回転していたり裏返っていたりする場合にも適用可能である。すなわち回転、反転、スケーリングなどを含んだ一次変換パラメータを同様の処理によって求めることができる。なお、以下では、説明を簡約にするため、スケーリング補正と平行移動とに限って説明をする。
また、ここまでの説明では検査画像100の投影波形220と、定型画像120の投影波形210とを比較するとしたが、それぞれの波形を微分して得た、微分波形同士を比較しても良い。検査画像100として複写文書を用いる場合、画像データに写真やドローイングのような中間調領域を含んでいると、その濃度値は大きく変化している場合が多く、その投影波高値も安定しない場合が多い。このような場合でも投影波形の凹凸の様子は多くの場合維持されているので、比較の対象として微分投影波形を用いる方が好ましい場合も多いからである。
さらに、ここでは投影波形からピークリストを作成するにあたり、投影波形そのものを用いているが、文字列から生成される投影波形には高周波成分が多く、また書き込みや押印などによるノイズ成分も多く含んでいる一方、変換パラメータの推定の際には、行のピッチや各行の長さなどの情報を用いれば十分であり、これら行のピッチなどの形状は投影波形の低域成分に反映される。そこで、ノイズ除去や特徴的ピーク検出処理の安定化の観点から、投影波形の低域濾波処理を行う。さらに、低域濾波された投影波形にも微小な凹凸が残っているために、数多くの特徴的ピークが検出され、演算量が大きくなるので、変換パラメータの推定に必要となる大局的な凹凸を表す特徴的ピークの位置のみをピークリストに含めることが好ましい。
そこで以下、大局的な凹凸を表す特徴的ピークのみを検出する方法について概説する。図7は投影波形の大局的な凹凸の様子を検出するための特徴的ピーク検出法を説明する図である。図7において、p(x)は低域濾波後の投影波形の位置xにおける波高値、αは所定のウインドウ幅である。特徴的ピーク位置では投影波形の傾きがゼロになるが、これを微分投影波形のゼロ交叉点として求めるかわりに、ウインドウの両端位置での投影波高値を結ぶ直線の傾きにより求める。位置Xaにおけるこの直線の傾きは次の(2)式のS(Xa)に比例する。
Figure 0004661034
このS(Xa)の正負が変化する点が特徴的ピーク位置である。ここで当該点が正から負へ変化する凸ピークであるか、負から正へ変化する凹ピークであるかを表す情報をピーク属性情報としてピークリストとともに取得しておくことが好ましい。このように注目位置から一定の距離αだけ離れた点での投影波高値を参照することにより、投影波形の微小な凹凸に影響されることなく、投影波形の大局的な凹凸の様子を表すピーク候補を検出することができる。
そしてこれらピーク候補から、変換パラメータの検出に有効なピークのみを選別する。変換パラメータは投影波形の大局的な凹凸を対応付けることによって求められるため、微小なピークは取り除いた方がよい。
図8は特徴的ピークを選別する手段の動作原理を示す図である。図8では図7に示した方法により得られた特徴的ピークの候補の位置(x1〜x5までの、計5点)が検出されている。この図8の例では、例えばx2やx3における特徴的ピークが微小な凹凸として除外したいピーク候補である。
微小な特徴的ピークを除外するために、本実施の形態では、以下のような処理を行なう。すなわち、ある特徴的ピーク位置Xnについて、その位置での投影波高値と、隣接する特徴的ピーク位置での波高値との差に関する量Dnを次の(3)式のように求める。
Figure 0004661034
また、位置x1やx5のような片側にのみ隣接する特徴的ピークを持つものに関しては、その特徴的ピークの波高値との差に対する絶対値をDnとする。
このようにして求めたDnと所定のしきい値Tdとが次の(4)式の条件を満たす場合に、位置Xnにおける特徴的ピークを実際に比較対照となるピークとしてピークリストに加える。
Figure 0004661034
また、隣接する特徴的ピーク位置における投影波高値の差ではなく、(5)式に示すような波高値の比Rnを用いてピークの選別を行なってもよい。
Figure 0004661034
そして、この(5)式により求めたRnと所定のしきい値Trとが(6)式の条件を満たす場合に、位置Xnにおける特徴的ピークをピークリストに加える。
Figure 0004661034
さらにピークリスト間の比較に補助的に資する目的で、ピーク属性情報として、投影波形の幅と重心を求めておくことも好ましい。これらの情報は変換パラメータ検出に必須のものではないが、後述するように変換パラメータの検出の高速化や信頼性の向上に役立てることができる。
ここでピークの幅を求める場合、投影波形にノイズが含まれておらず、また紙の地色等によるオフセット分も含まれていない場合は、投影波形の非ゼロ区間の幅を以って投影波形の幅とすれば良い。しかし、このような理想的な例は極めて希であるため、実際には投影幅を求めるためには次のような処理を行なう必要がある。
図9は投影波形の幅を検出するための処理を説明する図である。実際の投影波形には図9のA,Bの領域のようにノイズや紙の地色等によるオフセット分(地色により画素が部分的に「白」でなくなっているために発生する非ゼロ領域)が含まれている。そこでこれらの成分を除去するためにしきい値処理を行なう。ただし、しきい値付近の波高値が多く存在する場合は、しきい値を越えるか否かの微妙な違いが検出される投影波形の幅に大きく影響するため、図9の例では投影波形に対して2つの相異なるしきい値、ThとTlを設定する。これらのうち低い方のしきい値Tlは、ノイズやオフセット分のほとんどがこの値を下回るように設定され、高い方のしきい値Thは本来の投影波形のほとんどがこの値を上回るように設定される。
このようなしきい値を設定した上で、投影波形の幅Wを次の(7)式により求める。
Figure 0004661034
ここで、w(・)は、図10に示すように、0<x<Tlであるようなxで「0」、Th<xとなるようなxで「1」となり、Tl<x<Thでは、「0」から「1」まで線形に変化する関数である。また、Pは投影波形全体を表し、従って(7)式では、投影波形全体に亘って総和することを意味する。このようにしきい値Th、Tl間になだらかな勾配を持つしきい値処理関数を設けることにより、単一しきい値を用いた時に問題となるしきい値付近の投影波形が多く存在する場合でも、検出される投影波形の幅に大きく差が生じないようにすることができる。
一方、投影波形の重心位置Gは次の(8)式から求められる。
Figure 0004661034
こうして求められたピークリスト及びピーク属性情報を利用して変換パラメータを求める。次に具体的に変換パラメータを求める手続きについて概説する。まず検査画像100の投影波形220と、定型画像120の投影波形210とのそれぞれのピークリストを参照し、ピーク位置の対応付けを行なう。ピーク位置の対応付けはピーク属性情報を参照して凸ピークと凹ピークについて別々に行なう。次に対応付けられた2つの特徴的ピーク位置を一致させるために必要なスケーリング補正量と平行移動量が直線関係を為すことに基いて、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面において該直線上への投票処理を行なう。このような投票処理を全ての特徴的ピーク位置の組合わせについて行なうと、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上には投票値の累積値の分布が形成される。(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上において、この累積投票値が大きくなる点は、2つの特徴的ピークリストが良く一致することを示しているため、その点の座標(スケーリング補正量,平行移動量)が求める変換パラメータとなる。
すなわち、図11に示すように、定型画像120の投影波形210に対する特徴的凸ピークリスト(A1〜A3)と、検査画像100の投影波形220から求められた特徴的凸ピークリスト(B1〜B4)がある場合、上記2つの特徴的ピークリストについてピーク位置の対応付けを行なう。例えば特徴的ピークA1とB1の対応付けを行なう場合、両者のピーク位置が一致するために必要なスケーリング補正量をk、平行移動量をsとすると、A1の座標「10」と、B1の座標「19」とを用いて、次の(9)式が成り立つ。
Figure 0004661034
この(9)式はkとsに関する一次式であるので、これに基づきk−s平面、即ち(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面において一本の直線を描画できる。(9)式の条件に拘束されるk,sを用いれば、比較に係る両画像データは、少なくとも特徴的ピーク位置A1とB1では重ね合わせることができる。そこで、補正量の候補としてこの直線上に「一票を投じる」。すなわち、この直線上の各点に投票を行う。後にこの投票数の多い点を最尤点として求めたいのである。
また同様にして図11に示した特徴的ピークA1を他のB2〜B4にも対応付けることにより、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面において、A1に関しては都合4本の直線上への投票を行なうことになる。一般にあるデータベース内の画像データの投影波形から求められた特徴的ピークリストにおけるi番目のピークの位置をAix、キーとなる画像データの投影波形に対する特徴的ピークリストにおけるj番目のピークの位置をBjxとすると、両者のピーク位置が一致するために必要なスケーリング補正量k、および平行移動量sの関係は(1)式と同様に、(10)式の関係になる。
Figure 0004661034
そして同様の投票処理を残りの特徴的ピークA2およびA3についても行なうことにより、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上には投票値の累積値の分布が形成される。
尚、投票値は上の例のように常に1票を投じる他にも、特徴的ピークの波高値情報を反映した投票値を用いることもできる。特徴的ピークについては、その波高値の大きなもの同士、あるいは小さなもの同士を対応付けるのが自然であるから、投票値も波高値に応じて変化させる。すなわち投影波形から求められた特徴的ピークリストにおけるi番目のピークの波高値をAis、キーとなる画像データの投影波形に対する特徴的ピークリストにおけるj番目のピークの波高値をBjsとして、例えば投票値Vを次の(11)式のように定める。
Figure 0004661034
なお、(11)式の投票値を適用するためには、特徴的ピークの波高値の最大値が所定の値になるようにするなどの正規化処理を前もって行なっておく必要がある。
このようにして(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上に形成された累積投票値は、2つの特徴的ピークリストの一致度を反映している。従って、同平面上に形成された累積投票値のピーク点を探索すれば、その点の座標が求める(スケーリング補正量,平行移動量)を表す。この補正量を用いて一方の投影波形に補正を加えることにより、2つの投影波形が最も良く一致することになる。図11の例では(スケーリング補正量,平行移動量)=(0.9,10)において(累積投票値)=3の最大累積投票値を持つことから、定型画像120の投影波形を0.9倍し、さらに10だけ平行移動することにより、2つの投影波形が最も良く一致する。
ところで、上記の補正量を適用すると、検査画像100側の特徴的ピークB3のみが定型画像120側に対応する特徴的ピークを持たないことがわかる。このことから、特徴的ピークB3は、文書上への書き込みや押印等のノイズによるピーク成分であることと推測される。本実施の形態の変換パラメータの検出手続きでは、このようなノイズによる特徴的ピークの発生、あるいは検出漏れがあっても、投票処理という多数決原理に基づいて変換パラメータが推定されるため、推定される補正量の精度の低下を防止できる。
以上の説明では、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上に形成された累積投票値のピーク点を探索することにより変換パラメータの検出を行なったが、これは「理想的」な例であり、実際には特徴的ピーク検出時の誤差や、元々の文書の印刷精度などにより、投票を行なう直線群が厳密に一点で交わることは希である。そこで、変換パラメータを推定する手続きとして、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面を、図12のようにスケーリング補正量方向にn分割、平行移動量方向にm分割したセルに「量子化」して、各セルの投票値の累計を計算し、該累計が最大となるセルを求める方法も考えられる。そして当該累計が最大となったセルの中心座標(kc,sc)を以って変換パラメータの最尤値とする。このようにするとコンピュータ処理にも適合できる。
さらに精度を高めるためには、図13に示すように、投票値の累計が最大となるセルを求めた後、投票を行なう直線群の中から該セルを通過する直線群のみを選び、それら直線群から最短距離に位置する点の座標を求め、当該座標を最尤値とする。このような点の座標は以下の手順により求めることができる。
まず投票値の累計が最大となるセルを通過する直線群がh本あるとして、それらが(12)式で表されるとする。
Figure 0004661034
ただしi=0,1,…,h−1とする。これらの直線の一つと(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上の一点(k,s)との距離diの間には次の(13)式の関係がある。
Figure 0004661034
点(k,s)から各直線までの距離の2乗和Dは、次の(14)式で示される。
Figure 0004661034
従って、投票値の累計が最大となるセルを通過する直線群から最短距離に位置する点の座標(kl,sl)は、次の(15)、(16)式を連立して解くことによって求めることができる。
Figure 0004661034
さらに、直線群から最短距離に位置する点の座標を求める際に、各直線からの距離を(11)式に定めた投票値Vで重み付けしても良い。投票値Vによる重み付けを行なうことにより、特徴的ピークの対応付けが正しく行われている可能性が高い直線を重視した補正量検出が行なわれる。この場合、(14)式は、(17)式のように変更される。
Figure 0004661034
(17)式において、Viはi番目の直線上への投票値である。またピーク属性情報のうち、投影波形の幅と重心の情報は変換パラメータの推定における処理の高速化や信頼性の向上に役立てることができる。
すなわち、一般に投票処理によるパラメータ推定では、不適切な位置に比較的大きなピークを生じる、いわゆるフォールスピーク(false peak)問題を有している。この効果を軽減するためには、投票空間全体への投票を行なうのではなく、明らかに必要ないと思われる領域への投票を行なわないことが有効である。本実施形態においては投影波形の幅と重心の情報を用いて投票領域を限定することにより、変換パラメータ検出処理を高速化すると同時に、上記問題による効果も軽減することができる。
具体的に投影波形の幅を用いて、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上におけるスケーリング補正量方向の投票領域を限定することができる。データベース内の画像データの投影波形幅をWr、キーとなる画像データの投影波形幅をWiとして次の(18)式に示す投影幅比Rを求めると、変換パラメータにおけるスケーリング補正量はRに近い値となるはずである。なぜなら2つの文書が同一の文書であるならば、それらの投影波形も相似形をなしているはずであり、スケーリングの相違は投影幅の比となるはずだからである。
Figure 0004661034
投影波形の幅はノイズや紙の地色等によるオフセット分などに起因する誤差分を含んでいるが、それでもなお、真の補正量、すなわち投票値のピーク位置のスケーリング座標は、(18)式のRに近い値であるはずである。そこで(18)式のRを中心とした所定のスケーリングマージンβを設定し、そのスケーリングマージンβの範囲内に投票領域を限定する。この場合、(スケーリング補正量)−(平行移動量)平面上に描画した各直線のうち、当該スケーリングマージンβの範囲内に「投票した」こととし、当該範囲の外に対しては「投票」しない。
また、投影波形の重心位置情報からも投票領域の限定を行なうことができる。すなわち、もし特徴抽出手段により求められた重心位置が正確なものであれば、2つの投影波形の重心位置間には(10)式と同様に次の(19)式の関係が成立するはずである。
Figure 0004661034
ただし、(19)式においてGrとGiはそれぞれ、データベース内の画像データの投影重心位置とキーとなる画像データの投影重心位置である。実際には求められた重心位置の情報にはノイズや紙の地色等によるオフセット分などに起因する誤差分を含んでいるが、それでもなお、真の補正量、すなわち投票値のピーク位置は(19)式で表される直線の近傍に位置するはずである。そこで(19)式の直線を中心として、適当な平行移動量マージンγを設定し、その範囲内に投票領域を限定する。
これにより、投票領域を図14に示した範囲に限定し、この領域外の直線上、あるいはそもそもこの領域を通過しない直線上への投票処理を省略し、処理を高速化するとともに、上記false peak問題による効果を低減できる。
なお、こうして求められた変換パラメータに基いて、投影波形の変換処理を行なうにあたり、非サンプリング位置での信号を要する場合など、補間処理を要するときには、広く知られている補間法として最近傍法、線形補間法、cubic convolution(3次畳み込み)法、スプライン補間法など様々なものを利用できる。本実施の形態の装置は特に特定の補間法に依存するものではないので、上に挙げた補間法のいずれを用いてもよい。上記の補間法は多くの文献で解説されているため、その説明を省略する。
以上、本実施形態の印刷品質検査装置による照合処理全体と、この照合処理に用いるハフ変換を利用した投影波形のマッチング処理を説明した。
次に、図15を参照して、上述の処理を実行する印刷品質検査装置が適用される、印刷システムの一例を説明する。
この印刷システムは、給紙カセット10から給紙される用紙に対し印刷処理部20により画像を印刷し、印刷された画像を定着ローラ25により用紙に定着させる。電子写真方式のシステムの場合、印刷処理部20には、ラスタ出力スキャナや感光体ドラム、現像器、転写ロールなどが含まれる。定型文書を印刷する場合は、給紙カセット10のいずれかに定型画像120が印刷されたプレプリント用紙をセットし、そのカセット10を用紙供給元に選択して印刷を開始すればよい。
用紙搬送路において定着ローラ25の後段には読取スキャナ30が設けられる。画像が定着された印刷物の印刷面は、その読取スキャナ30により光学的に読み取られる。読取スキャナ30は、照射ランプ35により印刷面を照射し、その反射光をレンズ36で集束して、撮像デバイス37で検出する。撮像デバイス37としては、例えば、用紙搬送路の上面と平行な面内において用紙搬送方向に垂直な方向にセルが1列に並んだラインセンサを用いることができる。用紙搬送に同期してラインセンサの読み出しを繰り返し行っていくことで、2次元の印刷面の画像を取得できる。カラー画像を検査する場合は、例えばR,G,Bの各色ごとにラインセンサを設ければよい。撮像デバイス37で取得された印刷面の画像、すなわち検査画像100は、印刷品質検査装置50に送られる。印刷品質検査装置50は、上述した照合処理を実行する。印刷物は、この照合処理の後、排出トレイ40に排出される。
ここで、印刷品質検査装置50による照合の結果に従い、照合後の印刷物に対する処理内容を切り換えることもできる。例えば、良品用の排出トレイとは別に、不良品専用の排出トレイを設け、印刷品質検査装置50により印刷物が不良であると判定された場合は、その印刷物を不良品専用の排出トレイに排出するようにすることもできる。また、照合後の用紙の搬送系路上に不良印刷物を処分する装置を設け、印刷品質検査装置50により印刷物が不良であると判定された場合は、その印刷物をその処分装置で処分することもできる。処分装置としては、例えば印刷物の印刷面を塗りつぶす塗りつぶし装置や、シュレッダーなどを用いることができる。塗りつぶし装置は、印刷面上の秘密情報の表示範囲の情報を印刷システムの制御部から受け取り、その表示範囲のみを塗りつぶすようにすることも可能である。このように専用の塗りつぶし装置を設ける代わりに、両面印刷の用紙搬送経路を利用するなどして、照合後の印刷物を印刷処理部20まで戻し、印刷処理部20により秘密情報部分を塗りつぶすこともできる。
次に図16を参照して、印刷品質検査装置50の構成について説明する。図に示すように、印刷品質検査装置50は、固定ストレージ510、CPU(中央演算ユニット)520、メモリ530、スキャナインタフェース540、及び通信制御部550を、バス560により相互に通信可能に接続して構成される。固定ストレージ510は、ハードディスクやフラッシュメモリ、リードオンリーメモリなどの不揮発性の記憶装置であり、上述の照合処理の手順を記述した照合処理プログラム512を記憶している。この照合処理プログラム512をメモリ530にロードし、CPU520で実行することにより、上述の照合処理が実現される。
メモリ530は、この装置50の主記憶であり、照合処理プログラム512がロードされるほか、そのプログラムの処理の際に生じる様々な情報を記憶する。記憶される情報には、定型画像120を表す定型画像情報532、個別画像140を表す個別画像情報534、及び検査画像100を表す検査画像情報536が含まれる。定型画像情報532や個別画像情報534は、印刷システムの本体を制御する制御部から、通信制御部550を介して取得される。印刷システム本体の制御部は、ホストコンピュータ(図示省略)から送られてきた印刷指示データに基づき印刷処理のために個別画像140を作成するが、この個別画像140を表す個別画像情報534がその制御部から印刷品質検査装置50に提供される。また定型画像情報532は、ホストコンピュータからシステムの制御部を介して印刷品質検査装置50に提供されるようにしてもよいが、個別画像を印刷する前のプレプリント用紙を一連の定型文書の印刷を開始する前に読取スキャナ30(又は印刷システムが複写機機能を備える場合にはその機能のためのスキャナ)で読み取ることにより、求めても良い。また、検査画像情報536は、スキャナインタフェース540を介して、読取スキャナ30から取得される。また、投影波形210,220,及び240や差分波形230も、メモリ530に記憶され、処理に供される。
次に、図17を参照して、この印刷品質検査装置50の処理手順について説明する。
この手順は、印刷品質検査装置50が読取スキャナ30から1枚の印刷物の読取結果、すなわち検査画像100を取得(S10)することにより、開始される。この処理手順の開始の前に、定型画像情報532及び個別画像情報534は取得されており、定型画像120及び個別画像140の所定の1以上の方向に沿った投影波形210及び240も計算されているものとする。
検査画像100を取得すると、印刷品質検査装置50は、検査画像100の所定の1以上の方向に沿った投影波形220を計算する(S12)。そして、それら各方向毎に、この投影波形220と定型画像120の投影波形210との比較することにより、定型画像120が印刷された時に各方向に沿ってどれだけ位置ずれ及び拡大・縮小が生じたか、その変換パラメータを計算する(S14)。この変換パラメータは、位置ずれの場合は向きの情報も含み、拡大・縮小の場合は倍率(縮小の場合は1以下)で示される。次に印刷品質検査装置50は、求められた変換パラメータ(例えば位置ずれ量と拡大・縮小の倍率)が、予めこの装置50に登録されている許容範囲内であるか否かを判定する(S16)。S16の判定では、例えば、計算された投影波形の各方向ごとの変換パラメータのいずれか1つでも許容範囲から逸脱する場合、判定結果を否定(N)とする。もちろん、それら各方向の変換パラメータを総合的に判定するようにしても良い。この判定で、変換パラメータが許容範囲内でないと判定した場合、印刷品質検査装置50は定型画像120の印刷が不良であると判定し(S18)、その判定結果を印刷システムの制御部に対し出力する(S34)。印刷システムの制御部は、この判定結果に応じ、検査した印刷物を処理する。
S16で変換パラメータが許容範囲内であると判定した場合、次に印刷品質検査装置50は、定型画像120の各方向の投影波形210を、それぞれ当該方向の変換パラメータの分だけ幾何学的に変換(例えば平行移動及び拡大・縮小)することで、検査画像100の各方向の投影波形220と位置及びスケールを合わせる。そして、各方向毎に、位置及びスケールを合わせた投影波形210を検査画像100の投影波形220から減算して差分波形230を形成する(S20)。これは、定型画像120を、検査画像100内の定型画像120に対応する部分に位置合わせ及びスケール合わせし、この位置及びスケールを合わせた定型画像を検査画像100から減算し、これにより得られる差分画像について、上記各方向の投影波形を求める処理に等しい。
各方向の差分波形230が求められると、次に印刷品質検査装置50は、各方向毎に差分波形230と個別画像140の投影波形を比較することにより、個別画像140が印刷された時の各方向の幾何学的な変換パラメータ、例えば位置ずれ及び拡大・縮小の量を計算する(S22)。次に印刷品質検査装置50は、求めた変換パラメータが、この装置50に登録されている許容範囲内であるか否かを判定する(S24)。この判定での許容範囲は、S16の判定での許容範囲とは独立に定めることができる。この判定で、変換パラメータが許容範囲内でないと判定した場合、印刷品質検査装置50は個別画像140の印刷が不良であると判定し(S26)、その判定結果を印刷システムの制御部に対し出力する(S34)。印刷システムの制御部は、この判定結果に応じ、検査した印刷物を処理する。
S24で変換パラメータが許容範囲内と判定した場合、印刷品質検査装置50は、定型画像120をS14で求めた各方向の変換パラメータの分だけ幾何学的に変換するとともに、個別画像140をS22で求めた各方向の変換パラメータの分だけ幾何学的に変換した上で、それら両画像を合成して合成画像160を作成する(S28)。そして、印刷品質検査装置50は、この合成画像160をテンプレートとして、検査画像100に対してパターンマッチング等による照合を行い(S30)、その照合の結果に基づき印刷品質の良否や、欠陥がある場合はその欠陥の所在位置などを判定する(S32)。この判定結果を印刷システムの制御部に供給され(S34)、この制御部はその判定結果に応じ、検査した印刷物を処理する。
以上に説明した実施形態はあくまで一例に過ぎない。
例えば、上記実施形態では、差分波形230を求める際に、定型画像120の投影波形210を検査画像100の投影波形220に合わせるように幾何学的に変換(以下、識別のために変換Tと呼ぶ)し、投影波形220から減算したが、この逆に検査画像100の投影波形220を定型画像120の投影波形210に合わせるようにTの逆変換T-1を施し、後者から前者を減算することで差分波形(以下、識別のために差分波形230’と呼ぶ)を求めることもできる。この差分波形230’に対し変換Tを施すことで差分波形230を得ることができ、その後は上述のS22以降の処理を実行すればよい。
また、上述の差分波形230’を求めた後、個別画像140の投影波形240に対して逆変換T-1を施し、この結果得られた投影波形240’と差分波形230’との間で、前者を後者に位置合わせ及びスケール合わせするための幾何学的変換パラメータを計算することも可能である。このようにして求めた幾何学的変換パラメータを用いて、S24以降の処理を実行すればよい。
また、以上では、定型画像120が事前に印刷されたプレプリント用紙に個別画像140を印刷した印刷物を検査する場合を説明したが、以上に説明した処理内容から明らかなように、本発明はこのような場合に限らず、同一用紙面に複数の画像を複数回の印刷処理で個別に印刷して作成した印刷物の検査に適用可能である。
また、個別画像を検査画像に合わせるための幾何学的変換を求めてから,定型画像を検査画像に合わせるための幾何学的変換を求めても良い。
さらに、その逆で、検査画像を個別画像に合わせるための幾何学的変換を求めてから、検査画像を個別画像に合わせるための幾何学的変換を求めても良い。
また以上では、白黒2値の画像についての処理を例にとって説明したが、検査画像100、定型画像120及び個別画像140がカラー画像である場合にも上記実施形態の手法は適用可能である。この場合、それら各カラー画像を二値化し、それら各二値化画像の投影波形に基づき上述の手法で定型画像120及び個別画像140の幾何学的変換パラメータを計算すればよい。そして、計算された各変換パラメータを用いてカラーの定型画像120及び個別画像140を幾何学的に変換し、合成画像160を作成し、この合成画像をカラーの検査画像100と照合する。
この他にも、特許請求の範囲に示した本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
本発明の処理内容に説明に用いる印刷物の具体例における、定型画像と検査画像との関係を示す図である。 本発明の処理内容に説明に用いる印刷物の具体例における、個別画像と検査画像との関係を示す図である。 定型画像の投影波形を説明するための図である。 検査画像の投影波形を説明するための図である。 定型画像と検査画像との間での投影波形同士の比較処理を示す図である。 定型画像と検査画像との間の投影波形同士の差分波形を示す図である。 個別画像の投影波形を説明するための図である。 定型画像と個別画像から合成画像を生成する処理を説明するための図である。 比較される一方の投影波形を模式的に示す図である。 比較されるもう一方の投影波形を模式的に示す図である。 投影波形の大局的な凹凸の様子を検出するための局所的ピーク検出方法を表す説明図である。 局所的ピークを選別する手段の動作原理を示す説明図である。 投影波形の幅を検出するための処理を表す説明図である。 投影波形の幅を求めるための関数を表す説明図である。 ピークリストの一例を表す説明図である。 変換パラメータを推定する手続きの概要を表す説明図である。 変換パラメータを推定する手続きの概要を表す説明図である。 投票領域の制限の一例を表す説明図である。 本発明に係る印刷品質検査装置が適用される印刷システムの一例の概略構成を示す図である。 本発明に係る印刷品質検査装置のハードウエア構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明に係る印刷品質検査装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
100 検査画像、120 定型画像、140 個別画像、160 合成画像、210,220,240 投影波形、212,222,232,242 特徴的なピーク、230 差分波形。

Claims (12)

  1. 同一用紙面上に第1基準画像と第2基準画像とが別々の印刷処理により印刷されてなる印刷物を検査するための印刷品質検査装置であって、
    前記第1基準画像と、前記印刷物の印刷面の読取により得られた印刷面画像中で前記第1基準画像に対応する第1対応画像部分と、の間の第1の幾何学的変換を計算する第1変換計算部と、
    前記第2基準画像と、前記印刷面画像中で前記第2基準画像に対応する第2対応画像部分と、の間の第2の幾何学的変換を計算する第2変換計算部と、
    前記第1基準画像、前記第2基準画像、前記第1の幾何学的変換、前記第2の幾何学的変換を用いて、前記印刷面画像の品質を判定する第1判定部と、
    を備え、
    前記第1変換計算部は、前記印刷面画像と前記第1基準画像との所定の画像特徴同士を比較することにより前記第1の幾何学的変換を計算し、
    前記第2変換計算部は、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算し、
    前記第1判定部は、前記第1の幾何学的変換を前記第1基準画像に施すことにより得られる第1の変換後画像と、前記第2の幾何学的変換を前記第2基準画像に施すことにより得られる第2の変換後画像と、を合成して合成画像を形成し、前記印刷面画像と前記合成画像との比較に基づき前記印刷面画像の品質を判定し、
    前記所定の画像特徴は、画像を当該画像の面内の所定の複数の方向にそれぞれ投影して得られる複数の投影波形である、
    ことを特徴とする印刷品質検査装置。
  2. 請求項1記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第2変換計算部は、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算する処理に代えて、前記印刷面画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換の逆変換を反映したものと前記第1の基準画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算することを特徴とする印刷品質検査装置。
  3. 請求項1又は2記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第1変換計算部は、前記第1基準画像の前記投影波形の中で所定の判別条件を満足する複数の特徴点と、前記印刷面画像中の前記投影波形の中で前記所定の判別条件を満足する複数の特徴点とが最もよく対応づけられる幾何学的変換をハフ変換演算を用いて計算し、これにより求められた幾何学的変換を前記第1の幾何学的変換とすることを特徴とする印刷品質検査装置。
  4. 請求項1記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第2変換計算部は、前記第1基準画像の前記投影波形に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記投影波形との差分波形を求め、この差分波形中で前記所定の判別条件を満足する複数の特徴点と、前記第2基準画像の前記投影波形の中で所定の判別条件を満足する複数の特徴点とが最もよく対応づけられる幾何学的変換をハフ変換演算を用いて計算し、これにより求められた幾何学的変換を前記第2の幾何学的変換とすることを特徴とする印刷品質検査装置。
  5. 請求項記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第2変換計算部は、前記印刷面画像の前記投影波形に前記第1幾何学的変換の逆変換を反映したものと前記第1基準画像の前記投影波形との差分波形を求め、この差分波形中で前記所定の判別条件を満足する複数の特徴点と、前記第2基準画像の前記投影波形の中で所定の判別条件を満足する複数の特徴点とが最もよく対応づけられる幾何学的変換をハフ変換演算を用いて計算し、これにより求められた幾何学的変換を前記第2の幾何学的変換とすることを特徴とする印刷品質検査装置。
  6. 請求項1又は2記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第1基準画像は、罫線又は表罫線又は枠線を含む画像であることを特徴とする印刷品質検査装置。
  7. 請求項1又は2記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第1変換計算部で計算された前記第1の幾何学的変換が所定の許容範囲を逸脱する場合に、前記印刷面画像が不良であると判定する第2判定部を有し、この第2判定部にて前記印刷面画像が不良であると判定した場合は、前記第1判定部による判定処理を実行しないことを特徴とする印刷品質評価装置。
  8. 請求項1又は2記載の印刷品質検査装置であって、
    前記第2変換計算部で計算された前記第2の幾何学的変換が所定の許容範囲を逸脱する場合に、前記印刷面画像が不良であると判定する第3判定部を有し、この第3判定部にて前記印刷面画像が不良であると判定した場合は、前記第1判定部による判定処理を実行しないことを特徴とする印刷品質評価装置。
  9. 同一用紙面上に第1基準画像と第2基準画像とが別々の印刷処理により印刷されてなる印刷物を検査するために、コンピュータシステムにより実行される印刷品質検査方法であって、
    前記第1基準画像と、前記印刷物の印刷面の読取により得られた印刷面画像中で前記第1基準画像に対応する第1対応画像部分と、の間の第1の幾何学的変換を計算する第1変換計算ステップと、
    前記第2基準画像と、前記印刷面画像中で前記第2基準画像に対応する第2対応画像部分と、の間の第2の幾何学的変換を計算する第2変換計算ステップと、
    前記第1基準画像、前記第2基準画像、前記第1の幾何学的変換、前記第2の幾何学的変換を用いて、前記印刷面画像の品質を判定する判定ステップと、
    を含み、
    前記第1変換計算ステップでは、前記印刷面画像と前記第1基準画像との所定の画像特徴同士を比較することにより前記第1の幾何学的変換を計算し、
    前記第2変換計算ステップでは、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算し、
    前記判定ステップでは、前記第1の幾何学的変換を前記第1基準画像に施すことにより得られる第1の変換後画像と、前記第2の幾何学的変換を前記第2基準画像に施すことにより得られる第2の変換後画像と、を合成して合成画像を形成し、前記印刷面画像と前記合成画像との比較に基づき前記印刷面画像の品質を判定し、
    前記所定の画像特徴は、画像を当該画像の面内の所定の複数の方向にそれぞれ投影して得られる複数の投影波形である、
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項9記載の方法であって、
    前記第2変換計算ステップでは、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算する処理に代えて、前記印刷面画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換の逆変換を反映したものと前記第1の基準画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算する、ことを特徴とする方法。
  11. コンピュータシステムを、同一用紙面上に第1基準画像と第2基準画像とが別々の印刷処理により印刷されてなる印刷物を検査するための印刷品質検査装置として機能させるためのプログラムであって、該コンピュータシステムを、
    前記第1基準画像と、前記印刷物の印刷面の読取により得られた印刷面画像中で前記第1基準画像に対応する第1対応画像部分と、の間の第1の幾何学的変換を計算する第1変換計算部と、
    前記第2基準画像と、前記印刷面画像中で前記第2基準画像に対応する第2対応画像部分と、の間の第2の幾何学的変換を計算する第2変換計算部と、
    前記第1基準画像、前記第2基準画像、前記第1の幾何学的変換、前記第2の幾何学的変換を用いて、前記印刷面画像の品質を判定する第1判定部と、
    して機能させるとともに、
    前記第1変換計算部は、前記印刷面画像と前記第1基準画像との所定の画像特徴同士を比較することにより前記第1の幾何学的変換を計算し、
    前記第2変換計算部は、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算し、
    前記第1判定部は、前記第1の幾何学的変換を前記第1基準画像に施すことにより得られる第1の変換後画像と、前記第2の幾何学的変換を前記第2基準画像に施すことにより得られる第2の変換後画像と、を合成して合成画像を形成し、前記印刷面画像と前記合成画像との比較に基づき前記印刷面画像の品質を判定し、
    前記所定の画像特徴は、画像を当該画像の面内の所定の複数の方向にそれぞれ投影して得られる複数の投影波形である、
    ことを特徴とするプログラム。
  12. 請求項11記載のプログラムであって、
    前記第2変換計算部は、前記第1基準画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換を反映したものと前記印刷面画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算する処理に代えて、前記印刷面画像の前記所定の画像特徴に前記第1の幾何学的変換の逆変換を反映したものと前記第1の基準画像の前記所定の画像特徴との差分と、前記第2基準画像の前記所定の画像特徴とを比較することにより、前記第2の幾何学的変換を計算することを特徴とするプログラム。

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