JP4653466B2 - 発泡ガラスを活用した地すべり抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自然の傾斜地や盛土部分おける地すべりや崩壊の発生を未然に防止する方法並びに施工構造に関する。
地球環境の保全を目指したゼロエミッション(資源循環型社会)構想の気運の高まりに伴い、各種の廃棄物を再利用したリサイクル製品が考案されている。そのような製品の一つに、廃棄ガラスを加工して再利用した新資材・発泡ガラスがある。発泡ガラスは、2 〜75mmの不定形塊状で、軽量、高通水の特性を有している。土木構造物である擁壁、ボックスカルバート等の裏込め等、砂や砂利の代替材として利用され始めているが、コスト高になることにより採用件数は伸びていない。発泡ガラスの特性を十分に生かした活用法を確立する必要がある。
一方、宅地、農地、公園等の造成に伴って多くの盛土斜面が建設されている。例えば、特開2001−193071号公報に記載の軽量盛土工法なども開示されている。盛土の際の斜面勾配は盛土材の強度に応じて決定されるものであるが、土地利用との関係で、勾配を安定勾配より急にする必要がある場合には、擁壁による補強や盛土材の軽量化等により斜面の安定が図られている。しかし、豪雨や長雨の後に盛土斜面において地すべりや崩壊が発生することも少なくない。このような地すべり・崩壊の発生の主要因の一つは地下水位の上昇に伴う間隙水圧の増大であり、通常、水抜きボーリング工による地下水排除により対策がなされている。地下水排除は、盛土に限らず自然斜面で発生した地すべりの再発生防止対策においても効果的であるが、水抜きボーリング工の排水用有孔管の経年的な機能低下が問題視されている。
特開2001−193071
本発明では、豪雨が引き金になり発生した盛土地すべり事例をモデルとして、発泡ガラスを活用した盛土斜面の設計について検討を行った。
図1は通常の造成盛土斜面を示す断面図である。傾斜地帯における農地や宅地、公園地等の造成整備では, 図1のような盛土斜面が構造上必要とされる。その斜面長は地盤および土質特性により大きくなる場合が多く、新たな用地の取得や周辺の土地利用との関係から斜面を短く急勾配として擁壁で補強する必要が生じたりして, 整備コストが増大する。他方, 土質的に問題の多い地盤では, 造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するので, 豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊が多発する。
一方、本発明で利用する発泡ガラスは次のようにして製造される。すなわち、図2(1)の1は廃びんであり、この廃びん1を破砕機によって破砕すると、(2)のように、数mm大の粒2になる。このガラスカレット2を、粉砕機によってパウダー状に粉砕すると、(3)のように、ガラス粉末3になる。このようなガラス粉末3に発泡剤を混ぜて、炉の中で焼成すると、板状の発泡盤となって出て来るが、大気で急冷されると自然に割れて(4)のような軽石状の発泡ガラス4となる。この発泡ガラスの製造装置の詳細は特開2001−335391に開示されている。
このように、本発明で利用する発泡ガラスは、廃棄ガラスびんなどのガラスを再利用した新材料である。出来上がった発泡ガラスの特質は、連続間隙型(吸水性)または独立間隙型(非吸水性)のガラス質多孔体で, 乾燥密度および吸水率を製造過程の諸条件を変えることで調整することができる。今回の発明に用いた発泡ガラスは、乾燥密度ρd =0.4 〜0.5g/ cm3 、吸水率10%の独立間隙型のものである。<37.5mm調整試料の単位体積重量はνw=2.9 〜3.9kN/ m3で、透水係数はκ= 3 ×10-2〜1 ×10 0cm/ s である。
本発明の技術的課題は、従来の盛土における前記のような問題に着目し、軽量で高通水性という特性を有する発泡ガラスを用いて盛土などの地すべりや崩壊を効果的に抑止可能とすることにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1のように、造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するため豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊の要因となりそうな造成盛土斜面に、任意の深さの任意形状の窪みないし穴を掘って、その中に発泡ガラス資材を詰め込んだ構造にすると、周囲の地下水が発泡ガラス資材詰め込み部に集中するので、発泡ガラス資材詰め込み部中に集まった水を効果的に排水すれば、地下水の水位が発泡ガラス資材詰め込み部の底部より高くなることを防止でき、地下水の水位を従来より低下できる。
そのため造成盛土斜面の地すべりや崩壊を効果的に抑制可能となる。発泡ガラス資材詰め込み部中に集まった水を効果的に排水するには、天然の通水性の良いか所を探して、その付近に設けたり、請求項4に記載のような通水路などで連通するなどの手法で実現できる。
また、盛土などの傾斜面の上に造成面が有る場合、造成面における前記造成盛土斜面寄りの位置が水位上昇等で一層地すべりや崩壊を起こしやすい。この際の重みで地すべりや崩壊を一層起こしやすい領域に、前記の軽い発泡ガラス資材の詰め込み部を設けると、地下水の水位を低下できる効果に加えて、発泡ガラス資材が軽量であるため、地すべりや崩壊がより一層発生しにくくなる。
請求項2のような方法によると、
(1).造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するため豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊を起こしやすい造成盛土斜面に発泡ガラス資材の詰め込み部を設けると共に、
(2).造成面における水位上昇の影響を最も受けやすい前記造成盛土斜面寄りの位置にも、軽い発泡ガラス資材の詰め込み部を設けるため、造成盛土斜面や造成面の造成盛土斜面寄りの位置の地すべりや崩壊を効果的に抑制できる。
請求項3は、前記の発泡ガラス資材詰め込み部、傾斜面における等高部位に沿って、排水機能と軽量化機能を考慮して配設することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発泡ガラスを活用した地すべり抑制方法である。このように、前記の発泡ガラス資材詰め込み部が、傾斜面における等高部位に沿って、排水機能と軽量化機能を考慮して配設することにより、地下水の水位を全体的に均一のレベルに揃えることができる。そのため、部分的に特別に地下水の水位が低い部分が生じて、その部分から地すべりや崩壊が発生するような問題を未然に防止できる。
請求項4は、前記の発泡ガラス資材詰め込み部を複数か所に設け、それぞれの発泡ガラス資材詰め込み部の間または外気に、連通用発泡ガラス資材詰め込み部又は管で形成した通水性路で連通することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の発泡ガラスを活用した地すべり抑制方法である。通水性路とは、配管や排水路などでもよいし、通水性のよい性質の土壌や本発明に用いる発泡ガラスなどを埋めた通水性の経路などであってもよい。このように、前記の発泡ガラス資材詰め込み部を複数か所に設けると共にそれぞれの発泡ガラス資材詰め込み部の間を通水性路で連通することにより、最高位の発泡ガラス資材詰め込み部から最低位の発泡ガラス資材詰め込み部に排水を集めてから、大気に導いて外部に排水できる。あるいは、複数のそれぞれの発泡ガラス資材詰め込み部から、通水性路によって外気に連通させて、外部に排水してもよい。
請求項1のように、造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するため豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊の要因となりそうな造成盛土斜面に、任意の深さの任意形状の窪みないし穴を掘って、その中に発泡ガラス資材を詰め込んだ構造にすると、周囲の地下水が発泡ガラス資材詰め込み部に集中するので、発泡ガラス資材詰め込み部中に集まった水を効果的に排水すれば、地下水の水位が発泡ガラス資材詰め込み部の底部より高くなることを防止でき、地下水の水位を従来より低下できる。
そのため、造成盛土斜面の地すべりや崩壊を効果的に抑制可能となる。
また、盛土などの傾斜面の上に造成面が有る場合、造成面における前記造成盛土斜面寄りの位置が水位上昇等で一層地すべりや崩壊を起こしやすい。このように重みで地すべりや崩壊を一層起こしやすい領域に、前記の軽い発泡ガラス資材の詰め込み部を設けると、地下水の水位を低下できる効果に加えて、発泡ガラス資材が軽量であるため、地すべりや崩壊がより一層発生しにくくなる。
請求項2のような方法によると、
(1).造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するため豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊を起こしやすい造成盛土斜面に発泡ガラス資材の詰め込み部を設けると共に、
(2).造成面における水位上昇の影響を最も受けやすい前記造成盛土斜面寄りの位置にも、軽い発泡ガラス資材の詰め込み部を設けるため、造成盛土斜面や造成面の造成盛土斜面寄りの位置の地すべりや崩壊を効果的に抑制できる。




請求項3のように、前記の発泡ガラス資材詰め込み部が、傾斜面における等高部位に沿って配設することにより、地下水の水位を全体的に均一のレベルに揃えることができる。そのため、部分的に特別に地下水の水位が低い部分が生じて、その部分から地すべりや崩壊が発生するような問題を未然に防止できる。
請求項4のように、前記の発泡ガラス資材詰め込み部を複数か所に設けると共にそれぞれの発泡ガラス資材詰め込み部の間を通水性路で連通することにより、最高位の発泡ガラス資材詰め込み部から最低位の発泡ガラス資材詰め込み部に排水を集めてから、大気に導いて外部に排水できる。あるいは、複数のそれぞれの発泡ガラス資材詰め込み部から、通水性路によって外気に連通させて、外部に排水してもよい。
次に本発明による発泡ガラスを活用した盛土技術が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図3は、ガラス発泡材を適切施用した造成盛土の縦断面図であり、図4はその平面図である。5が計画造成面、6が盛土傾斜面であり、網目斜線部7が盛土部、8が元地盤である。
本発明の場合、傾斜面6の地すべりや崩壊の要因となりそうな領域に任意の深さの任意形状の窪みないし穴を掘って、その中に発泡ガラス資材を詰め込むが、9がこうして形成した発泡ガラス詰め込み部である。この発泡ガラス詰め込み部9は、1段だけ設けてもよいが、図示のように、複数段設けるのがより効果的である。また、図3、図4からも明らかなように、発泡ガラス詰め込み部9は、傾斜面6における等高部位に沿って配設してある。なお、最下位の発泡ガラス詰め込み部93は、末端部擁壁を兼ねている。
さらに、発泡ガラスの軽量性を生かして、図3の発泡ガラス詰め込み部91のように、造成面5における傾斜面6寄りの位置に設けることも有効であり、軽量で軽荷重となるため、最も強度の弱い部分の地すべりや崩壊を効果的に抑止できる。
図5は別の実施形態を示す平面図であり、前記の発泡ガラス詰め込み部9を複数か所に設けると共に、それぞれの発泡ガラス詰め込み部9の間を通水性路10で連通してある。図5の場合は、上下の発泡ガラス詰め込み部91、92、93の間に溝を掘って、その中に発泡ガラスを詰め込んである。各発泡ガラスの間隙は通水路として作用するため、排水溝として作用する。
発泡ガラスを詰め込まずに、U字溝状の水路としてもよいが、図示のように発泡ガラス4を詰め込みのがよい。しかも、各発泡ガラス詰め込み部9はもちろん、通水性路10中の発泡ガラス4の上に土を被せたり、芝生を被せたりして、発泡ガラス4が露出しないようにするのがよい。被せる深さないし厚さは任意である。
図3では、排水パイプ11が図示されている。このように、各発泡ガラス詰め込み部9の底側に排水パイプ11を設けて、隣接する発泡ガラス詰め込み部9の間を連結して、通水可能としてもよい。排水パイプ11が図5の通水性路10の役目を果たしている。排水パイプ11や図5の通水性路10は、直接に外気に導いて、外部に排水可能とすることもできる。
以上のように、発泡ガラス詰め込み部9を設けて、天然の排水性部や排水パイプ11や図5の通水性路10などを用いて、発泡ガラス詰め込み部9に集まった水を効果的に排水する手法を採ることによって、地下水の水位の上昇を抑制することが可能となる。図3における一点鎖線12が低下した地下水の水位であり、発泡ガラス詰め込み部9を設けたことにより、それぞれの発泡ガラス詰め込み部9の底部近傍まで地下水の水位が低下する。図1の二点鎖線13で示す地下水の水位が傾斜面の表面近くまであり、図3の場合に比べると極めて高いことが明らかである。
次に、発泡ガラスを活用した盛土設計について説明する。
1.発泡ガラスを盛土材とした設計
発泡ガラスは高通水性(κ=3×10-2〜1 ×10 0cm/s)であるので、浸透地下水は速やかに排出され、発泡ガラス層中において水位の上昇はない。仮想すべり面の強風化泥岩にその完全軟化強度(φsf=27.6 °(csf=0 ))を、盛土部に発泡ガラスのピーク強度(cf=60kN/ m2・φf=34°)を適用した場合、安全率はFs=5.87となった。盛土材を発泡ガラスとすることにより盛土の安定度は高くなり、末端部擁壁のスリム化や斜面の急勾配化も可能になる。しかし、発泡ガラスの大量使用は不経済である上、造成地の用途(基盤に支持力が求められる車道、宅地等)によっては活用が不可となることも考えられる。
2.軽量性を生かした盛土設計
発泡ガラスの軽量性を生かした盛土設計の一例を図6に示す。図6中、発泡ガラス施用部は、すべりブロック頭部の軽量化による滑動力の軽減を図っている。図6に示した地下水位の下、仮想すべり面の発泡ガラス部にそのピーク強度(cf=60kN/ m2・φf=34°)を、盛土泥岩部にそのピーク強度(c ′f =10kN/ m2・φ′f=37.5°)を、強風化泥岩部にその完全軟化強度(φsf=27.6 °(csf =0))を適用した場合、安全率はFs=1.78 となった。すべりブロック頭部の軽量化の効果はかなり大きい。しかし、発泡ガラスの軽量性により押さえ効果も激減することから、発泡ガラス施用部の後背地が新たに不安定化し、液状的にすべるおそれがある。そのため、波状性すべり発生防止の新たな対策が必要となる。
3.高通水性を生かした盛土設計
地下水位上昇に伴う間隙水圧の増大が地すべり発生の主要因の一つであるので、盛土の安定化に当たっては、地下水および地表水の排除が有効である。発泡ガラスの高通水性を生かした盛土の設計例を図7に示す。地下水位を低下させ、地下水位の上昇を抑制するための役割を果たすことを期待して発泡ガラスを明渠的施用した。斜面右上方に位置している発泡ガラス明渠が捕水渠として機能して、背後地からの地表水および地下浸透水を遮断するため、流入水は、盛土斜面に浸透する前に排除される。図7に示した地下水位の下、仮想すべり面の盛土泥岩部の強度にc ′f=10k N/ m2・φ′f =37.5 °を、強風化泥岩部にφsf=27.6°(csf=0)を適用し、Fs=1.14 を得た。発泡ガラスの補水機能を活用することにより、水抜きボーリング工と同等の効果が期待できる。
4.合理的な盛土設計
軽量化による滑動力の軽減と高通水性による地下水位の上昇抑制を検討した。図8において、斜面頭部の大きな発泡ガラス明渠は、捕水渠としての役割とともに滑動力を軽減する働きも併せ持ち、土かぶり圧による押さえ効果を失わないよう考慮して設定した。他の斜面中のものは、地下水位を降下させ、その後の長雨や豪雨後の地下水位上昇を抑制する機能を持つ。斜面を急勾配下し(1:1.2 )末端部の擁壁を設置しない場合でも、仮想すべり面の盛土泥岩部にc′f =10kN/ m2・φ′f =37.5°を、強風化泥岩部にφsf=27.6 °(csf= 0)を、発泡ガラス部にcf=60kN/ m2・φf=34.0°適用しFs=1.52を得た。発泡ガラスの特性を生かし設計することにより、盛土が縮小され擁壁が不用となり、低コストの造成地整備が可能となる。
以上のように、本発明で用いる発泡ガラスは、ガラス発泡材の通水性, 軽量性および強度は土質工学的に優れた特質である。したがって、本発明のように発泡ガラス詰め込み部を設ける手法によると、通常の造成盛土斜面に比べて, 整備コストおよび安全性でかなり有利である。ガラス発泡材施用の効果, 作用, 優位性として次の点が挙げられる。
(1)ガラス発泡材の通水性は地下水位上昇抑制に, 軽量性は破壊応力低減に効果的に作用する。
(2)ガラス発泡材は強度的に変形・破砕がほとんど無いため, 施用後の配置構造および排水機能の経年的な変化がほとんどない。
(3)(1)および(2)の優位性の活用により, 急勾配化による斜面長短縮が可能となり, 用地取得のコスト減が図れる。
(4)(1)および(2)の機能を最大限に活かすことにより, 斜面末端の擁壁補強が不要となり, 造成のコスト減が図れる。
(5)(1)の優位性を活かしたガラス発泡材の盛土斜面への適切施用により, 限界地下水位に至らしめない構造となり, 土砂災害発生の未然防止が可能になる。
(6)地形, 地質, 土質および用地条件に応じた柔軟な造成盛土設計が可能になる。
以上のように、ガラス発泡材の通水性ふ軽量性という特質を生かして、傾斜面の地すべりや崩壊の要因となりそうな領域に任意の深さの任意形状の窪みない穴を形成して、その中に発泡ガラスを詰め込む手法を採ることによって、地下水の水位を低下させて、地すべりや崩壊を抑止できる。したがって、自然災害の抑止に加えて、廃ガラスを利用し資源を有効活用すると共に廃ガラスの抑制による環境保全にも寄与できる。
通常の造成盛土斜面を示す断面図である。 発泡ガラスの製造方法を示す図である。 ガラス発泡材を適切施用した造成盛土の縦断面図である。 図3の造成盛土の平面図である。 上下の発泡ガラス詰め込み部の間を連通する実施形態を示す平面図である。 発泡ガラスの軽量性を生かした盛土設計の一例を示す縦断面図である。 発泡ガラスの高通水性を生かした盛土の設計例を示す縦断面図である。 合理的な盛土設計の例を示す縦断面図である。
符号の説明
5 計画造成面
6 盛土傾斜面
7 盛土部
8 元地盤
9 発泡ガラス詰め込み部
91 造成面の傾斜面寄りの発泡ガラス詰め込み部
93 末端部擁壁
10 通水性路
11 排水パイプ

Claims (4)

  1. 造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するため豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊を起こしやすい造成盛土斜面に、任意の深さの任意形状の窪みないし穴を掘って、その中に発泡ガラス資材を詰め込むことで、地下水の水位の上昇を抑制すると共に、
    排水機能と軽量化機能を生かすべく、造成面における前記造成盛土斜面寄りの位置にも、発泡ガラス資材の詰め込み部を設けてなること、
    を特徴とする発泡ガラスを活用した造成施工構造。
  2. 造成後に盛土と元地盤との境界面付近土が浸透水により年々弱化するため豪雨や長雨の際の地下水上昇が原因で地すべりや崩壊を起こしやすい造成盛土斜面に、任意の深さの任意形状の窪みないし穴を掘って、その中に発泡ガラス資材を詰め込むことで、地下水の水位の上昇を抑制すると共に、
    排水機能と軽量化機能を生かすべく、造成面における前記造成盛土斜面寄りの位置にも、発泡ガラス資材詰め込み部を設けること、
    を特徴とする発泡ガラスを活用した造成盛土斜面の地すべり抑制方法。
  3. 前記の発泡ガラス資材詰め込み部、傾斜面における等高部位に沿って、排水機能と軽量化機能を考慮して配設することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発泡ガラスを活用した地すべり抑制方法。
  4. 前記の発泡ガラス資材詰め込み部を複数か所に設け、それぞれの発泡ガラス資材詰め込み部の間または外気に、連通用発泡ガラス資材詰め込み部又は管で形成した通水性路で連通することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の発泡ガラスを活用した地すべり抑制方法。
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