JP4634161B2 - 荷電ビーム露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブランキングまたはアンブランキングされた荷電ビームをそれぞれ非通過または通過させるアパーチャ機構を有する荷電ビーム露光装置に関する。
半導体基板、フォトマスク、X線マスク等の試料表面に所望の微細パターンを形成する技術として、荷電ビーム描画技術が注目されている。この荷電ビーム描画技術では、荷電ビームのオン、オフにブランキング偏向系が用いられる。
その一例として、電子ビーム装置の場合について、図8を用いて述べる。同図は、電子ビーム装置内に設置されたブランキング装置を表す図であり、13はビームである電子ビーム、14はビームブランキング装置を通過したオン状態の電子ビーム、15はブランキング装置により偏向されたオフ状態の偏向電子ビーム、17は電圧を印加して電子ビーム13を偏向させ、オン、オフ制御をするビームブランカーとして機能する静電偏向器であり、一対のビームブランキング電極17a、17bを備えている。18はビームブランカー17によって偏向された偏向電子ビーム15を遮断するためのブランキングアパーチャー、19はオン状態の電子ビームを通過させるためにブランキングアパーチャー18に設けられている開口である。
次に上記ビームブランキング偏向系の動作について説明する。
電子ビーム13がオン状態にあるときには、ビームブランキング電極17a,17bはともに同電位(通常は接地電位)にしておく。この時、電子ビーム13は直進してブランキングアパーチャー18の中央に設けられている開口19を通過する。
電子ビーム13をオフ状態にするときには、例えばビームブランキング電極17aに負、17bに正の電圧を印加して電子ビーム13を静電偏向させ、偏向電子ビーム15をブランキングアパーチャー18上の点61に照射させ、遮断する。
電子ビーム露光装置では、上記ブランキング動作が頻繁に行われる。ビームをオフ状態にすると、ブランキングアパーチャー18に電子ビーム15を直接照射することになるため、ブランキングアパーチャー18において反射電子や2次電子が発生し、電子ビーム光軸付近の部材を含む鏡筒内各部を帯電または汚染して、それらを原因とする電界が発生して電子ビームに影響を与える。その結果、電子ビームの位置ずれが生じ、描画性能を低下させる。
これを防止するため、特開昭56−18425号公報に記載のように電子捕集箱をビーム通路近傍に配置したり、特開昭62−122213号公報に記載のように鏡筒内壁に金属メッシュを配置してビームと同じ極性の電圧を印加することで減速させ、鏡筒での電子の再反射と散乱を防止している。
特開昭56−18425号公報 特開昭62−122213号公報
電子捕集箱を用いる方法では、電子ビームを電子捕集箱まで移動させるまでの間に、ブランキングアパーチャーで反射電子や2次電子が発生する。また、鏡筒内壁に金属メッシュを配置する方法では、偏向器自身が汚染されるおそれがあるほか、ビームと同じ極性の比較的高い電圧が必要であるため、扱いにくいという問題がある。
また、鏡筒内には、種々の要因によって発生した、描画荷電ビームのエネルギーより低いエネルギーを持つ荷電粒子の浮遊があり、これらの荷電粒子が鏡筒内部に配置されている部材を帯電または汚染して、描画性能を低下させてしまうという問題もある。
本発明の目的は、荷電ビームをブランキングアパーチャーで遮蔽したときに、ブランキングアパーチャーで反射または発生する荷電粒子や鏡筒内の浮遊荷電粒子によって、鏡筒内部に配置されている部材が帯電または汚染されることを防止して描画性能の低下を最小限にとどめることが可能な荷電ビーム露光装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の荷電ビーム露光装置は、荷電ビーム源から放射された荷電ビームを偏向するブランキング電極と、前記ブランキング電極により偏向された前記荷電ビームを遮蔽するブランキングアパーチャーとを用いて、前記荷電ビームの照射を制御する荷電ビーム露光装置において、前記ブランキングアパーチャーで反射された荷電粒子または発生した荷電粒子を吸収するように、前記ブランキングアパーチャーと前記ブランキング電極との間に配置されて、前記荷電ビームとは反対極性の電圧が印加される第1の導電性部材と、前記第1の導電性部材による電子レンズ作用を打ち消すように前記第1の導電性部材と前記ブランキング電極との間に配置された第2の導電性部材と、を備えることを特徴とする。
以上説明したように本発明によれば、荷電ビームをブランキングアパーチャーで遮蔽するときにブランキングアパーチャーで反射または発生する荷電粒子や鏡筒内の浮遊荷電粒子を、荷電ビームと反対極性の電圧を印加した導電性部材で吸収することにより、鏡筒内部に配置されている部材の帯電または汚染を防止して電子ビームの位置ずれに起因する描画性能の低下を最低限にとどめることができる。
以下、本発明の実施の形態につき、電子ビーム露光装置を例に挙げ、図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施例1に係る電子ビーム露光装置を図1および図2に則して説明する。まず、図1に第1の導電性モジュールとしての導電性部材とブランキングアパーチャーの代表的な配置を示す。
同図において、13は電子ビームである。電子ビーム13は偏向器(ビームブランキング装置)17の二つのビームブランキング電極17a、17bの電圧によって、オン状態の電子ビーム14とオフ状態の偏向電子ビーム15が作られる。オン状態の電子ビーム14は、後述する第1の導電性モジュールとしての導電性部材11の電子ビーム通過部12とブランキングアパーチャー18に設けられた開口19を通過する。オフ状態の電子ビーム15は、導電性部材11の電子ビーム通過部12を通過した後、ブランキングアパーチャー18で遮蔽される。このとき、オフ状態の電子ビーム15がブランキングアパーチャー18の表面に照射されることにより、ブランキングアパーチャー18の表面で反射電子および2次電子16が発生する。
第1の導電性モジュールとしての導電性部材11は、ブランキングアパーチャー18近傍の電子ビーム13の入射側(荷電ビーム源側)に設け、電子ビーム13と反対極性、すなわち正電圧を印加する。この導電性部材11には、電子ビーム13が偏向器17によって偏向される範囲以上の大きさの電子ビーム通過部12が形成されている。また、この導電性部材11は、高い電気伝導率を持つような、例えば金のような物質で形成されている。
上記導電性部材11は、高い電気伝導率を持ち、電子ビーム13が導電性部材11に接触することなく通過できるものであれば、板状のものや、網目状のものを用いることができる。本実施例では、上記導電性部材11は、形状が板状の円形であり、中心部に電子ビーム通過部12を設けてある。また、実装上許される範囲で、形状は選べることが分かっている。
例えば、上記ブランキングアパーチャー18は、表面の凹凸構造としてハニカム構造を適用した場合、ブランキングアパーチャー18にオフ状態の電子ビーム15が当たったときに発生する反射電子や2次電子16の発生量を抑制できることが分かっている。
さらに、上記ブランキングアパーチャー18は、Siの原子番号z=14以下の原子番号の材料で作製、または被膜することによっても、ブランキングアパーチャー18にオフ状態の電子ビーム15が当たったときに発生する反射電子や2次電子16を少なくできることも検証できた。
上記導電性部材11を適用した電子ビーム露光装置を図2に示す。同図において、21は電子銃で、描画装置の電子源である。電子源から放射される電子ビームは、その前側焦点位置が電子源位置にあるコンデンサレンズ22によって略平行の電子ビームとなる。電子ビームは、ブランキング電極17と導電性部材11の電子ビーム通過部12を通過して、ブランキングアパーチャー18の開口19付近に電子源の中間像を形成する。
縮小光学系は、磁気レンズ23および磁気レンズ24からなる対称磁気ダブレットと、磁気レンズ25および磁気レンズ26からなる対称磁気ダブレットとを備えて構成される。磁気レンズ23(25)の焦点距離をf1、磁気レンズ24(26)の焦点距離をf2とすると、このレンズ間距離はf1+f2になっている。電子光学軸上の物点は磁気レンズ23(25)の焦点距離にあり、その像点は磁気レンズ24(26)の焦点にある。よって、この2つのレンズを通じて像は−f2/f1に縮小される。また、2つのレンズ磁界が互いに逆方向に作用する様に決定されているので、理論上は、球面収差、等方性非点収差、等方性コマ収差、像面湾曲収差、および軸上色収差の5つの収差を除いて、他のザイデル収差および回転と倍率に関する収差が打ち消される。
電磁型偏向器27と静電型偏向器28からなる偏向器は、電子ビームを偏向させて電子源像を試料29上で平面的に移動させるようになっている。偏向幅が広い場合には電磁型偏向器27が、偏向幅が狭い場合には静電型偏向器28が用いられる。
ダイナミックフォーカスコイル31は、偏向器27および28を作動させた際に発生する偏向収差によるフォーカス位置のずれを補正する。ダイナミックスティグコイル32は、ダイナミックフォーカスコイル31と同様に、偏向により発生する偏向収差の非点収差を補正する。
33は試料29をX、Y、Z方向に移動させるためのXYZステージである。34は、電圧制御装置であり、ブランキング電極の電圧を制御する。35は、電圧制御装置であり、電子ビーム13とは反対極性の電圧を導電性部材11に印加し、制御する。36はステージの制御装置である。37は電子ビーム露光装置の鏡筒または筐体である。
描画の際には、パターンデータに基づいて、電子像を試料29上に投影し、ブランキング電極17を作動させて電子ビームをオン、オフさせながら、電磁型偏向器27と静電型偏向器28およびXYZステージ33を用いて試料29を走査して所望の描画パターンを得ている。
上記電子ビーム露光装置で、オフ状態の電子ビーム15がブランキングアパーチャー18で遮蔽されるとき、ブランキングアパーチャー18の表面で反射電子および2次電子16が発生する。発生した反射電子および2次電子16は、ブランキングアパーチャー18の上方近傍に設置され、電子ビーム13とは反対極性の電圧を印加した導電性部材11に引き寄せられ、吸収される。
本実施例においては、導電性部材11に+10V程度の電圧を印加しているが、約+3Vから実効性があることが確認できている。各種装置に応用する場合には、周辺部材やブランキングアパーチャー等の設置距離に応じて、最適な電圧になるように電圧制御装置35を用いて調整する。
次に本発明の実施例2に係る電子ビーム露光装置について、図3を用いて説明する。図3は図2の電子ビーム露光装置における第1の導電性モジュールとしての導電性部材11の別の態様を示す図である。
図3は、前記図1および図2によって説明した導電性部材11とは異なる第2の導電性モジュールとしての導電性部材41を設置したものである。導電性部材41は、導電性部材41(a)と導電性部材41(b)の2枚で構成されている。導電性部材41はブランキングアパーチャー18近傍の電子ビーム13の入射側に設けられており、それぞれ、電子ビーム13とは反対極性の電圧を印加するものとする。その他の構成部品は、前記図1および図2によって説明したものと同様である。
偏向器17は、電子ビームを偏向する役割を持っていて、電子ビームのオン状態14とオフ状態15を作る。図3に示すように、偏向器17が1組の電極である場合には、偏向器17による電子ビームの移動方向は42のようになる。
従って、電子ビームの移動方向42から、オフ状態の電子ビーム15がブランキングアパーチャー18で遮蔽された場合に反射または発生する電子16の進行方向は、導電性部材41(a)と導電性部材41(b)の2方向となる。正確には、反射または発生する電子16は、これら2方向を中心に各々ある広がりを持った領域に分布する。それらの分布を内包する程度に導電性部材41(a)、および導電性部材41(b)の大きさを決定している。
前記図3の導電性部材41は、前記図1および図2において説明した導電性部材11に比べて占有スペースが小さくて済む。鏡筒37内のスペースの問題上、図1および図2において説明した導電性部材11を配置することが困難である場合にも、導電性部材41は、配置が可能であり、ブランキングアパーチャー18で反射または発生した電子16を効果的に吸収できる。
前記図3において、偏向器17は1組である例について説明した。偏向器17が複数組ある場合には、偏向器17による電子ビームの移動方向42も複数存在する。その複数の電子ビーム移動方向に対応させ、導電性部材41も2枚を1組として複数組配置すればよい。
次に本発明の実施例3に係る電子ビーム露光装置について、図4を用いて説明する。図4は図2の電子ビーム露光装置における導電性部材11と偏向器17の関係の別の態様を示す図である。
図4に示すように、この電子ビーム露光装置では、前記図1および図2によって説明した導電性部材11と偏向器17の間に、別の第3の導電性モジュールとしての導電性部材43を設けて接地してある。ここで、導電性部材43は、個別にアースに接続されているが、接地されている筐体37に直接載置してアースをとってもよい。導電性部材43には、電子ビーム13が偏向器17によって偏向される範囲以上の大きさの電子ビーム通過部44が形成されている。その他の構成部品は、前記図1および図2によって説明したものと同様である。
第3の導電性モジュールとしての導電性部材43を設けていない場合には、ブランキングアパーチャー18で反射または発生する電子16を吸収するために、ビームと反対極性の電圧が印加された導電性部材11によって生じる電界と、偏向器17が作る電界が影響を及ぼしあう。そのために、オン状態の電子ビーム14の試料29上への着地位置が、偏向器17のみが作る電界によって決まる着地位置、つまり描画を行いたい位置からずれてしまうことが考えられる。
アースに接続されている導電性部材43は、ある種のシールド装置として動作し、導電性部材11によって生じる電界と偏向器17が作る電界を導電性部材43が遮蔽する構造となっている。従って、ビームと反対極性の電圧が印加された導電性部材11によって生じる電界と、偏向器17が作る電界の相互作用が抑制され、オン状態の電子ビーム14の試料29上への着地位置が、偏向器17が作る電界によって決まる着地位置からずれてしまうことを防止できる。
次に本発明の実施例4に係る電子ビーム露光装置について、図5を用いて説明する。図5は図2の電子ビーム露光装置における導電性部材11と偏向器17の関係の別の態様を示す図である。
図5に示すように、この電子ビーム露光装置では、前記図1および図2によって説明した導電性部材11と偏向器17の間に別の第3の導電性モジュールとしての導電性部材45を設ける。導電性部材45は、導電性部材45(a)と導電性部材45(b)の2枚からなり、それぞれ、電圧制御装置35に接続されている。導電性部材45には、電子ビーム13が偏向器17によって偏向される範囲以上の大きさの電子ビーム通過部46(a)、46(b)がそれぞれ形成されている。その他の構成部品は、前記図1および図2によって説明したものと同様である。
上記電圧制御装置35は、導電性部材45に電圧を印加して、導電性部材11の電子レンズ作用を打ち消すように動作している。本実施例では、導電性部材11に+10Vの電圧,導電性部材45(a)に+0.5Vの電圧、導電性部材45(b)に−9.2Vの電圧を印加している。各導電性部材11,45に印加する電圧は、各導電性部材11,45の配置、大きさ、および形状によって適宜決定されるが、ブランキングアパーチャー18が電圧0、導電性部材11が正極性であるため、45(b)は負極性、45(a)を電圧0に設定することを基本として、そこから、それぞれの印加電圧を調整して最終的な電圧値を決定する。
導電性部材45を設けていない場合には、ブランキングアパーチャー18で反射または発生する電子16を吸収して、鏡筒内の部品の帯電および汚染を防止するために、ビームと反対極性の電圧が印加された導電性部材11によって生じる電界の電子レンズ作用によって、オン状態の電子ビーム14の試料29上への着地位置が、偏向器17が作る電界によって決まる着地位置、つまり描画を行いたい位置からずれてしまうことが考えられる。
このように、複数の導電性部材45を設けて、複数の導電性部材45の電子レンズ作用と導電性部材11の電子レンズ作用がトータルとして打ち消されるよう、複数の導電性部材45中のそれぞれの導電性部材の印加電圧を決定すれば、電子ビームは導電性部材11が作る電界の電子レンズ作用の影響を受けることなく試料に到達できる。従って、オン状態の電子ビーム14の試料29上への着地位置が、偏向器17が作る電界によって決まる着地位置からずれてしまうことを防止できる。
次に本発明の実施例5に係る電子ビーム露光装置について、図6を用いて説明する。図6は図2の電子ビーム露光装置における導電性部材11とブランキングアパーチャー18の関係の別の態様を示す図である。
図6に示すように、ブランキングアパーチャー47は、電子ビーム13の入射側を頂点とする円錐形であり、中心軸に沿って電子ビーム14が通過する開口48が形成されている。導電性部材49は、ブランキングアパーチャー47と筐体37の間に、ブランキングアパーチャー47を囲むように設置する。その他の構成部品は、前記図1および図2によって説明したものと同様である。
本実施例においては、導電性部材49に+10V程度の電圧を印加しているが、約+3Vから実効性があることが確認できている。各種装置に応用する場合には、周辺部材やブランキングアパーチャー等の設置距離に応じて、最適な電圧になるように電圧制御装置35を用いて調整する。
一般に、偏向器17による電子ビーム13の偏向量を大きくとることは困難である。そのために、図1および図2に示すブランキングアパーチャー18の形状のもとでは、オフ状態の電子ビーム15のブランキングアパーチャー18への入射角が大きくなるため、反射電子16の反射角も大きくなる。従って、反射電子16を吸収するための導電性部材11はオン状態の電子ビーム14の通路の近傍に配置しなければならない。第1の導電性モジュールとしての導電性部材11は、電子を吸収するための電圧が印加されているため、オン状態の電子ビーム14の通路近傍に配置すると、導電性部材11の電界によってオン状態の電子ビーム14の試料29への着地位置に影響を与える。
図6の円錐形のブランキングアパーチャー47を用いることにより、オフ状態の電子ビーム15のブランキングアパーチャー47への入射角は小さくなり、反射電子16の反射角も小さくなって、オン状態の電子ビーム14の通路から遠ざかる方向に進む。従って、この構成ではブランキングアパーチャー47で反射または発生した電子16を吸収させる導電性部材49をオン状態の電子ビーム14の通路から離すことが可能となるため、電圧を印加した導電性部材49によって生じる電界が電子ビーム13に与える影響を小さくすることができる。
次に本発明の実施例6に係る電子ビーム露光装置について、図7を用いて説明する。図7は図2の電子ビーム露光装置における別の態様を示す図である。
図7は、前記図1および図2によって説明した導電性部材11のほかに、導電性部材51を配置した電子ビーム露光装置である。導電性部材51は帯電または汚染のおそれのある箇所の近傍に配置してある。導電性部材51(a) は磁気コイル23の試料29側に、導電性部材51(b)は導電性部材11の電子銃21側に、導電性部材51(c)はブランキングアパーチャー18と磁気コイル24の間に、導電性部材51(d)は磁気コイル25と磁気コイル26の間に、導電性部材51(e)は磁気コイル26とXYZステージ33の間に、それぞれ設置してある。52は導電性部材51に、電子ビーム13とは反対極性、すなわち正電圧を印加するための電圧制御装置である。その他の構成部品は、前記図1および図2によって説明したものと同様である。
電子銃21は、LaBの陰極、負のバイアスをかけたウェネルト電極、および接地電位の陽極からなっている。ブランキングアパーチャー18で反射または発生した電子16や浮遊電子は、接地電位の陽極に引き寄せられ、鏡筒37内を電子ビーム13の進行方向とは逆に、電子銃21に向かって進む。
導電性部材51を設置していない場合、接地電位の陽極に引き寄せられる電子が、電子銃21に向かう間に、鏡筒37内の部品を帯電または汚染して電界を発生させ、その電界は電子ビーム13の進行方向に影響を与える。
帯電または汚染のおそれのある箇所の近傍に設置した導電性部材51により、ブランキングアパーチャー18で反射または発生した電子16および浮遊電子を吸収できる。
本実施例において、電子銃21の加速電圧を24kVとして、2nAの電子ビームを試料29に照射したところ、導電性部材51(d)で0.15nAの電流を観測した。仮に、導電性部材51(d)が吸収した電子が非接地の部品に帯電したとすると、部品には単位時間当たり150pCの電荷が蓄積される。部品の静電容量を0.1pF程度と仮定すると、単位時間当たり15Vの帯電となる。また、電子ビームの照射時間が長ければ、部品に蓄積される電荷は増加し、電子ビームの試料29への着地位置が時間とともに変化してしまうことを示唆する。
なお、各実施例1〜6で説明した構造を二つ以上組み合わせたものであってもよい。実施例1の形態のみでなく、実施例2〜6の形態についても、実施例1の形態で示した導電性部材11の形状およびブランキングアパーチャー18の構成であってもよい。
また、上記実施例1〜6では電子ビーム露光装置について述べたが、イオンビームを用いても同様の効果があることは明白である。
次に、上記実施例に係る露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図9は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(EBデータ変換)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作成する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記露光制御データが入力された露光装置とウエハを用い、リソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
上記ステップ4のウエハプロセスは以下のステップを有する。ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ後のウエハに焼付け露光する露光ステップ、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
本発明の実施例1に係る電子ビーム露光装置における導電性部材とブランキングアパーチャーの代表的な配置を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る電子ビーム露光装置の要部概略構成図である。 本発明の実施例2に係る導電性部材とブランキングアパーチャーの配置を示す斜視図である。 本発明の実施例3に係る導電性部材とブランキングアパーチャーの配置を示す説明図である。 本発明の実施例4に係る導電性部材とブランキングアパーチャーの配置を示す説明図である。 本発明の実施例5に係る導電性部材とブランキングアパーチャーの配置を示す説明図である。 本発明の実施例6に係る電子ビーム露光装置の要部概略構成図である。 従来の電子ビーム露光装置におけるブランキング偏向系の模式図である。 半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。
符号の説明
11:導電性部材、12:電子ビーム通過部、13:電子ビーム、14:オン状態の電子ビーム、15:オフ状態の電子ビーム、16:ブランキングアパーチャーで反射または発生した電子(2次電子)、17:ビームブランキング装置(偏向器)、17a, 17b:ブランキング電極、18:ブランキングアパーチャー、19:開口、21:電子銃、22:コンデンサレンズ、23:磁気レンズ、24:磁気レンズ25:磁気レンズ、26:磁気レンズ、27:電磁型偏向器、28:静電型偏向器、29:試料、31:ダイナミックフォーカスコイル、32:ダイナミックスティグコイル、33:XYZステージ、34:電圧制御装置、35:電圧制御装置、36:制御装置、37:鏡筒または筐体、41:導電性部材、42:電子ビームの移動方向、43:導電性部材、44:電子ビーム通過部、45:導電性部材、46:電子ビーム通過部、47:ブランキングアパーチャー、48:開口、49:導電性部材、51:導電性部材、52:電圧制御装置、53:オフ状態のビームが当たる一点。

Claims (7)

  1. 荷電ビーム源から放射された荷電ビームを偏向するブランキング電極と、前記ブランキング電極により偏向された前記荷電ビームを遮蔽するブランキングアパーチャーとを用いて、前記荷電ビームの照射を制御する荷電ビーム露光装置において、
    前記ブランキングアパーチャーで反射された荷電粒子または発生した荷電粒子を吸収するように、前記ブランキングアパーチャーと前記ブランキング電極との間に配置されて、前記荷電ビームとは反対極性の電圧が印加される第1の導電性部材と、
    前記第1の導電性部材による電子レンズ作用を打ち消すように前記第1の導電性部材と前記ブランキング電極との間に配置された第2の導電性部材と、
    を備えることを特徴とする荷電ビーム露光装置。
  2. 前記第の導電性部材は、前記第1の導電性部材による電子レンズ作用を打ち消すように、印加される電圧が個別に決定される複数の導電性部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の荷電ビーム露光装置。
  3. 前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材に印加される電圧を制御する電圧制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷電ビーム露光装置。
  4. 前記電圧制御手段によって前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材に印加される電圧は、前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材の配置に応じて決定されることを特徴とする請求項3に記載の荷電ビーム露光装置。
  5. 前記電圧制御手段によって前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材に印加される電圧は、前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材の大きさに応じて決定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の荷電ビーム露光装置。
  6. 前記電圧制御手段によって前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材に印加される電圧は、前記第1の導電性部材および前記第2の導電性部材の形状に応じて決定されることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の荷電ビーム露光装置。
  7. 請求項1乃至の何れか一項に記載の荷電ビーム露光装置を用いて、露光対象に露光を行う工程と、露光された前記露光対象を現像する工程と、を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
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