JP4578897B2

JP4578897B2 - タービンエンジンノズルのベースシートの応力を低減するための方法及び装置

Info

Publication number: JP4578897B2
Application number: JP2004247899A
Authority: JP
Inventors: ダレル・グレン・セニル; クリスティーナ・マリー・バーク; バーナード・ジェイ・レングリ; ジョン・シークフリート・アムノイス
Original assignee: General Electric Co
Current assignee: General Electric Co
Priority date: 2003-10-29
Filing date: 2004-08-27
Publication date: 2010-11-10
Anticipated expiration: 2024-08-27
Also published as: CA2478202C; JP2005133712A; CN1611762A; US20050091983A1; CA2478202A1; EP1528247B1; CN100497923C; EP1528247A2; US7302793B2; EP1528247A3

Description

本発明は、総括的にはガスタービンエンジン排気ノズルに関し、より具体的にはタービンエンジン排気ノズルのベースシートの応力を低減するための方法及び装置に関する。

少なくとも一部の公知のガスタービンエンジンは、可変形態システムを備えた排気ノズルを含む。可変形態システムは、フラップ及びシールを使用することによって排気ノズルの面積を調整する。フラップは流路の個々のセクタ区域を画成し、シールは、隣接するフラップ間の残りの流路を形成する。排気ノズルは、エンジンから出る高温燃焼ガスにより生じる高温度及び温度勾配を受けるため、可変形態システムは、該可変形態システムの構造的構成部品を遮蔽しながら整合のとれた流路を維持しなければならない。

少なくとも一部の公知のフラップシステムは、バックボーンとベースシートとから成る。バックボーンは、ベースシートを可変形態システムに固定する。高温作動時における有効寿命を延ばすのを可能にするために、少なくとも一部の公知のベースシートは、セラミックマトリックス複合材（ＣＭＣ）材料のような非金属材料で製作される。

少なくとも一部の公知のベースシートは、発散形であり、リベット又はボルトなどの機械的固締具を使用してバックボーンに取付けられる。長時間にわたる連続した熱膨張は、発散形ベースシート内部に局所的な応力集中を引き起こすことになる。さらに、連続した熱サイクルにより、発散形ベースシートは、変形又は歪みを生じることになる。このような引張力がベースシートを通る負荷経路の最も弱いところに位置する可能性があるので、連続した熱サイクルによりベースシートの早期破損を招くおそれがある。
特開平０８−３２６６０１号公報

１つの態様では、少なくとも１つのバックボーン組立体を含むガスタービンエンジン排気ノズル用のフラップシステムを組み立てる方法を提供する。本方法は、上流側面及び下流側面によって互いに結合された一対の円周方向に間隔を置いた側面を含むベースシートを準備する段階と、円周方向に間隔を置いた側面の少なくとも１つからベースシートを少なくとも部分的に横切って延びる少なくとも１つのリリーフカットを該ベースシート内に形成する段階と、ベースシートをバックボーン組立体に結合する段階とを含む。

別の態様では、ガスタービンエンジン排気ノズル用の組立体を提供する。本組立体は、バックボーンと、バックボーンに結合されるように構成されたベースシートとを含む。ベースシートは、少なくとも１つのリリーフカットと上流側面及び下流側面によって互いに結合された一対の円周方向に間隔を置いた側面とを含む。少なくとも１つのリリーフカットは、円周方向に間隔を置いた側面の少なくとも一方から他方のそれぞれの円周方向に間隔を置いた側面に向かって延びている。

さらに別の態様では、可変エンジン排気ノズルを含み、該可変エンジン排気ノズルが該エンジン排気ノズルに結合されたフラップシステムを含むガスタービンエンジンを提供する。フラップシステムは、バックボーンと該バックボーンに結合されるよう構成されたベースシートとを含む。ベースシートは、少なくとも１つのリリーフカットと上流側面及び下流側面によって互いに結合された一対の円周方向に間隔を置いた側面とを含む。少なくとも１つのリリーフカットは、円周方向に間隔を置いた側面の少なくとも一方から他方のそれぞれの円周方向に間隔を置いた側面に向かって延びている。

図１は、ファン組立体１２、高圧圧縮機１４及び燃焼器１６を備えたガスタービンエンジン１０の概略図である。１つの実施形態では、エンジン１０は、オハイオ州シンシナチ所在のゼネラル・エレクトリック社から入手可能なＦ４１４型エンジンである。エンジン１０はさらに、高圧タービン１８及び低圧タービン２０を含む。ファン組立体１２とタービン２０とは、第１のシャフト２４によって連結され、圧縮機１４とタービン１８とは、第２のシャフト２６によって連結されている。

作動中、空気はファン組立体１２を通って流れ、加圧された空気がファン組立体１２から高圧圧縮機１４に供給される。高度に加圧された空気は、燃焼器１６に供給される。燃焼器１６からの空気流は、回転タービン１８を駆動し、排気システム２８を通ってガスタービンエンジン１０から出る。排気システム２８は、可変形態システム３０を含む。

図２は、エンジン１０（図１に示す）に使用することができる例示的なフラップシステム１００の斜視図である。図３は、ガスタービンエンジン１０に使用することができる例示的なベースシート組立体１０６の斜視図である。フラップシステム１００は、例えば排気システム２８（図１に示す）のような排気ノズルに結合されてエンジンから出る高温度燃焼ガスから可変形態システムの構成部品を遮蔽するのを可能にする。より具体的には、フラップシステム１００は、該フラップシステム１００の流路面１０２がエンジンから出る燃焼ガスに曝されるように排気ノズルに結合される。従って、フラップシステムの流路面１０２は、ノズルを通る流路の一部を画成する。

フラップシステム１００は、エンジン排気ノズル内で円周方向に延びる複数のバックボーン１０４とベースシート組立体１０６とを含む。より具体的には、バックボーン１０４は、例示的なものであり、当該技術分野では公知である。ベースシート組立体１０６は、バックボーンによってエンジン排気ノズル内に結合されており、前端面１１０及び後端面１１２を含む。ベースシート組立体の前端面及び後端面１１０及び１１２はそれぞれ、一対の側端面１１４及び１１６によって互いに結合される。ベースシート組立体１０６はさらに、ベースシート組立体１０６を貫通して該ベースシート組立体１０６の対向する面１２１及び１２２間で延びる孔１１８を含む。孔１１８は、それを通して固締具（図示せず）を受ける寸法になって、バックボーン１０４にベースシート組立体１０６を固定する。例示的な実施形態では、ベースシートの面１２１は、ベースシート組立体１０６の流路面となり、面１２２は、ベースシート組立体１０６の半径方向外側面となる。

前端面１１０及び後端面１１２は各々、側端面１１４及び１１６間で計測したそれぞれの幅Ｗ_１及びＷ_２を有する。例示的な実施形態では、ベースシート組立体１０６は、後端面の幅Ｗ_２が前端面の幅Ｗ_１よりも幅広となるような発散形である。中心軸線１２０が、それぞれ前端面及び後端面１１０及び１１２間でベースシート組立体１０６を通って延びる。例示的な実施形態では、前端面及び後端面１１０及び１１２は、それぞれ中心軸線１２０に対してほぼ垂直である。別の実施形態では、前端面及び後端面１１０及び１１２は、非平行になっている。

例示的な実施形態では、ベースシート組立体１０６は、ベースシート面１２１及び１２２間で該ベースシート組立体１０６貫通してのびる複数のリリーフカット２００を含む。別の実施形態では、ベースシート組立体１０６は、１つのリリーフカット２００のみを含む。各リリーフカット２００は、それぞれの側端面１１４及び１１６からベースシートの中心軸線１２０に向けて半径方向内向きに延びる。別の実施形態では、リリーフカット２００は、側端面１１４及び１１６の１つのみから延びる。より具体的には、例示的な実施形態では、各リリーフカット２００は、中心軸線１２０に対してほぼ垂直に配向されている。別の実施形態では、各リリーフカット２００は、中心軸線１２０に対して斜めに配向されている。

例示的な実施形態では、ベースシート組立体のリリーフカット２００は、長いリリーフカット２３０と短いリリーフカット２３２とを含む。各リリーフカット２３０及び２３２は、それぞれのベースシート組立体の側面１１４又は１１６からそれぞれのリリーフカット２３０及び２３２の末端部２３４及び２３６まで計測した長さＬ_Ｌ及びＬ_Ｓを有する。例示的な実施形態では、各側面１１４及び１１６から内向きに延びるリリーフカット２３０及び２３２は、ベースシート組立体１０６を横切って互いに対して軸方向に整列されて、側面１１４及び１１６が互いのミラーイメージとなるようになる。リリーフカット２００の大きさ、長さ、幅、数、配向及び位置は、以下にさらに詳細に述べるように、可変に選択されて、各リリーフカット２００がベースシート組立体１０６の熱応力、変形及び歪みを低減するのを可能にすることに注目されたい。

フラップシステム１００の組立時に、最初にリリーフカット２００をベースシート組立体１０６内に形成する。より具体的には、ベースシート組立体１０６に対するリリーフカットの数、大きさ、長さ、幅、数、配向及び位置は、リリーフカットによってベースシート組立体１０６に生じる熱応力が低減されるのが可能になるように可変に選択される。より具体的には、ベースシート組立体１０６がエンジン作動時に熱サイクルに曝される時、リリーフカット２００は、ベースシート組立体１０６に生じる熱応力を低減するのを可能にし、従ってベースシート組立体１０６の変形、熱降伏及び/又は歪みもまた低減されるようになる。より具体的には、リリーフカット２００は、ベースシート組立体１０６がバックボーン１０４に対して熱膨張するのを可能にして、ベースシート組立体１０６及びバックボーン１０４に生じる熱応力を低減するのを可能にする。

本明細書に記載した例示的な実施形態では、発散形フラップベースシートを例示した。しかしながら、本明細書に記載した応力除去技術は、同様に構成した収束形フラップベースシートにも適用可能である。

上述したフラップシステムは、費用効果がありかつ高い信頼性がある。フラップシステムは、バックボーンに結合されたベースシート組立体を含む。ベースシート組立体は、該ベースシート組立体に生じる熱応力を低減するのを可能にする複数のリリーフカットを含む。従って、ベースシート組立体の変形及び/又は歪みを、費用効果がありかつ信頼性がある方法で低減させることが可能になる。

様々な具体的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明が、特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内の変更で実施できることは当業者には明らかであろう。なお、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮するものではない。

ガスタービンエンジンの概略図。図１に示すエンジンに使用することができるフラップシステムの一部の斜視図。図１に示すガスタービンエンジンに使用することができる例示的なベースシートの斜視図。

符号の説明

３０ガスタービンエンジン排気ノズル
１００フラップシステム
１０２流路面
１０４バックボーン組立体
１０６ベースシート組立体
１１０上流側面
１１２下流側面
１１４、１１６円周方向に間隔を置いた側面
１１８孔
１２０中心軸線
１２１流路面
１２２背面
２００リリーフカット
２３０長いリリーフカット
２３２短いリリーフカット
２３４、２３６リリーフカット末端部

Claims

ガスタービンエンジン排気ノズル（３０）用の組立体（１００）であって、
バックボーン（１０４）と、
前記バックボーンに結合されるように構成されたベースシート（１０６）と、
を含み、
前記ベースシートが、第１の複数のリリーフカット（２３０）と、第２の複数のリリーフカット（２３２）と、上流側面（１１０）及び下流側面（１１２）によって互いに結合された一対の円周方向に間隔を置いた側面（１１４及び１１６）とを含み、
前記第１及び第２の複数のリリーフカットが、前記円周方向に間隔を置いた側面の少なくとも一方から前記他方のそれぞれの円周方向に間隔を置いた側面に向かって延びており、
前記第１の複数のリリーフカット（２３０）の長さは、第２の複数のリリーフカット（２３２）の長さより長いことを特徴とする、組立体（１００）。
前記ベースシートが、流路面（１２１）と対向する背面（１２２）とをさらに含み、前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、前記流路面から前記背面まで延びている、請求項１記載の組立体（１００）。
前記ベースシート（１０６）が中心軸線（１２０）を有し、前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、前記中心軸線に対してほぼ垂直に配向されている、請求項１記載の組立体（１００）。
前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、各前記円周方向に間隔を置いたベースシート側面（１１４及び１１６）から前記ベースシートを少なくとも部分的に横切って延びる、請求項１記載の組立体（１００）。
前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、前記ベースシートの上流側面及び下流側面（１１０及び１１２）間で軸方向に間隔を置いて配置される、請求項１記載の組立体（１００）。
前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、該ベースシートに生じる熱応力を低減するのを可能にする、請求項１記載の組立体（１００）。
前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、該ベースシートの変形を減少させるのを可能にする、請求項１記載の組立体（１００）。
前記ベースシート上流側面（１１０）が、前記円周方向に間隔を置いた側面（１１６及び１１４）間で測定した第１の幅（Ｗ１）を有し、前記ベースシート下流側面（１１２）が、前記円周方向に間隔を置いた側面間で測定した第２の幅（Ｗ２）を有し、前記第１の幅が前記第２の幅とは異なっている、請求項１記載の組立体（１００）。
可変エンジン排気ノズル（３０）を備えたガスタービンエンジン（１０）であって、
前記可変エンジン排気ノズルが、該エンジン排気ノズルに結合されたフラップシステム（１００）を含み、
前記フラップシステムが、バックボーン（１０４）と前記バックボーンに結合されるよう構成されたベースシート（１０６）とを含み、
前記ベースシートが、第１の複数のリリーフカット（２３０）と、第２の複数のリリーフカット（２３２）と、上流側面（１１０）及び下流側面（１１２）によって互いに結合された一対の円周方向に間隔を置いた側面（１１４及び１１６）とを含み、
前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、前記円周方向に間隔を置いた側面の少なくとも一方から前記他方のそれぞれの円周方向に間隔を置いた側面に向かって延びており、
前記第１の複数のリリーフカット（２３０）の長さは、第２の複数のリリーフカット（２３２）の長さより長いことを特徴とする、ガスタービンエンジン（１０）。
前記フラップシステムのベースシート（１０６）が、流路面（１２１）と対向する背面（１２２）とを含み、前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）が、前記流路面から前記背面まで延びている、請求項９記載のガスタービンエンジン（１０）。
前記前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）は、対向する前記側面（１１４及び１１６）が互いにミラーイメージとなるように、前記ベースシートを横切って互いに対して軸方向に整列されている、請求項１乃至８のいずれか１項に記載の組立体（１００）。
前記前記第１及び第２の複数のリリーフカット（２３０、２３２）は、対向する前記側面（１１４及び１１６）が互いにミラーイメージとなるように、前記ベースシートを横切って互いに対して軸方向に整列されている、請求項９又は１０に記載のガスタービンエンジン（１０）。