JP4575608B2 - 光学ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的記録再生装置の光学ヘッドに関し、特に、実質的に波長広がりのある光源を用いても良好な光学特性を有する光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)、DVD等の光ディスクや光カードメモリ等の光学的記録媒体の信号を読み出すための重要な構成部品として光学ヘッドがある。
光学ヘッドは、光学的記録媒体から信号を取り出すために、信号検出機能だけでなくフォーカスサーボ、トラッキングサーボ等の制御機構を備える必要がある。
【0003】
光学ヘッドは、通常、光源、光検出器、対物レンズ、フォーカス/トラック誤差信号検出素子、立ち上げミラー、コリメータレンズ等の種々の光学部品によって構成されている。光源から出射されたレーザ光は、対物レンズ(集光レンズ)によって光ディスク上に集光される。光ディスク上に集光されたレーザ光は、反射されて光検出器で検出される。これにより、再生信号が読み出される。また、フォーカス/トラック誤差信号検出素子によってフォーカス/トラックの制御が行われ、安定して信号を読み出すことができるようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、高周波重畳を印加した半導体レーザ光源等の波長広がりがある光源の場合、集光スポットが対物レンズを含む光学系の色収差(特に硝材の色分散が主な要因)のため、波長広がりの量に応じて情報記録媒体上の集光スポットにデフォーカスが発生し易いという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段の双方を備えることにより、光源の波長広がりと対物レンズの色収差とにより生じる情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを補正しつつ、合わせて光学系の設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を補正し、さらに必要に応じて情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差を補正し、良好な光学特性を得ることができる光学ヘッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の光学ヘッドは、光源と、前記光源から出射された光を情報記録媒体に集光する対物レンズと、前記情報記録媒体から反射された光を検出する光検出器とを備え、前記光源と前記情報記録媒体との間の光路中に、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段とを具備し、前記球面収差補正手段は、前記デフォーカス補正手段の、設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を、その球面収差量に対応して実質的に補正するとともに、前記情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差も実質的に補正することを特徴とする。前記のような光学ヘッドによれば、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段の双方を備えているので、光源の波長広がりと対物レンズの色収差とにより生じる情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを補正しつつ、合わせて光学系の設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を補正し、さらに必要に応じて情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差を補正することができ、良好な光学特性を得ることができる。
【0007】
前記光学ヘッドにおいては、前記光源は、波長の半値全幅が実質的に0.3nm以上の波長広がりがあることが好ましい。光源にこのような範囲の波長広がりがある場合、情報記録媒体上にデフォーカスが生じて集光スポットが劣化し易いため、本発明の効果はより有効である。
【0008】
また、前記波長をλとすると、0.3μm≦λ≦0.5μmの関係を満たすことが好ましい。波長がこのような範囲内である場合、デフォーカスの発生、及び波長ずれに対する球面収差の発生量が一層大きくなり、情報記録媒体上の信号を読みとりにくくなる可能性があるので、本発明の効果はより有効である。
【0009】
また、前記デフォーカス補正手段は、前記光源の波長広がりと前記対物レンズの色収差とにより生じる、前記情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを実質的に補正することが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、集光スポットのデフォーカスの主要因である対物レンズに起因するデフォーカスを補正できるので、良好な光学特性を得ることができる。
【0010】
また、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記光源から出射した光を実質的に平行光にするコリメータレンズをさらに備え、前記デフォーカス補正手段は、前記光源の波長広がりと、前記対物レンズと前記コリメータレンズとを含む光学系の色収差とにより生じる、前記情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを実質的に補正することが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、集光スポットのデフォーカスをより確実に補正できる。
【0011】
また、前記デフォーカス補正手段、及び前記コリメータレンズで形成されたレンズ群によって、前記光源から出射した光を実質的に平行光にし、かつ前記デフォーカスを実質的に補正することが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、レンズ群は、対物レンズだけではなく、コリメータレンズも含む光学系全体の色収差を実質的に補正することができる。このため、対物レンズに対する色収差補正手段を別途設ける必要がないので、対物レンズの構成を簡単にでき、光学ヘッドを高さ方向において薄型化できる。
【0012】
また、前記デフォーカス補正手段は、回折光学素子であることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、回折光学素子と対物レンズとの組み合わせにより、色収差をとることができ、屈折光学素子のみを用いて色収差をとる構成に比べ、薄型軽量化が可能になる。
【0013】
また、前記回折光学素子は、凸型の回折光学レンズであることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、凸型の回折光学レンズと対物レンズとの組み合わせ、すなわち凸型のレンズ同士の組み合わせにより、色収差をとることが可能なため、情報記録媒体上に集光する集光レンズの開口数を対物レンズとデフォーカス補正素子とで分担でき、対物レンズの開口数を抑えることができる。
【0014】
また、前記デフォーカス補正手段は、アフォーカル光学素子であることが好ましい。
【0015】
また、前記アフォーカル光学素子は、段差寸法L1の階段状の断差を有し、波長λ、前記光学素子の材料の屈折率n、任意の整数mに対して、前記段差寸法L1が、実質的にL1=mλ/(n−1)となることが好ましい。
【0016】
また、前記アフォーカル光学素子は、凸型と凹型の組み合わせレンズであることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、光の損失を少なくできる。
【0017】
また、前記デフォーカス補正手段は、いずれも屈折光学素子である凹型と凸型の組み合わせレンズであることが好ましい。
【0018】
また、前記球面収差補正手段は、前記対物レンズ、及び前記デフォーカス補正手段の、設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正することが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、波長ずれから生じる球面収差の主要因である対物レンズに起因する球面収差を補正できるので、良好な光学特性を得ることができる。
【0019】
また、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記光源から出射した光を実質的に平行光にするコリメータレンズをさらに備え、前記球面収差補正手段は、前記対物レンズと前記コリメータレンズとを含む光学系、及び前記デフォーカス補正手段の、設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正することが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、波長ずれから生じる球面収差をより確実に補正できる。
【0020】
また、前記球面収差補正手段は、前記情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差を実質的に補正する。前記のような光学ヘッドによれば、波長ずれから生じる球面収差の補正に加え、情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差を補正できるので、より良好な光学特性を得ることができる。
【0021】
また、前記球面収差補正手段は屈折率分布が可変可能である液晶素子で形成されていることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、波長の変化に応じて位相分布を設定することができるので、球面収差を良好に補正することができる。
【0022】
また、前記液晶素子は半径方向に電気的に分割された4分割以上の領域を有することが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、波長の変化に応じて、各分割部分に印加する電位量を変えることにより、球面収差を補正することができ、4分割以上の領域を有することにより、球面収差の値を半分以下にすることができる。
【0023】
また、前記情報記録媒体に集光する集光レンズの開口数を、前記対物レンズと前記デフォーカス補正手段とで分担していることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、対物レンズの開口数を抑えることができるので、対物レンズの製作が容易になる。
【0024】
また、前記デフォーカス補正手段は、凸型の回折光学レンズであり、前記対物レンズの開口数は、前記回折光学レンズの開口数に対して、8倍から20倍の範囲内であることが好ましい。
【0025】
また、前記対物レンズが2枚以上のレンズで構成されていることが好ましい。
前記のような光学ヘッドによれば、容易に開口数を高めることができる。
【0026】
また、前記対物レンズの開口数が0.55以上であることが好ましい。
【0027】
また、前記対物レンズが2枚以上のレンズで構成され、開口数が0.65以上であることが好ましい。このように、開口数が大きくなると、デフォーカスが発生し易くなるので、デフォーカス補正の効果がより有効になる。
【0028】
また、前記デフォーカス補正手段と前記球面収差補正手段は一体化されていることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段とが一つの部品で形成できるため、装置の薄型化が図れ、位置合わせも不用になる。
【0029】
また、前記デフォーカス補正手段と前記球面収差補正手段のうち、少なくとも一方は前記対物レンズと一体になってアクチュエータで駆動されることが好ましい。前記のような光学ヘッドによれば、対物レンズの光軸と、デフォーカス補正手段及び前記球面収差補正手段のうち少なくとも一方の光軸とが一致したまま駆動できるので、良好な光学特性が得られる。
【0030】
【発明の実施形態】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る光学ヘッドについて、図1から図5までを用い、座標軸を各図のようにとって詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態1に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示した側面図である。
【0032】
図1に示したように、光源1からDVDやCD等の光ディスクである情報記録媒体11までの光路中に、対物レンズ4、デフォーカス補正手段であるデフォーカス補正素子5、球面収差補正手段である球面収差補正素子9、立ち上げミラー12、フォーカス/トラック誤差信号検出素子8、及びコリメータレンズ3が配置されている。
【0033】
光源1は、実質的に波長広がりがある光源である。この光源1は、例えば波長405nmの光源であり、光検出器(図示せず)とともに光源・光検出器ユニット10内に集積化されている。本実施形態においては、光源1として、高周波重畳を印加した半導体レーザが用いられている。
【0034】
光源1である半導体レーザからy軸方向に出射されたレーザ光である出射光2は、コリメータレンズ3により、例えば、ビーム径4mmの略平行光6となり、回折型のフォーカス/トラック誤差信号検出素子8を透過(0次回折光利用)して、立ち上げミラー12によって光路をz軸方向に折り曲げられる。そして、z軸方向に折り曲げられたレーザ光6は、球面収差補正素子9、デフォーカス補正素子5を通過して、対物レンズ4によって情報記録媒体11上に集光(収束光7)される。
【0035】
情報記録媒体11によって反射されたレーザ光7は、逆方向に折り返し、対物レンズ4、デフォーカス補正素子5、球面収差補正素子9、立ち上げミラー12を順に通過し、回折型フォーカス/トラック誤差信号検出素子8によって分割されて(1次回折光利用)、コリメータレンズ3により、光検出器上に集光し信号が検出される。
【0036】
図2は、本実施形態の光学ヘッドにおいて、対物レンズ等を構成する硝材の屈折率と波長との関係を示すグラフを示している。本実施形態では、戻り光ノイズを低減するために半導体レーザである光源1に高周波重畳を印加しており、その結果、波長の半値全幅が広がっている。図2から、対物レンズ4やコリメータレンズ3を構成する硝材は、その屈折率が波長に依存していることが分かる。このことから、光源1に波長広がりがあるときは、この波長広がりとレンズの色収差とによって、各波長に対応するレンズの焦点距離が変わることになる。すなわち、光源1の波長全体についてみると、波長が異なれば、焦点位置もずれてしまうので、情報記録媒体11上の集光スポットにデフォーカスが生じ易いという現象が生じた。なお、図2はVC79の硝材の例であるが、他の硝材も同様の変化を示すものである。
【0037】
本発明者らは、前記のようなデフォーカスを防止するために、図1に示したように、デフォーカス補正素子5を用いており、図3にその詳細を示している。図3(b)は、デフォーカス補正素子5の平面図であり、図3(a)は図3(b)のI−I線における断面図である。デフォーカス補正素子5は、図3に示したように、ガラス基板5a上に鋸歯形状部14を有する凸型の回折光学レンズである。
【0038】
このデフォーカス補正素子5は、対物レンズ4と組み合わせて対物レンズ4の色収差をとる(色消し)構成になっている。すなわち、デフォーカス補正素子5は、光源1の波長広がりと対物レンズ4の色収差とにより生じる情報記録媒体11上の集光スポットのデフォーカスを実質的に補正するだけの補正能力を有している。なお、実質的に補正するとは、完全に補正することのみならず、実用上問題のない程度にまで補正する意味を含んでいる(以下同じ)。
【0039】
デフォーカス補正素子5の一例として、口径dが4mm、開口数(NA)が約0.05、溝深さLが0.8μmで、周期Tが外周になるに従い徐々に小さくなる構造(例えば、最外周周期8μm)のものが挙げられる。溝深さLは、光源1の中心波長λとデフォーカス補正素子5の材料の屈折率nに対して、実質的にL=2λ/(n−1)を満足するようにすれば、高い回折効率が得られる。
【0040】
このように、本実施形態では、デフォーカス補正素子5として回折光学素子を用い、この回折光学素子として凸型の回折光学レンズを用いている。すなわち、凸型の回折光学レンズと凸型の対物レンズ4との組み合わせにより、色消しを行なう構成になっている。屈折光学素子のみを用いてこのような色消しを行なう構成とするには、凹型レンズと凸型レンズとの組み合わせにより可能である。
【0041】
本実施形態では、屈折光学素子のみを用いて色消しを行なう構成に比べ、薄型軽量化が可能である。
【0042】
また、このようなデフォーカス補正素子5と対物レンズ4との組み合わせ、すなわち凸型のレンズ同士の組み合わせにより、色消しが可能なため、情報記録媒体11上に集光する集光レンズのNAを対物レンズ4とデフォーカス補正素子5とで分担できる。
【0043】
例えば、本実施形態では、対物レンズ4のNAを0.6とし、デフォーカス補正素子5のNAを0.05と分担させ、トータルでNAを0.65にしている。
対物レンズ4のNAを高めるほど、成形が困難になるが、このようにNAを分担させることにより、対物レンズ4の製作が容易になる。なお、対物レンズ4の硝材によって異なるが、色消し条件を満足している場合、対物レンズ4のNAは、回折光学レンズ5のNAに対して、約8倍から20倍の範囲内にある。
【0044】
また、対物レンズ4以外にもコリメータレンズ3等も光学系として用いているため、デフォーカス補正素子5は、対物レンズ4のみだけではなく、コリメータレンズ3等も含む光学系全体の色収差を実質的に補正するようにすればより好ましい。このことは、デフォーカス補正素子5に、光学系全体の色収差を実質的に補正するだけの補正能力を持たせることにより、実現できる。
【0045】
さらに、本発明者らは、前記のように、デフォーカス補正手段を用いた場合、環境温度により光源の波長が、例えば±10nm程度変化すると、球面収差が発生し易いという課題があることを発見した。
【0046】
詳細にその原因を検討すると、このような球面収差の発生についても、図2に示したような、硝材の屈折率が波長に依存していることが主な要因であることが分かった。さらに、図1に示したように、デフォーカス補正素子5を用いた場合、光源1の波長が変化すると、球面収差の値は、デフォーカス補正素子5を用いない場合に比べて、およそ1.2〜1.7倍程度大きくなることが分かった。
【0047】
このような球面収差を防止するために、本実施形態では、図1に示したように、球面収差補正素子9を用いており、図4にその詳細を示している。図4は、球面収差補正素子の一例の平面図を示しており、本図に示した球面収差補正素子9は、屈折率分布が可変可能である液晶素子で形成されており、液晶をガラス板で挟み込んだ構造となっている。
【0048】
より具体的には、ガラス基板9aに同心円状の複数の透明分割電極13a〜13iを設けており、半径方向について電気的に分割した4分割以上の領域(図4の例では9分割)を有している。各透明分割電極13a〜13iに電位を印加すると、電位量に応じて液晶の屈折率が変わり、位相分布として実現される。
【0049】
図5は、入射波長が変化したときの球面収差補正素子9の位相分布図である。
光源1の波長が設計波長、例えばλ=405nmのときは、波長ずれによる球面収差は発生しないため、図5(a)に示したように位相量は全領域にわたり0である。この場合、各透明分割電極13a〜13iには電位の差が無い状態で良い。
【0050】
しかしながら、例えば波長が10nm増加して、λ=415nmになると、球面収差量は、0から例えば−43mλとなったので、図5(b)に示したような、例えば、最大値0.5〜1rad程度の2山の位相分布になるように各透明分割電極13a〜13iに異なる電位を印加し、球面収差量を低減させた。この場合、球面収差量の変動量の算出は、球面収差量の検出機構により行われ、球面収差量がゼロから変動すると、検出機構により変動量を算出し、この変動量に対応させて位相分布を形成する。
【0051】
次に、例えば波長が10nm減少して、λ=395nmになった場合、球面収差量は、例えば46mλとなったので、図5(c)に示すような、例えば、最小値0.5〜1rad程度の2谷の位相分布になるように各透明分割電極13a〜13iに異なる電位を印加し、波長が増加した場合と同様に球面収差量を低減させた。このように、波長が変化し球面収差が発生した場合、波長の変化に応じて各透明分割電極13a〜13iに印加する電位量を変えることにより、球面収差をほぼ良好に実質的に補正することができた。
【0052】
図5(b)、(c)に示した位相分布は理想的な場合を示しており、本実施形態では透明分割電極13a〜13iを用いているため、図5(b)、(c)の位相分布を階段状に近似して実現している。近似度を向上させるには透明分割電極の分割数を増大させ、印加電位をそれに合わせてきめ細かく制御することが好ましいが、半径方向に電気的に4分割(4分割電極)以上に分割すれば、球面収差の値を半分以下にできる効果があることが分かった。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、デフォーカス補正手段5と球面収差補正手段9の双方を備えているので、光源1の波長広がりと光学系の色収差とにより生じる情報記録媒体11上の集光スポットのデフォーカスを実質的に補正しつつ、合わせて光学系の設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正することができ、良好な光学特性を得ることができる。
【0054】
特に、波長広がりとして波長の半値全幅が実質的に0.3nm以上であれば、デフォーカスが生じて集光スポットが劣化し易いため、このような本発明の効果がより有効になる。また、図2に示したように、波長λが0.3μm≦λ≦0.5μmの範囲内では、特に屈折率変化が大きくなっている。すなわち、このような範囲内では、λ>0.5μmの範囲と比べると、波長の僅かな変化によって屈折率が大きく変化する。このため、このような範囲内では、デフォーカスの発生、及び波長ずれに対する球面収差の発生量が一層大きくなり、情報記録媒体11上の信号を読みとりにくくなる可能性のあることが分かった。したがって、波長λが0.3μm≦λ≦0.5μmの範囲内においては本発明の効果はより有効である。この波長範囲は小数点以下1桁に四捨五入された値である。したがって、この波長範囲は0.25μm及び0.54μmも含んでいる。
【0055】
また、情報記録媒体11に集光する集光レンズ(本実施形態では、対物レンズ4とデフォーカス補正素子5の組み合わせレンズ)のNAが大きいほどデフォーカスが発生し易いため、この場合も本発明の効果はより有効であり、NA0.55以上のときに特に有効であった。
【0056】
なお、対物レンズ4以外にもコリメータレンズ3等も光学系として用いているため、球面収差補正素子9は、対物レンズ4のみだけではなく、コリメータレンズ3等も含む光学系全体の、設計波長と入射波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正するようにすればより好ましい。このことは、球面収差補正素子9に、光学系全体の球面収差を実質的に補正するように位相分布を設定することにより、実現できる。
【0057】
また、本実施形態では、デフォーカス補正素子5、球面収差補正素子9、及び対物レンズ4をアクチュエータで、一体駆動にした。このような構成にすることにより、3つの素子の光軸が一致したままで駆動できるため、良好な光学特性が得られる。なお、デフォーカス補正素子5と球面収差補正素子9のいずれか一方の素子と対物レンズ4をアクチュエータで一体駆動にしてもこのような効果は、ある程度は得られる。
【0058】
また、球面収差補正手段9は、光源自体の波長のずれから生じる球面収差の補正だけでなく、情報記録媒体11の基材厚みの製造誤差(例えば設計値0.6mmに対する製造誤差)により生じる球面収差をさらに実質的に補正するように、位相分布を設定することも可能である。このような位相分布を形成することにより、光学特性を一層向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態においては、球面収差補正素子9、及びデフォーカス補正素子5は、図1に示した配置だけでなく、情報記録媒体11から光源1までの光路中に配置すれば良い。また、対物レンズ4を有限系の配置で使うことによりコリメータレンズ3はなくても良い。
【0060】
また、回折光学素子によるデフォーカス補正素子5の向きは本実施形態の場合と逆向きであってもよい。さらに、コリメータレンズ3とフォーカス/トラック誤差信号検出素子8の位置は逆でもよい。
【0061】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施形態2の光学ヘッドについて、図6を用いて、前記実施形態1と異なる点を中心に説明する。図6は本発明の実施形態2に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。
【0062】
本実施形態の光学ヘッドは、デフォーカス補正手段であるデフォーカス補正素子5aと球面収差補正手段である球面収差補正素子9aとが一体化されている構成である。球面収差補正素子9a上に、デフォーカス補正素子5aを形成することにより、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段とが1つの部品で形成できるため装置の薄型化が図れ、位置合わせも不要になる。
【0063】
また、デフォーカス補正素子5aと球面収差補正素子9aの配置は、図6に示した場合と逆向きであってもよい。
【0064】
(実施の形態3)
次に、実施形態3に係る光学ヘッドについて、図7、8を用いて、前記実施形態1と異なる点を中心に説明する。図7は実施形態3に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図であり、図8(b)は、実施形態3に係るデフォーカス補正素子を形成した対物レンズの平面図であり、図8(a)は、図8(b)のII−II線における断面図である。
【0065】
図8に示したように、対物レンズ4a上にはそれぞれ同心円のパターン形状が形成されている。このパターン形状は、図8(a)に示したように、断面形状は段差sを有する実質的に鋸歯形状であり、この鋸歯形状によりデフォーカス補正素子5bが形成されている。このように、デフォーカス補正素子5bと対物レンズ4aとを一体化構造にすることにより、光学ヘッドの小型化が図れ、位置合わせも簡単になる。
【0066】
ここで、光源1の中心波長λとデフォーカス補正素子5bを形成する材料の屈折率nに対して、段差sは、実質的にs=2λ/(n−1)を満足するように形成されている。設計波長λすなわち波長広がりの無い単一の波長λが入射した場合は、段差sに対応する光の位相差が、実質的に2πとなる(実質的に位相飛びがない)ため、段差sがない場合と同様に(デフォーカス補正素子5bが無い場合と同様に)、ほとんど光の損失が無く、対物レンズ4aにより良好に集光されることになる。
【0067】
一方、入射波長が設計値からずれてくると、デフォーカス補正素子5bの溝の深さに対する位相差が、2πからずれてくるため、デフォーカス補正素子5bは、対物レンズ4aの波長ずれによる焦点変動(色収差)をうち消しあうように波面変換を行う。
【0068】
すなわち、平行光6の波長が長くなると、対物レンズ4aの硝材の屈折率が小さくなるため、対物レンズ4aの焦点距離は長くなる。しかし、デフォーカス補正素子5bは、段差での位相差が2πから小さくなるため、デフォーカス補正素子5bの出射光は収束光になり、対物レンズ4aの焦点距離が実施上短くなるように作用し、トータルでみると焦点距離の変動はなくなる。
【0069】
なお、本実施形態では、デフォーカス補正素子5bの段差での実質的に位相飛びがないように、位相差を2πになるように段差sを設定したが、位相差が、実質的に2πの整数倍になるようにしても良い。ただしこの場合は光の損失は前者よりも大きくなる。
【0070】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る光学ヘッドについて、図9を用いて、前記実施形態1と異なる点を中心に説明する。図9は本発明の実施形態4に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。
【0071】
本実施形態においては、図9に示すように、対物レンズが4bと4cとの2枚構成であり、デフォーカス補正素子5と合わせてトータル3枚で、例えば、NA0.85の高いNAの集光レンズを形成する。また、情報記録媒体11aは、これまでの実施形態では、基材厚(保護層の厚さ)が0.6mmであったが、本実施形態では0.1mmと薄くなっている。
【0072】
本実施形態においては、基材厚が薄く、基材内を通る光路長の絶対値が小さくなるため、情報記録媒体11aの傾きにより生じるコマ収差の増大を抑えつつ、対物レンズのNAを高めることができる。
【0073】
本実施形態は、実施形態1と同様に、デフォーカス補正手段5と球面収差補正手段9の双方を備えているので、光源の波長広がりと光学系の色収差とにより生じる情報記録媒体11a上の集光スポットのデフォーカスを補正しつつ、合わせて光学系の設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正することができる。
【0074】
ここで、対物レンズのNAが、0.65以上になると実施形態1のような1枚構成では良好な特性が得られず、本実施形態のように2枚以上で構成する必要があった。また、実施形態1で説明したように、情報記録媒体に集光する集光レンズのNAが大きいほどデフォーカスが発生し易く、特に集光レンズのNAが0.55以上の場合に本発明の効果は有効である。実験の結果、本実施形態のように、組み合わせの集光レンズのNAが0.65以上と大きい場合には、デフォーカスがより発生し易いことが分かった。このため、デフォーカス補正の効果は、本実施形態のように、対物レンズを2枚以上組み合わせて、集光レンズのNAを0.65以上とした場合には、より有効である。
【0075】
また、波長が0.3μm≦λ≦0.5μmの領域では一層デフォーカスの発生が大きく、デフォーカス補正の効果が有効であることは、実施形態1と同様である。
【0076】
図10は、本実施形態の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。図9に示した実施形態では、デフォーカスを防止するために、鋸歯形状部を有する凸型の回折光学レンズであるデフォーカス補正素子5を用いているが、図10に示した実施形態では、いずれも屈折光学素子である凹型のレンズ5eと凸型のレンズ4bとを組み合わせることにより、色収差をとる構成としたものである。
【0077】
図11に示した実施形態は、情報記録媒体、及び対物レンズの構成以外は、図6に示した実施形態と同様の構成である。すなわち、本実施形態においては、対物レンズ4bに加えて、レンズ4cを有しており、高いNAの集光レンズを形成している。また、図6に示した実施形態と同様に、デフォーカス補正素子5aと球面収差補正素子9aとが一体化構造になっているので、光学ヘッドの小型化が可能になり、位置合わせも簡単になる。
【0078】
図12に示した実施形態は、情報記録媒体、及び対物レンズの構成以外は、図7に示した実施形態と同様の構成である。すなわち、本実施形態においては、対物レンズ4aに加えて、レンズ4cを有しており、高いNAの集光レンズを形成している。また、図7に示した実施形態と同様に、デフォーカス補正素子5bと対物レンズ4aとが一体化構造になっているので、光学ヘッドの小型化が可能になり、位置合わせも簡単になる。
【0079】
(実施の形態5)
次に、実施形態5に係る光学ヘッドについて、図13を用いて、前記実施形態1と異なる点を中心に説明する。図13は本発明の実施形態5に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。
【0080】
本実施形態では、デフォーカス補正素子5cとして、段差寸法L1の階段状の断差を有し、波長λ、前記光学素子の材料の屈折率n、任意の整数mに対して、段差寸法L1が、実質的にL1=mλ/(n−1)となるようなアフォーカル光学素子を用いている。
【0081】
デフォーカス補正素子5cは、周囲に行くにしたがって周期が徐々に小さくなる、典型的な回折型レンズのパターン形状を有している。図13に示したようにデフォーカス補正素子5cの断面は階段形状であり、この階段形状の段差寸法L1は、設計波長が入射した場合、段差L1に対する光の位相差が実質的に2πの整数倍となるため、設計波長の場合には、何も素子が無いのと等価(このため、アフォーカル光学素子と言われる)であり、設計波長を有する略平行光6はそのまま通過してしまう。
【0082】
しかし、設計波長から変化した場合には、位相差がずれるので、実施形態3の場合と同じく、平行光が発散光又は収束光となり、対物レンズ4で生じる焦点変動を打ち消す役割を果たす。
【0083】
図14は、本実施形態の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。図14に示した実施形態は、情報記録媒体、及び対物レンズの構成以外は、図13に示した実施形態と同様の構成である。すなわち、本実施形態においては、対物レンズはレンズ4bと4cとの2枚構成であり、高いNAの集光レンズを形成している。また、図13に示した実施形態と同様に、デフォーカス補正素子5cを有しており、設計波長から変化した場合に、対物レンズで生じる焦点変動を打ち消すことができる。
【0084】
なお、デフォーカス補正素子5cは、図13、14に示したように、情報記録媒体11と立ち上げミラー12との間の光路中に配置しても良いが、光源1から立ち上げミラー12との間の光路中に配置しても良い。
【0085】
(実施の形態6)
次に、実施形態6に係る光学ヘッドについて、図15を用いて、前記実施形態1と異なる点を中心に説明する。図15は、実施形態6に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。
【0086】
本実施形態においては、デフォーカス補正素子5dとして、アッベ数の異なる硝材を凸型と凹型のレンズにして組み合わせ(ただし、硝材の屈折率は入射波長が設計波長の場合は実質的に等しい)たアフォーカル光学素子を用いている。この素子の原理は、実施形態5で説明したアフォーカル光学素子と同じである。いずれも屈折光学素子である凸型と凹型の組み合わせレンズで構成することにより、光の損失が少ないという効果がある。
【0087】
図16は、本実施形態の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。図16に示した実施形態は、情報記録媒体、及び対物レンズの構成以外は、図15に示した実施形態と同様の構成である。すなわち、本実施形態においては、対物レンズはレンズ4bと4cとの2枚構成であり、高いNAの集光レンズを形成している。また、図15に示した実施形態と同様に、凸型と凹型の組み合わせレンズで構成したデフォーカス補正素子5dを有しており、光の損失が少ないという効果が得られる。
【0088】
デフォーカス補正素子5dは、図15、16の例では、光源1と立ち上げミラー12との間の光路中に配置しているが、情報記録媒体11と立ち上げミラー12との間の光路中に配置しても良い。光源1と立ち上げミラー12との間の光路中に配置した場合は、光学ヘッドを高さ方向において薄型化できるという効果がある。
【0089】
(実施の形態7)
次に、実施形態7に係る光学ヘッドについて、図17、18を用いて、前記実施形態1と異なる点を中心に説明する。図17は本発明の実施形態7に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。
【0090】
本図に示した例では、フォーカス/トラック誤差信号検出素子8と光源1との間の光路中に、レンズ3aと、凹型のレンズ15aと凸型のレンズ15bとの組み合わせレンズとが直列に配置され、レンズ群16を形成している。レンズ群16は、色収差補正を行なうと共に、コリメータレンズを兼ねている。
【0091】
本実施形態によれば、レンズ群16は、対物レンズ4b、4cだけではなく、コリメータレンズ3も含む光学系全体の色収差を実質的に補正することができる。
このため、対物レンズ4b、4cに対する色収差補正手段を別途設ける必要がないので、対物レンズの構成を簡単にでき、光学ヘッドを高さ方向において薄型化できる。
【0092】
図18は本実施形態の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図である。本図に示した例では、フォーカス/トラック誤差信号検出素子8と光源1との間の光路中に、レンズ3と、デフォーカス補正素子5とが直列に配置され、レンズ群17を形成している。本図に示した例においても、図17に示した例と同様に、レンズ群17は、色収差補正を行なうと共に、コリメータレンズを兼ねている。
【0093】
本実施形態によれば、レンズ群17は、対物レンズ4b、4cだけではなく、コリメータレンズ3も含む光学系全体の色収差を実質的に補正することができる。
このため、対物レンズ4b、4cに対する色収差補正手段を別途設ける必要がないので、対物レンズの構成を簡単にでき、光学ヘッドを高さ方向において薄型化できる。
【0094】
以上、実施形態1〜7に係る光学ヘッドについて説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、それぞれの実施形態の光学ヘッドの構成を組み合わせた光学ヘッドも本発明に含まれ、同様の効果を奏することができる。
【0095】
なお、前記実施形態で用いた対物レンズとコリメータレンズは便宜上名付けたものであり、一般にいうレンズと同じである。
【0096】
また、前記実施形態においては、情報記録媒体として光ディスクを例に挙げて説明したが、同様の情報記録再生装置で厚みや記録密度など複数の仕様の異なる媒体を再生することができるように設計されたカード状やドラム状、テープ状の製品に応用することも本発明の範囲に含まれる。
【0097】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段の双方を備えているので、光源の波長広がりと光学系の色収差とにより生じる情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを補正しつつ、合わせて光学系の設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を補正し、さらに必要に応じて情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差を補正し、良好な光学特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図2】本発明の実施形態1に係る光学ヘッドにおいて対物レンズ等を構成する硝材の屈折率と波長との関係を示すグラフ
【図3】(a)本発明の実施の形態1の光学ヘッドにおけるデフォーカス補正素子の断面
(b)本発明の実施の形態1の光学ヘッドにおけるデフォーカス補正素子の平面面
【図4】本発明の実施の形態1の光学ヘッドにおける球面収差補正素子の構造図
【図5】(a)本発明の実施の形態1の光学ヘッドにおいて、入射波長が設計波長の場合における球面収差補正素子の位相分布図
(b)本発明の実施の形態1の光学ヘッドにおいて、入射波長が設計波長に対して増加した場合の球面収差補正素子の位相分布図
(c)本発明の実施の形態1の光学ヘッドにおいて、入射波長が設計波長に対して減少した場合の球面収差補正素子の位相分布図
【図6】本発明の実施形態2に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図7】本発明の実施形態3に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図8】(a)本発明の実施形態3に係る光学ヘッドのデフォーカス補正素子を形成した対物レンズの断面図
(b)本発明の実施形態3に係る光学ヘッドのデフォーカス補正素子を形成した対物レンズの平面図
【図9】本発明の実施形態4に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図10】本発明の実施形態4の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図11】本発明の実施形態4の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図12】本発明の実施形態4の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図13】本発明の実施形態5に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図14】本発明の実施形態5の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図15】本発明の実施形態6に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図16】本発明の実施形態6に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図17】本発明の実施形態7に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【図18】本発明の実施形態7の別の例に係る光学ヘッドの基本構成と光の伝搬の様子を示す側面図
【符号の説明】
1 光源
2 出射光
3 コリメータレンズ
4 対物レンズ
5 デフォーカス補正手段(デフォーカス補正素子)
6 平行光
7 収束光
8 フォーカス/トラック誤差信号検出素子
9 球面収差補正手段(球面収差補正素子)
10 光源・光検出器ユニット
11 情報記録媒体
12 立ち上げミラー
13 透明分割電極
14 鋸歯形状部
15 組み合わせレンズ
16,17 レンズ群
Claims (23)
- 光源と、前記光源から出射された光を情報記録媒体に集光する対物レンズと、前記情報記録媒体から反射された光を検出する光検出器とを備え、前記光源と前記情報記録媒体との間の光路中に、デフォーカス補正手段と球面収差補正手段とを具備し、前記球面収差補正手段は、前記デフォーカス補正手段の、設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を、その球面収差量に対応して実質的に補正するとともに、前記情報記録媒体の基材の基準厚みに対する誤差から生じる球面収差も実質的に補正することを特徴とする光学へツド。
- 前記光源は、波長の半値全幅が実質的に0.3nm以上の波長広がりがある請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記波長をλとすると、0.3μm≦λ≦0.5μmの関係を満たす請求項2に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段は、前記光源の波長広がりと前記対物レンズの色収差とにより生じる、前記情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを実質的に補正する請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記光源から出射した光を実質的に平行光にするコリメータレンズをさらに備え、前記デフォーカス補正手段は、前記光源の波長広がりと、前記対物レンズと前記コリメータレンズとを含む光学系の色収差とにより生じる、前記情報記録媒体上の集光スポットのデフォーカスを実質的に補正する請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段、及び前記コリメータレンズで形成されたレンズ群によって、前記光源から出射した光を実質的に平行光にし、かつ前記デフォーカスを実質的に補正する請求項5に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段は、回折光学素子である請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記回折光学素子は、凸型の回折光学レンズである請求項7に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段は、アフォーカル光学素子である請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記アフォーカル光学素子は、段差寸法L1の階段状の断差を有し、波長λ、前記光学素子の材料の屈折率n、任意の整数mに対して、前記段差寸法L1が、実質的にL1=mλ/(n−1)となる請求項9に記載の光学ヘッド。
- 前記アフォーカル光学素子は、凸型と凹型の組み合わせレンズである請求項9に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段は、いずれも屈折光学素子である凹型と凸型の組み合わせレンズである請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記球面収差補正手段は、前記対物レンズの、設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正する請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記光源から出射した光を実質的に平行光にするコリメータレンズをさらに備え、前記球面収差補正手段は、前記対物レンズと前記コリメータレンズとを含む光学系の、設計波長と入射波長との間の波長のずれから生じる球面収差を実質的に補正する請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記球面収差補正手段は屈折率分布が可変可能である液晶素子で形成されている請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記液晶素子は半径方向に電気的に分割された4分割以上の領域を有する請求項15に記載の光学ヘッド。
- 前記情報記録媒体に集光する集光レンズの開口数を、前記対物レンズと前記デフォーカス補正手段とで分担している請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段は、凸型の回折光学レンズであり、前記対物レンズの開口数は、前記回折光学レンズの開口数に対して、8倍から20倍の範囲内である請求項17に記載の光学ヘッド。
- 前記対物レンズが2枚以上のレンズで構成されている請求項17に記載の光学ヘッド。
- 前記対物レンズの開口数が0.55以上である請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記対物レンズが2枚以上のレンズで構成され、開口数が0.65以上である請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段と前記球面収差補正手段は一体化されている請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記デフォーカス補正手段と前記球面収差補正手段のうち、少なくとも一方は前記対物レンズと一体になってアクチュエータで駆動される請求項1に記載の光学ヘッド。
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