JP4521645B2

JP4521645B2 - マスカラ用ブラシ

Info

Publication number: JP4521645B2
Application number: JP18730899A
Authority: JP
Inventors: 正菅野
Original assignee: Shinohara Co Ltd
Current assignee: Shinohara Co Ltd
Priority date: 1999-07-01
Filing date: 1999-07-01
Publication date: 2010-08-11
Anticipated expiration: 2019-07-01
Also published as: JP2001008728A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧用塗布具に関するものであり、詳しくは、睫毛にマスカラ液を塗布するマスカラ用ブラシに関する。
【０００２】
【従来の技術】
マスカラ用ブラシは、マスカラ容器に塗布具として装着して使用するブラシであり、図２は、従来より周知のマスカラ容器Ｍを示している。即ち、首部３０に扱き栓３１を具え内部にマスカラ液３２を貯蔵した容器本体３３と、先端にマスカラ用ブラシ３４を植設した塗布棒３５を具えて前記首部３０に着脱自在に嵌合する蓋体３６と、から構成されている。着蓋時には、ブラシ３４は容器本体３３の底部に達してマスカラ液３２に浸漬されており、化粧をするときは、マスカラ液３２に浸漬してあるブラシ３４を引き上げて扱き栓３１でしごき、マスカラ液３２の含浸量を調節して使用するようになっている。
【０００３】
一般的なマスカラ容器Ｍでは、容器本体３３と蓋体３６はＡＳ、ＡＢＳ、ＰＳ、ＰＰ等の硬質の硬質の汎用合成樹脂材料を用いて成形されており、塗布棒３５はポリエチレン等の軟質の汎用合成樹脂材料で形成され、扱き栓３１にはゴム、エラストマー、軟質合成樹脂材料が使用されている。
【０００４】
そして、ブラシ３４は、ポリアミド系やポリエステル系のモノフィラメントからなる毛材３８を二つ折りにしたステンレス線で挟み、これを捻り締めることにより軸芯３７を形成すると共に毛材３８を軸芯３７に固定したものであり、これを塗布棒３５の先端に植設して使用する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、物品の廃棄及び廃棄物品の再資源化の問題から、分別廃棄、分別収集の気運が高まっている。これに適合した製品として、燃える材質、燃えない材質で統一されている事、同系の材質の部材で形成されている事、また、異材質の部材の組合せからなる製品の場合は材質別に簡単に再分離できる事等が望まれている。
【０００６】
従来のマスカラ容器Ｍにおけるブラシ３４の軸芯３７には金属が使用されており、マスカラ容器Ｍの廃棄に当たって、家庭でこの金属部分の分離作業が実行されることは殆ど期待することができず、従来のマスカラ用ブラシはこの問題に配慮されているとは言えなかった。
【０００７】
また、通常の使用でマスカラ用ブラシ３４の軸芯３７が直接肌に触ることはないが、短い毛材３８のブラシ３４では、手元を誤ると毛材３８や軸芯３７が敏感な瞼に触れてしまうことがあり、金属アレルギーを持つ人が安心して使えるブラシとは言えなかった。
【０００８】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、分別廃棄問題に対応すると共に金属アレルギーを持つ人も安心して使用できるマスカラ用ブラシにすることにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
二つ折りにした線材の間に毛材を挟み、前記線材を捻り締めて形成した軸芯に前記毛材を固定したマスカラ用ブラシにおいて、前記軸芯を形成する線材に塑性変形性が賦与されたモノフィラメントを使った。これにより、ブラシがプラスチック材として分別廃棄に対応すると共に、全く金属を使用していないことから金属アレルギーの人でも安心して使用できる。
【００１０】
また、モノフィラメント中に抗菌剤を添加して軸芯を衛生的に保持するようにするとよい。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスカラ用ブラシの好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１２】
図１は、本発明のマスカラ用ブラシＢを示すものであり、軸芯１と軸芯１に固定された毛材２とから構成されている。
【００１３】
毛材２には、ポリアミド系やポリエステル系のモノフィラメントを所望の長さに切断したものが使用されている。また、軸芯１には、塑性変形性が賦与された周知のモノフィラメントを所望の長さに切断した線材３が使用されている。
【００１４】
塑性変形性モノフィラメントは、ポリエステル系やポリエチレン系の合成樹脂を公知の押出機を用いて公知の紡糸方法によりモノフィラメントを製造し、これを所定条件下に維持した延伸槽中で延伸して塑性変形性を得たものである。使用する塑性変形性フィラメントは、塑性変形性の高いものが好ましく、少なくとも１８０度および９０度折曲げ後の戻り角度が３０度以下のものが望ましい。
【００１５】
塑性変形性が賦与されたモノフィラメントは、折り曲げたり捻ったりした場合に元の形状に戻らない針金ような塑性変形性を呈するものであり、形状保持特性が要求される食品類を詰め込んだ包装袋の開口の結束材等に使用されている。
【００１６】
また、押出機によるモノフィラメントの製造工程中に抗菌剤を添加する事が可能であり、抗菌性の塑性変形性モノフィラメントを得て、これを線材３として用いることにより抗菌性の軸芯１を形成してマスカラ容器内の環境をより衛生的に保持することが可能である。
【００１７】
塑性変形性モノフィラメントの断面形状には、円形を基本として楕円形、多角形、星形等異形のものもあるが、線材３には何れの形状のものでも基本的に使用できる。
【００１８】
上記の毛材２と塑性変形性モノフィラメントからなる線材２を使用してマスカラ用ブラシＢを形成するには、従来のマスカラ用ブラシの製造装置を用いることができる。真ん中から二つ折りにした線材３の間に毛材２を挟み、線材３を捻り締めて軸芯１とすると共に軸芯１を締め込むことにより前記毛材２を線材３間に強く挟んで固定する。
【００１９】
塑性変形性モノフィラメントによる線材３は僅かな弾性復元性を有しているが、捻り締めることにより線材３の弾性反発力は抑制されて棒状に軸芯１として塑性変形が維持される。従って、軸芯１の捻りにゆるみが生ずることがなく、軸芯１から毛材２が抜け落ちてしまうことがない。また、本実施の形態におけるブラシＢの軸芯１は金属による従来の軸芯に比較して強い弾性を有しており、新しい使用感覚のマスカラ用ブラシとなっている。
【００２０】
ブラシＢは、従来例として示したようなマスカラ容器Ｍの塗布棒３５の先端に植設されてマスカラ容器Ｍの塗布部材として使用される。従って、本実施の形態のブラシＢを使用することにより、金属を全く使用していないマスカラ容器Ｍを形成することができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【００２２】
マスカラ用ブラシの軸芯を形成する線材に塑性変形性が賦与されたモノフィラメントを使用したので、ブラシが合成樹脂材のみで形成されており、これを塗布部材として装着した合成樹脂製のマスカラ容器はプラスチック材としてそのまま廃棄することが可能となり、使用者が再分離などの作業負担を負うことなく分別廃棄をすることができる。
【００２３】
また、金属を全く使用していないことから金属アレルギーの人でも安心して使用できると共に、線材に抗菌剤を添加することにより衛生的な軸芯のブラシが形成でき、マスカラ容器内をより衛生的な環境に保持することができる。
【００２４】
また、従来のマスカラ用ブラシの製造設備を使って生産できるので、新たな設備投資を必要とせず、新しい感覚のマスカラ用ブラシを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のマスカラ用ブラシの実施の形態を示す平面図。
【図２】従来例のマスカラ容器を示し、容器本体からブラシを抜出した状態の部分正面断面図。
【符号の説明】
１軸芯，２毛材，３線材，

Claims

二つ折りにした線材の間に毛材を挟み、前記線材を捻り締めて形成した軸芯に前記毛材を固定したマスカラ用ブラシにおいて、前記軸芯を形成する線材に塑性変形性が賦与されたモノフィラメントを使ったことを特徴とするマスカラ用ブラシ。
前記モノフィラメント中に抗菌剤を添加したことを特徴とする請求項１記載のマスカラ用ブラシ。