JP4508558B2 - 電子部品及びその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品及びその製造法に関し、特にボールグリッドアレイ型の電子部品及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を構成する絶縁基板の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜と、当該保護膜開口部に位置する回路素子端子と、当該回路素子端子と接続部材により接続される導電性ボールを有する電子部品については、米国特許第6,326,677号公報にその開示がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載される電子部品の製造には、電子部品の回路素子端子(以下、ランド状の回路素子端子を単に「ランド」という)と、当該ランドと接続される導電性ボールとの接続の好適化のための、新たな技術を要する。そこで本発明が解決しようとする課題は、当該技術を提供することで、前記電子部品の製品信頼性を高めることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(本発明の第1の製造法)
上記課題を解決するため、本発明の電子部品の第1の製造法は、電子部品を構成する絶縁基板1の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜6と、当該保護膜6開口部に位置するランド8と、当該ランド8と接続部材により接続される導電性ボール7を有する電子部品の製造法において、前記絶縁基板1の一方の面に前記回路素子を、当該回路素子端子が露出するよう形成する第1の工程と、当該回路素子端子に、めっき技術により前記接続部材としての半田層5を形成する第2の工程と、前記回路素子を保護する保護膜6の開口部が半田層5を部分的に露出させるよう、保護膜6を形成する第3の工程を有し、上記第1の工程、第2の工程、及び第3の工程を、この順に実施することを特徴とする。
【0005】
(第1の製造法の具体的説明)
第1の製造法の一例を図1を参照しながら説明する。絶縁基板1の一方の面上に対となる電極2を形成する(図1(a)及び(b))。そしてその対となる電極2の双方に接するよう、抵抗体3を形成する(図1(c))。また必要に応じて抵抗体3を保護するガラス4膜を形成し、回路素子端子となる電極2を露出させることで(図1(d))、上記回路素子の一例である抵抗素子が形成される。以上が上記第1の工程である。
【0006】
次いで回路素子端子となる、露出した電極2表面に、めっき技術により半田層5を形成する(図1(e))。以上が上記第2の工程である。
【0007】
次いで上記抵抗素子を保護する保護膜6の開口部が半田層5を部分的に露出させるよう、保護膜6を形成する(図1(f))。以上が上記第3の工程である。
【0008】
その後導電性ボール7をランド8部に搭載する(図1(g))。そして保護膜6開口部底面にある半田層5を、導電性ボール7と溶融・固化させる過程を経ることで固着させる(図1(h))。その結果半田層5と導電性ボール7との接合層12が形成される。以上の過程を経て本発明の第1の製造法が完了する。また例えば以上の過程を経ることにより、本発明の電子部品を得ることができる。
【0009】
ここで本発明の電子部品とは、電子部品を構成する絶縁基板1の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜6と、当該保護膜6開口部に位置し、当該回路素子を構成する端子接続用ランド8と、当該ランド8と接続部材により接続される導電性ボール7を有する電子部品において、当該ランド8表面に形成される前記接続部材としての半田層5の一部が、前記保護膜6により覆われることを特徴とする電子部品である。
【0010】
(第1の製造法が課題を解決する理由)
上記第2の工程を上記第3の工程よりも先に実施することにより、めっき技術により形成された半田層5の一部が保護膜6により覆われ、半田層5を電極2面に押えつけることとなる。すると半田層5の電極2面からの剥離が起き難くなる。
【0011】
導電性ボール7とランド8が、半田層5を接続部材として接続される本発明に係る電子部品にあっては、当該接続後に導電性ボール7に対し任意の方向からの応力Fが付与される宿命にある(図1(h))。導電性ボール7部分が電子部品の外形上突出している部分だからである。応力Fは、個々の電子部品を取り扱う際、及び表面実装用回路板表面に実装された後にも付与される。すると導電性ボール7とランド8との接続部分に大きな応力が集中する。従って当該接続部分の接続強度が高い必要がある。上記第1の製造法によると、上述のように半田層5について、電極2からの剥離が起き難くすることができるため、当該接続部分の接続強度が高い点で電子部品の製品信頼性が高まり、本発明の課題を解決することができる。
【0012】
仮に上記第2の工程を上記第3の工程よりも後に実施すると、半田層5の存在状態は、図1(f’)及び(h’)に示すように保護膜6の開口部底面のみに存在し、保護膜6が半田層5を電極2面へ押えつける状態ではない。従って上記第1の製造法で得られたような、導電性ボール7とランド8との接続部分の接続強度の高さを期待できないと考えられる。
【0013】
このように本発明の第1の製造法によって、上記接続強度を高くできる意味で電子部品の製品信頼性を高め、本発明の課題を解決することができる。しかしそれ以外の方法でも、電子部品を構成する絶縁基板1の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜6と、当該保護膜6開口部に位置し、当該回路素子を構成する端子接続用ランド8と、当該ランド8と接続部材により接続される導電性ボール7を有する電子部品において、当該ランド8表面に形成される前記接続部材としての半田層5の一部が、前記保護膜6により覆われる構成の電子部品であれば、本発明の課題を解決することができることは、上述した、本発明の課題が解決される機構から明らかである。
【0014】
(第1の製造法における用語の定義等)
上記「電子部品」は、主としていわゆるボール・グリッド・アレイ型のものである。また上記「回路素子」は、例えば抵抗素子、コンデンサ、インダクタが多連、又はネットワークを構成しているものである。例えば多連抵抗器、ネットワーク抵抗器、多連コンデンサ、ネットワークコンデンサ又はいわゆるCR複合素子等である。またこれらの回路素子は、スクリーン印刷等の手法で厚膜形成されるものであることが、量産性等の観点から好ましい。
【0015】
またこのような多連、又はネットワークを構成する等の複合素子を含む電子部品は、単位電子部品あたりの端子数が多い。このことは、それら端子の一つにでも信頼性の低いものがあると、その電子部品全体が正常動作し難いことを意味する。従って端子接続部の接続強度を高めることで製品信頼性が高まる本発明の第1の製造法を、これら複合素子を含む電子部品に用いることは好ましい。
【0016】
上記「絶縁基板」は、アルミナ等のセラミックや繊維強化樹脂からなるもの等であって、スルーホールを有しないものを特に対象とする。スルーホールを有しない絶縁基板1を用い、当該絶縁基板1の一方の面に回路素子及び導電性ボール7を配置する電子部品が、スルーホールを有する絶縁基板1を用い、当該絶縁基板1の両面に亘り回路素子及び導電性ボール7を配置する電子部品に比して有利な点は、製造が容易なことである。即ち絶縁基板1の両面に部材を形成するためには、一方の絶縁基板1面の部材の配置と、他方の絶縁基板1面の部材の配置との位置合わせの微調整が必要な場合がある。かかる調整は、絶縁基板1の両面を同時に見ることができないため困難を伴う。また一方の絶縁基板1面に部材を配置する際に、他方の絶縁基板1面の清浄さを維持する必要や、既に当該他方の絶縁基板1面に配置した部材を損傷しないよう配慮する必要があるため、製造工程設計に多大な制限がある。その点、絶縁基板1の一方の面に回路素子及びその端子と接続される導電性ボール7を配置している構成では、そのような困難さや制限が無いか若しくは少ない。
【0017】
上記「保護膜」は、例えばペースト状のガラスや樹脂をスクリーン印刷等の手法で厚膜形成し、その後焼成や加熱の工程を経て硬化されたものである。かかる樹脂にはエポキシ系のものを用いることが、その入手のし易さやコスト面、耐熱性、耐薬品性等の観点から好適である。
【0018】
上記「接続部材」は、少なくとも上記半田層5を含む。接続に直接に関与するのが別の半田部材、例えばクリーム半田や導電性ボール7であり、半田層5が例えば図1における電極2と当該別の半田部材との接続を容易ならしめる役割を主とするものであったとしても、その役割を担う又は関与する以上、半田層5はここで言う「接続部材」である。
【0019】
上記「導電性ボール」は、例えば中実又はいわゆる樹脂コアの半田ボールや銅等の金属・合金からなる半田を有さないボールや、中実又はいわゆる樹脂コアの金属の表面が半田で被覆されているボールである。ここで導電性ボール7及び半田層5に用いられる半田は、Pb−Sn系合金の他に、いわゆるPbフリー半田、例えばSn単体、Sn−Bi系合金、Sn−In−Ag系合金、Sn−Bi−Zn系合金、Sn−Zn系合金、Sn−Ag−Bi系合金、Sn−Bi−Ag−Cu系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Ag−In系合金、Sn−Ag−Cu−Sb系合金、Sn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Sb系合金等を含む。
【0020】
上記「めっき技術」とは、電解めっき技術、無電解めっき技術の双方を含む。中でも本発明で好適なのは、コスト面で有利で、且つ電子部品における利用実績がある、いわゆるバレルめっき技術である。
【0021】
本明細書で言う「ランド」とは、導電性ボール7が載置される電極2存在領域であって、保護膜6の開口部により形成されるものを言う。また本明細書で言う「端子」とは、回路素子の端子であって、導電性ボール7が載置されない電極2存在領域を含む。当該電極2に導電性ボール7が載置・固着された後は、その導電性ボール7も含めて「端子」となる。
【0022】
また上記「半田層の一部が、前記保護膜6により覆われる」状態は、代表例として図1(f)、(g)及び(h)から把握できる状態を挙げることができる。即ち少なくともランド8の周縁が保護膜6により覆われる状態である。この場合ランド8の存在により露出する半田層5以外の半田層5の部分が、前記「半田層の一部」となる。
【0023】
(第1の製造法の付随的効果)
半田層5をバレルめっき技術によっても厚く形成することができる利点がある。仮に上記第2の工程を上記第3の工程よりも後に実施すると、保護膜6の開口部として露出する電極2(ランド8)は、図1(f’)及び(g’)に示すように非常に狭い領域となる。すると当該領域にバレルめっき技術によるめっき層を所定厚み形成するには、非常に径の小さなダミーボールを使用し、隣接するダミーボールの接点間距離を小さくすることで、ランド8にダミーボールを高い確率で接触させることが必要となる。
【0024】
しかし上記ダミーボールは、その使用により電着物が徐々に堆積し、それ自身の径が徐々に大きくなる。そのため当初径の小さなダミーボールを使用し、高い確率でランドとの接触を確保して高効率なめっきが実現できていたものが、徐々にめっきの効率が低下することとなる。すると十分な厚みのめっき層を得ることが非常に困難となる。
【0025】
その点本発明の第1の製造法のように、上記第2の工程を上記第3の工程よりも前に実施すると、保護膜6の開口部として露出する電極2(ランド8)は、図1(f)及び(g)に示すように比較的広い領域となる。すると上記徐々にめっきの効率が低下する現象が抑制され、半田層5を厚く形成できるようになる。
【0026】
また、上記バレルめっき工程へのめっき条件負担(例えばダミーボールに特別小さいものを用い、その小ささを維持する等)が大とならない利点がある。更にその半田層5の厚みが大であることに伴い、ランド8と導電性ボール7との固着強度が安定して高くなる利点があることは言うまでもない。
【0027】
(本発明の第2の製造法)
上記課題を解決するため、本発明の電子部品の第2の製造法は、電子部品を構成する絶縁基板1の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜6と、当該保護膜6開口部に位置する、厚膜形成された回路素子端子と、当該回路素子端子と接続される、少なくとも表面が半田である導電性ボール7を有する電子部品の製造法において、前記絶縁基板1の一方の面に前記回路素子を、上記厚膜形成された回路素子端子が露出するよう形成する第11の工程と、前記回路素子を保護する保護膜6の開口部が回路素子端子を部分的に露出させるよう、保護膜6を形成する第12の工程と、当該回路素子端子と上記導電性ボール7とを、高粘度フラックスが上記開口部領域内であって、それよりも狭い領域に存在する状態で仮固定する第13の工程と、当該回路素子端子と上記導電性ボール7表面とが固着するよう加熱する第14の工程を有し、上記第11の工程、第12の工程、第13の工程、及び第14の工程を、この順に実施することを特徴とする。
【0028】
(第2の製造法の具体的説明)
第2の製造法の一例を図2を参照しながら説明する。絶縁基板1の一方の面上に対となる厚膜形成された電極2を形成する(図2(a)及び(b))。そしてその対となる電極2の双方に接するよう、抵抗体3を形成する(図2(c))。また、必要に応じて抵抗体3を保護するガラス4膜を形成し(図2(d))、上記回路素子の一例である抵抗素子が形成される。以上が上記第11の工程である。
【0029】
次いでその抵抗素子を保護する保護膜6の開口部が回路素子端子の一部であるランド8を露出させるよう、保護膜6を形成する(図2(e))。以上が上記第12の工程である。
【0030】
次いで高粘度のフラックス9を用いて、ランド8表面と、少なくとも表面が半田である導電性ボールとを仮固定させる。その際、フラックス9が上記開口部(ランド8)領域内であって、それよりも狭い領域に存在する状態とする(図2(f))。以上が上記第13の工程である。
【0031】
その後フラックス9存在領域へ導電性ボール7を配置する(図2(g))。そしてランド8と上記導電性ボール7表面とが固着するよう加熱することで、フラックス9を焼失させつつ導電性ボール7表面の半田を溶融・固化させ、ランド8と導電性ボール7とが固着する(図2(h))。以上が上記第14の工程である。以上の過程を経て本発明に係る電子部品(抵抗器)を得ることができる。
【0032】
(第2の製造法が課題を解決する理由)
上記高粘度のフラックス9は、その高粘性から導電性ボール7を比較的強固に仮固定できる。また上記高粘度のフラックス9は、ランド8領域内であって、それよりも狭い領域に存在するため、ランド9領域を外れて半田との濡れ性の良好な領域を形成し難い。更に導電性ボール7自身の表面の半田が溶融・固化し、クリーム半田等の過剰な半田が存在しないため、導電性ボール7が溶融・固化の過程でランド8の外へ移動し難い。従って電子部品設計の際に定めた導電性ボール7配置位置からの導電性ボール7の位置ずれが起き難い点で電子部品の製品信頼性が高まり、本発明の課題を解決することができる。
【0033】
ここで、第11の工程より後、第13の工程より前のいずれかの段階で、回路素子端子表面に半田との濡れ性の良好な材料のめっきを施すことが好ましい。その理由は、ランド8と導電性ボール7との固着強度が高まる点で電子部品の製品信頼性が高まり、更に本発明の課題を解決することができるためである。前記半田との濡れ性の良好な材料は、例えば半田、金、銅の1以上である。
【0034】
(第2の製造法における用語の定義等)
上記「電子部品」等の第1の製造法に用いられる用語の意義は、第2の製造法及びそれを基本とした好ましい製造法の説明に用いられる用語と同義である。それらに加え、上記「高粘度フラックス」とは、ランド8上に配置された状態では自重による変形が実質的に起こらないもので、概ね20Pa・S(25℃)程度のものをいう。また導電性ボール7をある程度保持(仮固定)し得る粘着性をも併有することを要する。
【0035】
また上記「少なくとも表面が半田である導電性ボール」は、第1の製造法の説明における「導電性ボール」から、表面に半田を有しないものを除いたものをいう。
【0036】
(第2の製造法の付随的効果)
メタルグレーズや樹脂等を含み、スクリーン印刷等により形成される厚膜導体は一般に、その表面の半田濡れ性が悪い。しかし上記高粘度フラックスは、その高い粘性により、加熱により焼失するまでの時間が通常の低粘度のフラックスよりも長い。そのため、ランド8と導電性ボール7との接触面とが十分に接合・固着するまでの間、その接合面に存在し得る。
【0037】
絶縁基板1の一方の面に回路素子や全てのランド8が形成され、ヴィアホールの存在しない絶縁基板1を用いて簡易且つ合理的に、更には安価に電子部品を構成しようとすると、スクリーン印刷法による厚膜形成が最も好ましい場合がある。そのような場合に当該厚膜導体と導電性ボール7との半田濡れ性を良好にすることのみのために前述のバレルめっき工程を経るのは、そのような場合の利点を減殺しかねない。その点第2の製造法は、上記高粘度フラックスの作用により、かかるめっき工程を必ずしも要しないで電子部品を構成し得る点で大きな意義を有する。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1の製造法の実施の形態)
図1及び図3を参照しながら、ネットワーク抵抗の電子部品の製造法につき説明する。アルミナセラミックスからなる絶縁基板1を用意する(図1(a))。かかる絶縁基板1は、個々の電子部品サイズの絶縁基板1が縦横に多数連なった大型の絶縁基板1である。
【0039】
その絶縁基板1の一方の面に、銀−パラジウム系のメタルグレーズペーストをスクリーン印刷し、その後焼成することにより、電極2と共通電極10とを同時に得る(図1(b)、図3(a))。絶縁基板1が上記大型故、1回のスクリーン印刷工程で多数個の電子部品に要する電極2及び共通電極10を形成することができる利点がある。かかる利点は、以下に述べるスクリーン印刷工程全てが有する利点である。
【0040】
次いで酸化ルテニウム系抵抗体ペーストを電極2と共通電極10との双方に接するようスクリーン印刷し、その後焼成して抵抗体3を得る(図1(c)、図3(b))。更にガラスペーストを抵抗体3を覆うようにスクリーン印刷し、その後焼成して、ガラス4膜を得る(図1(d)、図3(c))。
【0041】
次いで電極2と共通電極10と抵抗体3で構成される抵抗素子の抵抗値を所望の値にするため、レーザ照射により抵抗体3にトリミング溝11を形成して抵抗値を調整する工程を経る(図3(d))。このとき前記ガラス4膜は、抵抗体3全体の損傷を極力抑えるよう作用する。ここまでの抵抗素子形成工程が、上述した第1の工程となる。
【0042】
その後少なくともトリミング溝11の露出を避けるよう、エポキシ系樹脂ペースト等をスクリーン印刷により配置し(図示しない)、硬化させる。かかる硬化に要する温度は低い方が好ましい。高温に曝すことにより、調整された抵抗値がずれるのを避けるためである。従って、その後の工程における耐薬品性を有することを条件に、不飽和ポリエステル系樹脂等の光硬化樹脂を用いた、加熱によらない樹脂硬化工程によることが更に好ましい。
【0043】
次いで大型の絶縁基板1から個々の電子部品サイズの絶縁基板1を得るよう、絶縁基板1を分割する(図示しない)。分割手段はダイヤモンドブレードを高速で回転させ、絶縁基板1を切断する、いわゆるダイシングによる。かかるダイシングに代えて、予め電子部品の外形に沿った分割用溝が形成された大型の絶縁基板1を用い、当該溝を開くように応力付与して、その大型の絶縁基板1を分割する手段を採用してもよい。前者(ダイシング)の利点は、分割後の電子部品寸法精度が一般に高いこと等である。後者の利点は製造コストの低減の面で有利なこと等である。
【0044】
このようにして得られた個々の電子部品サイズの絶縁基板1を、バレルめっき法による半田めっき工程に供することで、半田層5を得る(図1(e)、図3(e))。このとき、トリミング溝11は露出してないため、半田層5がトリミング溝11内に形成される不都合はない。半田層5の厚みが、3〜12μmとなるまで本工程を実施した。この半田層5を得る工程が、上述した第2の工程となる。
【0045】
その後個々の電子部品を表裏を揃えて並べ置き、その並べ置き状態を固定した上で、エポキシ樹脂ペーストのスクリーン印刷及びその後の加熱硬化工程により、開口部を有する保護膜6を形成する(図1(f)、図3(f))。その結果、かかる開口部が半田層5を部分的に露出させ、ランド8となる。またこの工程により、半田層5の一部が、前記保護膜6により覆われることとなる。この工程が、上述した第3の工程となる。
【0046】
その後個々の電子部品のランド8に図示しないクリーム半田(鉛:錫=60:40重量%)をスクリーン印刷し、市販のボール搭載装置により導電性ボール7を搭載し(図1(g))、当該クリーム半田及び導電性ボール7の表層を溶融・固化することでランド8と導電性ボール7とを固着する(図1(h))。かかる導電性ボール7は、表層が鉛:錫=95:5の重量%であり、コアが銅からなるものである。またかかる溶融・固化の過程は、公知のリフロー工程による。以上の工程を経ることで本発明の第1の製造法が完了する。
【0047】
(第2の製造法の実施の形態)
図2及び図4を参照しながら、ネットワーク抵抗の電子部品の製造法につき説明する。上記第1の製造法の実施の形態における、トリミング溝11を形成するまでの過程は、第2の製造法と同様である。従って上記第11の工程は、上記第1の製造法の実施の形態における、第1の工程と同様に実施される。
【0048】
上記トリミング溝11形成後、他の工程を経ずに保護膜6を第1の製造法の実施の形態と同様に形成する(図2(e)、図4(e))。この工程が、上述した第12の工程となる。
【0049】
その後、上記保護膜6の形成により得られるランド8上に高粘度のフラックス9を配置する(図2(f)、図4(f))。当該フラックス9には、千住金属工業株式会社製(商品名:デルタラックス529D−1)を用いた。また、前記配置方法は、ピン転写法とした。当該配置の際には、フラックス9をランド8領域内であって、それよりも狭い領域に存在させるよう留意した。
【0050】
上記ピン転写法に代えてスクリーン印刷法や、当該ピンに代えて導電性ボール7を用いるボール転写法、ディスペンサ法等を採用することができる。また上記フラックス9(商品名:デルタラックス529D−1)に代えて、当該フラックス9と同程度の粘度、粘着性を有するものを用いることができることは言うまでもない。
【0051】
次いで、クリーム半田を用いずに上記フラックス9存在位置に導電性ボール7を搭載する以外は、第1の製造法の実施の形態と同条件で導電性ボール7を搭載した(図2(g))。本搭載工程が上述した第13の工程となる。
【0052】
その後ランド8と導電性ボール7表層とを固着させる。かかる固着工程は、上記第1の製造法の実施の形態と同様の公知のリフロー工程による。本工程が上述した第14の工程となる。以上の工程を経ることで本発明の第2の製造法が完了する。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、電子部品の製品信頼性を高めることができた。特に上記第1の製造法では、導電性ボール7とランド8との接続部分の接続強度を高くできる意味で、上記第2の製造法では、電子部品設計の際に定めた導電性ボール7配置位置からの導電性ボール7の位置ずれを起き難くできる意味で、電子部品の製品信頼性を高めることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)は、本発明の第1の製造法を、各工程毎に電子部品の断面図として示した図である。(f’)及び(h’)は、本発明以外の製造法の一例により、本発明にかかる(f)及び(h)の段階に代えて電子部品を製造した場合を示した図である。
【図2】(a)〜(h)は、本発明の第2の製造法を、各工程毎に電子部品の断面図として示した図である。
【図3】本発明の第1の製造法を、各工程毎に電子部品の回路素子及び導電性ボール存在面の平面図を示した図である。
【図4】本発明の第2の製造法を、各工程毎に電子部品の回路素子及び導電性ボール存在面の平面図を示した図である。
【符号の説明】
1.絶縁基板
2.電極
3.抵抗体
4.ガラス
5.半田層
6.保護膜
7.導電性ボール
8.ランド
9.フラックス
10.共通電極
11.トリミング溝
12.半田層5と導電性ボール7との接合層

Claims (5)

  1. 電子部品を構成する絶縁基板の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜と、当該保護膜開口部に位置し、当該回路素子を構成する端子接続用ランドと、当該ランドと接続部材により接続される導電性ボールを有する電子部品において、
    当該ランド表面に形成される前記接続部材としての半田層の一部が、前記保護膜により覆われることを特徴とする電子部品。
  2. 電子部品を構成する絶縁基板の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜と、当該保護膜開口部に位置するランドと、当該ランドと接続部材により接続される導電性ボールを有する電子部品の製造法において、
    前記絶縁基板の一方の面に前記回路素子を、当該回路素子端子が露出するよう形成する第1の工程と、
    当該回路素子端子に、めっき技術により前記接続部材としての半田層を形成する第2の工程と、
    前記回路素子を保護する保護膜の開口部が半田層を部分的に露出させるよう、保護膜を形成する第3の工程を有し、
    上記第1の工程、第2の工程、及び第3の工程を、この順に実施することを特徴とする電子部品の製造法。
  3. 電子部品を構成する絶縁基板の一方の面に回路素子と、当該回路素子を保護する保護膜と、当該保護膜開口部に位置する、厚膜形成された回路素子端子と、当該回路素子端子と接続される、少なくとも表面が半田である導電性ボールを有する電子部品の製造法において、
    前記絶縁基板の一方の面に前記回路素子を、上記厚膜形成された回路素子端子が露出するよう形成する第11の工程と、
    前記回路素子を保護する保護膜の開口部が回路素子端子を部分的に露出させるよう、保護膜を形成する第12の工程と、
    当該回路素子端子と上記導電性ボールとを、高粘度フラックスが上記開口部領域内であって、それよりも狭い領域に存在する状態で仮固定する第13の工程と、
    当該回路素子端子と上記導電性ボール表面とが固着するよう加熱する第14の工程を有し、
    上記第11の工程、第12の工程、第13の工程、及び第14の工程を、この順に実施することを特徴とする電子部品の製造法。
  4. 第11の工程より後、第13の工程より前のいずれかの段階で、回路素子端子表面に半田との濡れ性の良好な材料のめっきを施すことを特徴とする請求項3記載の電子部品の製造法。
  5. 半田との濡れ性の良好な材料が、半田、金、銅の1以上であることを特徴とする請求項4記載の電子部品の製造法。
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