JP4439728B2 - 吸収製品のプロトン供与性活性成分 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の背景
本発明は、おむつかぶれおよびおむつによる皮膚炎の予防と治療のために有用なプロトン供与性活性成分を含む、おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁ブリーフ、女性用衛生製品などの様な吸収製品に関する。特に、プロトン供与性活性成分は、吸収製品上に配置されるスキンケア組成物の成分である。そのようなプロトン供与性活性成分は、身体滲出物による損傷の後皮膚のpHをわずかに酸性条件に維持することを補助する機能をし、それにより損傷の結果起こり得る赤化と炎症を減少させる。
【0002】
おむつかぶれは、おむつにより通常覆われる小児の身体の部分の悪性の刺激および炎症の一般形態である。この状態はまた、おむつ皮膚炎、ナプキン皮膚炎、ナプキンかぶれ、およびナッピーラッシュとも称される。小児においてたしかにより一般的ではあるが、この状態は、実際には、小児に限定されない。吸収製品の使用が必要とされる程度に失禁を罹患している個人にもこの状態が発生し得る。これは、新生児から老人まで、重病人または寝たきりの人まで範囲が広がる。
【0003】
尿および他の身体滲出物を吸収するための大きな容量を有するおむつ、失禁パッド、失禁ブリーフ、生理用ナプキン、パンティライナーなどのような多くのタイプの使い捨て吸収製品が入手可能である。このタイプの使い捨て製品は一般的に、ある種の液体透過性トップシート材料、吸収性コア、および液体不透過性バックシート材料を具備する。それらのタイプの吸収構造は液体の吸収については極めて効率的であり得るけれども、その様な吸収製品の長い間の着用は、過剰な水和または身体滲出物において一般的に見出される皮膚への刺激物への暴露の点で下にある皮膚を弱め得ることがよく認識されている。連邦法規の法典の第21章の第333.503節は、おむつかぶれを、「1以上の以下の要因、すなわち、水分、閉塞、摩擦、尿または便または両方との継続した接触、または機械的もしくは化学的な刺激により引き起こされるおむつ領域(会陰、臀部、下腹部および内腿)における炎症性皮膚状態」と定義する。真のおむつかぶれまたはおむつ皮膚炎は、その最も単純な段階においては、尿または便または両方と皮膚との強い接触に由来する接触性刺激性皮膚炎である状態であることが医師により一般的に受け入れられている。身体の廃棄物がおむつかぶれを「引き起こす」ことは知られているが、皮膚に現れる刺激の原因となる尿または便の正確な成分は決定的には確認されてこなかった。原因は、性質上、多因性であることが最もありそうなことである。おむつかぶれに結びつくもっとも一般的に受け入れられている要因の中にはアンモニアがあり、便によるかぶれについては、アンモニア、便の酵素、細菌、細菌の作用の生成物、尿のpH、およびカンディーダ・アルビカンスがある。尿に対する皮膚の暴露により引き起こされる皮膚の過剰な水和、高い湿度、または吸収製品による皮膚への閉塞接触もまた皮膚のバリア特性をなくすことについて有効であり、それにより、酵素に対するおよびカンディーダ・アルビカンスによる侵入に対する皮膚の感受性を高める。
【0004】
おむつかぶれのこれまで提起されてきた原因の観点について、その発生を減少させ、または防止する試みにおいて多くのアプローチがなされてきた。ほとんどの実践的なアプローチの多くは多数の原因または重要な副要因に対処することを試みる。おむつの頻繁な交換による皮膚の水和の減少、水分吸収粉末の使用、超吸収性材料の使用、およびおむつの空気流通の改善は周知のアプローチである。人工的なバリアの使用もまた広く実施される。その典型的なものは、その具体的性質に関係なく、便または尿の刺激物に対して皮膚へのある程度の物理的バリア保護作用を与えるための局所的クリーム、軟膏、ローションまたはペーストの使用である。しかしながら、バリアによるアプローチは、皮膚に対する刺激物の接近を減少させるけれども、それ自体閉鎖的であり、美観的にも快いものではないであろう。
【0005】
更に、おむつの皮膚炎、すなわち「おむつかぶれ」の1つの原因は、幼児の皮膚と接触する尿で濡れたおむつにおいて発生する遊離のアンモニアであることが知られている。アンモニアは、腐生グラム陽性桿菌のバクテリウム・アンモニアゲネスおよびグラム陰性桿菌のプロテウス・ブルガリスのようなさまざまな種類の大便の細菌により尿の尿素の細菌の酵素による分解による生成する。この知識の下で、おむつかぶれの防止について本質的に2つの線に沿って技術は進んだ。1つのアプローチにおいて、先行技術は、アンモニア生成細菌により発生する気体性アンモニアを捕捉する化学製剤により尿で濡れたおむつからのアンモニアの放出を防止するように試みてきた。そのようなアンモニア固定剤には、なかんずく、アンモニウム塩を形成することが可能な酢酸、クエン酸、およびホウ酸のような弱酸の有機および無機酸が含まれる。そのアンモニア固定剤は、吸収性の詰め物全体に含浸されているかまたはおむつの中に包まれている別々の気体透過性の匂い袋の中に配置され得る。
【0006】
おむつかぶれの防止のためのもう1つのアプローチは、おむつ構造の中に静菌剤を含ませることであった。さまざまのカルボン酸がこの目的のために用いられてきた。例えば、1972年12月26日にブライス(Bryce)に発行された米国特許第3,707,148号は、酵素活性とアンモニア生成を阻害するためにカルボン酸の使用を記載する。この特許は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、およびフマル酸で含浸された使い捨ておむつ構造を開示する。しかしながら、例えばクエン酸のような具体的なカルボン酸の幾つかは、尿がおむつのエッジに吸収されて向かうとき酸の中に相対的に集中し、おむつの中心がアンモニア生成に対するその保護作用を失う様に、おむつが尿で濡れるときあまりに急速に溶解する。結果として、皮膚への刺激は、この点において、過剰に低いpHによりおむつの端部で起こり得る。たとえばフマル酸のような他のカルボン酸は、吸収速度に対してよりゆっくりと溶解するけれども、いまだおむつのエッジにおいて極端に低いpHを作り出す。と言うのは、それは相対的に強酸であり、尿がおむつに吸収されて通過するとき尿のイオン交換により緩衝するための塩基性イオンが存在しないからである。1976年6月22日にブレーニー(Blaney)に発行された米国特許第3,964,486号は、この問題に対する1つの解決を記載する。それはおむつの中の尿の吸収速度に対して遅い溶解速度を有する相対的な弱酸を提供することである。具体的には、ブレーニー特許は、アジピン酸がそのような目的のために理想的に適していることを示す。同様に、1987年8月11日にバーグ(Berg)らに発行された米国特許第4,685,909号は、吸収製品の中の別々の帯域にpH制御剤(すなわち、有機および無機酸)およびヒドロゲルを有する吸収製品を記載する。しかしながら、そのような酸はおむつまたは他の吸収製品による尿の吸収に依存するので、その効果は限定され得る。例えば、着用者の皮膚の表面に隣接して存在する頻繁に排出される尿(例えば吸収製品により吸収されない)および大便が存在するならば、このアプローチを用いて酸性pHに着用者の皮膚を維持することは潜在的に困難である。そのような状況においては、人は、そのような身体滲出物において存在する塩基性イオンを有効に中和する遊離の水素イオン濃度を維持する皮膚の能力に依存しなければならない。それゆえ、このアプローチの限界は、有効であるためには、遊離の尿と大便によるpHにおける変化に抵抗する皮膚の能力は、皮膚が、理想的には皮膚自体の恒常性pHバランスを乱すことなく、実際に大便と接触するに至る前に、pH制御剤の適用により増加しなくてはならないことである。
【0007】
緩衝系を含む皮膚のローションで含浸されたおむつもまた知られている。例えば、1996年6月11日にハータング(Hartung)らに発行された米国特許第5,525,346号は、ノニオン性乳化剤、ジメチコーン、クエン酸ナトリウム、クエン酸、アロエベラ、保存料および水を含む水中油型エマルジョンを記載する。その特許は更に、着用者の生殖器および臀部に接触するおむつの少なくとも一部が水中油型エマルジョンで含浸されているおむつを記載する。そのようなおむつはスキンケアの利益を提供し得るけれども、そのようなエマルジョンでおむつを含浸することは、おむつの機能を実質的に妨げ得る。例えば、着用者の生殖器および臀部に接触するおむつの部分はまた、身体滲出物、特に尿を主に受け入れるおむつの部分でもある。もしこの受容領域が米国特許第5,525,346号において記載されているエマルジョンで含浸されるならば、その吸収特性は、漏れの危険の増加に導くように実質的に弱められるであろう。さらに、米国特許第5,525,346号において記載されている皮膚のローションの水性連続相が与えられれば、おむつの吸収要素は、ローションにより提供されるいずれのスキンケアの利益も減少させて、表面からその水相を引き離してしまうであろう。
【0008】
従って、吸収製品を着用する者の皮膚上のアンモニアおよび大便の酵素の効果を中和する継続的な必要が存在する。さらに、より具体的には、約4.0ないし約6.0のその自然な酸性状態に着用者の皮膚のpHを維持することを助ける改善された吸収製品を提供する必要が存在する。
【0009】
発明の要約
本出願人は、吸収製品から着用者の皮膚に移行する緩衝剤または酸性アンモニア中和剤のようなプロトン供与性活性成分の使用により酸性の皮膚pHを維持することを助けることが可能であることを発見した。特に好ましい材料は、着用者の皮膚に隣接して存在し得るアンモニアを中和することに加えて尿の尿素をアンモニアに分解する大便の酵素の能力を減少させることについて有効であるプロトン供与性活性成分である。そのような成分を投与する特に好ましい手段は、着用者の皮膚の表面にそのようなプロトン供与性活性成分を運ぶ、吸収製品から着用者の皮膚に移行させるスキンケア組成物に成分を含ませることである。
【0010】
発明の詳細な説明
1.定義
ここで用いられるものとして、「含む、具備する、備える(comprising)」と言う術語は、本発明を実施する上でともに用いられ得るさまざまの部材、成分または工程を意味する。従って、「含む、具備する、備える」と言う術語は、より限定的な術語の、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を包含する。
【0011】
ここで用いられるものとして、「プロトン供与性活性成分」は、物体または物体の混合物がスキンケア組成物に含まれ、以下の試験方法の項目で皮膚のpHの減少試験で記載されるように被験者の皮膚に適用されるとき、皮膚のpHの減少を引き起こす物体または物体の混合物である。
【0012】
ここで用いられるものとして、「プロトン供与性活性成分を含む吸収製品」とは、プロトン供与性活性成分がトップシート内または上、および/または吸収性コア内または上、および/またはバックシート内または上、および/またはカフス、サイドパネル、ファスナーなどを含む吸収製品のいずれか他の部分内または上に位置する、典型的に、液体不透過性バックシート、液体透過性トップシート、およびトップシートとバックシートの間に位置する吸収性コアを有する以下に記載されるものの様ないずれかの吸収製品を意味する。
【0013】
ここで用いられるものとして、「プロトン供与性活性成分を含むスキンケア組成物」と言う術語は、おむつによる皮膚炎のような皮膚の状態の治療または予防のために治療的および/または保護的な皮膚の利益を提供するために吸収製品から着用者の皮膚に最小有効量のプロトン供与性活性成分を移行させるために用いられるいずれかの組成物を称する。典型的な材料は以下で詳細に検討される。
【0014】
ここで用いられるものとして、吸収製品の「着用者に接触する表面」と言う術語は、着用の間のある時間に着用者の身体に接触し得るいずれかの製品部材の1以上の表面である。身体接触表面には、限定はされないが、使用のあいだに着用者に接触し得るトップシートの部分、脚部カフス、腰部領域、サイドパネルなどが含まれる。
【0015】
他の術語は、本明細書で最初に記載される場所で定義される。
【0016】
プロトン供与性活性成分および/またはスキンケア組成物については、別段の特定のないかぎり、本明細書で用いられるすべてのパーセテージ、比および割合は重量による。
【0017】
II.吸収製品
ここで用いられるものとして、「吸収製品」と言う術語は、身体滲出物を吸収し、保持するデバイスを称する。「使い捨て」と言う術語は、洗濯されるかまたは1回の使用の後に吸収製品として修復または再使用されることが意図されない吸収製品を記載するために本明細書では用いられる。使い捨て吸収製品の例には、生理用ナプキン、パンティライナーおよびタンポンのような女性用衛生着衣、おむつ、失禁ブリーフ、おむつカバー、トレーニングパンツなどが含まれる。
【0018】
使い捨て吸収製品は典型的に、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシートおよびトップシートとバックシートとの間に位置する吸収性コアを具備する。使い捨て吸収製品およびトップシート、バックシート、吸収性コアおよびそれらの部材のいずれの個別の層も含むその部材は、身体に面する表面と着衣に面する表面を有する。ここで用いられるものとして、「身体に面する表面」は、着用者の身体に向かってまたは隣接して着用されることが意図される製品または部材の表面を意味し、一方、「着衣に面する表面」は、反対側にあり、使い捨て吸収製品が着用されるとき着用者の着衣または下着に向かって着用されるかまたは隣接して配置されることが意図される。
【0019】
以下の記載は一般的に、使い捨て吸収製品において有用である吸収性コア、トップシート、およびバックシート材料を検討する。この一般的な記載は、一般的に本明細書で記載される他の使い捨て吸収製品のものに加えて、図1において示され以下にさらに記載される具体的な吸収製品のその部材に当てはまることが理解されるべきである。
【0020】
一般的に、吸収性コアは、液体(例えば、経血、尿、および/または他の身体滲出物)を吸収し、または保持することが可能である。吸収性コアは、好ましくは、圧縮可能であり、形態合致性があり、着用者の皮膚に刺激がない。吸収性コアは、広範な大きさおよび形態(例えば、長方形、卵形、砂時計形、「T」字形、ドッグボーン形、非対称形など)で製造され得る。吸収性複合材料に加えて、吸収性コアは、エアフェルトと一般的に称される細砕された木材パルプの様な吸収製品において一般的に用いられる広範な液体吸収材料のいずれも含み得る。吸収性コアにおける使用にとって適切な他の吸収性材料の例には、しわのあるセルロースの詰め物、コフォームを含む溶融ブローポリマー、化学的に硬化され、修飾されまたは架橋されたセルロース性繊維、けん縮されたポリエステル繊維のような合成繊維、ピートモス、ティッシュラップおよびティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、またはいずれか等価の材料または材料の組み合わせまたはそれらの混合物が含まれる。
【0021】
吸収性コアの形状または構造は変化し得る(例えば、吸収性コアは、変化する厚さ帯域および/または中央においてより厚くなるようなプロフィールを有し得るし、親水性勾配、吸収性複合材料の勾配、超吸収性勾配、または低平均密度で低平均坪量の帯域、例えば獲得帯域を有し得るし、または1以上の層または構造を含み得る)。しかしながら、吸収性コアの全吸収能力は、吸収製品の設計負荷および意図される用途と合致すべきである。更に、吸収性コアの大きさおよび吸収能力は、おむつ、失禁パッド、パンティライナー、通常の生理用ナプキンおよび夜間の生理用ナプキンのような異なる用途に適合して、および小児から成人までの範囲の着用者に適合して変化し得る。吸収性コアはまた、例えば、ダスチング層、吸収獲得層、または着用者の快適さを高めるための2次トップシートの様な吸収製品においてしばしば用いられる他の吸収性部材をも含み得る。
【0022】
トップシートは、好ましくは、柔順であり、柔軟な感触があり、着用者の皮膚に対して刺激がない。更に、トップシートは液体透過性であり、液体(例えば、経血および/または尿)がその厚さを容易に貫通することを可能とする。適切なトップシートは、開孔された不織布を含む製織および不織材料(例えば、繊維の不織ウエブ)、開孔形成された熱可塑性フィルム、開孔されたプラスチックフィルム、および油圧形成された熱可塑性フィルムのようなポリマー性材料、多孔性発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、および熱可塑性スクリムのような広範な材料から製造され得る。適切な製織および不織材料は、天然繊維(例えば、木材または綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレン繊維のようなポリマー性繊維)または天然および合成繊維の組み合わせから構成され得る。トップシートは不織ウエブを含むとき、ウエブは多数の公知の技術により製造され得る。例えば、ウエブは、紡糸結合、スパンレースカーディング、湿式載置、溶融ブロー、水力交絡、油圧形成、水力開孔、上記の組み合わせ等をされ得る。製織または不織材料のいずれかで構成されて、トップシートは好ましくは、さらに下記のプロトン供与性活性成分を含むスキンケア組成物を含む。
【0023】
バックシートは液体(例えば経血および/または尿)に対して不透過性であり、他の可撓性液体不透過性材料もまた用いられ得るけれども好ましくは薄いプラスチックフィルムを含む。ここで用いられるものとして、「可撓性」と言う術語は、柔順であり、ヒトの身体の一般的な形態および輪郭に容易に合致する材料を称する。バックシートは、吸収性コアにおいて吸収され、含まれる滲出物が、ベッドシーツ、パンツ、パジャマ、および下着の様な吸収製品に接触するものを濡らすことを防止する。従って、バックシートは、製織または不織材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィルムのようなポリマー性フィルム、またはフィルムでコートされた不織材料のような複合材料を含み得る。適切なバックシートは、約0.012mm(0.5ミル)から約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有するポリエチレンフィルムである。典型的なポリエチレンフィルムは、名称P18−1401の下でオハイオ州シンシナチのクロペイ(Clopay)・コーポレーションによりおよび名称XP−39385の下でインディアナ州テールホート(Terre Haute)のトレデガー(Tredegar)・フィルム・プロダクツにより製造される。バックシートは好ましくは、より布らしい外観を与えるためにエンボス加工および/またはつや消し仕上げされる。更に、バックシートは、いまだ滲出物がバックシートを通過することを防止しながら、蒸気が吸収性コアから出て行くことを可能とし得る(すなわち、バックシートは呼吸性である)。バックシートの大きさは、吸収性コアの大きさおよび選択される正確な吸収製品の設計により規定される。
【0024】
バックシートとトップシートは、吸収性コアのそれぞれ、着衣に面する表面および身体に面する表面に隣接して配置される。吸収性コアは、好ましくは、当該技術において周知のもののような付着手段(図1において示されていない)により公知であるいずれかの方式で、トップシート、バックシート、または両方と結合する。しかしながら、吸収性コアの部分または全体がトップシート、バックシート、または両方のいずれかに付着していない吸収製品の態様も考えられる。
【0025】
例えば、バックシートおよび/またはトップシートは、接着剤の均一連続層、接着剤のパターン化された層、または接着剤の分離した線、螺旋または点の配列により吸収性コアにまたは互いに固定され得る。満足であることが見出された接着剤は、名称HL−1258またはH−2031の下でミネソタ州セントポールのH.B.フラー(Fuller)・カンパニーにより製造される。付着手段は、好ましくは、1986年3月4日にミネトラ(Minetola)らに発行された米国特許第4,573,986号において開示される接着剤のフィラメントの開放パターンネットワークを含み、それは参照により本明細書に組み込まれる。フィラメントの開放パターンネットワークの典型的な付着手段は、1975年10月7日にスプラーグ(Sprague),Jr.に発行された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にザイエカー(Zwieker)らに発行された米国特許第4,785,996号、および1989年6月27日にウェレニッツ(Werenicz)に発行された米国特許第4,842,666号において示される装置および方法により例示される螺旋パターンに旋回される接着剤フィラメントの幾つかの線を含む。それらの特許のそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。代わりに、付着手段は、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結合、またはいずれか他の適切な付着手段、または当該技術において公知であるそれらの付着手段の組み合わせを含み得る。
【0026】
その中に組み込まれたプロトン供与性活性成分またはプロトン供与性活性成分含有組成物を有し、より好ましくは、プロトン供与性活性成分含有組成物で処理された身体に接触する表面を有する本発明の好ましい使い捨て吸収製品はおむつである。本明細書で用いられるものとして、「おむつ」と言う術語は、着用者の胴体下部のまわりに着用される、幼児および失禁者により一般的に着用される吸収製品を称する。言葉を変えれば、「おむつ」と言う術語は、小児用おむつ、トレーニングパンツ、成人失禁デバイスなどを含む。
【0027】
図1は、構造の一部がおむつ50の構造をより明確に示すために切欠され、着用者からはなれて面するおむつ50の部分(外側表面)が見る者に向いている、その平坦に伸ばされた、収縮していない状態(すなわち、弾性的に誘発される収縮が引き伸ばされている)における本発明において有用なおむつ50の平面図である。図1に示されるように、おむつ50は好ましくは、液体透過性トップシート520、トップシート520と結合する液体不透過性バックシート530、トップシート520とバックシート530との間に位置する吸収性コア540を具備し、吸収性コアは着衣に面する表面542、身体に面する表面544、サイドエッジ546、ウエストエッジ548および耳549を有する。おむつ50は好ましくは、さらに、弾性脚部カフス550、および560と称される弾性腰部要素、および570と一般的に称されるファスナーシステムを含む。
【0028】
おむつ50は、図1において、外側表面52、外側表面52と反対側である身体に面する表面に対応する内側表面54、第1腰部領域56、第2腰部領域58および、縦エッジが55と称され、エンドエッジが57と称されるおむつ50の外側エッジにより規定される周囲51を有するものとして示される。(当業者は、おむつは通常1対の腰部領域と腰部領域のあいだのクロッチ領域を有するものとする観点で記載されるものと認識するであろうけれども、本出願においては、術語を単純にするために、おむつ50は、典型的にはクロッチ領域の部分と称されるであろうおむつの部分を含む腰部領域のみを有するものとして記載される)。おむつ50の身体に面する表面54は、使用の間に着用者の身体に隣接して位置するおむつ50のその部分を含む。身体に面する表面54は一般的に、トップシート520のすくなくとも一部および脚部カフス550のようなトップシート520に結合し得る他の部材、ならびに腰部要素560、サイドパネルなどのようなトップシートは伸び得ないが着用者にいまだ接触する何れかの領域により形成される。外側表面52は、着用者の身体から離れて位置するおむつ50の部分を含む(すなわち、外側表面52は、一般的に、バックシート530の少なくとも一部およびバックシート530に結合し得る他の部材により形成される)。第1の腰部領域56および第2の腰部領域58はそれぞれ、周囲51のエンドエッジ57からおむつ50の横中心線53に伸びる。図1はまた、縦中心線59も示す。
【0029】
図1は、トップシート520およびバックシート530が吸収性コア540の寸法より一般的に大きい長さおよび幅寸法を有するおむつ50の好ましい態様を示す。弾性脚部カフス550およびバックシート530は、それによりおむつ50の周囲51を形成するように吸収性コア540のエッジを越えて伸びる。
【0030】
本発明のおむつは多数の周知形状を有し得るものであり、その吸収性コアは本発明に適合する。典型的な形状は、一般的に、1975年1月14日にビュエル(Buell)に発行された米国特許第3,860,003号、1992年9月29日にビュエルらに発行された米国特許第5,151,092号、1993年6月22日にビュエルらに発行された米国特許第5,221,274号において記載されている。それらの特許のそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。本発明が容易に適合し得るもう1つのおむつの形状は、1996年9月10日にロー(Roe)らに発行された米国特許第5,554,145号において記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。この特許において記載されるおむつの吸収性コアは、ここに記載される吸収性ゲル化材料としての吸収性複合材料を含むものとしてここでの教示にかんがみて適合し得る。
【0031】
おむつ50における使用にとって特に適切であるトップシート520は、布帛技術の当業者に周知の手段により梳綿され、熱的に結合される。本発明にとって満足なトップシートは、約2.2のデニールを有するステープル長のポリプロピレン繊維を含む。ここで用いられるものとして、「ステープル長の繊維」と言う術語は、少なくとも約15.9mm(0.625インチ)の長さを有する繊維を称する。好ましくは、トップシートは、平方メートル当り約14から約25グラムの坪量を有する。適切なトップシートは、名称P−8の下でマサチューセッツ州ウォルポールのインターナショナル・ペーパー・カンパニーの1部門のベラテック(Veratec),Inc.により製造される。
【0032】
おむつ50のトップシート520は、好ましくは、トップシートを通る液体(例えば、尿)の急速な移行を促進するように親水性材料で作られる。もしトップシートが疎水性材料で作られているならば、液体がトップシートをより急速に移行し、通過する様に、トップシートの上方表面の少なくとも一部は親水性となるように処理される。このことは、身体滲出物がトップシートを通過して引かれ、吸収性コアにより吸収されるよりもむしろトップシートをあふれ出るようなことをなくす。トップシートは、界面活性剤で処理することにより親水性とされ得る。界面活性剤でトップシートを処理するための適切な方法には、界面活性剤でトップシート材料をスプレーすることおよび材料を界面活性剤に浸漬することが含まれる。そのような処理および親水性のより詳細な検討は、1991年1月29日にレイジング(Reising)らに発行された米国特許第4,988,344号および1991年1月29日にレイジングに発行された米国特許第4,988,345号において含まれており、それらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
代わりに、トップシートは開孔形成されたフィルムの形態であっても良く、それは女性用衛生吸収製品について好ましい。開孔形成されたフィルムは有用である。と言うのは、それは体液に対して透過性であるが非吸収性であり、液体が逆流し、着用者の皮膚を再び濡らすことを可能とする傾向が少ないからである。従って、身体と接触する形成されたフィルムの表面は乾いたままであり、それにより身体の汚れを減少させ、着用者にとってより快適な感触を作り出す。適切な形成されたフィルムは、1975年12月30日にトンプソンに発行された米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にミュレーン(Mullane)に発行された米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にレーデル(Radel)らに発行された米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にアー(Ahr)らに発行された米国特許第4,463,045号、および1991年4月9日にベアード(Baird)に発行された米国特許第5,006,394号において記載されている。それらの特許のそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。特に好ましい微小開孔形成されたフィルムトップシートは、1986年9月2日にキュロ(Curro)らに発行された米国特許第4,609,518号および1986年12月16日にキュロらに発行された米国特許第4,629,643号において開示され、それらは参照により組み込まれる。女性用衛生製品における使用にとって好ましいトップシートは、上記特許の1以上において記載された形成されたフィルムであり、「DRI−WEAVE(登録商標)」としてオハイオ州シンシナチのザ・プロクター&ギャンブルCo.により生理用ナプキン上で販売されている。
【0034】
形成されたフィルムトップシートの身体に面する表面は、液体が吸収構造の流れ込み、それにより吸収されるよりもむしろトップシートからあふれ出るようなことをなくすように身体表面が親水性でない場合よりも速く体液がトップシートを移行し通過することを助けるように親水性になり得る。好ましい態様において、界面活性剤は、参照により組み込まれるアジズらの名義で1997年7月1日に発行された米国法定発明登録H1670において記載されているような形成されたフィルムトップシートのポリマー性材料に組み込まれる。代わりに、トップシートの身体に面する表面は、参照により本明細書に組み込まれる上記参照された米国特許第4,950,264号において記載されるような界面活性剤で処理することにより親水性とされ得る。
【0035】
本明細書で記載されるおむつの好ましい態様において、バックシート530は、おむつの周囲全体のまわりに約1.3cmから約6.4cm(約0.5から約2.5インチ)の最小距離で吸収性コアを超えて伸びる変形された砂時計形を有する。
【0036】
吸収性コア540は、おむつ50に受け入れられるいずれの大きさまたは形態も取り得る。おむつ50の1つの好ましい態様は、第1の腰部領域においては耳を有するが、しかし、第2の腰部領域においては一般的に長方形形態の非対称変形T字形吸収性コア540を有する。本発明の方法において有用な製品の吸収性コアとしての使用にとって典型的な吸収性材料は、例えば、1986年9月9日にワイズマン(Weisman)らに発行された米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にワイズマンらに発行された米国特許第4,673,402号、1989年12月19日にアングスタッド(Angstadt)に発行された米国特許第4,888,231号、および1989年5月30日にアレマニー(Alemany)らに発行された米国特許第4,834,735号において記載されている。吸収性コアは更に、1993年8月10日にアレマニーらに発行された米国特許第5,234,423号、1992年9月15日にヤング、ラボン(LaVon)およびテイラーに発行された米国特許第5,147,345号において詳細に記載されているように吸収性貯蔵コア上に位置する化学的に硬化された繊維の獲得/分配コアを含む二重コアシステムを含み得る。それらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
好ましい態様において、おむつ50は更に、液体および他の身体滲出物のより優れた封入を提供するための弾性脚部カフス550、より優れた適合性および封入を提供する弾性腰部要素560、および横張力が着用者に対しておむつを維持するためにおむつの周囲に維持されるように重なる形状で第1の腰部領域56および第2の腰部領域58を維持する側面閉鎖を形成するファスナーシステム570を具備する。おむつ50はまた、おむつ50のより快適で輪郭に合う適合およびより有効な適用を提供する弾性的に伸長性の特徴を提供するために腰部領域56および58の中に弾性ウエストバンド(図示せず)および/または弾性サイドパネル(これもまた図示せず)を具備し得る。
【0038】
弾性脚部カフス550は、上記米国特許第3,860,003号、1990年5月20日にアジズ(Aziz)らに発行された米国特許第4,909,803号、1987年9月22日にローソン(Lawson)に発行された米国特許第4,695,278号および1989年1月3日にドラグー(Dragoo)に発行された米国特許第4,795,454号において記載されるものを含む多数の異なる形状で構築され得るものであり、それぞれは参照により本明細書に組み込まれる。ここで有用であり得る組成物で処理されている弾性カフスを有する吸収製品は、それぞれ1996年12月3日および1997年4月24日に出願されたともに係属する米国特許出願シリアル番号第08/766,386号および第08/840,039号において開示されており、それらの両方は参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
弾性腰部要素は、好ましくは、1985年5月7日にキエビット(Kievit)らに発行された米国特許第4,515,595号、1991年1月25日にロバートソン(Robertson)に発行された米国特許第5,026,364号、および上記参照された1992年9月29日にビュエルらに発行された米国特許第5,151,092号において記載されているものを含む多数の異なる形状で構築され得る弾性ウエストバンド(図示せず)を含み、それらの参照文献のそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
弾性サイドパネルは多数の形状で構築され得る。おむつの耳(イヤーフラップ)において位置する弾性サイドパネルを有するおむつの例は、1989年8月15日にウッドらに発行された米国特許第4,857,067号、1983年5月3日にサイアラファ(Sciaraffa)らに発行された米国特許第4,381,781号、1990年7月3日にバン・ゴンペル(Van Gompel)に発行された米国特許第4,938,753号および1992年9月29日にビュエルらに発行された米国特許第5,151,092号において開示され、それらのそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
典型的なファスナーシステム570は、1989年7月11日にスクリップス(Scripps)に発行された米国特許第4,846,815号、1990年1月16日にネステガード(Nestegard)に発行された米国特許第4,894,060号、1990年8月7日にバットレル(Battrell)に発行された米国特許第4,946,527号、1974年11月19日にビュエルに発行された米国特許第3,848,594号、1987年5月5日にヒロツらに発行された米国特許第B1 4,662,875号、および1992年9月29日にビュエルらに発行された米国特許第5,151,092号において開示され、それらのそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
おむつ50は好ましくは、おむつの腰部領域の1つ、好ましくは第2の腰部領域58を着用者の背中の下に配置し、他の腰部領域、好ましくは第1の腰部領域56が着用者の前方にわたって配置されるように着用者の脚部の間におむつの残りを引くことにより着用者に適用される。ファスナーシステム570は次いで、側面の閉鎖をもたらすために適用される。
【0043】
本発明の別態様(図示せず)において、吸収製品は、トップシートと着用者の皮膚とのあいだのより優れた接触のための手段を備え得る。1つの態様において、吸収製品は、1990年1月9日にデズマレーズ(DesMarais)らの名義で発行された米国特許第4,892,536号、1991年2月5日にフリーランド(Freeland)の名義で発行された米国特許第4,990,147号、および肛門周辺領域との接触を改善するためにトップシートを持ち上げる1992年12月18日にフリーランドらの名義で出願された米国特許出願シリアル番号第07.993,198号において記載される弾性手段を備え得る。もう1つの態様において、1992年12月15日にドライヤー(Dreier)らの名義で発行された米国特許第5,171,236号において記載されるおむつは、トップシートを持ち上げるための離間手段を備える。さらにもう1つの態様において、1997年10月7日にロー(Roe)らの名義で発行される米国法定発明登録H1687において記載される吸収製品は、着用者の臀部の溝にトップシートを持ち上げる臀部遮蔽デバイスを備える。それらの参照文献のそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
もちろん、下記のようにプロトン供与性活性成分を投与系に組み込むことが可能であるいずれの吸収製品の設計も本発明において利用され得ることが認識されるであろう。上記開示は単に例示目的のためである。
【0045】
本発明はまた、トレーニングパンツもまたプロトン供与性活性成分を含む組成物を備える吸収製品としてのトレーニングパンツも採用し得る。本明細書で用いられるものとして、「トレーニングパンツ」と言う術語は、小児または成人着用者のために設計された固定された側面と脚部の開口を有する使い捨て着衣を称する。(当該技術において「プルオン」製品ともまた称される)トレーニングパンツは、着用者の脚を脚部開口に挿入し、トレーニングパンツを着用者の下部胴体のまわりの位置にスライドさせることにより着用者に適所に配置される。適切なトレーニングパンツは、1993年9月21日にハッセ(Hasse)らに発行された米国特許第5,246,433号、1996年19月29日にビュエルらに発行された米国特許第5,569,234号、1990年7月10日にバン・ゴンペルらに発行された米国特許第4,940,464号および1992年3月3日にノムラらに発行された米国特許第5,092,861号において開示され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
本発明における使用のためのもう1つの使い捨て吸収製品は失禁製品である。「失禁製品」と言う術語は、それが成人または他の失禁者により着用されるかどうかに関係なく、パッド、下着(ベルトなどのようなある種のタイプの懸垂系により適所に保持されるパッド)、吸収製品のための挿入物、吸収製品のための容量ブースター、ブリーフ、ベッドパッドなどを称する。適切な失禁製品は、1981年3月3日にストリックランド(Strickland)らに発行された米国特許第4,253,461号、1986年7月1日にビュエルに発行された米国特許第4,597,760号および第4,597,761号、上記米国特許第4,704,115号、1987年4月16日にアー(Ahr)らに発行された米国特許第4,909,802号、1990年10月23日にジプソン(Gipson)らに発行された米国特許第4,964,860号、および1994年4月19日にノエル(Noel)の名義で発行された米国特許第5,304,161号において開示される。それらの参照文献のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
本発明における使用のためのもう1つの使い捨て吸収製品は生理用ナプキンのような女性用衛生製品である。適切な女性用衛生製品は、1985年12月3日にスワンソン(Swanson)らに発行された米国特許第4,556,146号、1993年4月27日にバン・ティルバーグ(Van Tilberg)に発行された米国特許第B14,589,876号、1997年8月18日にバン・ティルバーグに発行された米国特許第4,687,478号、1990年8月21日にオズボーン(Osborn),IIIに発行された米国特許第4,950,264号、1991年4月23日にオズボーン,IIIに発行された米国特許第5,009,653号、1993年12月7日にバン・ティルバーグに発行された米国特許第5,267,992号、1995年2月14日にラバシュ(Lavash)らに発行された米国特許第5,389,094号、1995年5月9日にローチ(Roach)らに発行された米国特許第5,413,568号、1995年10月24日にエメネーカー(Emenaker)らに発行された米国特許第5,460,623号、1996年2月6日にバン・ティルバーグに発行された米国特許第5,489,283号、1996年10月29日にエメネーカーらに発行された米国特許第5,569,231号、および1997年4月15日にバンバー(Bamber)に発行された米国特許第5,620,430号において開示され、それらのそれぞれの開示は本明細書で参照により組み込まれる。
【0048】
III.プロトン供与性活性成分
上記の様に、プロトン供与性活性成分は、その自然な酸性pHに着用者の皮膚を維持することを補助し得る。例えば、そのようなプロトン供与性活性成分は、身体滲出物のいずれの高いpH(すなわち、>7)成分を中和することについて有効であり得る。化学的に適切なプロトン供与性活性成分は、少なくとも僅かに酸性の条件で皮膚のpHを維持することを補助する上で有効である。本明細書で用いられることとして、以下の試験方法の項目で記載される皮膚のpHの減少試験により試験されるとき被験者の皮膚を酸性pHに維持する時間を延ばすことにおいて有効であるならば、材料は、「酸性の皮膚のpHを維持することを助ける上で有効」である。さらに、そのような材料は、製薬学的に許容可能であることが必要である。ここで用いられるものとして、もし材料が毒性、刺激、またはアレルギー反応のような過度の不利な副作用なしに、合理的な利益/危険比に相応して本発明の様式で用いられ得るならば、材料は、「製薬学的に許容可能」である。
【0049】
化学的に適切なプロトン供与性活性成分は、以下の試験方法の項目において記載される皮膚のpHの減少試験の使用を通して確認され得る。本発明により用いられ得るプロトン供与性活性成分の発明を限定しないが典型的な列挙には、モノマー有機酸、有機または無機酸の酸塩、およびポリマー有機酸およびその塩が含まれる。緩衝剤として一般的に知られる酸およびその塩のある種の組み合わせもまた、酸/塩コンビネーションの水溶液が7未満のpHを有する限り本発明の目的のために適切である。適切な酸または酸塩は、約2.0ないし約6.5のすくなくとも1つのpKaを有するべきである。適切なプロトン供与性活性成分についてのpKa値の好ましい範囲は、約2.5ないし約5.0である。好ましいプロトン供与性活性成分には製薬学的に許容可能なモノマーおよびポリマー有機酸が含まれる。
【0050】
本発明における使用にとって適切な典型的なモノマー有機酸には、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタール酸、乳酸、ソルビン酸、サリチル酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、グリコール酸およびコハク酸が含まれる。
【0051】
典型的な有機ポリマー酸には、例えば、アクリル酸それ自体、メタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリロキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、および無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸および無水物モノマーのホモポリマー、不飽和モノマー酸と適切なコモノマーのコポリマー、そのようなポリマーの部分的に中和された塩、のような酸性ビニルポリマー、セルロース誘導体が少なくとも部分的にプロトン付加されたカルボキシメチルセルロース、リン酸セルロース、および酸化されたセルロースのような酸性セルロース誘導体、およびカチオン交換樹脂が少なくとも部分的にプロトン付加されているカチオン交換樹脂が含まれる。
【0052】
典型的な無機酸塩には、リン酸一水素アルカリ金属塩、リン酸一水素および二水素アルカリ金属塩の混合物、ピロリン酸一水素アルカリ金属塩およびピロリン酸一水素および二水素アルカリ金属塩の混合物が含まれる。
【0053】
別態様において、着用者の皮膚に近接する環境においてプロトン供与性活性成分に分解し得る材料もまた本発明の目的にとって適切である。例えば、大便中のエステラーゼ酵素(例えば、大便リパーゼ)は、プロトン供与性活性成分を与えるためにある種のエステルを加水分解し得る。このタイプの適切なプロトン供与性活性成分は式、
【化1】
Figure 0004439728
【0054】
(式中、R1 、R2 およびR3 は、独立に、水素、1から4炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基である)を有する。このタイプの典型的なエステルはトリアセチンである。例6において見られ得る様に、身体滲出物の存在下でそのような材料は、pH減少を提供する上で有効である。
【0055】
プロトン供与性活性成分が酸性pHに皮膚を維持することを助ける上で有効であるために、プロトン供与性活性成分は、スキンケア組成物のすくなくとも0.01%、典型的にはすくなくとも約0.5%、好ましくは少なくとも約3%のレベルで与えられるべきである。そのような適切なプロトン供与性活性成分は、選ばれる具体的なプロトン供与性活性成分に応じて、約0.01%ないし約40%のレベルで本発明のスキンケア組成物の成分として用いられ得る。好ましくは、プロトン供与性活性成分は、本発明のスキンケア組成物の約0.5%ないし約20%のレベルで用いられる。本発明の特に好ましい態様において、プロトン供与性活性成分は、約3%ないし約7%のレベルで提供される。
【0056】
IV.投与系
吸収製品の中のプロトン供与性活性成分投与系は好ましくは、最小有効濃度のプロトン供与性活性成分を含み、それ自体は、製品のさまざまの構造の通常の機能(例えば、コアの吸収性、トップシートの液体透過性など)を妨げない。以下でより詳細に記載される好ましい態様において、プロトン供与性活性成分は、プロトン供与性活性成分のすくなくとも一部が好ましくは排便が起こる前に、排便後に皮膚/大便界面で作用する有用性のために、製品の通常の使用のあいだに着用者の皮膚に与えられ得る身体接触表面上または近くのような清浄な乾燥製品内で着用者の皮膚に近接して位置する。より好ましい態様において、プロトン供与性活性成分は、以下で更に記載されるさまざまのエモリエント剤および固定剤を含むスキンケア組成物の成分であり、それは、高いpH滲出物に対してバリア機能をし、ならびに酸性pHに着用者の皮膚を維持することを助けて、着用者に接触する表面から着用者の皮膚に直接与えられる。最も好ましくは、直接皮膚にプロトン供与性活性成分を与える投与系を有する製品の反復される通常の使用は、尿および大便との接触による皮膚の炎症のより有効な予防のためのプロトン供与性活性成分の蓄積を提供する。
【0057】
従って、プロトン供与性活性成分またはそれを含む組成物は、そこでのpH増加を防ぐために着用者の皮膚とプロトン供与性活性成分の接触を促進する当業者にとって公知のいずれかの投与系において吸収製品に組み込まれ得る。投与系は、限定されないが、トップシート、吸収性コア、バックシート、付加的なシート、排便を包むための特殊化された構造(例えば、排便「ポケット」)等のような他の2次構造、および製品の部分が着用者に接触する表面であるかないかに関らず、製品の部材でもまたあり得る何れかのカフス、サイドパネル、ファスナーなどを含む吸収製品のいずれかの部分の成分であり得る。そのような投与系は、別の組成物の成分として分散された形態において、実質的に無水の組成物の溶液において、および実質的に油性の組成物の一部として(例えば、油中水型エマルジョンとして)水性担体において、プロトン供与性活性成分を与えるものを含む。典型的な投与系には、限定されないが、以下に記載されているものが含まれる。
【0058】
投与系は、粉末、フレークまたは微粒子形態でプロトン供与性活性成分を提供し得る。投与系は、プロトン供与性活性成分またはプロトン供与性活性成分含有組成物を含む圧力破裂性または溶解性マイクロカプセルまたは「バブル」を含み得る。さらに、投与系は、身体滲出物の存在下で活性化される(例えば、前駆物質の加水分解による)いずれか他の形態で成分または成分含有組成物を含み得る。本発明のプロトン供与性活性成分についての使用のための特に適切な投与系は、実質的に油性の物体を含む連続相を有するものである。ここで用いられるものとして、投与系は、もしその連続相の少なくとも約50パーセントが以下に個別に検討される油性エモリエント剤、固定化剤等を含むならば、投与系は「実質的に油性の材料」を含む。プロトン供与性活性成分がその分散水相の成分である実質的に無水の組成物および油中水型エマルジョンの固体のプロトン供与性活性成分の分散液または溶液は、実質的に油性の材料を含む連続相を有するものとして具体的には考えられる。本明細書で用いられるものとして、もしそれが約10%未満の水を含むならば、組成物は「実質的に無水」である。そのような特に好ましい投与系は、吸収製品の技術の当業者にとって公知である。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる1997年7月1日にロー(Roe)らに発行された米国特許第5,643,588号は、着用者の皮膚への大便の付着を減少させるローション組成物でコートされた液体透過性トップシートを含むおむつを記載する。
【0059】
投与系は、吸収製品において含まれる構造のいずれかの構造的コンポーネントとしてプロトン供与性活性成分を提供し得る。すなわち、そのような活性成分は、製造または組み立てのあいだに、トップシート、バックシートまたは吸収性コア材料の1つの構造の中に公知の方法により直接組み込まれ得る。例えば、そのような活性成分は、トップシートまたはコアを形成するために用いられるであろう繊維のようなポリマー性構造に、またはコンパウンド化もしくは押し出しの間の混合のような手段によりバックシートを形成するために用いられるであろうフィルムに組み込まれ得る。そのとき、そのような材料は、着用者の皮膚への移行のために有用であろう構造の表面に「ブルーム」し得るであろう。
【0060】
本発明の特に好ましい態様において、プロトン供与性活性成分は微粒子形態で存在し、使い捨て吸収製品のトップシート、サイドパネル、腰部領域、脚部カフス、ファスナータブなどのような着用者に接触する表面のすくなくとも一部から着用者の皮膚に投与可能な疎水性スキンケア組成物を通して分散される。適切なスキンケア組成物は以下で検討される。別態様において、プロトン供与性活性成分は、着用者に接触する表面のすくなくとも一部から着用者の皮膚に移行可能な実質的に油性のスキンケア組成物(例えば、油中水型エマルジョン)に水溶液として組み込まれる。プロトン供与性活性成分を投与するために適切なスキンケア組成物は以下に更に記載される。それらの好ましい態様において、スキンケア組成物は、約0.01重量%ないし約40重量%、好ましくは約0.5重量%ないし20重量%、およびより好ましくは約3重量%ないし約7重量%のプロトン供与性活性成分を含み得る。それらの態様において、スキンケア組成物のすくなくとも一部は、製品の通常の使用のあいだに製品から着用者の皮膚に移行する。着用者の皮膚へのそのような処理された製品の反復適用は、プロトン供与性活性成分が長時間連続的に皮膚上に移行し、酸性pHに着用者の皮膚を維持することを助けるように蓄積する有用な源を提供する。好ましくは、プロトン供与性活性成分の最小有効濃度が単一の吸収製品の着用の際に皮膚に投与される。
【0061】
更に、多くの場合において、着用者の皮膚に移行しないプロトン供与性活性成分を含む好ましいスキンケア組成物の部分も更に、酸性pHに着用者の皮膚に隣接する環境のpHを維持することを補助する上で有効であろう。例えば、そのような残留スキンケア組成物は、吸収製品の着用者に接触する表面と接触するに至る尿において存在するアンモニアによるpH増加に対抗する上で有効であろう。
【0062】
V.スキンケア組成物
本発明の好ましい態様における使用のために適切なスキンケア組成物は、1997年9月10日にそれぞれ出願された、米国特許出願シリアル番号第08/926,532号および第08/926,533号、1997年3月4日に発行された米国特許第5,607,760号、1997年3月11日に発行された米国特許第5,609,587号、1997年6月3日に発行された米国特許第5,635,191号、および1997年7月1日に発行された米国特許第5,643,588号において記載されており、それらのそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
着用者の皮膚への有効濃度のプロトン供与性活性成分を投与するための担体としてのその機能に加えて、プロトン供与性活性成分を含むスキンケア組成物は、例えば、皮膚への大便の付着を減少させ(例えば、排便の清浄化の容易さを向上させる)、皮膚/大便バリア機能を提供し(例えば、比較的液体不透過性であるが蒸気透過性でありながら大便の付着を防止するために皮膚をコートする)、または皮膚に他の治療的利益を提供などする(例えば、皮膚の柔軟性を向上させ、皮膚の健康を維持または向上させる)成分をもまた含み得る。スキンケア組成物は、限定されないが、エマルジョン、ローション、クリーム、軟膏、膏薬、懸濁液、カプセル製剤、ゲルなどを含むさまざまの形態で存在し得る。
【0064】
長時間吸収製品により皮膚に有効濃度のプロトン供与性活性成分を投与するために、製品の着用者に接触する表面の1以上に適用されるかまたは移行する有効量のスキンケア組成物は、かなりの程度まで、用いられる特定の組成物に依存する。吸収製品の着用者に接触する表面のすくなくとも一部上の組成物の量は、好ましくは、約0.05mg/in2 (0.0078mg/cm2 )から約230mg/in2 (36mg/cm2 )、より好ましくは、約1mg/in2 (0.16mg/cm2 )から約80mg/in2 (12mg/cm2 )、さらにより好ましくは、約4mg/in2 (0.6mg/cm2 )から約52mg/in2 (8mg/cm2 )の範囲を取る。しかしながら、それらの範囲は単に例示としてであり、当業者は、組成物の性質は有効濃度のプロトン供与性活性成分を与えるために適用されねばならないレベルを規定し、望ましいレベルが本明細書の開示にかんがみて日常の実験により確認し得ることを認識するであろう。
【0065】
吸収製品に付与されるスキンケア組成物の量は本発明の重要な側面であるけれども、より重要なことは、1以上の処理された製品の使用のあいだに着用者の皮膚に移行する組成物の量である。皮膚に投与されるプロトン供与性活性成分含有組成物の量はある程度用いられる組成物の性質に依存するけれども、さらに皮膚に最小有効濃度のプロトン供与性活性成分を提供しながら比較的少ない量が投与され得る。このことは例1において記載されているものの様な好ましい組成物について特に当てはまる。
【0066】
1以上の処理された製品を着用した後に着用者の皮膚に移行するプロトン供与性活性成分の量を定量するために、皮膚に移行するスキンケア組成物の量を定量するための方法が以下の試験方法の項目において与えられる。スキンケア組成物中のプロトン供与性活性成分の濃度は知られているので(約0.01重量%ないし約10重量%の選択された量)、皮膚に投与されるプロトン供与性活性成分の量は推定され得る。約3時間の時間(典型的な昼間の着用時間)着用される1つの処理された吸収製品の使用のあいだに着用者に移行するスキンケア組成物のレベルについては、特に、例2において記載されるもののような好ましいスキンケア組成物については、少なくとも約0.01mg/in2 (0.0016mg/cm2 )、より好ましくは少なくとも約0.05mg/in2 (0.0078mg/cm2 )、さらにより好ましくは少なくとも約0.1mg/in2 (0.016mg/cm2 )の組成物が3時間の着用時間の間に皮膚に移行することが好ましい。典型的には、1つの処理された製品により投与される組成物の量は、3時間の着用時間のあいだに、約0.01mg/in2 (0.0016mg/cm2 )から約5mg/in2 (0.78mg/cm2 )、より好ましくは約0.05mg/in2 (0.0078mg/cm2 )から約3mg/in2 (0.47mg/cm2 )、さらにより好ましくは約0.1mg/in2 (0.016mg/cm2 )から約2mg/in2 (0.31mg/cm2 )である。
【0067】
24時間のような処理された製品の連続使用については(言葉を変えれば、交換は、昼間の3から4時間ごとの交換および夜間の睡眠の前の新しい製品を典型的に含む通常の使用パターンにより起こる)、少なくとも約0.03mg/in2 (0.0047mg/cm2 )、より好ましくは少なくとも約0.1mg/in2 (0.016mg/cm2 )、さらにより好ましくは少なくとも約0.3mg/in2 (0.047mg/cm2 )の組成物が24時間のあいだに着用者の皮膚に移行することが好ましい。典型的には、処理された製品がそれぞれの交換の際に適用される24時間後に投与される組成物の量は、0.03mg/in2 (0.0047mg/cm2 )から約18mg/in2 (2.79mg/cm2 )、より典型的には、約0.1mg/in2 (0.016mg/cm2 )から約10mg/in2 (1.55mg/cm2 )、さらにより典型的には、約0.3mg/in2 (0.047mg/cm2 )から約6mg/in2 (0.93mg/cm2 )である。
【0068】
本発明により皮膚に投与されるプロトン供与性活性成分含有スキンケア組成物において有用な多数の材料の中で、安全で有効なスキンケア剤とみなされるものがここでの使用にとって合理的な材料であると認識される。そのような材料には、米国食品薬品局(FDA)の一般市販の人への使用のための皮膚の保護薬剤製品についての仮の最終モノグラフ(21 C.F.R.§347)により定義されるカテゴリーI活性成分が含まれ、それは現在、アラントイン、水酸化アルミニウムゲル、カラマイン、ココアバター、ジメチコン、(組み合わせで)タラ肝油、グリセリン、カオリン、ペトロラタム、ラノリン、鉱油、サメ肝油、白色ペトロラタム、タルク、トピカルスターチ、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛などを含む。他の潜在的に有用な材料は、米国食品薬品局の一般市販のヒトへの使用のための皮膚の保護薬剤製品についての仮の最終モノグラフ(21 C.F.R.§347)により定義されるカテゴリーIII活性成分であり、それは現在、生酵母細胞誘導体、アルディオキサ、酢酸アルミニウム、微小多孔性セルロース、コレカルシフェロール、コロイダルオートミール、塩酸システイン、デクスパンテノール、ペルー産バルサムオイル、タンパク質加水分解物、ラセミ体のメチオニン、重炭酸ナトリウム、ビタミンAなどを含む。
【0069】
FDAのモノグラフに載っているスキンケア成分の多くは、AアンドD(登録商標)軟膏、バセリン(登録商標)石油ゼリー、デシチン(登録商標)おむつかぶれ軟膏およびデイリー・ケア(登録商標)軟膏、ゴールド・ボンド(登録商標)メディケーテッド・ベビー・パウダー、アクアファー(登録商標)ヒーリング軟膏、ベビー・マジック(登録商標)ベビーローション、およびジョンソンズ・ウルトラセンシティブ(登録商標)ベビークリームのような商業的に入手可能なスキンケア製品において現在利用されている。有効濃度のプロトン供与性活性成分は、それらの商業製品のいずれにも組み込まれ得るものであり、本発明における使用のための処理された製品を作るために吸収製品に適用され得る。
【0070】
本明細書で以後更に検討される様に、着用者の皮膚にプロトン供与性活性成分を移行させるのに有用なスキンケア組成物は、好ましくは、必要ではないが、相対的に不動であり、室温で製品の着用者に接触する表面上に局在し、体温で着用者に容易に移行可能であり、しかし極端な貯蔵条件の下で完全には液体ではないような溶融プロフィールを有する。好ましくは、組成物は、通常の接触、着用者の動き、および/または体温により皮膚に容易に移行可能である。組成物は好ましくは、製品の着用者に接触する表面上に実質的に固定されるので、所望のスキンケアの利益を与えるためには比較的低いレベルの組成物が必要とされる。加えて、離間バリアまたはラップ材料は、本発明の方法において有用な処理された製品を包装する上で不要であり得る。
【0071】
別態様において、ここで有用なスキンケア組成物は、プロトン供与性活性成分が水相中に存在する油中水型エマルジョンである。しかしながら、スキンケア組成物それ自体は20℃で、すなわち周囲温度で、固形(すなわち、水相は固形油性相の中にトラップされている)またはよりしばしば半固形であり得る。「半固形」により、組成物は偽可塑性または可塑性液体に典型的なレオロジーを有することが意味される。剪断力が与えられないとき、組成物は半固形の外観を有し得るが、しかし、剪断速度が増加するとき流動させられ得る。このことは、組成物は主に固体成分を含むけれども、それはまた液体成分も含むと言う事実による。好ましくは、本発明のプロトン供与性活性成分含有組成物は、約1.0×106 センチポイズないし1.0×108 のゼロ剪断粘度を有する。より好ましくは、ゼロ剪断粘度は、約5.0×106 センチポイズないし約5.0×107 センチポイズである。ここで用いられるものとして、「ゼロ剪断粘度」と言う術語は、プレート・アンド・コーン粘度計(適切な装置は、モデル番号CSL100としてデラウエア州ニュー・カッスルのTAインストルメンツから入手可能である)を用いて極めて小さい剪断速度(例えば、1.0sec-1)で測定された粘度を称する。当業者は、(以下で検討される)高融点成分以外の手段もゼロ剪断粘度を提供するために用いられ得ることを認識するであろう。典型的な手段には、当該技術において公知であるクレーまたは煙霧化(fumed)シリカのような成分を用いて産出値を有する構造を確立することが含まれる。ゼロ剪断粘度は、約20℃の温度で粘度対剪断速度のプロットをゼロの剪断速度に外挿することによりそのような別手段を含むそのような組成物についてもまた測定され得る。
【0072】
好ましいスキンケア組成物は、組成物のマイグレーションを最小化するために室温で少なくとも半固形である。加えて、組成物は好ましくは、45℃より高くなり得る潜在的に「ストレスの多い」貯蔵条件(例えば、アリゾナの倉庫、フロリダでの自動車のトランクなど)を超える最終融点(100%液体)を有する。それらの溶融特性を有する代表的な組成物は、米国特許第5,643,588号、米国特許第5,607,760号、米国特許第5,609,587号および米国特許第5,635,191号において詳細に記載されており、それらのそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
具体的には、好ましい組成物は以下の溶融プロフィールを有する。
【0074】
Figure 0004439728
周囲温度で固形または半固形であることにより、プロトン供与性活性成分を含む好ましい組成物は、それが適用される製品の所望でない位置に顕著な程度に流動および移動する傾向を有さない。このことは、所望の治療的、保護的および/または状態調製の利益を与えるためにより少ないスキンケア組成物が必要とされることを意味する。
【0075】
好ましい組成物の不動性を高めるために、製剤化された組成物の粘度は、所望でない位置への製品の中での流動を防止するために可能な限り大きくあるべきである。不運にも、いくつかの事例においては、より高い粘度は着用者の皮膚への組成物の移行を阻害し得る。それゆえ、粘度は、組成物が製品の表面上に局在することを維持するのに十分に高いがしかし、着用者の皮膚への移行を妨げるほど高くないように均衡が達成されるべきである。組成物にとって適切な粘度は、回転粘度計を用いて(適切な粘度計は、モデル4537としてイリノイ州メルローズパーク(Melrose Park)のラブ・ライン(Lab Line)インストルメンツ,Inc.から入手可能である)60℃で測定して、典型的には、約5から約500センチポイズ、好ましくは、約5から約300センチポイズ、より好ましくは、約5から約100センチポイズの範囲であろう。粘度計は、ナンバー2スピンドルを用いて60rpmで操作された。
【0076】
プロトン供与性活性成分に由来する利益に加えて治療的および/または皮膚の保護的利益を提供するために設計されるスキンケア組成物については、それらの組成物中の有用な活性成分は1以上の皮膚保護剤またはエモリエント剤である。ここで用いられるものとして、「エモリエント剤」と言う術語は、濡れまたは刺激に対して保護し、皮膚を柔軟化し、鎮静化し、しなやかにし、コートし、潤滑化し、湿潤化し、保護し、および/または清浄化する材料である。(上記のモノグラフに載っている活性成分の幾つかは、その術語がここで用いられるものとして「エモリエント剤」であることが認識されるであろう。)好ましい態様において、そのようなエモリエント剤は、周囲温度、すなわち約20〜25℃で可塑性または液体コンシステンシーを有するであろう。
【0077】
本発明において有用な代表的なエモリエント剤には、限定はされないが、石油系、脂肪酸のしょ糖エステル、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、保湿剤、脂肪酸エステルタイプ、アルキルエトキシレートタイプ、脂肪酸エステルエトキシレート、脂肪アルコールタイプ、ポリシロキサンタイプ、プロピレングリコールおよびその誘導体、グリセリンおよびグリセリド、アセトグリセリド、およびC12〜C28脂肪酸のエトキシル化グリセリドを含むその誘導体、トリエチレングリコールおよびその誘導体、鯨蝋または他のワックス、脂肪酸または脂肪アルコールエーテル、特に、ステアリン酸およびメチルステアリルエーテルのようなその脂肪鎖に12から28炭素原子を有するもの、プロポキシル化脂肪アルコール、ポリヒドロキシ(多価)アルコールの他の脂肪エステル、ラノリンおよびその誘導体、カオリンおよびその誘導体、上記モノグラフに載っているスキンケア剤のいずれか、またはそれらのエモリエント剤の混合物であるエモリエント剤が含まれる。適切な石油系エモリエント剤には、16から32炭素原子の鎖長を有する炭化水素または炭化水素の混合物が含まれる。それらの鎖長を有する石油系炭化水素には、鉱油(「液体ペトロラタム」としてもまた知られる)およびペトロラタム(「ミネラルワックス」、「石油ゼリー」および「ミネラルゼリー」としてもまた知られる)が含まれる。鉱油は通常、より粘度の低い混合物を称する。ペトロラタムは通常炭化水素のより粘性の高い混合物を称する。ペトロラタムおよび鉱油は本発明の組成物のための特に好ましいエモリエント剤である。
【0078】
適切な脂肪酸エステルタイプのエモリエント剤には、C12〜C28脂肪酸、好ましくはC16〜C22飽和脂肪酸と短鎖(C1 〜C8 、好ましくはC1 〜C3 )1価アルコールに由来するものが含まれる。そのようなエステルの代表例には、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、およびそれらの混合物が含まれる。適切な脂肪酸エステルエモリエント剤もまた、乳酸ラウリルおよび乳酸セチルのような、長鎖脂肪アルコール(C12〜C28、好ましくはC12〜C16)と例えば乳酸のような短鎖脂肪酸のエステルに由来し得る。
【0079】
適切な脂肪エステルタイプエモリエント剤にはまた、1997年3月11日にロー(Roe)に発行された米国特許第5,609,587号において記載されるポリオールポリエステルも含まれ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。典型的なポリオールには、限定されないが、ペンタエリスリトールのような多価水酸基(polyhydric)化合物、ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、シュークロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マンノースおよびエリスロースのような糖、およびエリスリトール、キシリトール、マリトール、マンニトール、およびソルビトールのような糖アルコールが含まれる。そのようなポリオールは、脂肪酸および/または少なくとも2つの炭素原子および30までの炭素原子を有する他の有機ラジカルでエステル化される。ポリオールのすべての水酸基がエステル化される必要はないけれども、本発明の好ましいポリオールポリエステルエモリエント剤は実質的にすべての(例えば、少なくとも約85%の)水酸基がエステル化される。特に好ましいものは、シュークロースポリコットネート、シュークロースポリソイエート、およびシュークロースポリベヘネートのようなシュークロースポリオールポリエステルである。そのようなポリオールポリエステルの混合物もまた本発明にとって適切なエモリエント剤である。
【0080】
適切なアルキルエトキシレートタイプのエモリエント剤には、約2から約30の平均エトキシル化度を有するC12〜C22脂肪アルコールエトキシレートが含まれる。好ましくは、脂肪アルコールエトキシレートエモリエント剤は、約2から約23の範囲の平均エトキシル化度を有するラウリル、セチル、およびステアリルエトキシレートおよびそれらの混合物からなる群より選択される。そのようなアルキルエトキシレートの代表例には、ラウレス−3(3の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート)、ラウレス−23(23の平均エトキシル化度を有するラウリルエトキシレート)、セテス−10(10の平均エトキシル化度を有するセチルアルコールエトキシレート)およびステアレス−10(10の平均エトキシル化度を有するステアリルアルコールエトキシレート)が含まれる。用いられるとき、それらのアルキルエトキシレートエモリエント剤は、典型的には、ペトロラタムのような石油系エモリエント剤と組み合わせで、約1:1から1:5、好ましくは約1:2から約1:4のアルキルエトキシレートエモリエント剤対石油系エモリエント剤の重量比で用いられる。
【0081】
適切な脂肪アルコールタイプのエモリエント剤には、C12〜C22脂肪アルコール、好ましくはC16〜C18脂肪アルコールが含まれる。代表例には、セチルアルコールおよびステアリルアルコールおよび(TA1618としてオハイオ州シンシナチのプロクター&ギャンブル・カンパニーから入手可能な)セテアリルアルコールのようなそれらの混合物が含まれる。用いられるとき、それらの脂肪アルコールエモリエント剤は、典型的には、ペトロラタムのような石油系エモリエント剤と組み合わせで、約1:1から約1:5、好ましくは約1:1から約1:2の脂肪アルコールエモリエント剤対石油系エモリエント剤の重量比で用いられる。
【0082】
ここでの使用のための他の適切なタイプのエモリエント剤にはポリシロキサン化合物が含まれる。一般的に、本発明における使用のために適切なポリシロキサン材料には、以下の構造、
【化2】
Figure 0004439728
【0083】
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立のシロキサンモノマーユニットについて、それぞれ独立に、水素または何れかのアルキル、アリール、アルケニル、アルカリール、アラキル、シクロアルキル、ハロゲン化された炭化水素または他のラジカルであり得る)のモノマーシロキサンユニットを有するものが含まれる。そのようなラジカルのいずれもが置換され得るか置換されていないものであり得る。いずれか特定のモノマーユニットのR1 およびR2 ラジカルは、次ぎに隣接するモノマーユニットの対応する官能基とは異なり得る。加えて、ポリシロキサンは、直鎖、分岐鎖、または環構造を有するかのいずれかであり得る。ラジカルR1 およびR2 は加えて独立に、限定されないが、シロキサン、ポリシロキサン、シラン、およびポリシランのような他のケイ素系官能基であり得る。ラジカルR1 およびR2 は、例えば、アルコール、カルボン酸、フェニル、およびアミン官能基を含むさまざまの有機官能基のいずれかを含み得る。
【0084】
典型的なアルキルラジカルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、オクタデシルなどである。典型的なアルケニルラジカルは、ビニル、アリルなどである。典型的なアリールラジカルは、フェニル、ジフェニル、ナフチルなどである。典型的なアルカリールラジカルは、トイル、キシリル、エチルフェニルなどである。典型的なアラルキルラジカルは、ベンジル、アルファ−フェニルエチル、ベータ−フェニルエチル、アルファ−フェニルブチルなどである。典型的なシクロアルキルラジカルは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、などである。典型的なハロゲン化炭化水素ラジカルは、クロロメチル、ブロモエチル、テトラフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロトロイル、ヘキサフルオロキシリルなどである。
【0085】
本発明において有用なポリシロキサンの粘度は、ポリシロキサンが流動性であるかまたは吸収製品への適用のために流動性にされ得る限り、ポリシロキサンの粘度が一般的に変化するだけ広く変化し得る。これは、限定されないが、(37℃でASTM標準方法D−445によりガラス毛管粘度計により測定して、)5センチストークスから約20,000,000センチストークスほどの低さの粘度を含む。好ましくは、ポリシロキサンは、37℃で、約5から約5,000センチストークス、より好ましくは約5から約2,000センチストークス、最も好ましくは、約100から約1000センチストークスの範囲の粘度を有する。それ自体流動に対して抵抗性である高粘度ポリシロキサンは、単に例示目的としてあげるが、例えば、ポリシロキサンを界面活性剤中に乳化するかまたは溶媒の補助により溶液としてポリシロキサンを提供するような方法により吸収製品上に有効に貯えられ得る。ポリシロキサンエモリエント剤を吸収製品に付与するための特定の方法は本明細書で以下より詳細に検討される。
【0086】
本発明における使用にとって好ましいポリシロキサン化合物は、1991年10月22日にアンプルスキ(Ampulski)らに発行された米国特許第5,059,282号において開示され、それは参照により本明細書に組み込まれる。本発明の組成物におけるエモリエント剤としての使用にとって特に好ましいポリシロキサン化合物には、フェニル官能基ポリメチルシロキサン化合物(例えば、ダウコーニング556コスメチックグレード流体、ポリフェニルメチルシロキサン)およびダウ2502およびダウ2503ポリシロキサン液体のそれぞれのようなセチルまたはステアリル官能基ジメチコンが含まれる。フェニル官能基またはアルキル基とのそのような置換に加えて、有効な置換が、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、アルデヒド、ケトン、アミド、エステル、およびチオール基となされ得る。それらの有効な置換基の中で、フェニル、アルキル、カルボキシル、アミノおよびヒドロキシル基を含む官能基のファミリーは他より好ましく、アミノおよびフェニル官能基は最も好ましい。
【0087】
適切な保湿剤には、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリヒドロキシステアリン等が含まれる。
【0088】
存在するとき、組成物中に含まれ得るエモリエント剤の量は、含まれる特定のエモリエント剤、所望される皮膚への利益、組成物中の他の成分などの要因を含むさまざまの要因に依存するであろう。組成物は典型的には、約10から約95%のエモリエント剤を含むであろう。好ましくは約20から約80%、より好ましくは約40から約75重量%のエモリエント剤である。
【0089】
本発明において有用なプロトン供与性活性成分含有皮膚組成物のもう1つの任意の好ましい成分は、処理された製品内または製品上の所望の位置に(プロトン供与性活性成分、好ましいエモリエント剤および/または他の皮膚の状態調整/保護剤を含む)組成物を固定することを可能とする薬剤である。組成物中のある種の好ましいエモリエント剤は20℃で可塑性または液体コンシステンシーを有するので、それは、穏やかな剪断に供されたときでさえ、流動し、または移動する傾向がある。特に溶融または融解状態で吸収製品の着用者に接触する表面または他の位置に付与されるとき、エモリエント剤は処理された領域内または領域上に主にとどまらないであろう。代わりに、エモリエント剤は、製品の所望でない領域に移動および流動する傾向があるであろう。
【0090】
具体的には、もしエモリエント剤が製品の内部に移動するならば、そのことは、本発明において有用な組成物において用いられるエモリエント剤の多くと他の皮膚の状態調整剤の疎水特性により製品のコアの吸収性に対して望ましからぬ影響を引き起こし得る。それはまた、はるかに多くのエモリエント剤が、所望の治療的および/または保護的な利益を得るために製品に付与されねばならないことをも意味する。エモリエント剤のレベルを増加させることは、コストを増加させるのみならず、製品のコアの吸収性に対する望ましからぬ影響および処理された製品の加工処理/変換のあいだの組成物の望ましからぬ移行も悪化させる。
【0091】
固定化剤は、エモリエント剤が、組成物が適用される製品の表面上または領域内に主に局在することを維持することによりエモリエント剤が移動または流動するこの傾向に対抗する。このことは、部分的には、固定化剤が融点および/またはエモリエント剤の粘度を超える組成物の粘度を上昇させると言う事実によると思われる。固定化剤は好ましくはエモリエント剤と混和性である(かまたは適切な乳化剤の補助によりエモリエント剤中に溶解される)ので、それは、製品の身体に接触する表面の表面上またはエモリエント剤が付与される領域内にエモリエント剤を捕捉する。
【0092】
また、身体接触表面上または付与される製品の領域上に固定化剤を「ロックする」ことも有益である。このことは、製品への付与の際に急速に発動する(set up)(すなわち、固形化する)固定化剤を用いることにより達成され得る。加えて、ブロワー、ファン、冷却ロールなどによる処理された製品の外側からの冷却は、固定化剤の固形化時間を短くし得る。
【0093】
エモリエント剤と混和性である(かまたはエモリエント剤中に溶解する)ことに加えて、固定化剤は、1つの好ましい態様において、周囲温度で固形または半固形である組成物を提供する溶融プロフィールを有する。この点において、好ましい固定化剤は少なくとも約35℃の融点を有する。固定化剤それ自体は移動または流動する傾向を有さない点でこのことはそのとおりである。好ましい固定化剤は少なくとも約40℃の融点を有する。典型的には、固定化剤は、約50℃から約150℃の範囲の融点を有する。
【0094】
利用されるとき、ここで有用な固定化剤は、スキンケア組成物の酸化特性が本明細書で記載される皮膚への利益を提供する限り多数の薬剤のいずれからも選択され得る。好ましい固定化剤は、C14〜C22脂肪アルコール、C12〜C22脂肪酸、2から約30の範囲の平均エトキシル化度を有するC12〜C22脂肪アルコールエトキシレートおよびそれらの混合物からなる群より選択される成員を含む。好ましい固定化剤には、C16〜C18脂肪アルコール、最も好ましくは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される結晶性高融点材料が含まれる。(それらの材料の直鎖構造は、処理された吸収製品上での固形化を加速し得る。)(TA1618としてオハイオ州シンシナチのプロクター&ギャンブル・カンパニーから入手可能な)セテアリルアルコールのようなセチルアルコールとステアリルアルコールの混合物もまた適切である。他の好ましい固定化剤には、C16〜C18脂肪酸、最も好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、およびその混合物からなる群より選択されるものが含まれる。パルミチン酸とステアリン酸の混合物は特に好ましい。さらに他の好ましい固定化剤には、約5から約20の範囲の平均エトキシル化度を有するC16〜C18脂肪アルコールエトキシレートが含まれる。好ましくは、脂肪アルコール、脂肪酸および脂肪アルコールは直鎖である。重要なことに、C16〜C18脂肪アルコールのようなそれらの好ましい固定化剤は、組成物が基材の表面上で結晶化することを引き起こして組成物の結晶化の速度を増加させる。
【0095】
ここで用いられ得る他のタイプの固定化剤には、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、およびそれらの混合物が含まれる。好ましいエステルおよびアミドは、ポリヒドロキシ部分について3以上の遊離ヒドロキシ基を有し、典型的には特性としてノニオン性である。組成物が適用される製品を用いる者の可能な皮膚の感受性のために、それらのエステルおよびアミドは皮膚に対して比較的穏やかで刺激のないものであるべきである。
【0096】
本発明における使用のための適切なポリヒドロキシ脂肪酸エステルは、式、
【化3】
Figure 0004439728
【0097】
(式中、Rは、C5 〜C31炭化水素基、好ましくは直鎖C7 〜C19アルキルまたはアルケニル、より好ましくは直鎖C9 〜C17アルキルまたはアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合物であり、Yは、鎖に直接結合する少なくとも2基の遊離ヒドロキシル基を有する炭化水素鎖を有するポリヒドロキシ炭化水素部分であり、nは少なくとも1である)を有する。適切なY基は、グリセロール、ペンタエリスリトールのようなポリオール、ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、シュークロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マンノースおよびエリスロースのような糖、エリスリトール、キシリトール、マリトール、マンニトールおよびソルビトールのような糖アルコール、およびソルビタンのような糖アルコールの無水物から誘導され得る。
【0098】
本発明における使用にとって適切なポリヒドロキシ脂肪酸エステルの1つのクラスは、ある種のソルビタンエステル、好ましくはC16〜C22飽和脂肪酸のソルビタンエステルを含む。それらが典型的に製造される方式のために、それらのソルビタンエステルは通常、モノ、ジ、トリなどのエステルの混合物を含む。適切なソルビタンエステルの代表的な例には、例えば、ソルビタンモノ−、ジ−、トリ−パルミテート、ソルビタンモノ−、ジ−、トリ−ステアレート、ソルビタンモノ−、ジ−、トリ−ベヘネート、並びに混合獣脂脂肪酸ソルビタンモノ−、ジ−、トリ−エステルのようなそれらのソルビタンエステルの1以上のモノ−、ジ−、トリ−エステルバージョンを含むソルビタンパルミテート(例えば、SPAN40)、ソルビタンステアレート(例えば、SPAN60)、およびソルビタンベヘネートが含まれる。ソルビタンステアレートを有するソルビタンパルミテートのような異なるソルビタンエステルの混合物もまた用いられ得る。特に好ましいソルビタンエステルは、デラウエア州ウィルミントン(Wilmington)のICIサーファクタントから入手可能なSPAN60のような、典型的には、モノ−、ジ−、およびトリ−エステル(加えて一部テトラエステル)の混合物としてのソルビタンステアレートおよびニュージャージー州フェアローンのロンザ,Inc.により商品名GLYCOMUL−Sの下で販売されるソルビタンステアレートである。それらのソルビタンエステルは、典型的には、モノ−、ジ−、およびトリ−エステル、加えて一部テトラエステルの混合物を含むけれども、モノ−およびジ−エステルが通常は、それらの混合物における優先種である。
【0099】
本発明における使用にとって適切なポリヒドロキシ脂肪酸エステルのもう1つのクラスは、ある種のグリセリルモノエステル、好ましくは、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノパルミテート、およびグリセリルモノベヘネートのようなC16〜C22飽和脂肪酸のグリセリルモノエステルを含む。また、ソルビタンエステルの様に、グリセリルモノエステル混合物は、典型的には、一部ジ−およびトリエステルを含む。しかしながら、そのような混合物は、本発明において有用であるために、優先的にはグリセリルモノエステル種を含むべきである。
【0100】
本発明における使用にとって適切なポリヒドロキシ脂肪酸エステルのもう1つのクラスは、ある種のシュークロース脂肪酸エステル、好ましくは、シュークロースのC12〜C22飽和脂肪酸エステルを含む。シュークロースモノエステルおよびジエステルは特に好ましく、シュークロースモノ−およびジ−ステアレートおよびシュークロースモノ−およびジ−ラウレートが含まれる。
【0101】
本発明における使用にとって適切なポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、式、
【化4】
Figure 0004439728
【0102】
(式中、R1 は、H、C1 〜C4 炭化水素、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、メトキシプロピルまたはそれらの混合物、好ましくは、C1 〜C4 アルキル、メトキシエチルまたはメトキシプロピル、より好ましくはC1 またはC2 アルキルまたはメトキシプロピル、最も好ましくはC1 アルキル(すなわちメチル)またはメトキシプロピルであり、R2 は、C5 〜C31炭化水素基、好ましくは直鎖C7 〜C19アルキルまたはアルケニル、より好ましくは直鎖C9 〜C17アルキルまたはアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合物であり、Zは鎖に直接結合する少なくとも3ヒドロキシル基を有する直鎖炭化水素鎖を有するポリヒドロキシ炭化水素部分である)を有する。(参照により本明細書に組み込まれる)1992年12月29日にホンザに発行された米国特許第5,174,927号を参照されたい、それはそれらのポリヒドロキシ脂肪酸アミド並びにその調製を開示する。
【0103】
Z部分は、好ましくは、還元アミノ化反応で還元糖、最も好ましくはグリシチルから誘導される。適切な還元糖には、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、およびキシロースが含まれる。高デキストロースコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、および高マルトースコーンシロップ、並びに上記列挙された個々の糖が利用され得る。それらのコーンシロップは、Z部分のための糖成分の混合物を産生し得る。
【0104】
Z部分は好ましくは、−CH2 −(CHOH)n −CH2 OH、−CH(CH2 OH)−[(CHOH)n-1 ]−CH2 OH、−CH2 OH−CH2 −(CHOH)2 (CHOR3 )(CHOH)−CH2 OH(式中、nは3から5の整数であり、R3 はHまたは環状もしくは脂肪族モノサッカライドである)からなる群より選択される。最も好ましいものは、nが4であるグリシチル、特に−CH2 −(CHOH)4 −CH2 OHである。
【0105】
上記式において、R1 は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−ヒドロキシエチル、メトキシプロピルまたは2−ヒドロキシプロピルであり得る。R2 は、例えば、コカミド、ステアラミド、オレアミド、ラウラミド、ミリスタミド、カプリカミド、パルミタミド、タロウアミドなどを提供するように選択され得る。Z部分は、1−デオキシグルシチル、2−デオキシフルクチチル、1−デオキシマルチチル、1−デオキシラクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオキシマンニチル、1−デオキシマルトトリオチチルなどであり得る。
【0106】
適切なエモリエント剤であるとして上記検討されたある種のポリオールポリエステル化合物もまた固定化剤としての使用にとって適切である。特に有用性のあるものはシュークロースポリベヘネートである。そのようなポリオールポリエステル固定化剤は、1997年4月29日にマッケイ(Mackey)らの名義で発行された米国特許第5,624,676号において詳細に記載され、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0107】
最も好ましいポリヒドロキシ脂肪酸アミドは一般式
【化5】
Figure 0004439728
【0108】
(式中、R1 はメチルまたはメトキシプロピルであり、R2 はC11〜C17直鎖アルキルまたはアルケニル基である)を有する。それらには、N−ラウリル−N−メチルグルカミド、N−ラウリル−N−メトキシプロピルグルカミド、N−ココイル−N−メチルグルカミド、N−ココイル−N−メトキシプロピルグルカミド、N−パルミチル−N−メトキシプロピルグルカミド、N−タロウイル−N−メチルグルカミド、またはN−タロウイル−N−メトキシプロピルグルカミドが含まれる。
【0109】
すでに記述した様に、固定化剤の一部は、エモリエント剤の中に可溶化するために乳化剤を要求し得る。これは、少なくとも約7のHLB値を有するN−アルキル−N−メトキシプロピルグルカミドのようなある種のグルカミドについて特に当てはまる。適切な乳化剤には、典型的には、約7未満のHLB値を有するものが含まれる。この点において、約4.9以下のHLB値を有するソルビタンステアレートのようなすでに記載されたソルビタンエステルは、ペトロラタム中にそれらのグルカミド固定化剤を可溶化する上で有用であることが見出された。他の適切な乳化剤には、ステアレス−2(式CH3 (CH2 17(OCH2 CH2 n OH(式中nは2の平均値を有する)に合致するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル)、ソルビタントリステアレート、ラウリン酸イソソルバイド、およびグリセリルモノステアレートが含まれる。乳化剤は、実質的に均質な混合物が得られるように、エモリエント剤中に固定化剤を可溶化するのに十分な量で含まれ得る。例えば、通常単相混合物に溶解しないN−ココイル−N−メチルグルカミドとペトロラタムのほぼ1:1混合物は、乳化剤としてのステアレス−2とソルビタントリステアレートの1:1混合物の20%の付加により単相混合物に溶解する。
【0110】
単独でまたは上記固定化剤と組み合わせでのいずれかで固定化剤として用いられ得る他のタイプの成分には、カルナウバロウ、オゾケライト、ビーズワックス、カンデリラ、パラフィン、セレシン、エスパルト、ウーリキュリ、レゾワックス、イソパラフィン、および他の公知の鉱物として産出される鉱物ワックスのようなワックスが含まれる。それらの材料の高い融点は、製品の所望の表面または位置に組成物を固定化させる役割をしうる。加えて、微小結晶性ワックスは有効な固定化剤である。微小結晶性ワックスは、スキンケア組成物の中に低分子量炭化水素を「ロッキング」し尽くす上で助けをし得る。好ましくはワックスはパラフィンワックスである。特に好ましい代わりの固定化剤の例は、ニューヨーク州、ウエストバビロンのストラール・アンド・ピッチュ(Strahl and Pitsch)Inc.由来のパラフィンS.P.434のようなパラフィンワックスである。
【0111】
組成物中に含まれ得る任意の固定化剤の量は、含まれる活性成分(例えば、エモリエント剤、プロトン供与性活性成分など)、含まれる特定の固定化剤、何であれ組成物中の他の成分、他の成分中に固定化剤を可溶化させるのに乳化剤が必要とされるかどうか、等の要因を含むさまざまの要因に依存する。存在するとき、組成物は典型的には、約5から約90%の固定化剤を含む。好ましくは、組成物は約5から約50%、最も好ましくは約10から約40%の固定化剤を含む。
【0112】
製品のトップシートのすくなくとも一部は、トップシートを通る液体(例えば、尿)の急速な移行を促進するように親水性材料で作られていることが極めて望ましい。同様に、組成物は、液体がトップシートを急速に移行し通過することを保証するために十分に濡れ性であることが望ましいであろう。代わりに、トップシートの流体操縦特性が適切に維持されるように適用される限りで疎水性スキンケア組成物が利用され得る。(例えば、以下に検討される様に、トップシートへの組成物の不均一な適用は、この目標を達成するための1つの手段である。)このことは、身体滲出物がトップシートを通って吸入され、吸収性コアにより吸収されるよりもむしろ組成物で処理されたトップシートをあふれ出るようなことをなくす。親水性組成物が所望される場合、組成物中に用いられる特定の成分に依存して、親水性界面活性剤(または親水性界面活性剤の混合物)は、濡れ性を改善するために必要とされ得るかまたはされ得ない。例えば、少なくとも約7のHLB値を有するN−ココイル−N−メトキシプロピルグルカミドのような一部の固定化剤は、親水性界面活性剤の付加なしに十分に濡れ性である。約7未満のHLB値を有するC16〜C18脂肪アルコールのような他の固定化剤は、組成物が製品のトップシートに適用されるとき濡れ性を改善するために親水性界面活性剤の添加を必要とするであろう。同様に、ペトロラタムのような疎水性エモリエント剤は、もし親水性組成物が所望されるならば親水性界面活性剤の添加を必要とするであろう。もちろん、濡れ性に関する問題は、考慮されている着用者に接触する表面が製品のトップシート以外であるとき又はトップシートの流体操縦特性が他の手段(例えば不均一な適用)により適切に維持されているときは重要な要因ではない。
【0113】
適切な親水性界面活性剤は、好ましくは、混合物を形成するようにスキンケア組成物の他の成分と混和性である。組成物が適用される使い捨て吸収製品を用いるものの可能な皮膚感受性のために、それらの界面活性剤もまた皮膚に対して比較的穏やかで刺激がないものであるべきである。典型的には、それらの親水性界面活性剤は、皮膚に対して刺激性でないのみならず、処理される製品の中のいずれか他の構造に対して望ましからぬ影響を回避するためにもノニオン性である。例えば、ティッシュラミネートの引張り強度の減少、接着剤の結合の十分さなどである。
【0114】
適切なノニオン性界面活性剤は組成物が製品に適用されて後に実質的に移動性がなく、典型的には、約4から約20、好ましくは約7から約20の範囲のHLB値を有する。移動性がないために、それらのノニオン性界面活性剤は、典型的には、貯蔵、船舶による輸送、販売、および使い捨て吸収製品の使用のあいだに通常遭遇する温度、例えば、少なくとも約30℃を超える溶融温度を有する。この点において、それらのノニオン性界面活性剤は、好ましくは、すでに記載された固定化剤の融点と同様の融点を有する。
【0115】
おむつのすくなくとも液体排出領域において製品に適用される組成物における使用のための適切なノニオン性界面活性剤には、アルキルグリコシド、参照により組み込まれる1977年3月8日にランドン(Langdon)らに発行された米国特許第4,011,389号において記載されているアルキルグリコシドエーテル、(ニュージャージー州、フェアローンのロンザ,Inc.から入手可能な)ペゴスパース(Pegosperse)1000MSのようなアルキルポリエトキシル化エステル、TWEEN60(約20の平均エトキシル化度を有するステアリン酸のソルビタンエステル)およびTWEEN61(約4の平均エトキシル化度を有するステアリン酸のソルビタンエステル)のような約2から約20、好ましくは約2から約10の平均エトキシル化度を有するC12〜C18脂肪酸のエトキシル化ソルビタンモノ、ジおよび/またはトリエステル、および約1から約54モルのエチレンオキサイドとの脂肪族アルコールの凝縮生成物が含まれる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、典型的には、直鎖(リニア)形状にあり、約8から約22炭素原子を含む。特に好ましいものは、(平均して)アルコールのモル当り約2から約30モルのエチレンオキサイドと約8から約22炭素原子を含むアルキル基を有するアルコールとの凝縮生成物である。そのようなエトキシル化アルコールの例には、アルコールのモル当り7モルのエチレンオキサイドとミリスチルアルコールとの凝縮生成物、約6モルのエチレンオキサイドとココナッツアルコール(10から14炭素原子の鎖長で変化するアルキル鎖を有する脂肪アルコールの混合物)の凝縮生成物がふくまれる。コネチカット州ダンバリー(Danbury)のユニオンカーバイドコーポレーションにより販売されるTERGITOL15−S−9(9モルのエチレンオキサイドとC11〜C15直鎖アルコールとの凝縮生成物)、特にNEODOL25−12(平均で12モルのエチレンオキサイドとC12〜C15直鎖アルコールとの凝縮生成物)およびNEODOL23−6.5T(ある種の不純物を除去するために蒸留(常圧蒸留)された平均で6.5モルのエチレンオキサイドとC12〜C15直鎖アルコールとの凝縮生成物)であるテキサス州ヒューストンのシェルケミカルCo.により販売されるNEODOL商標の界面活性剤、および特にPLURAFAC A−38(27モルのエチレンオキサイドとC18直鎖アルコールとの凝縮生成物)であるニュージャージー州マウント・オリーブのBASF Corp.により販売されるPLURAFAC商標の界面活性剤を含む多数の適切なエトキシル化されたアルコールが商業的に入手可能である。(ある種の親水性界面活性剤、特にNEODOL25−12のようなエトキシル化アルコールは、アルキルエトキシレートエモリエント剤としてもまた機能し得る。)好ましいエトキシル化アルコール界面活性剤の他の例には、ICIのクラスのBrij界面活性剤およびその混合物が含まれ、Brij72(すなわち、ステアレス−2)およびBrij76(すなわち、ステアレス−10)が特に好ましい。また、約10から約20の平均エトキシル化度にエトキシル化されたセチルアルコールとステアリルアルコールの混合物もまた親水性界面活性剤として用いられ得る。
【0116】
組成物における使用にとって適切なもう1つのタイプの界面活性剤には、ニュージャージー州モリスタウンのサイテック(Cytec)・インダストリーズ,Inc.により販売されるスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルであるエアロゾルOTが含まれる。
【0117】
組成物における使用にとって適切な界面活性剤のさらにもう1つのタイプには、ゼネラルエレクトリックSF1188(ポリジメチルシロキサンとポリオキシアルキレンエーテルのコポリマー)およびゼネラルエレクトリックSF1228(シリコーンポリエーテルコポリマー)のようなシリコーンコポリマーが含まれる。それらのシリコーン界面活性剤は、エトキシル化アルコールのような他のタイプの上記親水性界面活性剤と組み合わせで用いられ得る。それらのシリコーン界面活性剤は、組成物の0.1%、より好ましくは約0.25から約1.0重量%ほどの低さの濃度で有効であることが見出された。
【0118】
親水性組成物が所望される場合、所望のレベルに組成物の濡れ性を増加させるために必要とされる親水性界面活性剤の量は、部分的には、何であれ用いられる固定化剤のHLB値およびレベル、用いられる界面活性剤のHLB値などの要因に依存する。組成物は、組成物の濡れ性特性を増加させるために必要とされるとき約0.1から約50%の親水性界面活性剤を含み得る。濡れ性を増加させるために必要とされるとき、好ましくは、組成物は約1から約25%、最も好ましくは約10から約20%の親水性界面活性剤を含む。
【0119】
組成物は、このタイプのエマルジョン、クリーム、軟膏、ローション、パウダー、懸濁液などにおいて典型的に存在する他の成分を含み得る。それらの成分には、水、粘度調節剤、香料、感染防止抗菌活性成分、抗ウイルス剤、ビタミン、製剤活性成分、フィルムフォーマー、消臭剤、乳白剤、アストリンゼン、溶剤、保存料などが含まれる。加えて、セルロース誘導体、タンパク質、およびレシチンのような安定化剤が組成物の製品寿命を伸ばすために加えられ得る。それらの材料の全てはそのような製剤化のための添加剤として当該技術において周知であり、ここでの使用のために組成物中で適切な量で用いられ得る。
【0120】
水性スキンケア組成物が用いられるならば、保存料は必要とされるであろう。適切な保存料には、プロピルパラベン、メチルパラベン、ベンジルアルコール、ベンジルコニウムクロライド、三塩基性リン酸カルシウム、BHT、またはクエン酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸などのような酸が含まれる。適切な粘度増加剤には、有効な固定化剤として記述された薬剤の一部が含まれる。他の適切な粘度増加剤には、アルキルガラクトマンナン、シリカ、タルク、ケイ酸マグネシウム、ソルビトール、コロイダル二酸化シリコーン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ウールワックスアルコール、ソルビタンセスキオレエート、セチルヒドロキシエチルセルロース、および他の修飾されたセルロースが含まれる。適切な溶剤には、プロピレングリコール、グリセリン、シクロメチコーン、ポリエチレングリコール、へキシレングリコール、ジオールおよび多水酸基系溶剤が含まれる。適切なビタミンには、A、D−3、E、B−5およびEアセテートが含まれる。
【0121】
VI.スキンケア組成物による製品の処理
本発明の方法を実施するための吸収製品の製造において、着用の間に、組成物の少なくとも一部が処理された製品から着用者の皮膚に移行する様にプロトン供与性活性成分を含むスキンケア組成物が付与される。すなわち、スキンケア組成物は、1以上の身体接触表面に直接付与されるかまたは、スキンケア組成物が使用者/介護者による介在なしに使用のあいだに1以上の身体に接触する表面からの移行のために容易に役に立つ様に別の位置又は手段に付与されるかのいずれかである。(例えば、身体接触表面の下に位置する材料、カプセル製剤組成物など。)もちろん、皮膚の粗さに対して最も感受性のある身体領域に組成物の投与をもたらすために、着用の間に着用者の臀部、生殖器、間擦性および肛門領域に接触するトップシートとカフスの部分上に組成物を含ませることは好ましいであろう。加えて、組成物は、着用者の尻、腹、背中、腰、側面、腿などの1以上への投与のために他の製品領域に付与され得る。適切な方法には、スプレー、印刷(例えば、フレキソ印刷)、コーティング(例えば、接触スロットコーティング、グラビアコーティング)、押し出し、または例えば、ロール表面のような回転表面上にスキンケア組成物をスプレーし、次いで、製品の所望の部位に組成物を移行させることのようなそれらの付与技術の組み合わせが含まれる。プロトン供与性活性成分を含むスキンケア組成物は、例えば押し出しのようなさまざまの方法のいずれかにより固形材料としてもまた付与され得る。
【0122】
製品のトップシートに付与されるとき、製品に組成物を適用する方式は、トップシートが、もし組成物が性質として疎水性であるならば、少なくとも製品の液体排出領域に対応する領域において組成物で飽和しないようであるべきである。もしトップシートが液体排出領域において組成物で飽和するようになるならば、組成物がトップシートの開口を遮蔽する大きなポテンシャルが存在し、下にある吸収性コアに液体を伝達するトップシートの能力を減少させる。また、トップシートの飽和は、治療的および/または保護的利益を得るために必要とされない。同様に、他の処理された製品部材の飽和は、所望の皮膚への利益のために十分な組成物を移行させるのに必要でないかまたは所望されないであろう。特に適切な付与方法は、製品のトップシートの外側表面に主に組成物を付与することであろう。
【0123】
製品の着用者に接触する表面に付与されるプロトン供与性活性成分を含む組成物の最小レベルは、組成物が本発明にしたがって投与されるとき治療的、保護的、および/または皮膚の状態調整の利益を提供するのに有効な量である。付与される組成物のレベルは、処理される製品の部材、組成物で処理されない着用者に接触する表面の表面積の相対量、組成物の含有量などを含むさまざまの要因に依存するであろう。一般的に、相対的に疎水性であり、トップシートの本質的に全てに付与されるべきである組成物については、組成物は好ましくは、約0.1mg/in2 (0.016mg/cm2 )から約15mg/in2 (2.33mg/cm2 )、より好ましくは、約1mg/in2 (0.16mg/cm2 )から約10mg/in2 (1.55mg/cm2 )の範囲の量で製品のトップシートに付与される。より高いレベルのスキンケア組成物が、流体操縦特性に影響がない場合、他の製品の部材(例えば、カフス、ウエストバンド、サイドパネルなど)に付与され得ることが認識されるであろう。比較的親水性である組成物については、より多くの付着レベルが、許容し得ない程度まで液体操縦特性に悪い影響を与えることなくトップシート上で用いられ得ることもまた認識されるであろう。逆に言えば、漏れとなり得る製品のエッジへの滲出物の灯心作用を回避するためにトップシート以外の部材(例えば、カフス、ウエスト)に付与されるとき、より多くのレベルの親水性組成物は所望され得ない。
【0124】
組成物は好ましくは、処理される領域の表面上に実質的に固定されるので、相対的に少量の組成物が有効量のプロトン供与性活性成分を投与するために必要とされる。所望の皮膚への利益を与えるために低いレベルを用いる能力は、製品が着用されるとき、組成物は連続的に、自動的に投与されると言う事実によると思われる。示された様に、相対的に低レベルのスキンケア組成物を用いる能力は、製品のトップシートが液体排出領域におけるその液体移行特性を維持することを可能とする。
【0125】
組成物は、製品の身体接触表面に不均一に付与され得る。「不均一」により、組成物の量、位置、分布のパターンなどが着用者に接触する表面全体に変化し、さらに、製品の特定の領域にわたって変化し得ることが意味される。例えば、トップシートの液体操縦性能を維持するために、特に組成物が性質上疎水性であるならば、組成物をトップシートに不均一に付与することは望ましいであろう。この点において、製品(およびその領域)の処理された表面の一部は、そこに組成物を有さない表面の部分を含んで、より多くのまたはより少ない量の組成物を有し得る。組成物が比較的疎水性であるとき、1つのそのような好ましい態様において、トップシートの表面は、特に製品のクロッチ領域に対応するトップシートの領域において組成物が付与されない領域を有する。ここで用いられるものとして、製品のクロッチ領域は以下に定義されるように長方形であり、それは製品のクロッチポイントのまわりに縦におよび横に集中する。「クロッチポイント」は、起立位置で着用者に製品を配置し、次いで図8の形状で脚部のまわりに伸長性フィラメントを配置することにより決定される。フィラメントの交差する点に対応する製品の点は、製品のクロッチポイントであるとみなされる。(クロッチポイントは、意図された方式で着用者に対して吸収製品を配置し、交差したフィラメントが製品に接触する場所を決定することにより決定されると理解される。)失禁デバイス(例えば、おむつ、成人失禁製品)については、クロッチ領域の長さは、吸収製品の全長(すなわちy次元で)の40%に対応する。生理用ナプキンについては、クロッチ領域の長さは吸収製品の全長の80%に対応する。クロッチ領域の幅は、クロッチポイントで測定される最も広い吸収性コア部材の幅と等価である。(ここで用いられるものとして、「吸収性コア」部材は、体液を獲得し、輸送し、分配し、および/または貯蔵するように含まれる材料である。それ自体として、吸収性コアと言う術語は、吸収製品のトップシートまたはバックシートを含まない。)例示として、20in.の長さおよび4in.のクロッチポイントにおけるコア幅を有する失禁製品については、クロッチ領域は長方形であり、8in.の長さおよび4in.の幅を有してクロッチポイントに向かって集中する。
【0126】
驚くべきことに、組成物を含むトップシートまたは他の部材は不均一に処理される(例えば、組成物が付与されていない微視的または巨視的領域)けれども、製品の着用の間に、組成物は、トップシートまたは他の部材の中の処理されていない領域に対応する皮膚の領域にさえ着用者に移行する。皮膚に移行する組成物の量および均一性は、例えば、スキンケア組成物の付与パターン、処理された製品表面への着用者の皮膚の接触、着用者の皮膚と処理された領域とのあいだの着用時間の間に作り出される摩擦、組成物の移行を高めるための着用者から発生する温かさ、組成物の特性、組成物を構成する材料などを含む幾つかの要因に依存すると思われる。
【0127】
組成物が不均一に適用される場合、例えば、小さな液滴の付与(例えば、スプレーにより得られる)、別々の点(例えば、グラビア印刷により得られる)、製品の縦または横方向に走行するストライプ(接触スロットコーティングにより得られる)、縦または横方向に走行する螺旋など、パターンプリントなどを含むいずれのパターンも利用され得る。トップシートが別々の処理されていない領域を含むそれらの態様において、製品のクロッチ領域に対応するトップシートの領域のパーセントオープン面積は広く変化し得る。(ここで称されるものとして、トップシートの「パーセントオープン面積」は、(i)クロッチ領域の上にあるトップシートの表面積を測定し、(ii)トップシートのこの部分における処理されていない領域の全表面積を測定し、(iii)(i)における測定値で(ii)における測定値を除算することにより定量される。ここで用いられるものとして、「処理されていない」とは、約0.01mg/in2 (0.0016mg/cm2 )未満の組成物を有するトップシートの領域を意味する。この点において、パーセントオープン面積は、約1%から約99%、約5%から約95%、約10%から約90%、約15%から約85%、約20%から約80%、約25%から約75%、約30%から約70%、または約35%から約65%であり得る。所望の組成物の効果およびトップシートの所望の液体操縦特性を達成するために要求されるパーセントオープン面積は、主に組成物の特性(特に組成物の含有量およびその相対的な疎水性/親水性特性)により規定される。当業者は、望ましいパーセントオープン面積は、日常の実験を通して容易に決定されることを理解するであろう。
【0128】
一般的に、相対的に疎水性であり、トップシートの領域が組成物によりコートされないように付与されるべきである組成物については、組成物は好ましくは、約0.05mg/in2 (0.0078mg/cm2 )から約35mg/in2 (5.43mg/cm2 )、より好ましくは約1mg/in2 (0.16mg/cm2 )から約25mg/in2 (3.88mg/cm2 )、さらにより好ましくは、4mg/in2 (0.62mg/cm2 )から約20mg/in2 (3.1mg/cm2 )の範囲の量で製品のトップシートに付与される。比較的親水性である組成物については、許容不能な程度までトップシートの液体操縦特性に悪い影響を与えることなくより多くの付着レベルが用いられ得ることが認識されるであろう。もちろん、クロッチにおいて比較的多くのパーセントオープン面積を有する製品については、トップシートによる液体操縦に悪い影響を与えることなくより多くの付着レベルが得られ得る。
【0129】
本発明の方法を実施するための1つの好ましい態様において、利用される製品のトップシートは製品の縦方向に走行する組成物のストライプを具備し得る。それらの縦のストライプ(またはスパイラル)は、組成物がほとんどまたは全くトップシートに付与されない縦のストライプにより分かたれる。それらの態様において、組成物のそれぞれのストライプは、典型的には、約0.1in.から約0.75in.より典型的には約0.1in.から約0.5in.の幅を有し、組成物を含まないストライプの幅は、典型的には、約0.1in.から約1in.、より典型的には、約0.15から約0.5in.である。それらの範囲は、典型的な幼児用おむつの設計に適用可能である。成人失禁製品のようなより大きな製品については、それらの範囲はより大きくなり得る。
【0130】
スキンケア組成物はまた、他の製品部材上に不均一パターンでも付与され得る。それらの場合には、オープン面積は、スキンケア組成物の周囲により規定される長方形により計算される。
【0131】
組成物は組み立ての間のいずれかの時点で製品に付与され得る。例えば、組成物は、包装される前に、仕上られた使い捨て吸収製品に付与され得る。組成物はまた、最終的な使い捨て吸収製品を形成するように他の原材料と組み合わせられる前に、変換部位で、または材料供給装置により所定の部材(例えば、トップシート、カフス、側面、腰部など)にも付与され得る。
また、組成物は、組成物が使用のあいだに1以上の身体接触表面に移動するように製品の他の帯域に付与され得る。
【0132】
組成物は典型的には、その溶融物から製品に付与される。好ましい態様においては、組成物は周囲温度より有意に高い温度で溶融するので、通常製品には加熱された組成物として付与される。典型的には組成物は、製品に付与される前に、約35℃から約150℃、好ましくは40℃から約100℃の範囲の温度に加熱される。プロトン供与性活性成分は、加熱の前または後に組成物に加えられ得る。もし加熱の前に加えられるならば、組成物が加熱される温度は、プロトン供与性活性成分を不活性化しないように選択される。代わりに、組成物が、プロトン供与性活性成分に影響を与えないが、製品に付与されるようにいまだ十分に液体である温度に冷却されているとき、プロトン供与性活性成分はあらかじめ加熱された組成物に加えられ得る。一旦溶融した組成物が製品に付与されたならば、それは冷却し、固形化するようにさせられる。好ましくは、付与プロセスは、組成物の冷却/付着の補助となるように設計される。
【0133】
製品への組成物の付与において、接触スロットコーティング、スプレー、グラビアコーティング、押し出しコーティング方法のような方法が好ましい。1つのそのような方法は、トップシートが他の原材料とともに最終製品に組み立てられて後、製品のトップシート上に組成物のスロットコーティングを含む。
【0134】
VII.試験方法
A.皮膚のpHの減少試験
試験材料の調製
1.以下の例2において記載される方法により58部のペトロラタム、41部のステアリルアルコール、および1部のアロエエキストラクトを含むキャリアローションを調製する。
【0135】
2.0.039モルの水素イオンを提供するために必要とされる潜在的なプロトン供与性活性成分の重量を定量する。例えば、2.5グラムのクエン酸(MW=192、クエン酸のモル当り3モルの水素イオン)は0.039モルの水素イオンを提供する。
【0136】
3.全体で50グラムの試験材料を提供するために、工程2において定量された材料の重量まで工程1で調製されたある量のキャリアローションを加える。キャリアローション全体に均一に潜在的なプロトン供与性活性成分を分布させるために良く混ぜる。試験材料はこれで以下に記載される方法による評価のための準備ができている。
【0137】
装置
pHメーター モデル番号PH−900としてドイツのコロン(ケルン)のCourage+Khazaka Electronic GmbHから適切な皮膚pHメーターが入手可能である。
【0138】
電解質 3モルの塩化カリウム
手順
皮膚のpHメーターの操作
1.装置を立ち上げ製造者の指示に従ってそれを較正する。
【0139】
2.皮膚のpHの測定を開始する前に、蒸留水でプローブを洗浄する。
【0140】
3.濡れてはいないが湿ったプローブを有するように水を振るい落とす。膜のあまりに多くの水は測定結果に影響を与え得るかまたは安定で有意な表示を遅らせる。プローブが乾燥していないことに注意する。
【0141】
4.プローブヘッドは常に、測定する皮膚領域上に下向きにわずかな圧力とともに垂直に配置すべきである。
【0142】
5.ONキーで測定を開始する。時計は、3から0に3秒間逆向きにカウントする表示を表す。
【0143】
6.3秒後に音が鳴り、測定値がディスプレー上に現れる。使用していないとき2分後に装置は止まる。その2分のあいだのいずれかの時間にONキーを押すことにより新たな測定を開始することが可能である。
【0144】
7.停止は5回の音により警告される。装置を再起動するためには、ONキーを押す。
【0145】
皮膚のpHの減少の定量
1.キャリアローションの対照と試験されるそれぞれの潜在的なプロトン供与性活性成分について被験者の前腕の手のひらの上にほぼ20平方センチメートルの長方形の印を付ける。被験者一人当たり6領域まで印を付けることができる。
【0146】
2.上記工程に続いてバックグラウンドとなる皮膚のpHを測定し、記録する。
【0147】
3.潜在的なプロトン供与性活性成分を含む平方センチメートル当り約20ミリグラムのキャリアローションを付与する。このローション/活性成分組成物についての調製方法は上記記載されている。2分後過剰なローションを拭き取る。
【0148】
4.更に2分間の平衡化時間の後皮膚のpHの測定を反復する。付与後の皮膚のpHを記録する。
【0149】
5.加えて4人の被験者について工程1から4を反復する。
【0150】
データのレポートおよび承認基準
1.4人の被験者のそれぞれについてバックグラウンドの皮膚のpHおよび付与後の皮膚のpHを記録する。
【0151】
2.それぞれの被験者についてバックグラウンドの皮膚のpHと付与後の皮膚のpHとの間の差異を計算する(ΔpH=(バックグラウンドの皮膚のpH)−(付与後の皮膚のpH))。
【0152】
3.それぞれの潜在的なプロトン供与性活性成分のついて平均ΔpHを計算し、レポートする。
【0153】
4.平均ΔpHが、少なくとも90%の信頼性のレベルで正である(すなわち、付与後の皮膚のpHがバックグラウンドの皮膚のpHより小さい)ならば、潜在的なプロトン供与性活性成分は、本発明にとって化学的に適切である。
【0154】
pH減少の持続時間
潜在的な緩衝活性成分が上記の様に評価されるときpH減少の持続時間を定量する必要または要求が存在するならば、付加的な皮膚のpH測定が潜在的プロトン供与性活性成分の付与の後いずれの持続時間でもなされ得る。そのような試験がなされるとき、付与以来の経過時間および皮膚のpHはそれぞれのなされた測定について記録されるべきである。
【0155】
B.着用者の皮膚へのスキンケア組成物の移行
概観
この方法は、制御された時間着用者の皮膚上に配置される除去可能な皮膚類似材料を用いる。皮膚類似物が除去された後、それは適切な溶剤を用いて抽出され、スキンケア組成物の量および、外挿によりそこに存在したプロトン供与性活性成分の量が既知の分析方法を用いて定量される。その方法は、本明細書で定義されるプロトン供与性活性成分を含むかまたは含まないかのいずれかであるスキンケア組成物を含む幼児用おむつについての使用について記載される。当業者は、他のスキンケア組成物、吸収製品または着用者のタイプについて適切な変更を認識するであろう。
【0156】
被験者
ほぼ等しい数の男児および女児が以下の包含および排除基準を用いて選択されるべきである。条件と移行時間当りすくなくとも15人の被験者が存在し、試験のすべての側面を完了させることを保証するように十分な数の幼児が選択されるべきである。
【0157】
包含基準
a.健康な幼児
b.介護者は、試験の持続時間おむつ領域にローション、クリーム、パウダーまたは他の皮膚製剤を使わない意思がある。
【0158】
c.幼児は使い捨ておむつをいつも着用している。
【0159】
d.介護者は、研究の前の晩に子供を入浴させる意思があり、研究の完了の後まで再び入浴させない。
【0160】
e.介護者は、研究の前の晩から研究の完了の後まで子供を水浴から遠ざける意思がある。
【0161】
排除基準
a.幼児は最近4日以内に病気になった。
【0162】
b.試験の前4日のあいだのいずれかのときの下痢(柔軟な便通)
c.便通の頻度を増加させ得る治療(例えば、経口抗生物質、抗真菌剤、コルチコステロイド)
d.(例えば、日焼け、活性皮膚損傷など由来の)試験部位の中のまたはまわりの損傷した皮膚
e.接着剤またはスキンケア成分由来の既知のアレルギーまたは刺激
材料
インビボの移行
皮膚類似物:皮膚科学的(ダーマトロジカル)テープ−ミネソタ州セントポールの3Mヘルス・ケアから入手可能なTEGADERMテープNo.1622W
試料コンテナ カタログ番号15900−242としてペンシルバニア州ウエスト・チェスター(West Chester)のVWRサイエンティフィックから入手可能な蓋付きのガラスジャー
テープリリースパウダー ニュージャージー州ニューブルンズウィック(New Brunswick)のジョンソン&ジョンソンから入手可能なベビーパウダー(タルクと香料のみを含んでいる)
外科用手袋 製品6005PFMとしてジョージア州メンロー(Menlo)のベスト・マニュファクチュアリングCo.から入手可能
抽出および分析
抽出溶媒 27056−3としてミズーリ州セントルイスのシグマ−アルドリッチから入手可能なジクロロメタン
ステアリルアルコール アルドリッチ25876−8
1−ヘキサデカノール アルドリッチ25874−1
分配フラスコ 10ml
ガスクロマトグラフ フレームイオン化デテクター、ヒューレット・パッカード・モデル5890が適切である。
【0163】
カラム キャピラリーカラム:クロムパック(Chrompack)CP Sil−5CB、2メートル×0.25mm内径、0.12ミクロンフィルム厚さ融解シリカキャピラリー(置換なし)
装置のデータシステム 関心のあるピークの面積を再現可能に定量可能でなければならない。
【0164】
方法
インビボの移行
A.被験者が最近24時間以内に入浴し、入浴以来被験者の皮膚のおむつを当てられる領域にローション、パウダーなどが付与されていないことを被験者の介護者から確認する。
【0165】
B.外科用手袋を着用し、テーブル上に被験者を配置し、その子供のおむつを取り除く。
【0166】
C.被験者の胃を下にして被験者をひっくり返す。
【0167】
D.TEGADERMテープからリリースライナーを除去し、接着剤表面上にJ&Jベビー・パウダーを軽くブラシがけする(テープのコンタミネーションを防止するために適用のあいだは外科用手袋などを着用する)。端部を除いてテープの全てにわたってパウダーのわずかな被覆が存在するように十分なパウダーを与える。(この工程は、テープが子供の皮膚にあまりに強く粘着することを避けるためになされる。)
E.図2および3は、テープ700としてそれらの図において示されるTEGADERMテープについての配置位置を例示する。子供の右の臀部のテープ700を当てる。テープ700は、子供の臀部の溝の中ではなく溝に直に隣接する子供の臀部上の最も高い点に当てられるべきである。第2のテープ700は、2倍の増加での移行または付加的なおむつの効果を測定するために当てられ得る。もし第2のテープが用いられるならば、上記手順を用いて左の臀部上にテープ700を当てる。
【0168】
F.以下のプロトコールにしたがっておむつを交換する。3時間の移行時間−1つのおむつ。6時間の移行時間−2つのおむつ(3時間で交換)。24時間の移行時間は介護者により随意に。24時間の移行時間については以下の付加的な指示が従われるべきである。
【0169】
1.試験の持続時間の間おむつを当てられた領域を清浄化するために水と洗った布のみを用いる。ベビーワイプを使用しない。手または何れかの拭くための道具でテープのまわりの領域に触れることを回避する。
【0170】
2.試験の持続時間の間スキンケア製品(ローション、軟膏、クリーム、石鹸など)を使用しない。
【0171】
3.試験の持続時間の間被験者を入浴させない。
【0172】
4.試験用おむつのみを用いる。それぞれのおむつの交換の時間を記録する。
【0173】
5.いずれの排便の時間も記録し、水と洗った布で被験者をきれいにする。
【0174】
G.それぞれのおむつがすべての試験用おむつとして適用された時間を記録する。
【0175】
H.あらかじめ決められた移行時間の終わり近くに被験者を呼び戻す。
【0176】
I.試験用おむつを取り除く。もし子供が排便をしていたなら、研究の執行者はテープ700を除去し、それを廃棄すべきである(そのとき被験者は試験が完了し、その被験者由来のデータは解析には含まれない)。もし被験者が排尿していたならば、テープ700は、以下に記載される解析にとって許容可能であろう。
【0177】
J.試験機関の委員は、外科用手袋を着用すべきであり、ピンセットでテープ700の端部をつかみ、皮膚からテープ700の残りの部分を穏やかに剥がすことによりテープ700を除去する。
【0178】
K.ガラスジャーの1つに用いられたテープ700を入れて蓋を閉じる。続く試料確認のためにジャーが適切にラベル添付されていることを確認する。
【0179】
L.試験の終わりに、以下に記載される解析のためにジャーの中の試料の全てを集める。
【0180】
抽出および解析
この方法は、好ましいスキンケア組成物、表2のスキンケア組成物での使用のために設計されている。当業者は、いかなる適合が、他のスキンケア組成物を抽出し、そのレベルを解析するために必要であるかを認識するであろう。原理として、1)組成物の主要成分の1つが適切な溶媒を用いて皮膚の類似物から抽出される。2)次いで、ガスクロマトグラフィーまたは他の適切な定量的な分析技術が抽出物中の主要成分のレベルを定量するために用いられる。3)スキンケア組成物の量が、抽出物中の主要成分の量およびテープの面積に基づいて単位面積当たり計算される。
【0181】
内標準/抽出溶媒
小さなビーカーに100±2mgの1−ヘキサデカノールを正確に計量することにより内標準/抽出溶媒を調製する。ジクロロメタン中に1−ヘキサデカノールを溶解し、1リットルメスフラスコに移す。ジクロロメタンで余計に3回ビーカーをすすぎ、それぞれのすすいだ部分をメスフラスコに移す。メスフラスコを体積いっぱいに満たし、良く混ぜる。この溶液は内標準を与え、テープからスキンケア組成物を抽出するために用いられる。用いられないとき、この容器は、溶媒の蒸発を防止するためにきつく蓋をされて維持されるべきである。
【0182】
検量標準
10±1mgのステアリルアルコールを100mlメスフラスコに正確に計量する(±0.1mg)ことにより既知の濃度の検量標準を調製する。用いられるステアリルアルコールの重量を記録する。フラスコに内標準/抽出溶媒を加え、溶解するように混合する。体積まで満たしよく混合する。用いられないとき、この容器は、溶媒の蒸発を防止するためにきつく蓋を閉めて維持されるべきである。この溶液は、装置の較正のために1−ヘキサデカノール内標準に対するステアリルアルコールの相対的な応答を定量するために用いられるであろう。
【0183】
ガスクロマトグラフの調製と較正
すべての装備は、製造者の推奨基準に従って設置され、操作され、維持(メンテナンス)されるべきである。
【0184】
カラムを設置し、100℃のカラムオーブンおよびインジェクションポートおよび操作温度の検出器についてのすべての気体流を調べる。GCは、以下の条件の下で操作される。
【0185】
キャリア気体:水素(ヘリウムも用いられ得る);流量1.5ml/min
インジェクションポート:325℃;分離通気流30ml/min;隔壁パージ2ml/min;グラスウールのプラグを有するライナーを真っ直ぐ通る;マーリン(Merlin)・マイクロシール。
【0186】
注入体積:2μlスプリット
FIDデテクター:350℃;製造者の示唆により気体流を設定する。典型的な気体流は、空気について400ml/分、水素について30ml/分および副次(補給)気体について30ml/分である。
【0187】
カラムオーブン:100℃で15℃/分の勾配で325℃まで;10分間保持される。
【0188】
すべての接続がきつく漏れがないことを保証する。デテクターに点火し、それを安定化させる。30分間325℃でカラムを状態調整する。必要ならばジクロロメタンでシリンジを洗浄する。シリンジもまたそれぞれのインジェクションの後に何回かジクロロメタンですすがれるべきである。良好なベースラインが得られ、外生のピークがクロマトグラム中に存在しないことを確認するためにジクロロメタンのインジェクションによりいくつかのブランクを走らせる。もし外生のピークが存在するかまたはベースラインが適切でないならば、トラブルシューティングをし、問題を取り除く。
【0189】
すでに調製された検量標準を用いて装置を較正する。操作の適切な順序についてデータシステムの製造者の指示書を参照する。計算は、所望の結果を提供するために、以下の計算(CALCULATIONS)において記載されているものと同様の方式で実施されるべきである。
【0190】
試料の分析手順
1)サンプルジャーから蓋を取り除き、分配フラスコを用いて10mlの抽出溶媒/内標準溶液を加える。カップを置換し、テープ700がジャーの側面に付着していないことおよび溶媒の中に全体として浸漬されていることを確認するために内容物を回転させる。すべての試料について反復する。
【0191】
2)試料を16時間静置させる(典型的にはオーバーナイトで行う)。
【0192】
3)混合するためにジャーの内容物を回転させる。トランスファーピペットを用いて、試料抽出物のアリコットを適切にラベルの付されたオートサンプラーバイアル瓶に移す。バイアル瓶に蓋をする。ジャーの蓋を取り替え、分析が終了するまでそのままにする。すべての試料について反復する。
【0193】
4)無秩序にオートサンプラーの中にバイアル瓶を配置し、上記GC条件を用いて分析を開始する。最初のバイアル瓶はジクロロメタンのブランクであるべきである。正確な操作を確認するために、操作の全体にわたっていくつかの「チェック」標準が(約20番目の試料ごとに)配置されるべきである。
【0194】
5)操作の終了の際に、適切な分析を保証するためにそれぞれのクロマトグラムを調べる。もし問題が有りそうならば、トラブルシューティングし、修正する。必要であれば試料を再分析する。
【0195】
計算
それぞれの試料抽出物中のステアリルアルコールの総マイクログラム数は、1−ヘキサデカノール内標準のピークに対するステアリルアルコールピークの相対応答に基づいて計算される。ピーク面積の比は、試料中のステアリルアルコールの総μgを求めるために、(装置の較正の際に定量された)相対応答率と抽出物中の内標準のマイクログラムと乗算される。
【0196】
装置の較正
検量標準クロマトグラムにおけるステアリルアルコールと1−ヘキサデカノールピークの面積に基づいてステアリルアルコールと内標準についての装置の相対応答率を決定する。
【0197】
応答率(Rf)=(面積inst/重量inst)×(重量sa/面積sa)×
10(式中、面積instは、内標準についてのGCピーク面積であり、
面積saは、ステアリルアルコールについてのGCピーク面積であり、
重量instは、内標準/抽出溶媒を調製するために用いられる内標準のマイクログラムであり、
重量saは、検量標準を調製するために用いられるステアリルアルコールのマイクログラムである)
試料の計算
以下の式において、試料クロマトグラム由来のピーク面積を用いてそれぞれの試料におけるステアリルアルコールの総マイクログラム数を計算する。
総μgSA=(面積sa/面積inst)×Rf×(重量inst/100)
(式中、面積instは内標準のついてのGCピーク面積であり、
面積saはステアリルアルコールについてのGCピーク面積であり、
重量instは内標準/抽出溶媒を調製するために用いられる内標準のマイクログラムである。)
mg/cm2 において移行するスキンケア組成物の量を報告する。式は、
移行する組成物={0.001×(ステアリルアルコールのμg)}/{(組成物中のステアリルアルコールの濃度)×(テープ面積)}
上記方法については、組成物中のステアリルアルコールの濃度は41%であり、テープのパッチは、4.4cm×4.4cmの大きさである。
移行した組成物={0.001×(ステアリルアルコールのμg)}/(0.41×4.4cm×4.4cm)で、
0.000126×(ステアリルアルコールのμg)(mg/cm2
VII.具体例
以下は具体的な例示であり、それらは、
a)化学的に適切なプロトン供与性活性成分を定量する方法を例証し、
b)本発明のさまざまの態様の調製を例証し、および
c)酸性pHに着用者の皮膚を維持することを助ける上での本発明の有効性を例証する。
【0198】
例1
皮膚のpHを減少させる能力
この例は、いくつかの典型的なプロトン供与性活性成分のpHを減少させる能力を例証することを意図している。表1は、本発明における使用のための潜在的に適切なプロトン供与性活性成分の例、ベースラインの皮膚のpH、およびそれぞれの成分が試験方法の項目で記載されている皮膚のpHの減少試験にしたがって評価された後に測定されたpHを列挙する。
【0199】
表1
Figure 0004439728
1 カタログ番号19203−1としてウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカルCo.,Inc.から入手可能
2 カタログ番号30621−5としてウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカルCo.,Inc.から入手可能
潜在的なプロトン供与性活性成分を含むローションについてのすべてのΔpH値は、95%の信頼性で対照のローションについてのΔpHとは有意に異なる。これらの結果は、この例において試験されたすべての材料は、皮膚のpHの減少を引き起こすことが可能であることを明らかに示す。
【0200】
例2
スキンケア組成物を含むトップシートを有する吸収製品の製造
A.スキンケア組成物の調製
懸濁されたプロトン供与性活性成分を有する本発明の典型的なスキンケア組成物(組成物A)は、以下の表2において示される組成物を有する。
【0201】
表2
Figure 0004439728
1.ホワイト・プロトペット(登録商標)としてコネチカット州グリーンウィッチのウィトコ(Witco)Corp.から入手可能
2.CO1897としてオハイオ州シンシナチのザ・プロクター&ギャンブル・カンパニーから入手可能
3.ケイドール(Kaydol)中のベラジェル・リポイド(Veragel Lipoid)としてニュージャージー州サウスハッケンザック(South Hackensack)のマディス・ボタニカルズ(Madis Botanicals),Inc.から入手可能
その組成物は、ペトロラタムとステアリルアルコールを(約77℃の温度に加熱して)溶融し、混合することにより調製され得る。クエン酸とアロエは次いで溶融混合物に加えられ、組成物の完全な調製まで更に混合する。
【0202】
B.接触スロットコーティングによる処理された製品の製造
組成物Aは、約77℃の温度で操業する加熱されたタンクに配置される。組成物は、続いて、コンタクトアプリケーターにより(例えば、5スロットを有し、約77℃の温度で操作するメルテックス(Meltex)EP45ホットメルト接着剤アプリケーターヘッドを用いる)ストライプのパターンで製品のトップシート上に付与され、そのストライプは、製品の縦方向に走行する。具体的には、5つのストライプが付与され、それぞれのストライプは、0.25in.幅(すなわち、製品の横方向において)および11.75in.長の大きさであり、付着レベル=7.7mg/in2 (12g/m2 、1.19mg/cm2 )である。ストライプの間の距離は、0.31in.である。
【0203】
スキンケア組成物がこの例において加えられる製品は、オハイオ州シンシナチのプロクター&ギャンブルから入手可能な商業的に入手可能なパンパース・プレミアム(サイズ4)おむつである。
【0204】
例3
この例は、延長された時間に酸性の皮膚pHを維持することを助ける上でのさまざまなプロトン供与性活性成分を含むスキンケア組成物の有用性を例証することを意図する。表3において列挙される試験のためのスキンケア組成物は、さまざまのプロトン供与性活性成分を有する例2において記載されるように実質的に調製された。スキンケア組成物は、以下の例外とともに試験方法の項目において記載される皮膚のpHの減少の試験に従って試験された。平方センチメートル当たり0.1ミリグラムが20ミリグラムの代わりに被験者の前腕に付与され、拭き取り工程はなかった。表3は、付与後3時間(180分)までの時間についてなされた皮膚のpHの減少の持続時間の測定の結果を列挙する。
【0205】
表3
Figure 0004439728
プロトン供与性活性成分を含む組成物についてのすべての付与後の皮膚のpHは、同じ時点での対照組成物の皮膚のpHより有意(95%の信頼性)に低い。この例は、本発明のスキンケア組成物の残りのpH減少の利益を明らかに例証する。
【0206】
例4
この例は、例2にしたがって作られたおむつから着用者の皮膚への本発明の好ましいスキンケア組成物の移行を例証することを意図する。
【0207】
ローションの移行は、上記試験方法の項目において記載される方法を用いてさまざまの着用時間の後に測定された。結果は表4において与えられる。
【0208】
表4
Figure 0004439728
見られ得る様に、測定可能な量のスキンケア組成物がおむつから着用者の皮膚に移行する。出願人は、プロトン供与性活性成分を含むそのような量のスキンケア組成物を付与することは皮膚のpHの有意な減少を提供することを見出した。
【0209】
例5
この例は、プロトン供与性活性成分が組成物中に溶解する無水スキンケア組成物の調製を例証することを意図する。
【0210】
表5
Figure 0004439728
1.ニュージャージー州マウント・オリーブのBASFコーポレーションから入手可能
2.TA1618としてオハイオ州シンシナチのザ・プロクター&ギャンブル・カンパニーから入手可能
スキンケアは、以下の工程を具備する方法を用いて調製され得る。1)約65℃ないし約85℃の温度に加熱することによりセテアレス−10を溶融する。2)プロピレングリコールを加え、均質溶液を与えるために混合する。3)セテアリルアルコールを加え、約65℃ないし約85℃の温度に維持しながら均質溶液を得るために混合する。4)クエン酸を加え、約65℃ないし約85℃の温度に維持しながら透明な溶液が得られるまで混合する。5)ペトロラタムを加え、約65℃ないし約85℃の温度に維持しながら均質溶液を得るために混合する。この溶融されたスキンケア組成物は次いで、上記例2において記載される吸収製品に付与され得る。
【0211】
例6
この例は、いかにしてある種のエステルが本発明のスキンケア組成物においてプロトン活性成分の起源となり得るかを例証することを意図する。
【0212】
以下の3つの組成物が調製された。
【0213】
1.水+50%トリアセチン。
【0214】
2.加熱された(*)大便(1:2w/w)+50%トリアセチン
3.大便(1:2w/w)+50%トリアセチン。
【0215】
*大便の酵素を失活させるのに十分な熱処理
組成物1および2は、考えられるリパーゼ活性が存在しない対照組成物である。組成物3は、リパーゼ活性を有すると考えられる。それぞれの組成物のpHは、混合直後および37℃でのインキュベーションの24時間後に測定された。表6はこの実験の結果を列挙する。
【0216】
表6
Figure 0004439728
これらの結果は、ある種のエステルは、着用者の皮膚の環境においてpHを減少させる上で有効であるプロトン供与性活性成分の起源となり得ることを明確に例証する。
【0217】
この記載の全体にわたって言及されているすべての特許、特許出願(およびそれに由来するいずれの特許、並びにいずれの対応する公開された外国特許出願)および刊行物の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本明細書において参照により組み込まれる文書のいずれかが本発明を教示または開示することは明白に受け入れられない。
【0218】
本発明の特定の態様が例示され、記載されてきたけれども、当業者にとっては、さまざまの他の変更および修正が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることは明瞭であろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲にあるそのようなすべての変更および修正をカバーすることが意図される。
【図面の簡単な説明】
明細書は本発明を特に指摘し、別に特許請求する特許請求の範囲を有するけれども、本発明は、同様の参照番号が同一の要素である以下の図面とともに以下の記載からよりよく理解されるであろうと思われる。
【図1】 図1は、おむつの形態の本発明の吸収製品の平面図である。
【図2】 図2は、ローション移行試験において用いられる皮膚類似物の配置を示す側面図である。
【図3】 図3は、ローション移行試験において用いられる皮膚類似物の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
50…おむつ
520…トップシート
530…バックシート
540…吸収性コア
550…弾性脚部カフス
560…弾性腰部要素
570…ファスナーシステム
700…テープ

Claims (7)

  1. 着用者により排出される体液の吸収および酸性レベルに前記着用者の皮膚のpHを維持することを補助するための吸収製品であって、前記吸収製品は、
    a.そのすくなくとも一部に配置されるスキンケア組成物を有する身体接触表面であって、
    i.前記スキンケア組成物は、接触、通常の着用者の動きおよび/または体温により前記身体接触表面から前記着用者の皮膚に移行可能であり、
    ii.前記スキンケア組成物はポリアクリル酸および部分的に中和されたポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種のプロトン供与性活性成分を含み、
    iii.前記スキンケア組成物は実質的に油性の材料を含む連続相を有することを特徴とする身体接触表面、
    b.液体不透過性バックシート、および
    c.前記身体接触表面と前記バックシートとの間に位置する吸収性コアとを具備する吸収製品。
  2. 前記スキンケア組成物が、0.5%ないし20%の前記プロトン供与性活性成分を含む請求項1記載の吸収製品。
  3. 前記プロトン供与性活性成分が、2.0ないし6.5のすくなくとも1つのpKaを有する請求項1記載の吸収製品。
  4. 前記スキンケア組成物が無水組成物を含む請求項1ないしのいずれか1項記載の吸収製品。
  5. 前記無水組成物がエモリエント剤と固定化剤の混合物を含み、前記エモリエント剤は好ましくは、石油系エモリエント剤、脂肪酸のシュークロースエステル、脂肪酸エステル、保湿剤、ラノリン、ラノリン誘導体、ポリシロキサンエモリエント剤およびそれらの混合物からなる群より選択され、前記固定化剤は、好ましくは、C14〜C22脂肪アルコール、C12〜C22脂肪酸、2から30の範囲の平均エトキシル化度を有するC12〜C22脂肪アルコールエトキシレート、微小結晶性ワックスを含むワックス、およびそれらの混合物からなる群より選択される請求項記載の吸収製品。
  6. 前記プロトン供与性活性成分が前記無水組成物の残りに溶解している請求項または記載の吸収製品。
  7. 前記身体接触表面が、トップシート、弾性脚部カフス、弾性腰部要素、およびサイドパネルからなる群より選択される請求項1記載の吸収製品。
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