JP4410422B2 - イミダゾリジンに基づく金属カルベンメタセシス触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
米国政府は、国立衛生研究所によって与えられた付与番号第GM31332号に従い、本発明について明確な権利を有する。
【0002】
(背景)
メタセシス触媒は、例えば、全て本明細書において援用される、米国特許第5,312,940号、第5,342,909号、第5,728,917号、第5,750,815号、第5,710,298号、及び第5,831,108号、並びに国際特許出願公開第WO97/20865号、及び第WO97/29135号において、以前に記載されている。これらの文献は、いくつかの有利な特性を有する、明確な単一成分の、ルテニウム又はオスミウム触媒について記載している。例えば、これらの触媒は様々な官能基に対して耐性を有し、以前に公知のメタセシス触媒よりも一般的に活性である。予測していなかった驚くべき結果において、これらの金属カルベン錯体中にイミダゾリジン配位子を含有させることが、これらの触媒の既に有利な特性を劇的に改善することが分かった。例えば、本発明のイミダゾリジンに基づく触媒は、閉環メタセシス(「RCM」)反応のみならず、クロスメタセシス(「CM」)反応、非環状オレフィンの反応、及び開環メタセシス重合(「ROMP」)反応を含む、他のメタセシス反応においても、増強された活性、及び選択性を示す。
【0003】
(要約)
本発明は、イミダゾリジンに基づいた配位子を有する新しいメタセシス触媒、並びにその製造方法及び使用方法に関する。本発明の触媒は、一般式
【化18】
Figure 0004410422
を有する。
【0004】
ここで、Mは、ルテニウム又はオスミウムである。
X及びX1は、それぞれ独立してアニオン配位子である。
Lは、中性電子供与配位子である。
R、R1、R6、R7、R8、及びR9は、それぞれ独立して、水素、又はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基である。随意に、R、R1、R6、R7、R8、及びR9置換基のそれぞれは、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなるグループから選択された1つ以上の部分により置換されていてもよく、さらにこれが、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルから選択された1つ以上の基によりさらに置換されていてもよい。さらに、触媒配位子のうちのいずれもさらに1つ以上の官能基を含んでいてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンが含まれるが、これらに限定されない。公知のルテニウム、又はオスミウム触媒に対してイミダゾリジン配位子を含有させることは、これらの錯体の特性を劇的に改善することが判明した。イミダゾリジン配位子は、4,5−ジヒドロ−イミダゾール−2−イリデン配位子とも呼ばれる。イミダゾリジンに基づく錯体が非常に活性であるため、必要とされる触媒の量は著しく減少される。
【0005】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本発明は、オレフィンメタセシス反応で使用されるルテニウム及びオスミウムカルベン触媒一般に関する。より詳細には、本発明は、イミダゾリジンに基づくルテニウム及びオスミウムカルベン触媒、並びにその作製方法及び使用方法に関する。「触媒」、及び「錯体」の文言は、本明細書中において交換可能に使用される。
【0006】
未修飾のルテニウム、及びオスミウムカルベン錯体は、全てが本明細書に援用される米国特許第5,312,940号、第5,342,909号、5,728,917号、5,750,815号、及び第5,710,298号に記載されている。これらの特許に開示されているルテニウム及びオスミウムカルベン錯体は全て、形式的に+2の酸化状態にあり、電子数16を有し、5配位の金属中心を有する。これらの触媒は一般式
【化19】
Figure 0004410422
を有する。
【0007】
ここで、Mは、ルテニウム、又はオスミウムである。
X及びX1は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子である。
L及びL1は、それぞれ独立して任意の中性電子供与配位子である。
R及びR1は、それぞれ独立して、水素、又は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基である。R、又はR1置換基のそれぞれは、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ及びアリールからなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、これがそれぞれさらに、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルから選択される1つ以上の基によりさらに置換されていてもよい。さらに、任意の触媒配位子は、さらに1つ以上の官能基を有していてもよい。適切な官能基の例には、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンが含まれるが、これらに限定されない。
【0008】
本発明の触媒は、L1が置換されていないか、或いは置換されているイミダゾリジン
【化20】
Figure 0004410422
であり、一般式
【化21】
Figure 0004410422
を有する錯体を生じるという点のほかは、上記の通りである。
【0009】
ここで、R6、R7、R8、及びR9はそれぞれ独立して、水素、又はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基である。イミダゾリジン配位子は、4,5−ジヒドロ−イミダゾール−2−イリデン配位子とも呼ばれる。
【0010】
本発明の触媒の好適な実施形態において、R置換基は水素であり、R1置換基は、C1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、及びアリールからなるグループから選択される。さらに好適な実施形態において、R1置換基はフェニル又はビニルであり、随意にC1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、フェニル、及び官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換されている。特に望ましい実施形態において、R1は、クロライド、ブロマイド、イオジド、フルオリド、−NO2、−NMe2、メチル、メトキシ、及びフェニルからなるグループから選択される1つ以上の部分により置換された、フェニル又はビニルである。最適な実施形態において、R1置換基はフェニル、又は−C=C(CH32である。
【0011】
本発明の触媒の好適な実施形態においては、Lは、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸塩、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチオエーテルからなるグループから選択される。さらに好適な実施形態において、Lは化学式PR345のホスフィンであり、R3、R4及びR5がそれぞれ独立してアリール、又はC1〜C10アルキル、さらに詳細には第1級アルキル、第2級アルキル、又はシクロアルキルである。最適な実施形態において、Lはそれぞれ、−P(シクロヘキシル)3、−P(シクロペンチル)3、−P(イソプロピル)3、及び−P(フェニル)3からなるグループから選択される。
【0012】
本発明の触媒の好適な実施形態において、X及びX1はそれぞれ独立して水素、ハライド、又は、C1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C1〜C20アルキルスルホニル、又はC1〜C20アルキルスルフィニルの基のうちの1つである。X及びX1は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、及びアリールからなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、さらにこれらはハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、及びフェニルから選択される1つ以上の基により置換されていてもよい。さらに望ましい実施形態において、X及びX1は、ハライド、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオール、アリールチオール、アリール、及びC1〜C5アルキルスルホネートである。さらに望ましい実施形態において、X及びX1はそれぞれ、ハライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メシレート、又はトリフルオロメタンスルホネートである。最適な実施形態において、X、X1はそれぞれ、クロライドである。
【0013】
本発明の触媒の好適な実施形態において、R6及びR7は、それぞれ独立して、水素、又はフェニルであり、或いは、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換された、シクロアルキル、又はアリールを一体となって形成する。R8及びR9は、それぞれ独立して、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基により随意に置換された、C1〜C10アルキル又はアリールである。
【0014】
より好適な実施形態において、R6及びR7は両方とも水素又はフェニルであるか、或いは、R6及びR7は一体となってシクロアルキル基を形成する。R8及びR9は、それぞれ置換されているアリールか、置換されていないアリールのいずれか一方である。理論によって拘束されることなく、より嵩高いR8及びR9基が、熱的安定性のような改善された特性を備えた触媒を生じるものと考えられている。特に望ましい実施形態においては、R8及びR9は同一であり、それぞれは独立して、
【化22】
Figure 0004410422
の化学式を有する。
【0015】
ここで、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、アリール、又は、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基である。特に望ましい実施形態において、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、及びハロゲンからなるグループから選択される。最適な実施形態において、R10、R11及びR12は同一であり、それぞれメチルである。
【0016】
本発明の最適な実施形態の例には、
【化23】
Figure 0004410422
が含まれる。
【0017】
ここで、Mesは、
【化24】
Figure 0004410422
(「メシチル」としても公知である)である。i−Prはイソプロピルである。また、PCy3は、−P(シクロヘキシル)3である。
【0018】
合成
一般的に、本発明の触媒は、イミダゾリジンを公知のルテニウム/オスミウム触媒
【化25】
Figure 0004410422
と接触させることにより、イミダゾリジンがL配位子のうちの1つを交換することにより形成される。イミダゾリジンは、あらゆる適切な方法を使用して形成してよい。
【0019】
好適な実施形態において、本発明の触媒を形成する方法は、一般式
【化26】
Figure 0004410422
を有するイミダゾリジンを、
【化27】
Figure 0004410422
と接触させることを含む。
【0020】
ここで、Mはルテニウム又はオスミウムである。
X及びX1は、それぞれ独立してアニオン配位子である。
Lは、中性電子供与基である。
R、R1、R6、R7、R8、及びR9は、それぞれ独立して、水素、又はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C1〜C20アルキルスルホニル、及びC1〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換されている。
13は、C1〜C20アルキル、或いはアリールである。
【0021】
接触させるステップは、そうすることが望ましい場合には加熱した状態で行われてもよい。典型的には、イミダゾリジンがL配位子のうちの1つを置換する置換反応は、加熱した状態において、約10分間で生じる。
【0022】
イミダゾリジンは、ジアミンを塩と接触させてイミダゾリウム塩を形成した後、このイミダゾリウム塩を塩基(アルキルオキシドが望ましい)と接触させて、
【化28】
Figure 0004410422
と反応させるために適切な形態にイミダゾリジンを形成することにより合成されてもよい。
【0023】
合成方法の一実施の形態は、以下の通りである。まず、ジケトンを第一アミン(R−NH2、ここでR8=R9)、又は複数のアミン(R8−NH2及びR9−NH2)と接触させてジイミンを形成し、その後これを還元してジアミンを形成する。
【化29】
Figure 0004410422
【0024】
好適な実施形態において、R8及びR9は同一であり、それぞれ独立して、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基により随意に置換されたC1〜C10アルキル又はアリールである。
【0025】
6及びR7が一体となってシクロアルキルを形成し、R8及びR9は同一である場合は、以下の代替のプロトコルを、本発明のジアミン中間体の形成に使用してもよい。
【化30】
Figure 0004410422
【0026】
ここで、R8=R9であるため、R’はR8及びR9の双方を示す。多数の光学活性な第一シクロアルキルジアミンが市場より入手可能であるため、このプロトコルは、光学活性なイミダゾリジン配位子を合成するために使用されてもよい。さらに、キラルのメタセシス錯体も形成可能である。
【0027】
イミダゾリウム塩を生成するため、ジアミン中間体が使用される。一実施の形態において、テトラフルオロホウ酸アンモニウムを使用してもよい。
【化31】
Figure 0004410422
【0028】
その後、イミダゾリジンを形成するべく、生じたイミダゾリウム塩を塩基と反応させる。
【化32】
Figure 0004410422
【0029】
適切な塩基の代表的な例には、t−BuOK/THF、及びMeONa/MeOHが含まれる。
【0030】
メタセシス反応
本発明の触媒は、適切なオレフィンと接触させることにより、あらゆるメタセシス反応(即ち、開環メタセシス重合、閉環メタセシス、クロスメタセシス、等)に使用してよい。あらゆるオレフィンを使用してよく、ここで使用されるオレフィンは、置換されているか、或いは置換されていないアルケンであり、炭素−炭素二重結合を有する環状化合物を含むあらゆる化合物である。公知のメタセシス触媒と異なり、本発明の錯体は、3置換及び4置換オレフィン(例えば、R12C=CR34、ここでR1,R2,R3,R4はそれぞれ独立して、水素、又は水素ではない部分)のような、高度に置換されたオレフィンや、電子求引基を有するオレフィンを伴う反応も開始可能である。
【0031】
一般的に、メタセシス反応を行う方法は、適切なオレフィンを本発明の触媒と接触させることを含む。現在までにおいて、ROMP、及び他のメタセシス反応に最も広く用いられている触媒は、
【化33】
Figure 0004410422
及び
【化34】
Figure 0004410422
である。ここで、PCy3は−P(シクロヘキシル)3であり、ArはC63−2,6−(iPR)である。モリブデン触媒8はルテニウム触媒7よりはるかに高い活性を示し、それにより、多数の立体障害を有する、又は電気的に非活性化された環状オレフィンの重合を可能とさせる。しかし、ルテニウム触媒7は、周囲条件に安定であり、はるかに広範な、アルコール、酸、及びアルデヒドのようなプロトン性、及び極性を有する官能基に耐性を有する。本発明の触媒は、錯体7及び8の双方の最良の特徴を組み合わせる。より詳細には、本発明のイミダゾリジン触媒は、モリブデン錯体8の活性に匹敵し、多くの場合において超過しながら、ルテニウム錯体7の安定性及び官能基相容性を維持する。
【0032】
本発明の触媒の増強された特性は、一連の実験によって示される。例えば、表1は、非環状オレフィンとのいくつかの閉環メタセシス反応において、本発明の代表的な触媒(1及び2)を錯体7と比較している代表的な結果を含んでいる。
【表1】
Figure 0004410422
【0033】
表に見られるように、ジエチルジアリルマロネートエステル(エントリ1)の閉環は、錯体1及び2の双方では40℃において10分未満で完了するが、錯体7は約30分を要する。錯体1及び2の増加した活性は、より立体的に不利なオレフィンを伴うRCM反応において最も明白である。例えば、2−tert−ブチルジエチルジアリルマロネートエステル(エントリ3)は、5モル%の触媒1により1時間で、5モル%の触媒2により12時間で環化可能である一方、5モル%の触媒7による対応する反応は、有意量の環化生成物を全く生成しない。同様に、4置換オレフィン(エントリ4及び5)は、錯体1及び2を使用して普通程度から優れた収率において生成可能である。
【0034】
表2は、錯体7及び8を含む、公知のメタセシス触媒における同一のRCM実験の結果を示す。
【表2】
Figure 0004410422
【0035】
錯体1及び2は錯体7よりもはるかに反応性が高いため、RCM反応における、より少ない触媒装填量の使用が調査された。表1に列挙された反応条件下におけるジエチルジアリルマロネートの閉環は、基体に対して触媒(1又は2)を0.1,0.05,0.01モル%使用して行われた。第1のケースにおいては、1時間以内の定量的変換が両方の触媒で観察された。第2のケースは、1(1時間)においては変換が定量的であり、2(3時間)においては94%であった。第3のケースでは、変換はほとんど0であり、このことは、0.01モル%がこの種のRCM反応のための触媒装填量の下限であることを示している。
【0036】
本発明の触媒はROMP反応にも有用である。一般的に、この方法は触媒を環状オレフィンに接触させることを伴う。環状オレフィンの基体は、単一の環状オレフィンであるか、或いは複数の環状オレフィンの組合せ(即ち、2つ以上の異なる環状オレフィンの混合物)であってもよい。環状オレフィンは歪みを有していても有していなくてもよく、単環状又は多環状であり、ヘテロ原子、及び/又は1つ以上の官能基を随意に有していてもよい。適切な環状オレフィンには、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロドデセン、7−オキサノルボルネン、7−オキサノルボルナジエン、及びこれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。適切な官能基の例示には、ヒドロキシル、チオール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、及びハロゲンが含まれるが、これらに限定されない。好適な環状オレフィンには、ノルボルネン及びジシクロペンタジエン、及びこれらのそれぞれの同族体及び誘導体が含まれる。最適な環状オレフィンは、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)である。
【0037】
ROMP反応は、溶媒がある状態とない状態のいずれにおいて生じていてもよく、随意に製剤補助剤を含んでいてもよい。公知の補助剤には、静電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、染料、顔料、充填材、強化繊維、潤滑剤、接着促進剤、粘性増加剤、及び離型促進剤が含まれる。光学物理特性、機械特性、及び電気特性を改善するための充填材の例示には、粉末、ビーズ、及びファイバ形状のガラスや石英、金属及び半金属の酸化物、カーボネート(即ち、MgCO3、CaCO3)、ドロマイト、金属硫化物(例えばセッコウやバライト)、天然及び人工ケイ酸塩(即ち、ゼオライト、珪灰石、長石)、炭素繊維、及びプラスチックの繊維若しくは粉末が含まれる。
【0038】
本発明の触媒のROMP反応における利用は、endo−及びexo−DCPDの双方の重合により実証された。純粋なDCPDを触媒1に曝す(10,000:1)ことは、数秒以内に、硬く、高度に架橋された物質を生じた。実際には、高品質poly−DCPD生成物を形成するために、130,000:1まで少ない触媒装填量が使用された。対照的に、7のような公知のルテニウム、及びオスミウム触媒は、同様なpoly−DCPD生成物を得るために7,000:1の装填量を必要とした。
【0039】
連鎖移動ROMPによるテレケリックポリブタジエンの合成によって実証されるように、本発明の触媒は、歪みを有しない環状オレフィンの重合においても非常に活性である。例えば、約12,000:1(モノマー対触媒1)触媒装填量において、テレケリックポリマーの収率は、はるかに低いモノマー対触媒比である2,000:1におけるbis−ホスフィン錯体7を使用する場合(50%)よりも高い(65%)。
【0040】
高い活性は、非環状オレフィンのクロスメタセシスにおいても観察された。例えば、2により触媒作用が及ぼされた9−デセン−1−イルベンゾエートのcis−2−ブテン−1,4−ジオールジアセテートとのクロスメタセシスは、対応するbis−ホスフィン錯体7が使用されたとき(E:Z=4.7:1)に比較して、高い収率(80%)及びより高い割合でトランス異性体(E:Z=9:1)を与えた。
【0041】
実施例1)
イミダゾリジン配位子の合成プロトコルの代表的な例は、以下のようである。他のイミダゾリジン配位子は同様に形成される。
【0042】
1,2−ジメシチルエチレンジイミンの生成
300mL丸底フラスコに、アセトン(50mL)、水(100mL)及びメシチルアミン(10.0g、74mmol)が充填された。溶液が0℃に冷却され、40%グリオキサール水溶液(5.38g、37mmol)がゆっくり加えられた。反応混合物は、時間をかけて室温に暖められ、さらに8時間攪拌された。形成された黄色沈殿物は濾過され、冷たいアセトンにより簡単に洗浄され、風乾して1,2−ジメシチルエチレンジイミンを生じた。
【0043】
1,2−ジメシチルエチレンジアミンの生成
(a)H2、Pd/Cによる場合
50mL丸底フラスコに、1,2−ジメシチルエチレンジイミン(300mg、1.01mmol)及びエタノール(20mL)を充填した。10%Pd/C(30mg)が加えられ、水素バルーンが針を介して取り付けられた。TLCは、4時間以内に完全な点対点の変換を示した。Pd触媒は濾過され、揮発性物質は減圧吸引されて、1,2−ジメシチルエチレンジアミンを生じた。
【0044】
(b)NaCNBH3による場合
300mL丸底フラスコに、1,2−ジメシチルエチレンジイミン(3.8g、13mmol)、メタノール(100mL)及びNaCNBH3(4.92g、78mmol)を充填した。pH4未満を維持するため、濃縮HC1が滴下され、反応物は20時間(一晩)室温において攪拌された。その後、溶液は、50mLの水により希釈され、NaOHにより塩基性にされ、CH2Cl2と共に完全に抽出された。有機層はMgSO4上において乾燥され、濾過され、溶媒は減圧下において除去されて1,2−ジメシチルエチレンジアミンが生成された(収率95%)。
【0045】
1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロ−テトラフルオロホウ酸イミダゾリウムの生成
丸底フラスコに、1,2−ジメシチルエチレンジアミン(3.8g、12.8mmol)、オルトギ酸トリエチル(15mL)、及びテトラフルオロホウ酸アンモニウム(1.35g、12.8mmol)を充填した。反応混合物は、120℃において、TLCが完全な変換を示す時間である、4時間攪拌された。揮発性物質は減圧下において除去され、生成物は生成された状態で使用されるか、又はエタノール/ヘキサンからの再結晶によりさらに精製可能である。
【0046】
実施例2)
Cl2Ru(=CHPh)(PCy3)(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロ−2−イミダゾール)の合成
本発明の対応するイミダゾリジン触媒(「錯体1」)を生成するために、例1において詳細に記載されたように合成されたイミダゾリジン配位子が使用される。磁気撹拌棒を備え、フレーム乾燥された100mLシュレンクフラスコに、1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロ−テトラフルオロホウ酸イミダゾリウム(394mg、1.0mmol、1等量)、及び乾燥THF(20mL)を窒素雰囲気下において充填した。この懸濁液に対し、tert−ブトキシドカリウム(122mg、1.0mmol、1等量)が、室温において時間をかけて添加された。テトラフルオロホウ酸塩は直ちに溶解して、黄色の溶液を生じた。反応混合物は、室温において1時間攪拌され、続いて、アルゴン下において、他の乾燥した100mLシュレンクフラスコにカニューレを介して移動させた。溶媒は高圧下において蒸発させ、その後乾燥ベンゼン(25mL)、及びRuCl2(=CHPh)(PCy32(700mg、0.85mmol、0.85等量)が添加された。反応混合物は80℃において90分間加熱された。NMRにより反応の完了が指示されたときに、揮発性物質が高圧下で除去され、残留物は乾燥メタノールにより洗浄されて(20ml×4)、収率56%においてピンク色を帯びた褐色の微結晶固形物(404mg)を生じた。1H NMR(CD2Cl2,400MHz)δ 19.16(s,1H)、7.37〜7.05(m,9H)、3.88(s,4H)、2.56〜0.15(m,51H);31P NMR(CD2Cl2,161.9MHz)δ31.41;HRMS(FAB)C4565Cl2
2PRu[M+]848.3306、実測値 848.3286。
【0047】
実施例3)
錯体2の合成
本発明の触媒(錯体2)を形成する合成プロトコルの第2の例は以下の通りである。1,3−ジメシチル−trans―テトラフルオロホウ酸ヘキサヒドロベンゾイミダゾリウム(272mg、0.61mmol、1.0等量)が、不活性雰囲気下において、無水テトラヒドロフラン(「THF」、5mL)に懸濁された。この懸濁液に対し、tert−ブトキシドカリウム(「KOtBu」)が添加された(65mg、0.61mmol、1.0等量)。KOtBuの添加により直ちにテトラフルオロホウ酸塩は完全に溶解し、反応混合物は黄色に変色した。錯体7、即ちRuCl2(=CHPh)(PCy32(400mg、0.49mmol)は、無水ベンゼン(15mL)中への溶液として反応混合物に加えられた。反応混合物は80℃において80分間油浴中で加熱され、この時間において1H NMRスペクトルは、95:5の生成物(錯体2)対錯体7の比を示した。揮発性物質が減圧下で除去され、残留物は不活性雰囲気中において無水ペンタンにより洗浄されて(4×20ml)、収率61%においてピンク色を帯びた褐色の微結晶固形物として純粋な生成物を生じた(270mg、0.3mmol)。スキーム1は、錯体1及び3と共に、錯体2についてのこのプロトコルを示す。
(スキーム1)
【化35】
Figure 0004410422
【0048】
実施例4)
下記は、いくつかの一般的なメタセシス反応の代表的なプロトコルである。
【0049】
RCM反応
錯体1(42mg、50μmol、0.05等量)が、ジエチルジアリルマロネート(240mg、1mmol、1等量)のメチレンクロライド(20mL、0.05M)溶液に加えられた。反応混合物は油浴(45℃)上で5分間環流され、この時間において1H NMRはシクロペンタ−3−エン−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステルへの100%の変換を示した。
【0050】
クロスメタセシス反応
錯体2(11mg、12μmol、0.023等量)は、メチレンクロライド(2.5mL、0.21M)中の9−デセン−1−イルベンゾエート(145μL、0.525mmol、1等量)及びcis−2−ブテン−1,4−ジオールジアセテート(160μL、1.014mmol、1.93等量)混合物に加えられた。3.5時間環流した後に、混合物は、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製され、無色透明の油としてクロスメタセシス生成物を生成した(140mg、収率80%、E:Z=9:1)。
【0051】
DCPDとのROMP反応
少量のCH2Cl2(100μL)の中の錯体1(6.5mg、7.5μmol、1等量)が、攪拌されている純粋なジシクロペンタジエン(exo−,endo−異性体の混合物)(10.0g、75.6mmol、10,000等量)に加えられた。数秒間の内に、反応混合物は次第に粘性を有するようになり、顕著に加温され、その後直ちに凝固した。冷却により、無臭、かつほぼ無色の固体が得られた。
【0052】
テレケリック合成
錯体1(3.1mg、3.7μmol、1等量)は、シクロオクタジエン(5.00g、46.2mmol、12,500等量)、及び1,4−ジクロロ−cis−2−ブテン(1.16g、9.28mmol、2,500等量)の攪拌された混合物に加えられた。8時間後に、反応混合物はメチレンクロライド(1mL)により希釈され、過剰のメタノールに流入され、白色固形物としてジクロロ−テレケリックポリブタジエンを析出した(4.0g、収率65%)。
【0053】
5,6−ジヒドロキシシクロオクテンの重合
窒素を充填したドライボックス中において、小型ガラス瓶に、触媒 2mg(1等量)、5,6−ジヒドロキシシクロオクテン150mg(1000等量)、及びベンゼン0.25mLを充填した。ガラス瓶は水密に栓がされ、乾燥箱から除去され、50℃に設定された定温の油浴に沈められた。10時間後に、黄色を帯びた粘着性の油が生成された。テトラヒドロフランを添加すると、白色ゲルが分離し、これはあらゆる一般的な有機溶媒に不溶性であることが判明した。残留物である未反応モノマーは、1H NMRによりテトラヒドロフラン層に検出されることがある。
【0054】
実施例5)
本発明の触媒の有利な特性をより明確に評価するために、歪みの少ない環状オレフィンであるcis,cis−シクロオクタ−1,5−ジエン(「COD」)及びcis−シクロオクテン(「COB」)と、本発明の触媒1,6
【化36】
Figure 0004410422
とのROMP反応、及び代表的な先行技術の触媒である、Ar=C63−2,6−(iPR)としたときの
【化37】
Figure 0004410422
(「触媒8」)、及びR=Mesとしたときの
【化38】
Figure 0004410422
(「触媒9」)とのROMP反応が比較された。モリブデン触媒8はストレムケミカルズ(Strem Chemicals)から購入され、使用前に、−40℃においてペンタンから再結晶された。ROMP速度論実験においては、COD、COE及びCD2Cl2はCaH2から蒸留され、使用前にアルゴンが通気された。重合は全て窒素雰囲気下において行われた。
【0055】
COD及びCOEのROMPにはそれぞれの触媒により触媒作用が及ぼされ、1H NMR分光法を使用して、ポリマーに変換されたモノマーの割合を経時的に追跡した。図1及び2に示されるように、触媒1を使用した20℃における重合速度はモリブデン触媒8よりも著しく高かった。図3に示されるように、触媒6及び9を使用した55℃における重合速度も、モリブデン触媒8の速度よりも高かった。触媒1及び6から生じる成長種は同一であるため、これらの間で観察された重合速度の差は開始速度によるものと考えられている。より嵩高いベンジリデンは、ホスフィン解離を促進することによりジメチルビニルカルベンの相当物より開始を大幅に促進すると考えられる。従来の研究は、アルキリデンのエレクトロニクスが開始速度に対して比較的小さな影響を有することを示している。
【0056】
触媒9のようなイミダゾールに基づいた触媒及び本発明のイミダゾリンに基づいた触媒は、構造上類似しているように見えることがあるが、これらは、五員環の電子的特性の差により大幅に異なる化学的特性を有する。例えば、
【化39】
Figure 0004410422

【化40】
Figure 0004410422
との間の化学的な相違は
【化41】
Figure 0004410422

【化42】
Figure 0004410422
との間の相違と同等に有意である。
【0057】
実施例6)
本発明の触媒は、非常に低い触媒の添加量(モノマー/触媒=100,000までの)において、シクロオクタジエン、シクロオクテン、及び多数の官能化され、立体障害を有する誘導体を含む、様々な歪みが少ない環状オレフィンを重合可能である。代表的な結果が表3に示される。
【表3】
Figure 0004410422
【0058】
高い温度(55℃)は、反応時間を縮小しながら、ポリマーの収率を全般的に増加させた。連鎖移動剤の役割を果たす非環状オレフィンを含有させることにより分子量が制御された。CTAの添加は、例えばCOBのようなモノマーを開環することにより不溶性ポリマーが大量に得られる場合に、望ましい。主鎖にアルコール、又は酢酸エステルを有するポリマーも、5−ヒドロキシ、又は5−アセトキシ−シクロオクテンのような官能化されたモノマーを使用して生成可能である。これらのポリマーの官能基は、グラフト共重合体、或いは側鎖液晶ポリマーを形成するべく容易に誘導体化することが可能である。一般に、1H NMR分光法は、これらのポリマーにおいて主にtrans−オレフィン(70〜90%)ミクロ構造を示した。連鎖移動反応が生じる平衡が制御された重合において予想された通りに、より長い重合時間は、より高いtrans−オレフィン値に帰着した。
【0059】
実施例7)
歪みが高いモノマーである、exo,exo−5,6−bis(メトキシメチル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンは、連鎖移動剤として1,4−ジアセトキシ−2−ブテンの存在下において触媒1を使用したROMP反応により重合された。
反応はC24Cl2中において55℃で24時間行わ
れ、bis−(アセトキシ)により終端されたポリマーを80%の収率において生じた(Mn=6300、PDI2.0)。他の方法を使用しては、高度に歪みを有するモノマーから構成されたテレケリックポリマーを得ることが比較的困難なため、この結果は特に顕著である。例えば、触媒8のタングステン類似体を使用するメタセシス劣化アプローチが、テレケリックpoly(オキサノルボルネン)及びpoly(ノルボルネン)を生成するために使用された。しかし、タングステン触媒が官能基に対して耐性を有することにおける限定された能力が、使用される可能性がある連鎖移動剤の種類に対して厳しい制限を課するため、このアプローチに対して所定のテレケリックポリマーのみが受容可能である。代替手段として、「パルス付加」アプローチが触媒7及び8において使用された。しかし、モノマー、及び/又はCTAを、注意深く時間を計って添加しなければならないため、このアプローチは実行が比較的困難であり、工業用途に対しては容易に受容可能ではない。
【0060】
実施例8)
立体障害を有し、歪みが小さく、2置換された環状オレフィンである、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンは触媒1を使用して重合された。本研究において使用される1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンは、分離不能の混合物として1,6−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン(20%)を含有していた。ROMP反応は、55℃、モノマー/触媒比1000において行われ、Mn10,000、PDI2.3を有するpoly(イソプレン)を90%の収率で生じた。知識の限りでは、この例が、このモノマーの第1のROMPを示す。水素源としてp−トルエンスルホンヒドラジドを使用するこの後の水素化は、定量的な収率(NMR分析によって決定されたもの)において、エチレン‐プロピレン共重合体を与えた。以前は、メタセシスのルートにより同様の共重合体を得るのに6段階の合成を要した。
【0061】
生じるエチレン‐プロピレン共重合体は、1,5−ジメチル−1−5−シクロオクタジエン出発物質中の不純物のために「完全に」は変化されていなかった。しかし、副生成物として3置換されたアルキリデンが観察されなかったため、より高いグレードの1,5−ジメチル−l−5−シクロオクタジエンが使用された場合には、末端から末端まで完全に変化されたミクロ構造を有するpoly(イソプレン)生成物が形成された可能性が高い。その結果、本発明の実施により、完全に変化したエチレン−プロピレン生成物を生じることが可能であった。
【0062】
実施例9)
2−メチル−1−ウンデセン(110μL、0.5 mmol)、及び5−ヘキセニル−1−アセテート(170μL、1.0 mmol)は、シリンジを介して、CH2Cl2(2.5mL)中の錯体1(20mg、0.024mmol、4.8mol%)の攪拌された溶液に同時に加えられた。フラスコは凝縮器を備え、窒素雰囲気下において12時間還流された。その後、反応混合物は体積が0.5mlまで減少され、ヘキサン:エチルアセテート9:1で溶出するシリカゲルカラム(2×10cm)上で直接精製された。透明な油が得られた(83mg、収率60%、125.0及び124.2ppmにおけるアルケン13Cピークの相対強度によって決定されるトランス/シス 2.3:1)。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm):5.08(1H、t、J=2.0Hz)、4.04(2H、t、J=6.0Hz)、2.03(3H、obs s)、2.01〜1.91(2H、m)、1.69〜1.59(2H、m)、1.56(3H、obs s)、1.47〜1.05(16H、broad m)、1.05〜0.84(3H、t、J=6.8Hz) 13C NMR(75MHz、CDCl3、ppm):171.7、136.7、136.4、125.0、124.2、123.3、65.1、40.3、32.5、32.3、30.2、29.9、28.8、28.6、28.5、28.0、26.7、23.2、21.5、16.4、14.7。Rf=0.35(9:1 ヘキサン:エチルアセテート);C18342[M]のHRMS(EI)計算値 282.2559、実測値 282.2556。
【0063】
実施例10)
9−デセン−1(tert−ブチルジメチルシラン)−イル(330μL、1.0mmol)及びメチルメタクリレート(55μl、0.51mmol)は、シリンジを介して、CH2Cl2(2.5ml)中の錯体1(21mg、0.026mmol、5.2mol%)の攪拌された溶液に同時に加えられた。フラスコは凝縮器を備え、窒素下において12時間環流された。その後、反応混合物は体積が0.5mlまで減少され、ヘキサン:エチルアセテート9:1で溶出するシリカゲルカラム(2×10cm)上で直接精製された。粘性を有する油が得られた(110mg、収率62%、1H及び13C NMRスペクトルにおいてtrans異性体のみが検知された)。1H NMR(300MHz、CDCl3、ppm):δ6.75(1H、m)、3.71(3H、s)、3.57(2H、t、J=6.3Hz)、2.14(2H、m)、1.81(3H、app s)、1.50〜1.05(12H、broad m)、0.87(9H、s)、0.02(6H、s)。13C NMR(75MHz、CDCl3、ppm):δ169.2、143.2、128.0、63.8、52.1、33.4、30.0、29.8、29.2、29.1、26.5、26.3、18.9、12.9。Rf=0.81(9:1 ヘキサン:エチルアセテート);C19383[M+H]+のHRMS(EI)計算値 343.2668、実測値 343.2677。元素分析 計算値 C:66.61、H:11.18;実測値: C:66.47、H:11.03。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的な触媒のCODの1H NMR分光法により決定されるROMP活性を公知のメタセシス触媒と比較するグラフ。反応は、20℃、CD2Cl2溶媒、モノマー/触媒比300、及び触媒濃度0.5mMにおいて行われた。
【図2】 本発明の代表的な触媒のCOEの1H NMR分光法により決定されるROMP活性を公知のメタセシス触媒と比較するグラフ。反応は、20℃、CD2Cl2溶媒、モノマー/触媒比300、及び触媒濃度0.5mMにおいて行われた。
【図3】 本発明の代表的な触媒の高温におけるCODの1H NMR分光法により決定されるROMP活性を公知のメタセシス触媒と比較するグラフ。反応は、55℃、CD2Cl2溶媒、モノマー/触媒比300、及び触媒濃度0.5mMにおいて行われた。

Claims (38)

  1. Figure 0004410422
    の化学式を有する化合物において、
    Mはルテニウム又はオスミウムであり、
    X及びXは、それぞれ独立してアニオン配位子であり、
    Lは、中性電子供与基であり、
    R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C〜C20アルコキシカルボニル、C〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C〜C20アルキルスルホニル、及びC〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、前記、Rは置換された若しくは置換されていないシクロアルキル基又はアリール基を一体となって形成している場合もある、化合物。
  2. Mはルテニウムであり、
    L及びLは、それぞれ独立して、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸塩、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン、及びチオエーテルからなるグループから選択され、
    X及びXは、それぞれ独立して、水素、ハライド、又はC〜C20アルキル、アリール、C〜C20アルコキシド、アリールオキシド、C〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネート、C〜C20カルボキシレート、アリールスルホネート、C〜C20アルキルスルホネート、C〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C〜C20アルキルスルホニル、及びC〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びハライドからなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換されている請求項1に記載の化合物。
  3. Mはルテニウムであり、
    X及びXは、それぞれ独立して、ハライド、CFCO、CHCO、CFHCO、(CHCO、(CF(CH)CO、(CF)(CHCO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メシレート、及びトリフルオロメタンスルホネートからなるグループから選択され、
    Lは化学式PRのホスフィンであり、R、R及びRがそれぞれ独立してアリール、C〜C10アルキル、又はシクロアルキルであり、
    Rは水素であり、
    は、フェニル又はビニルであり、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換される請求項1に記載の化合物。
  4. X及びXはそれぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    はフェニル、又は−C=C(CHである請求項3に記載の化合物。
  5. 及びRは、シクロアルキル、又はアリールを一体となって形成する請求項4に記載の化合物。
  6. 及びRは、シクロペンチル、又はシクロヘキシルの部分を一体となって形成する請求項4に記載の化合物。
  7. 及びRは、同一であり、水素、又はフェニルである請求項4に記載の化合物。
  8. 及びRは、それぞれ独立して置換されているか、置換されていないアリールである請求項4に記載の化合物。
  9. 及びRは、同一であり、フェニルである請求項4に記載の化合物。
  10. 及びRは、それぞれ独立して
    Figure 0004410422
    の化学式を有し、
    ここで、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、又は、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基である請求項4に記載の化合物。
  11. 10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、メチル、又はイソプロピルである請求項10に記載の化合物。
  12. Figure 0004410422
    の化学式を有する化合物において、
    X及びXは、それぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    Rは水素であり、
    は、フェニル又はビニルであり、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、フェニルであり、或いは、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換された、シクロアルキル、又はアリールを一体となって形成し、
    及びRは、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基により随意に置換されたC〜C10アルキル又はアリールである化合物。
  13. 及びRは、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はハロゲンにより随意に置換されたシクロアルキル、又はフェニルである請求項12に記載の化合物。
  14. 及びRは、それぞれ独立して、
    Figure 0004410422
    の化学式を有し、
    ここで、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、又は、ヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基である請求項12に記載の化合物。
  15. 10、R11及びR12は、同一であり、それぞれメチルである請求項14に記載の化合物。
  16. Figure 0004410422
    からなるグループから選択される請求項12に記載の化合物。
  17. Figure 0004410422
    の化学式を有する化合物において、
    X及びXは、それぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    Rは水素であり、
    はフェニル、又は−C=C(CHであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、又はフェニルであるか、或いは一体となってシクロペンチル、又はシクロヘキシルを形成し、
    及びRは、それぞれ独立して、
    Figure 0004410422
    の化学式を有し、
    ここで、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、及びハロゲンである化合物。
  18. Figure 0004410422
    を、
    Figure 0004410422
    と接触させることを含む、
    Figure 0004410422
    の化学式を有する化合物の製造方法において、
    Mはルテニウム又はオスミウムであり、
    X及びXは、それぞれ独立してアニオン配位子であり、
    Lは、中性電子供与基であり、
    R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C〜C20アルコキシカルボニル、C〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C〜C20アルキルスルホニル、及びC〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、前記R 、R は置換された若しくは置換されていないシクロアルキル基又はアリール基を一体となって形成している場合もあり、13は、C〜C10アルキル、又はアリールである製造方法。
  19. Mはルテニウムであり、
    X及びXはそれぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    Rは水素であり、
    はフェニル、又は−C=C(CHであり、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、又はフェニルであるか、或いは一体となってシクロペンチル、又はシクロヘキシルを形成し、
    及びRは、それぞれ独立して、置換されているか、置換されていないアリールである請求項18に記載の方法。
  20. 13がt−ブチルである請求項19に記載の方法。
  21. Mはルテニウムであり、
    X及びXはそれぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    Rは水素であり、
    はフェニル、又は−C=C(CHであり、
    及びRは、一体となってシクロアルキル基を形成し、
    及びRは、同一であり、それぞれ
    Figure 0004410422
    の化学式を有し、
    ここで、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、及びハロゲンである請求項18に記載の方法。
  22. Figure 0004410422
    が光学活性である請求項21に記載の方法。
  23. Figure 0004410422
    の化学式を有する化合物をイミダゾリジンと接触させることにより該イミダゾリジンがL配位子のうちの1つを交換することを含むメタセシス触媒の製造方法において、
    Mはルテニウム又はオスミウムであり、
    X及びXは、それぞれ独立してアニオン配位子であり、
    Lは、中性電子供与基であり、
    R及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C〜C20アルコキシカルボニル、C〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C〜C20アルキルスルホニル、及びC〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換されている製造方法。
  24. 第2ジアミンをテトラフルオロホウ酸アンモニウムと接触させてイミダゾリウム塩を形成し、
    前記イミダゾリウム塩をアルキルオキシドと接触させてイミダゾリジンを形成することにより、前記イミダゾリジンが形成される請求項23に記載の方法。
  25. ジケトンをアミンと接触させてジイミンを形成し、該ジイミンを水素化することにより第2ジアミンを形成することにより、前記第2ジアミンが形成される請求項24に記載の方法。
  26. 前記アルキルオキシドがt−ブトキシドである請求項24に記載の方法。
  27. 前記イミダゾリジンは、
    Figure 0004410422
    の化学式を有し、
    ここで、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C〜C20アルコキシカルボニル、C〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C〜C20アルキルスルホニル、及びC〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、前記R 、R は置換された若しくは置換されていないシクロアルキル基又はアリール基を一体となって形成している場合もあり、
    13は、C〜C10アルキル、又はアリールである請求項24に記載の方法。
  28. Mはルテニウムであり、
    X及びXは、それぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    Rは水素であり、
    は、フェニル又はビニルであり、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換されている請求項27に記載の方法。
  29. はフェニル、又は−C=C(CHであり、R13はt−ブトキシドである請求項28に記載の方法。
  30. 及びRは、それぞれ独立して、水素、フェニルであり、或いは、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換される、シクロアルキル、又はアリールを一体となって形成し、
    及びRは、それぞれ独立して、置換されているアリール、又は置換されていないアリールのいずれか一方である請求項28に記載の方法。
  31. 及びRは、それぞれ独立して、
    Figure 0004410422
    の化学式を有し、
    ここで、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシル、及びハロゲンである請求項30に記載の方法。
  32. オレフィンを、
    Figure 0004410422
    の化学式を有する化合物と接触させることを含む、メタセシス反応の実行方法において、
    Mはルテニウム又はオスミウムであり、
    X及びXは、それぞれ独立してアニオン配位子であり、
    Lは、中性電子供与基であり、
    R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、又はC〜C20アルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、アリール、C〜C20カルボキシレート、C〜C20アルコキシ、C〜C20アルケニルオキシ、C〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C〜C20アルコキシカルボニル、C〜C20アルキルチオール、アリールチオール、C〜C20アルキルスルホニル、及びC〜C20アルキルスルフィニルからなるグループから選択された置換基であり、該置換基は、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、前記R 、R は置換された若しくは置換されていないシクロアルキル基又はアリール基を一体となって形成している場合もある、方法。
  33. Mはルテニウムであり、
    X及びXは、それぞれクロライドであり、
    Lは、−P(シクロヘキシル)、−P(シクロペンチル)、−P(イソプロピル)、及び−P(フェニル)からなるグループから選択され、
    Rは水素であり、
    は、フェニル又はビニルであり、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換され、
    及びRは、それぞれ独立して、水素、フェニルであり、或いは、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基からなるグループから選択される1つ以上の部分により随意に置換される、シクロアルキル、又はアリールを一体となって形成し、
    及びRは、それぞれ独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アリール、及びヒドロキシル、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメート、及びハロゲンからなるグループから選択される官能基により随意に置換されたC〜C10アルキル又はアリールである請求項32に記載の方法。
  34. 前記化合物は、
    Figure 0004410422
    からなるグループから選択される請求項32に記載の方法。
  35. 前記オレフィンは環状オレフィンである請求項33に記載の方法。
  36. 前記オレフィンは環状、又は非環状である請求項32に記載の方法。
  37. 前記オレフィンは少なくとも1つの電子求引基を有する請求項32に記載の方法。
  38. L、R、R、X、及びXからなるグループから選択される少なくとも1つの部分は、2座、又は多座配位子群を形成するべく、L、R、R、X、及びXからなるグループから選択される他の少なくとも1つの部分と結合している請求項1に記載の化合物。
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