JP4379243B2 - 画像形成方法、画像形成装置、電子写真感光体、画像形成ユニット - Google Patents

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Description

画像形成方法、画像形成装置、それに用いる電子写真感光体、画像形成ユニットに関する。
近年カラー複写機やカラープリンタにおいても、カラー画像を求める傾向が強くなってきている。実用的に価値の高いカラー画像形成方法を通常よく用いられる呼称で大別すると、転写ドラム方式、中間転写方式、KNC方式(感光体上に多色重ね合わせ画像を作り一括転写する方式)、タンデム方式の4種類が挙げられる。
無論これらは異なる観点から付けられた呼称であるから、例えば中間転写方式であり且つタンデム方式といったものが当然存在する。
タンデム方式のカラー画像を形成する画像形成方法の一形態として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したそれぞれの電子写真感光体(以後、単に感光体ともいう)表面にトナー像を形成し、各トナー像を転写材上で重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成方法が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
このタンデム方式のカラー画像形成方法は、複数の画像形成ユニットで形成される色相の異なるトナー像を転写材上に重ね合わせてカラー画像を形成するので、高速でカラー画像を形成できる電子写真方式の画像形成装置を開発するのに適している。
このタンデム方式のカラー画像形成では、トナー画像を各画像形成ユニットの感光体から転写材(以下、記録紙ともいう)へ直接転写しトナー像を重ね合わせる為に、トナー像の転写不良に伴う画像欠陥が発生しやすい。
例えば、感光体から転写材へのトナーの転写では、転写材の種類によっては転写不良が発生しやすく、画像濃度の低下、転写抜け、転写はじきに伴う文字チリ等の画像不良が発生し、その結果、鮮鋭性が低下したカラー画像と成りやすい。
このら画像欠陥の原因となる転写性を改善するために、感光体の表面層に微粒子を含有させて、表面に凹凸をつけ、感光体表面のトナーの付着力を低減し、転写性を改良するなどの技術が検討されてきた。例えば、感光層にアルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子を含有させることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、アルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子は吸湿性があり、高湿環境下では感光体の表面の濡れ性、即ち表面エネルギーが大きくなり、転写性が低下しやすいといった問題が発生する。一方、感光体表面を低表面エネルギー化するために、フッ素樹脂粉体を含有させた電子写真感光体が報告されている。しかしながらフッ素樹脂粉体では十分な表面強度が得られず、感光体表面の傷に起因したスジ故障は発生し易く、画像ボケも発生しやすいという問題があった(例えば、特許文献3参照。)。
即ち、タンデム方式で、電子写真感光体から転写材へ直接トナー像を転写するカラー画像形成方式では、カラー画像で目立ちやすい画像濃度の低下、転写抜けや文字チリ等の画像欠陥を防止するためには、前記した感光体の改善だけでは不十分であり、感光体から転写材へのトナー像の転写性をさらに改善し、トナー像を転写材上に画像欠陥が生じないよう転写することが必要である。
また、最近では、電子写真方式の画像技術は、わざわざ版を起こす手間がないというメリットから軽印刷の分野でも注目されており、小規模な注文に対して必要な冊数だけを提供するプリント・オンデマンド方式の画像形成方式にも展開されている。
この様な印刷分野では、画像形成に使用される紙の種類(例えば、厚紙、コート紙)が従来の複写機やプリンタで使用される場合に比べ大幅に増えることになり、あらゆる紙種に対して良好な転写性が要求される。
厚紙やコート紙でも良好な画像を得るため、紙種に応じて補助手段に印加するバイアスを変更して対応する画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、印加バイアスを変更しても、公知の感光体を用いた画像形成方法では、転写性が悪いため感光体表面のトナー像をあらゆる紙種(例えば、厚紙、コート紙等)へ安定して転写することができず良好なカラー画像を得ることは困難であった。軽印刷の分野に展開するには、あらゆる紙種に対して良好な画像が得られる画像形成方法の登場が待たれている。
特開2001−222129号公報 特開平5−181291号公報 特開昭63−56658号公報 特開2003−280456号公報
本発明は、優れた転写性能を有する感光体を用いることにより、画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を感光体から転写材上に順次重ね合わせて転写しても、高画像濃度で文字チリのないトナー画像が得られ、且つ、コート紙や厚紙等、従来技術では転写が難しく良好なトナー画像が得られにくかった紙種でも良好な画像が得られる画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.少なくとも電子写真感光体、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて該電子写真感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を電子写真感光体上から転写材上に順次重ね合わせて転写してカラートナー画像を形成し、該カラートナー画像を定着してカラー画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体は電荷輸送物質を含有し、該電荷輸送物質が下記一般式(1)の化学構造を有し、nを基準とした分布を持つ混合化合物の最大成分の化合物の組成比をx、2位成分の化合物の組成比をyとしたときに、x+yが80.2%以下であることを特徴とする画像形成方法。
一般式(1)
X−(CTM基)n−Y
上記一般式(1)中、CTM基は電荷輸送性基であり、X、Yは下記の一般式Aの化学構造を表す。又、nは〜10の整数を示す。
Figure 0004379243
前記一般式A中、Arは1価のメチル基又はメトキシ基で置換された芳香族基、又は無置換の芳香族基を示し、Arは2価の置換、無置換の芳香族基、2価のフラン基又はチオフェン基又は下記一般式(2)を示し、R〜Rは水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は下記一般式(3)の基を示す。但し、ArとRは互いに結合して環を形成してもよい。又、複数のAr、R、R、Rは互いに異なっていてもよい。p、qは各々0又は1の整数を表す。
Figure 0004379243
一般式(2)中、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、又は−C(R)(R)−であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、RとRが互いに結合してアルキレン環を形成してもよい。
Figure 0004379243
一般式(3)中、Xは単結合、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、Rは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換の芳香族基を示す。
2.複数の画像形成ユニットは4つの画像形成ユニットであり、ブラック色系トナーを有する画像形成ユニット、イエロー色系トナーを有する画像形成ユニット、マゼンタ色系トナーを有する画像形成ユニット及びシアン色系トナーを有する画像形成ユニットからなることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
3.前記一般式(1)のx+yは、下記の範囲にあることを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成方法。
30%≦x+y≦80.2
4.前記電子写真感光体は、導電性基体上に電荷発生物質を有する電荷発生層、電荷輸送物質を有する電荷輸送層、必要に応じ保護層をこの順に積層した積層型電子写真感光体であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
5.前記電子写真感光体の最表面層は、酸化防止剤を有していることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
6.前記電子写真感光体の回転線速度は、200mm/sec以上であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
7.少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて該電子写真感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を電子写真感光体上から転写材上に順次重ね合わせて転写してカラートナー画像を形成し、該カラートナー画像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送物質を含有し、該電荷輸送物質が下記一般式(1)の化学構造を有し、nを基準とした分布を持つ混合化合物の最大成分の化合物の組成比をx、2位成分の化合物の組成比をyとしたときに、x+yが80.2%以下であることを特徴とする画像形成装置。
一般式(1)
X−(CTM基)n−Y
上記一般式(1)中、CTM基は電荷輸送性基であり、X、Yは下記の一般式Aの化学構造を表す。又、nは〜10の整数を示す。
Figure 0004379243
前記一般式A中、Arは1価のメチル基又はメトキシ基で置換された芳香族基、又は無置換の芳香族基を示し、Arは2価の置換、無置換の芳香族基、2価のフラン基又はチオフェン基又は下記一般式(2)を示し、R〜Rは水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は下記一般式(3)の基を示す。但し、ArとRは互いに結合して環を形成してもよい。又、複数のAr、R、R、Rは互いに異なっていてもよい。p、qは各々0又は1の整数を表す。
Figure 0004379243
一般式(2)中、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、又は−C(R)(R)−であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、RとRが互いに結合してアルキレン環を形成してもよい。
Figure 0004379243
一般式(3)中、Xは単結合、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、Rは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換の芳香族基を示す。
8.前記7に記載の画像形成装置に使用することを特徴とする電子写真感光体
9.前記7に記載の画像形成装置に使用することを特徴とする画像形成ユニット
本発明の画像形成方法は、高濃度で文字チリの無いトナー画像が得られ、且つ、コート紙や厚紙等、従来技術では転写が難しく良好なトナー画像が得られにくかった紙質でも良好なトナー画像が得られる優れた効果を有する。
本発明者等は、従来電荷移動度が速く、高速応答性の良い電荷輸送物質(CTM)を用いて作製した感光体を電子写真画像形成装置で用いると、感光体表面に形成されたトナー画像を転写材へ転写する転写性能が悪いことに着目し検討を行った。
この現象は、特に高温高湿(例えば、30℃、80%RH)、低温低湿(例えば、10℃、20%RH)、高速機(例えば、感光体の回転線速度(周速度)が200mm/sec以上)、転写性の悪い転写材(例えば、厚紙、コート紙)で顕著になることが確認されている。
本発明者等は、前記一般式(1)の化合構造を有する混合化合物(以下、オリゴマーCTMともいう)を電荷輸送物質として用いた感光体では、高温高湿(例えば、30℃、80%RH)、低温低湿(例えば、10℃、20%RH)、高速機(例えば、感光体の回転線速度が200mm/sec以上)、転写性の悪い転写材(例えば、厚紙、コート紙)でも良好な転写性能が得られることを見出した。
この感光体を用いることにより、画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を感光体から転写材上に順次重ね合わせて転写しても、高画像濃度で文字チリのないトナー画像が得られ、且つ、コート紙や厚紙等、従来技術では転写が難しく良好なトナー画像が得られにくかった紙種でも良好なトナー画像が得られる画像形成方法の提供を可能にした。
本発明で用いるオリゴマーCTMは、重量平均分子量が大きくても分子量分布を有しているので、バインダー樹脂を溶解する溶媒に良好に溶解し、このオリゴマーCTMをバインダー樹脂溶液中に溶解して調製した電荷輸送層用塗布液は、オリゴマーCTMとバインダー樹脂が均一に混ざり合い相分離しないことが確認されている。
この電荷輸送層用塗布液を塗布して形成された電荷輸送層は、塗膜形成後も単一分子量の電荷輸送物質を用いて形成した電荷輸送層と比較して、より均一な電荷輸送層が形成されているものと推測される。
又、上記オリゴマーCTMを用いて作製した感光体は、長期間保管して置いても、オリゴマーCTMが感光体表面に浮き出たり、凝集してくるようなことが無く、安定した感光体表面を維持できることが確認されている。
転写性能が良好になる理由は明らかではないが、オリゴマーCTMとバインダー樹脂とが均一に混合した状態で形成された電荷輸送層を有する感光体は、感光体層及びその表面が均一な電気特性を有するものと考えられ、そのため高画像濃度が維持でき、画像かぶりが発生せず、且つ、転写しにくい転写材へもトナー画像の転写が均一に且つ良好に行われ、転写残トナーを発生させないと推定している。
特に、連続プリントによる画像濃度低下、文字をプリントした時に文字部周辺へのトナー粒子のチリ、転写性の悪い転写材(例えば、厚紙、コート紙)で顕著に性能が改良されていることが確認されている。
又、感光体の耐久性や、帯電プロセスを改良するため電荷輸送層の表面に保護層を設けた感光体でも、オリゴマーCTMとバインダー樹脂が均一に混ざり合った均一な電荷輸送層表面が形成されているので、保護層と電荷輸送層の接合性が良くなっており、電荷のトラップサイトが少なくなっていると推測される。その結果、電荷輸送層の上に保護層を設けても画像特性、転写特性に優れた特性を示すことが確認されている。
最初に感光体について説明する。
〔感光体〕
本発明に係る感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層、電荷輸送物質を有する電荷輸送層、必要に応じて保護層を有するものである。
〈電荷輸送物質〉
本発明で用いられる電荷輸送物質は、下記一般式(1)の化学構造を有し、nを基準とした分布を持つ混合化合物の最大成分の化合物の組成比をx、2位成分の化合物の組成比をyとしたときに、x+yが80.2%以下であることを特徴としている。
一般式(1)
X−(CTM基)n−Y
上記一般式(1)中、CTM基は電荷輸送性基であり、X、Yは下記の一般式Aの化学構造を表す。又、nは〜10の整数を示す。
本発明で、x+yが80.2%以下とは、電荷輸送性基(CTM基)の連鎖構造の数が異なる化合物が混在していることを意味する。
前記混合化合物の中で、最大成分の化合物の組成比(存在比)をx、2位の成分の化合物の組成比(存在比)をyとすると、x+yが80.2%以下であり、該混合化合物はnが異なる前記一般式(1)の化合物を少なくとも3種以上含有していることを意味する。
本発明では、x+yの値が80.2%以下であることを特徴とし、30%≦x+y≦80.2%であることが好ましい。又、オリゴマーCTMの重量平均分子量は650〜2,500であることが好ましく、800〜2,300がより好ましい。前記重量平均分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量で表した値である。
前記一般式(1)のCTM基、即ち電荷輸送性基とは、その化学構造基が電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す基であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法等の電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる基として定義できる。
前記CTM基がそれ自身単独で存在しえない場合は、該CTM基の両端に水素原子を付加した一般式(H(CTM基)H)の化合物が電荷輸送性化合物であればよい。
前記一般式(1)の化学構造を有し、nを基準とした分布を持つ混合化合物の最大成分の化合物の組成比をx、2位成分の化合物の組成比をyとしたときに、x+yが80.2%以下の混合化合物の具体例としては種々の化学構造が考えられるが、本発明では、これら混合化合物が一連の合成法で製造でき、且つ前記本発明の目的を達成できる混合化合物(電荷輸送物質)として、以下に記す一般式A、一般式B、一般式Cの混合化合物を例示する。
一般式Aの混合化合物は下記の化学構造を有する。
Figure 0004379243
前記一般式A中、Arは1価のメチル基又はメトキシ基で置換された芳香族基、又は無置換の芳香族基を示し、Arは2価の置換、無置換の芳香族基、2価のフラン基又はチオフェン基又は下記一般式(2)を示し、R〜Rは水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は下記一般式(3)の基を示す。但し、ArとRは互いに結合して環を形成してもよい。又、複数のAr、R、R、Rは互いに異なっていてもよい。p、qは各々0又は1の整数を表す。
Figure 0004379243
一般式(2)中、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、又は−C(R)(R)−であり、 、R は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、 が互いに結合してアルキレン環を形成してもよい。
Figure 0004379243
一般式(3)中、X1は単結合、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、R6は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換の芳香族基を示す。
一般式Bの混合化合物は下記の化学構造を有する。
Figure 0004379243
前記一般式B中、Ar1は2価の置換、無置換の芳香族基、2価のフラン基又はチオフェン基、又は前記一般式(2)を示し、R1〜R3は水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は前記一般式(3)の基を示し、Bは1価の置換又は無置換の芳香族基を示す。但し、複数のB、R1、R2、R3は互いに異なっていてもよい。mは各々0又は1の整数を表す。
前記一般式A及び一般式Bにおいて、トリアリールアミン基を含有する2価の基とは、窒素原子の3価の結合基がそれぞれ、芳香族環と結合した構造を有し、且つ基全体として2価の連結基を有する基を意味する。
前記一般式A及び一般式BのAr1の1価の置換又は無置換の芳香族基としては、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等が好ましく、置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子等が好ましい。
Ar2の2価の置換、無置換の芳香族基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が好ましく、置換基としては、アルキル基が好ましい。又、2価のフラン基、2価のチオフェン基も好ましい。
1〜R3は水素原子、ハロゲン原子、置換、無置換のアルキル基、アルコキシ基、1価の置換、無置換の芳香族基を示すが、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、無置換のフェニル基、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を有するフェニル基等が好ましい。
Aの2価の基としては、前記一般式(3)の基の他に、トリアリールアミン基を含有する2価の基として前記一般式(4)又は一般式(6)の基が好ましい。
一般式(3)中のR6は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換の芳香族基を示すが、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
一般式(4)中のAr3は置換又は無置換の1価の芳香族基であるが、好ましくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基で置換されたフェニル基が挙げられる。
一般式(6)中のAr4、Ar5は置換又は無置換の1価の芳香族基を示すが、好ましくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基で置換されたフェニル基が挙げられる。
以下に、前記一般式A及び一般式Bの代表的な化学構造を下記に挙げるが、本発明は下記のそれぞれの化学構造で、nが異なる化合物の混合物(混合化合物)を電荷輸送物質として用いることである。又、下記化学構造が同じでも、一般式Aのp又はq、或いは一般式Bのmが異なれば、別の混合化合物である。例えば、下記化学構造No.1Aでもp又はqが0と1では別の混合化合物である。又、p又はqが同じでも分布が違えば別の混合化合物である。
一般式Aの具体例
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
以上の化合物例は、前記一般式A中の複数のAr1、R1、R2、R3が同一の化学構造例であるが、本発明では、これら複数のAr1、R1、R2、R3が同一でないものも含まれる。例えば、下記のような一般式A′の化学構造例も一般式(1)の化学構造例として挙げられる。
Figure 0004379243
一般式A′中、Ar1、Ar1′は1価の置換又は無置換の芳香族基を示し、Ar2は2価の置換、無置換の芳香族基、フラン基又はチオフェン基又は前記一般式(2)を示し、R1〜R3、R1′〜R3′は水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は前記一般式(3)の基を示す。但し、Ar1とR1、Ar1′とR1′は互いに結合して環を形成してもよい。p、qは各々0又は1の整数を表す。
前記一般式A′の代表的な化合物の化学構造を下記に挙げる。本発明は各々の化学構造で、nを基準とした分布を持ち且つ最大成分の化合物の組成比をx、2位の成分の化合物の組成比をyとすると、x+yが80.2%以下の混合化合物を電荷輸送物質として用いることである。
Figure 0004379243
Figure 0004379243
以下に、前記混合化合物(一般式A)の合成例を記載する。
以下の合成例では、原材料等を化合物合成の機構(スキーム)中に付した番号を用いて説明する。
合成例(1);化合物(例示化学構造21A(p=q=0))の合成
Figure 0004379243
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、4(カリウム−tert−ブトキシド):1.68g(0.015mol)及びテトラヒドロフラン(以下THF)20mlを入れ、窒素を導入しながら撹拌した。
1の化合物:2.06g(0.006mol)、2の化合物:1.13g(0.003mol)及び3の化合物:1.92g(0.0063mol)をTHF20mlに溶解して4(カリウム−tert−ブトキシド)/THF混合液に内温45℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、内温45〜50℃を保ちながら5時間反応した。
別の200mlビーカーに撹拌機を装着し、メタノール20mlを入れ撹拌した。これに前記5時間反応した反応液を注いだ後、水20mlを更に注いで、約30分撹拌しろ過を行った。メタノール/水=1/1約40mlにて洗浄し、50〜60℃にて一晩乾燥し、粗結晶を得た。
この粗結晶をトルエン30mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)3gを加えて、約30分撹拌しろ過した。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、ロ液及び洗液を濃縮乾固した。これに酢酸エチル10mlを加え溶解し、メタノール60mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造21A(p=q=0)の化合物を2.54g得た。高速液体クロマトグラフィー及び質量分析結果、得られた化合物は、nが0〜4の混合物であり、その組成比(高速液体クロマトグラフィーの面積比)はn=0/1/2/3/4=25.4/48.8/18.1/6.3/1.4であった。
尚、高速液体クロマトグラフィーの測定条件は下記で行なった。
測定器:島津LC6A(島津製作所製)
カラム:CLC−ODS(島津製作所製)
検出波長:290nm
移動相:メタノール/テトラヒドロフラン=3/1の混合溶媒
移動相の流速:約1ml/min
尚、混合化合物の組成比は上記液体クロマトグラフィーによる組成分離後の各成分の面積比(%表示の面積比、合計組成比100%)で定義する。前記測定条件の内、測定器、カラム、移動相等は混合化合物の分離が明確にでき、且つ本発明と同様の結果が得られるものであれば、他に変更してもよい。
合成例(2);化合物(例示化学構造21A(p=1、q=0))の合成
Figure 0004379243
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、4(カリウム−tert−ブトキシド):1.68g(0.015mol)及びTHF20mlを入れ、窒素を導入しながら撹拌した。
1の化合物:2.06g(0.006mol)、2の化合物:1.13g(0.003mol)及び3の化合物:2.08g(0.0063mol)をTHF20mlに溶解して4(カリウム−tert−ブトキシド)/THF混合液に内温45℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、内温45〜50℃を保ちながら5時間反応した。
別に200mlビーカーに撹拌機を装着し、メタノール20mlを入れ撹拌した。これに前記5時間反応した反応液を注いだ後、水20mlを更に注いで、約30分撹拌しろ過を行った。メタノール/水=1/1約40mlにて洗浄し、50〜60℃にて一晩乾燥し、粗結晶を得た。
この粗結晶をトルエン30mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)3gを加えて、約30分撹拌しろ過した。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、ロ液及び洗液を濃縮乾固した。これに酢酸エチル10mlを加え溶解し、メタノール60mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造21A(p=1、q=0)の化合物を2.75g得た。前記と同様の高速液体クロマトグラフィー及び質量分析結果、得られた化合物は、nが0〜4の混合物であり、その組成比(高速液体クロマトグラフィーの面積比)はn=0/1/2/3/4=33.4/46.8/15.0/4.0/0.8であった。
合成例(3);化合物(例示化学構造14A(p=1、q=0))の合成
Figure 0004379243
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、4(カリウム−tert−ブトキシド):1.68g(0.015mol)及びTHF20mlを入れ、窒素を導入しながら撹拌した。
1の化合物:1.89g(0.006mol)、2の化合物:1.13g(0.003mol)及び3の化合物:1.60g(0.0063mol)をTHF20mlに溶解して4(カリウム−tert−ブトキシド)/THF混合液に内温45℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、内温45〜50℃を保ちながら5時間反応した。
別に200mlビーカーに撹拌機を装着し、メタノール20mlを入れ撹拌した。これに前記5時間反応した反応液を注いだ後、水20mlを更に注いで、約30分撹拌しろ過を行った。メタノール/水=1/1約40mlにて洗浄し、50〜60℃にて一晩乾燥し、粗結晶を得た。
この粗結晶をトルエン30mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)3gを加えて、約30分撹拌しろ過した。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、ロ液及び洗液を濃縮乾固した。これに酢酸エチル10mlを加え溶解し、メタノール60mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造14A(p=1、q=0)の化合物を2.32g得た。前記と同様の高速液体クロマトグラフィー及び質量分析結果、得られた化合物は、nが0〜4の混合物であり、その組成比(高速液体クロマトグラフィーの面積比)はn=0/1/2/3/4=30.1/45.4/16.7/6.0/1.8であった。
一般式Bの具体例
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
以上の化合物例は、前記一般式B中の複数のB、R1、R2、R3が同一の化合物例であるが、本発明では、これら複数のB、R1、R2、R3が同一でないものも含まれる。例えば、下記のような一般式B′の化合物も一般式Bの化合物として挙げられる。
Figure 0004379243
一般式B′中、Ar1は2価の置換、無置換の芳香族基、フラン基又はチオフェン基を示し、R1〜R3、R1′〜R3′は水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は前記一般式(3)の基を示し、B、B′は1価の置換又は無置換の芳香族基を示す。mは各々0又は1の整数を表す。
前記一般式B′の代表的な化合物の化学構造を下記に挙げる。本発明は各々の化学構造で、nを基準とした分布を持ち且つ最大成分の化合物の組成比をx、2位の成分の化合物の組成比をyとすると、x+yが80.2%以下の混合化合物を電荷輸送物質として用いることである。
Figure 0004379243
以下に、前記混合化合物(一般式B)の合成例を記載する。
合成例(4);化合物(例示化学構造12B(m=0))の合成
Figure 0004379243
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、4(カリウム−tert−ブトキシド):1.96g(0.075mol)及びテトラヒドロフラン(以下THF)20mlを入れ、窒素を導入しながら撹拌した。
1の化合物:1.0g(0.003mol)、2の化合物:2.65g(0.007mol)及び3の化合物:2.52g(0.008mol)をTHF20mlに溶解して前記4(カリウム−tert−ブトキシ)/THF混合液に内温45℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、内温45〜50℃を保ちながら5時間反応した。
別に、200mlビーカーに撹拌機を装着し、メタノール20mlを入れ撹拌した。これに前記5時間反応した反応液を注いだ後、水20mlを更に注いで、約30分撹拌しろ過を行った。メタノール/水=1/1約40mlにて洗浄し、50〜60℃にて一晩乾燥し、粗結晶を得た。
この粗結晶をトルエン30mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)3gを加えて、約30分撹拌しろ過を行った。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、ロ液及び洗液を濃縮乾固した。これに酢酸エチル10mlを加え溶解し、メタノール60mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造12B(m=0)の化合物を3.20g得た。
合成例1Aと同様の高速液体クロマトグラフィー及び質量分析の結果、得られた化合物はn=0〜5の混合物であり、組成比(高速液体クロマトグラフィーの面積比)はn=0/1/2/3/4=24.3/44.4/21.5/7.2/2.3/0.3であった。
尚、高速液体クロマトグラフィーの測定条件は下記で行なった。
合成例(5);化合物(例示化学構造11B(m=0))の合成
Figure 0004379243
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、4(カリウム−tert−ブトキシド):1.96g(0.075mol)及びTHF20mlを入れ、窒素を導入しながら撹拌した。
1の化合物:1.0g(0.003mol)、2の化合物:2.46g(0.007mol)及び3の化合物:2.41g(0.008mol)をTHF20mlに溶解して4(カリウム−tert−ブトキシド)/THF混合液に内温45℃以下に保ちながらゆっくり滴下した。滴下終了後、内温45〜50℃を保ちながら5時間反応した。
別に、200mlビーカーに撹拌機を装着し、メタノール20mlを入れ撹拌した。これに反応液を注いだ後、水20mlを更に注いで、約30分撹拌しろ過を行った。メタノール/水=1/1約40mlにて洗浄し、50〜60℃にて一晩乾燥しし、粗結晶を得た。
この粗結晶をトルエン30mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)3gを加えて、約30分撹拌しろ過した。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、ロ液及び洗液を濃縮乾固した。これに酢酸エチル10mlを加え溶解し、メタノール60mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造11B(m=0)の化合物を3.35g得た。
前記と同様の高速液体クロマトグラフィー及び質量分析の結果、得られた化合物はn=0〜4の混合物であり、組成比(高速液体クロマトグラフィーの面積比)はn=0/1/2/3/4=32.5/45.0/16.5/6.2/1.6であった。
一般式Cの混合化合物は下記の化学構造を有する。
Figure 0004379243
一般式C中、Ar1は1価の置換、無置換の芳香族基、Ar2は2価の置換、無置換の芳香族基、2価の複素環基、又は前記一般式(8)を示し、Rは置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示す。但し、複数のAr1、Ar2、Rは互いに異なっていてもよい。
又、前記一般式(8)中、Yは酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、又は−CH2−CH2−である。但しR1、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。
一般式C中、Ar1は1価の置換、無置換の芳香族基であるが、好ましくは無置換のフェニル基、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基で置換されたフェニル基が挙げられる。
又、Ar2の2価の置換、無置換の芳香族基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基等が好ましく、置換基としては、アルキル基が好ましい。Ar2の2価の複素環基としては、2価のフラン基、2価のチオフェン基等が好ましい。
一般式Cの具体例
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
Figure 0004379243
以下に、前記混合化合物(一般式C)の合成例を記載する。
合成例(6);化合物(例示化学構造17C)の合成
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、2,4−ジメチルアニリン:4.08g(0.04mol)、ヨードベンゼン:4.08g(0.02mol)、m−ジヨードベンゼン:9.9g(0.03mol)、銅粉1.27g(0.02mol)、炭酸カリウム11.04g(0.08mol)を入れ、窒素を導入しながら190℃にて30時間反応させた。
反応液を約60℃まで冷却した後THF200mlを加えて撹拌し、濾過した。濾液を濃縮してトルエン100mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)10gを加えて、約30分撹拌しろ過を行った。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、濾液及び洗液を濃縮乾固した。これにTHF20mlを加え溶解し、メタノール120mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造17Cの化合物を5.15g得た。
高速液体クロマトグラフィー及び質量分析の結果、得られた化合物はn=0/1/2/3/4/5/6/7=2.7/9.0/24.3/34.2/20.1/7.8/1.7/0.2であった。又、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)より求めた重量平均分子量(ポリスチレン換算)Mwは910であった。
合成例(7);化合物(例示化学構造48C)の合成
100mlの4頭フラスコに窒素導入管、冷却管、温度計、撹拌機を装着し、3,4−ジメチルアニリン:6.05g(0.05mol)、ヨードビフェニル:5.60g(0.02mol)、ビス(4−ブロモフェニル)エーテル:13.11g(0.04mol)、銅粉1.59g(0.025mol)、炭酸カリウム13.8g(0.1mol)を入れ、窒素を導入しながら190℃にて30時間反応させた。反応液を約60℃まで冷却した後THF200mlを加えて撹拌し、濾過した。濾液を濃縮してトルエン100mlに溶解し、ワコーゲルB−0(和光純薬)10gを加えて、約30分撹拌しろ過を行った。トルエン30mlにてワコーゲルB−0を洗浄し、濾液及び洗液を濃縮乾固した。これにTHF20mlを加え溶解し、メタノール120mlに滴下して再沈精製を行い、濾別乾燥して例示化学構造48Cの化合物を10.56g得た。
高速液体クロマトグラフィー及び質量分析の結果、得られた化合物はn=0/1/2/3/4/5/6/7/8=0.9/3.4/12.0/22.8/31.3/19.9/6.9/2.5/0.3であった。又、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)より求めた重量平均分子量(ポリスチレン換算)Mwは1684であった。
〈感光体の構成〉
次に、本発明に係る感光体を構成する導電性支持体、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、必要に応じ設けられる導電層、保護層について説明する。
(導電性支持体)
感光体で用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を上記範囲にすることにより良好な画像形成ができる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケル等の金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウム等を蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
又、導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、導電性支持体と感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.8μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は0.1〜2μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は1〜20μmが好ましい。
(電荷発生層)
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等を用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる結晶構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層中に電荷発生物質を分散させる分散媒としてバインダー樹脂を用いる場合、バインダー樹脂としては公知の樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷発生物質20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、前記オリゴマーCTMを用いる。又、前記オリゴマーCTMと共に、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を併用して用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては、例えばポリスチレン−アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂を挙げることができる。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
バインダー樹脂として特に好ましいものとしてはポリカーボネート樹脂を挙げることができる。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて特に好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質10〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。前記酸化防止剤とは、その代表的なものは感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。酸化防止剤としては、公知のものを用いることができ、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。
(導電層)
本発明に係る感光体は、導電性支持体上に導電層を設けてもよい。導電層は、基本的にバインダー樹脂と導電性顔料から構成される層である。導電層の膜厚は0.3〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
(保護層)
本発明に係る感光体は、保護層として電荷輸送層上に膜耐久性向上の目的で耐久性向上層、或いは電荷注入の働きをする電荷注入層を設けてもよい。
耐久性向上層は、基本的にバインダー樹脂から構成され、必要に応じ電荷輸送物質が添加して構成された層であってもよい。耐久性向上層の膜厚は0.3〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
電荷注入層は、基本的に導電性微粒子、バインダー樹脂から構成される層である。電荷注入層のバインダー樹脂としては、先に説明した電荷輸送層と同じバインダー樹脂を使用することができる。
電荷注入層の導電性微粒子としては、脂肪酸塩類、高級アルコール類、硫酸エステル類、脂肪酸アミン類、第四級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、イミダゾリン誘導体等のアニオン系、カチオン系、又はノニオン系有機電解質;Au、Ag、Cu、Ni、Al等の金属;ZnO、TiO2、SnO2、In23、Sb23含有SnO2、In23含有SnO2等の金属酸化物;MgF2、CaF2、BiF2、AlF2、SnF2、SnF4、TiF4等の金属フッ化物;テトラインプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテートエチルエステル等の有機チタン化合物;及びそれらの混合物等が挙げられる。電荷注入層の膜厚は0.3〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
又、電荷注入層の体積抵抗は1010〜1015Ω・cmの範囲になるように設定するのが好ましく、1010〜1014Ω・cmがより好ましい。膜強度的には、導電性粒子の量が増えれば増えるほど弱くなるため、導電性粒子の量は、電荷注入層の抵抗及び残留電位が許容できる範囲において、少なくする方が好ましい。
上記に本発明で用いる好ましい感光体の層構成を例示したが、上記以外の感光体の層構成でも良い。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層、導電層、保護層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。又、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、塗布層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお電荷注入層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが特に好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、画像形成方法を用いた画像形成装置について説明する。
〔画像形成装置〕
本発明に係る画像形成装置で用いる帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置、
定着装置、画像形成ユニットについて詳細に説明する。
(帯電装置)
帯電装置としては、特に限定されず非接触帯電タイプ(例えば、コロナ帯電)、接触帯電タイプ(例えば、ローラ、ブラシ、ブレード、粒子帯電)等の各帯電装置を用いることができる。
ここで、粒子帯電とは、導電性粒子と該導電性粒子を担持する担持体を有し、該導電性粒子を感光体に接触させて該感光体を帯電させる方法である。
(露光装置)
露光装置としては、レーザダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザビームスキャナが好ましく用いられる。このレーザビームスキャナは目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光を出力し、該レーザ光で上記回転感光ドラムの一様帯電面を走査露光する。
(現像装置)
現像装置としては、2成分現像剤、1成分磁性現像剤、1成分非磁性現像剤を用いる各現像装置を用いることができる。この現像装置により感光体の静電潜像をトナーにより現像しトナー画像を形成する。
(転写装置)
転写装置としては、帯電装置と同じ非接触帯電タイプ(例えば、コロナ帯電)、接触帯電タイプ(例えば、ローラ、ブラシ、ブレード、粒子帯電)等の各転写装置を用いることができる。転写装置により感光体表面のトナー画像を転写材上に転写する。
(定着装置)
定着装置としては、接触定着(熱ローラ、熱ベルト)や非接触定着(フラッシュ)の各装置を用いることができる。定着装置により転写材上に転写されたトナー画像を転写材に固着する。
(画像形成ユニット)
画像形成ユニットとしては、帯電器、像露光装置、現像器、転写又は分離器、クリーニング装置を感光体とともに一体に支持したユニットを形成し、装置本体に着脱自在のユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図1は、本発明に係る画像形成装置(コロナ帯電を採用)の一例を示す断面構成図である。
図1の画像形成装置では、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkが転写材搬送ベルト115に沿って設けられている。
各画像形成ユニットは、感光体ドラム21Y(21M、21C、21Bk)、スコロトロン帯電装置(帯電手段)22Y(22M、22C、22Bk)、像露光装置23Y(23M、23C、23Bk)、現像器24Y(24M、24C、24Bk)及びクリーニング装置25Y(25M、25C、25Bk)より構成され、各画像形成ユニットの感光体ドラム(21Y、21M、21C、21Bk)上に形成された各トナー像を、タイミングを合わせて搬送されてくる転写材Pに、転写手段としての転写器34Y(34M、34C、34Bk)により順次転写して、重ね合わせトナー画像を形成する。
転写材Pは、転写材搬送ベルト115に乗って搬送され、転写材分離手段としての紙分離AC除電器161による除電作用と、所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離部材である分離爪210とにより、搬送ベルトから分離される。
次に転写材Pは、搬送部160を通った後、加熱ローラ41と、加圧ローラ42とにより構成される定着装置(定着手段)40へと搬送され、加熱ローラ41と加圧ローラ42により形成されるニップ部Tで転写材Pが挟持され、熱と圧力とが加えられることにより転写材P上の重ね合わせトナー画像が定着された後、機外へ排出される。
前記像露光装置には像露光光源として、半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等を用いることができる。
転写材を搬送する転写材搬送ベルト115には、ポリイミド、ポリカーボネート、PVdF等の高分子フィルムや、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられ、ドラム状、ベルト状どちらでもよいが、装置設計の自由度の観点からベルト状が好ましい。
図2は、本発明に係る画像形成装置(磁気ブラシ帯電を採用)の一例を示す断面構成図である。
電子写真装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色(例えばイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックなど)の画像が潜像、画像及び転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
電子写真装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
第1の画像形成ユニットPaは、電子写真感光体(感光ドラム)61aを具備し、この感光ドラム61aは矢印a方向へ回転移動する。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、感光ドラム61aと接触のスリーブに担持された磁気ブラシ帯電器が用いられる。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光ドラム61aに静電潜像を形成するための露光装置からの露光光である。63aは、感光ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してトナー画像を形成するための現像手段としての現像装置であり、カラートナーを保持している。65aはトナーホッパーで、66aは補給ローラである。64aは感光ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接してバイアス印加手段60aにより転写バイアスを印加される。
この第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって感光ドラム61aの感光ドラムを均一に一次帯電した後、露光光67aにより感光体に静電潜像を形成し、現像器63aで静電潜像をトナーを用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光体と転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
本電子写真装置は、図2に示すように上記のような第1の画像形成ユニットPaと同様の構成を有し、現像器に保有されるトナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc及び第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各トナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器74によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
なお、図2において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、駆動ローラ80によって矢印e方向に移動するものである。79は転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラであり、82はベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するためのレジストローラであり、84は給紙ローラである。
転写手段としては、転写ブレードに代えてローラ状の転写ローラを用いることが可能である。
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、本実施例において「部」とは「質量部」を表す。
《電荷輸送物質の合成》
本発明で用いられる電荷輸送物質(オリゴマーCTM)を前記記載の方法で合成した。
合成した代表的な電荷輸送物質の化学構造とその組成比、x+yの値、平均分子量を表1に示す。
Figure 0004379243
《感光体の作製》
〈実施例1〉
(導電性支持体)
アルミニウムドラムを超音波水洗浄したものを導電性支持体とした。
(中間層)
ポリアミド樹脂「CM4000」(東レ社製)と酸化チタン(質量比2/1)をメタノールとクロロホルムの混合溶媒(質量比2/1)に分散して中間層用塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウムドラム上に浸漬塗布法で塗布し、その後120℃で30分乾燥し、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
バインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂、電荷発生物質としてα型オキシチタニウムフタロシアニン(質量比2/1)を1,1,2−トリクロロエタンとジクロロメタンの混合溶媒に溶解・分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、その後100℃で30分乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
電荷輸送物質として「化合物1A」、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱ガス化学社製)、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを、ポリカーボネート/電荷輸送物質/酸化防止剤=1.0/0.8/0.1の質量比で1,2−ジクロロエタンに溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、その後100℃で1時間乾燥し、膜厚24μmの電輸送動層を形成した。これを「感光体1」とする。
〈実施例2〉
(導電性支持体)
アルミニウムドラムを超音波水洗浄したものを導電性支持体とした。
(中間層)
ポリアミド樹脂「アミランCM−8000」(東レ社製)60gをメタノール1600mlと1−ブタノール400mlの混合溶媒(質量比1/1)に溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウムドラム上に浸漬塗布法で塗布し、その後130℃で30分乾燥し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
電荷発生物質としてチタニルフタロシアニン60g、バインダー樹脂としてシリコーン樹脂溶液「KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液」(信越化学社製)700gをメチルエチルケトン2000mlに溶解・混合し、その後サンドミルを用いて10時間分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、その後100℃で30分乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
電荷輸送物質として「化合物2A」200g、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱ガス化学社製)300gを1,2−ジクロロエタン2000mlに溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、その後100℃で30分乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。これを「感光体2」とする。
〈実施例3〉
実施例2の電荷輸送物質「化合物2A」を、電荷輸送物質「化合物9C」に変更した以外は実施例2と同様にして感光体を形成した。これを「感光体3」とする。
〈実施例4〉
(保護層(耐久性向上層))
電荷輸送物質として「化合物9C」200g、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ800」(三菱ガス化学社製)300gを1,2−ジクロロエタン2000mlに溶解して耐久性向上層用塗布液を調製した。この塗布液を実施例2の電荷輸送層の上に浸漬塗布法で塗布し、その後100℃で30分乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成した。これを「感光体4」とする。
〈実施例5〉
(保護層(耐久性向上層))
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液を調製した。この溶液にジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部、ヒンダードアミン(例示化合物2−1)0.3質量部を加えて混合し、耐久性向上層用塗布液を調製した。この塗布液を前記実施例2の電荷輸送層上に塗布し、その後120℃、1時間の加熱硬化を行い、膜厚3μmの保護層を形成した。これを「感光体5」とする。
Figure 0004379243
Figure 0004379243
〈実施例6〉
(導電性支持体)
アルミニウムドラムを超音波水洗浄したものを導電性支持体とした。
(中間層)
メトキシエタノール160部にジルコニウムテトラ−n−ブトキサイドの85%ブタノール溶液27部及びチタニウムテトラ−n−ブトキサイド(キシダ化学社製)48部を滴下し、メトキシエタノール/水=160部/11部の混合溶液を更に加えた。前記混合溶液にアセチルアセトン20部をメタノール200部に加えた溶液をさらに滴下した後、ヒドロキシプロピルセルロース(東京化成工業社製)の10質量%メタノール液85部を混合して得た中間層用塗布液を調製した。この塗布液をアルミニウムドラム上に浸漬塗布し、その後120℃で15分加熱乾燥し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン4部、ブチラール樹脂「BX−1」(積水化学社製)2部及びシクロヘキサノン80部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間溶解・分散した後、メチルエチルケトン115部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。この塗布液を前記中間層上に浸漬塗布法で塗布し、その後100℃で30分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
電荷輸送物質「化合物1B」10部とポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱ガス化学社製)10部をジクロルメタン20部及びモノクロルベンゼン60部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、その後115℃で60分間乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層(電荷注入層))
下記構造式の化合物で表面処理した(処理量7%)アンチモンドープ酸化スズ超微粒子50部と
Figure 0004379243
エタノール150部を、サンドミルを用いて66時間分散を行い、更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.18μm)20部を加えて、さらに2時間分散を行った。その後、レゾール型フェノール樹脂「PL−4804」(群栄化学工業社製)を樹脂成分として30部を溶解し電荷注入層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布法により塗布し、その後145℃の温度で1時間、熱風乾燥して膜厚3μmの保護層を形成した。これを「感光体6」とする。
〈実施例7〉
(導電性支持体)
アルミニウムドラムを超音波水洗浄したものを導電性支持体とした。
(導電層)
以下の材料より調製した導電層用塗布液をアルミニウムドラム上に浸漬法で塗布し、その後140℃で30分間加熱乾燥し、膜厚15μmの導電層を形成した。
導電性顔料 :酸化すず・酸化アンチモンコート処理酸化チタン10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン10部
バインダー樹脂:フェノール樹脂「プライオーフェンJ−325」(大日本インキ化学工業社製)10部
レベリング剤:シリコーンオイル「SH28PA」(信越化学社製)0.001部
溶剤 :メタノール/メトキシプロパノール=1/1、20部
(中間層)
共重合ポリアミド樹脂「アミランCM−8000」(東レ社製)10部、メトキシメチル化6ナイロン樹脂「トレジンEF−30T」(帝国化学社製)30部を、メタノール400部、n−ブタノール200部の混合溶媒中に溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、その後90℃で10分間熱風乾燥し、膜厚0.68μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
CuKα特性X線に対するブラック角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを有し強いピークを有し、且つ28.3°に最大回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料3部、ブチラール樹脂「エスレックBX−1」(積水化学社製)2部及びシクロヘキサノン100部をサンドミル装置にて4時間溶解・分散した後、酢酸エチル90部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、その後82℃で15分間熱風乾燥し、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
電荷輸送物質「化合物1C」7部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ−400」(三菱ガス化学社製)10部をジクロルメタン30部、モノクロルベンゼン40部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬塗布し、その後110℃で60分間乾燥して、膜厚17μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層(電荷注入層))
メチルハイドロジェンシリコンオイル「KF99」(信越シリコーン製)で表面処理した平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子「T−1」(三菱マテリアル製)72部と、フッ素変性シランカップリング剤「LS1090」(信越シリコーン社製)で表面処理した平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子「T−1」(三菱マテリアル製)48部を、アクリルモノマー「商品名TMP3A−3」(大阪有機化学社製)43.2部とエタノール210部と共にサンドミルで90時間分散を行った。
この液に四フッ化エチレン樹脂粒子「ルブロンL−2」(ダイキン工業社製)40.8部を混合してサンドミル装置で更に2時間分散し、さらに光重合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン6.48部、開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.16部を加えて溶解し、電荷注入層用塗布液を調製した。
この塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布し、その後メタルハライドランプを用い光硬化を行い、さらに120℃、1時間40分熱風乾燥して、膜厚6μmの保護層(電荷注入層)を形成した。これを「感光体7」とする。
〈比較例1〉
実施例2の電荷輸送物質「化合物2A」を、電荷輸送物質「化合物15A」に変更した以外は実施例2と同様にして感光体を作製した。これを「感光体8」とする。
〈比較例2〉
実施例2の電荷輸送物質「化合物2A」を、電荷輸送物質「化合物16B」に変更した以外は実施例2と同様にして感光体を作製した。これを「感光体9」とする。
〈比較例3〉
実施例6の電荷輸送物質「化合物1B」を、電荷輸送物質「化合物13C」に変更した以外は実施例6と同様にして感光体を作製した。これを「感光体9」とする。
表2に、感光体の層構成、用いた電荷発生物質及び電荷輸送物質を示す。
Figure 0004379243
《評価》
上記で得られた感光体の評価は、下記画像形成装置を用い、下記評価項目について行った。
〈画像形成装置〉
感光体1〜5、8、9は、図1に記載の画像形成装置(コロナ帯電を採用)に装着し、感光体の周速度を250mm/secに設定して評価を行った。
感光体6、7、10は、図2に記載の画像形成装置(磁気ブラシ帯電を採用)に装着し、感光体の回転速度を210mm/secに設定して評価を行った。
〈評価項目〉
(画像濃度)
A4版上質紙(64g/m2)を用い、オリジナル画像に白地部、ブラック(Bk)及びイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のソリッド(ベタ)画像部、文字画像部、ハーフトーン画像部を有するA4版画像を、常温常湿(20℃50%RH)下、モノクロ画像とカラー画像を10:1の比率で、1枚間欠モードにて1万枚プリントを行い、1万枚プリント時の画像濃度を評価した。
尚、画像濃度は「RD−918濃度計」(マクベス社製)を用いて測定し、上質紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度とする。
評価基準
◎:Bk及びY、M、Cのソリッド(ベタ)画像部の各濃度が1.2以上で良好
○:Bk及びY、M、Cのソリッド(ベタ)画像部の各濃度が0.8以上で実用上問題なし
×:Bk及びY、M、Cのソリッド(ベタ)画像部の何れかの濃度が0.8未満で実用上問題あり。
(文字チリ)
A4版上質紙(64g/m2)を用い、Bk及びY、M、Cの文字画像を、低温低湿(10℃、20%RH)の環境下で10枚プリントし、目視及び20倍ルーペにて文字周辺のトナーチリを観察して評価した。
評価基準
◎:ルーペ観察でも、文字周辺のトナーチリが観察さず良好
○:目視では判別できないが、ルーペでは文字周辺のトナーチリが観察されるが実用上問題ない
×:目視で文字周辺のトナーチリが観察され、文字の鮮鋭性が劣り実用上問題あり。
(極厚紙への転写性)
ハート株式会社製の極厚はがき(厚さ0.4mm)を用い、オリジナル画像に白地部、Bk及びY、M、Cのソリッド(ベタ)画像部、文字画像部、ハーフトーン画像部を有するA4版画像を、高温高湿(30℃、80%RH)の環境下、モノクロ画像とカラー画像を10:1の比率で500枚連続プリントを行った。得られたプリントを下記評価基準で評価した。
評価基準
◎:500枚のプリント画像上に、転写残トナーによるゴースト画像欠陥が無かった
○:500枚のプリント画像上に、5枚未満の転写残トナーによるゴースト画像欠陥が認められたが実用上問題ないレベル
×:500枚のプリント画像上に、5枚以上に明らかに転写残トナーによるゴースト画像欠陥が認められ実用上問題。
(コート紙への転写性)
大王製紙社製コート紙(75g/m2)を用い500枚を用い、オリジナル画像に白地部、Bk及びY、M、Cのソリッド(ベタ)画像部、文字画像部、ハーフトーン画像部を有するA4版画像を、高温高湿(30℃、80%RH)の環境下、モノクロ画像とカラー画像を10:1の比率で500枚連続プリントを行った。得られたプリントを下記の様にランク評価した。
評価基準
◎:500枚のプリント画像上に、転写抜けによる画像欠陥が無かった
○:500枚のプリント画像上に、5枚未満の転写抜けによる画像欠陥が認められたが実用上問題ないレベル
×:500枚のプリント画像上に、5枚以上に明らかに転写抜けによる画像欠陥が認められ実用上問題。
評価結果を表3に示す。
Figure 0004379243
表3から明らかなように、本発明に係る実施例「感光体1〜7」は、比較例「感光体8〜10」と比較し、画像濃度、文字チリ、厚紙への転写性、コート紙への転写性で優れていることが判る。
本発明に係る画像形成装置(コロナ帯電を採用)の一例を示す概略図である。 本発明に係る画像形成装置(磁気ブラシ帯電を採用)の一例を示す概略図である。
符号の説明
20Y、20M、20C、20Bk 画像形成ユニット
21Y、21M、21C、21Bk 感光体ドラム
22Y、22M、22C、22Bk 帯電器
23Y、23M、23C、23Bk 像露光装置
24Y、24M、24C、24Bk 現像器
25Y、25M、25C、25Bk クリーニング装置
34Y、34M、34C、34Bk 転写器
115 転写材搬送ベルト
P 転写材

Claims (9)

  1. 少なくとも電子写真感光体、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて該電子写真感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を電子写真感光体上から転写材上に順次重ね合わせて転写してカラートナー画像を形成し、該カラートナー画像を定着してカラー画像を形成する画像形成方法において、該電子写真感光体は電荷輸送物質を含有し、該電荷輸送物質が下記一般式(1)の化学構造を有し、nを基準とした分布を持つ混合化合物の最大成分の化合物の組成比をx、2位成分の化合物の組成比をyとしたときに、x+yが80.2%以下であることを特徴とする画像形成方法。
    一般式(1)
    X−(CTM基)n−Y
    上記一般式(1)中、CTM基は電荷輸送性基であり、X、Yは下記の一般式Aの化学構造を表す。又、nは〜10の整数を示す。
    Figure 0004379243
    前記一般式A中、Arは1価のメチル基又はメトキシ基で置換された芳香族基、又は無置換の芳香族基を示し、Arは2価の置換、無置換の芳香族基、2価のフラン基又はチオフェン基又は下記一般式(2)を示し、R〜Rは水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は下記一般式(3)の基を示す。但し、ArとRは互いに結合して環を形成してもよい。又、複数のAr、R、R、Rは互いに異なっていてもよい。p、qは各々0又は1の整数を表す。
    Figure 0004379243
    一般式(2)中、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、又は−C(R)(R)−であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、RとRが互いに結合してアルキレン環を形成してもよい。
    Figure 0004379243
    一般式(3)中、Xは単結合、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、Rは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換の芳香族基を示す。
  2. 複数の画像形成ユニットは4つの画像形成ユニットであり、ブラック色系トナーを有する画像形成ユニット、イエロー色系トナーを有する画像形成ユニット、マゼンタ色系トナーを有する画像形成ユニット及びシアン色系トナーを有する画像形成ユニットからなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記一般式(1)のx+yは、下記の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
    30%≦x+y≦80.2%
  4. 前記電子写真感光体は、導電性基体上に電荷発生物質を有する電荷発生層、電荷輸送物質を有する電荷輸送層、必要に応じ保護層をこの順に積層した積層型電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記電子写真感光体の最表面層は、酸化防止剤を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記電子写真感光体の回転線速度は、200mm/sec以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて該電子写真感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を電子写真感光体上から転写材上に順次重ね合わせて転写してカラートナー画像を形成し、該カラートナー画像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送物質を含有し、該電荷輸送物質が下記一般式(1)の化学構造を有し、nを基準とした分布を持つ混合化合物の最大成分の化合物の組成比をx、2位成分の化合物の組成比をyとしたときに、x+yが80.2%以下であることを特徴とする画像形成装置。
    一般式(1)
    X−(CTM基)n−Y
    上記一般式(1)中、CTM基は電荷輸送性基であり、X、Yは下記の一般式Aの化学構造を表す。又、nは〜10の整数を示す。
    Figure 0004379243
    前記一般式A中、Arは1価のメチル基又はメトキシ基で置換された芳香族基、又は無置換の芳香族基を示し、Arは2価の置換、無置換の芳香族基、2価のフラン基又はチオフェン基又は下記一般式(2)を示し、R〜Rは水素原子、置換、無置換のアルキル基、1価の置換、無置換の芳香族基を示し、Aはトリアリールアミン基を含有する2価の基又は下記一般式(3)の基を示す。但し、ArとRは互いに結合して環を形成してもよい。又、複数のAr、R、R、Rは互いに異なっていてもよい。p、qは各々0又は1の整数を表す。
    Figure 0004379243
    一般式(2)中、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、又は−C(R)(R)−であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、RとRが互いに結合してアルキレン環を形成してもよい。
    Figure 0004379243
    一般式(3)中、Xは単結合、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、Rは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換の芳香族基を示す。
  8. 請求項7に記載の画像形成装置に使用することを特徴とする電子写真感光体。
  9. 請求項7に記載の画像形成装置に使用することを特徴とする画像形成ユニット。
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