JP4361848B2 - 可逆性感熱記録媒体及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、可逆性感熱記録媒体及び画像処理方法に関する。
可逆性感熱記録媒体に、長期間にわたり光が照射されると、茶褐色の着色を生じさせ、それが消色しなくなるという傾向が認められる。これは、光の照射によってロイコ染料の分子構造が変化して、熱に対し可逆性のない着色物を生じさせるためだと考えられる。そのため、ロイコ染料を用いた可逆性感熱記録媒体では、紫外線が直接ロイコ染料に到達しないように紫外線吸収剤を用いることが一般的である。
例えば、特許文献1には、記録層と保護層の間に中間層を設けその中に紫外線吸収剤を添加する方法が示されている。しかし、ここで用いられる紫外線吸収剤は、分子量がおよそ200から400の範囲にある低分子紫外線吸収剤であり、経時的に、あるいは消去と印字の繰り返しによって、紫外線吸収剤の主成分がその下にある記録層へ移行し、記録層の発色・消色特性を変化させるなどの問題を発生させる。又、低分子紫外線吸収剤が保護層の表面に析出して、紫外線吸収効果を低下させたり、サーマルヘッドに付着して印字画像を乱したりするなど、大きな問題を引き起こすことがある。さらに、紫外線吸収剤の添加により保護層の膜強度が下がり、消去・印字の繰り返しによって打こんが発生するなど、実用上大きな問題を生じている。
また、特許文献2では、常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを保護層中に添加する方法が示されている。これは、紫外線吸収剤のブリードアウトを防止させる目的で行われている。しかし、これでは保護層中に液相が混在するので膜強度が下がり、消去・印字の繰り返しによって打こんが発生する。また、もしマイクロカプセルを破損させるようなことがあれば可逆性感熱記録媒体内部や表面に紫外線吸収剤が拡散し、発色・消色特性の低下、カード使用者やサーマルヘッドなどへの汚染といった問題を発生させることになる。また、耐溶剤試験における耐アルコール性に関しても長時間アルコールを浸漬すると画像が消色してしまい実用上大きな問題を生じている。
また、特許文献3、特許文献4などでは、保護層に紫外線吸収構造を有するポリマーを添加する方法が示されている。しかし、これらのポリマーは架橋されておらず保護層表面に求められる耐熱性や耐久性は強く、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などの架橋状態にある樹脂と比べると、架橋状態にないポリマーでは不十分である。たとえ、ポリマーを架橋状態にある樹脂で周りを固めても、層が海−島構造となり、多数回の使用で架橋されていないポリマーの部分から崩れはじめ、記録媒体表面に打こんが発生してしまう。この場合にも、耐溶剤試験における耐アルコール性に関して、長時間アルコールを浸漬すると画像が消色してしまい実用上大きな問題を生じている。
また、特許文献5では、中間層又は保護層に紫外線遮蔽効果のある、ある特定の無機顔料を添加する方法が示されている。無機顔料は、それ自身が持つ紫外線吸収能と制御された粒子サイズによる紫外線散乱能によって紫外線を遮蔽する。しかし、無機顔料で紫外線遮蔽効果を発揮させるためには、非常に細かい粒子で多くの添加が必要であり、配合量が多くなると透明性を損なうこととなる。透明性を損なうと地肌が着色し、コントラストが悪くなり、視認性が劣るためである。また、微粒子化により表面活性が著しく強くなり触媒作用を引き起こして他の配合成分の変質を招くことにもなる。さらに、二次凝集が発生しやすいために分散性が極めて悪くなり、塗膜中での顔料ムラが発生してしまうので、多数回の使用で顔料の少ない部分から記録媒体表面に打こんが発生してしまう等の問題を有していた。また、耐溶剤試験における耐アルコール性に関して、長時間アルコールを浸漬すると画像が消色してしまい、改善することが非常に困難で、実用上大きな問題を生じている。
一方、繰り返し耐久性の改善に関して、特許文献6には、可逆性感熱記録層へ膜厚の1.1倍以上の平均粒径を有する粒子の添加による繰り返し耐久性の改善が提案され、また、特許文献7には特定の光沢度及び表面粗さの保護層を設けることでヘッドマッチング性を向上させ、消色性を持続させた改善が提案されている。また、特許文献8では、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤又はアルミニウムカップリング剤で表面処理された顔料を含有させることにより耐久性を向上させている。しかしながら、これらの記録層、保護層を用いても印字・消去を繰り返すことでダメージが大きくなり、消し残りが発生してしまうので、実質的には繰り返し使用が少ない回数に制限されてしまうといった問題を有している。また、耐溶剤試験における耐アルコール性に関しても改善することが非常に困難で、実用上大きな問題を生じている。
また、特許文献9には、記録層又はアンダー層に鱗片状フィラーを用いることで、繰り返し耐久性、印字濃度、コントラストの改善が提案されているが、これでは保護層からの染み込みによる記録層へのアルコール浸漬を防止することが出来ないため、耐溶剤試験における画像の劣化を防止することは難しく、実用上大きな問題を生じている。
以上のことから、繰り返し耐久性、耐光性及び耐アルコール性での品質を十分に満たす可逆性感熱記録媒体を提供できていないのが現状である。
特開昭62−48585号公報
特開平7−68937号公報
特開平8−224960号公報
特開平9−207437号公報
特開平10−100541号公報
特開平6−340171号公報
特開平8−156410号公報
特開平10−264521号公報
特開平5−193258号公報
本発明は、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性に優れた効果を有する可逆性感熱記録媒体及び該可逆性感熱記録媒体を用いた画像処理方法を提供することを目的とする。
前記課題の1つを解決する手段として、保護層を有する可逆性感熱記録媒体において、該保護層は、少なくともシリカを主成分とする鱗片状フィラーを含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体を提供することができる。これにより、繰り返し印字による消去性、耐久性、耐光性及び耐アルコール性に優れた効果を有する可逆性感熱記録媒体を提供できる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、シリカを主成分とするとは、鱗片状フィラーにおけるシリカの含有量が50重量%を超えることを言う。
本発明は、さらに、鱗片板の厚みに対する鱗片板の最大長さの比率が10以上である鱗片状フィラーを用いることができる。これにより、良好な色調を得ることができる。
本発明は、さらに、鱗片板の厚みが0.01μm以上0.5μm以下である鱗片状フィラーを用いることができる。これにより、より耐アルコールに優れ、また、より画像欠陥の生じにくい可逆性感熱記録媒体を提供できる。
本発明は、さらに、単位重量あたりの表面積の総和が20m/g以上80m/g以下である鱗片状フィラーを用いることができる。これにより、より耐アルコールに優れ、また、より画像欠陥の生じにくい可逆性感熱記録媒体を提供できる。
本発明は、さらに、平均粒径が4.0μm以上6.0μm以下である鱗片状フィラーを用いることができる。これにより、耐アルコールに優れ、また、画像欠陥の生じにくい可逆性感熱記録媒体を提供できる。
本発明は、さらに、紫外線硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を含む保護層を用いることができる。これにより、より耐久性が優れた可逆性感熱記録媒体を提供できる。
本発明は、さらに、イソシアネートで架橋されている熱硬化性樹脂を含む保護層を用いることができる。これにより、より耐久性が優れた可逆性感熱記録媒体を提供できる。
本発明は、さらに、表面の動摩擦係数が0.3以下である可逆性感熱記録媒体を用いることができる。これにより、機械的損傷による画像劣化を解消することができる。
本発明は、さらに、紫外線吸収剤を有する保護層を用いることができる。
本発明は、さらに、表面粗さが0.2μm以下である可逆性感熱記録媒体を用いることができる。これにより、良好な光沢感を得ることができる。
本発明は、さらに、2種類以上のシートを貼り合わせた支持体を用いることができる。
本発明は、さらに、熱に対して非可逆な可視情報が表面に形成してある可逆性感熱記録媒体を用いることができる。
本発明は、さらに、印刷が可能な部分を有する可逆性感熱記録媒体を用いることができる。
本発明は、さらに、接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録媒体を得ることができる。
本発明は、さらに、情報記憶部を有する可逆性感熱記録媒体を得ることができる。
本発明は、さらに、請求項1乃至請求項13のいずれか1に記載の可逆性感熱記録媒体を、加熱により画像を形成又は消去する画像処理方法を得ることができる。
本発明により、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性に優れた効果を有する可逆性感熱記録媒体及び該可逆性感熱記録媒体を用いた画像処理方法を提供することが可能となる。
本発明は、保護層を有する可逆性感熱記録媒体において、該保護層に少なくともシリカからなる鱗片状フィラーを含むことを特徴とするものである。これにより、繰り返し印字による消去残りや印字部分の耐久性及び耐光性を著しく向上させ、耐溶剤試験における耐アルコール性に関しても画像保持に優れた効果を挙げることができる。
鱗片状フィラーは、厚みがナノサイズの極めて薄い鱗片状の1次粒子を有している。通常は、鱗片状1次粒子が複数枚重なり合った積層構造の2次粒子体のような特異な構造をしている。鱗片状フィラーは無定形や球状のものとは異なり、粒子が層に対して並行に配列するので、例えば耐溶剤試験を行なった場合、記録層中への浸透経路が長くなり耐溶剤試験に効果があげられる。
また、フィラーにより媒体表面を荒らした保護層を設けた感熱記録ラベルをカード等の基体シート上に熱圧着した場合、熱圧着により保護層表面のフィラーが保護層中あるいは下層に押し込まれて表面光沢が上昇し、その結果フィラーの効果がなくなり繰返し耐久性が低下してしまったり、さらに表面光沢が上昇した状態で印字及び消去を繰り返すと、印字及び消去を行なった部分の光沢が低下して、非印字及び非消去部との光沢差が光沢ムラとして認識されるようになるという問題が生じることがあるが、本発明の鱗片状のフィラーを含有する保護層を用いると上記のような問題も解決できる。この時の可逆性感熱記録媒体の表面粗さRaが0.20μm以下であるとさらなる光沢感が得られて好ましい。
無機顔料からなる鱗片状フィラーについては、シリカからなるものが最も好ましい。これは、鱗片状フィラ−がシリカからなる場合には末端にシラノール基(−SiOH)が多く存在しており、該シラノール基の関与が鱗片間の密着性を向上させているためだと考えられる。すなわち、鱗片状という形状と末端にシラノール基(−SiOH)をもつシリカと組み合わせることで、他の無機顔料より強い密着力が得られ、その効果で耐溶剤試験によるアルコールの浸漬を保護層で食い止め、記録層への浸透を防止する効果があげられるためだと考えられる。ここで、耐溶剤試験とは、カードに関するJIS X 6311に規定されており、具体的には、6.3.11 耐薬品浸せき性が挙げられる。その中でもアルコール試験は、使用上において、耐アルコール性に影響されない保護層を開発することは非常に重要である。染み込んだアルコールは浸透圧の関係で保護層中へ染み込みやすく、ロイコ染料と顕色剤の結合を容易に分離させやすくする機能を有しているため、画像が消色してしまうという問題を有するためである。
鱗片状フィラーの鱗片板の厚みに対する鱗片板の最大長さの比率は、10以上であることが好ましい。耐溶剤試験における耐アルコール性が優れ、また、該比率が10に満たない場合は、厚みが増加して透明性が失われ、良好な色調が得られにくいためである。
更に、本発明で使用されるシリカの鱗片板の厚みは0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましい。シリカの鱗片板の厚みが0.01μmより小さいと間隔ができ、溶剤が浸透しやすくなるため耐アルコール性が弱まり、画像消色が起こりやすく、また、0.5μmより大きいと印字の際に画像欠陥を生じやすいためである。
鱗片状シリカの単位重量あたりの表面積の総和が20m/g以上80m/g以下であることが好ましい。単位重量あたりの表面積の総和が20m/gより小さいと鱗片状フィラーの間隔ができ、溶剤が浸透しやすくなるため耐アルコール性が弱まり、画像消色が起こりやすいためであり、また、総和が80m/gより大きいと印字の際に画像欠陥を生じやすいためである。
鱗片状フィラーの平均粒径が4.0μm以上6.0μm以下であることが好ましい。4.0μmより小さいと印字の際に画像欠陥を生じやすく、また、平均粒径が6.0μmより大きいと鱗片状フィラーの間隔ができ、溶剤が浸透しやすくなるため耐アルコール性にが弱まり、画像消色が起こりやすくなるためである。本明細書及び特許請求の範囲において、鱗片状フィラーの平均粒径とは、複数の鱗片状フィラーの最大長さを数平均した値である。
樹脂と鱗片状フィラーの割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむね樹脂に対し0.1重量%以上200重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以上150重量%以下が好ましく、更に10重量%以上100重量%以下が好ましい。0.1重量%未満では、耐アルコール性での画像低下に効果が得られず、200重量%を超える場合は、発色濃度が低下して問題となるためである。
保護層は、紫外線硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を含有することが好ましい。これらの樹脂を用いるとコストを安くできるためである。
保護層樹脂の機能向上のために、複数のモノマー、オリゴマーを混合することができる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。特に好ましいのは4官能以上の重合性モノマー及びオリゴマーである。多官能性モノマー及びオリゴマーの例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンプロピルオキシ付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、グリセリルプロポキシトリアクリレート、ジペンタエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロピントリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールのペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート付加ウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、DPHAのε−カプロラクトン付加物等が挙げられる
紫外線を用いて硬化させる場合には、光重合開始剤、光重合促進剤を用いることができる。光重合開始剤はラジカル反応型とイオン反応型に大別でき、更にラジカル反応型は光開裂型と水素引抜き型とに分けられる。光重合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテルベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシシカルボニル)オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン等が挙げられ、単独で又は2種以上混合して使用されるが、これらに限定されるものではない。また、光重合促進剤としては、ベンゾフェノン系やチオキサントン系などの水素引抜きタイプの光重合開始剤に対し、硬化速度を向上させる効果があるものが好ましく、例えば芳香族系の第3級アミンや脂肪族アミン系のものがある。具体的には、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。これら光重合促進剤は単独で又は2種以上混合して使用される。これらの光重合開始剤及び光重合促進剤の添加量としては保護層の樹脂成分全重量に対して0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、更に好ましくは1重量%以上10重量%以下である。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール等、水酸基やカルボキシル基など架橋剤と反応する基を持つ樹脂、又は水酸基やカルボキシル基などを持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂を用いることができる。中でもアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂が好ましく、また、水酸基価としては70(KOHmg/g)以上で耐久性、塗膜表面硬度、ワレ抵抗性が向上することができる。特に好ましくは90(KOHmg/g)以上である。水酸基価の大小は架橋密度に影響するため、塗膜の耐化学薬品性、物性などを左右する。アクリルポリオール樹脂においては構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、2−ヒドロキシブチルモノアクリレート(2−HBA)、1,4―ヒドロキシブチルモノアクリレート(1−HBA)などが用いられるが、特に第1級水酸基をもつモノマーを使用した方が塗膜のワレ抵抗性や耐久性が良いことから、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく用いられる。
熱架橋の架橋剤としては、例えばイソシアネート類、アミノ樹脂、フェノール樹脂、アミン類、エポキシ化合物等が挙げられる。中でもイソシアネート類が好ましく、特に好ましくはイソシアネート基を複数持つポリイソシアネート化合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等、及びこれらのトリメチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロック化イソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の樹脂に対する添加量としては、樹脂中の含まれる活性基の数に対する架橋剤の官能基の比が0.01以上2.00以下が好ましく、0.01以下では熱強度が不足してしまい、また、2.00以上添加すると発色・消色特性に悪影響を及ぼす。また更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタンなどの3級アミン類、有機スズ化合物などの金属化合物などが挙げられる。
印字・消去を繰り返しても機械的損傷による画像劣化を解消するために表面の動摩擦係数は0.3以下である事が好ましい。動摩擦係数が0.3より大きくなると媒体表面の滑性が低下して搬送不良が発生するためである。
この動摩擦係数0.3以下を達成するために、重合性基を持つシリコーン、シリコーングラフトをした高分子、ワックスやステアリン酸亜鉛等の離型剤、シリコーンオイル等の滑剤を保護層に添加することが出来る。これらの添加量としては、保護層の樹脂成分全重量に対して0.01重量%以上50重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.1重量%以上40重量%以下である。添加量はわずかでも効果を発現するが、50重量%を越えると下層との接着性に問題が生じる場合がある。
なお、動摩擦係数の測定は、荷重200g、移動速度0.75mm/sという条件の下、新東科学製表面性測定機(HEIDON−14S)でセラミックボールを用いて行なった。
また、保護層中に有機紫外線吸収剤を含有しても良く、その含有量は保護層の樹脂成分全重量に対して0.5重量%以上10重量%以下の範囲が好ましい。さらに、添加剤として従来公知の界面活性剤、酸化防止剤、レベリング剤、光安定化剤、帯電防止剤等を含有していてもよい。
また、媒体表面の表面粗さRaは0.2μm以下であることが好ましい。0.2μmを越えると十分な光沢感が得られず、また繰り返し使用により光沢変化が発生したり、消去跡が認識されるようになり、消去残りが増加したような錯覚に陥る場合があるためである。なお、Raは0.1μm以下であることがさらに好ましい。このことにより、光沢感が増し、高級感が得られるためである。
表面粗さRaとは被測定面の中心線平均粗さを示すものであり、JISB0601法に基づき測定される。本発明における表面粗さRaの測定は、カットオフ値0.8mm、測定長さ2.5mm、走査速度0.3mm/s、触針曲率半径5μmという条件の下、表面粗さ形状測定装置サーフコム570Aを用いて行った。
保護層の膜厚は0.1μm以上20μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.5μm以上10μm以下、さらに好ましくは1.5μm以上6μm以下である。
可逆性感熱記録層は、少なくともロイコ染料と顕色剤を含有し、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色した状態を示すものである。
顕色剤としては、炭素数8以上のアルキル鎖を有するフェノール化合物を用いることが好ましい。
前記感熱記録層が硬化性樹脂を含有することが好ましい。これにより繰り返し耐久性が向上するためである。
該可逆性感熱記録層がイソシアネート化合物によって架橋状態にある樹脂を含有することが好ましい。
可逆性感熱記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
また、可逆性感熱記録媒体には、可逆性感熱記録層及び保護層の他に、必要に応じて、中間層、光熱変換層、バック層又はアンダー層を設けてもよい。
可逆性感熱記録層と保護層の間に中間層を設けることにより、可逆性感熱記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止及び保護層中の添加剤の記録層への移行の防止を図れる。
前記中間層に紫外線吸収材料と硬化性樹脂を含有させることが好ましい。このことにより、耐光性が向上するためである。
光熱変換層を設けることにより、レーザー光を吸収して光を熱に変換でき、可逆性感熱記録層に対するレーザー記録が可能となる。
バック層を設けることにより、可逆性感熱記録層面の収縮によるカールを抑えることができる。
アンダー層を設けることにより、印加した熱を有効に利用できるので可逆性感熱記録媒体の発色感度が向上し、支持体と感熱記録層の接着性の改善ができ、さらに支持体への感熱記録層材料の浸透を防止できる。
2種類以上のシートを貼り合わせた支持体を用いることができる。基体シートとしては、以下に示すような材料からなるシートやこれらの積層体が用いられる。
塩素含有重合体としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられ、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、テレフタール酸又はイソフタール酸などの酸成分とエチレングリコール又はシクロヘキサンジメタノールなどのアルコール成分との縮合エステル樹脂(たとえばPETG:イーストマンケミカル社の商標)等が挙げられ、生分解性プラスチック樹脂としては、ポリ乳酸系樹脂、デンプンと変性ポリビニールアルコール等とからなる天然高分子系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロキシ吉草酸とからなる微生物産生の樹脂等が挙げられる。さらにポリアセテート、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)及びポリカーボネート(PC)、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の合成樹脂シート又は合成紙等が挙げられ、これら上記材料を適宜組合せてもよく、これら上記の材料を積層したものでもよい。このような積層の例としては、例えば厚さ250μmの白色ポリ塩化ビニル樹脂シートを2枚積層したコアシートと、このコアシートの表裏面に厚さ100μmの透明ポリ塩化ビニル樹脂シートをオーバーシートとして積層したもの、また例えば厚さ250μmの白色PETGシートを2枚積層したコアシートと、このコアシートの表裏面に厚さ100μmの透明PETGをオーバーシートとして積層したものなどが挙げられる。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆な感熱記録層を併用してもよい。このときそれぞれの記録層の発色色調は同じでも異なってもよい。
また、特許請求の範囲及び明細書においては、表面とは可逆性感熱記録層側の表面のことであり、保護層に限ったものでなく、印刷層表面、OP層表面、ラミネート層表面など印字消去の際サーマルヘッドに接触する全て又は一部の面を意味している。
本発明の可逆性感熱記録媒体では、印刷部分を有するものを用いることができる。可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱記録層と同一面及び/又は反対面の一部分又は全面に、オフセット印刷、グラビア印刷などの印刷、又はインクジェットプリンター、熱転写プリンター、昇華型プリンターなどによって任意の絵柄などを施した着色層を設けても良く、さらに着色層上の一部分もしくは全面に硬化性樹脂を主成分とするOPニス層を設けてもよい。ラミネート加工をする場合には、支持体又は貼り合わせる基体シート上にあらかじめ、上記の印刷を施すことができる。任意の絵柄としては、文字、模様、図柄、写真、赤外線で検知する情報などである。また、構成する各層のいずれかに染料や顔料を添加して着色することもできる。
さらには、セキュリティのためにホログラムを設けることもできる。エンボス加工によって文字情報、点字情報を設けたり、また、意匠性付与のためにレリーフ状又はインタリヨ状に凹凸を付けて人物像や社章、シンボルマーク等のデザインを設けることもできる。
支持体の可逆性感熱記録層側とは反対側に接着剤層又は粘着剤層を設けて可逆性感熱記録ラベルとして用いることができる。この際、カード等の基体シートや他の媒体へ貼り付けても良い。具体的には、ICカードや光カード等の厚手カード、非接触ICタグ等の薄手シート、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等へ貼り付けることができ、このことにより、各々の媒体に対し情報表示が可能となる。このとき、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
前記可逆性感熱記録ラベルは前記基体シートの全面に設けられていてもよく、一部に設けられていてもよい。また、前記基体シートの片面に設けられていても両面に設けられていてもよく、適宜選択される。また、熱圧着で感熱記録ラベルを貼りつける場合、前記可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の感熱記録層を形成する面と反対の面に接着剤層又は粘着剤層は必ずしも必要ではない。
情報記憶部を可逆性感熱記録媒体に設けることができる。熱可逆性記録部と情報記憶部の両方を設けることにより、情報記憶部に記憶された情報を熱可逆性記録部に表示することで、特別な装置がなくても情報を確認することができ、利便性が向上する。その際に用いられる情報記憶部は磁気記録層、磁気ストライプ、ICメモリー、光メモリー等が挙げられる。
また、本発明の可逆性感熱記録媒体はその用途に応じた形に加工することができ、カード状、シート状、ロール状などに加工される。カード状に加工されたものについてはプリペイドカードやポイントカードさらにはクレジットカードなどへの応用が挙げられ、A4サイズなど一般文書サイズに加工されたシート状のものは、印字/消去装置を用いることにより、試し印字はもちろんのこと、回覧文書や会議資料など一時出力用途などに広く用いることができる。さらに、ロール状に加工されたものは、印字/消去部を有した装置に組み込まれるなどして、表示板・掲示板又は電子黒板に用いることができる。このような表示装置は塵、ゴミなどの発生がないため、クリーンルームなどに好ましく用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも重量を基準とするものである。
[実施例1]
〈感熱記録層の作製〉
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 4.5部
下記の構造の顕色剤
Figure 0004361848
アクリルポリオール樹脂50%溶液(三菱レーヨン社製:FR4754) 61部
上記組成物をペイントシェーカーにて粒径1.0μmまで粉砕分散した。得られた分散液にアダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製:コロネートHL)20部を加え、よく撹拌し感熱記録層塗布液を調製した。上記組成の感熱記録層塗布液を、厚さ250μmの白色PETフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で乾燥した後、60℃で24時間加熱して、膜厚約11μmの感熱記録層を設けた。
(中間層の作製)
ポリエステルポリオール樹脂
(武田薬品工業社製:タケラックU−21) 1部
酸化亜鉛
(住友大阪セメント社製:ZnO−305) 1部
コロネートHL 2部
メチルエチルケトン 9部
上記組成物を良く攪拌して調製した中間層塗布液をワイヤーバーで塗布し、90℃1分で乾燥した後、70℃2時間加熱して、膜厚約2.0μmの中間層を設けた。
(保護層の作製)
鱗片状シリカ
(洞海化学工業社製:サンラブリーC:粒径5.7μm、厚み0.1μm、表面積の総和20m/g、厚みと最大長さ比率80) 2部
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(日立化成社製:FA−731A) 8部
光重合開始剤
(日本チバガイギー社製:イルガキュア907) 0.4部
イソプロピルアルコール 9部
トルエン 9部
上記組成物をペイントシェーカーにて30分間振盪して保護層塗布液を調整した。この保護層塗布液を前記感熱記録層塗布済みフィルム上にワイヤーバーにて塗布、加熱乾燥した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させた後、60℃で24時間加熱して膜厚約4μmの保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例2]
鱗片状シリカ
(洞海化学工業社製:サンラブリーC:粒径5.7μm、厚み0.1μm、表面積の総和20m/g、厚みと最大長さ比率80) 2部
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート
(日立化成社製:FA−731A) 4部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製:DPHA) 2部
ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製:アートレジンUN−3320HS) 2部
光重合開始剤
(日本チバガイギー社製:イルガキュア907) 0.4部
イソプロピルアルコール 9部
トルエン 9部
上記組成物をよく攪拌して保護層塗布液を作成した。この保護層塗布液を用いて実施例1の感熱記録層及び中間層塗布済みフィルム上に実施例1と同様にして保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例3]
鱗片状シリカ
(洞海化学工業社製:サンラブリーC:粒径5.7μm、厚み0.1μm、表面積の総和20m/g、厚みと最大長さ比率80) 20部
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート
(日立化成社製:FA−731A) 0.5部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製:DPHA) 3.5部
ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製:アートレジンUN−3320HS) 4部
光重合開始剤
(日本チバガイギー社製:イルガキュア907) 0.4部
イソプロピルアルコール 9部
トルエン 9部
上記組成物をよく攪拌して保護層塗布液を作成した。この保護層塗布液を用いて実施例1の感熱記録層及び中間層塗布済みフィルム上に実施例1と同様にして保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例4]
実施例2におけるトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートをネオペンチルグリコール変成トリメチロールプロパンジアクリレート(日本化薬社製:R−604)に換えた以外は実施例2と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例5]
実施例2におけるトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートをテトラヒドロフルフリルアクリレート(サートマー社製:SR−285)に換えた以外は実施例2と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例6]
鱗片状シリカ
(洞海化学工業社製:サンラブリーC:粒径5.7μm、厚み0.1μm、表面積の総和20m/g、厚みと最大長さ比率80) 2部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製:DPHA) 8部
ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製:アートレジンUN−3320HS) 8部
光重合開始剤
(日本チバガイギー社製:イルガキュア907) 0.4部
イソプロピルアルコール 9部
トルエン 9部
上記組成物をよく攪拌して保護層塗布液を作成した。この保護層塗布液を用いて実施例1の感熱記録層及び中間層塗布済みフィルム上に実施例1と同様にして保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例7]
実施例2の保護層塗布液をアズワン社製超音波洗浄機VS−100(周波数50KHz)で10分間超音波を照射した後、実施例2と同様にして保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例8]
(保護層塗布液の作製)
鱗片状シリカ
(洞海化学工業社製:サンラブリーC:粒径5.7μm、厚み0.1μm、表面積の総和20m/g、厚みと最大長さ比率80) 4部
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート
(日立化成社製:FA−731A) 6部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製:DPHA) 3部
ウレタンアクリレートオリゴマー
(根上工業社製:アートレジンUN−3320HS) 2部
紫外線硬化性シリコーン樹脂30%溶液
(東レダウコーニング社製:AY42−146−U10) 1部
光重合開始剤
(日本チバガイギー社製:イルガキュア907) 0.4部
イソプロピルアルコール 9部
トルエン 9部
上記組成物をよく攪拌して保護層塗布液を作成した。この保護層塗布液を用いて実施例1の感熱記録層及び中間層塗布済みフィルム上に実施例1と同様にして保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[実施例9]
中間層を設けない以外は実施例2と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。記録層塗布済フィルムは乳白色であったが、保護層塗布後に紫外線架橋を行ったところ、淡赤褐色に着色した。
[比較例1]
実施例6における鱗片状シリカを不定形シリカ(富士シリシア社製:P―526:粒径1.4μm)に換えた以外は実施例7と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[比較例2]
実施例2における鱗片状シリカを有機シラン球状シリカ(旭硝子社製:サンスフェア)に換えた以外は実施例2と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[比較例3]
実施例6における鱗片状シリカを、微粉末シリカ(富士シリシア社製:サイロホービック100)に換えた以外は実施例7と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[比較例4]
実施例6における鱗片状シリカを除いた以外は実施例7と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
[比較例5]
実施例2における鱗片状シリカを鱗片状タルク(三好化成社製:PT−46)に変えた以外は実施例2と同様に記録層、中間層、保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
以上の様に作製した可逆性感熱記録媒体の繰り返し耐久性の評価結果を表1に示す。
繰り返し試験は、実使用を考慮して手差しで行った。すなわち、1回印字するごとに指の腹で記録面全面を触り、3分後に再び消去印字にかけるというものである。
繰り返し耐久性の評価方法については、上記実施例及び比較例にて得られた可逆性感熱記録媒体をクレジットカード状に打ち抜き、カードプリンターR−28000(パナソニックコミュニケーションズ社製)にて消去印字モードで印字を行った。消去印字とは、カードを挿してから1往復して再びカードが出てくるまでに画像が書き換えられるもので、消去はセラミックヒーター(イレーズバー)、引き続き印字はサーマルヘッドで行う。条件としては、印字エネルギーは約0.42mJ/dotとし、セラミックヒーターの消去エネルギーはエネルギー不足による消え残りがなく、かつオーバーエネルギーによるカブリがない領域の中心値に設定した。印字部の濃度は、マクベス濃度計RD914の黒濃度にて測定した。
消去残りとは、印字前の非印字部の濃度と、100回繰り返してベタ文字(■)を消去印字した部分を消去して得られる部分の濃度の差である。熱及びプラテン圧によって記録層成分が融解溶出する度合いを評価している。濃度差は0.03までであれば認識できない。
地肌汚れとは、印字前の非印字部の濃度と、繰り返し印字の試験中全く熱履歴を受けなかった部分の濃度との差である。媒体への油汚れの付き易さを評価している。消去残りと同じく、濃度差は0.03までであれば認識できない。
ひび割れとは、100回繰り返してベタ文字を印字した部分の外観の変化を評価している。○は外観上の変化なし、△はわずかに印字クラック(長さ1mm未満)が見える、×はベタ印字部に長さ1mm以上のクラックが入った状態である。
打痕とは、100回のうち、奇数回はベタを印字し、偶数回は消去したままにするパターンを打ち、隣接する、セラミックヒーター以外の温度履歴の全くない部分との外観の差を評価している。○は打痕なし、△は打痕が見える、×は剥がれが生じている。
耐光性とは、カードプリンターR28000を用いて1回目繰り返し後の印字部を5500lux照射下、100時間放置し、その後、印字部をカードプリンターR28000で全面消去した時の消去残りをマクべス濃度計RD914で測定し、その変化の違いで耐光性をあらわしたものであり、光照射後の消し残り濃度変化としては以下のように定義できる。
光照射後の消し残り濃度変化=耐光性試験後の消去濃度―耐光性試験後の地肌濃度
耐溶剤性とは、60%エタノール水溶液に常温24時間浸漬させて、その後室温で24時間自然乾燥させ濃度値を測定する。濃度値が0.6以上のものを○、0.4以上0.6未満のものを△、0.4未満のものを×とした。
Figure 0004361848
実施例1から9までの保護層にシリカを主成分とする鱗片状フィラーを用いた本発明による可逆性感熱記録媒体は、何れも、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性に優れた効果を示した。
比較例1では、シリカを主成分とする鱗片状フィラーの変わりに、不定形シリカを用いた構成をとったが、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性は何れも、劣る結果となった。
比較例2では、シリカを主成分とする鱗片状フィラーの変わりに、有機シラン球状シリカを用いた構成をとったが、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性は何れも、劣る結果となった。
比較例3では、シリカを主成分とする鱗片状フィラーの変わりに、粒子径をミクロンサイズに調整した合成シリカを用いた構成をとったが、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性は何れも、劣る結果となった。
比較例4では、シリカを主成分とする鱗片状フィラーを除いた構成をとったが、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性は何れも、劣る結果となった。
比較例5では、シリカを主成分とする鱗片状フィラーの変わりに、タルクを主成分とする鱗片状フィラーを用いた構成をとったが、繰り返し印字による耐久性、耐光性及び耐アルコール性は何れも、劣る結果となった。

Claims (16)

  1. 保護層を有する可逆性感熱記録媒体において、該保護層は、少なくともシリカを主成分とする鱗片状フィラーを含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 前記鱗片状フィラーの鱗片板の厚みに対する該鱗片板の最大長さの比率は、10以上であることを特徴とする請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 前記鱗片状フィラーの鱗片板の厚みは、0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 前記鱗片状フィラーの単位重量あたりの表面積の総和は、20m/g以上80m/g以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 前記鱗片状フィラーの平均粒径は、4.0μm以上6.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 前記保護層は、紫外線硬化性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  7. 前記熱硬化性樹脂は、イソシアネートで架橋されていることを特徴とする請求項6記載の可逆性感熱記録媒体。
  8. 表面の動摩擦係数は、0.3以下であることを特徴とする特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  9. 前記保護層は、紫外線吸収剤を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  10. 表面粗さは、0.2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  11. 2種類以上のシートを貼り合わせた支持体を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  12. 熱に対し非可逆な可視情報が表面に形成してあることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  13. 印刷が可能な部分を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  14. 接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  15. 情報記憶部を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の可逆性感熱記録媒体を、加熱することにより画像を形成又は消去する画像処理方法。
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