JP4357523B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、ドラム式洗濯機の防振装置に関する。
一般的なドラム式洗濯機は、洗濯機筐体内で弾性支持された水槽と、この水槽内で回転軸を水平に対して0〜30°程度傾斜して回転可能に設けられた洗濯槽と、水槽の後部に設け、この洗濯槽を回転駆動するモータとで構成され、衣類の開口部を筐体前面に設けている。
この洗濯槽内に衣類を入れて洗濯する。この洗濯後の衣類を干す,乾燥させる前に、衣類から水分をできるだけ取り除く必要がある。そこで、この洗濯槽の側面にはたくさんの小さな穴があいており、洗濯槽を高速に回転させ、遠心脱水を行っている。
遠心脱水を行うにあたり、洗濯槽内に均等に衣類を分散させることは困難であり、衣類の片寄りが生じてしまう。その状態で高速回転させると、大きな遠心力が発生し、大きな振動となる。この大きな遠心力を逃がし、振動を小さくするため、水槽はばねで弾性支持されている。ばねだけで支持すると共振時に振動を抑えることができないため、ダンパを併設し、減衰作用を与えている。振動を低減させ、適正な状態で遠心脱水できるようにばねおよびダンパは調節されている。
ばねのばね定数を小さくすれば、水槽の振動を洗濯機筐体へ伝えにくくすることができる。しかし、ばね定数を小さくすると、衣類や洗濯水を入れた場合に大きく沈み込み、ばねが密着してしまう。そうすると洗濯時の振動を緩和させることができないし、ばねへの負担が大きくなり、劣化が進んでしまう。
また、ダンパはその減衰力を大きくすると、脱水起動時に起きる共振を抑えてスムーズに起動させることができる。しかし、減衰力を大きくしすぎると高回転時において、振動が洗濯機筐体へ大きく伝わってしまう。
特開2001−212395号公報
特許文献1のようなドラム式洗濯機の場合、洗濯槽は、下方よりばねならびにオイルダンパで支持されている。このオイルダンパのピストンの両側にはピストンに設けられたオリフィスを塞ぐための弁体が配置されている。共振時のような振動が大きい場合には、ピストンは弁体に接触するほど動く。弁体によってオリフィスがふさがり、減衰力が大きくなるため、振動を抑えてスムーズに起動させることができる。また、高速回転時においては、振動が小さく、ピストンは弁体まで移動することがなく、全部のオリフィスがあいた状態であり、減衰力が小さい。そのため、振動が洗濯機筐体へ大きく伝えなく、防振性に優れた特性となる。
しかし、2つの弁体が浮遊するための隙間が必要であり、ダンパが長くなり、コンパクトなドラム式洗濯機にすることが難しい。また、弁体とピストンが接触するときに衝突音が発生する恐れがある。
そこで、水槽の振動により前記ダンパの伸縮が所定の長さより長くなる場合、伸びる方向にのみ減衰力が大きくなるように減衰性能が切り替わることを特徴とするダンパを搭載する。
次に、ばね定数を低くして低振動化を図るために、前記水槽を支持する前記ばねは、前記ダンパの外側に配され、前記ダンパが最大に伸びた状態でも圧縮された状態で前記ダンパに取り付けられている。
さらに、伸びる方向にのみ減衰力が大きくなるように減衰性能が切り替わる前記ダンパは、切り替え時の衝撃音が長い時間続かないように、振動時における伸び始めの位置から8mm以上伸びた位置で減衰性能が切り替わり始める。
前記ダンパは、オイルが封じ込められたシリンダの中をオイルを流通させるための複数の小さな孔を設けたピストンが動く構造であり、切り替わるときの衝撃を緩和し低騒音な脱水起動にするために、前記孔の面積の合計は、ピストンの面積の5%以下にする。
ドラム式洗濯機の筐体の大きさを大きくすることなく、ばね定数を小さくすることができ、防振性能を向上させることができる。また、振動が所定の大きさより大きくなると、ダンパの伸び方向にのみ減衰力が大きくなるように切り替わるダンパを搭載することで、共振時の大きな振動を大きな減衰力で抑制することができる。また、高回転における小さい振動状態では減衰力を小さくして、筐体ならびに床への振動の伝達を抑えることができる。また、減衰力を切り替える際に発生する衝撃音を低減し、静かに脱水することができる。
以下、実施例を説明する。
以下、本発明の実施例について、図1〜図13を用いて説明する。図1は本発明のドラム式洗濯機の内部の側面図である。図2は本発明のドラム式洗濯機の内部の正面図である。また、図3は水槽を支持するばね・ダンパを組み合わせたサスペンションの外観図である。この発明はドラム式洗濯機に限らず、ヒータやファン等の乾燥装置を搭載したドラム式洗濯乾燥機にも適用可能である。
洗濯機の筐体1前面には洗濯物の投入口があり、扉2が設けられている。扉2を開閉することで、洗濯物を出し入れする。また、筐体1の内側には、水平より0〜30°投入口側を上にして傾斜し、投入口側が開口した円筒状の水槽3が配置されている。投入口と水槽3の開口部は蛇腹状のゴム質のベローズ6でつながれており、洗濯物の出し入れ時に洗濯物が筐体1内に落ちないようになっている。水槽3の内側には、多数の孔が空けられ一端が開口した円筒状の洗濯槽4が、回転可能に設けられている。洗濯槽4の底面中心には回転軸9が締結され、この回転軸9は水槽3の底面の中心を、水密にシールされかつ回転可能な状態で貫通している。水槽3の後部底面にはフランジ8が固定され、このフランジ8には洗濯槽4を回転駆動するモータ5が固定される。そして洗濯槽4の回転軸9はこのモータ5の回転軸に締結されている。こうして、洗濯槽4は水槽3の後部に設けられたモータ5により水槽3内を左右どちら周りにも回転でき、洗濯槽4を回転させながら、洗い・すすぎ・脱水が行われる。また、脱水時の振動を低減させるために、洗濯槽4の前部に流体バランサ10が固定されている。流体バランサ10は中空のリングの中に塩水が入っており、脱水時に衣類の片寄りの反対側に塩水が集まり、衣類の片寄り打ち消し、振動を低減する効果がある。
洗濯槽4およびモータ5が取り付けられている水槽3は、筐体1の底面から水槽3の下部へダンパ7が取り付けられている。このダンパ7の外側にはばね16が配され、弾性的に水槽3を支持している。このダンパ7はほぼ左右対称の位置に取り付けられ、2本で水槽3を支持している。
また、筐体1の内部上面の中央付近より補助ばね17で水槽3の上部後方を、補助ばね18で水槽3の上部前方を引っ張っている。これらの補助ばね17,18のばね定数は前記ダンパ7に併設されたばね16に比べて小さい。また、補助ばね17のばね定数は補助ばね18のばね定数に比べて同じもしくは若干大きいばね定数となっている。また、補助ばね17は補助ばね18より長い。補助ばね17,18を取り付ける筐体1の位置はほぼ同じ位置であるが、ばね同士の接触を避けるため、若干左右にずらしている。
筐体1の上部には、給水ユニット11があり、洗い・すすぎ時に使用する水は、筐体1の上部に設けた給水口12,給水バルブ13,洗剤ケース14,蛇腹状のホース15を通過して水槽3内部に注がれる。また、洗い・すすぎ後の水および脱水時の水は、水槽3の下部に設けた排水バルブ19および排水ホース20を通過して排水される。
図2の正面図に示すように、家庭の防水パンなどに設置しやすくするために、筐体1の下方は中央部より狭くしている。そのため、左右のダンパ7は筐体1の底面への広く取り付けることができず、洗濯槽4の内径より狭い間隔で取り付けられる。また、ダンパ7は水槽3の内側に向けて5度程度傾きを持って取り付けられている。そのため、ダンパ7の水槽3への取り付け位置は、水槽3の側面より下側、つまり水槽3の鉛直線に対して45度以内の範囲となる。よって、ダンパ7は水槽3の下側に取り付くことになり、筐体の高さを高くしないためにもダンパの長さは短いほうが望ましい。
図3にダンパ7の外観を示す。ダンパ7の上端は水槽3に取り付けられた金属のベース21にゴムブッシュ23を介して取り付けられる。また同様に下端は筐体1の底部に取り付けられた金属のベース22にゴムブッシュ23を介して取り付けられる。両端のゴムブッシュ23はワッシャー24で挟まれ、ナット25で締め付けられる。衣類や洗濯水を入れていない状態の水槽3を支えてもゴムブッシュ23が大きく変形しない程度に圧縮させて締め付ける。また、このダンパ17にはばね16が併設されている。ばね16はシリンダ26が支えるばね受け27とロッド28が支えるばね受け29の間に差し込まれている。ばね受け27はシリンダ26より一回り大きい円筒状の金属であり、その下端は内側に曲がりシリンダ26を受ける底面を形成し、ロッド28が通る穴があいている。また上端は外側に開いており、ばね16の上端を受ける。ばね受け29はロッド28に差し込めるような切り込みを設けた皿のような形状の金属部品であり、ばね16の下端を受ける。ばね16が横に動かないようにばね16の外径に合わせて淵が立ち上がっている。ばね16は中央が両端より膨らんだ形状のばねが望ましい。両端を細めることによりばね16の横移動をなくすことができると同時に、密着を起こす直前でばね力が急激に大きくなる特性となり、ばね16の密着が発生しにくくなる。
このようなドラム式洗濯機において、コンパクトで且つ防振性能に優れたものを提供する。
防振性能の向上のためにばね16のばね定数を低くする。ばね定数を低くすると水槽3の振動により発生する力が小さくなり、筐体1ならびに床の振動が小さくなる。しかし、衣類ならびに洗濯水を入れると沈み込みが大きくなり、ばね16が密着してしまう、もしくはダンパ7が最小長さまで縮んでしまう。ばね16が密着するとばね16の劣化が進み好ましくない。また、ダンパ7が最小長さまで縮んでしまうと、ダンパ7の内部で衝突が起こり、ダンパ7が壊れる原因となる。それを抑制するためにはばね16の自由長ならびにダンパ7を長くする必要がある。しかし、ダンパ7を長くすると水槽3の位置が高くなり、コンパクトにすることができない。ダンパ7の長さを変えずに、自由長を長くしたばね16を取り付ける必要がある。そこで、図4に示すように、図4(a)の自由長のばね16を図4(b)のように圧縮してダンパ7に組み込む。ただし、衣類や洗濯水が入っていない無負荷の状態の水槽3,洗濯槽4,モータ5等を支持したときには図4(c)のように図4(b)からさらに沈み込める長さ程度に圧縮してダンパ7に組み込む。このようにすることで、ダンパ7の長さを変えずに、ばね16のばね定数を低くし、振動を低減させることが可能となる。
しかし、ばね16を圧縮して取り付けると、振動で水槽3が上方向に移動するときに図4(b)までしか振動できない。圧縮させずに取り付けていれば、図4(a)の位置まで振動することができる。よって、水槽3の振動を小さくする必要がある。特に水槽3の上方向の振動を低減する必要がある。
そこで、水槽3が上方向に移動するときにその動きを抑制させるダンパ7を取り付ける。図5にダンパ7の断面図を示す。シリンダ26の中にはロッド28が入り込めるように空間を設けてオイル30が入っている。また、ロッド28の先端にはシリンダ28の内径とほぼ同じ大きさのピストン32が固定されている。このピストン32は小さな孔31が複数あいており、この孔31をオイル30が通過することで、オイル30の中を動くことができる。この孔31の面積が広ければ、抵抗が小さく、ピストン32ならびにロッド
28はスムーズに動く。また、孔31の面積が狭ければ、抵抗が大きく、ピストン32ならびにロッド28の動きは鈍くなる。また、ロッド28にはピストン32の下方で距離を置いた位置に鍔34を設ける。また、ピストン32と鍔34の間にバルブ33を配する。このバルブ33は、ピストン32より小さく、孔31を設けた位置より大きい円盤状の部品である。このバルブ33は、ピストン32と鍔34の間のロッド28の径より若干大きな穴が中央にあいており、ピストン32と鍔34の間を自由に動くことができる。図6のようにバルブ33がピストン32に接触すると孔31a以外の孔はふさがれてしまう。ピストン32の下部は、孔31aの位置において径方向に切欠35が設けられ、バルブ33がピストン32に接触しても孔31aは塞がれない。この状態の場合、オイルを通過させる孔31の面積が小さくなり、抵抗が大きくなり、大きな減衰力を発生させる。また、バルブ33はピストン32との衝突による衝撃をできるだけ緩和させるために樹脂でできているほうが望ましい。
このような構造のダンパ7の内部の動きを説明する。ピストン32が小さく振動している時は図5の状態であり、バルブ33は下方に位置しピストン32から離れた状態である。このような状態では、孔31はすべてがあいており、孔の面積が広く、抵抗が小さく、減衰力が小さい。
また、ピストン32の振動が大きくなると、ダンパが縮み方向へ動く場合、バルブ33は鍔34に押し当たり、孔31はすべてあいた状態となる。また、ダンパが伸び方向へ動く場合、動き始めるときはバルブ33は鍔34に接触しているが、シリンダ28内のオイル30とともに上に徐々に移動して鍔34から離れ、図6のようにピストン32に押し当たり、孔31a以外の孔31を塞いだ状態となる。よって、大きな振動の場合、ダンパ7が縮む方向には減衰力は小さいが、伸びる方向でははじめのうちは減衰力が小さいが、所定の移動量に達すると減衰力が大きく切り替わる。ただし、バルブ33はオイル30の動きの影響を受けるため、ピストン32と鍔34の隙間からバルブ33の板厚分を差し引いた距離をピストン32がシリンダ内を移動したとしてもバルブ33に押しあたるわけではなく、その距離より大きく移動しないとピストン32に押しあたらない。
このような構造のダンパ7で水槽3を支持することにより、水槽3の上方向の振動に対し、減衰力を大きくすることができるので、振動を低減させることができる。よって、ばね定数を低くしたばね16を圧縮した状態で取り付けることによる課題である上方向の振動量の低減を解決することができる。また、水槽3の下方向には衣類や洗濯水の量だけ沈み込める空間があり、上方向の空間に較べて広いことが多い。このように水槽3の上部の空間が狭いドラム式洗濯機においても水槽3の振動を抑えるべき方向は上方向である。上方向の振動に対し、減衰力を大きくするダンパ7により支持することは上方向の振動を小さくすることができので望ましい。また、単純にこのダンパ7で支持することで水槽3の上部と筐体1との隙間を狭くすることができ、コンパクトにすることができる。
しかし、特許文献1のような両側に減衰力を切り替えることができるダンパを用いると、ピストン32の先にも鍔部を有するロッドを延長させる必要があり、構造が複雑になるとともに、ダンパ自体が長くなり、コンパクトにすることができない。よって、振動が大きいときには、伸び方向だけ大きな減衰力に切り替わり、伸び方向の振動を抑えるダンパを用いるほうが有効である。
つぎに、このダンパ7のストロークと減衰力の関係について説明する。特に、大振幅となる共振状態におけるダンパの特性について説明する。洗濯槽に発生するアンバランス量により振動の大きさが異なるため、脱水定常回転における振動が両振幅で4〜5mmのアンバランスが発生する場合の共振時の振動を考える。この大きさの振動を引き起こすアンバランス量は比較的多いほうであり、洗濯槽,水槽等の被支持部の重量が45kg,φ500mmの洗濯槽の場合、流体バランサを考えに入れなければ、360〜450gのアンバランス量に相当する。このようなアンバランス状態における共振時のダンパ7のストロークと減衰力の関係を示す図7に示す。共振周波数は3〜4Hzであり、コンパクト化を考え、共振時のダンパ7のストロークは15〜20mm弱を想定している。
図7に示す点Aはダンパ7が縮んだ状態であり、その状態からダンパ7の伸びとともに減衰力が緩やかに上昇し、点Bで減衰力が切り替わり急激に減衰力が上昇し始め、点Cで減衰力が最大になる。さらにダンパは伸びるが減衰力は低下し、点Dにおいてダンパが縮み始める。点Dから減衰力が小さくなり、さらには逆方向の減衰力が発生し、点Eにおいて逆方向の減衰力が最大となり、その後逆方向の減衰力は緩やかに減少し点Aにもどる。このように減衰性能は2段階に切り替わり、点Bで切り替わる。
図7に示すような特性が望ましいが、減衰力が切り替わる位置(点B)や1段目の減衰力(点Bと点Eの減衰力の差)が適切でないと切り替え時にピストン32とバルブ33が強く接触し、洗濯槽4および筐体1底部から衝撃音が発生してしまう。その様子を図8に示す。図8(a)は脱水起動時の共振付近の回転数を示し、図8(b)はダンパ7を取り付けているベース21の加速度を示す。図8(b)の共振域において、大きな衝撃が発生していることがわかる。また、共振域の手前においても衝撃が見られる。これらの衝撃が洗濯槽4および筐体1底部に伝わり、衝撃音を発生させている。
まず、減衰力の切り替え位置(B点)について検討した。図9に切り替え位置までの距離(AB間の距離)と図8(b)のような衝撃の発生回数の関係を示す。図9より7mm以下の場合、衝撃発生回数が急激に大きくなっていることがわかる。本実験における切り替え位置までの距離は、脱水の高速回転時の振動より大きな値であり、脱水定常時では衝突していない。しかし、図8(b)のように共振域以外の脱水起動時にピストン32とバルブ33は衝突を繰り返すことで、長い時間衝撃音が発生し続けるため、衝撃が数多く発生する。そこで共振域以外における衝撃の発生回数との関係を図10に示す。図10より、8mm以上の場合、衝撃が発生していないことがわかる。つまり、減衰力の切り替え位置までの距離を8mm以上にすれば、衝突音の発生を共振域の短い時間だけで抑えることができる。長い時間、衝突音を発生させないためにも、図7のダンパ7の特性図においてダンパ7が伸び始めた位置から減衰力の切り替わるまでの距離は8mm以上設ける必要がある。ただし先にも述べたが、バルブ33はオイル30の動きの影響を受けるため、減衰力が切り替わる距離を8mmにするためにはピストン32との隙間は8mm以下にする必要がある。また、特許文献1のように両側にバルブ(弁体)があると衝突する回数が増えるので、低騒音化の面で望ましくない。
つぎに、急激にピストン32とバルブ33を衝突させないことを考える。そのため、ピストン32に設けた孔31の総面積について検討した。ピストンの受圧面積に対する孔
31の総面積の割合と共振域の衝撃発生回数との関係を図11に示す。また、ピストンの受圧面積に対する孔31の総面積の割合とベース21の加速度の最大値との関係を図12に示す。
図11よりピストンの受圧面積に対する孔31の総面積の割合が5%以下の場合には衝撃が発生していないが、5%より大きくなると衝突が発生することがわかる。また同様に図12よりピストンの受圧面積に対する孔31の総面積の割合が5%より大きくなるとベース21の最大加速度が大きくなることがわかる。よって、ピストンに設けた孔31の総面積はピストンの受圧面積の5%以下とする。
これは、ピストン32に設けた孔31の面積が狭いとオイル30が流れにくくなり、バルブ33に接触する前にオイル30自体が緩衝材となるためと考えられる。また、切り替わる時の減衰力が大きくなることで、ピストン32が安定して動作でき、スムーズに切り替わることができているためと考えられる。ピストンの受圧面積に対する孔31の総面積の割合と1段目の減衰力(点Aと点E)の関係を図13に示す。また、1段目の減衰力とベース21の加速度の最大値との関係を図14に示す。図13に示すように孔31の面積を少なくすれば、1段目の減衰力は大きくなることがわかる。これは(数1)に示す円筒形の絞りによる減衰力と速度の関係式からもわかるように、同じ速度の場合、面積比の2乗に反比例して減衰力は減少する。
F=8μlcv/(a/A)^2 (数1)
F:減衰力 μ:粘度 l:円筒絞りの長さ c:係数 v:速度
a:絞りの面積 A:ピストンの面積
また、図14から1段目の減衰力が小さくなるとベース21の最大加速度が大きくなることがわかる。1段目の減衰力を大きくすることにより、ベース21の衝撃を緩和できる。衝撃音を抑制するには34N以上の減衰力が必要であることがわかる。衝撃音を発生させないために必要な減衰力を安定して実現させるには孔31の総面積はピストンの受圧面積の5%以下にする必要がある。よって、ピストン32はそのピストンの受圧面積に対して孔31の総面積が5%以下となる孔31を設ける。
以上、コンパクトで低振動・低騒音な本発明のドラム式洗濯機は、ダンパ7が伸びきった状態でもばね16は圧縮した状態となるようにダンパ7に併設させることで、ばね定数を低減させ、振動の伝達を少なくする。さらに、振動の大きさにより伸び方向にのみ減衰力が切り替わる特性をもつダンパ7により過大な振動を抑制すると同時に、小さい振動に対しては減衰力を小さくして振動の伝達を少なくする。さらに、このダンパ7は、伸び始めから8mm以上振動した位置で大きな減衰力に切り替わるようにし、ピストン32とバルブ33が数多く接触することを防ぎ、低騒音にする。また、ピストンに設けた孔31の総面積はピストンの受圧面積に対して5%以下になっており、ピストン32とパルブ34の接触時の衝撃を和らげ、衝突音を低減させ、低騒音にする。
実施例の内部を示す側面図。 実施例の内部を示す正面図。 サスペンションの外観図。 ばねの取り付け状態を表す図。 ダンパの内部の斜視図。 ダンパの内部の斜視図。 ダンパの特性図。 切り替え時に発生する衝撃を示す図。 切り替え位置と衝撃発生回数の関係。 切り替え位置と共振域以外の衝撃発生回数の関係。 ピストン孔の面積比と衝撃発生回数の関係。 ピストン孔の面積比とベースの最大加速度の関係。 ピストン孔の面積比と一段目の減衰力の関係。 一段目の減衰力とベースの最大加速度の関係。
符号の説明
1 筐体
2 扉
3 水槽
4 洗濯槽
5 モータ
6 ベローズ
7 ダンパ
8 フランジ
9 回転軸
10 流体バランサ
11 給水ユニット
12 給水口
13 給水バルブ
14 洗剤ケース
15 ホース
16 ばね
17,18 補助ばね
19 排水バルブ
20 排水ホース
21,22 ベース
23 ゴムブッシュ
24 ワッシャー
25 ナット
26 シリンダ
27,29 ばね受け
28 ロッド
30 オイル
31 孔
32 ピストン
33 バルブ
34 鍔

Claims (4)

  1. 洗濯機筐体内でばねとダンパで下側より支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられるとともに洗濯物を収容する洗濯槽と、前記洗濯槽を回転駆動するモータとで構成されたドラム式洗濯機において、
    前記ダンパは、前記水槽の上方向への移動に対して前記水槽の振動を抑制する第1の減衰性能とこの第1の減衰性能より大きな減衰力を発生する第2の減衰性能の2段階の減衰性能を有し、
    脱水時の共振域における前記水槽の振動により前記ダンパが所定の長さより大きく伸縮する場合、前記水槽が上方向に移動しているときのみ減衰力が大きくなるように前記第2の減衰性能切り替わることを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 請求項1に記載のドラム式洗濯機において、前記水槽を支持する前記ばねは、前記ダンパが最大に伸びた状態でも圧縮された状態で前記ダンパに取り付けられていることを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 請求項1又は2に記載のドラム式洗濯機において、伸びる方向にのみ減衰力が大きくなるように減衰性能が切り替わる前記ダンパは、伸び始めの位置から8mm以上伸びた位置で減衰性能が切り替わり始めることを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 請求項1又は2に記載のドラム式洗濯機において、前記ダンパは、オイルが封じ込められたシリンダの中を複数の小さな孔を設けたピストンが動く構造であり、前記孔の面積の合計は、前記ピストンの面積の5%以下とすることを特徴とするドラム式洗濯機。
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