JP4344599B2 - シートパッド - Google Patents

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この発明は、シートパッドに関し、更に詳細には、乗員に対して不快感を与える所定の振動を吸収・低減し、乗員に良好な乗り心地を提供すると共に、試作および量産が容易なシートパッドに関するものである。
自動車等の車両用のシートの開発において、その乗り心地の向上は従来からの大きな改善点の1つである。過去においてこの乗り心地の改善は、シートのクッション性、すなわち反発弾性率を高めることでなされていた。例えば図4(a)に示す如く、その主構造がポリウレタンフォームだけからなる、所謂フルフォームシートパッドの場合、反発弾性率は70%前後となり良好なクッション性が確保されていた。しかし反発弾性率が70%を越える場合、例えば凹凸の悪路を走行した際の乗員の乗車時安定性(以下、単に安定性と云う)が悪化する問題が指摘される。このため最近のシートにおいては、適度なクッション性を発現しつつ、その一方で充分な安定性を発現するように、反発弾性率を低めに設定したシートパッドを採用することで、これにより乗り心地を改善する方法が模索されている。
一方、前述のフルフォームシートパッドに対して、その主構造がポリウレタンフォームと、このフォームの底部に備えられた金属等のバネとからなる、所謂バネ併用型シートパッド(図4(b)参照)が従来から一部に採用されていた。このバネ併用型シートパッドの場合、反発弾性率を高くするポリウレタンフォームの一部がバネとされている構成上、反発弾性率が62〜68%前後の抑えられた値となり、その結果、安定性とクッション性とが併有され、フルフォームシートパッドより好適な乗り心地を発現するシートが製造可能であった。なお、フルフォームシートパッドまたはバネ併用型シートパッドは、車種毎に異なった車体構造およびシート構造を備えることに起因して使い分けがなされているに過ぎない。
そして乗り心地の評価方法の一つとして、JASO B 408(自動車用シートのパット材の性能試験方法))に準拠した加速度/周波数の関係における「人体上下方向における振動暴露評価曲線」によって評価される振動特性が挙げられる。この評価は、図5(a)に示すような測定装置50により、測定すべきシートパッド10自体を試験片として振動台52上に載置し、その上に300Nの荷重を加える円板形の加圧板54を載置し、振動台52に所要の振動を加えて加圧板54上の荷重中心点54aの絶対変位量を測定することでなされる。ここでシートパッド10に加えられる荷重は、加圧板54の重量を50kgとすることで達成され、振動台52によって加えられる振動は1Hzから少なくとも共振振動数(後述)+2Hzに設定される(本発明においては1〜10Hzの範囲で0.1Hz毎に設定されている(後述([0024]))。そしてこの各振動数(周波数)において、入力された5mmの振幅(JASO B 408における全振幅10mmを変更して実施)に対して、どれだけの振幅が伝達(出力)されるかを測定し、この測定における出力/入力の最も高い振動数を共振振動数、このときの出力値/入力値(伝達率)の結果を共振倍率として算出する。なお図5(b)は、本測定で得られる測定結果の一例を示すグラフ図である。
そしてシートパッドの乗り心地は、一般に前述の振動数領域における振動の大きさ、すなわち共振倍率を下げることで達成されている。なお乗員が最も不快と感じる振動数は4〜8Hz、殊に6Hz(一般に内蔵共振点と呼ばれる)付近であることが知られており、共振振動数をこの範囲から遠ざける方法によっても乗り心地の改善が期待できる。前述のフルフォームシートパッドおよびバネ併用型シートパッドの場合、バネ併用型シートパッドの方が3.5〜4.0Hzにおける共振倍率が低くなっており、その振動特性から乗り心地が改善しているといえる。このようなシートパッドは、一般に振動吸収シートパッドと呼ばれているが、充分な乗り心地、すなわち適度なクッション性および充分な安定性の発現が達成されているとは言い難かった。
なお、JASO B 408に準拠して測定され、本発明で採用されている動的な反発率(以下、動的反発率と云う)についても、図6(a)に示す如く、図5(a)に示す測定装置50を使用して測定される(後述[0015])。この動的反発率は、測定すべきシートパッド10を試験片として振動台52上に載置し、その上に300Nの荷重を加える円板形の加圧板54を載置した後、この加圧板54を荷重中心点54aの真下で測って20mmとなる任意の高さまで持ち上げ、自由落下させた際の荷重中心点54aの変位量と経過時間との関係、すなわち減衰波形を測定する。そして、この減衰波形における第一の振幅Aと第2の振幅Bとを使用し、(B/A)*100の式により算出される。なお図6(b)は、本測定で得られる測定結果の一例を示すグラフ図である。
ところで最近の車両用のシートは、採用される自動車の使用用途、例えばファミリーユースモデル、スポーティモデルまたはSUV等のモデルの違い並びに車両サイズ等により、その車両の性格をより鮮明かつ好適に発現し得るように開発されることが望まれている。これは個々の車種毎に、その都度、好適な物性、すなわち好適な乗り心地を有するシートパッドの設計が望まれていることを意味する。そして好適な乗り心地を発現するシートパッドを製造すべく、反発弾性率を制御するには、以下の方法が考えられる。すなわち、
(1)シートパッドを構成するポリウレタンフォームの材質、すなわち各原料の組成を変化させることで、各車種に求められる乗り心地を達成するポリウレタンフォームを最初から設計し、これを用いてシートパッドとする。
(2)フォームの材質として高弾性な素材を採用してクッション性を確保し、ポリウレタンフォームにおける一部のセルだけをクラッシングによって破泡することで通気性を制御し、これにより目的とする乗り心地を達成するポリウレタンフォームを得、これを用いてシートパッドとする。
(3)前述([0003])の如く、その主構造がポリウレタンフォームと、このフォームの下側に備えられた金属等のバネとからなる、所謂バネ併用型のシートパッドにおいて、バネ定数を変化させたバネを用いることで、目的とする乗り心地を達成するシートパッドとする。
しかし前述の(1)〜(3)の各方法の場合、以下の問題が指摘される。
(1)乗り心地を好適に発現するシートパッドの製造は、例えばその使用温度域に略一致させるようにガラス転移点を制御してシートパッドを構成するポリウレタンフォーム組成を設計しているが、このような場合、所謂トライアンドエラー的な極めて手間の掛かる手法での吟味が必要とされる。また乗り心地に係る諸物性は、実際に使用するシートパッドの形状で試作・評価されるため、その手間も多大なものとなる。更に量産においても、製造車種が変更される毎にポリウレタンフォーム組成を入れ替える必要があり、量産効率が大きく低下してそのコストが大きく悪化する。
(2)前述の(1)と同様に、シートパッドに好適に使用し得るポリウレタンフォームの組成決定についての手間や、試作の手間が掛かる。更にポリウレタンフォームのセルを破泡するクラッシングは基本的に、ローラ間にポリウレタンフォームを通過・圧縮させる、またはポリウレタンフォームを所要の減圧状態として、圧力低下によってセルを膨張させる等する従来公知の方法により実施されているが、繰り返し精度が高いものではないため、同一の組成からなるフォームを使用しても、発現される乗り心地にバラつきが発生し、歩留まりが悪化してしまう。
(3)基本的にシートパッドにおいて乗員が着座するクッション本体を変化させず、その底部に配置されるバネだけを変化させればよいため、前述の(1)および(2)に係る組成設計や試作製造の手間は回避し得る。しかし、一般に高価な立体バネを用いるために製造コストが増大する。また耐久性を備えるバネは、材質的には鋼製で、かつその構成数も多くなるため、車両の総重量が嵩む。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るシートパッドは、モールド成形されたポリウレタンフォームからなり、着座部を構成するクッション本体と、スラブ成形により成形され、前記クッション本体における乗員の臀部に対応する部位の埋設さる低通気性フォームとからなるシートパッドであって、
前記クッション本体は、JASO B 408(自動車用シートのパット材の性能試験方法)に準拠して測定される硬度が30kgf/314cm 以下に設定され、
前記低通気性フォームは、通気性が20ml/cm /秒以下で、かつ該フォームの厚さがシートパッドの厚さの5.0〜40%に設定されたことを特徴とする。
発明に係るシートパッドによれば、JASO B 408に準拠して測定される硬度が30kgf/314cm 以下に設定されたクッション本体の底面に、通気性が20ml/cm /秒以下で、かつ該フォームの厚さがシートパッドの厚さの5.0〜40%に設定された低通気性フォームを埋設したことで該シートパッドの振動特性から算出される共振倍率を4.0以下、共振振動数を4.0Hz以下、動的反発率を45%以下とすることができ、乗員の安定性とクッション性とを併有した良好な乗り心地を発現することが可能である。そして、20ml/cm /秒以下において異なる通気性に設定された低通気性フォームを適宜選択することで多様な物性値を発現するシートパッドを製造し得るため、評価を実施する試作の手間を簡略化でき、更に量産工程においても製造車種毎にシートパッドの原料を、その都度入れ替える必要がなくなるため、多くの車種毎に好適な乗り心地を発現するシートパッドの量産が容易となる。
次に、本発明に係るシートパッドにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願の発明者は、汎用的に使用されるポリウレタンフォームにより着座部となるクッション本体を構成し、このクッション本体の底部に通気性を制御したシート状の低通気性フォームを一体的に設けて、JASO B 408(自動車用シートのパット材の性能試験方法)に準拠した方法で測定されるシートパッドの振動特性から算出される共振倍率を少なくとも4.0以下とすることで、乗員の安定性およびクッション性の双方を好適化した乗り心地を備えると共に、試作時および量産時に掛かる各種手間の低減をなし得ることを知見したものである。
また振動特性は、図5(b)から明らかなように、その測定に工数が掛かる、すなわち振動数に応じて測定を繰り返す必要がある。このため乗り心地については、振動特性と大きな関連性を持ち、かつ経験的に正の相関関係を備える動的反発率(前述[0006])と、硬度との双方による評価も採用可能である。具体的には、クッション本体におけるJASO B 408に準拠して測定される硬度を少なくとも0.01MPa(30kgf/314cm)以下に設定すると共に、シート状の低通気性フォームの通気性を制御してJASO B 408に準拠した方法から算出されるシートパッドの動的反発率を45%以下とすることで、共振倍率を少なくとも4.0以下とした場合と同様の効果を呈することも併せて知見した。この動的反発率は、シートパッドが載置された際の静的な、言い換えれば素材的な物性である反発弾性率を動的に評価したもので、シートパッドの乗り心地の評価に関して高い親和性があり、また基本的に反発弾性率と正の相関関係を持つ物性値で、反発弾性率が低下すればこれに比例して低下する。この動的反発率は、シートパッドの乗り心地と大きな関連性があり、かつ容易な測定が可能である一方、その定量的な評価、すなわち如何なる値が好適かといった関連付けが困難なため、本発明においては数値的な判断が理論的に可能な前述の振動特性を主として規定している。
本発明の好適な実施例に係るシートパッド10は、図1に示す如く、基本的にクッション本体12と、このクッション本体12の底部における所要位置に一体的に設けられたシート状の低通気性フォーム14とから構成される。また実施例において低通気性フォーム14は、殊に意図する乗り心地の発現が不可欠である乗員の着座部位、すなわち乗員の臀部部位に対応的にクッション本体12の底面に配置されている(図1(b)参照)。また本実施例では、乗員の着座部位だけに低通気性フォーム14が設けられているが、図2に示す如く、シートパッド10の全体に亘って低通気性フォーム14を設けるようにしてもよい。この場合、シートパッド10の全域において安定性とクッション性との調和が取れた好適な乗り心地が達成される。なお本実施例においてシートパッド10は、図3に示す如く、車両用シート40の着座部42をなすものとして説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同じく車両用シート40を構成する背もたれ部44をなすものとしても使用可能である。また通常のシートパッド10の場合、クッション本体12の表面には、ファブリック、合成皮革または皮革からなる表皮が貼込まれているが、本発明の説明において不要であるので、その説明を省略すると共に、全ての図中において省略している。
クッション本体12は、ポリウレタンフォームからなり、シートパッド10の主要部でかつ乗員が着座する部位を構成するものである。そして試作および量産時において煩雑な手間を回避するべく、通常のシートパッドに一般的に使用され、その物性が明確でありモールド成形による量産工程の確立したポリウレタンフォームが好適に採用されている。なおクッション本体12の一般的なモールド成形法で製造される。
前述([0008])した如く、ポリウレタンフォームにおいてシートパッド10としての各種物性を維持したまま反発弾性率を変化させることは、その主原料等の選定および各原料の組成まで考慮を及ぼさなければならない程の手間の掛かる作業となる。しかし本発明に係るシートパッド10においては、クッション本体12の底部に設けられる低通気性フォーム14の通気性を変化させることで、シートパッド10全体が発現する反発弾性率、言い換えれば動的反発率(すなわち振動特性)を制御するため、その主要部であるクッション本体12の原料組成等を変える必要がない。殊にシートパッド10のモールド成形において、その組成の変更は、成形時の、例えば注入温度、圧力およびライズタイム等の各種製造条件を変動させる必要も生じることがあるため、クッション本体12の原料組成を変えない効果は、安定的な量産の達成において大きな意味を持つ。
低通気性フォーム14は、クッション本体12の底部に設けられるシート状のポリウレタンフォームであり、その通気量を低く設定することで、あたかも鋼製のバネの如き働きをなして加えられるエネルギーを吸収し、これにより振動特性を制御下に改善する部材である。このようにして発現される振動特性は、本発明においては前述([0004])のJASO B 408に準拠して算出される共振倍率で規定され、この共振倍率が少なくとも4.0以下にされる。この4.0以下とされる共振特性は、具体的には低通気性フォーム14の通気性および厚さによって決定される。
そして通気性は、JIS L 1096に準拠した測定方法により20ml/cm/秒以下に設定される。この値は、一般に低通気性フォームを定義するものであり、この範囲においてエネルギー吸収の挙動は大きく変化しない。殊に2ml/cm/秒以下の通気性とすることで、好適な結果が得られることが経験的に知られている。この通気性が前述の値を越えると、シートパッド10に対して乗員が着座した際に、低通気性フォーム14内部の空気が容易に抜けてしまい、その結果、所要の減衰特性を発現し得なくなってしまう。また低通気性フォーム14の厚さは、少なくともシートパッド10全体の厚さの5.0〜40%の範囲、好適には20〜35%の範囲に設定される。この厚さが5.0%未満であると、低通気性フォーム14が20ml/cm/秒以下の通気性を達成した場合であっても、バネのように好適な振動吸収をなし得ない。一方40%を越える場合には、共振振動数の高周波側へ移行し、内蔵共振点である6Hzに近づいてしまい、共振倍率の低減による安定性の向上が相殺されて、乗り心地が悪化してしまう。なおここでの共振振動数は上限は、人体の共振振動数であり、感覚的に乗り心地が悪化すると経験的に知られている4.0Hzに設定され、本発明においては4.0Hz以下は乗り心地が悪化しないと定義している。殊に低通気性フォーム14の厚さがシートパッド10全体の厚さの20〜35%の範囲に設定される場合には、共振倍率が3.5以下、共振振動数が3.8以下、動的反発率が40%以下となる、更に好適な乗り心地および振動吸収がなされるシートパッド10が得られる。
低通気性フォーム14の形状は、一般的なシート状であるため、スラブ発泡その他の如何なる製法によっても、容易かつ安定的に試作や量産が可能である。従って、シートパッド10のように所要の成形型を使用することなく、かつ煩雑な手間を必要とせずに、多種多様な通気性および厚さを備える低通気性フォーム14を試作し得る。このため、前述([0006])した実際に使用する形状をなしたシートパッド10を評価するに際しても、一般的で量産性に富む組成からなるクッション本体12を製造の容易な従来公知の方法により製造し、これに多種多様な通気性および厚さを備える低通気性フォーム14を一体化するだけで、多種多様な採用車種毎に好適な乗り心地を達成するシートパッド10を容易に製造し得る。
また前述([0013])の如く、シートパッド10の乗り心地は、クッション本体12の硬度と、シートパッド10全体の反発弾性率との双方によっても現すことが可能である。この場合、クッション本体12は、JASO B 408に準拠した硬度が少なくとも0.01MPaであることが求められる。この硬度が0.01MPaを越えると、後述する動的反発率が45%以下を達成しても、共振倍率が4.0以下とはならない。また動的反発率を制御下に低く抑える役割を果たす低通気性フォーム14を一体的に設けたシートパッド10におけるJASO B 408に準拠した方法により算出される動的反発率は、少なくとも45%以下とされる。この動的反発率は、基本的に振動特性における共振倍率と正の相関関係を示すことが経験的に知られている。従って動的反発率が45%を越える場合には、共振倍率も4.0倍を超えてしまい、好適な乗り心地が得られないことになる。
(製造方法の一例)
次に実施例に係るシートパッド10を好適に製造する製造方法の一例を以下説明する。実施例に係るシートパッド10は、従来公知の製造方法、例えばシートパッド10の外部輪郭形状と合致する内部輪郭形状を備える成形型を使用する一般的な方法で実施される。そして、クッション本体12の原料を注入するするに先立ち、成形型の所要部位に低通気性フォーム14をセットして原料を発泡させることで、原料の発泡に伴う体積膨張と、該原料の接着作用によって、低通気性フォーム14をクッション本体12に対して一体的に設けるようにしている。またこの他、クッション本体12の外部輪郭形状と合致する内部輪郭形状を備える成形型によりクッション本体12を製造し、これに対してウレタン系接着剤等の接着手段を利用して、低通気性フォーム14をクッション本体12に対して一体的に設けるようにしてもよい。
(実験例)
以下に本発明に係るシートパッドの実験例につき説明するが、本発明に係るシートパッドはこれに限定されるものではない。本実験例においては、クッション本体としてこれまでのシートパッドに一般的に使用されているポリウレタンフォームを使用すると共に、以下に示す表1に示す厚さ(mm)および厚さの全体厚さに対する割合(%)を備える低通気性フォーム(通気性は2ml/cm/秒に設定)を使用し、このポリウレタンフォームの底面に低通気性フォームを設けることで実施例1〜5および比較例1〜3に係るシートパッドを製造し、このシートパッドのJASO B 408に準拠して測定される振動特性(1〜10Hz、0.1Hz毎)から共振振動数(Hz)および共振倍率を算出し、同じくJASO B 408に準拠して測定される減衰特性から動的反発率(%)を算出し、またクッション本体のJASO B 408に準拠して測定される硬度(MPa)を測定した。なお、シートパッドの厚さ、すなわち全体の厚さは115mmであり、またはクッション本体と同じ材質のポリウレタンフォームだけからなるシートパッドを比較例として製造し、同様の測定を実施している。
Figure 0004344599
(結果)
上述の表1に実験の結果を併記する。表1に記載の結果から、通常使用されているポリウレタンフォームからなるクッション本体の底面に、その厚さの全体厚さに対する割合(%)が5〜40%となる低通気性フォームを設けるという容易な作業だけで、シートパッドの振動特性から算出される共振倍率が少なくとも4.0以下とされ、共振振動数が少なくとも4.0Hz以下とされ、かつ動的反発率が少なくとも45%以下とされて、好適な乗り心地および振動吸収がなされるシートパッドが得られることが確認された。また前述の厚さ割合が20〜35%の範囲にあっては、シートパッドの振動特性から算出される共振倍率が少なくとも3.5以下とされ、共振振動数が少なくとも3.8Hz以下とされ、かつ動的反発率が少なくとも40%以下とされた、より好適なシートパッドが得られることも併せて確認された。更に通常の使用に供されるクッション本体の底面に、単に低通気性フォームを設けるだけであるため、実施例1〜5および比較例1〜3に係るシートパッドの製造は非常に簡便であった。
この発明は、従来のシートパッドに内在していた前記問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、シートパッドが有する各種物理的特性を生かしつつ、殊に押圧初期における強い押し返しをなくすことで使用感触の良好なシートパッドと、該発泡体を製造する方法とを提供することができる。
本発明の好適な実施例に係るシートパッドを示す図であって、(a)は一部切り欠いて概略的に示す斜視図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。 クッション本体の底面全域に亘って低通気性フォームが設けられているシートパッドを示す縦断断面図である。 一般的な車両用シートの概略斜視図である。 従来技術に係るシートパッドの構成を概略的に示す断面図であり、図4(a)はフルフォームシートパッドを現し、図4(b)はバネ併用型シートパッドを現す。 JASO B 408に準拠して振動特性を測定する測定装置を示す概略図である。 JASO B 408に準拠して減衰特性を測定する測定装置を示す概略図である。
符号の説明
10 シートパッド
12 クッション本体
14 低通気性フォーム

Claims (1)

  1. モールド成形されたポリウレタンフォームからなり、着座部を構成するクッション本体(12)と、スラブ成形により成形され、前記クッション本体(12)における乗員の臀部に対応する部位の埋設さる低通気性フォーム(14)とからなるシートパッドであって、
    前記クッション本体(12)は、JASO B 408(自動車用シートのパット材の性能試験方法)に準拠して測定される硬度が30kgf/314cm 以下に設定され、
    前記低通気性フォーム(14)は、通気性が20ml/cm /秒以下で、かつ該フォーム(14)の厚さがシートパッド(10)の厚さの5.0〜40%に設定された
    ことを特徴とするシートパッド。
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