JP4307400B2 - 情報記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に対して情報の記録を行う情報記録装置に関する。
従来より、磁気ヘッドや電子線源などが設けられたスライダーを記録媒体に対して浮上させた状態で、情報の記録を行う情報記録装置が知られている。
例えば、特許文献1には、低圧雰囲気中で、静電反発力を用いてスライダーを浮上させる技術が記載されている。この場合、気体分子による動圧力での浮力が、距離安定性への障害になるという理由で低圧に設定している。
また、特許文献2及び3には、スライダーに静電極板とギャップセンサを設け、スライダーと記録媒体との距離を一定に保持して記録を行う技術が記載されている。この技術においては、大気流によってスライダーの浮上力を得ると共に、静電電極と記録媒体とが逆の極になるようにして発生した引力を用いて、スライダーと記録媒体との間隔を調整している。
一方、特許文献4には、スライダーに設けた電子線源が照射する電子線を用いて記録を行う技術が記載されている。この技術においては、大気中或いは所定のガス雰囲気中において、気体による動圧力によって記録媒体とスライダーとの距離が一定に保たれるようにしている。
特開平5−20824号公報 特開平9−97483号公報 特開2004−111019号公報 特開2001−250201号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、単純な磁気記録で記録を行っているため記録密度に限界があった。更に、記録媒体とスライダーとを単に同極同圧で接続しているため、同極の電荷が十分に表面に発生せずに、浮上するための十分な反発力(斥力)を得ることができない場合があった。
また、特許文献2及び3に記載された技術では、スライダーを浮上させるために大気が必要であり、真空中で使用することはできなかった。更に、特許文献4に記載された技術では、大気などのガスによってスライダーを浮上させていたため、電子線源の表面においてガスが吸着/脱着するたびに放出電子電気量が不安定となり、記録信号が不安定になる場合があった。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、低圧中又は真空中で用いられ、記録媒体に対して安定した浮上を行うスライダーによって、電子線による安定した高密度記録が可能な情報記録装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、情報記録装置は、記録媒体に対して電子線を照射する電子線源と、前記記録媒体の記録面と略平行に配置される静電極板と、を有するスライダーと、大気圧より低圧力の雰囲気に保持された前記スライダー周辺に、前記静電極板の略法線方向の電界を生じさせる電界発生機構と、前記スライダーを前記記録媒体方向に付勢する付勢機構と、を備え、前記スライダーは、前記静電極板に帯電する電荷が前記電界によって力を受けることにより、前記記録媒体に対して所定距離離れた位置に浮上することを特徴とする。
本発明の好適な実施形態では、情報記録装置は、記録媒体に対して電子線を照射する電子線源と、前記記録媒体の記録面と略平行に配置される静電極板と、を有するスライダーと、大気圧より低圧力の雰囲気に保持された前記スライダー周辺に、前記静電極板の略法線方向の電界を生じさせる電界発生機構と、前記スライダーを前記記録媒体方向に付勢する付勢機構と、を備え、前記スライダーは、前記静電極板に帯電する電荷が前記電界によって力を受けることにより、前記記録媒体に対して所定距離離れた位置に浮上する。
上記の情報記録装置は、スライダーに設置された電子線源から放射される電子線のエネルギーによって、記録媒体に物理的変化を生じさせることで情報を記録する。スライダーは、記録媒体の記録面と略平行に配置される静電極板を備えており、電界発生機構は、低圧中又は真空雰囲気に保持されたスライダー周辺に、この静電極板の略法線方向の電界を生じさせる。電界発生機構が発生した電界によって静電極板に帯電する電荷が力を受けることにより、スライダーは記録媒体に対して所定距離離れた位置に浮上する。上記した情報記録装置によれば、スライダーは付勢機構による付勢力とのバランスで回転気流に影響を受けることなく浮上するため、安定した情報の記録ができる。また、情報記録装置は、低圧中又は真空中で電子線の照射を行っているため、電子線源の酸化を防止して、安定した記録を行うことができる。
上記の情報記録装置の一態様では、前記電界発生機構は、前記記録媒体と、前記記録媒体に対向する位置に設けられた極板とに電圧を印加することによって前記電界を発生する。更に、前記静電極板に帯電する前記電荷は、前記静電極板に接続された電圧印加手段から供給される。
この態様では、具体的には、電界発生機構は、記録媒体と、記録媒体に対向するように配置された極板と、に電圧を印加する。また、静電極板に接続された電圧印加手段によって、静電極板に電圧が印加される。この時、電圧印加手段は、前記極板の電位に対して、記録媒体と静電極板とが同極性になるように電圧を印加する。これにより、記録媒体に帯電する電荷と同極性の電荷がスライダーの静電極板に帯電する。このように、電界発生機構が、記録媒体に対向する位置にある極板と記録媒体とに電圧を印加するため、記録媒体の記録面上に電荷が集中する。そのため、静電極板は、浮上するのに十分な斥力を得ることができる。したがって、上記の情報記録装置によれば、スライダーを記録媒体方向に付勢する力とのバランスにより、回転気流によることなく確実にスライダーを浮上させることが可能となる。
上記の情報記録装置の他の一態様では、前記スライダーと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、検出された前記距離に基づいて前記電界発生機構を制御する電界強度制御手段、又は、検出された前記距離に基づいて前記電圧印加手段を制御する印加電圧制御手段を更に備える。
この態様では、電界強度制御手段、又は、印加電圧制御手段は、スライダーと記録媒体との距離が予め求められた所定の距離となるように、電界或いは静電極板に印加する電圧を制御する。これにより、情報記録装置は、スライダーと記録媒体との距離、即ちスライダーの浮上量を正確に維持することができるため、更に安定した高密度記録を行うことが可能となる。
好適な一つの例では、前記電子線源は、前記記録媒体に対して相変化を生じさせることによって情報を記録することができる。即ち、情報記録装置は、相変化記録を行う。これにより、情報記録装置は、記録媒体に対して高密度記録を行うことができる。
他の好適な例では、前記スライダーは、前記電子線源が設けられた位置の近傍に磁極を更に備え、前記電子線が前記記録媒体の強磁性体層に対して作用し、昇温した部分の磁化方向を、前記磁極で変えることによって情報の記録を行うことができる。これにより、情報記録装置は、保磁力の高い記録媒体に対して高密度記録を行うことができると共に、記録後の記録媒体に発生し得る熱揺らぎを抑制することが可能となる。
上記の情報記録装置の他の一態様では、前記スライダーは、前記電子線源が設けられた位置から離れるほど前記記録媒体に対する距離が大きくなるように、前記記録媒体の記録面に対して傾いて配置される。
この態様では、スライダーは、スライダーの構成要素の中で、電子線源が最も記録媒体に近づくように傾いて配置される。こうすることによって、電子線源から放射される電子線を小さい径のまま使用することができる。これにより、情報記録装置は、更に高密度に情報を記録することが可能となる。
上記の情報記録装置の他の一態様では、前記静電極板は、前記電子線源が設けられた位置から離れるほど面積が広くなっていく形状を有している。
この態様では、静電極板は、電子線源が設けられた位置から離れるほど面積が広くなっていく形状を有するため、電子線源が設けられた位置に近づくにしたがって、記録媒体に帯電した電荷から受ける斥力が小さくなる。スライダーが電界から受ける斥力によって回転可能なように構成した場合には、静電極板がこのような斥力を受けることよって、スライダーは記録媒体に対して傾く。即ち、スライダーは、電子線源が設けられた位置から離れるほど記録媒体に対する距離が大きくなるように、記録媒体に対して傾く。これによっても、電子線源から放射される電子線を小さい径のまま使用することが可能となる。
上記の情報記録装置の他の一態様では、前記静電極板は、電荷が帯電しているエレクトレット材料で構成される。
この態様では、静電極板は、記録媒体に帯電している電荷と同極の電荷によって予め帯電している、エレクトレット材料で構成される。このようなエレクトレット材料を用いることにより、静電極板を帯電させるために電圧を印加する必要がない。したがって、情報記録装置の構成を簡便にすることができる。
好適な1つの例では、前記雰囲気は、真空雰囲気とすることができる。これにより、電子線源の酸化を確実に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例に係る情報記録再生装置の構成について、図1を用いて説明する。
図1(a)は、情報記録再生装置100の概略構成を示す図である。情報記録再生装置100は、主に、スライダー1と、対向静電極板6と、電子線供給電源7と、スライダー電源8と、電界生成電源9と、を備える。情報記録再生装置100は、例えば磁気ディスクなどの記録媒体4に情報を記録し、記録媒体4に記録された情報を再生する装置である。また、第1実施例に係る情報記録再生装置100では、記録媒体4と対向静電極板6との間の空間が、真空雰囲気に保持されている。
スライダー1は、支持体5に固定され、支持体5を介して図示しない可動部に接続されている。この可動部は、記録媒体4の記録面の水平方向にスライダー1を移動させることができる。具体的には、スライダー1は、記録ヘッド部2、及び静電極板3を有する。詳しくは、記録ヘッド部2は、記録媒体4に対して電子線を照射する電子線源25を備えている。
また、スライダー1は、支持体5と、前記可動部の延長部分18に設置されたバネ17の付勢力により、記録媒体4の方向へ付勢される。なお、バネ17は、図示されたようなコイルバネ以外に板バネを用いてもよく、また、スライダー1に直接係止されるものでもよく、更に、支持体5自身の弾性変形をもってこれに替えてもよい。
図1(b)は、図1(a)の矢印A方向からスライダー1を観察した底面図を示している。図示のように、静電極板3は、矩形形状を有する平板であり、スライダー1の底面部に配置される。また、電子線源25は、記録ヘッド部2の端部に設けられている。
図1(a)に戻って説明を再開すると、スライダー1は、記録媒体4の記録面に対して所定距離離れた位置に浮上している。詳しくは、スライダー1は、電子線源25が設けられた位置から離れるほど記録媒体4に対する距離が大きくなるように、記録媒体4の記録面に対して傾いて配置されている。この理由については後述する。
電子線供給電源7は、破線で示す配線13を介して電子線源25に負の電圧を印加する。これにより、電子線源25から電子線が放射される。
また、電界生成電源9は、記録媒体4と、記録媒体4に対向するように配置された対向静電極板6と、に電圧を印加する。これにより、記録媒体4には正の電荷が帯電し、対向静電極板6には負の電荷が帯電する。したがって、記録媒体4と対向静電極板6との空間に、記録媒体4から対向静電極板6へ向かう電界が発生する。
一方、スライダー電源8は、一点鎖線で示す配線12を介して静電極板3に対して電圧を印加する。この印加電圧は、対向静電極板6に対して、記録媒体4と静電極板3とが同極性になるようにする。これにより、静電極板3に正の電荷が帯電する。
ここで、スライダー1が記録媒体4に対して浮上する原理について、図2を用いて説明する。
スライダー1に設けられた静電極板3は、スライダー電源8から電圧を印加されることにより、正の電荷によって帯電する。一方、電界生成電源9によって電圧を印加されることにより、記録媒体4は正に帯電すると共に、対向静電極板6は負に帯電する。よって、記録媒体4と対向静電極板6の間の空間に、記録媒体4から対向静電極板6へ向かう電界が発生する。これにより、静電極板3は、この発生した電界から矢印Fで示すような力を受ける。具体的には、静電極板3は正に帯電しているため、対向静電極板6の方に引き寄せられる。言い換えると、静電極板3に帯電する電荷は、記録媒体4に帯電している正の電荷から斥力を受ける。以上により、スライダー1は、記録媒体4の記録面に対して浮上する。
このように、情報記録再生装置100は、記録媒体4、対向静電極板6、及び静電極板3に電圧を印加しているため、対向静電極板6を具備せず、記録媒体4と静電極板3のみに電圧を印加する比較例に係る情報記録再生装置と比較して、記録媒体4の記録面上に電荷が帯電しやすくなる。この理由は、以下の通りである。なお、ここで比較例とは、例えば前述の特許文献1中の図1のような例を指す。
比較例に係る情報記録再生装置では、記録媒体に正電圧を印加しており、装置筐体は0電位である。一般に、電圧差を有している導電性部材があった場合、表面が互いに接近している部分に電荷が集中する。例えば、記録媒体4の回転軸を保持する軸受け又は軸受け固定部がそのような場所に相当し、この部分に、電荷が集中することが考えられる。その結果、記録媒体4の表面にはほとんど電荷が存在しないことになる。そのため、静電極板3は、浮上するのに十分な斥力を得ることができない。
一方、第1実施例に係る情報記録再生装置100では、記録媒体4に対向する位置に対向静電極板6を設け、記録媒体4と対向静電極板6の両方に電圧を印加している。この場合、電荷は異極性の電荷がある部分に移動するため、記録媒体4と対向静電極板6に電荷が集中する。そのため、静電極板3は、浮上するのに十分な斥力を得ることができる。以上より、第1実施例に係る情報記録再生装置100によれば、バネ17による付勢力とのバランスにより回転気流によることなく、確実にスライダー1を浮上させることが可能となる。なお、記録媒体4と対向静電極板6の大きさは略同一であることが好ましく、そのように構成することにより、記録媒体4と対向静電極板6との間に形成される電界の向きと強度が均一になり、スライダー1の浮上状態が安定する。また、記録媒体4と対向静電極板6間の距離は、記録媒体4或いは対向静電極板6のさしわたしの1/5以下が好ましく、更に好ましくは1/10以下である。これは、記録媒体4と対向静電極板6間に形成される電界の強度の均一性が高まり、例えば円盤状の媒体における内周と外周でのスライダー1の浮上状態の差異が低減されるからである。
また、スライダー1が記録媒体4の記録面から所定距離離れた位置に浮上するように、スライダー電源8及び電界生成電源9が印加する電圧が予め設定されている。更に、スライダー1の浮上量は、記録媒体4と対向静電極板6との間の電界の大きさと、静電極板3が保持する電荷との積と付勢力とのバランスになるため、印加電圧一定の条件下で浮上量を大きく設定する場合には、付勢力を小さくすることでも実現できるが、情報記録再生装置100全体への外力に対する浮上量の安定化を考慮すると、記録媒体4と対向静電極板6との間隔が狭くなるように構成することが好ましい。
更に、第1実施例においては、電界生成電源9の印加電圧が固定値になるように構成することに限定はされず、電界生成電源9の印加電圧が変化するように構成してもよい。これにより、情報記録再生装置100の姿勢などが変わってスライダー1にかかる重力の向きが変化しても、印加する電圧を変えることによってスライダー1の浮上量を一定に保つことができる。
次に、スライダー1の記録ヘッド部2の具体的な構成について、図3を用いて詳細に説明する。
図3は、図1(b)中の切断線B1−B2に沿った記録ヘッド部2の断面図を示している。記録ヘッド部2は、磁気再生素子20と、シールド部21と、リターン磁極22と、励磁コイル23と、主磁極24と、電子線源25と、を有している。例えば、記録ヘッド部2は、GMRなどの磁気再生素子20、シールド部21、リターン磁極22、励磁コイル23、主磁極24、電子線源25の順で、シリコンウェハ上に薄膜プロセスで積層されて作成される。そして、記録ヘッド部2は、磁気再生素子20が設けられた位置において、スライダー1のスライダー母材11に固着される。
電子線源25は、配線13を介して電子線供給電源7から負の加速電圧が印加されることによって、記録媒体4の記録面に対して電子線を照射する。これにより、電子線が照射された記録媒体4の部分が加熱されて、この部分の磁化方向が反転し易くなる。
一方、励磁コイル23は、配線15を介して信号源16から記録信号が供給されることにより、この記録信号に対応する磁界を発生する。そして、この励磁コイル23で発生した磁界を主磁極24とリターン磁極22を通じて、電子線源で加熱された記録媒体4の部分を磁化反転することによって情報の記録を行う。具体的には、主磁極24及びリターン磁極22による磁界によって、電子線が照射された部分の磁化方向を所望の方向に変化させることで、記録すべき情報を記録媒体4に記録する。即ち、情報記録再生装置100は、熱アシスト磁気記録を行う。
以上により、情報記録再生装置100は、室温下では記録が難しいような、かなり保磁力の高い磁気記録媒体に対して記録を行うことができる。よって、情報記録再生装置100によれば、記録媒体4に対して高密度記録を行うことできると共に、記録後の記録媒体4に発生し得る熱揺らぎを抑制することが可能となる。また、情報記録再生装置100は、真空中で電子線の照射を行っているため、電子線源25の酸化を防止して、安定した記録を行うことができる。
更に、磁気再生素子20には、配線14を介して電流が流されることにより、記録媒体4に記録された磁化変化に対応する出力信号が得られる。これにより、記録媒体4に記録された情報が再生される。
なお、記録ヘッド部2では、リターン磁極22及び主磁極24の磁極と、電子線源25は、いずれも静電気との相互作用があるため、相互作用が生じないような距離を保持して配置されている。また、記録ヘッド部2に設けられたシールド部21は、磁極間の磁気シールドであるとともに、このような相互作用を効果的に抑制するための静電シールドとして機能する。
ここで、スライダー1が、記録ヘッド部2が設けられた位置から離れるほど記録媒体4に対する距離が大きくなるように、記録媒体4の記録面に対して傾いて配置されている理由について説明する。図1(a)に示すように、スライダー1は、スライダー1の構成要素の中で、記録ヘッド部2が最も記録媒体4に近づくように傾いている。こうすることによって、電子線源25から放射される電子線を小さい径のまま使用することができると共に、リターン磁極22及び主磁極24から出る磁界強度を強くすることができる。したがって、情報記録再生装置100によれば、安定した高密度記録を行うことが可能となる。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、図4を用いて説明する。
図4は、第2実施例に係る情報記録再生装置101の概略構成を示す図である。第2実施例に係る情報記録再生装置101は、第1実施例に係る情報記録再生装置100とは、スライダー1が有する静電極板の構成が異なる。よって、上記した情報記録再生装置100と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施例に係る情報記録再生装置101では、静電極板3cが、予め正の電荷で帯電しているエレクトレット材料で構成される。例えば、エレクトレット材料としては、高分子材料を用いることができる。このようなエレクトレット材料を用いることにより、静電極板3cを帯電させるために電圧を印加する必要がない。したがって、前述したスライダー電源8や配線12などが不要となるため、情報記録再生装置101は、構成を簡便にすることができる。
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について、図5を用いて説明する。
図5は、第3実施例に係る情報記録再生装置102の概略構成を示す図である。第3実施例に係る情報記録再生装置102は、第1実施例に係る情報記録再生装置100とは、主に、距離検出部30と印加電圧制御部31を有している点で異なる。よって、情報記録再生装置100と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
距離検出部30は、スライダー1と記録媒体4との距離を検出する。例えば、距離検出部30としては、スライダー1と記録媒体4間の静電容量を検知するギャップセンサなどを用いることができる。距離検出部30が検出した距離に対応する信号Sは、印加電圧制御部31に供給される。
印加電圧制御部31は、距離検出部30から供給される信号Sに基づいて、配線19を介して静電極板3に電圧を印加する。詳しくは、印加電圧制御部31は、スライダー1と記録媒体4との距離が予め求められた所定の距離となるように、静電極板3に印加する電圧を制御する。即ち、印加電圧制御部31は、スライダー1と記録媒体4との距離をフィードバック制御する。
また、上記では、静電電極3に印加する電圧を制御する場合について説明したが、静電電極3に印加する電圧を制御する代わりに、電界発生機構(上記した電界生成電源9に対応する)の電圧を制御するものであってもよい。前述した第2実施例のように静電電極3をエレクトレット材料で構成した場合には、静電電極上の電荷を直接に制御することができないため、電界発生機構の電圧を制御することでスライダー1と記録媒体4との距離をフィードバック制御する方が好適である。
以上のように、第3実施例に係る情報記録再生装置102によれば、情報記録再生装置102の姿勢などに影響を受けることなく、スライダー1と記録媒体4との距離、即ちスライダーの浮上量を正確に維持することができる。そのため、情報記録再生装置102は、更に安定した高密度記録を行うことが可能となる。
[変形例]
本発明は、図1で示したように、静電極板3を矩形形状で構成することに限定はされない。例えば、矩形形状を有する静電極板3を有するスライダー1を用いる代わりに、図6に示すような静電極板3a、3bを有するスライダー1a、1bを用いることができる。図6も、図1(a)中の矢印A方向からスライダー1を観察した図である。なお、スライダー1a、1bは、前述した情報記録再生装置100、101、102のいずれかに、スライダー1の代わりに適用される。情報記録再生装置102に用いる場合には、静電極板3a、3bはエレクトレット材料で構成される。
図6(a)は、スライダー1aの底面図を示しており、図6(b)は、スライダー1bの底面図を示している。この場合、スライダー1a、1bは、スライダー1a、1bと支持体5との接続部分を中心にある程度回転可能なように構成されている。また、スライダー1aに設けられた静電極板3aは略三角形の形状で構成されており、スライダー1bに設けられた静電極板3bは略台形の形状で構成されている。即ち、これらの静電極板3a、3bは、電子線源25が設けられた位置から離れるほど面積が広くなっていく形状を有している。これにより、記録ヘッド部2が設けられた位置に近づくにしたがって、帯電する電荷量が少なくなるため、記録媒体4に帯電した電荷から受ける斥力が小さくなる。
このように、静電極板3a、3bを適用し、且つ、スライダー1a、1bを支持体5に対して固定しないで、スライダー1a、1bが支持体5との接続部分を中心にある程度回転可能なように構成した場合、静電極板3a、3bは、記録ヘッド部2が設けられた位置に近づくにしたがって小さくなるような斥力を受けて、スライダー1a、1bは記録媒体4に対して傾く。即ち、スライダー1a、1bは、記録ヘッド部2が設けられた位置から離れるほど記録媒体4に対する距離が大きくなるように、記録媒体4に対して傾く。この場合、静電極板3a、3bなどに印加する電圧を固定すると、スライダー1a、1bが記録媒体4に対して傾く角度は一定になる。上記のようなスライダー1a、1bを用いることによっても、電子線源25から放射される電子線を小さい径のまま使用することができると共に、リターン磁極22及び主磁極24から出る磁界強度を強くすることができる。
なお、上記では、記録媒体4に対して熱アシスト磁気記録方法によって情報の記録を行う例を示したが、本発明は、このような記録方法を行うことに限定されない。他の例では、情報記録再生装置は、相変化材料が塗布された記録媒体4に対して、電子線を照射して相変化を生じさせることによって情報を記録することができる。即ち、情報記録再生装置は、相変化記録を行うことができる。この場合には、情報記録再生装置の記録ヘッド部に、リターン磁極22及び主磁極24などの磁極を設ける必要はない。
更に他の例では、情報記録再生装置は、強誘電材料からなる記録媒体4に対して、電子線を照射して自発分極の方向を変えることによって情報を記録することができる。即ち、情報記録再生装置は、強誘電体記録を行うことができる。また、情報記録再生装置は、上記した相変化記録と強誘電体記録とを、記録媒体4の種類などに応じて切り替えて記録が行えるように構成してもよい。
また、本発明は、スライダー1の周辺に電界を発生させるために対向静電極板6を用いることに限定はされない。他の例では、対向静電極板6を用いる代わりに、情報記録再生装置内の他の記録媒体を対向静電極板として用いることができる。一般に、ハードディスク(HDD)においては複数枚の記録媒体が所定の間隔で設置されることが多いため、記録対象となっている記録媒体に対向する位置にある、記録媒体を対向静電極板として用いることができる。
本発明の第1実施例に係る情報記録再生装置の概略構成を示す図である。 スライダーが記録媒体に対して浮上する原理を説明するための図である。 スライダーの記録ヘッド部の断面図を示す。 本発明の第2実施例に係る情報記録再生装置の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施例に係る情報記録再生装置の概略構成を示す図である。 変形例に係るスライダーの底面図を示す。
符号の説明
1、1a、1b スライダー
2 記録ヘッド部
3、3a、3b、3c 静電極板
4 記録媒体
5 支持体
6 対向静電極板
7 電子線供給電源
8 スライダー電源
9 電界生成電源
17 バネ
22 リターン磁極
23 励磁コイル
24 主磁極
25 電子線源
100、101、102 情報記録再生装置

Claims (11)

  1. 記録媒体に対して電子線を照射する電子線源と、前記記録媒体の記録面と略平行に配置される静電極板と、を有するスライダーと、
    大気圧より低圧力の雰囲気に保持された前記スライダー周辺に、前記静電極板の略法線方向の電界を生じさせる電界発生機構と、
    前記スライダーを前記記録媒体方向に付勢する付勢機構と、を備え、
    前記スライダーは、前記静電極板に帯電する電荷が前記電界によって力を受けることにより、前記記録媒体に対して所定距離離れた位置に浮上することを特徴とする情報記録装置。
  2. 前記電界発生機構は、前記記録媒体と、前記記録媒体に対向する位置に設けられた極板とに電圧を印加することによって前記電界を発生することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
  3. 前記静電極板に帯電する前記電荷は、前記静電極板に接続された電圧印加手段から供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録装置。
  4. 前記スライダーと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、
    検出された前記距離に基づいて、前記電圧印加手段を制御する印加電圧制御手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の情報記録装置。
  5. 前記スライダーと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、
    検出された前記距離に基づいて、前記電界発生機構を制御する電界強度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  6. 前記電子線源は、前記記録媒体に対して相変化を生じさせることによって情報を記録することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  7. 前記スライダーは、前記電子線源が設けられた位置の近傍に磁極を更に備え、
    前記電子線が前記記録媒体の強磁性体層に対して作用した部分の磁化方向を、前記磁極で変えることによって情報の記録を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  8. 前記スライダーは、前記電子線源が設けられた位置から離れるほど前記記録媒体に対する距離が大きくなるように、前記記録媒体の記録面に対して傾いて配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  9. 前記静電極板は、前記電子線源が設けられた位置から離れるほど面積が広くなっていく形状を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報記録装置。
  10. 前記静電極板はエレクトレット材料で構成され、前記静電極板に帯電する前記電荷は、前記エレクトレット材料に帯電している電荷であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録装置。
  11. 前記雰囲気は、真空雰囲気であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報記録装置。
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