JP4300657B2 - 車両用シート - Google Patents

車両用シート Download PDF

Info

Publication number
JP4300657B2
JP4300657B2 JP30052499A JP30052499A JP4300657B2 JP 4300657 B2 JP4300657 B2 JP 4300657B2 JP 30052499 A JP30052499 A JP 30052499A JP 30052499 A JP30052499 A JP 30052499A JP 4300657 B2 JP4300657 B2 JP 4300657B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
occupant
seat
seat back
pressing force
waist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30052499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001122001A (ja
Inventor
義勝 木佐貫
茂 佐久間
一生 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP30052499A priority Critical patent/JP4300657B2/ja
Publication of JP2001122001A publication Critical patent/JP2001122001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4300657B2 publication Critical patent/JP4300657B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車内に配設される車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両内部に配設された車両用シートには、後方からの衝突事故等から乗員を保護するための様々な工夫がなされている。
【0003】
例えば、図11に示すように、特開平10−973号公報では、シートバック100のシートバックフレーム102にはヘッドレスト104がブラケット106により回転可能に取り付けられている。このブラケット106の背面には、U字型のヘッドレストサポート108が溶接されている。また、このヘッドレストサポート108とシートバックフレーム102の下端部との間には、受圧用ベルト110が張られている(従来技術1)。
【0004】
この構成によれば、後方から追突(以下、「後突」という。)された場合には、乗員がシートバック100に押し付けられる。この押付力が受圧用ベルト110を介して、ブラケット106をシートバックフレーム102回りに回転させる。このブラケット106の回転により、ヘッドレスト104が前方に押し出され、乗員の頭部を支持する。これにより、後突時に生じる乗員の頚部傷害を防止しようとするものである。
【0005】
また、図12に示すように、特開平09−220991号公報では、シートベルト122は中空帯状に形成されている。後突時に、その衝撃力をセンサ124で感知し、気体充填装置126により、シートベルト122内部に空気を送って膨張させている(従来技術2)。これにより、乗員128を拘束し、むち打ち等から保護しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術は、いずれも後突時に発生する身体上部(特に、頚部)への衝撃力の低減を目的としてシートベルトやヘッドレストを作動させる構造となっているが、後突時に乗員の上半身が描く挙動(以下、「乗員挙動」という。)が考慮されていないため、十分な効果が得られない。
【0007】
すなわち、上記従来技術1では、後突後のリバウンド現象発生時において乗員の身体を拘束していない。このため、後突直後に乗員の腰部がシートバックの方向に移動しシートバックを押付けた後、乗員の腰部がシートバックから離れるリバウンド現象時において、シートバックから乗員の頚部を含む身体上部へ押付力が継続して作用する。したがって、乗員の頚部へ作用する押付力を十分低減することができない。
【0008】
また、従来技術2では、シートベルト内部に空気を注入して膨張させ乗員を拘束する。しかし、乗員の乗車姿勢が前傾であることから、身体上部の身体下部に対する振れ回りを助長してしまう。
【0009】
また、通常シートは、シートの側面がシートバック面よりも車両前方に位置している。このため、シートベルトを締めると乗員とシートベルトとの間には一定の隙間が生じるが、この隙間をうめるためにシートベルトを大きく膨張させると、乗員の腹部等に作用する圧縮力がさらに大きくなり、好ましくない。
【0010】
本発明は、上記事実を考慮し、後突時において乗員の身体に局所的に作用するシートバックからの押付力を低減することができる車両用シートを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の車両用シートは、シートクッションとシートバックを備える車両用シートであって、車両後方からの衝突後に乗員の腰部が前記シートバックを押付ける押付力を検出する押付力検出手段と、前記シートクッション又は前記シートバックに設けられ、前記押付力を前記押付力検出手段が検出することによって作動して、乗員の腰部を前記シートバックとの間に挟んで保持するとともに、その保持状態を維持するように構成され、乗員の腰部が前記シートバックから離れるリバウンド現象を阻止する乗員保持手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、車両が後方から衝突されると、その慣性力により乗員の腰部がシートバックに向かって移動し、シートバックを押し付ける。そして、押付力検出手段がその押付力を検出する。
【0013】
次に、乗員保持手段は、押付力検出手段による押付力の検出によって作動し、乗員の腰部をシートバックとの間に挟んで保持するとともに、その保持状態を維持する。これによって、乗員の腰部がシートバックから離れるリバウンド現象を阻止できる。
【0014】
このため、上記押付力の反作用として、シートバックからの押付力が乗員の腰部にも作用するため、該押付力が乗員の頚部のみに集中的に作用することを防止する。この結果、頚部に作用する押付力を分散できるので、頚部を保護できる。
【0015】
また、請求項2に記載の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記乗員保持手段前記押付力検出手段へ連結されるとともに、前記シートクッション又は前記シートバックに設けられた軸の軸回りに回転可能に設けられ、前記押付力によって前記押付力検出手段が前記シートバックの後方側へ移動するに伴い、前記軸の軸回りに回転して最大回転位置で止まることにより、乗員の腰部を前記シートバックとの間に挟んで保持する保持状態を維持することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、乗員の押付力によって押付力検出手段がシートバックの後方側へ移動する。この押付力検出手段の移動により、乗員保持手段、シートクッション又はシートバックに設けられた軸の軸回り回転して最大回転位置で止まり、乗員の腰部をシートバックとの間に挟んで保持するとともに、その保持状態を維持する。このため、簡易な構成で乗員の腰部がシートバックから離れるリバウンド現象を阻止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両用シートについて説明する。図1は本実施形態に係る車両用シートの平面図であり、図2は本実施形態に係る車両用シートの正面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、車両用シート10には、乗員12が腰掛けるシートクッション14が備えられている。また、このシートクッション14の後端部には、門型のシートバックフレーム16が取り付けられている。
【0019】
このシートバックフレーム16には、乗員12の背中部12A及び腰部12Bを支持するシートバック18が取り付けられている。また、上記シートバック18内には、シートバックフレーム16に掛け渡されるバネやクッション部材が設けられている。
【0020】
図3に示すように、このシートバック18の内部には、後突時に乗員12の背中部12A及び腰部(図示省略)から作用する所定値以上の押付力により車両後方(矢印A方向)に移動する板状の受圧部材20が設けられている。すなわち、力が作用しない通常時において、受圧部材20はバネ(図示省略)の弾性力によりシートバック18の乗員12側に位置しているが、後突等で乗員12から押付力を受けると上記バネが圧縮されシートバック18の後方側(図中矢印A方向)に移動する構成となっている。また、別途保持部材を設けて受圧部材20が通常走行時に移動しないように保持し、後突時にこの保持部材を変形させて受圧部材20を移動できるようにしてもよい。なお、移動した状態の受圧部材20を図中2点鎖線で示す。
【0021】
また、シートバック18の両側面には、棒状のシートサイドフレーム22がそれぞれ取り付けられている。これらのシートサイドフレーム22は、シートバックフレーム16と略平行に配置され、シートサイドフレーム22の上下両端がそれぞれ図示しない取付部材によりシートバックフレーム16に固着されている。また、このシートサイドフレーム22には、シートサイド24がシートサイドフレーム22を軸として回転可能に設けられている。
【0022】
また、図8に示すように、各シートサイド24の乗員12側表面には、連結部材として鋼線26の先端が取り付けられている。一方、この鋼線26の後端は、上記受圧部材20の両側面にそれぞれ取り付けられている。このため、受圧部材20が矢印A方向に移動すると、シートサイド24が連動しシートサイドフレーム22回りに乗員12側(矢印C方向)に回転して乗員12の腰部の両側部を拘束する構成となる。
【0023】
このため、シートサイド24の一部は、シートバック18に沈み込んだ乗員12の腰部(好ましくは腰骨付近)を、シートバック18との間に乗員12の腰部を挟んで保持できる大きさ、配置とすることが好ましい。なお、図8では、説明の便宜上、一方のシートサイド24の図示を省略している。
【0024】
また、図4に示すように、鋼線26の外周部には、軸線を挟んだ両側に複数の突起28が形成されている。これらの突起28は鋼線26の長手方向に沿って所定の間隔で複数個突出されている。
【0025】
また、図8に示すように、受圧部材20とシートサイド24との間には、ロック機構としての鋼線固定部材30が配置されている。図4に示すように、この鋼線固定部材30には、シートバックフレーム16等に取り付けられる筒状部32が設けられている。この筒状部32の内部では、爪部材38が軸39によって筒状部32に軸支されている。また、この爪部材38と筒状部32との内周の間には、くさび状の弾性部材36が取り付けられている。爪部材38は、弾性部材36により付勢されて鋼線26の突起28と係合している。このため、爪部材38は、鋼線26の進入方向(図中矢印B方向)と逆方向への移動を阻止する阻止手段としての役目を有している。なお、この突起28の代わりに他の形状の突起や多数の凹部であってもよい。また、鋼線26は、乗員12の着座空間に露出することがないように、シートバック18内へ埋め込むことが好ましい。
【0026】
また、図1及び図2に示すように、シートバックフレーム16の上端には、乗員12の頭部12Dを支持するヘッドレスト40が取り付けられている。
【0027】
次に、本実施形態の作用及び効果についての説明に先立って、一般的な車両構造において、走行中あるいは停止中の自動車の車両用シート10に乗員12が着座した状態で、車両後方から追突(以下、適宜「後突」という。)された場合の乗員12の上半身挙動(以下、「乗員挙動」という。)について説明する。
【0028】
図5に示すように、後突初期において、車両用シート10に着座した乗員12の姿勢は前傾しており、乗員12の頚部12Cとシートバック18との間には隙間が生じている(このときの状態を図中線Xで示す。)。
【0029】
後突中期においては、後突時の衝撃力により乗員12の腰部12B及び背中部12Aがシートバック18の方向に移動し、乗員12の頚部12Cとシートバック18との隙間も減少している(このときの状態を図中線Yで示す。)。
【0030】
さらに、後突後期においては、乗員12の腰部12Bは車両用シート10の前方(車両前方側)に大きく移動し、背中12Aがシートバック18から浮き上がっているが、乗員12の頚部12Cはシートバック18に密着した状態となっている(このときの状態を図中線Zで示す。)。
【0031】
ここで、乗員12は前傾姿勢をしているため、乗員12の腰部12Bが頚部12Cよりも先にシートバック18方向へ移動する。このため、腰部12Bが頚部12Cに比べ早い時期にシートバック18からの反作用力を受ける。その後、頚部12Cが慣性力によりシートバック18方向に移動しシートバック18から反作用力を受ける。
【0032】
ここで、後突時の乗員12の頚部12C及び腰部12Bの回転角の計測結果について説明する。この計測においては、乗員12の頚部12Cと腰部12Bとにセンサ(図示省略)を付け、それぞれの回転角を計測している。
【0033】
すなわち、図6(B)に示すように、後突後の乗員12の腰部12Bの回転角は、一旦大きく変化するが、時間の経過と共に再び、衝突直前と近い状態に戻る。これに対し、図6(A)に示すように、頚部12Cの回転角は一旦大きく変化した後は、時間が経過しても元の状態に戻らない。この現象は、図5の乗員挙動が示すように、後突中後期以後においては、頚部12Cを含む身体上部に対して腰部12Bなどの身体下部がシートバック18の前方に移動するリバウンド現象により、身体下部が身体上部を回転中心として回転するためである。
【0034】
ここで、図5に示す乗員挙動の計測と同時に行った乗員12のシートバック18への押付力の計測結果について説明する。図7は、(A)衝突直後(B)衝突中期(C)衝突後期と場合分けして、後突直前のシートバック18への押付力を基準とした乗員12の腰部12B及び頚部12Cの押付力の変化量の分布を示している。なお、図5及び図7においては、ヘッドレスト40が未装着の車両用シート10における実験結果を示している。
【0035】
図7に示すように、衝突直後は腰部12Bの押付力の変化が大きく、腰部12Bの変化に遅れて頚部12Cの押付力の変化が生じることを示している。かかる押付力の変化は、図5に示す乗員挙動と一致している。
【0036】
詳細には、図7(A)に示すように、衝突直後において、乗員12が前傾姿勢であるため、乗員12の腰部12Bは、頚部12Cよりも先にシートバック18に押し付けられる。このため、シートバック18には、腰部12Bからの押付力(図中ハッチング部)のみが作用する。
【0037】
また、図7(B)に示すように、衝突中期において、乗員12の頚部12Cが慣性力により腰部12Bより遅れてシートバック18に押し付けられる。このとき、シートバック18には、乗員12の頚部12C及び腰部12Bから押付力(図中ハッチング部)が作用している。
【0038】
さらに、図7(C)に示すように、衝突後期以後において、シートバック18からの反作用力により腰部12Bがシートバック18から離れるリバウンド現象が始まると、腰部12Bがシートバック18から浮き上がるため、腰部12Bのシートバック18に対する押付力が作用しなくなるが、頚部12Cのシートバック18に対する押付力(図中ハッチング部)は依然として作用している。
【0039】
なお、図7においては、シートバック18への作用力を示したものであるが、頚部12C及び腰部12Bには、シートバック18からその反作用として同じ大きさの反作用力が作用している。
【0040】
この観点からみれば、衝突後期においても、頚部12Cへの反作用力は衝突直後と比べて大きく、後突後、頚部12Cにはシートバック18からの反作用力が継続して作用していることになる。
【0041】
次に、本実施形態に係る車両用シート10の作用及び効果について説明する。
【0042】
例えば、自動車の運転中に後突されると、図1及び図2に示すように、乗員12が前傾姿勢であるので、先ず腰部12B及び背中部12Aが慣性力によりシートバック18方向(矢印A方向)に移動する。その後、乗員12の頭部12Dが慣性力によりシートバック18の方向に移動し、頭部12D及び頚部12Cがヘッドレスト40及びシートバック18とそれぞれ密着する。
【0043】
そして、背中部12A及び腰部12Bが受圧部材20を押し、この押付力により受圧部材20がバネ力に抗してシートバック18の後方(図中矢印A方向)へ移動する。
【0044】
ここで、図3及び図8に示すように、この受圧部材20の移動により、鋼線26を介して各シートサイド24が引張力を受け、シートサイドフレーム22を中心として乗員12側(図中矢印C方向)に回転する。受圧部材20に引っ張られた鋼線26は、突起28が爪部材38を押上げて鋼線固定部材30の筒状部32を通り、図4中矢印B方向に移動する。そして、受圧部材20の移動が、ストッパへ当たる等により最大後方移動位置で止まると、シートサイド24の回転も最大回転位置で止まる。この状態で、シートサイド24の先端部は、乗員12の腰部よりも車両前方側に位置するので、乗員12はシートサイド24とシートバック18との間に保持されて車両の前方へは移動しない。すなわち、乗員12の腰部12B、背中部12A及び頚部12Cは、シートバック18に密着した状態となる。
【0045】
なお、シートサイド24が衝撃に強い乗員12の腰部12Bと接触することにより、接触時の衝撃から乗員12を保護している。また、この状態では、鋼線26が矢印B方向と逆方向に引っ張られても、ベルト固定部材30の爪部材38の先端が鋼線26の突起28と係合するので逆方向の移動が阻止されている。
【0046】
次に、リバウンド現象により、乗員12の腰部12B及び背中部12Aは、頚部12Cがシートバック18に密着した状態で、シートバック18から離れ前方へ移動しようとする。しかし、シートサイド24が乗員12を保持しているため、このリバウンド現象が阻止され、腰部12B及び背中部12Aはシートバック18に常に押し付けられた状態となる。このため、衝突後期において、シートバック18からの反作用力が乗員12の頚部12Cだけでなく、背中部12A及び腰部12Bにも作用する。
【0047】
この結果、乗員12は、シートバック18からの反作用力を受ける身体の受圧面積が大きくなり、該反作用力が頚部12Cに集中して作用するのを防止できる。すなわち、頚部12Cに作用する反作用力を背中部12A及び腰部12Bに分散でき、頚部12Cに継続して作用する反作用力を低減できるので、頚部12Cを効果的に保護することができる。
【0048】
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用シートについて図9及び10に基いて説明する。
【0049】
本実施形態の車両用シート50は、第1実施形態の受圧部材20と別の受圧部材52が用いられ、また、第1実施形態の鋼線固定部材30に代えてシートサイドフレーム22回りに回転する回転ローラ54を設けたものである。なお、他の構成であって第1実施形態と同様の構成には同符号を付すると共に、適宜説明を省略する。
【0050】
図9に示すように、本実施形態の車両用シート50に用いられる受圧部材52は、例えば、ワイヤー及び樹脂ベルト等、容易に弾性変形できる可撓性のものが用いられる。このため、シートバック18内部に容易に組み込むことができ、さらに組み込みスペースを狭くすることができる。また、この受圧部材52は、線状のものでもよく、板状のものでもよい。なお、図9においては、説明の便宜上、一方のシートサイド24の図示を省略している。
【0051】
図10に示すように、この受圧部材52のシートバック18の幅方向の両端部は、回転ローラ54の周面に固定され、その一部が回転ローラ54に巻き付けられている。また、この回転ローラ54は、シートサイド24の内部で、かつシートサイドフレーム22の外周に回転可能に取り付けられており、シートサイド24へ固着されてシートサイド24と共にシートサイドフレーム22回りを回転する。
【0052】
また、この回転ローラ54の回転方向は、ワンウェイクラッチにより一定方向(矢印D方向)に制限されている。また、受圧部材52の移動方向は、複数の案内部材56により規制されている。なお、通常走行時に、回転ローラ54が不用意に回転しないようにする保持部材(図示省略)を別途設けてもよい。
【0053】
本実施形態によれば、後突されると、乗員12から受圧部材52への押付力により、この受圧部材52に生じる引張力を介して回転ローラ54に回転力が作用する。そして、回転ローラ54が矢印D方向に回転する。すなわち、図9及び図10に示すように、受圧部材52は、乗員12からの押付力により矢印A方向に移動し、回転ローラ54が回転して矢印E方向に引き出される(図9の2点鎖線で図示される)。
【0054】
一方、図9に示すように、シートサイド24は、回転ローラ54の回転により、乗員12側(矢印C方向)に回転し、第1実施形態と同様に、乗員12の腰部の両側部を保持する。これにより、乗員12のリバウンド現象が阻止され、乗員12の背中部12A、腰部12B及び頚部12Cがシートバック18に押し付けられた状態となる。この結果、シートバック18から背中部12A及び腰部12Bにも反作用力が作用するため、頚部12Cに反作用力が集中して作用するのを防止できる。
【0055】
なお、衝突速度が速い場合は、乗員12のリバウンド量が増加し、シートサイド24の腰部12Bの規制のみでは十分に乗員12を保持できない場合もある。かかる場合には、シートサイド24を乗員の胸部近傍にさらに配設すれば、乗員12を効果的に保持することができる。
【0056】
なお、このときは乗員12の胸部をも保持することになるが、肋骨は腰部12Bの腰骨よりも衝撃に弱いため、シートサイド24の材質を腰部12Bを保持するものと比べ、柔らかくしたり、シートサイド24自体の回転量を小さくすることが好ましい。これにより、胸部(肋骨)を十分に保護することができる。
【0057】
また、本発明の車両用シート10を後部座席に配設し、後突時に後部座席の乗員12の腰部12Bへの衝撃を緩和することもできる。
【0058】
すなわち、後突事故時における後部座席の乗員12の腰部12Bへの衝撃が発生することが判明しており、この原因の一つとして、図6(B)に示した腰部12Bの急激な回転角度の変化が考えられている。
【0059】
ここで、本発明の車両用シート10、50を後部座席に配設すると、乗員12を保持できリバウンド現象が阻止されるので、腰部12Bの急激な回転角度の変化を低減でき、腰部12Bへの衝撃を緩和することができる。
【0060】
なお、上記各実施形態では、車両用シート10、50が自動車に装着された場合を説明したが、これに限られず、車両一般に用いることができる。
【0061】
また、上記各実施形態では、シートサイド24は、受圧部材20、52と機械的に接続された形態を説明したが、これに限られず、例えば、乗員12からの押付力を電気的に検出し、この検出に基いて、シートサイド24を火薬力やモータ等の電磁力で作動する構成としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明の車両用シートによれば、後突時において乗員の身体に局所的に作用するシートバックからの押付力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用シート上に乗員が着座した状態の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用シート上に乗員が着座した状態の正面図である。
【図3】乗員からの押付力が作用する前と作用した後の車両用シートの状態を示した状態図である。
【図4】第1実施形態の車両用シートに用いられる鋼線固定部材の縦断面図である。
【図5】衝突時に乗員の上半身の描く挙動を示した上半身挙動図である。
【図6】(A)は衝突時の時間経過に伴う乗員の頚部の回転角を示したグラフであり、(B)は時間経過に伴う乗員の腰部の回転角を示したグラフである。
【図7】乗員の頚部及び腰部がシートバックに作用する押付力の分布を示した押付力分布図である。
【図8】受圧部材、鋼線及びシートサイドとの関係を示した作動図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る車両用シートの作動図である。
【図10】本実施形態の車両用シートに用いられる受圧部材と、この受圧部材と連動する回転ローラを示した作動図である。
【図11】従来技術である自動車用シートのシートバックを示した斜視図である。
【図12】従来技術である走行車のシートベルト装置を示した正面図である。
【符号の説明】
10、50 車両用シート
12 乗員
12B 腰部
12C 頚部
14 シートクッション
18 シートバック
20、52 受圧部材(押付力検出手段)
22 シートサイドフレーム(軸)
24 シートサイド(乗員保持手段)

Claims (2)

  1. シートクッションとシートバックを備える車両用シートであって、
    車両後方からの衝突後に乗員の腰部が前記シートバックを押付ける押付力を検出する押付力検出手段と、
    前記シートクッション又は前記シートバックに設けられ、前記押付力を前記押付力検出手段が検出することによって作動して、乗員の腰部を前記シートバックとの間に挟んで保持するとともに、その保持状態を維持するように構成され、乗員の腰部が前記シートバックから離れるリバウンド現象を阻止する乗員保持手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用シート。
  2. 前記乗員保持手段は、
    前記押付力検出手段へ連結されるとともに、前記シートクッション又は前記シートバックに設けられた軸の軸回りに回転可能に設けられ、
    前記押付力によって前記押付力検出手段が前記シートバックの後方側へ移動するに伴い、前記軸の軸回りに回転して最大回転位置で止まることにより、乗員の腰部を前記シートバックとの間に挟んで保持する保持状態を維持することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
JP30052499A 1999-10-22 1999-10-22 車両用シート Expired - Fee Related JP4300657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30052499A JP4300657B2 (ja) 1999-10-22 1999-10-22 車両用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30052499A JP4300657B2 (ja) 1999-10-22 1999-10-22 車両用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001122001A JP2001122001A (ja) 2001-05-08
JP4300657B2 true JP4300657B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=17885866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30052499A Expired - Fee Related JP4300657B2 (ja) 1999-10-22 1999-10-22 車両用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4300657B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050006941A1 (en) * 2003-07-08 2005-01-13 Ji-Whan Park Headrest for vehicles
JP4624299B2 (ja) * 2006-05-02 2011-02-02 馮建中 シートを素早く移動且つ傾斜する装置
JP6059633B2 (ja) * 2013-11-05 2017-01-11 本田技研工業株式会社 車両用シート
JP2016190593A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 富士重工業株式会社 乗員保護装置
JP6802472B2 (ja) * 2016-03-22 2020-12-16 テイ・エス テック株式会社 乗物用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001122001A (ja) 2001-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100264468B1 (ko) 차량용 좌석
CN110861550B (zh) 车辆用座椅
EP1078811B1 (en) Seatback for automobile
JP2010006254A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP6750643B2 (ja) 車両用シート構造
JPH0450052A (ja) 車両のシート構造
JP2002012072A (ja) 移動体の座席
JP6107459B2 (ja) 乗物用シート
JP3619855B2 (ja) 自動車のサブマリン防止用パネル構造
JP6438996B2 (ja) 乗員保護装置
JP2001146127A (ja) 自動車用シート
JP4300657B2 (ja) 車両用シート
JP3360556B2 (ja) 車両用シート
JP2003212088A (ja) 車両シート用安全機構
JP2010058744A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP2018161974A (ja) 乗員保護装置
JP2008001324A (ja) 乗員拘束装置及び車両用シート
JP2001163097A (ja) 車両用シート
JP6927059B2 (ja) 車両用シート
JPH0665076U (ja) 自動車用シート
JP3350625B2 (ja) 自動車用シートのシートバック
JP2000236985A (ja) 自動車用シートバック
JP2001058533A (ja) 自動車用シートバック
JP2004330941A (ja) 自動車シートに用いるシート・バック
JP2019162951A (ja) 車両用乗員保護装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090413

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees