JP4283144B2 - 排ガス処理用触媒と排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用触媒と排ガス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、排ガス処理用触媒と排ガス処理方法に関する。詳しくは、各種排ガスに含まれる悪臭成分としての有機化合物を効率良く分解処理することで高い脱臭効果を発揮できる排ガス処理用触媒と、それを用いた排ガス処理方法に関する。
印刷、塗装、樹脂加工、表面処理等を行う各種工場やゴミ焼却炉などから発生する排ガス中には、窒素酸化物、硫黄酸化物、硫化物、アミン類、有機化合物などの臭気成分が含まれ、これらの物質は微量であっても臭気性が高い。そこで、これらの臭気成分を除去するためのいくつかの方法が報告されている。
例えば、アルカリスクラバーにより排ガスを脱硫することで臭気を除く方法や、排ガスにアンモニアを添加して脱硝する方法などが良く知られている。
しかしながら、これらの方法は、脱硫または脱硝、すなわち、窒素酸化物、硫黄酸化物、硫化物、アミン類の除去を主たる目的としているので、有機化合物を原因とする臭気の脱臭効果は低いという問題があった。
臭気成分として窒素酸化物、硫黄酸化物、硫化物、アミン類とともに有機化合物をも除去することが可能な脱臭触媒として、特定の金属の複合酸化物を特定の金属の酸化物および貴金属成分とを組み合わせた触媒が報告されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この触媒も、有機化合物の除去に特化して設計された触媒ではないため、有機化合物を原因とする臭気の脱臭効果は未だ不十分なものであった。
飽和炭化水素、不飽和炭化水素、アルコール類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、芳香族類、有機酸類などの有機化合物は各種臭気成分の中でも微量での臭気性が特に高いため、有機化合物の除去効果に特に優れた性能を発揮する脱臭触媒の開発が強く望まれている。
特開平8−33842号公報
本発明が解決しようとする課題は、排ガス中の臭気成分としての有機化合物の除去効果に特に優れた性能を発揮する排ガス処理用触媒、およびそれを用いた排ガス処理方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。
その結果、排ガス処理用触媒として、担体としてのチタン系酸化物にPt、Pd、Rh、Ru、Ir、およびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属が担持された触媒を選択するとともに、この触媒の表面に存在する強い酸点の量に着目したところ、pKa≦+3.3の固体酸量を特定値以上とした場合に有機化合物の除去効果が極めて大きくなること、および、その特定値を下回ると有機化合物の除去効果が大きく低下することを見出した。また、排ガスが硫黄成分を含有する場合、チタン系酸化物は耐硫黄性に優れており、硫黄被毒による性能劣化を抑えることができる。このことから、有機化合物の除去効果に特に優れた性能を発揮する排ガス処理用触媒を得るためには、担体としてのチタン系酸化物にPt、Pd、Rh、Ru、Ir、およびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属が担持された触媒を選択するとともに、pKa≦+3.3の固体酸量が特定値以上となるように設計すればよいことが判った。
すなわち、本発明にかかる排ガス処理用触媒は、有機化合物を含む排ガスの処理用触媒であって、担体としてのTi−Si複合酸化物にPt、Pd、Rh、Ru、IrおよびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属が担持されてなり、硫黄源として硫酸、硫酸アンモニウムおよび硫酸水素アンモニウムから選ばれる少なくとも1種を添加することで硫黄(S)元素を酸化物換算重量比で触媒の全重量に対して0.5〜3重量%含有するものであり、pKa≦+3.3の固体酸量が0.40mmol/g以上である、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる排ガス処理方法は、上記本発明の排ガス処理用触媒に有機化合物含有ガスを接触させて、ガス中の有機化合物を分解する方法である。
本発明によれば、ガス中の臭気成分としての有機化合物の除去効果に特に優れた性能を発揮する排ガス処理用触媒、およびその触媒を用いた排ガス処理方法を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明にかかる排ガス処理用触媒は、担体として、Ti−Si複合酸化物を含む
Ti−Si複合酸化物におけるTiの含有量は、Ti−Si複合酸化物全体中のTiと他の元素(Si)との合計モル数に対して、40〜95モル%であることが好ましく、より好ましくは50〜95モル%、さらに好ましくは60〜95モル%である。
Ti−Si複合酸化物におけるTi以外の元素(Si)の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、Ti−Si複合酸化物全体中のTiと他の元素(Si)との合計モル数に対して、5〜60モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは5〜40モル%である。
Ti−Si複合酸化物の調製方法としては、特に制限はなく、例えば、沈殿法(共沈法)、加水分解法、ゾルゲル法、沈着法、混練法などの従来公知の方法を採用することができる。Ti−Si複合酸化物であれば、コロイド状シリカなどのケイ素化合物をアンモニア水溶液に分散させて水溶液(A)を調製し、この水溶液(A)に攪拌下でチタン化合物の水溶液を徐々に滴下し、得られたスラリーを濾過、洗浄し、さらに乾燥した後、300〜600℃の高温で焼成することで得ることができる
本発明においては、本発明の効果が十分に発揮できる点で、チタン系複合酸化物としてTi−Si複合酸化物を用いることが好ましい。
チタン系複合酸化物を調製する際に用いる各元素の供給源は、特に制限されない。
Ti源としては、例えば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機系チタン化合物や、蓚酸チタン、テトライソプロピルチタネートなどの有機系チタン化合物から適宜選択して使用することができる。
Si源としては、例えば、コロイド状シリカ、水ガラス、微粒子ケイ素、四塩化ケイ素、シリカゲルなどの無機系ケイ素化合物や、テトラエチルシリケートなどの有機系ケイ素化合物から適宜選択して使用することができる。
担体として好ましい形状としては、例えば、板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、球状、円筒状などが挙げられる。また、コージェライト、アルミナ、チタニアなどの成形体(板状、ハニカム状、球状など)に、チタン系複合酸化物をウォッシュコートする方法も採用できる。
本発明にかかる排ガス処理用触媒は、担体としてのチタン系酸化物にPt、Pd、Rh、Ru、Ir、およびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属が担持されてなる。担持成分としてこれら貴金属を用いることにより、担体の強い酸点が損なわれず、触媒表面に強い酸点が形成しやすくなり、本発明の効果が十分に発現される。
担持成分としての貴金属の供給原料としては、通常の触媒製造などに利用されている材料が使用できる。具体的には、硝酸塩、ハロゲン化物、アンモニウム塩、アンミン錯体、水酸化物などが挙げられる。
担体への担持成分の担持手段としては、通常の貴金属担持金属酸化物触媒と同様の担持手段が採用できる。担体に担持成分を担持させる処理工程では、担持成分を担体の表面から内部方向にかけて均等に担持させることもできるし、担体の外表面近傍に偏在させて担持させることもできるが、担体の外表面近傍に担持成分を偏在させて担持させることが好ましい。
担持成分としての貴金属の担持量は、材料の組み合わせや担持処理の条件などによっても異なるが、触媒の全体量に対して0.005〜2.0重量%の範囲が好ましく、0.01〜1.0重量%の範囲がより好ましい。貴金属の担持量が少なすぎると触媒活性が低くなる。貴金属の担持量が多すぎても、活性向上に対する効果は望めず、経済性を損なうのみである。
担持成分としての貴金属は、通常、粒子の形態で担体に担持される。担持成分としての貴金属の粒径としては、平均粒子径30nm以下のものが好ましく、さらに好ましくは20nm以下である。担持成分としての貴金属の粒子径が小さく、高分散化された状態であるほど、活性が高くなる。
本発明にかかる排ガス処理用触媒は、硫黄(S)の元素を含むことが好ましい。
本発明にかかる排ガス処理用触媒が硫黄(S)の元素を含むことにより、触媒表面に強い酸点が形成しやすくなり、本発明の効果が十分に発現される。
本発明にかかる排ガス処理用触媒として、Sの元素を含む排ガス処理用触媒を調製する場合は、チタン系酸化物に、活性種としてSの元素を添加することが好ましい。
チタン系酸化物にSの元素を添加する方法としては、特に限定されず、例えば、硫酸の水溶液に、触媒を浸漬する方法用いることができる。また、Sの供給源を担体に予め添加してから貴金属を担持してもよいし、貴金属を担持する際に同時にSの供給源を添加してもよく、また、貴金属を担持した後にSの供給源を添加してもよい。
Sの供給源は、特に制限されない。
黄源としては、硫酸、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
本発明にかかる排ガス処理用触媒がSの元素を含む場合、この元素の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、元素の酸化物換算重量比で、触媒の全重量に対し、0.01〜3重量%であることが好ましく、0.5〜3重量%であることがより好ましく、1.5〜3重量%であることがさらに好ましい。
本発明にかかる排ガス処理用触媒としては、以上に述べたような触媒成分のみを触媒の構成材料として用い、この触媒成分を一定の形状に成形してなる成形型触媒が好ましい形態ではあるが、特にこれに限定されるわけではなく、所望の形状を有する任意の不活性担体等に触媒成分を担持させてなる担持型触媒であってもよいし、あるいは、これら成形型触媒と担持型触媒の調製法を適宜組み合わせて得られる触媒であってもよい。
本発明にかかる排ガス処理用触媒の形状は、特に限定されず、例えば、ハニカム状、球状、板状、網状、円柱状、円筒状、波状(コルゲート)状、パイプ状およびドーナツ状等の多様な形状が好適に採用できる。なお、このように多様な形状を有する触媒は、例えば、押出し成形機などを用いて所望の形状とし焼成したような触媒成分のみからなる一体成形体であってもよいし、また、所望の形状を有する耐熱基材上に、触媒成分や触媒成分となり得るものを塗布して、コートし、焼成したようなものであってもよい。耐熱基材としては、例えば、ステンレス鋼などの金属やコージェライト、ムライト、SiC等のセラミックス、繊維状セラミックスを紙状素材に抄造したセラミックペーパーなどを、ハニカム状、球状、板状、網状、円柱状、円筒状、波板(コルゲート)状、パイプ状、ドーナツ状、格子状、プレート状(波状プレートを複数積み重ねて隣り合うプレート同士の間に空間を設けるようにしてなる形状)、波状等の形状に加工したものが例示できる。
本発明にかかる排ガス処理用触媒は、pKa≦+3.3の固体酸量が0.40mmol/g以上である。
pKa≦+3.3の固体酸量の上限値は特に限定されず、多ければ多いほど良いが、あまりに多すぎると、逆に触媒活性が低下するおそれがあるため、好ましくは0.80mmol/g以下、より好ましくは0.70mmol/g以下、さらに好ましくは0.60mmol/g以下である。
このように、触媒表面に酸点を多く存在させることにより、排ガス中の臭気の原因である有機化合物を大きく化学吸着させることができ、しかも、電子的相互作用によって吸着された有機化合物を活性化させることができるので、有機化合物の分解反応が大きく促進される。
本発明にかかる排ガス処理用触媒を製造する方法は特に限定されないが、前述したような好ましい方法で調製すれば、pKa≦+3.3の固体酸量を容易に0.30mmol/g以上とすることができる。
本発明にかかる排ガス処理用触媒のBET比表面積は、特に制限されないが、30〜250m/gであることが好ましく、より好ましくは40〜250m/g、さらに好ましくは45〜250m/gである。
本発明にかかる排ガス処理用触媒の細孔容積は、特に限定されないが、0.20〜0.80cm/gであることが好ましく、0.25〜0.70cm/gであることがより好ましく、0.25〜0.60cm/gであることがさらに好ましい。
以上のようにして得られた本発明にかかる排ガス処理用触媒に有機化合物含有ガスを接触させることにより、ガス中の有機化合物を効率的に分解することができる。
すなわち、本発明にかかる排ガス処理方法は、本発明の排ガス処理用触媒に有機化合物含有ガスを接触させて、ガス中の有機化合物を分解する。
本発明にかかる排ガス処理用触媒は、通常、金属などで構成された容器状の触媒反応器に収容して使用されることが好ましい。触媒反応器には、排ガス(有機化合物含有ガス)の導入口と排出口が設けられ、内部に収容された触媒に排ガス(有機化合物含有ガス)が効率的に接触できるような構造を備えておくことが好ましい。
本発明の排ガス処理用触媒に有機化合物含有ガスを接触させて、ガス中の有機化合物を分解する際の条件については、特に制限がなく、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、ガスの種類、性状、要求される有機化合物の分解除去率などを考慮して適宜決定すればよい。
本発明にかかる排ガス処理方法において、各種排ガス(有機化合物含有ガス)の処理を行う場合の排ガス(有機化合物含有ガス)の空間速度は、通常、100〜100000Hr−1(STP)であり、好ましくは200〜50000Hr−1(STP)、より好ましくは200〜29000Hr−1(STP)である。上記空間速度が100Hr−1未満であると、一般的に、処理装置が大きくなり過ぎて非効率となり、100000Hr−1を超える場合は、各種排ガス(有機化合物含有ガス)中の有機化合物の分解・除去の効率が低下するおそれがある。
処理対象とする各種排ガス(有機化合物含有ガス)の温度については、100〜500℃であることが好ましく、より好ましくは200〜500℃、さらに好ましくは250〜500℃である。
処理対象とする各種排ガス(有機化合物含有ガス)中の臭気の原因となる有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、プロパン、ペンタン、ヘキサンなどの飽和炭化水素;ペンテン、ヘキセンなどの不飽和炭化水素;エタノール、ブタノールなどのアルコール類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン類;エチルエーテル、ビニルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノールなどの芳香族類;酢酸、酪酸、フタル酸、安息香酸などの有機酸類;などが挙げられる。
以下に、実施例、参考例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例、参考例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<X線回折分析>
スペクトリス社製のX’pert PROを用いて分析した。
<蛍光X線分析>
下記条件にて行った。
分析装置:(株)リガク製のRIX2000
分析時の試料雰囲気:真空
試料スピン速度:60rpm
X線源:Rh管球
<固体酸量の測定>
pKa≦+3.3の固体酸量をn−ブチルアミン滴定法で求めた。pKa=+3.3の指示薬としてp−ジメチルアミノアゾベンゼンを用いた。具体的には、120℃で3時間以上乾燥した粉体試料0.2gを精密天秤で秤量し、試験管に入れ、約20mlのベンゼンを加えた。そこに、上記指示薬をベンゼンに溶かした溶液数滴を加え、栓をしてよく振り混ぜたところ、指示薬の酸性色である赤色に呈色した。これに、0.13mmol/mlのn−ブチルアミンのベンゼン溶液をミクロビュレットで加え、試料が指示薬の塩基性色である黄色に変色した点を滴定の終点とし、滴定量と試料重量とから固体酸量(mmol/g)を算出した。
<プロパン除去試験>
下記の試験条件でプロパン除去試験を行い、プロパン除去率(%)を算出した。
排ガス組成=C:400ppm、O :20%、N :バランス
反応器入口ガス温度=350℃
空間速度(STP)=13000Hr−1
プロパン除去率算出式:
プロパン除去率(%)=〔(反応器入口プロパン濃度)−(反応器出口プロパン濃度)〕/(反応器入口プロパン濃度)×100
参考例1〕
(1)Ti−Si複合酸化物(a)の調製
25重量%アンモニア水141リットルにスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO含有)7.7kgを加え、攪拌、混合した後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして70g/リットル、硫酸濃度287g/リットル)264リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得られたゲルを1時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて120℃で20時間乾燥した。これを480℃で3時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して、平均粒子径12μmの粉体を得た。
図1に示すように、得られた粉体のX線回折チャートではSiOの明らかな固有ピークは認められず、2θ=25.3°にブロードな回折ピークが得られ、チタンとケイ素との複合酸化物(Ti−Si複合酸化物)であることが確認された。
(2)Ti−Si球状ペレット担体の成形
上記Ti−Si複合酸化物(a)10kgに、水6リットルを加え、成形助剤としてのデンプン0.5kgおよびガラス繊維0.75kgを加えて混合し、適量の水を加えつつニーダーでよく混練りした。さらに、押出成形機で直径5mm、長さ5mmの円柱ペレット状に成形した直後、回転式整粒機で球状に整粒して、80℃で乾燥し、490℃で3時間、空気雰囲気下で焼成することにより、平均直径5mmの球状ペレット担体を得た。
(3)触媒成分の担持による触媒の製造
上記Ti−Si球状ペレット担体を、ヘキサアンミン白金水溶液に含浸した後、乾燥させた。次いで、450℃で3時間、空気雰囲気下で焼成して触媒Aを得た。
得られた触媒Aの組成を分析したところ、重量比で、Ti:Si:Pt=92.1:7.7:0.2(TiおよびSiは、それぞれTiO、SiOとして換算)であった。なお、触媒組成の分析は、蛍光X線分析によって行った。
(4)固体酸量の測定
触媒Aを100μm以下に粉砕し、充分乾燥した後、pKa≦+3.3の固体酸量をn−ブチルアミン滴定法で求めた。pKa=+3.3の指示薬としてp−ジメチルアミノアゾベンゼンを用いた。
触媒Aの固体酸量は、0.37mmol/gであった。
触媒Aを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
参考例2〕
参考例1において、ヘキサアンミン白金水溶液のかわりにジニトロジアンミン白金水溶液を用いた以外は参考例1と同様の方法で、触媒Bを得た。
得られた触媒Bの組成を蛍光X線分析により分析したところ、重量比で、Ti:Si:Pt=92.1:7.7:0.2(TiおよびSiは、それぞれTiO、SiOとして換算)であった。
参考例1と同様の方法で固体酸量を測定した結果、触媒Bの固体酸量は0.37mmol/gであった。
触媒Bを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
〔実施例
参考例1の(2)Ti−Si球状ペレット担体の成形において、Ti−Si複合酸化物(a)10kgに、硫黄源として、市販の硫酸アンモニウム0.3kgを添加した以外は参考例1と同様の方法で、触媒Cを得た。
得られた触媒Cの組成を蛍光X線分析により分析したところ、重量比で、Ti:Si:S:Pt=90.8:7.6:1.4:0.2(TiおよびSiは、それぞれTiO、SiOとして換算)であった。
参考例1と同様の方法で固体酸量を測定した結果、触媒Cの固体酸量は0.49mmol/gであった。
触媒Cを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
参考
参考例1の(2)Ti−Si球状ペレット担体の成形において、Ti−Si複合酸化物(a)9.8kgに、市販の酸化タングステン粉体0.2kgを添加したこと以外は参考例1と同様の方法で、触媒Dを得た。
得られた触媒Dの組成を蛍光X線分析により分析したところ、重量比で、Ti:Si:W:Pt=90.3:7.5:2:0.2(Ti、SiおよびWは、それぞれTiO、SiO、WOとして換算)であった。
参考例1と同様の方法で固体酸量を測定した結果、触媒Dの固体酸量は0.41mmol/gであった。
触媒Dを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
参考
(1)Ti−Si複合酸化物(b)の調製
25重量%アンモニア水148リットルにスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO含有)3.9kgを加え、攪拌、混合した後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして70g/リットル、硫酸濃度287g/リットル)278リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得られたゲルを1時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて120℃で20時間乾燥した。これを480℃で3時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して、平均粒子径13μmの粉体を得た。
図2に示すように、得られた粉体のX線回折チャートではSiOの明らかな固有ピークは認められず、2θ=25.3°にブロードな回折ピークが得られ、チタンとケイ素との複合酸化物(Ti−Si複合酸化物)であることが確認された。
(2)Ti−Si球状ペレット担体の成形
上記Ti−Si複合酸化物(b)10kgに、水6リットルを加え、成形助剤としてのデンプン0.5kgおよびガラス繊維0.75kgを加えて混合し、適量の水を加えつつニーダーでよく混練りした。さらに、押出成形機で直径5mm、長さ5mmの円柱ペレット状に成形した直後、回転式整粒機で球状に整粒して、80℃で乾燥し、490℃で3時間、空気雰囲気下で焼成することにより、平均直径5mmの球状ペレット担体を得た。
(3)触媒成分の担持による触媒の製造
上記Ti−Si球状ペレット担体を、ヘキサアンミン白金水溶液に含浸した後、乾燥させた。次いで、450℃で3時間、空気雰囲気下で焼成して触媒Eを得た。
得られた触媒Eの組成を分析したところ、重量比で、Ti:Si:Pt=95.9:3.9:0.2(TiおよびSiは、それぞれTiO、SiOとして換算)であった。なお、触媒組成の分析は、蛍光X線分析によって行った。
(4)固体酸量の測定
触媒Eを100μm以下に粉砕し、充分乾燥した後、pKa≦+3.3の固体酸量をn−ブチルアミン滴定法で求めた。pKa=+3.3の指示薬としてp−ジメチルアミノアゾベンゼンを用いた。
触媒Eの固体酸量は、0.32mmol/gであった。
触媒Eを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
参考例1の(2)Ti−Si球状ペレット担体の成形において、Ti−Si複合酸化物(a)の代わりに市販のアナターゼ型チタニア粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)を使用したこと、および、ヘキサアンミン白金水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金水溶液を用いたこと以外は参考例1と同様の方法で、触媒Fを得た。
得られた触媒Fの組成を蛍光X線分析により分析したところ、重量比で、TiO:Pt=99.8:0.2であった。
参考例1と同様の方法で固体酸量を測定した結果、触媒Fの固体酸量は0.18mmol/gであった。
触媒Fを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
また、担体として用いた市販のアナターゼ型チタニア粉体のX線回折チャートを図3に示した。
〔比較例2〕
参考例1の(2)Ti−Si球状ペレット担体の成形において、Ti−Si複合酸化物(a)の代わりに市販のγ−Al粉体を使用したこと、および、ヘキサアンミン白金水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金水溶液を用いたこと以外は参考例1と同様の方法で、触媒Gを得た。
得られた触媒Gの組成を蛍光X線分析により分析したところ、重量比で、Al:Pt=99.8:0.2であった。
参考例1と同様の方法で固体酸量を測定した結果、触媒Gの固体酸量は0mmol/gであった。
触媒Gを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕
参考例1の(1)Ti−Si複合酸化物(a)の調製において、Ti−Si複合酸化物(a)の焼成条件を800℃で5時間としたこと、および、ヘキサアンミン白金水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金水溶液を用いたこと以外は参考例1と同様の方法で、触媒Hを得た。
得られた触媒Hの組成を蛍光X線分析により分析したところ、重量比で、Ti:Si:Pt=92.1:7.7:0.2(TiおよびSiは、それぞれTiO、SiOとして換算)であった。
参考例1と同様の方法で固体酸量を測定した結果、触媒Hの固体酸量は0.27mmol/gであった。
触媒Hを用いてプロパン除去試験を行い、プロパン除去率を求めた。
結果を表1に示した。
Figure 0004283144
本発明にかかる排ガス処理用触媒は、各種排ガスに含まれる悪臭成分としての有機化合物を効率良く分解処理することで高い脱臭効果を発揮できるため、例えば、印刷、塗装、樹脂加工、表面処理等を行う各種工場、ゴミ焼却炉などから発生する排ガスの脱臭に好適に使用することができる。
参考例1で得られたTi−Si複合酸化物(a)のX線回折チャートを示す図である。 参考で得られたTi−Si複合酸化物(b)のX線回折チャートを示す図である。 比較例1で用いた市販のアナターゼ型チタニア粉体のX線回折チャートを示す図である。

Claims (2)

  1. 機化合物を含む排ガスの処理用触媒であって、
    担体としてのTi−Si複合酸化物にPt、Pd、Rh、Ru、IrおよびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種の貴金属が担持されてなり、
    硫黄源として硫酸、硫酸アンモニウムおよび硫酸水素アンモニウムから選ばれる少なくとも1種を添加することで硫黄(S)元素を酸化物換算重量比で触媒の全重量に対して0.5〜3重量%含有するものであり、
    pKa≦+3.3の固体酸量が0.40mmol/g以上である、
    ことを特徴とする、排ガス処理用触媒。
  2. 請求項1に記載の排ガス処理用触媒に有機化合物含有ガスを接触させて、ガス中の有機化合物を分解する、排ガス処理方法。
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