JP4248659B2 - 建設機械のキャブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば油圧ショベル等におけるドアにロック機能を備えた建設機械のキャブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械としての例えば油圧ショベルのキャブでは、オペレータが出入りする側部開口に、通常、図6に示すようなスライド式のドア70が取付けられている。このドア70は、ドアフレームを構成する前縁側のフロントピラー71と後縁側のリアピラー72との間の中間の高さ位置に、略水平に延びるセンタピラー73を設けて構成され、このセンタピラー73を挟んで上方と下方との各透明窓74・74を通して、側方視界を確保し得るようになっている。
【0003】
なお、フロントピラー71には、センタピラー73が連接される領域の内外面に、ドア70を開閉するための開閉ハンドル75がそれぞれ取付けられており、リアピラー72には、センタピラー73の上縁および下縁の高さ位置近傍に、それぞれ閉時ロック76・開時ロック77が設けられている。
【0004】
一方、図7に示すように、上記のようなドア70が取付けられるキャブ78には、ドア枠の後縁に閉時ロック用ストライカ79が、また、後方の側部壁面に開時ロック用ストライカ80がそれぞれ設けられている。ドア70を閉じたときには、前記閉時ロック76が閉時ロック用ストライカ79に掛合したロック状態となってドア70のガタツキを防止し、また、図中一点鎖線で示すように、ドア70を全開位置にスライドさせた状態においても、前記開時ロック76を開時ロック用ストライカ80に掛合させたロック状態とすることによって、全開状態でのドア70のガタツキを防止するようなっている。
【0005】
このようなキャブ78では、ドア70を開けるときには閉時ロック76によるロックの解除を、また、ドア70を閉めるときには開時ロック77によるロックの解除をそれぞれ行うことが必要になるが、通常、このようなロック解除を、前記した開閉ハンドル75の操作によって生じさせるロック解除機構がドア70に設けられている(例えば実開平5−3550号公報や特願平10─108515号等参照)。
【0006】
このような機構の一例を図8に示している。同図において、50aはドアの内面に取付けられた内側開閉ハンドル(以下、インナハンドルという)、50bはドアの外面に取付けられた外側開閉ハンドル(以下、アウタハンドルという)である。これら50a・50bは、それぞれ枢軸S・S回りに各々回動して所定の傾動変位を生じ得るように構成されている。そして、センタピラー51内における前後方向の略中央位置に、上端側で枢軸52によって各々枢支されたインナ側レバー53a・アウタ側レバー53bを備えたリモートコントロール54が配置されている。
【0007】
インナハンドル50aを図中矢印で示すように回動させると、第1ロッド55が前方に引かれ、これに伴ってインナ側レバー53aが枢軸52回りに回動する。これによって、このインナ側レバー53aの後端側に連結されている第2ロッド56および第3ロッド57が前方に引かれる。この結果、第2ロッド56の後端部に連結されている閉時ロック58の後端が下方に引かれ、また、第3ロッド57の後端部に中継リンク59・第4ロッド60を介して連結されている開時ロック61の後端は、上方に引き上げられる。これによって、閉時ロック58と開時ロック61とがそれぞれロック解除位置に移動する。この結果、ドアを開けるときには閉時ロック58によるロック解除が、ドアを閉めるときには開時ロック61によるロック解除がそれぞれ生じるようになっている。
【0008】
一方、前記アウタハンドル50bを図中矢印に示すように回動させたときには、第5ロッド62を介してアウタ側レバー53bが右回りに回動する。このアウタ側レバー53bには、図示してはいないが、その後端部にインナ側レバー53aの後端縁に後方から当接する折曲部が形成されており、これによって、インナ側レバー53aもアウタ側レバー53bと一体的に回動する。この結果、上記同様に、閉時ロック58と開時ロック61とがそれぞれロック解除位置に移動してドア閉時のロック状態、或いはドア開時のロック状態が解除される。
【0009】
なお、前記リモートコントロール54には、アウタ側レバー53bに重ねてさらに施解錠プレート63が設けられ、また、その側部上方にキーシリンダ64が取付けられている。このキーシリンダ64に差し込んだキーを回転操作することで、施解錠プレート63が、上下方向に配設された第6ロッド65を介して枢軸66回りに回動する。この結果、アウタ側レバー53bの回動が施解錠プレート63によって阻止される状態となり、これによって、上記したロック解除をアウタハンドル50bでは行えないように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の構成においては、例えばアウタハンドル50bについては、このアウタハンドル50bに外側(図8において紙面手前側)から後方(同図において右方向)への押動力を加えることで、前記した枢軸S回りの回動動作が生じてロックが解除される。この場合、ドアを後方にスライドさせて開けるときには、上記のような後方への押動力をそのままアウタハンドル50bに加え続けることで、閉時ロック58によるロックの解除後にドアが後方にスライドすることになる。
【0011】
しかしながら、ドアを開位置から前方にスライドさせて閉める場合には、まず、開時ロック61のロック解除を行うために、上記同様にアウタハンドル50bを後方に押動してこのアウタハンドル50bを上記のように回動させることが必要である。そして、この回動状態、すなわち、開時ロック61によるロック解除状態を保持して、開時ロック61が開時ロック用ストライカへの掛合位置から前方に離れる位置まで、ドアを幾分前方に移動させる操作を行い、次いで、アウタハンドル50bに後方から前方への押動力を加えて、ドアを閉位置まで前方にスライドさせることが必要となる。
【0012】
つまり、上記構成では、ドアを閉める場合に、アウタハンドル50bを途中で持ち替えて、これに加える力の方向を後方に向かう方向から前方に向かう方向に切換えることが必要となっている。これは、インナハンドル50aによってドアを閉める場合も同様であり、このため、ドアの開閉操作が煩雑になるという問題を有している。
【0013】
また上記では、例えばドアを開けるときのロック解除は閉時ロック58をロック解除位置に移動させるだけで良いにもかかわらず、このとき、開時ロック61も同時にロック解除位置に移動する。これら閉時ロック58や開時ロック61は、振動の激しい過酷な作業状態でも各ストライカに掛合したロック状態が確実に保持されるように、ばね部材等によって比較的大きな付勢力がロック方向に付与される構成になっている。したがって、例えばドアを開けるときにハンドル50a又は50bを回動させるために加える押動力として、閉時ロック58における上記のような付勢力と共に、さらに開時ロック61における付勢力にも抗する大きな力が必要となる。この結果、ロック解除時の操作が重くなって、これによっても充分な開閉操作性が得られないという問題を有している。
【0014】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、ドアの開閉操作性を向上し得る建設機械のキャブを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで請求項1の建設機械のキャブは、側部開口を開閉するドアを備え、このドアに開閉ハンドル2と、ドアを閉位置でロックする閉時ロック4とドアを開位置でロックする開時ロック5とをそれぞれ設けて成る建設機械のキャブにおいて、上記開閉ハンドル2に、ドアの開方向に沿う方向に所定量の変位可能なドア開操作部7とドアの閉方向に沿う方向に所定量の変位可能なドア閉操作部8とをそれぞれ独立に設けると共に、ドア開操作部7の上記変位に伴って閉時ロック4にロック解除動作を生じさせ、かつ、ドア閉操作部8の上記変位に伴って開時ロック5にロック解除動作を生じさせるべく、ドア開操作部7およびドア閉操作部8と閉時ロック4および開時ロック5とを相互に連結して成り、ドア開操作部7とドア閉操作部8との一方に上記変位を生じさせて閉時ロック4と開時ロック5との一方にロック解除動作が生じるときに閉時ロック4と開時ロック5との他方が静止状態で保持されるように、ドア開操作部7を閉時ロック4に連結するドア開用ロック解除機構と、ドア閉操作部8を開時ロック5に連結するドア閉用ロック解除機構とを互いに独立した系統となるように設けていることを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、ドアを開けるときには、開閉ハンドル2のドア開操作部7に手を掛けてドアの開方向に押動力を作用させることで、当初にドア開操作部7がドアの開方向に変位して閉時ロック4のロック状態が解除され、これに続いてドアが開方向に移動する。ドアを閉めるときには、ドア閉操作部8に手を掛けてドアの閉方向に押動力を作用させることで、上記同様に、開時ロック5のロック状態の解除に続いてドアが閉方向に移動する。このように、ドアの開閉操作時には、ドア開操作部7やドア閉操作部8に加える力の方向を替えることなく、各ロック4・5のロック状態の解除に続けてドアの開閉方向への移動を生じさせることができるので、開閉操作が容易になる。
【0018】
さらに、上記に加えて、この構成においては、例えばドアを開けるときにドア開操作部7をドアの開方向に変位させる際の押動力は開時ロック5には伝達されずに、閉時ロック4のみに伝達されてロックが解除される。同様に、ドアを閉めるときにドア閉操作部8をドアの閉方向に変位させる際の押動力は開時ロック5のみに伝達されてロックが解除される。したがって、より小さな押動力をドア開操作部7やドア閉操作部8に加えることでドアロックを解除することができるので、これによっても操作が容易になる。
【0019】
請求項の建設機械のキャブは、上記開閉ハンドル2はドアにおける前後方向の一端側に、またドアを閉位置でロックする閉時ロック4とドアを開位置でロックする開時ロック5とは他端側にそれぞれ設けて成り、上記開閉ハンドル2・3をドアの外面と内面とにそれぞれ取付ける一方、これら開閉ハンドル2・3と閉時ロック4との間に開用中間伝達手段15を配置し、この開用中間伝達手段15に各開閉ハンドル2・3のドア開操作部7・12を各々接続する開用第1連結部材16および開用第2連結部材17と、開用中間伝達手段15を閉時ロック4に接続する開用第3連結部材18とを設けて、各ドア開操作部7・12における前記変位に伴って閉時ロック4にロック解除動作が生じるべく形成し、かつ、各ドア開操作部7・12の一方の変位が開用中間伝達手段15を介して他方に伝達することを阻止する操作部連動分離手段17a・22b・28を設けていることを特徴としている。
【0020】
すなわち、ドアの内外面にそれぞれ開閉ハンドル2・3を取付け、これら開閉ハンドル2・3の各ドア開操作部7・12を閉時ロック4に連結する場合に、間に上記のような開用中間伝達手段15を設けることにより、開用中間伝達手段15と閉時ロック4との間は一本の開用第3連結部材18を設けるだけで済み、これにより、全体的な専有空間をより小さくして構成することができる。この結果、例えばこのドア開用ロック解除機構をドアのセンタピラー内を通して設ける場合でも、このセンタピラーの上下方向の幅寸法をより小さくすることができ、これによって、このセンタピラーの上下の透明窓の広さをより大きくすることが可能となるので、視界性が向上する。
【0021】
また、例えばドア外面の開閉ハンドル2のドア開操作部7を操作してドアを開ける場合、このドア開操作部7をドアの開方向に変位させる際の押動力は、操作部連動分離手段22b・28によってドア内面の開閉ハンドル3のドア開操作部12には伝達されないので、これによっても操作力が軽くなって操作が容易になる。
【0022】
請求項の建設機械のキャブは、上記開閉ハンドル2・3をドアの外面と内面とにそれぞれ取付ける一方、これら開閉ハンドル2・3と開時ロック5との間に閉用中間伝達手段36を配置し、この閉用中間伝達手段36に各開閉ハンドル2・3のドア閉操作部8・13を各々接続する閉用第1連結部材39・35・41および閉用第2連結部材40と、閉用中間伝達手段36を開時ロック5に接続する閉用第3連結部材42とを設けて、各ドア閉操作部8・13における前記変位に伴って開時ロック5にロック解除動作が生じるべく形成し、かつ、各ドア閉操作部8・13の一方の変位が閉用中間伝達手段36を介して他方に伝達することを阻止する操作部連動分離手段40a・41aを設けていることを特徴としている。
【0023】
このように、ドアの内外面にそれぞれ取付けた開閉ハンドル2・3の各ドア閉操作部8・13をそれぞれ開時ロック5に連結する場合も、開閉ハンドル2・3と開時ロック5との間に閉用中間伝達手段36を設けることで、前記同様に、全体的な専有空間をより小さくして構成することができ、この結果、例えばこのドア閉用ロック解除機構をドアのセンタピラー内を通して設ける場合でも、このセンタピラーの上下の透明窓の広さをより大きくすることが可能となるので、視界性が向上する。
【0024】
また、前記同様に、例えばドア外面の開閉ハンドル2のドア閉操作部8を操作してドアを閉める場合の押動力は、操作部連動分離手段40aによってドア内面の開閉ハンドル3のドア閉操作部13には伝達されないので、これによっても操作力が軽くなって操作が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1には、本実施形態に係るスライド式ドアの略中間の高さ位置に設けられたロック解除機構の構成を示している。このドアは、例えば、前述した油圧ショベル等の建設機械のキャブの側面に、オペレータが出入りする側部開口を塞ぐ閉位置と、この開口を開放する開位置との間でキャブの前後方向(図において左右方向)にスライド可能に設けられている。
【0027】
このドアは、ドアフレームを構成する前縁側のフロントピラー1aと後縁側のリアピラー1bとの間の略中間の高さ位置に、前後方向に延びるセンタピラー1cを設けて構成されている。フロントピラー1aには、センタピラー1cの前端部が連なる領域の外面および内面に、このドアを開閉操作するための開閉ハンドル2・3がそれぞれ取付けられている。以下では、ドアの外から操作される外面側の開閉ハンドルをアウタハンドル2、キャブ内から操作される内面側の開閉ハンドルをインナハンドル3と称して説明する。
【0028】
なお、油圧ショベルのキャブは、図示しない走行装置上に旋回台を設けて、この旋回台上に設置される。したがって、上記のようなドアもある程度の高さ位置に位置することになる。この場合に、ドア外からの操作とキャブ内からの操作とをそれぞれ行い易い取付位置がアウタハンドル2とインナハンドル3とに設定され、この結果、アウタハンドル2は図のようにインナハンドル3よりも下側に位置する構成となっている。
【0029】
一方、リアピラー1bには、センタピラー1cの後端部が連なる領域に、このドアを閉位置でロックするための閉時ロック4と、そのやや下側に、ドアを閉位置から後方(図において右方)にスライドさせて全開位置に位置させた状態でロックするための開時ロック5とが設けられている。
【0030】
前記アウタハンドル2には、図2(a)に示すように、正面視で略矩形状のケーシング6内に縦長のドア開用つまみ7と、このつまみ7よりもやや小形状のドア閉用つまみ8とが設けられ、ドア閉用つまみ8はドア開用つまみ7の後端縁(図において右端縁)に沿って位置するように構成されている。ケーシング6は、同図(c)(d)に示すように、断面形状が略半円状に形成され、その周縁がフロントピラー1aの外面にほぼ面一状となるように固定されている。
【0031】
各つまみ7・8は、ケーシング6の底部領域で、同図(b)に示すように、上下方向に貫通する枢軸9により、この枢軸9回りに回動自在にそれぞれ取付けられている。そしてドア開用つまみ7には、その上端側に、ケーシング6を貫通してドア内に突出するロッド連結突片7aが形成されている。また、ドア閉用つまみ8には、その下端側に、上記同様のロッド連結突片8aが形成されている。
【0032】
なお、ドア開用つまみ7とドア閉用つまみ8との間には、枢軸9に外嵌させた捩じりコイルばね9aが配設されている。このばね9aのばね力が、両つまみ7・8を枢軸9回りに相互に離反させる方向に作用するように構成され、これによって、両つまみ7・8は、同図(c)(d)に実線で示す位置で保持されるようになっている(以下、これらの位置を非操作位置という)。
【0033】
ドアを閉位置から後方にスライドさせて開けるときには、同図(c)に示すように、ケーシング6内におけるドア開用つまみ7よりも左側の空間に指先を差し込み、このドア開用つまみ7に後方(図において右方)への押動力を加える操作が行われる。このとき、ドア開用つまみ7には、当初に実線で示す非操作位置から、二点鎖線で示す位置(以下、操作位置という)までの回動動作が生じる。この操作位置に達した時点で、このつまみ7の回動がケーシング6によって規制され、これによって、以降は、つまみ7に加える後方への押動力がケーシング6を介してドア全体に加わるようになっている。
【0034】
すなわち、ドアの開操作を行うときには、まず、ドア開用つまみ7に非操作位置から操作位置まで、枢軸9回りの左回りの回動変位が所定量生じ、これに伴ってロッド連結突片7aも一体的に回動することから、このロッド連結突片7aに一端が連結された後述する開用第1ロッド16に、後方から前方への移動動作が生じるようになっている。
【0035】
一方、ドアを後方の開位置から前方にスライドさせて閉めるときには、同図(d)に実線で示すドア閉用つまみ8よりも右側の空間に指先を差し込み、このつまみ8に前方(図において左方)に押動力を加える操作が行われる。このときは、ドア閉用つまみ8に、同図で実線で示す非操作位置から二点鎖線で示す操作位置まで、枢軸9回りの右回りの回動が所定量生じ、これに伴って、このドア閉用つまみ8のロッド連結突片8aに一端が連結された後述する閉用第1ロッド39に、前方から後方への移動動作が生じるようになっている。
【0036】
なお、開操作つまみ7は、ドア閉用つまみ8の上記のような回動動作をも内包し得る内部空間を設けて形成され、これによって、ドア開用つまみ7とドア閉用つまみ8とは相互に干渉することなく、各々の上記各回動動作が互いに独立に生じ得るように構成されている。
【0037】
前記インナハンドル3も上記とほぼ同様に形成されている。すなわち、図4(a)に示すように、ドアの内面に固定される縦長のケーシング11内に、ドア開用つまみ12と、このつまみ12よりも小形状のドア閉用つまみ13とが相互に隣接させて設けられている。これらつまみ12・13は、同図(b)に示すように、上下に分割された枢軸14・14によって、これら枢軸14・14回りの回動動作が互いに独立に生じ得るように取付けられている。また、両つまみ12・13間には、上方の枢軸14に外嵌させた状態で前記同様の捩じりコイルばね14aが配設されている。そして、ドア開用つまみ12の上端側とドア閉用つまみ13の下端側とに、ケーシング11を貫通してドア内に突出するロッド連結突片12a・13aが各々形成され、これら突片12a・13aに、同図(c)に示すように、後述する開用第2ロッド17・閉用第2ロッド40の各前端部がそれぞれ連結されている。
【0038】
キャブ内からドアを開けるときには、この操作は、ドア開用つまみ12に手を掛けてこれに後方への押動力を加えることによって行われる。このとき、同図(d)に示すように、ドア開用つまみ12に同図中実線で示す非操作位置から二点鎖線で示す操作位置までの所定量の回動変位が当初に生じ、これに伴って、開用第2ロッド17に前方(図において左方)への移動が生じる。
【0039】
一方、開位置に位置するドアをキャブ内から前方にスライドさせて閉めるときには、ドア閉用つまみ13に手を掛けてこれに前方への押動力を加えることによって行われる。このとき、同図(e)に示すように、ドア閉用つまみ13に同図中実線で示す非操作位置から二点鎖線で示す操作位置までの所定量の回動変位が当初に生じ、これに伴って、閉用第2ロッド40に後方(図において右方)への移動が生じるようになっている。
【0040】
次に、上記したアウタハンドル2およびインナハンドル3の操作によって、前記の閉時ロック4および開時ロック5のロック状態を解除するためのロック解除機構の構成について説明する。なお、このロック解除機構は、ドアを開けるときに閉時ロック4のロックを解除するためのドア開用ロック解除機構と、ドアを閉めるときに開時ロック5のロックを解除するためのドア閉用ロック解除機構とを互いに独立に設けて形成されている。まず、ドア開用ロック解除機構について図1を参照して説明する。
【0041】
センタピラー1c内には、前後方向の中央よりもやや前方の位置に、後述するリモートコントロール15が配置されている。このリモートコントロール15に、各ハンドル2・3におけるドア開用つまみ7・12の各ロッド連結突片7a・12aが、開用第1ロッド16・開用第2ロッド17によってそれぞれ連結されている。そして、上記リモートコントロール15と閉時ロック4とが、開用出力ロッド18によって相互に連結されている。なお、リモートコントロール15には、ドアの前端側に設けられているキーシリンダ19が、施錠用ロッド20を介してさらに連結されている。
【0042】
リモートコントロール15は、図4(a)(b)に示すように、前記センタピラー1cの内面に固定されるブラケット21を備え、このブラケット21の前端側(図において左端側)に第1レバー22および中継レバー23を、右端側に第2レバー24および施解錠レバー25を、それぞれ紙面奥側から順次重ねて構成されている。第1レバー22と中継レバー23とは、第1枢軸26によってこの軸26回りに回動自在に取付けられ、また、第2レバー24と施解錠レバー25とは、第2枢軸27によってこの軸27回りに回動自在に取付けられている。
【0043】
第1レバー22は、第1枢軸26による枢支位置から下方に湾曲して延びるロッド連結突片22aを備え、このロッド連結突片22aの下端部に、開用第1ロッド16の後端が連結されている。中継レバー23は、第1枢軸26による枢支位置から後方に延びる中継片23aを備え、この中継片23aに長穴23bが形成されている。この長穴23bに、後述する係合ピン28を貫通させた組立状態となっている。そして、第1レバー22における上部側に、この第1レバー22が第1枢軸26回りに右回りに回動するとき、上記係合ピン28に上方から係合する係合部22bが設けられている。
【0044】
なお、中継レバー23には、第1枢軸26による枢支位置から斜め下方に延びる突片が設けられ、その下端部とブラケット21との間に、引っ張りコイルバネ29が張設されている。このバネ29のバネ力が、中継レバー23を第1枢軸26回りに左回りに回動させる力として作用するように構成されている。これにより、中継レバー23は、ブラケット21を切り起こして形成されたストッパ片21aに上縁が当接した位置で保持されるようになっている。
【0045】
前記第2レバー24は、第2枢軸27による枢支位置から上方に延びるロッド連結突片24aと、前方に延びる***作突片24bとを備え、ロッド連結突片24aの上端部に、開用第2ロッド17の後端部と、開用出力ロッド18の前端部とが接続されている。なお、第2ロッド17の後端部には長穴17aが形成されている。開用出力ロッド18における後端部を屈曲させて、この屈曲部をロッド連結突片24aに貫通させると共に、上記長穴17aに嵌入させた組付状態とすることで、開用第2ロッド17がロッド連結突片24aに連結されている。一方、***作突片24bは、その前端部が中継レバー23における中継片23aの後端部に、連結ピン31によって相互に揺動自在に連結されている。
【0046】
このような構成により、前記したアウタハンドル2におけるドア開用つまみ7が後方に押動されて前記した回動動作が生じると、開用第1ロッド16が同図(c)に矢印で示すように前方に引かれ、これに伴って、第1レバー22が第1枢軸26回りに右回りに回動する。この第1レバー22の回動により係合ピン28が第1枢軸26回りに下方向に押動され、これに伴って、中継レバー23が第1枢軸26回りに右回りに回動し、同時に、第2レバー24が第2枢軸27回りに左回りに回動する。この結果、ロッド連結突片24aに連結されている開用出力ロッド18が前方に移動する。こうして、開用第1ロッド16における前方への移動動作が、第1レバー22・係合ピン28・中継レバー23・第2レバー24を順次介して、開用出力ロッド18に伝達されるようになっている。
【0047】
なお、上記のように開用第1ロッド16の前方への移動動作に伴って第2レバー24が第2枢軸27回りに左回りに回動するとき、開用出力ロッド18の前端部は開用第2ロッド17の前記長穴17a内を前方へとスライドする。この結果、この開用第2ロッド17、およびこれが連結されているインナハンドル3のドア開用つまみ12は静止状態で保持される。一方、インナハンドル3のドア開用つまみ12が後方に押動されてこのつまみ12に前記した回動動作が生じると、このときには開用第2ロッド17が前方に引かれることになる。
【0048】
このときは、同図(b)から明らかなように、これが開用出力ロッド18に直接伝達されてこの開用ロッド18が前方に移動する。これに伴い、第2レバー24・中継レバー23・係合ピン28に上記同様の動作が生じるが、このときの係合ピン28は第1レバー22の係合部22bから下方向に離れる方向に移動し、したがって、第1レバー22と開用第1ロッド16、およびこれに連なるアウタハンドル2のドア開用つまみ7は静止状態で保持される。
【0049】
前記施解錠レバー25は、同図(a)に示すように、第2枢軸27による枢支箇所から、後方斜め下側に突出するロッド連結突片25aと、下方に延びる垂下片25bと、前方に延びる切換片25cとを備えている。ロッド連結突片25aに、前記したキーシリンダ19から延びる施錠用ロッド20が連結されている。一方、切換片25cの前端部には、比較的長さの短い揺動板32の後端部が、連結ピン33によって連結されている。この揺動板32の前端部に、前記した係合ピン28が立設されている。
【0050】
上記のキーシリンダ19にキーを差し込んで施錠方向に回転すると、図5(a)に示すように、施錠用ロッド20が前方に引かれ、これに伴って、施解錠レバー25が第2枢軸27回りに右回りに回動し、切換片25cの前端側が上方に移動する。これに伴って、揺動板32は、その前端側の係合ピン28に、中継レバー23の長穴23b内での後方への退避移動を伴って、図のように傾斜状態(以下、施錠状態という)になって保持される。このときの係合ピン28の位置は、前記した第1レバー22に回動動作が生じるときの係合部22bの回動軌跡から外れて後方に位置するようになっている。
【0051】
したがって、このような施錠状態では、同図(b)に示すように、前記アウタハンドル2のドア開用つまみ7を操作して開用第1ロッド16に前方への移動を生じさせても、これは、第1レバー22に回動動作が生じるだけで、これによる係合ピン28の押動動作は生じず、したがって、開用出力ロッド18は静止状態で保持される。この結果、前記した閉時ロック4によるロック状態が維持されて、ドアの外側からこのドアを開くことが阻止される。なお、上記施解錠レバー25は、前記垂下片25bの下端側を、図4(a)に示すように、ブラケット21の下端縁を折曲させて形成されたストッパ片21bの貫通長穴に挿通させて組立てられている。これにより、この施解錠レバー25における施錠位置と解錠位置との間の回動範囲が規制されている。
【0052】
次に、前記したドアを閉めるときに開時ロック5のロックを解除するためのドア閉用ロック解除機構について、図1を参照して説明する。
【0053】
フロントピラー1a内には、アウタハンドル2の近傍でその後方位置に方向切換レバー35が、また、インナハンドル2の近傍でその後方位置にクランク部材36が、それぞれ枢軸37・38回りに回動自在に配置されている。方向切換レバー35は、枢軸37による枢支箇所から互いに鋭角状に延びる入力側突片35aと出力側突片35bとを有する略く字状に形成され、入力側突片35aに、アウタハンドル2におけるドア閉用つまみ8のロッド連結突片8aが、長さ寸法を短くして形成した閉用第1ロッド39を介して連結されている。
【0054】
クランク部材36は、枢軸38による枢支箇所から、上方向と下方向、および後方の3方向に延びる入力側突片36a・出力側突片36b・中継用突片36cを有する略T字状に形成されている。入力側突片36aに、インナハンドル3におけるドア閉用つまみ13のロッド連結突片13aが、長さ寸法の短い閉用第2ロッド40を介して連結され、また、中継用突片36cは、上下方向に延びる閉用中継ロッド41によって、方向切換レバー35の前記した出力側突片35bに連結されている。そして、クランク部材36の出力側突片36bが、センタピラー1c内を後方に延びる閉用出力ロッド42によって開時ロック5に連結されている。
【0055】
なお、閉用第2ロッド40の後端部と、閉用中継ロッド41の上端部とには、それぞれ長穴40a・41aが形成されている。クランク部材36の入力側突片36a、および中継用突片36cに各々立設されている連結ピンを上記各長穴40a・41aに嵌入させた状態で、これら閉用第2ロッド40・閉用中継ロッド41がクランク部材36の入力側突片36a・中継用突片36cにそれぞれ連結されている。
【0056】
一方、前記した閉時ロック4および開時ロック5は、それぞれ、垂直面内での回動自在に各ケーシング4a・5a内に各々取付けられ、閉時ロック4は、これに連結されている開用出力ロッド18を前方に引くことでロック位置からロック解除位置に移動し、また、開時ロック5は、これに連結されている閉用出力ロッド42を上記同様に前方に引くことで、ロック状態からロック解除状態に変化するようになっている。
【0057】
次に、上記構成のロック解除機構における動作について説明する。
【0058】
図1に図示する状態では、閉時ロック4と開時ロック5とはそれぞれロック位置に位置しており、このとき、このドアが閉位置にあるときには閉時ロック4が図示しない閉時ロック用ストライカに掛合している。この閉状態から、ドアを後方にスライドさせてこのドアを開ける操作を行う場合、これは、アウタハンドル2のドア開用つまみ7、或いはインナハンドル3のドア開用つまみ12に手を掛け後方への押動力を加えることによって行われる。
【0059】
まず、ドアの外側からアウタハンドル2のドア開用つまみ7に押動力を加えてドアを開ける場合、この操作の初めに、ドア開用つまみ7が前記のように回動し、これによって、開用第1ロッド16が、図中実線矢印で示すように前方へ移動する。これが、前述したように、リモートコントロール15の第1レバー22・係合ピン28・中継レバー23・第2レバー24を介して開用出力ロッド18に伝達され、この開用出力ロッド18が前方に引かれて、それまでの閉時ロック4によるロック状態が解除される。したがって、引き続きドア開用つまみ7に後方への押動力を加えることによってドアが続けて後方にスライドし、ドアが開けられる。
【0060】
なおこのとき、キーシリンダ19によってリモートコントロール15の揺動板32が前記した施錠状態にあるときには、ドア開用つまみ7の回動に伴って第1レバー22に回動動作が生じるだけで、開用出力ロッド18は静止状態で保持されて閉時ロック4によるロック状態は解除されない。したがって、オペレータ以外の第三者によって無用にドアが開けられることが防止される。
【0061】
次に、キャブ内からインナハンドル3のドア開用つまみ12に手を掛けてドアを開ける場合、この操作の初めに、ドア開用つまみ12が前記のように回動し、これが開用第2ロッド17を介して開用出力ロッド18に直接的に伝達され、この開用出力ロッド18が前方に引かれて閉時ロック4によるロック状態が解除される。したがって、この場合も引き続きドア開用つまみ12に後方への押動力を加えることによってドアが開けられる。
【0062】
一方、図1に図示する状態がドアの全開状態であるとすると、このとき開時ロック5が図示しない開時ロック用ストライカに掛合している。この状態から、ドアを前方にスライドさせてこのドアを閉める操作を行う場合、これは、アウタハンドル2のドア閉用つまみ8、或いはインナハンドル3のドア閉用つまみ13に手を掛けて前方への押動力を加えることによって行われる。
【0063】
まず、ドアの外側からアウタハンドル2のドア閉用つまみ8に押動力を加えてドアを閉める場合、この操作の初めに、ドア閉用つまみ8が前記のように回動することで、閉用第1ロッド39に、図中破線矢印で示すように後方への移動が生じる。これに伴って、方向切換レバー35が枢軸37回りに右回りに回動し、これによって、閉用中継ロッド41が下方に引かれる。これに伴って、クランク部材36が枢軸38回りに右回りに回動し、この結果、閉用出力ロッド42が前方に引かれ、開時ロック5がロック解除状態となる。したがって、引き続きドア閉用つまみ8に前方への押動力を加えることによってドアが前方にスライドし、ドアが閉められる。
【0064】
なお、上記のようにアウタハンドル2のドア閉用つまみ8の操作に伴ってクランク部材36が回動するときには、入力側突片36aに立設されている連結ピンは、閉用第2ロッド40の長穴40a内を後方にスライドする。したがって、この閉用第2ロッド40、およびこれが連結されているインナハンドル3のドア閉用つまみ13は静止状態で保持される。
【0065】
一方、キャブ内からインナハンドル3のドア閉用つまみ13に手を掛けてドアを閉める場合、この操作の初めに、ドア閉用つまみ13に連結されている閉用第2ロッド40に、後方への移動が生じる。これに伴って、クランク部材35が上記同様に枢軸38回りに右回りに回動し、この結果、閉用出力ロッド42が前方に引かれて開時ロック5がロック解除状態となる。したがって、この場合も、以降に引き続きドア閉用つまみ13に前方への押動力を加えることによってドアが前方にスライドしてドアが閉められる。なおこのときのクランク部材36の回動時には、中継用突片36cに立設されている連結ピンは、閉用中継ロッド41の長穴41a内を下方にスライドする。したがって、この閉用中継ロッド41、およびこれに連結されている方向切換レバー35・閉用第1ロッド39・アウタハンドル2のドア閉用つまみ8はそれぞれ静止状態で保持される。
【0066】
以上の説明のように、本実施形態においては、後方に押動することで後方に所定量の回動変位が生じるドア開用つまみ7・12と、前方に押動することで前方に所定量の回動変位が生じるドア閉用つまみ8・13とを各々備えたアウタハンドル2・インナハンドル3を設け、各ドア開用つまみ7・12の上記変位に伴って、閉時ロック4にロック解除動作が、また、各ドア閉用つまみ8・13の上記変位に伴って開時ロック5にロック解除動作がそれぞれ生じるように構成している。
【0067】
これにより、ドアを開けるときにはドア開用つまみ7・12に後方への押動力を加えることで、閉時ロック4のロック状態が解除され、これに続いてドアが開方向に移動する。また、ドアを閉めるときにはドア閉用つまみ8・13に前方への押動力を加えることで、開時ロック5のロック状態の解除に続いてドアが閉方向に移動する。したがって、ドアの開閉に当たって、ロック解除時とドアのスライド移動時とで、ドア開用つまみ7・12やドア閉用つまみ8・13に加える力の方向を替える必要がないので、ドアの開閉操作を容易に行うことができる。
【0068】
また上記実施形態においては、各ドア開用つまみ7・12を閉時ロック4に連結するドア開用ロック解除機構と、各ドア閉用つまみ8・13を開時ロック5に連結するドア閉用ロック解除機構とが互いに独立した系統となるように構成されている。
【0069】
これにより、例えばドアを開けるときにドア開用つまみ7・12を後方に回動させる際の押動力は開時ロック5には伝達されずに、閉時ロック4のみに伝達されてロックが解除される。同様に、ドアを閉めるときは、ドア閉用つまみ8・13を前方に回動させる際の押動力は開時ロック5のみに伝達されてロックが解除される。したがって、各つまみには前記閉時ロック用ストライカや開時ロックストライカに実際に掛合していない側のロック4或いは5をロック方向に付勢する力にも抗するような押動力を加える必要はなく、この結果、より小さな押動力でドアロック状態を解除することができるので、これによっても開閉操作が容易になる。
【0070】
また上記形態においては、センタピラー1c内における前後方向の中央よりもやや前方の位置に、開用中間伝達手段を構成するリモートコントロール15を配置し、このリモートコントロール15に、各ハンドル2・3のドア開用つまみ7・12を開用第1ロッド(開用第1連結部材)16・開用第2ロッド(開用第2連結部材)17によって接続し、そして、リモートコントロール15を、一本の開用出力ロッド(開用第3連結部材)18で閉時ロック4に接続してドア開用ロック解除機構を構成している。
【0071】
このような構成により、リモートコントロール15と閉時ロック4との間には一本のロッド18を設けるだけで済み、これにより、全体的な専有空間をより小さくして構成することができる。この結果、例えばセンタピラー1cの上下方向の幅寸法をより小さくすることができ、これによって、センタピラー1cの上下の透明窓の広さをより大きくすることが可能となるので、視界性が向上する。
【0072】
さらに上記では、アウタハンドル2のドア開用つまみ7が後方に回動されるとき、これがインナハンドル3のドア開用つまみ12には伝達されないように、リモートコントロール15における第2レバー24への開用第2ロッド17の接続部位に、前記した長穴(操作部連動分離手段)17aを設けている。また、インナハンドル3のドア開用つまみ8が後方に回動されるとき、これがアウタハンドル2のドア開用つまみ7には伝達されないようにするため、リモートコントロール15の係合ピン28に、第1レバー22の前記係合部22bが、第1枢軸26回りの回動方向後方からのみ当接する係合構造を操作部連動分離手段として採用している。
【0073】
これにより、例えばアウタハンドル2のドア開用つまみ7を後方に回動させる際は、インナハンドル3のドア開用つまみ12をその非操作位置に保持するための前記捩じりコイルばね14aのばね力にも抗する押動力を加える必要はなく、したがって、これによっても操作力が小さくなって操作が容易になる。
【0074】
一方、各ハンドル2・3のドア閉用つまみ8・13を開時ロック5に連結するドア閉用ロック解除機構においても、これらの間に、閉用中間伝達手段としてクランク部材36を配置し、これに、閉用第1連結部材を構成する閉用第1ロッド39・方向切換レバー35・閉用中継ロッド41と、閉用第2ロッド(閉用第2連結部材)40とによって各ハンドル2・3のドア閉用つまみ8・13を接続し、そして、上記クランク部材36を一本の閉用出力ロッド(閉用第3連結部材)42で開時ロック5に接続した構成としている。
【0075】
また、アウタハンドル2のドア閉用つまみ8とインナハンドル3のドア閉用つまみ13との一方の回動動作が他方に伝達されないように、クランク部材36への閉用第2ロッド40と閉用中継ロッド41との各接続部位に、操作部連動分離手段としての長穴41a・40aをそれぞれ設けている。
【0076】
したがって前記同様に、このドア閉用ロック解除機構の全体的な専有空間もより小さくして構成することができ、これによってもセンタピラー1cの上下の透明窓の広さをより大きくすることが可能となって、視界性が向上し、また、各ドア閉用つまみ8・13の操作力も軽くなる。
【0077】
特に上記においては、クランク部材36をインナハンドル3の近傍位置に配置しており、したがって、これに連なる各ロッドの合計の長さ寸法が極力短くなって、全体的な専有空間がさらに小さなものとなる。また、このようなクランク部材36の配置に加え、方向切換レバー35も、これをアウタハンドル2の近傍位置に配置し、これによって、閉用第1ロッド39と閉用第2ロッド40とはいずれも長さ寸法を極力短くして構成することが可能となっている。すなわち、これらロッド39・40以外の各ロッドには、ロック解除動作を生じさせたときにそれぞれ軸方向引っ張り力が作用するが、上記のロッド39・40には、各ドア閉用つまみ8・13の操作時に軸方向圧縮力が作用する。この場合に、上記のように長さを短くした構成とすることで座屈変形が生じ難くなり、これによって、より安定したロック解除動作を維持することが可能となっている。
【0078】
また上記形態においては、キーシリンダ19をフロントピラー1aにおけるセンタピラー1cの連接領域に設け、このキーシリンダ19とリモートコントロール15とを、センタピラー1c内を略水平に延びる施錠用ロッド20によって相互に接続した構成としている。したがって、前記の図8を参照して説明した従来構成のように、キーシリンダからのロッドがセンタピラー内で上下方向に配設された構成に比べ、センタピラー1cの上下方向の寸法を小さくすることができるので、これによっても、視界性が向上するものとなっている。
【0079】
以上にこの発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更することができる。例えば上記では、互いに別体のドア開用つまみ7・12とドア閉用つまみ8・13とを各々備えた開閉ハンドル2・3を設けて構成した例を示したが、例えば、中立位置を挟んで後方と前方とにそれぞれ回動可能な1個の操作つまみを設け、この操作つまみにドア開操作部とドア閉操作部との機能を兼用させたようなその他の形式の開閉ハンドルを設けて構成することも可能である。この場合、上記操作つまみのロッド連結片に開用ロッドと閉用ロッドとの両者が連結されることになるが、例えばこれらのロッド連結片への各接続部に、前記したような長穴等を設けることにより、上記操作つまみの後方への回動には開用ロッドのみが連動し、前方への回動には閉用ロッドのみが連動するように構成することができる。
【0080】
また上記形態では、各つまみ7・8・12・13が前記枢軸9・14回りに所定量回動して傾動変位が生じる例を挙げたが、例えばこれらつまみが前後方向にスライドして所定量の変位を生じるような構成とすることも可能である。
【0081】
また上記では、各開用つまみ7・12、リモートコントロール15、閉時ロック4を順次接続する連結部材、また、方向切換レバー35、クランク部材36、開時ロック5を順次接続する連結部材としてそれぞれロッドを用いて構成した例を示したが、ロッドに代えてワイヤ等を用いた構成とすることも可能である。
【0082】
さらに上記では、スライド式のドアを例に挙げたが、例えばドアの上部側と下部側とに4節リンクを設け、これら4節リンクによって、閉位置と開位置との間を前後に移動するように構成されたリンク式のドアにも本発明を適用して構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態におけるドアに設けられたロック解除機構の構成図である。
【図2】上記ドアに取付けられたアウタハンドルを示すものであって、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)におけるX−X線矢視断面図、同図(c)は同図(a)におけるY−Y線矢視断面図、同図(d)は同図(a)におけるZ−Z線矢視断面図である。
【図3】上記ドアに取付けられるインナハンドルを示すものであって、同図(a)は正面図、同図(b)は一部を切欠いて示す左側面図、同図(c)は背面図、同図(d)は同図(c)におけるU−U線矢視断面図、同図(e)は同図(c)におけるV−V線矢視断面図である。
【図4】上記ロック解除機構におけるリモートコントロールを示すもので、同図(a)は斜視図、同図(b)は正面図、同図(c)は開用第1ロッドが引かれたときの動作を示す正面図である。
【図5】上記リモートコントロールにおける施錠状態を示すもので、同図(a)は施錠用ロッドが引かれたときの動作を示す正面図、同図(b)は施錠時に開用第1ロッドが引かれたときの動作を示す正面図である。
【図6】油圧ショベルのキャブに取付けられているドアの正面図である。
【図7】上記油圧ショベルのキャブの斜視図である。
【図8】従来のロック解除機構の構成図である。
【符号の説明】
2 アウタハンドル(開閉ハンドル)
3 インナハンドル(開閉ハンドル)
4 閉時ロック
5 開時ロック
7 ドア開用つまみ(ドア開操作部)
8 ドア閉用つまみ(ドア閉操作部)
12 ドア開用つまみ(ドア開操作部)
13 ドア閉用つまみ(ドア閉操作部)
15 リモートコントロール(開用中間伝達手段)
16 開用第1ロッド(開用第1連結部材)
17 開用第2ロッド(開用第2連結部材)
17a 長穴(操作部連動分離手段)
18 開用出力ロッド(開用第3連結部材)
22 第1レバー
22b 係合部(操作部連動分離手段)
24 第2レバー
28 係合ピン(操作部連動分離手段)
35 方向切換レバー(閉用第1連結部材)
36 クランク部材(閉用中間伝達手段)
39 閉用第1ロッド(閉用第1連結部材)
40 閉用第2ロッド(閉用第2連結部材)
40a 長穴(操作部連動分離手段)
41 閉用中継ロッド(閉用第1連結部材)
41a 長穴(操作部連動分離手段)
42 閉用出力ロッド(閉用第3連結部材)

Claims (3)

  1. 側部開口を開閉するドアを備え、このドアに開閉ハンドル(2)と、ドアを閉位置でロックする閉時ロック(4)とドアを開位置でロックする開時ロック(5)とをそれぞれ設けて成る建設機械のキャブにおいて、上記開閉ハンドル(2)に、ドアの開方向に沿う方向に所定量の変位可能なドア開操作部(7)とドアの閉方向に沿う方向に所定量の変位可能なドア閉操作部(8)とをそれぞれ独立に設けると共に、ドア開操作部(7)の上記変位に伴って閉時ロック(4)にロック解除動作を生じさせ、かつ、ドア閉操作部(8)の上記変位に伴って開時ロック(5)にロック解除動作を生じさせるべく、ドア開操作部(7)およびドア閉操作部(8)と閉時ロック(4)および開時ロック(5)とを相互に連結して成り、ドア開操作部(7)とドア閉操作部(8)との一方に上記変位を生じさせて閉時ロック(4)と開時ロック(5)との一方にロック解除動作が生じるときに閉時ロック(4)と開時ロック(5)との他方が静止状態で保持されるように、ドア開操作部(7)を閉時ロック(4)に連結するドア開用ロック解除機構と、ドア閉操作部(8)を開時ロック(5)に連結するドア閉用ロック解除機構とを互いに独立した系統となるように設けていることを特徴とする建設機械のキャブ。
  2. 上記開閉ハンドル(2)はドアにおける前後方向の一端側に、またドアを閉位置でロックする閉時ロック(4)とドアを開位置でロックする開時ロック(5)とを他端側にそれぞれ設けて成り、上記開閉ハンドル(2)(3)をドアの外面と内面とにそれぞれ取付ける一方、これら開閉ハンドル(2)(3)と閉時ロック(4)との間に開用中間伝達手段(15)を配置し、この開用中間伝達手段(15)に各開閉ハンドル(2)(3)のドア開操作部(7)(12)を各々接続する開用第1連結部材(16)および開用第2連結部材(17)と、開用中間伝達手段(15)を閉時ロック(4)に接続する開用第3連結部材(18)とを設けて、各ドア開操作部(7)(12)における前記変位に伴って閉時ロック(4)にロック解除動作が生じるべく形成し、かつ、各ドア開操作部(7)(12)の一方の変位が開用中間伝達手段(15)を介して他方に伝達することを阻止する操作部連動分離手段(17a)(22b)(28)を設けていることを特徴とする請求項の建設機械のキャブ。
  3. 上記開閉ハンドル(2)(3)をドアの外面と内面とにそれぞれ取付ける一方、これら開閉ハンドル(2)(3)と開時ロック(5)との間に閉用中間伝達手段(36)を配置し、この閉用中間伝達手段(36)に各開閉ハンドル(2)(3)のドア閉操作部(8)(13)を各々接続する閉用第1連結部材(39)(35)(41)および閉用第2連結部材(40)と、閉用中間伝達手段(36)を開時ロック(5)に接続する閉用第3連結部材(42)とを設けて、各ドア閉操作部(8)(13)における前記変位に伴って開時ロック(5)にロック解除動作が生じるべく形成し、かつ、各ドア閉操作部(8)(13)の一方の変位が閉用中間伝達手段(36)を介して他方に伝達することを阻止する操作部連動分離手段(40a)(41a)を設けていることを特徴とする請求項又は請求項の建設機械のキャブ。
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