JP4144837B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ受信機能を有する画像形成装置に関する。この種の画像形成装置は、例えばファクシミリ装置,ファクシミリ受信出力機能がある複合機能複写機又はプリンタもしくは、ファクシミリ受信機能があるコンピュータとプリンタとの組体、である。
【0002】
【従来技術】
ファクシミリ受信では、ドキュメントの通信電子情報をネットワークから受信してプリンタの画像出力用の画像データに変換して、プリンタにて用紙上に受信画像を形成する。最近は、複写作業中あるいは文書プリントアウト中にもファクシミリ受信を可能とするため、また、ファクシミリ受信中にも複写作業あるいはプリント作業を可能とするために、受信する電子情報あるいはそれを画像出力用に展開した画像データを記憶媒体に蓄積して、通信電子情報の受信をすべて完了してから、プリントアウトする態様が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ファクシミリの着信があると、プリンタの画像形成機構を駆動するドライバ(通電回路)に電源が投入される。画像形成機構がレーザプリンタである場合には、定着装置の定着温度を立ち上げるために、定着ヒータのフル通電が開始される。しかしながら、受信データを記憶手段に蓄積して受信完了後にプリントアウトを開始する場合は、受信データ量が多い場合、プリンタのドライバの長時間の待機通電は無駄となる。
【0004】
例えば、ファクシミリ機能を有する複合機能複写機では、どんなに1頁あたりのデータ量がどんなに多くて受信時間が長くても、1旦着信を開始したら、その通信が終了するまで待機通電を継続する。それ故、データ受信時間が長い頁があっても、その間、効率の良い節電を行う事ができず、省エネルギーという点では不充分であった。ところが、たとえばZESM規格は、次世代複写機における目標規格を、30cpm(枚数/分)以上の高速複写機において、待機時消費電力10W以下、スリープモード(省エネの休止モード)への移行時間10sec以下、スリープモードからのリカバリー時間10sec以下と定めており、省エネルギが求められている。
【0005】
本発明は、ファクシミリ受信記録の電力消費を節減することを第1の目的とし、受信記録の即応性と省エネの両立を図ることを第2の目的とし、省エネモードの誤設定を回避することを第3の目的とし、省エネモードの誤変更を回避することを第4の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)ファクシミリ受信機能(99,98) および受信したファクシミリ情報を蓄積する画像メモリ (94) を持つファクシミリ制御手段 (61)を有する画像形成装置において、
前記ファクシミリ制御手段(91)に動作電圧(+5VE)を与えるための待機電力ライン(+5VE),用紙上に画像を形成する手段(50,70,100)に動作電圧を与えるための動作電力ライン(+5V,+24V),該動作電力ラインへの給電をオン/オフする手段(83,84)、および、ファクシミリの着信があると前記オン/オフする手段 (83,84) をオンにして、ファクシミリ情報の1頁の受信開始ごとに計時を新たに開始し、計時値が設定値以上になる前に1頁のファクシミリ情報受信が終了するときは該1頁の受信情報の画像形成を開始し、計時値が設定値以上になったときは前記オン/オフ手段(83,84)をオフにして、1頁のファクシミリ情報受信が終了するとき前記オン/オフ手段(83,84)をオンにして該1頁の受信情報の画像形成を開始する省エネ制御手段(61,25)、を備えることを特徴とする画像形成装置(図12)。
【0007】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素,相当要素又は対応事項の記号を、参考までに付記した。以下も同様である。
【0008】
これによれば、各ページの受信情報量が多い場合には、各ページの情報受信の継続時間が設定値(N)以上になったときに、省エネモードに切換るので、各ページの長時間の情報受信の間電力消費が少なく、省エネ効果が高い。
【0009】
【発明の実施の形態】
(2)ファクシミリ受信機能(99,98) および受信したファクシミリ情報を蓄積する画像メモリ (94) を持つファクシミリ制御手段 (61) と画像蓄積メモリ (65)を有する画像形成装置において、
前記ファクシミリ制御手段(91)に動作電圧(+5VE)を与えるための待機電力ライン(+5VE),用紙上に画像を形成する手段(50,70,100)に動作電圧を与えるための動作電力ライン(+5V,+24V),該動作電力ラインへの給電をオン/オフする手段(83,84)、および、ファクシミリの着信があると前記オン/オフする手段 (83,84) をオンとし、ファクシミリ情報の1頁の受信開始ごとに計時を新たに開始し、計時値が設定値以上になる前に1頁のファクシミリ情報受信が終了するときは受信情報の画像形成を開始し、計時値が設定値(N)以上になったときは前記オン/オフ手段(83,84)をオフにしてファクシミリ情報を前記画像蓄積メモリ (65) に蓄積し、1通のファクシミリ情報受信が終了するとき前記オン/オフ手段(83,84)をオンにして該1通のファクシミリ情報の中の画像形成をしていない受信情報を前記画像蓄積メモリ (65) から読み出して画像形成を開始する省エネ制御手段(61,25)、を備えることを特徴とする画像形成装置(図11)。
【0010】
これによれば、1通のファクシミリ受信の各ページの受信情報量が少ない場合には、計時値が設定値(N)以上になることはなく、各ページが情報受信と共に即座にプリントアウトされるので、受信記録がリアルタイムとなる。すなわち受信記録の即応性が高い。この場合は、1通のファクシミリ受信時間が短いので、仮に省エネモードに切換えたてしても、省エネ効果は低い。
【0011】
1通のファクシミリ受信の各ページの受信情報量が多い場合には、あるページの情報受信の継続時間が設定値(N)以上になったときに、省エネモードに切換るので、長時間の情報受信の間電力消費が少なく、省エネ効果が高い。
【0012】
(3)前記設定値(N)をユーザが設定するための入力手段(20)を更に備える、上記(1)又は(2)の画像形成装置。
【0013】
ファクシミリ受信中に、設定時間以上情報受信が継続する場合には、動作モードから省エネモードに切換えるが、ユーザによって、1通信又は各ページの情報受信時間の統計値(平均値)が異なる。例えば短時間の情報受信が多いユーザでは、それよりも長く設定時間を定め、長時間の情報受信が多いユーザではきわめて短く設定時間を定めるなどにより、受信記録の即応性と省エネの両立を図ることができる。使用者の1通信又は各ページの受信情報量の実績値にあわせた節電を実現出来る。
【0014】
(4)入力手段(20)は、前記設定値(N)をユーザが設定するための設定値入力モードをユーザが指定するためのキー(57)を含む、上記(3)の画像形成装置。
【0015】
これによれば、キー(57)の操作が無いと設定値(N)の更新が出来ないので、誤って設定値を変更してしまう誤操作が少なくなる。
【0016】
(5)入力手段(20)はID入力手段を含み、省エネ制御手段(61,25)は、前記キー(57)で前記設定値入力モードが指定された後又は前にID入力手段で入力された情報が登録されたものであるかチェックして、登録されたものであると、前記設定値入力モードで入力されるデータに前記設定値(N)を更新する、上記(4)の画像形成装置。
【0017】
これによれば、設定値(N)の更新にID入力を要するので、第3者が勝手に設定値を変更してしまわない様に、設定の保護を実現できる。
【0018】
(6)省エネ制御手段 (61,25) は、ファクシミリの着信があると前記オン/オフする手段 (83,84) のオン/オフ状態を保存し、前記1通の受信情報の画像形成を終了すると、前記オン/オフする手段 (83,84) を前記保存した状態に戻す、上記(1)乃至(5)のいずれか1つの画像形成装置。
【0019】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0020】
【実施例】
−第1実施例−
図1に本発明の第1実施例の複合機能複写機の外観を示す。この複合機能複写機は、大略で、自動原稿送り装置〔ADF〕30と、操作部20と、カラースキャナ10と、カラープリンタ100と、中継ユニット32と、ステープラ及び作像された用紙を大量に積載可能なシフトトレイ付きのフィニッシャ34と、両面反転ユニット33と、給紙バンク35と、大容量給紙トレイ36及び1ビン排紙トレイ31、の各ユニットで構成されている。
【0021】
図2に、カラープリンタ100の構成を示す。露光手段としての書き込み光学ユニットは、スキャナ10からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿画像に対応した光書き込みを行い、感光体ドラム114に静電潜像を形成する。光書き込み光学ユニットは、レーザー発光器141、これを発光駆動する発光駆動制御部(図示省略)、ポリゴンミラー143、これを回転駆動する回転用モータ144、fθレンズ142、反射ミラー146などで構成されている。感光体ドラム114は、矢印で示す如く反時計廻りの向きに回転するが、その周りには、感光体クリーニングユニット121、除電ランプ114M、帯電器119、感光体ドラム上の潜像電位を検知する電位センサー114D、リボルバー現像装置120の選択された現像器、現像濃度パターン検知器114P、中間転写ベルト115などが配置されている。
【0022】
リボルバー現像装置120は、BK現像器120K、C現像器120C、M現像器120M、Y現像器120Yと、各現像器を矢印で示す如く反時計回りの向きに回転させる、リボルバー回転駆動部(図示省略)などからなる。これら各現像器は、静電潜像を顕像化するために、現像剤の穂を感光体ドラム114の表面に接触させて回転する現像スリーブ120KS、120CS、120MS、120YSと、現像剤を汲み上げ撹拌するために回転する現像パドルなどで構成されている。待機状態では、リボルバー現像装置120はBK現像器120で現像を行う位置にセットされており、コピー動作が開始されると、スキャナ10で所定のタイミングからBK画像データの読み取りがスタートし、この画像データに基づき、レーザー光による光書き込み・潜像形成が始まる。以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yの各画像データについても同じ。このBk潜像の先端部から現像可能とすべく、Bk現像器120Kの現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブ120KSを回転開始して、Bk潜像をBkトナーで現像する。そして、以後、Bk潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がBk潜像位置を通過した時点で、速やかに、Bk現像器120Kによる現像位置から次の色の現像器による現像位置まで、リボルバー現像装置120を駆動して回動させる。この回動動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0023】
像の形成サイクルが開始されると、感光体ドラム114は矢印で示すように反時計廻りの向きに回動し、中間転写ベルト115は図示しない駆動モータにより、時計廻りの向きに回動する。中間転写ベルト115の回動に伴って、BKトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成およびYトナー像形成が順次行われ、最終的に、BK、C、M、Yの順に中間転写ベルト115上に重ねてトナー像が形成される。BK像の形成は、以下のようにして行われる。すなわち、帯電器119がコロナ放電によって、感光体ドラム114を負電荷で約−700Vに一様に帯電する。つづいて、レーザダイオード141は、Bk信号に基づいてラスタ露光を行う。このようにラスタ像が露光されたとき、当初、一様に荷電された感光体ドラム114の露光された部分については、露光光量に比例する電荷が消失し、静電潜像が形成される。リボルバー現像装置120内のトナーは、フェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電され、また、本現像装置のBK現像スリーブ120KSは、感光体ドラム114の金属基体層に対して図示しない電源回路によって、負の直流電位と交流とが重畳された電位にバイアスされている。この結果、感光体ドラム114の電荷が残っている部分には、トナーが付着せず、電荷のない部分、つまり、露光された部分にはBkトナーが吸着され、潜像と相似なBk可視像が形成される。中間転写ベルト115は、駆動ローラ115D、転写対向ローラ115T、クリーニング対向ローラ115Cおよび従動ローラ群に張架されており、図示しない駆動モータにより回動駆動される。さて、感光体ドラム114上に形成したBkトナー像は、感光体と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト115の表面に、ベルト転写コロナ放電器(以下、ベルト転写部という。)116によって転写される。以下、感光体ドラム114から中間転写ベルト115へのトナー像転写を、ベルト転写と称する。感光体ドラム114上の若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム114の再使用に備えて、感光体クリーニングユニット121で清掃される。ここで回収されたトナーは、回収パイプを経由して図示しない排トナータンクに蓄えられる。
【0024】
なお、中間転写ベルト115には、感光体ドラム114に順次形成する、Bk、C、M、Yのトナー像を、同一面に順次、位置合わせして、4色重ねのベルト転写画像を形成し、その後、転写紙にコロナ放電転写器にて一括転写を行う。ところで、感光体ドラム114側では、BK画像の形成工程のつぎに、C画像の形成工程に進むが、所定のタイミングから、スキャナ10によるC画像データの読み取りが始まり、その画像データによるレーザー光書き込みで、C潜像の形成を行う。C現像器120Cは、その現像位置に対して、先のBk潜像後端部が通過した後で、かつ、C潜像先端が到達する前に、リボルバー現像装置の回転動作を行い、C潜像をCトナーで現像する。以降、C潜像領域の現像をつづけるが、潜像後端部が通過した時点で、先のBk現像器の場合と同様にリボルバー現像装置120を駆動して、C現像器120Cを送り出し、つぎのM現像器120Mを現像位置に位置させる。この動作もやはり、つぎのM潜像先端部が現像部に到達する前に行う。なお、MおよびYの各像の形成工程については、それぞれの画像データの読み取り、潜像形成、現像の動作が、上述のBk像や、C像の工程に準ずるので、説明は省略する。
【0025】
ベルトクリーニング装置115Uは、入口シール、ゴムブレード、排出コイルおよび、これら入口シールやゴムブレードの接離機構により構成される。1色目のBk画像をベルト転写した後の、2、3、4色目を画像をベルト転写している間は、ブレード接離機構によって、中間転写ベルト面から入口シール、ゴムブレードなどは離間させておく。
【0026】
紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という。)117は、中間転写ベルト115上の重ねトナー像を転写紙に転写するべく、コロナ放電方式にて、AC+DCまたは、DC成分を転写紙および中間転写ベルトに印加するものである。
【0027】
転写紙カセット182Eおよび給紙バンク35には、各種サイズの転写紙が収納されており、指定されたサイズの用紙を収納しているカセットから、給紙コロ183E等によってレジストローラ対118R方向に給紙・搬送される。なお、符号112B2は、OHP用紙や厚紙などを手差しするための給紙トレイを示している。像形成が開始される時期に、転写紙は前記いずれかの給紙トレイから給送され、レジストローラ対418Rのニップ部にて待機している。そして、紙転写器117に中間転写ベルト115上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度、転写紙先端がこの像の先端に一致する如くにレジストローラ対118Rが駆動され、紙と像との合わせが行われる。このようにして、転写紙が中間転写ベルト上の色重ね像と重ねられて、正電位につながれた紙転写器117の上を通過する。このとき、コロナ放電電流で転写紙が正電荷で荷電され、トナー画像の殆どが転写紙上に転写される。つづいて、紙転写器117の左側に配置した図示しない除電ブラシによる分離除電器を通過するときに、転写紙は除電され、中間転写ベルト115から剥離されて紙搬送ベルト122に移る。中間転写ベルト面から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、紙搬送ベルト122で定着器123に搬送され、所定温度にコントロールされた定着ローラ123Aと加圧ローラ123Bのニップ部でトナー像を溶融定着され、排出ロール対124で本体外に送り出され、図示省略のコピートレイに表向きにスタックされる。
【0028】
定着ローラ123Aの内部には、定着ヒータ(ハロゲンランプ)123Cがあり、この定着ヒータ123Cに、定着通電回路85(図4)が通電し、これにより定着ヒータ123Cが発熱し且つ赤外線を発生して、定着ローラ123Cを加熱する。
【0029】
なお、ベルト転写後の感光体ドラム114は、ブラシローラ、ゴムブレードなどからなる感光体クリーニングユニット121で表面をクリーニングされ、また、除電ランプ114Mで均一除電される。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト115は、再び、クリーニングユニット115Uのブレード接離機構でブレードを押圧して表面をクリーニングする。リピートコピーの場合には、スキャナの動作および感光体への画像形成は、1枚目の4色目画像工程にひきつづき、所定のタイミングで2枚目の1色目画像工程に進む。中間転写ベルト115の方は、1枚目の4色重ね画像の転写紙への一括転写工程にひきつづき、表面をベルトクリーニング装置でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
【0030】
図3に、図1に示す複写機の電気系システムの概要を示す。複写機メカ制御部すなわち画像読取りおよび画像形成プロセス制御の主要部に、メイン制御板50上の1つのMPU51と、スキャナ制御板11上の1つのCPU12が用いられている。MPU51は作像シーケンスおよび定着制御とシステム関係の制御を、CPU12はスキャナ関係の制御をそれぞれ行う。MPU51とCPU12とは、画像データインターフェース及びシリアルインターフエースによって接続されている。
【0031】
また、図3において、20は操作部、70はI/O制御板、92は画像露光用のレーザ光を制御するLD制御板、41は給紙制御板、13はCCDを搭載する読み取り制御板、90はマザーボードである。
【0032】
60,91は、複合機能を実現するためのアプリケーション拡張ユニットで、91は、FAX機能を搭載したファクシミリ制御ユニット、60は、パソコン,ワープロなどホストのドキュメントを印刷するプリンタ機能及びコピー,ファクシミリ,プリンタの複合動作モードを制御するためのプリンタコントローラ(ボード)である。80は電源装置である。
【0033】
図4に、電源装置80から、ファクシミリ制御ユニット91,定着ヒータ123C,I/O制御板(入出力インターフエイス)70,メイン制御板(メインコントローラ)50,マザーボード90及びプリンタコントローラ60への給電系統の概要、ならびに、プリンタコントローラ60の概要を示す。
【0034】
図4を参照すると、画像形成プロセスを制御するメイン制御板50には、MPU51、CPU周辺ASIC(Application Specific IC)54、画像処理ASIC53、およびプリンタコントローラ60とのインタフェース機能および画像データの圧縮伸張機能を有したI/F(インターフェイス)52がある。
【0035】
システムの制御を司るプリンタコントローラ60には、複合機能を実現するためのMPU61とメイン制御板50とのインタフェースと操作部との通信機能およびメモリの制御機能を有した周辺ASIC64およびその他がある。
【0036】
原稿を光学的に読み取る原稿スキャナ10は、読み取りユニットにて、原稿に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(CCD)は、センサー・ボード・ユニット(SBU)13にあり、CCDに於いて電気信号に変換された画像信号は、SBU13上でディジタル信号すなわち読取った画像デ−タに変換された後、SBU13から、メイン制御板50上の画像処理ASIC53に出力される。
【0037】
SBU13からの読取り画像デ−タは、画像処理ASIC53に転送され、画像処理ASIC53が、光学系及びディジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化:スキャナ特性による読取り画像デ−タの歪)を補正し、該画像デ−タをプリンタコントローラ60に転送して画像メモリMEM65に書込む。又は、プリンタ出力のための処理を施してプリンタ100のLD制御板92に与える。
【0038】
すなわち、画像処理ASIC53には、読取り画像デ−タを画像メモリMEM65に蓄積して再利用するジョブと、メモリMEM65に蓄積しないでLD制御板92上のビデオ・データ制御(VDC)に出力してレ−ザプリンタ機能で作像出力するジョブとがある。MEM65に蓄積する例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、スキャナ10を1回だけ動作させ、読取り画像デ−タをMEM65に蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。MEM65を使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、読取り画像デ−タをそのままプリンタ出力用に処理すれば良いので、MEM65への書込みを行う必要はない。
【0039】
まず、メモリMEM65を使わない場合、画像処理ASIC53は、読取り画像データに画像読取り補正を施してから、面積階調に変換するための画質処理を行う。画質処理後の画像データはLD制御板92上のVDCに転送する。面積階調に変化された信号に対し、ドット配置に関する後処理及びドットを再現するためのパルス制御をVDCで行い、レ−ザプリンタ機能によって転写紙上に再生画像を形成する。
【0040】
メモリMEM65に蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、画像読取り補正を施した画像データは、プリンタコントローラ60の、画像メモリアクセス制御機能がある周辺ASIC64に送られる。ここではMPU61の、フラッシュEEPROMに格納された動作プログラムに従った制御によって、画像データとメモリモジュ−ルMEM65のアクセス制御,外部パソコンPCのプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリー有効活用のための画像データの圧縮/伸張を行う。周辺ASIC64へ送られたデータは、データ圧縮後MEM65へ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出しデータは伸張し、本来の画像データに戻し周辺ASIC64から画像処理ASIC53へ戻される。
【0041】
画像処理ASIC53へ戻されると、そこで画質処理を、そしてLCD制御板92上のVDCでのパルス制御を行い、レーザプリンタ機能によって転写紙上に顕像(トナ−像)を形成する。画像メモリMEM65の構成と機能は、図6を参照して後述する。
【0042】
複合機能の1つであるFAX送信機能は、原稿スキャナ10の読取り画像データを画像処理ASIC53にて画像読取り補正を施し、FAX制御ユニット(FCU)91へ転送する。FCU91にて公衆回線通信網へのデータ変換を行い、該通信網へFAXデータとして送信する。FAX受信は、通信網からの回線データをFCU91にて画像データへ変換し、画像処理ASIC53へ転送される。この場合特別な画質処理は行わず、LCD制御板92上のVDCにおいてドット再配置及びパルス制御を行い、レーザプリンタ機能によって転写紙上に顕像を形成する。ファクシミリ制御ユニットFCU91の構成と機能は、図5を参照して後述する。
【0043】
メイン制御板50のMPU51は、画像データの流れを制御し、システムコントローラ60のMPU61はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。このデジタル複合機能複写機の機能選択は、操作部20にて選択入力し、コピー機能,FAX機能等の処理内容を設定する。
【0044】
プリンタコントローラ60の電源は、休止モード時でも通電状態にある+5VEが供給される。メイン制御板50には、休止モード時に通電がオフされる+5Vが供給される。I/O制御板70には、同じく休止モード時に通電がオフされる+5Vと+24Vがそれぞれ供給される。
【0045】
DC電源80には、コンバータ出力の+24Vと+5VE(+5Vの電圧)にそれぞれスイッチ83,84が接続されている。これらのスイッチ83,84のオン/オフを行うための制御信号がプリンタコントローラ60からスイッチ83,84に与えられる。省エネのための休止モードに移行するとき、プリンタコントローラ60はこの制御信号でスイッチ83および84を共にオフにする。
【0046】
定着制御85の目標温度を、トナー像を転写した転写紙の定着処理に定められた定着動作温度として定着ローラの温度をそれに維持する、コピースタートあるいはプリントコマンドに応答して実質上遅れ時間無く画像形成を開始することが出来るスタンバイモード、及び、電力消費を低くするために目標温度を定着動作温度の80%とし他はスタンバイモードと同様な状態であって操作入力があるとスタンバイモードへの復帰が直ちに行える低電力モード、ではプリンタコントローラ60は上記制御信号でスイッチ83および84を共にオンにしている。
【0047】
すなわち、休止モードではスイッチ83,84がオフで、プリンタコントローラ60,操作部20,圧板開閉検知の、複写機使用の可能性を伺わせるオペータの行為又はパソコンPCのプリントコマンドを検知するに最小限の電気素子又は回路に+5VEが継続して印加される。プリンタコントローラ60においては、該検知を待ちそれに応答してスイッチ83,84をオンにする回路ならびに不揮発保持が必要とされるデータを格納するメモリに+5VEが継続して印加される。
【0048】
なお、低電力モード時は、全てに電源が供給されており、定着ヒータ123Cの設定温度のみを下げている。
【0049】
操作部20からのキーインデータの解析や表示の制御は、プリンタコントローラ60のMPU61が制御を行い、操作部20とのインターフェイスは周辺ASIC64が受け持っている。周辺ASIC64と操作部20とは、この実施例では、マザーボード90とメイン制御板50およびスキャナ制御板11を経由して接続されている。プリンタコントローラ60には、操作部20と同様にマザーボード90とメイン制御板50およびスキャナ制御板11を経由して圧板開閉検知(図示略)が接続されている。
【0050】
圧板開閉検知は、ADF30がスキャナに接続されている時には、ADF30の開閉を検出する検知スイッチであり、ADF30の装着が無い時には、原稿押さえ用の圧板の開閉を検出する検知スイッチである。いずれにしても圧板開閉検知は、ADF又は原稿押さえ用の圧板が開放状態かどうかを示す信号を発生し、これが、画像処理動作状態,スタンバイモード,低電力モード及び休止モードのいずれの時でも、スキャナ制御板10,メイン制御板50及びマザーボード90を介して、プリンタコントローラ60の周辺ASIC64に与えられ、MPU61がこの信号を読み取る。開放状態かどうかを示す信号を表すための電源(+5VE)および操作部20の入力キーのオンを検出して検出信号を発生するための電源(+5VE)は、マザーボード90,メイン制御板50及びスキャナ制御板10を介してて、プロセスコントローラ60から、開閉検知スイッチおよび操作部20に与える。
【0051】
なお、ADF30を装備する場合、それはスキャナ制御板11に接続される。ADF30の原稿台に原稿があるか否を検出する原稿センサの検出信号も、スキャナ制御板10,メイン制御板50及びマザーボード90を介して、プリンタコントローラ60の周辺ASIC64に与えられ、MPU61がこの信号を読み取る。原稿センサが原稿の有無をあらわす検出信号を発生するための電源(+5VE)も、マザーボード90,メイン制御板50及びスキャナ制御板10を介してて、プロセスコントローラ60から、原稿センサに与える。
【0052】
図5に、ファクシミリ制御ユニットFCU91の構成を示す。FCU91にて公衆回線通信網PNへのデータ変換を行い、PNへFAXデータとして送信する。FAX受信は、PNからの回線データをFCU91にて画像データへ変換し、ASIC64を経由して、ASIC53に直接に、又は一旦MEM65に蓄積してから、受信終了または蓄積量が限度に達したときに、ASIC64を経由して、ASIC53に転送される。この場合特別な画質処理は行わず、プリンタ100においてドット再配置及びパルス制御を行い、プリンタ100の作像ユニットに於いて転写紙上に顕像を形成する。
【0053】
ファクシミリ制御ユニットFCU91は、FAX画像処理93,画像メモリ94,メモり制御部96,ファクシミリ制御部95,画像圧縮伸張97,モデム98及び網制御装置99からなる。この内、FAX画像処理93に関し、受信画像に対する二値スムージング処理は、画像処理ASIC53内のエッジ平滑処理において行う。又画像メモリ94に関しても、出力バッファ機能に関しては周辺ASIC64及び画像メモリMEM65でその機能の一部をおぎなう。受信データを蓄積(格納)するときには、画像メモリMEM65に蓄積する。
【0054】
この様に構成されたファクシミリ制御ユニットFCU91では、画像情報の伝送を開始するとき、ファクシミリ制御部95がメモリ制御部96に指令し、画像メモリ94から蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FAX画像処理93によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部95に加えられる。ファクシミリ制御部95に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部97によって符号圧縮され、モデム98によって変調された後、網制御装置99を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリ94から削除される。
【0055】
受信時には、受信画像は一旦画像メモリ94に蓄積され、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。又、複写動作時に発呼されて受信を開始したときは、画像メモリ65の使用率が所定値、例えば80%に達するまでは画像メモリ65に蓄積し、画像メモリ65の使用率が80%に達した場合には、その時に実行している書き込み動作を強制的に中断し、受信画像を画像メモリ65から読み出し記録出力させる。このとき画像メモリ94から読み出して画像メモリ65に書きこんだ受信画像は画像メモリ94から削除し、画像メモリ65の使用率が所定値、例えば10%まで低下した時点で中断していた書き込み動作を再開させ、その書き込み動作を全て終了した時点で、残りの受信画像を記録出力する。又、書き込み動作を中断した後に、再開できるように中断時に於ける書き込み動作のための各種パラメータを内部的に退避させ、再開時に、パラメータを内部的に復帰させる。
【0056】
図6に、図4に示す画像メモリMEM65の構成を示す。画像メモリ65は、メモリーコントローラ651とメモリRAM657で構成されている。メモリコントローラ651は、入力データセレクタ652,画像合成653,1次圧縮/伸長654,出力データセレクタ655、および、2次圧縮/伸長656のブロックを有している。各ブロックへの制御データの設定は、MPU61が行なう。図6におけるデータとは画像データ(バス)を示しており、アドレスデ−タ(バス)および制御信号(バス)の図示は省略している。
【0057】
メモリRAM657は、1次および2次記憶装置658および659からなる。1次記憶装置658は、入力画像データの転送速度に略同期してメモリへのデータ書き込み、または画像出力時のメモリからのデータ読み出しが高速に行えるように、例えばDRAM等の高速アクセスが可能なメモリを使用している。また、1次記憶装置658は、処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な構成(メモリコントローラとのインターフェース部)をとっている。各分割したエリアに画像データの入力,出力をそれぞれ並列に実行可能にするために、メモリコントローラ121とのインターフェースで、リード用とライト用の二組のアドレス・データ線で接続されている。これによりエリア1に画像を入力(ライト)する間にエリア2より画像を出力(リード)するという動作が可能になる。
【0058】
2次記憶装置659は、入力された画像の合成,ソーティングを行うためにデータを保存しておく大容量のメモリである。1次,2次記憶装置とも、高速アクセス可能な素子を使用すれば、1次,2次の区別なくデータの処理が行え、制御も比較的簡単になるが、DRAM等の素子は高価なため、2次記憶装置657にはアクセス速度はそれほど速くないが、安価で、大容量の記録媒体を使用し、入出力データの処理を一次記憶装置658を介して行う構成になっている。
【0059】
図7の(a)に、操作部20の上面を拡大して示し、図7の(b)には、操作部20の回路ブロックを示す。操作部20は、ケース,液晶表示装置(LCD)26f,操作キー群21a,21b,21d,23,24,表示LED(発光ダイオード)21e,21f,22等によって構成されている。
【0060】
電源キー21aは、省エネモード(休止モード)から作動モードに、またその逆への切換えを指示するための操作キーである。省エネモードが設定されている時には作動モードであることを表すための表示LED21eは非点灯である。この状態で電源キー21aが一回押されると、省エネモードから作動モードに切換り、作動モード表示LED21eが点灯する。作動モードであるときに電源キー21aが一回押されると、作動モードから省エネモードに切換り、作動モード表示LED21eが消灯する。表示LED21fは、複写機のコンセントが商用交流電源ラインに接続され、しかも複写機のおおもとの電源スイッチが閉の間は常時点灯している。つまり、複写機のおおもとの電源がオンであると、省エネモードか作動モードかに係わらず、表示LED21fは点灯している。
【0061】
図7の(b)に、操作部20の電気制御系を示す。この制御系の主体は、プリンタコントローラ60のMPU61とコミュニケーションし、操作部20の入力を読取り、ボード上の表示を制御するCPU25,このCPU25の制御プログラムが格納されているROM26b,制御時にデータの一時格納等を行うためのRAM26c,LCD(表示パネル)26fの描画データを格納するVRAM26e,このVRAM26eに接続されLCD26fの描画タイミング制御等を行う液晶表示コントローラ(LCDC)26d等がある。LCDC26dには、CFLの光源をバックライト27bとして有するLCD26fが接続される。CPU25には更に、CFLバックライト27bを駆動するインバータ27a,操作キー群21a,21b,21d,23,24のキーマトリクス28a,表示LED21e,21f,22のLEDマトリクス28cおよびそれらのLEDを駆動するLED駆動装置28b等が接続されている。また、CPU25が接続されたデータバスには、画像処理モード記憶用の不揮発性RAM(NVRAM)26aが接続されている。
【0062】
図8および図9に、操作部20のCPU25とプリンタコントローラ60のMPU61の協働による、省エネモード/作動モード間の切換え制御を示す。まず図8を参照すると、図示しないおおもとの電源スイッチが閉じて電源装置80が動作電圧(+5VE)を与えると(ステップ1)、MPU61は、電源オン応答の初期化処理(ステップ2)をしてから、入力読取(ステップ3)を行う。なお、以下においては、カッコ内にはステップと言う語を省略してステップ番号数字のみを記す。MPU61は、初期化処理(2)において、スイッチ83,84をオンにして作動モードを設定する。これにより、動作電圧(+5V,+24V)が各部の電気回路に加わる。
【0063】
これに応答してCPU25は自身の初期化処理をした後、作動モードであることを表すLED21eを点灯する。そしてNVRAM26aにある標準処理モードのコピー条件を読み出してLCD26fに表示する。CPU25は、入力読取(3)では、操作部20に対するユーザの操作を読み込んでMPU61に報知する。MPU61は、この操作部20の操作を解読し、また、ホストPCやFCU91からのコマンドも解読する。次に、入力読取(3)の概要を示す。
【0064】
ユーザがコピーのモード設定のために操作部20に入力操作をすると、CPU25は、この入力操作の時間間隔をセーブするレジスタRTiに、そこまでの時間間隔(経過時間)計測値Tiを書込んで(4,5)、新たにモード設定入力間隔の計測を開始し(6)、この計測を行っていることを示す情報1をレジスタFTiに書込む(7)。
【0065】
初期設定キー21dの押下があると、CPU25は入力モードリストを表示し、リスト上の画像処理モードが指定されると、CPU25は、レジスタFPMのデータを参照して(8,9)、それが1(前回モードを指定)であると、0(標準処理モードを指定)に、0であると1に書き換えて、LCD26fの表示(省エネモードから作動モードに復帰した時に、前回の画像処理モードと標準処理モードのいずれを復帰デフォルト画面とするかの指定、の表示)も、それに対応して更新する(10,11)。これは、初期設定画面で、復帰デフォルト画面を通常のコピー標準画面(標準処理モード画面)と前回モード設定画面に切換可能とし、初期設定キー21dを押下して、作動モードに復帰時の画像処理モード画面の指定を切換えるものである。
【0066】
次に、図10を参照して、「fax受信の移行時間設定」(40fx)の内容を説明する。初期設定キー21dの押下があってCPU25が入力モードリストをLCD26fに表示し、ユーザが入力モードリストの、フアクシミリ受信の省エネモードへの移行時間Nの設定を指定すると、CPU25は、ID入力を促すセンテンスをLCD26fに表示する(41,42)。テンキー入力があると、それがやはり入力モードリストのID登録ですでにNVRAM26aに登録したものであるかをチェックして(43)、登録したものであると、移行時間Nの設定画面をLCD26fに表示する(44)。この画面は、現在設定中の移行時間N値とアップ/ダウンキーを表示するものであり、ユーザがアップ/ダウンキーにタッチすることにより、移行時間Nの表示値がアップダウンする(45〜47)。設定画面上の実行キーにタッチすると、NVRAM26aの移行時間N値が、そのとき設定画面上に表示していたものに書きかえられる(48)。表示中の移行時間Nの表示値にタッチすると、それが、フアクシミリ受信時に省エネモードへの移行をしない指定を意味するゴースト表示(見にくい低濃度表示)にかわる。ゴースト表示にタッチすると、フアクシミリ受信時の省エネモードへの移行を指定する鮮明な数字表示に変わる。設定画面上の実行キーにタッチすると、このような指定を表すデータがNVRAM26aに、ファクシミリ受信時の制御コマンドとして登録される。以上に説明した設定処理(40fx)は、図9に示す「その他の入力処理」(40)の中の一部である。
【0067】
再度図8を参照する。モード登録キーの押下,コピースターキーの押下等、画像処理モードの設定の完了とみなしうる入力があるとCPU25は、レジスタFTiをクリアする(12,13)。すなわち、レジスタFTiの、モード入力の時間間隔データを0にクリアする。この0は、タイマTdのタイムオーバにより作動モードから省エネモードに切換った時、画像処理モードの設定途中ではなかったことを意味する。レジスタFTiの1は、該設定途中であった可能性が高いことを意味する。
【0068】
コピースターキーの押下、あるいは、ホストPCまたはからの画像処理要求に応じて画像処理が開始される時には、Td(例えば10sec)時限のタイマTdの計時動作を停止し(14,15)、画像処理が終了したときには該タイマTdの、新たなTd時限の計時動作をスタートする(16,17)。
【0069】
タイマTdがタイムオーバすると、CPU25は、LCD26fに表示中の画像処理モードを、NVRAM26aに前回モードとして書込み(18,19)、省エネモードへの切換えを、MPU61に指示する。MPU61はこれに応答してスイッチ83,84をオフにする(20)。すなわち、電力供給を、作動モードから省エネモード(休止モード)に切換える。
【0070】
電源キー21aの押下があるとCPU25は、現在省エネモード(LED21eを消灯)であるかをチエックして(22)、省エネモードでないと、つまり作動モードであると、画像処理指示(要求)を待っているレディ状態であるかをチエックして(23)、そうであるとユーザが省エネモードへの切換えを指示したとみなして、LCD26fに表示中の画像処理モードを、NVRAM26aに前回モードとして書込み(19)、省エネモードへの切換えを、MPU61に指示する。MPU61はこれに応答してスイッチ83,84をオフにする(20)。
【0071】
省エネモードであった時に電源キー21aの押下があった場合には、ユーザが作動モードへの復帰を指示したとみなして、作動モードへの切換えをMPU61に指示しかつLED21eを点灯して(24)、タイマTdをスタートし(25)、レジスタFTiのデータをチエックする(26)。MPU61はスイッチ83,84をオンにする。
【0072】
レジスタFTiのデータが1(前回の作動モードから省エネモードへの切換りが、ユーザの画像処理条件入力作業中であった可能性が高い)であると、レジスタFTiをクリアして(34)、画像処理条件入力の時間間隔Ti(レジスタRTiのデータ)が、設定値Tp以上(これを画像処理モードの設定にてこずっていたと見なす)かをチエックして(35)、そうであると、NVRAM28から、前回モードの画像処理条件(コピーモード)を読み出してLCD26fに表示し(28)、レジスタFNMには、前回モードの画像処理条件を設定中であることを示す0を書込む(29)。これはレジスタFNMを初期化することと同義である。そして、前回モードを設定中であることを示すLED56を点灯する(30)。このような処理があることにより、ユーザのコピー処理モード(画像処理モード)を設定する操作時間(RTi)が設定時間(Tp)を経過した場合には、ユーザが複雑なモード設定をしていると見なし、作動モードから省エネモードに移行してしまっても、その後の作動モードへの復帰時には、先ず前回モード設定画面が、LCD26fに表示される。
【0073】
ところで、作動モードに復帰する時にレジスタFTiのデータが0のときには、前回の省エネモードへの移行はユーザのモード設定を阻害していないと見なす。この場合には、レジスタFPMのデータが1(初期設定画面で、復帰デフォルト画面を前回モード設定画面に指定している)であると、NVRAM28から、前回モードのコピーモードを読み出してLCD26fに表示し(28)、レジスタFNMには、前回モードのコピーモードを設定中であることを示す0を書込み(29)、前回モードを設定中であることを示すLED56を点灯する(30)。レジスタFPMのデータが0(初期設定画面で、復帰デフォルト画面を標準処理モード設定画面に指定している)であると、NVRAM28から、標準処理モードのコピーモード(画像処理条件)を読み出してLCD26fに表示し(31)、レジスタFNMには、標準処理モードのコピー条件を設定中であることを示す1を書込み(32)、前回処理モードを設定中であることを示すLED56を消灯する(33)。このように、省エネモードから作動モードへの復帰時の画面表示のデフォルトが初期設定キー21dによる初期設定(8〜11:FPM)で指定されたものとなり、ユーザの選択自由度が高い。
【0074】
外部からの画像処理要求があると、それがFCU91からのファクシミリ着信であるとMPU61は、「fax受信の給電制御」(50)を実行する(36−49−50)。この内容は、図11を参照して後述する。外部からの画像処理要求がホストのパソコンPCからのプリントアウトコマンドであるとMPU61は、これをCPU25に報知してプリントアウト制御に進む(36−49−37)。CPU25は、現在が省エネモードであるかをチエックして(37)、省エネモードであると、「作動モードを設定」(24)以下の、前述の処理に進む。
【0075】
モード切換キー21bの押下があると、CPU25は、レジスタFNMのデータをチェックして(38,39)、それが1(現在標準処理モードを設定中)であると、NVRAM28から、前回モードのコピーモードを読み出してLCD26fに表示し(28)、レジスタFNMには、前回モードのコピーモードを設定中であることを示す0を書込み(29)、前回モードを設定中であることを示すLED56を点灯する(30)。レジスタFNMのデータが0(現在前回処理モードを設定中)であると、NVRAM28から、標準処理モードのコピーモードを読み出してLCD26fに表示し(31)、レジスタFNMには、標準処理モードのコピー条件を設定中であることを示す1を書込み(32)、前回処理モードを設定中であることを示すLED56を消灯する(33)。
【0076】
このように、ユーザは、モード設定の画面表示をモード切換キー21bで切換える事が出来、モード設定の操作性がアップする。また、初期設定画面で、復帰デフォルト画面を標準処理モード設定画面に指定している時(FPM=0)には、前ユーザが問題なくコピーを終了し、その後省エネモードに切換り、そしてまた作動モードに復帰した場合は、デフォルト画面表示(標準処理モード設定画面)になるので、次のユーザが誤って前ユーザの設定画面でコピーを行うという不具合も解消される。
【0077】
操作部20のCPU25は、以上に説明した入力読取と入力対応処理の他に、置数キーの押下の読込と入力数字データの生成,スタートキーの押下の読込みと、スタート指示のMPU61への転送,用紙サイズの切換え入力の読取りなど、通常の複写機の操作/表示ボードの入出力制御を行う。これらの処理も一括して、図9に示した「その他の入力処理」(40)に含まれる。
【0078】
図11に、図9上の「fax受信の給電制御」(50)の内容を示す。プリンタコントローラ60のMPU61は、FCU91からの、網制御装置99がリンギング信号を検出しFCU91がファクシミリ着信を報知するとプリンタコントローラ60のMPU61は「fax受信の給電制御」(50)に進む。そこではまず、現在の給電モード(作動モード/低電力モード/休止モード)をレジスタにセーブ(保存)して(51)、作動モードを設定する(52)。すなわち、スイッチ83,84をオンにして、定着ヒータ123Cの、目標温度制御を開始する。そして、NVRAM26にファクシミリ受信時の省エネモードへの移行を指定するデータがあると、FCU91の、1頁の情報の受信開始の報知に応答して、計時を開始し(53,54)、1頁の受信終了をFCU91が報知してくるのを待つ(56)。待っている間、計時値が、NVRAM26aの移行時間Nを過ぎたかをチェックする(55)。
【0079】
移行時間Nを過ぎるまでに1頁分の情報を受信すると、そのプリントアウトを開始し(57)、通信が終了していないと、次のページの受信を待つ(53)。次のページの情報の受信が始まると、また新たに計時を開始する(54)。各ページの情報受信時間がすべて移行時間N未満であると、1頁分の情報を受信する度にそのプリントアウトが行われる。
【0080】
あるページの情報を受信中に計時値が移行時間N以上になると、MPU61は、省エネモード(休止モード)を設定して(59)、すなわちスイッチ83,84をオフにして、受信データをMEM65に蓄積書込みする受信記憶を開始する(60)。その後は、通信の終了まで省エネモードを維持し、受信データはMEM65に書込む。通信が終了すると、省エネモードに切換えた時に受信中であったページから、MEM65の受信データを読み出してプリントアウトする(63)。これを終了すると、ファクシミリ受信の開始時の給電モードをレジスタから読出して、設定する(64)。すなわち、受信の開始時が作動モードであつたときには、スイッチ83,84をオンにして、定着ヒータの定着目標温度制御を開始する。受信の開始時が省エネモードであったときにはスイッチ83,84をオフにし、低電力モードであったときには、スイッチ83,84をオンにして、定着ヒータの定着目標温度×80%を目標値とする温度制御を開始する。
【0081】
−第2実施例−
第2実施例のハードウエアは、上述の第1実施例と同じである。しかし、第2実施例のファクシミリ受信時の給電モード制御は、第1実施例のものと少し異なる。
【0082】
図12に、第2実施例の「fax受信の給電制御」(50)の内容を示す。第1実施例では、あるページの情報を受信中に計時値が移行時間N以上になると、省エネモードを設定して(59)、その後は、通信の終了まで省エネモードを維持する。しかしこの第2実施例では、あるページの情報を受信中に計時値が移行時間N以上になるとそこで省エネモードを設定するが(55,59)、該ページの受信が終了した時点で作動モードを設定して該ページのプリントアウトを開始する(65−66−57)。したがって、省エネモードは、情報の受信時間が移行時間Nを超える頁の、以降時間Nを超えてから情報受信の終了までとなる。その他の処理は、第1実施例と同様である。
【0083】
【発明の効果】
ファクシミリ情報の1頁の受信時間が設定値(N)以上になると自動的に動作電力ライン(+5V,+24V)の給電が絶え、すなわち省エネモードに切換るので、省エネが実現する。ファクシミリ情報の1頁の受信が設定値(N)未満で終わる時には、動作電力ライン(+5V,+24V)の給電が継続しファクシミリ情報の1頁の受信が終了次第画像形成出来るので、受信記録の即応性と省エネが両立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の外観を示す正面図である。
【図2】 図1に示すプリンタ100の画像形成機構の概要を示すブロック図である。
【図3】 図1に示す第1実施例の複合機能複写機の電気系統のシステム構成を示すブロック図である。
【図4】 図3に示す電源装置80およびプリンタコントローラ60の構成の概要を示すブロック図である。
【図5】 図3に示すファクシミリ制御ユニット91の構成の概要を示すブロック図である。
【図6】 図3に示す画像メモリMEM65の構成の概要を示すブロック図である。
【図7】 (a)は、図1および図3に示す操作部20の、一部分の拡大平面図、(b)は電気システムを示すブロック図である。
【図8】 図4に示すプリンタコントローラ60のMPU61の、操作部20のCPU25を利用する給電モード制御の一部を示すフローチャートである。
【図9】 図4に示すプリンタコントローラ60のMPU61の、操作部20のCPU25を利用する給電モード制御の残部を示すフローチャートである。
【図10】 図9に示す「その他の入力処理」(40)の内容の一部を示すフローチャートである。
【図11】 図9に示す「fax受信の給電制御」(50)の内容を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の第2実施例の、「fax受信の給電制御」(50)の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
21a:電源キー 21b:モード切換えキー
21c:LED 21d:初期設定キー
26f:LCD 23,24:操作キー群
21e,21f,22:表示LED
100:カラープリンタ
Claims (6)
- ファクシミリ受信機能および受信したファクシミリ情報を蓄積する画像メモリを持つファクシミリ制御手段を有する画像形成装置において、
前記ファクシミリ制御手段に動作電圧を与えるための待機電力ライン,用紙上に画像を形成する手段に動作電圧を与えるための動作電力ライン,該動作電力ラインへの給電をオン/オフする手段、および、ファクシミリの着信があると前記オン/オフする手段をオンにして、ファクシミリ情報の1頁の受信開始ごとに計時を新たに開始し、計時値が設定値以上になる前に1頁のファクシミリ情報受信が終了するときは該1頁の受信情報の画像形成を開始し、計時値が設定値以上になったときは前記オン/オフ手段をオフにして、1頁のファクシミリ情報受信が終了するとき前記オン/オフ手段(83,84)をオンにして該1頁の受信情報の画像形成を開始する省エネ制御手段(61,25)、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - ファクシミリ受信機能および受信したファクシミリ情報を蓄積する画像メモリを持つファクシミリ制御手段と画像蓄積メモリを有する画像形成装置において、
前記ファクシミリ制御手段に動作電圧を与えるための待機電力ライン,用紙上に画像を形成する手段に動作電圧を与えるための動作電力ライン,該動作電力ラインへの給電をオン/オフする手段、および、ファクシミリの着信があると前記オン/オフする手段をオンとし、ファクシミリ情報の1頁の受信開始ごとに計時を新たに開始し、計時値が設定値以上になる前に1頁のファクシミリ情報受信が終了するときは受信情報の画像形成を開始し、計時値が設定値以上になったときは前記オン/オフ手段をオフにしてファクシミリ情報を前記画像蓄積メモリに蓄積し、1通のファクシミリ情報受信が終了するとき前記オン/オフ手段をオンにして該1通のファクシミリ情報の中の画像形成をしていない受信情報を前記画像蓄積メモリから読み出して画像形成を開始する省エネ制御手段、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記設定値をユーザが設定するための入力手段を更に備える、請求項1又は2の画像形成装置。
- 入力手段は、前記設定値をユーザが設定するための設定値入力モードをユーザが指定するためのキーを含む、請求項3の画像形成装置。
- 入力手段はID入力手段を含み、省エネ制御手段は、前記キーで前記設定値入力モードが指定された後又は前にID入力手段で入力された情報が登録されたものであるかチェックして、登録されたものであると、前記設定値入力モードで入力されるデータに前記設定値を更新する、請求項4の画像形成装置。
- 省エネ制御手段は、ファクシミリの着信があると前記オン/オフする手段のオン/オフ状態を保存し、前記1通の受信情報の画像形成を終了すると、前記オン/オフする手段を前記保存した状態に戻す、請求項1乃至5のいずれか1つの画像形成装置。
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JP2011160338A (ja) * | 2010-02-03 | 2011-08-18 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、及びその省エネ制御方法 |
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