JP4142597B2 - 形状記憶合金アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、形状記憶合金線或いは形状記憶合金テープが電流を流し(通電し)たり、加熱したりすることによりその長さが収縮することを利用して駆動力を得るための小型アクチュエータの技術分野に属する。
近時、カメラ付き携帯電話、腕時計型カメラのようにカメラが付加された携帯用機器が市場に提供されるようになって来ている。
携帯用機器であるから当然、小型、軽量であることは当然の要件であり、そのような機器に付加されるカメラに許容されるスペースは更に小さなものとなる。
カメラにあって、重要な機能の1つはレンズの焦点合わせである。
従来、カメラの焦点合わせのためのレンズの移動機構としては印加電圧によって寸法が変化する圧電材料を用いたもの(例えば、特許文献1参照)や、回転モータとギヤ機構を用いたもの(例えば、特許文献2、特許文献3参照)や、ボイスコイル形リニアモータを用いたもの(例えば、特許文献4参照)がある。
この他、形状記憶合金を用いて、電流を流すか加熱することによって収縮する性質を利用してレンズを移動させるもの(例えば、特許文献5、6、7参照)がある。
その1つは、両端に固定レンズを有する鏡胴内において移動レンズを置き、その一方の側には普通材料のコイルバネをバイアスバネとして設け、他方の側には形状記憶合金のコイルバネを設け、この形状記憶合金ばねを加熱または冷却することにより移動レンズを光軸方向に移動させるというものである(例えば、特許文献5参照)。
その2は、ピント調整レンズを固定した被駆動体とレンズ鏡胴の固定点との間に形状記憶合金を張り、これに電流を流すこと(通電)により形状記憶合金が収縮することを利用して被駆動体を移動させることによりピント調整レンズを移動させるというものである(例えば、特許文献6参照)。
その3は、両端を固定して懸け渡した形状記憶合金線の伸縮を利用してリンク機構を駆動し、リンク機構のピンによりバレルホルダを回転させ、バレルホルダに固定されたレンズバレルを光学軸方向に移動させるというものである(例えば、特許文献7参照)。
特開昭58−166328号公報(第3図) 特公平1−22602号公報(第1図) 特開平1−93712号公報(第4図、第5図、第8図) 特許第3163789号公報(図1、図2) 特開平9−127398号公報(図1、図2、図3) 特開平10−307628号公報(図2、図10) 特開2002−244015号公報(図1〜図5)
しかしながら、上記従来技術のうち、圧電材料を用いたものは所望の寸法変化を得るためには大きな電圧を必要とし、変化した状態を維持するためには電圧を維持し電流を流し続けなければならない。
通常のカメラ或いはそれ以上のカメラにおいてはそのような電力を供給する容量の電池を装備することは可能であろうが、携帯電話のカメラや腕時計型カメラにはそのような電池を装備することは殆ど不可能である。
回転モータとギヤ機構を用いた移動機構もメカニズムが複雑であるうえ、相当のスペースを必要とし、携帯電話カメラや腕時計型カメラその他これと同等の薄型カメラに採用することは困難である。
ボイスコイル型リニアモータを用いた移動機構もレンズの光軸上にモータ分のスペースを必要とし、薄型カメラには不向きであるうえ、磁場発生の問題もある。
また、形状記憶合金を用いた前述の移動機構にも問題がある。前述1番目の、鏡胴内で形状記憶合金線によるコイルバネを用いる方法は、鏡胴内の光軸方向にバイアスバネが用いられている点で光軸方向距離が長くなるうえ、形状記憶合金線もコイルバネとなっており、光軸方向のスペースを必要とし、また、光軸方向における伸縮は、純粋に形状記憶合金線自体の伸縮による他バネとしての伸縮も入るため精度が必ずしも充分でないと言う問題がある。
前述2番目の、形状記憶合金の長さの伸縮をそのままレンズの移動量とする構成は、充分な移動量を得るためには、形状記憶合金の張り渡しを長くしなければならず、そのためのスペースを必要とし、携帯電話型や腕時計型等の薄型カメラには採用しにくいという問題がある。
前述3番目の、両端固定で懸け渡した形状記憶合金線の加熱による伸縮を利用してリンク機構を駆動し、リンク機構のピンによりバレルホルダを回転させ、その回転によりレンズバレルを光軸方向に移動させるという構造は、それ自体非常に複雑な構成となり、部品点数も多く、携帯電話型や腕時計型等の薄型カメラには到底採用し難いという問題がある。
そこで、携帯電話型カメラで現実に用いられている焦点合わせ機構は、外部から手操作の可能なレバー機構を用い手動で焦点合わせをするものが用いられているが、これとて、外部からの操作を可能にするためのレバーストロークのスペースを充分とれず、その操作自体も微妙な調整ができるというものではなく、通常とマクロの2者選択というものである。その他、部品点数も多く組立てコストが高くなるなどの問題もある。
本発明は、上記種々の従来技術における問題点に鑑みて、構造が簡単で、部品点数が少なく、スペースをとらず、微妙な調整ができ、且つ低価格で得られる、形状記憶合金を用いた移動機構の提供を課題とするものである。
本発明の移動機構は、携帯電話型カメラや、腕時計型カメラ等薄型カメラの合焦レンズの移動機構に適する他、同様の小型機器の微細移動機構に広く用いることができる。
本発明の形状記憶合金アクチュエータは、上記の課題を解決するために、以下の各手段構成を有する。
第1の構成は、下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータであって、基本的手段構成である。
(イ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を複数有する支持基材
(ロ)前記支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡された形状記憶合金線
(ハ)前記形状記憶合金線の長さが電流を流すことにより収縮したとき弛みの減少に応じて弛み部分への複数の突出部が形状記憶合金線に押されて移動する可動子
(ニ)前記可動子を前記形状記憶合金線へその収縮による移動力よりも弱い力で押し付ける付勢手段
第2の構成は、前記第1の構成の形状記憶合金アクチュエータを複数段重ねたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第3の構成は、下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータであって、両面駆動型のものである。
(イ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が凹凸の繰り返し形状の凸部である第1の支持基材
(ロ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が凹凸の繰り返し形状の凸部である支持箇所を有する面が、前記第1の支持基材の支持箇所を有する面に間隔を置いて固定対向する第2の支持基材
(ハ)前記第1の支持基材および第2の支持基材それぞれの支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡された第1および第2の形状記憶合金線
(ニ)前記第1の支持基材および第2の支持基材の間にあって、両面にそれぞれ前記第1および第2の形状記憶合金線の各弛み部分に対応する突出部を有し、接している形状記憶合金線が電流の流れにより収縮したときに押されて移動する可動子
第4の構成は、下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータであって、両面駆動型のものである。
(イ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が板状部材上に円柱状部材を一定間隔で並べた形状である第1の支持基材
(ロ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が板状部材上に円柱状部材を一定間隔で並べた形状であり、支持箇所を有する面が、前記第1の支持基材の支持箇所を有する面に間隔を置いて固定対向する第2の支持基材
(ハ)前記第1の支持基材および第2の支持基材それぞれの支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡された第1および第2の形状記憶合金線
(ニ)前記第1の支持基材および第2の支持基材の間にあって、両面にそれぞれ前記第1および第2の形状記憶合金線の各弛み部分に対応する突出部を有し、接している形状記憶合金線が電流の流れにより収縮したときに押されて移動する可動子
第5の構成は、前記第1の構成、第2の構成、第3の構成又は第4の構成において、支持基材の複数の支持箇所および対応する可動子の突出部が円形状に配列されていることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。可動子の内側円形空間にレンズを取付けることにより、レンズ移動の典型的な構成となる。
第6の構成は、下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータで、傾き移動が得られるものである。
(イ)線材又はテープ材を間隔を置いて2本平行して弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有する支持基材
(ロ)前記支持箇所間で弛みを持たせ、間隔をあけて平行に懸け渡された2本の形状記憶合金線
(ハ)前記形状記憶合金線の弛みに対応する突出部を有し、形状記憶合金線が収縮したときに突出部が押されるように配置され、1本の形状記憶合金線のみ収縮した場合および2本の形状記憶合金線の収縮程度が異なる場合に傾き移動をする可動子
(ニ)前記可動子を形状記憶合金線へその収縮による移動力よりも弱い力で押し付ける付勢手段
第7の構成は、前記第1、第2、第4から第6の構成のいずれかにおいて、支持基材の支持箇所の形状が凹凸の繰り返し形状の凸部であることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第8の構成は、前記第1から第3、第5、第6の構成のいずれかにおいて、支持基材の支持箇所の形状が板状部材上に円柱状部材を一定間隔で並べた形状であることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第9の構成は、前記第1から第8の構成のいずれかにおいて、可動子の突出部の形状が凹凸の繰り返しによって形成された凸部であることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第10の構成は、前記第1から第8の構成のいずれかにおいて、可動子の突出部の形状が板状部材上に円柱部材を一定間隔で並べた形状であることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第11の構成は、前記第1から第5、第7から第10の構成のいずれかにおいて、形状記憶合金線が複数本懸け渡され両端において並列接続されていることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第12の構成は、前記第1から第5、第7から第10の構成のいずれかにおいて、1本の形状記憶合金線が往、復を繰り返し懸け渡されていることを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第13の構成は、前記第1ないし第12の構成の形状記憶合金アクチュエータの形状記憶合金線に代えて形状記憶合金テープを用いたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
第14の構成は、前記第1ないし第13の構成のいずれかの構成に加えて、形状記憶合金線又は形状記憶合金テープの通電収縮により移動した可動子をその位置で保持固定する可動子保持固定手段を有することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータである。
以上述べたように、本発明の形状記憶合金アクチュエータは支持基材の2つ以上の支持箇所間に形状記憶合金線或いは形状記憶合金テープを弛みを持たせて懸け渡し、これに通電加熱すると収縮して緊張することを利用して、弛みに対応させて突出部が設けられている可動子を、収縮緊張する形状記憶合金線(又はテープ)が突出部を押すことによって移動させるというものであるところから、支持基材の複数の支持箇所および可動子の複数の突出部を平面的に配列することにより、全体構成を平面状に形成することができ薄型にできるという極めて顕著な利点を有する。
また、平面状であっても、支持箇所および対向する突出部の配列はそれぞれ同一平面上で、用途に応じた配列にすることができる。例えば、カメラの合焦レンズを合焦移動させる用途の場合には、円形配列とし内側はレンズを配置する円形空間とすることにより極めて薄型のレンズ移動手段が実現可能となる。
次に、形状記憶合金の収縮緊張の程度は、通電加熱の程度によって正確に定まるから、電流を制御することによって移動量を制御でき、微妙な位置調整が可能であるという利点がある。
そして、その位置で停止固定させたいときには可動子保持固定手段により固定することにより、通電を停止しても所望の位置に保持しておくことが可能であり、消費電力の節減が可能であるという利点がある。
以上のような利点があるにもかかわらず、構成は極めて単純で構成部品も少ないところから低価格であるという利点がある。
本発明の最良の実施の形態としては、できる限り薄型で且つ可動子の移動スロトークの大きいアクチュエータを実現することである。
そのためには、支持基材の厚さ方向の寸法は形状記憶合金線或いはテープの非通電状態における支持箇所間の弛みの深さとほぼ同じくし且つ、通電加熱したときには形状記憶合金線或いはテープがほぼ一直線になるように収縮緊張するよう設定した形態である。
そして、可動子の突出部は、形状記憶合金の非通状態で最も弛んでいるときにその谷底部に丁度接するように設定することにより、通電時と非通電時とのストロークを最も大きく取り出せることになる。支持基材の支持箇所および可動子の配列形状は用途に応じて定めることになる。
以下、本発明の形状記憶合金アクチュエータの実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の形状記憶合金アクチュエータの基本構成の実施例の構造図である。
(a)は可動子2と支持基材6とを離して描いた斜視図である。材質は、ポリオキシドメチレン、ポリカーボネート、ポリイミド等の絶縁樹脂である。可動子2には複数の突出部3が設けられており、対する支持基材6には複数の支持箇所7が設けられ、隣り合う支持箇所同士によって形成される凹部8が、可動子2の各突出部3と対応するようになっている。支持基材6には、形状記憶合金線4がその両端を固定部5で固定されて張られている。図では3本であるが、1本でもその他の本数であってもよい。
(a)の状態は、形状記憶合金線4が通電加熱により収縮緊張して直線状に張った状態を示している。形状記憶合金を細線状或いは細テープ状にしたものは、常温ではマルテンサイト相にあり、ナイロン系のように柔らかくしなやかな状態を呈しているが、電流を流す(通電する)などして加熱されると記憶している母相に戻り、長さが短くなるとともに固くて剛い針金状又はテープ板状になる。
(b)は形状記憶合金線を固定する前の横断面図である。
(c)は、非通電状態でマルテンサイト相の形状記憶合金線4を、各支持箇所7間で弛みを持たせて懸け渡し、その弛みの谷底部に可動子2の突出部3の先端が接するようになっている。しかし、この状態で形状記憶合金線に荷重がかからないように、可動子2は丁度、固定部5によって支持されるようになっている。
そして、非通電時にはこの状態が維持されるように、形状記憶合金線4の収縮によって可動子2を持ち上げようとする力よりは小さい力のバイアス力9が加わっている。このバイアス力9の発生手段としては主としてばねやゴムのような弾性体や磁力が用いられるが、(c)のような状態においては可動子2の自重自体がバイアス力となり得る。
このような状態から形状記憶合金線に通電加熱すると、記憶している状態即ち収縮緊張して(d)に示すように直線状になり、その力により、バイアス力9に抗して可動子2を押し上げることになり、この可動子2の動きにより他の構造の移動を駆動することになる。
図2は、図1の変形例である。
図2は、可動子2と支持基材6を離した状態で、形状記憶合金線4が収縮緊張した状態を示しているが、非通電時には形状記憶合金線4は凹部8の部分で下方へ弛んでおり、可動子2の突出部3は凹部8の中に嵌合した状態となって、係合部10が、凹部8内において形状記憶合金線4の弛みの谷底部に跨るようにして接している。そして、形状記憶合金線に通電すると図2に示すように直線状態となるため可動子2は押し上げられるということになる。この可動子2の動きが他の構造の移動を駆動することになる。
以上、図1および図2においては、形状記憶合金線が複数本懸け渡されているが、駆動が小さくてよい場合には1本であってもよい。なお複数本懸け渡されている場合には、各両端同士が電気的に接続されて通電及び非通電は同時に行なわれるようになっている。
これに対して、図3は1本の長い形状記憶合金線4を、両端のプーリ11を介して往復させて懸け渡した例である。図1、図2の場合のように複数の合金線が独立である場合に較べて、往復線の伸縮が均一になるという利点がある。
図4は、図1の基本構成を複数段(図4では3段)重ねたものである。図4の例では、重ねた場合の高さ寸法ができるだけ大きくならないようにするために、下から2段目の支持基材の下側に突出部を設け、1段目の可動子となるようにしている。同様に3段目の支持部材は同時に2段目の可動子となっている。
図4の(a)は、形状記憶合金線4は非通電で、弛んだ状態になって最も低い状態になっている。
図4の(b)は、3本の形状記憶合金線4の総てに通電した場合で最も高くなっている。当然のことながら1段のみの場合に較べて3倍の移動量となる。また、3段のうちいずれか2段のみを通電すれば1段の場合の2倍の移動量となる。このように重ね構成の場合には移動量の選択が可能となる。
図5は、支持基材対向型の例である。
支持基材6が2個対向して(図5では上下に)設けられ、その間に可動子12が置かれている。可動子12は両面に突出部3が設けられている。
(a)は、上側の形状記憶合金線4を通電加熱することにより可動子12が下方に移動している場合であり、(b)は下側の形状記憶合金線4を通電加熱することにより可動子12が上方へ移動している場合である。この構成のものは、上下の形状記憶合金線に流す電流を制御することにより、(a)と(b)の間の任意の位置へ移動させることができる。
図6は、可動子の突出部および支持基材の支持箇所が円形状に配列された例である。可動子16は円筒部17と複数の突出部19を有する。
これに対応する支持基材20においても複数の支持箇所21が円形状に配列されており、その内側は円形穴25となっている。前記突出部19は隣り合う支持箇所21の間の凹部8に対向している。円形配列となっている支持箇所21には形状記憶合金線4が、非通電時に弛みを持つようにして懸け渡されている。各支持箇所21には形状記憶合金線4が支持箇所から外れ落ちないように溝22が設けられており、形状記憶合金線4はこの溝に嵌め込むようにして懸け渡されている。形状記憶合金線4の両端はそれぞれ引込み孔23を経て、支持基材20の裏面に出てそこで通電端子に固定されている。非通電時、形状記憶合金線4は凹部8で弛んでおり、そこへ可動子16の突出部19が乗るように嵌まっている。
枠体13は、上から可動子16の円筒部17が、枠体13の円窓14に嵌まるようにするとともに足15が支持基材20の穴24に挿入されるようにして支持基材に固定する。この状態では、枠体13の下面で付勢ばね18が下方へ押されることにより、付勢ばね18は可動子16を支持基材20の方へ押し付けるよう付勢することになる。付勢ばねの強さは、形状記憶合金線4が収縮して可動子16を押し上げようとする力よりも小さく設定されている。
従って、形状記憶合金線4に通電すると収縮緊張して突出部19を押し上げることにより、可動子16の円筒部17が円窓14にガイドされた状態で上昇する。電流を断にすると下がる。
本実施例の活用例としては、可動子16の円筒部17内に焦点合わせ用のレンズを固定することにより、薄型の合焦レンズ移動機構として活用できる。
図7は、可動子2を傾斜移動させる場合の実施例である。
支持基材6に形状記憶合金線4を2本平行に懸け渡してある。(a)は2本とも通電加熱により収縮緊張している状態であるが、非通電状態では、形状記憶合金線4は各凹部8で弛みを有するように懸け渡されている。
従って、一方に通電し、他方に通電しないときには(b)に示すように可動子2が傾くことになる。通電、非通電を逆にすると傾きも逆になる。可動子2に回動軸を設けると軸を中心とする回動が得られる。
図8は支持基材の支持箇所および可動子の突出部として円柱状部材を用いた例である。
(a)は、板状の支持基材26の上に円柱状の支持箇所27が等間隔平行に設けられている例である。(b)は、形状記憶合金線4が非通電の状態で、下面に円柱状の突出部29が等間隔平行に固定された可動子28が乗せられた状態である。(c)は、通電により形状記憶合金線4が収縮緊張して可動子28を押し上げた状態の図である。
図9は、図1の構造のものに可動子保持固定手段30を設けたものである。
これは、形状記憶合金線4に通電して可動子2が移動する間は可動子2に接することなく、可動子2が移動したところで可動子2に接触して、形状記憶合金線4への通電を断にしても可動子保持固定手段30が解除されるまではその位置に保持固定するようにしたものである。
保持機能は、可動子2と可動子保持固定手段30との接触摩擦を利用してもよいし、可動子保持固定手段30が接したときに、可動子2の端部が係止されるような係止凹部を可動子保持固定手段30に設けてもよい。なお図では、可動子2が横方向から押されてもずれないようにする本来の移動方向のガイド機構は図示が省略されている。
(a)は、通電前の状態で、可動子2は最下位にあり、可動子保持固定手段30も可動子2とは接していない。
(b)は、通電により、形状記憶合金線4が収縮緊張して可動子2が上方へ移動した状態を示している。
(c)は、(b)の状態に可動子保持固定手段30が可動子2に接して形状記憶合金線4の通電を断にし、弛んだ状態になっても可動子2をその位置に保持固定している状態を示している。
(d)は、可動子保持固定手段30が可動子2から離れたことにより、可動子が矢印で示される付勢バイアス力によって支持基材6の方へ移動した状態を示す。
付勢バイアス力は、ばねやゴムのような弾性材による力、重力、磁力等が考えられるが図のように上下移動の場合には可動子2の重力が最も単純な構成となる。
この構成においては、形状記憶合金線4に流す電流の任意の値、即ち、可動子2の任意の位置で可動子保持固定手段を30を動作させることにより、任意の位置で可動子2を保持することができる。
図10は、図5の構成の両サイドに可動子保持固定手段30を設けたものである。可動子12に対する作用は、図9の場合と同様である。可動子12が或る位置で可動子保持固定手段30で保持されたときは、上下の形状記憶合金線の通電が遮断されても、可動子保持固定手段30の保持が解除されるまでは、その位置に保持される。
この可動子保持固定手段30の付加は、図1や図5の構成のものに限られずすべての形状記憶合金アクチュエータに適用され得る。
以上の実施例では形状記憶合金は線状のもので説明されているが、線状のものに限定されるものではなく、幅の狭いテープ状のものであってもよく、要は支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡すことができ、且つ支持箇所の配列が直線状であるものに限らず、円形その他の曲線的配列に応じて懸け渡すことのできる形状のものであればよいのである。
本発明の形状記憶合金アクチュエータの基本構成の実施例の構造図である。 図1の変形例の構造斜視図である。 本発明アクチュエータにおいて、1本の長い形状記憶合金線を、支持基材両端のプーリを介して往復させて懸け渡した例である。 図1の基本構成を複数段重ねたものである。 本発明のうち支持基材が対向し、間に可動子が設けられた例の構造図である。 本発明のうち、可動子の突出部および支持基材の支持箇所が円形状に配列された例の斜視図である。 本発明のうち、可動子を傾斜移動させる場合の例の構造図である。 本発明のうち、支持基材の支持箇所および可動子の突出部として円柱状部材を用いた例の構造図である。 図1の構造のアクチュエータに可動子保持固定手段を設けた例の構造図である。 図5の構造のアクチュエータの両サイドに可動子保持固定手段を設けた例の構造図である。
符号の説明
1 形状記憶合金アクチュエータ
2 可動子
3 突出部
4 形状記憶合金線
5 固定部
6 支持基材
7 支持箇所
8 凹部
9 バイアス力
10 係合部
11 プーリ
12 可動子
13 枠体
14 円窓
15 足
16 可動子
17 円筒部
18 付勢ばね
19 突出部
20 支持基材
21 支持箇所
22 溝
23 引込み孔
24 穴
25 円形穴
26 支持基材
27 支持箇所
28 可動子
29 突出部
30 可動子保持固定手段

Claims (14)

  1. 下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
    (イ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を複数有する支持基材
    (ロ)前記支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡された形状記憶合金線
    (ハ)前記形状記憶合金線の長さが電流を流すことにより収縮したとき弛みの減少に応じて弛み部分への複数の突出部が形状記憶合金線に押されて移動する可動子
    (ニ)前記可動子を前記形状記憶合金線へその収縮による移動力よりも弱い力で押し付ける付勢手段
  2. 請求項1記載の形状記憶合金アクチュエータを複数段重ねたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  3. 下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
    (イ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が凹凸の繰り返し形状の凸部である第1の支持基材
    (ロ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が凹凸の繰り返し形状の凸部である支持箇所を有する面が、前記第1の支持基材の支持箇所を有する面に間隔を置いて固定対向する第2の支持基材
    (ハ)前記第1の支持基材および第2の支持基材それぞれの支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡された第1および第2の形状記憶合金線
    (ニ)前記第1の支持基材および第2の支持基材の間にあって、両面にそれぞれ前記第1および第2の形状記憶合金線の各弛み部分に対応する突出部を有し、接している形状記憶合金線が電流の流れにより収縮したときに押されて移動する可動子
  4. 下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
    (イ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が板状部材上に円柱状部材を一定間隔で並べた形状である第1の支持基材
    (ロ)線材又はテープ材を弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有し、その支持箇所の形状が板状部材上に円柱状部材を一定間隔で並べた形状であり、支持箇所を有する面が、前記第1の支持基材の支持箇所を有する面に間隔を置いて固定対向する第2の支持基材
    (ハ)前記第1の支持基材および第2の支持基材それぞれの支持箇所間で弛みを持たせて懸け渡された第1および第2の形状記憶合金線
    (ニ)前記第1の支持基材および第2の支持基材の間にあって、両面にそれぞれ前記第1および第2の形状記憶合金線の各弛み部分に対応する突出部を有し、接している形状記憶合金線が電流の流れにより収縮したときに押されて移動する可動子
  5. 支持基材の複数の支持箇所および対応する可動子の突出部が円形状に配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  6. 下記の各手段を具備することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
    (イ)線材又はテープ材を間隔を置いて2本平行して弛みを持たせて懸け渡すことのできる支持箇所を有する支持基材
    (ロ)前記支持箇所間で弛みを持たせ、間隔をあけて平行に懸け渡された2本の形状記憶合金線
    (ハ)前記形状記憶合金線の弛みに対応する突出部を有し、形状記憶合金線が収縮したときに突出部が押されるように配置され、1本の形状記憶合金線のみ収縮した場合および2本の形状記憶合金線の収縮程度が異なる場合に傾き移動をする可動子
    (ニ)前記可動子を形状記憶合金線へその収縮による移動力よりも弱い力で押し付ける付勢手段
  7. 支持基材の支持箇所の形状が凹凸の繰り返し形状の凸部であることを特徴とする請求項1、2、4〜6のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  8. 支持基材の支持箇所の形状が板状部材上に円柱状部材を一定間隔で並べた形状であることを特徴とする請求項1〜3、5、6のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  9. 可動子の突出部の形状が凹凸の繰り返しによって形成された凸部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  10. 可動子の突出部の形状が板状部材上に円柱部材を一定間隔で並べた形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  11. 形状記憶合金線が複数本懸け渡され両端において並列接続されていることを特徴とする請求項1〜5、7〜10のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  12. 1本の形状記憶合金線が往、復を繰り返し懸け渡されていることを特徴とする請求項1〜5、7〜10のいずれか1項に記載の形状記憶合金アクチュエータ。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項の形状記憶合金アクチュエータの形状記憶合金線に代えて形状記憶合金テープを用いたことを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項の構成に加えて、形状記憶合金線又は形状記憶合金テープの通電収縮により移動した可動子をその位置で保持固定する可動子保持固定手段を有することを特徴とする形状記憶合金アクチュエータ。
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