JP4090775B2 - 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法 - Google Patents

電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4090775B2
JP4090775B2 JP2002103808A JP2002103808A JP4090775B2 JP 4090775 B2 JP4090775 B2 JP 4090775B2 JP 2002103808 A JP2002103808 A JP 2002103808A JP 2002103808 A JP2002103808 A JP 2002103808A JP 4090775 B2 JP4090775 B2 JP 4090775B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
inspection
defect
inspection surface
area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002103808A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003302354A (ja
Inventor
智好 恒川
晋也 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2002103808A priority Critical patent/JP4090775B2/ja
Publication of JP2003302354A publication Critical patent/JP2003302354A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4090775B2 publication Critical patent/JP4090775B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Image Processing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法に関し、より詳細には、外観検査の高精度および高速化に適した電子回路用部品の外観検査方法及びそれに用いられる外観検査装置並びに、該外観検査方法にて外観検査が行なわれる工程を有する電子回路用部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等のコンピュータの劇的な進歩は勿論のことであるが、カメラやスキャナ等の画像入出力機器、CDやMO等の画像記録装置の進歩に伴い画像処理における処理速度・処理精度といった処理技術は、目覚しく発展するに至っている。
そのような中、従来、目視検査に頼っていたパッケージ基板や半導体部品等の電子回路用部品の外観検査は、画像処理を用いた自動化へと技術転換がなされようとしている。尚、本明細書における電子回路用部品は、セラミックパッケージ基板やプラスチックパッケージ基板といった周知のパッケージ基板および、LSIやICといった半導体部品を含む周知の電子部品を概念として含有する。
【0003】
上記外観検査に用いられる画像処理の方法としては、モノクロ処理による白黒2値化処理の方法と、カラー画像処理による方法とが種々検討されている。
また、カラー画像処理を用いた外観検査においては、白黒2値化処理を用いた場合に比べて外観上の微妙な色差の識別能力を高めることができる。そのため、構成原料による微妙な色差が表面に発生しやすい電子回路用部品の外観検査においては、カラー画像処理による方法が、特に有用な方法であることが認識されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記カラー画像処理による方法を用いて電子回路用部品の外観検査を行なう場合、一般的にその良否判定となる良品基準値は、目視により得られた判定基準値を基に設定されている。そこで、カラー画像処理に使用する画像データは、人の色感覚に近い、色相H、彩度S、明度Iを座標成分とするHSI座標系に対応したものであることが有効である。
しかしながら、通常、カラー撮像に用いられるカメラやスキャナといったカラー受光部においては、撮像したカラー画像の入力信号を出力する際の検知出力の信号が、上記HSI座標系に対応したものではない。そのために、HSI座標系に対応した画像データを得るためには、カラー受光部からの検知出力の信号に基づく出力値を座標変換する必要がある。この座標変換に要する処理時間は、取り込むカラー画像の情報量にもよるが、電子回路用部品のような大量の製品を順次処理しなければならないものに対しては到底無視できるものではない。
【0005】
そこで、カラー画像処理に使用される画像データを、カラー受光部からの検知出力の信号と同様の3次元色空間座標系に対応したものとすることが考えられる。該3次元色空間座標系としては、光の三原色である赤R、緑G、青Bを座標成分とするRGB座標系を挙げることができる。このような3次元色空間座標系に対応した画像データを用いたカラー画像処理は、HSI座標系に対応した画像データを用いたカラー画像処理に比べて、その処理時間を短縮することができる。しかしながら、RGB座標系に対応した画像データの各R、G、B座標成分においては、人が赤、緑、青という直感的に知覚する色の側面以外にも、人が直感的に知覚できない色情報が含まれてなる。そのため、人の色感覚に近いHSI座標系に対応した画像データを用いてカラー画像処理する場合に比べて、画像処理する際に必要となる良品基準値の設定が困難とされるとともに、それに起因した処理精度の低下が問題とされる。
【0006】
本発明は、上記問題を考慮してなされたものである。すなわち、本発明は、カラー画像処理を用いて外観検査する際の処理精度および処理速度を共に高めることを可能とする電子回路用部品の外観検査方法及びそれに用いられる外観検査装置並びに、該外観検査方法にて外観検査を行なう工程を有する電子回路用部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記課題を解決するための本発明の電子回路用部品の外観検査方法は、
電子回路用部品の検査面からの検査光をカラー受光部にて受光し、該カラー受光部の検知出力に基づいて前記検査面内の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる検査面色情報を生成し、該検査面色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す検査面色データと予め設定された第一良品基準色情報のうち前記検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準色データとの差に基づいて不良候補領域を選定し、この選定結果に基づいて不良判定処理を行なうことにより前記検査面における不良領域を特定することを特徴とする。
【0008】
上記本発明の電子回路用部品の外観検査方法は、その外観検査対象である、電子回路用部品の検査面の外観のカラー画像に対して、2段階の画像処理を施すことにより行なうものである。そこで、1段階目の画像処理であるが、該画像処理は、検査面における不良候補領域の選定を行なうものである。この不良候補領域の選定を行なうにあたって、まず、検査面の外観のカラー画像を、検査面からの検査光をカラー受光部で受光することにより得るとともに、該カラー受光部より、そのカラー画像の入力信号に対する検知出力を出力させる。そして、該検知出力に基づいて、検査面内の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる検査面色情報を生成させる。該検査面色情報は、検査面内の各位置、つまりは、検査面の外観のカラー画像を区画化した各画素の位置における3次元色空間座標系の独立した3つの座標成分に、それぞれが対応した3つの色空間座標値から構成されるものである。このように、検査面色情報は、検査面内の各位置の位置情報と、その各位置におけるカラー画像情報とを含むものである。
【0009】
上記検査面色情報を生成させた後、該検査面色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す検査面色データを用意する。また、検査面色情報を構成する検査面内の各位置におけるカラー画像情報の各座標成分それぞれに対して、第一良品基準値を予め設定させておくとともに、これら第一良品基準値からなる予め設定された第一良品基準色情報のうち、検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準色データを用意する。そして、このように用意された、検査面色データと第一良品基準色データとの各座標成分の差を差分処理による演算処理にて得るとともに、その処理結果からなる第一画像データを作成する。さらに、この第一画像データを用いた画像処理として、第一画像データから、設定したしきい値を超えたものを抽出する。ここで抽出されたデータに対応する検査面内の各位置の集合を、検査面における不良候補領域とする。このような画像処理により、検査面における不良候補領域の選定を行なう。また、この1段階目の画像処理に用いられる第一画像データは、カラー受光部から出力される検知出力の信号と同様な3次元色空間座標系を使用している。その結果、第一画像データを作成する過程において、座標変換する工程を必要とせず、画像処理における処理時間を短縮することが可能となる。
【0010】
上記のように検査面における不良候補領域の選定を1段階面の画像処理にて行なった後、その選定結果に基づいて、選定された不良候補領域に対してのみ、さらに2段階目の画像処理となる不良判定処理を行なう。該不良判定処理にて、さらに検査面における不良領域の絞込みを行なうことで、不良領域の特定精度を向上させることが可能となる。この不良判定処理は、選定された不良候補領域に対してのみ、画像処理を行なうものであるから、その処理時間を短縮することが可能となる。
上記したような2段階の画像処理を行なうことで、本発明の電子回路用部品の外観検査方法は、その外観検査における処理精度および処理速度を高めることが可能となる。また、不良判定処理における2段階目の画像処理は、不良候補領域の選定における1段階目の画像処理と同様な、差分処理にて作成された画像データを用いた処理や、もしくは、パターンマッチング方式による処理などにて行なうことができる。
【0011】
次に本発明の電子回路用部品の外観検査方法における前記不良候補領域は、前記検査面色データと前記第一良品基準色データとの差に基づいて予備不良候補領域を抽出し、その抽出結果に基づいて不良候補判定処理を行なうことにより選定されることを特徴とする。
【0012】
上記したように、不良候補領域は、検査面色データと第一良品基準色データとの差を差分処理にて得るとともに、その処理結果からなる第一画像データを用いた画像処理にて選定される。この画像処理は、第一画像データから設定したしきい値を超えたものを抽出する処理とされるが、設定されるしきい値によって、当然、抽出されるデータは左右される。このことは、設定されるしきい値によって、選定される不良候補領域が、例えば、検査面の全ての領域に対応する、または、特定すべき不良領域より過小な領域に対応する、といったように種々の領域をとり得ることを意味する。また、この種々の領域を予備不良候補領域とする場合、第一画像データは、この予備不良候補領域を抽出した形と見なされる。そこで、この予備不良候補領域より、画像処理とされる不良候補判定処理にて不良候補領域を選定するために設定されるしきい値であるが、少なくとも、検査面内の各位置における良品として許容される数値範囲以下とする。このようにしきい値を設定することで、選定される不良候補領域を、検査面における不良領域を少なくとも含んだものとすることができる。一方、ここで設定されるしきい値を、良品として許容される数値範囲に比べて過小な値とすると、検査面内の全ての領域が不良候補領域に該当としてしまう、といったことが発生し得る。そこで、このことも加味し、電子回路用部品の種類や、その検査面内の各位置において求められる良品許容範囲を考慮した上で、設定されるしきい値は、良品として許容される数値範囲以下においも、その下限値は、適宜設定される。
【0013】
上記したように、1段階目の画像処理にあたる不良候補判定処理は、検査面色データと第一良品基準色データとの差を差分処理にて得た処理結果である第一画像データを用いて、不良候補領域の選定を行なうものである。そこで、この検査面色データを検査面色情報の3つの座標成分を表すものとするとともに、第一良品基準色データを、検査面色データの3つの座標成分それぞれに対応したものとする。そして、検査面色データと第一良品基準色データとのそれぞれ3つの座標成分の差を差分処理にて得るとともに、その処理結果を第一画像データとする。このような第一画像データを用いて3つの座標成分に対する不良候補判定処理を行なうことで、選定される不良候補領域の選定精度を向上させることができるとともに、外観検査における処理精度をさらに向上させることができる。
【0014】
次に本発明の電子回路用部品の外観検査方法における前記不良領域は、前記検査面色情報に用いられている3次元色空間座標系とは異なる3次元色空間座標系を用いて特定することを特徴とする。
【0015】
上記したように不良領域は、1段階目の画像処理にて選定された不良候補領域に対してのみ2段階目の画像処理である不良判定処理を行なうことにより特定される。この不良判定処理においては、不良領域を精度よく特定することが望まれる。そこで、不良判定処理に使用される第二画像データを、検査面色情報に用いられている3次元色空間座標系、つまりは、不良候補領域の選定の際に使用される第一画像データに用いられている3次元色空間座標系とは異なるものとする。このような第二画像データを用いて不良判定処理を行なうことで、不良候補領域を選定するために予め設定された、3次元色空間座標系の各座標成分に対応した第一良品許容値にては、不良とされる領域を、異なる3次元色空間座標系にて再度、判定することが可能となる。その結果、不良判定処理にて特定される不良領域の特定精度を向上させることができる。
【0016】
さらに、不良判定処理における処理速度をも高める方法として、不良判定処理に使用される第二画像データは、検査面色情報における3つの座標成分それぞれに対応した3つの色空間座標値を表すデータを、座標変換して作成されたデータを基にするものとする。このような第二画像データを用いて不良判定処理を行なうことで、その処理時間を短縮することが可能となる。また、不良判定処理は、不良候補領域に対してのみ行なわれる。よって、該領域に対応するデータのみ座標変換すればよく、従来の方法に比べて、座標変換に必要とされる時間を大幅に短縮することができる。
【0017】
さらに、不良判定処理における不良領域の絞込みの精度を向上させるために、不良判定処理は、上記した不良候補領域選定における画像処理と同様の方法を用いて行なうものとする。つまり、まず、不良候補領域の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる不良領域特定色情報を生成する。該不良領域特定色情報は、不良候補領域の各位置の位置情報と、この各位置における3次元色空間座標系の独立した3つの座標成分それぞれに対応した3つの色空間座標値から構成されたカラー画像情報とを含んだものである。また、この不良領域特定色情報は、検査面色情報とは異なる3次元色空間座標系からなるとともに、検査面色情報における3つの座標成分それぞれに対応した3つの色空間座標値を表すデータのうち、不良候補領域に対応するものを座標変換して生成させることもできる。次に、不良領域特定色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す不良領域特定色データを用意する。また、不良領域特定色情報を構成する不良候補領域の各位置におけるカラー画像情報の各座標成分それぞれに対して、第二良品基準値を予め設定させておくとともに、これら第二良品基準値からなる予め設定された第二良品基準色情報のうち、不良領域特定色データに対応する座標成分を表す第二良品基準色データを用意する。そして、このように用意された、不良領域特定色データと第二良品基準色データとの各座標成分の差を差分処理による演算処理にて得るとともに、その処理結果からなる第二画像データを作成する。さらに、この第二画像データを用いた画像処理とされる不良判定処理として、第二画像データから、設定したしきい値を超えたものを抽出する。ここで抽出されたデータに対応する検査面内の各位置の集合を、検査面の不良領域とする。このような不良判定処理により、検査面における不良領域の特定を行なうことで、その特定精度を向上させることができる。
【0018】
次に、上記した不良領域特定色データを不良領域特定色情報の3つの座標成分を表すものとするとともに、第二良品基準色データを、不良領域特定色データの3つの座標成分それぞれに対応したものとする。そして、不良領域特定色データと第二良品基準色データとのそれぞれ3つの座標成分の差を差分処理にて得るとともに、その処理結果を第二画像データとする。このような第二画像データを用いて3つの座標成分に対する不良判定処理を行なうことで、特定される不良領域の特定精度をさらに向上させることができるとともに、外観検査における処理精度をさらに向上させることができる。
【0019】
上記した、不良領域特定色データと第二良品基準色データとの差を差分処理にて得るとともに、その処理結果からなる第二画像データを用いて不良領域を特定する不良判定処理は、第二画像データから設定したしきい値を超えたものを抽出する処理とされるが、設定されるしきい値によって、当然、抽出されるデータは左右される。このことは、設定されるしきい値によって、特定される不良領域が、例えば、不良候補領域全ての領域に対応するといったように種々の領域をとり得ることを意味する。また、この種々の領域を予備不良領域とする場合、第二画像データは、この予備不良領域を抽出した形と見なされる。そこで、この予備不良領域より、不良判定処理にて不良領域を特定するために設定されるしきい値であるが、検査面の各位置における良品として許容される数値範囲程度とする。このようにしきい値を設定することで、特定される不良領域の特定精度をさらに高めることが可能となる。
【0020】
ここまでに、本発明の電子回路用部品の外観検査方法において、その処理精度および処理速度を高めるための方法について述べてきた。また、本発明の特徴は、外観検査におけるカラー画像処理を2段階にて行なうことである。特に、1段階目と2段階目における画像処理を、異なる3次元色空間座標系からなる画像データを用いて行なうことである。
そのような外観検査方法において、不良候補領域の選定を行なう1段階目の画像処理に用いられる第一画像データの3次元色空間座標系、つまりは、検査面色情報に用いられる3次元色空間座標系は、RGB(赤、緑、青)座標系からなるものが、特に有効である。なぜなら、外観をカラー撮像するためのカラー受光部としては、CCDカメラが多く用いられており、その検知出力の信号は、RGB座標系に対応したものとされるからである。次に、不良領域の特定を行なう2段階目の画像処理とされる不良判定処理に用いられる画像データとしては、HSI(色相、彩度、明度)座標系からなるものが、特に有効である。なぜなら、電子回路用部品の良品基準値は、目視により得られた判定基準を基に設定する必要があり、HSI座標系が、人の色感覚に近いものとされるからである。
【0021】
また、2段階目の画像処理とされる不良判定処理は、1段階目の画像処理にて選定された不良候補領域のみに対して行なわれる。よって、RGB座標系よりなる検査面色情報の3つの座標成分それぞれ対応する3つの色空間座標値を表すデータを、HSI座標系に座標変換する際には、不良候補領域に対応したデータのみを用いればよい。その結果、従来、HSI座標系に座標変換するために要した時間に比べて、その時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0022】
勿論、不良候補領域選定をなす1段階目の画像処理および不良領域特定をなす2段階目の画像処理それぞれに用いられる3次元色空間座標系は、上記のものに限定されるものではない。例えば、不良候補領域選定における画像処理を、RGB座標系よりなる画像データを用いて行い、不良領域特定における画像処理を、RGB座標系を用いたパターンマッチング方式によるものとすることも可能である。また、不良候補領域選定における画像処理を、RGB座標系の一つ又は二つの座標成分に対応する画像データを用いて行い、不良領域特定における画像処理を、RGB座標系の三つの座標成分に対応する画像データを用いて行なうことも可能である。さらに、RGB座標系およびHSI座標系は、それぞれ独立した3つの座標成分からなるが、該座標成分に従属する座標成分を加えた、4つ以上の座標成分よりなる画像データを用いて画像処理することも可能である。
【0023】
上記のように、画像処理に用いられる画像データをなす3次元色空間座標系は、外観検査処理において、必要とされる処理精度または処理時間を考慮して、適宜選択されるものである。第一として、本発明における、画像処理方法または画像処理に用いられる画像データをなす3次元色空間座標系は、公知のものが適要可能である。
【0024】
次に、上述してきたような電子回路用部品の外観検査方法を行なうための外観検査装置について述べる。そこで、本発明の電子回路用部品の外観検査装置は、
電子回路用部品の検査面を撮像するカラー受光部と、
該カラー受光部の検知出力に基づいて前記検査面内の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる検査面色情報を生成する検査面情報生成手段と、
該検査面色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す検査面色データと予め設定された第一良品基準色情報のうち前記検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準色データとの差に基づいて不良候補領域を選定する不良候補領域選定手段と、
この不良候補領域のみにさらに画像処理を行なうことにより前記検査面における不良領域を特定する不良領域特定手段と、
を備えてなることを特徴とする。
【0025】
まず、カラー受光部にて電子回路用部品の検査面のカラー画像を撮像し、その検査面の各位置それぞれに対応した各画素にてカラー画像の入力信号を検知するとともに、-各画素におけるカラー画像を表す3次元色空間座標系の3つの座標成分それぞれに対応する検知出力の信号を、カラー受光部より出力させる。次に、出力された検知出力のアナログ信号に基づいて検査面内の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分それぞれに対応する3つの色空間座標値よりなる検査面色情報をデジタル信号として生成する検査面情報生成手段は、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータに具備させることができる。そして、該検査面色情報のうち少なくととも1つの座標成分を表す検査面色データと、予め設定された第一良品基準色情報のうち検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準データとの各座標成分の差を差分処理による演算処理にて得るとともに、その処理結果からなる第一画像データを作成し、さらに、該第一画像データより設定されたしきい値を超えるものを抽出する画像処理を行なうことで、検査面における不良候補領域を選定する不良候補領域選定手段は、上記同様にPCなどのコンピュータに具備させることができる。このような手段を具備することで、上記不良候補領域選定を行なうことが可能となる。また、不良候補領域選定にて選定された領域の各位置の情報が記録されたデータを基に、該領域のみさらに画像処理を行って検査面における不良領域を特定する手段も、コンピュータに具備させることができる。このような手段を具備した本発明の外観検査装置を用いることで、上述したような電子回路用部品の外観検査方法を行なうことができる。
また、カラー受光部から出力される検知出力の出力値に対応したデータを、異なる座標系に座標変換させて、新たなデータを作成する必要がある場合、その座標変換させるための演算処理および該演算処理の処理結果からなるデータを作成する手段は、コンピュータに具備させることができる。
【0026】
ここまでに、本発明の電子回路用部品の外観検査方法および外観検査装置について述べた。次に、このような外観検査方法により、電子回路用部品の外観検査を行なう外観検査工程を有する本発明の電子回路用部品の製造方法について述べる。まず、配線パターンを基板上に形成させる工程にて、電子回路用部品の素子機能に応じた配線パターンが形成される。このような配線パターンが形成された基板上の外観に対して、異物の付着、変色、クラック、表面の剥がれ等の不良領域を外観検査する必要がある。そこで、この配線パターンが形成された基板上の検査面に対する外観検査を上記したような外観検査方法を用いた判定工程にて行なう。該判定工程においては、まず、上記した外観検査方法と同様の方法を用いて、1段階目の画像処理にて不良候補領域を選定し、この選定された不良候補領域に対してのみ2段階目の画像処理を順次行なうことで、基板上の検査面における不良領域の特定を行なう。そして、さらに、特定された不良領域に対応する配線パターンの各部位における面積、長さ等の形状をそれぞれ評価することで、最終的な不良判定・選別を行なう。このような作業工程にて基板上の検査面の外観に対する判定工程を行なうことで、その外観検査の処理精度および処理速度を向上させることができる。その結果、製造される電子回路用部品の歩留まりの向上を可能とするとともに、その製造効率を高めることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明を行なう。
図1は、本発明の電子回路用部品の外観検査装置の一実施形態を示す概略構成図である。外観検査装置100は、電子回路用部品1を載置するステージ20を具備してなる。また、ステージ20は、移動制御装置50からの電力により、電子回路用部品1の位置決め及び搬送を、自動的に行なうことができる。外観検査装置100は、その他に、光源30からの光を電子回路用部品1の検査面上に照明させるための照明装置40、カラー受光部2および画像処理装置11などを含んだ構成とされる。カラー受光部2は、外観検査対象となる電子回路用部品1の検査面の外観のカラー画像を撮像し、その検査面の各位置それぞれに対応した各画素にてカラー画像の入力信号を検知するとともに、各画素におけるカラー画像を表す3次元色空間座標系の3つの座標成分それぞれに対応する検知出力の信号を画像処理装置11に出力する機能を持つ。次に、画像処理装置11は、図3に示すように、演算処理等の機能をなすCPU13、データを記憶する機能をなすメモリ14、データを保管および蓄積する機能をなすハードディスク15、カラー受光部2から出力される、カラー画像を表す3次元色空間座標系の3つの座標成分それぞれに対応する検知出力の信号を取り込むとともに、そのアナログ信号をデジタル信号にA/D変換させる機能を持つ画像取込ボード16、および、取込画像や処理状態等を表示するモニター12などを有してなる。このような画像処理装置11により、画像データの作成、画像処理等を行なうことができる。なお、図1および図3における画像処理装置11の形態は、パーソナルコンピュータ(PC)を主体としたものとなっているが、PCの代わりにワークステーションなど汎用コンピュータを使用することもできる。また、画像取込および処理機能を特化させた画像処理装置を、コンピュータに外部接続させる形態にて機能させることもできる。さらに、ハードディスク15を、ここでは補助記憶装置として位置づけているが、この補助記憶装置としてのハードディスクをMO、CD−ROMなどのリームバル記憶媒体、または、LANなどで接続された外部の記憶媒体に置き換えることもできる。一方、メモリ14は、画像データの記憶ならびに画像処理、演算処理等に用いられるが、これらメモリ14の機能をハードディスク15にてなすことも勿論可能である。
【0028】
次に、図1、図2および図3を併用して本発明の外観検査方法について説明を行なう。図2は、外観検査方法の一作業手順を示すものである。ステージ20に載置された電子回路用部品1の検査面に対して、光源30からの光を照明装置40を介して照射し、電子回路用部品1の検査面の外観のカラー画像をカラー受光部2にて撮像するとともに、その検査面の各位置に対応する各画素における、カラー画像を表す3次元色空間座標系の3つの座標成分それぞれに対応する検知出力の信号を画像処理装置11に出力する。そして、画像処理装置11の画像取込ボード16にて、入力された検知出力の信号を、A/D変換するとともに、デジタル信号としての検査面色情報を生成する。この検査面色情報は、検査面の各位置、つまりは、検査面の外観のカラー画像を区画化した各画素の位置における、3次元色空間座標系の独立した3つの座標成分それぞれに対応した3つの色空間座標値から構成されるものである。このように、検査面色情報は、検査面の各位置の位置情報と、その各位置におけるカラー画像情報とを含むものである。このような検査面色情報を画像取込ボード16を介して、検査面のカラー画像の情報として、画像処理装置11に取り込む。この作業がステップ1にあたる。
【0029】
ステップ1にて画像処理装置11に入力された検査面色情報を、画像処理装置11のメモリ14に第一検査画像として保管しておく。そして、予めメモリ14に読み込ませておいた基準画像と比較し、第一検査画像において位置ズレがある場合は、そのズレ量を画像処理装置11にて計算する。その後、該ズレ量を基に第一検査画像の位置補正を行い、メモリ14に保管する。この作業がステップ2にあたる。
【0030】
ステップ2にて、メモリ14に保管された第一検査画像は、検査面色情報と同様の情報を有するものであり、検査面色情報を構成する検査面の各位置におけるカラー画像情報の3つの座標成分それぞれを表す3座標成分からなる。次に、その3つの座標成分それぞれを表す3座標成分のうち、すくなくとも1つの座標成分よりなる検査面色データを画像処理装置11にて作成する。また、検査面色情報を構成する検査面の各位置におけるカラー画像情報の各座標成分それぞれに対して、第一良品基準値を予め設定させておくとともに、これら第一良品基準値からなる第一良品基準色情報を予めメモリ14に読み込ませておく。そして、該第一良品基準色情報のうち、検査面色データの座標成分に対応する座標成分を表す第一良品基準色データを画像処理装置11にて作成するとともに、該第一良品基準色データと検査面色データとの各座標成分の差を、画像処理装置11のCPU13およびメモリ14を用いた差分処理による演算処理にてもとめ、その処理結果からなる第一画像データを作成する。この作業が、ステップ3にあたる。その後、該第一画像データから、設定されたしきい値を超えたデータを抽出するという、画像処理を行なう。この画像処理にて抽出されたデータに対応する検査面内の各位置の集合を、不良候補領域とする。この作業が、ステップ4の不良候補領域選定にあたる。
【0031】
ステップ4にて抽出されたデータは、不良候補領域の各位置の位置情報を持つものである。そこで、この抽出されたデータを、第一抽出データとしてメモリ14に保管するとともに、ステップ2にてメモリ14に保管された第一検査画像との比較処理を行ない、不良候補領域の各位置におけるカラー画像情報の3つの座標成分それぞれを表す3座標成分からなる第一抽出検査画像を作成する。該第一抽出検査画像を基に、画像処理装置11でさらに画像処理を行なう。このような画像処理による不良判定処理にて、検査面における不良領域の特定がなされる。この作業が、ステップ5の不良領域特定にあたる。
【0032】
上記ステップ5までの作業によって、2段階に分けた画像処理による検査面における不良領域の特定が行なわれる。また、1段階目にあたるステップ4の画像処理は、カラー受光部からの検知出力の信号と同じ3次元色空間座標系からなる画像データを用いている。その結果、画像データを作成する過程において座標変換を行なう作業を必要としないので、画像処理の処理時間を短縮することができる。さらに、不良領域を特定するために行なわれる2段階目の画像処理(ステップ5)は、1段階目の画像処理(ステップ4)にて選定された不良候補領域のみに対して行なわれるので、画像処理の処理時間を低減することが可能となる。また、2段階にて画像処理行なうことで、検査面に対する外観検査の検査精度を高めることが可能となる。
【0033】
次に、ステップ5の作業の後、特定された不良領域のみに対応した第二抽出検査画像を用いて、電子回路用部品1の検査面内において不良領域とされた各部位それぞれの面積、長さを画像処理装置11にて解析を行ない、形状評価データを作成する。該形状評価データから、電子回路用部品1の検査面内に形成された配線パターンの各部位ごとに設定されたしきい値を超えるものが抽出された場合、その電子回路用部品1を不良と判定する。この作業が、ステップ6の形状評価による良否判定にあたる。
【0034】
上記の作業手順により、電子回路用部品1の外観検査が行なわれるが、この作業手順は、一例にすぎない。ステップ2の位置補正や、画像処理装置11におけるデータの作成、演算処理および解析の方法・手順等は、公知のものが適用可能である。また、ステップ4の画像処理においても、例えば、第一良品基準値と、設定されたしきい値との値をそれぞれ交換させて、同様の画像処理を行なうことも可能である。
【0035】
次に、画像データに用いられる3次元色空間座標系の具体例および、ステップ5の不良領域特定の具体例を合わせて、以下に本発明の外観検査方法の実施例について説明を行なう。
【0036】
(実施例1) カラー受光部2として、光の三原色(赤R、緑G、青B)別に、カラー画像を取り込めるものを用いる。例えば、CCD型の3板式カラーラインセンサカメラなどを用いる。このようなラインセンサカメラ2を用いて、図4に示すように、電子回路用部品1を載置したステージ20をカメラスキャン方向とは垂直方向とされるX方向に移動させることにより、電子回路用部品1の検査面の外観のカラー画像を、R、G、B別に検査面色情報として画像処理装置11に取り込む。また、R、G、B別の各取り込み画像は、図4に示すように、画素を最小単位として構成され、各画素の大きさは、使用するラインセンサカメラ2の種類やレンズの種類により決まる分解能にて規定される。一方、R、G、B別にラインセンサカメラ2より画像処理装置11に出力される検知出力の出力値を表す輝度の大きさは、画像処理装置11にて、例えば、0〜255の1バイトのデジタル値に変換される。このようにして、検査面の各位置にそれぞれが対応した各画素の位置における、R、G、B座標成分それぞれに対応した色空間座標値から構成される検査面色情報を、画像処理装置11に取り込むとともに、該検査面色情報は、検査面の各位置の位置情報と、その各位置におけるRGB座標系にて表されるカラー画像情報とを含むものとされる。
【0037】
次に、画像処理装置11に入力された検査面色情報を、画像処理装置11のメモリ14に第一検査画像として保管しておく。そして、予めメモリ14に読み込ませておいた基準画像と比較し、第一検査画像において位置ズレがある場合は、そのズレ量を画像処理装置11に計算する。その後、該ズレ量を基に第一検査画像の位置補正を行ない、メモリ14に保管する。
【0038】
上記位置補正を行なった後、メモリ14に保管された第一検査画像における検査面の各位置のカラー画像情報を表すそれぞれR、G、B座標成分のうち、少なくとも1つの座標成分よりなる検査面色データを画像処理装置11にて作成する。また、検査面の各位置におけるR、G、B座標成分それぞれに対して、第一良品基準値を予め設定させておくとともに、これら第一良品基準値からなる第一良品基準色情報を予めメモリ14に読み込ませておく。そして、該第一良品基準色情報のうち、検査面色データの座標成分に対応する座標成分を表す第一良品基準色データを画像処理装置11にて作成するとともに、該第一良品基準色データと検査面色データとの各座標成分の差を、CPU13およびメモリ14を用いた差分処理にてもとめ、その処理結果からなる第一画像データを作成する。その後、該第一画像データから設定されたしきい値を超えたものを抽出するという、画像処理を行なう。この画像処理にて抽出されたデータに対応する検査面内の各位置の集合を、不良候補領域とする。また、該画像処理にて設定されるしきい値を、少なくとも良品許容範囲以下のものとすることで、抽出されたデータを基に選定される不良候補領域を少なくとも不良領域が含有されたものとすることができる。
【0039】
上記不良候補領域選定は、検査面の外観のR、G、B別のカラー画像のうち少なくとも一つのカラー画像に対して行なわれる。例えば、外観が緑(G)色に近いものである場合は、上記第一検査画像のうちG座標成分のみからなる検査面色データを用いた画像処理を行なう。または、外観が白色に近いものである場合は、上記第一検査画像のR、G、B座標成分の3座標成分よりなる検査面色データを用いた画像処理を行なうといった様に、画像処理を行なうために作成される検査面色データを構成する座標成分の種類および座標成分数は、適宜選択されるものである。
【0040】
次に、上記不良領域選定を行なうための画像処理にて抽出されたデータを、第一抽出データとしてメモリ14に保管するとともに、メモリ14に保管された第一検査画像との比較処置を行ない、不良候補領域の各位置におけるカラー画像情報のR、G、B座標成分それぞれを表す3座標成分からなる第一抽出検査画像を作成する。次に、このR、G、B座標成分よりなる第一抽出検査画像を、色相H、彩度S、明度Iを座標成分とするHSI座標系に、CPU13およびメモリ14を用いて座標変換を行ない、不良領域特定色情報を生成するとともに、第二検査画像としてメモリ14に保管する。この不良領域特定色情報、つまり、第二検査画像は、不良候補領域の各位置の位置情報と、その各位置におけるHSI座標系にて表されるカラー画像情報とを含んだものである。また、色相Hは、色合いを表すものであり、図5(a)に示すように、周方向に対してR(赤)、Y(黄)、G(緑)、C(シアン)、B(青)、M(マゼンダ)が規定され、その中心に対する角度により色合いが定義されるものである。そこで、該色合いを示す0〜360度の範囲からなる角度を、0〜255(1バイト)の値に割り充てたものを、H座標成分の色空間座標値とする。例えば、Rを0とすると、Gが85、Bが170となり、255で再びRとなる。次に、図5(b)のHSI座標系に示すように、色の鮮やかさを表す彩度Sは、中心からの長さにて定義されるものである。そこで、その長さを、0〜255(1バイト)の値に割り充てたものを、S座標成分の色空間座標値とする。最後に、色の明るさを表す明度Iは、中心軸上の位置で定義されるものである。そこで、その位置を、0〜255(1バイト)の値に割り充てたものを、I座標成分の色空間座標値とする。
【0041】
上記のようにそれぞれの座標成分の色空間座標値が規定された、第二検査画像を用いて、不良領域を特定するための不良判定処理とされる画像処理を以下の手順でおこなう。まず、メモリ14に保管された第二検査画像における不良候補領域の各位置のカラー画像情報を表すそれぞれH、S、I座標成分のうち、少なくとも1つの座標成分よるなる不良領域特定色データを画像処理11にて作成する。また、検査面の各位置におけるH、S、I座標成分それぞれに対して、第二良品基準値を予め設定させておき、これら第二良品基準値からからなる全第二良品基準色情報を予めメモリ14に読み込ませておくとともに、該全第二良品基準色情報と、メモリ14に保管された第一抽出データとの比較処理を行ない、不良候補領域の各位置におけるH、S、I座標成分それぞれに対して予め設定された第二良品基準値から構成される第二良品基準色情報を作成し、メモリ14に保管させておく。そして、該第二良品基準色情報のうち、不良領域特定色データの座標成分に対応する座標成分を表す第二良品基準色データを画像処理装置11にて作成するとともに、該第二良品基準色データと不良領域特定色データとの各座標成分の差を、CPU13およびメモリ14を用いた差分処理にてもとめ、その処理結果からなる第二画像データを作成する。その後、該第二画像データから設定されたしきい値を超えたものを抽出するという、不良判定処理にあたる画像処理を行なう。この画像処理にて抽出されたデータに対応する検査面内の各位置の集合を、不良領域とする。また、該画像処理にて設定されるしきい値は、良品許容範囲程度のものとすることで、精度よく不良領域を特定することができる。このような手順にて不良領域を特定するための画像処理がなされる。また、この画像処理においても、用いられる不良領域特定色データを構成する座標成分の種類および座標成分数は、必要とされる不良領域特定のための特定精度等を考慮し、適宜選択されればよい。
【0042】
上述のような方法にて、不良候補領域選定および不良領域特定が行なわれるが、不良候補領域選定での画像処理に用いられる第一画像データは、RGB座標系に対応したものであり、他方、不良領域特定での画像処理に用いられる第二画像データは、HSI座標系に対応したものである。このような3次元色空間座標系を選択することで、不良候補領域選定の画像処理に用いられる第一画像データを、カラー受光部から検知出力として出力される信号と同様の3次元色空間座標系とすることができ、他方、不良領域特定の画像処理に用いられる第二画像データにおいては、良品基準値を設定する際、その基になる目視判定をなす人の色感覚に近い3次元色空間座標系とすることができる。その結果、外観検査の処理精度および処理速度を高めることが可能となる。さらに、不良領域特定に際して必要とされるHSI座標系へのデータの座標変換処理は、不良候補領域選定にて選定された不良候補領域に対応するデータに対してのみ行なえばよい。そのため、従来、必要とされたHSI座標系への座標変換処理に要する処理時間に比べて、その処理時間を大幅に低減させることが可能となる。
【0043】
次に、上記不良領域特定における画像処理にて、第二画像データから抽出されたデータは、不良領域の各位置の位置情報を持つものである。そこで、この抽出されたデータを第二抽出データとするとともに、第二抽出検査画像としてメモリ14に保管する。そして、該第二抽出検査画像を用いて、図2に示すステップ6の形状評価による良否判定を、上述と同様の方法にて行ない、最終的な外観の良否判定とする。
【0044】
次に、不良領域特定を、RGB座標系に対応する画像データを用いた、パターンマッチング方式による画像処理にて行なう場合を、実施例2として以下に説明する。
【0045】
(実施例2) 不良領域特定までの手順は、実施例1と同様の手順にて行なう。実施例1の不良候補領域選定にて選定された、不良候補領域の各位置におけるカラー画像情報のR、G、B座標成分それぞれを表す3座標成分からなる第一抽出検査画像を用いて、不良領域特定を行なう。該第一抽出検査画像は、R座標成分、G座標成分、B座標成分それぞれのカラー画像の情報から構成されるカラー画像情報と、不良候補領域の各位置の位置情報とを含むものである。そこで、このR座標成分、G座標成分、B座標成分別の良品パターンをそれぞれ表す3つの色パターン成分からなるパターンデータを予め作成しておき、少なくともその一つの色パターン成分と、該色パターン成分に対応する第一抽出検査画像の座標成分とを、不良候補領域の各位置に対応する形で比較処理する。該比較処理による画像処理にて、良品パターン以外の不良欠陥からなる不良領域が、データとして抽出される。このようにして、不良領域特定を行なう。
【0046】
上記パターンマッチング方式による画像処理は、第一抽出検査画像の少なくとも一つの座標成分に対して行なわれる。例えば、不良候補領域選定における画像処理を、G座標成分に対してのみ行なった場合は、パターンマッチング方式による画像処理を、R、G、B座標成分の全てに対して行ない、不良領域を特定するための特定精度を高めることができる。この様に、パターンマッチング方式による画像処理においても、使用される座標成分の種類および座標成分数は、必要とされる不良領域特定の特定精度等を考慮し、適宜選択されればよい。
【0047】
実施例2による画像処理にて不良領域特定を行なう場合、実施例1におけるHSI座標系を用いた画像処理に場合に比べて、その画像処理の処理時間を短縮できる利点がある。また、実施例2による不良候補領域選定および不良領域特定の2段階の外観検査方法にて、十分、検査面に対する外観検査の検査精度が確保できる電子回路用部品を扱う場合、実施例2の外観検査方法は、特に有効な方法となる。
【0048】
上述してきた本発明の外観検査方法を用いることで、電子回路用部品の検査面に対して行なわれる外観検査の検査精度および検査速度を高めることが可能となる。また、電子回路用部品の素子機能に応じた配線パターンが基板上に形成された、該基板上の外観に対して、異物の付着、変色、クラック、表面の剥がれ等を外観検査する判定工程を有する電子回路用部品の製造方法においても、該判定工程を本発明の外観検査方法と同様な方法を用いて行なうことで、その外観に対する検査精度および検査速度を向上させることができる。
【0049】
尚、上述した本発明に係わる実施形態および実施例は、あくまで一例であって、電子回路用部品の検査面の外観検査を2段階からなる画像処理にて行なう概念のものは、本発明の概念に内包されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外観検査装置の一実施形態を示す概略構成図。
【図2】本発明の外観検査方法の一作業手順を示す概略工程図。
【図3】本発明の外観検査装置の要部の概略構成図。
【図4】本発明の外観検査方法を説明するための模式図。
【図5】本発明の外観検査方法に用いられる3次元色空間座標系を説明するための模式図。
【符号の説明】
1 電子回路用部品
2 カラー受光部(ラインセンサカメラ)
11 画像処理装置
100 外観検査装置

Claims (9)

  1. 子回路用部品の検査面からの検査光をカラー受光部にて受光し、該カラー受光部の検知出力に基づく電子回路用部品の外観検査方法であって、
    前記検査面内の各位置において、光の三原色である赤R、緑Gおよび青Bの3つの座標成分とするRGB座標系に基づいた3次元色空間座標系よりなる検査面色情報を生成し、
    該検査面色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す検査面色データと予め設定された第一良品基準色情報のうち前記検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準色データとの差に基づいて不良候補領域を選定し、
    この不良候補領域の選定結果に基づいて行なわれる不良判定処理は、前記検査面色情報に用いられている3次元色空間座標系とは異なる3次元色空間座標系を用いて前記検査面における不良領域を特定することを特徴とする電子回路用部品の外観検査方法。
  2. 前記不良候補領域は、前記検査面色データと前記第一良品基準色データとの差に基づいて予備不良候補領域を抽出し、その抽出結果に基づいて不良候補判定処理を行なうことにより選定されることを特徴とする請求項1記載の電子回路用部品の外観検査方法。
  3. 前記不良候補判定処理は、前記検査面内の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる検査面色情報を生成し、該検査面色情報の3つの座標成分を表す検査面色データと予め設定された第一良品基準色情報のうち前記検査面色データと対応する座標成分を表す第一良品基準色データとの差に基づいて不良候補領域を選定する処理であることを特徴とする請求項2に記載の電子回路用部品の外観検査方法。
  4. 前記不良判定処理は、前記不良候補領域の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる不良領域特定色情報を生成し、該不良領域特定色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す不良領域特定色データと予め設定された第二良品基準色情報のうち前記不良領域特定色データに対応する座標成分を表す第二良品基準色データとの差に基づいて不良領域を特定する処理であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子回路用部品の外観検査方法。
  5. 前記不良判定処理は、前記不良候補領域の各位置における3次元色空間座標系の3つの座標成分よりなる不良領域特定色情報を生成し、該不良領域特定色情報の3つの座標成分を表す不良領域特定色データと予め設定された第二良品基準色情報のうち前記不良領域特定色データに対応する座標成分を表す第二良品基準色データとの差に基づいて不良領域を特定する処理であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子回路用部品の外観検査方法。
  6. 前記不良判定処理は、前記不良領域特定色データと前記第二良品基準色データとの差に基づいて予備不良領域を抽出し、その抽出結果に基づいて不良領域を特定する処理であることを特徴とする請求項またはに記載の電子回路用部品の外観検査方法。
  7. 前記不良領域を特定するための前記不良判定処理に用いられる3次元色空間座標系は、色相H、彩度Sおよび明度Iを座標成分とするHSI座標系のものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の電子回路用部品の外観検査方法。
  8. 電子回路用部品の外観検査に用いられる外観検査装置であって、電子回路用部品の検査面を撮像するカラー受光部と、
    該カラー受光部の検知出力に基づいて、前記検査面内の各位置において、光の三原色である赤R、緑Gおよび青Bの3つの座標成分とするRGB座標系に基づいた3次元色空間座標系よりなる検査面色情報を生成する検査面情報生成手段と、
    該検査面色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す検査面色データと予め設定された第一良品基準色情報のうち前記検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準色データとの差に基づいて不良候補領域を選定する不良候補領域選定手段と、
    この選定された不良候補領域のみにさらに画像処理を行なうことにより、前記検査面色情報に用いられている3次元色空間座標系とは異なる3次元色空間座標系を用いて、前記検査面における不良領域を特定する不良領域特定手段と、
    を備えてなることを特徴とする電子回路用部品の外観検査装置。
  9. 基板上に配線パターンを形成する工程と、
    該配線パターンが形成された基板上の検査面からの検査光をカラー受光部にて受光し、
    該カラー受光部の検知出力に基づいて前記検査面内の各位置において、光の三原色である赤R、緑Gおよび青Bの3つの座標成分とするRGB座標系に基づいた3次元色空間座標系よりなる検査面色情報を生成し、
    該検査面色情報のうち少なくとも1つの座標成分を表す検査面色データと予め設定された第一良品基準色情報のうち前記検査面色データに対応する座標成分を表す第一良品基準色データとの差に基づいて不良候補領域を選定し、
    この選定された不良候補領域のみにさらに画像処理を行なうことにより、前記検査面色情報に用いられている3次元色空間座標系とは異なる3次元色空間座標系を用いて、前記検査面における不良領域を特定し、
    その特定された不良領域に基づいて配線パターンの不良判定・選別を行なう判定工程と、
    を含むことを特徴とする電子回路用部品の製造方法。
JP2002103808A 2002-04-05 2002-04-05 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法 Expired - Fee Related JP4090775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002103808A JP4090775B2 (ja) 2002-04-05 2002-04-05 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002103808A JP4090775B2 (ja) 2002-04-05 2002-04-05 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003302354A JP2003302354A (ja) 2003-10-24
JP4090775B2 true JP4090775B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=29389412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002103808A Expired - Fee Related JP4090775B2 (ja) 2002-04-05 2002-04-05 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4090775B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4548086B2 (ja) * 2004-10-15 2010-09-22 株式会社ニコン 欠陥検査装置
JP2007010525A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Dac Engineering Co Ltd 欠陥検出方法
WO2008152801A1 (ja) 2007-06-13 2008-12-18 Nikon Corporation 検査装置、検査方法およびプログラム
US10841458B2 (en) 2018-03-02 2020-11-17 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus, image processing method, and storage medium
JP7191173B1 (ja) * 2021-09-17 2022-12-16 Ckd株式会社 基板検査装置及び基板検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003302354A (ja) 2003-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4830501B2 (ja) 基板検査方法および装置、並びに、その検査ロジック設定方法および装置
JP4736764B2 (ja) 基板検査装置並びにその検査ロジック設定方法および検査ロジック設定装置
US20060018534A1 (en) Technique for detecting a defect of an object by area segmentation of a color image of the object
JP2015143656A (ja) 検査装置および検査方法
JP4492356B2 (ja) 基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置
JP3906780B2 (ja) 部品コード変換テーブルに対するデータ登録方法、基板検査データの作成装置、登録処理用のプログラムおよびその記憶媒体
JP2005121546A (ja) 欠陥検査方法
JP4090775B2 (ja) 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法
JP4190243B2 (ja) 電子回路用部品の外観検査方法及び外観検査装置並びに電子回路用部品の製造方法。
JP4354173B2 (ja) 電子回路用部品の外観検査装置
JP3241050B2 (ja) 半導体の外観検査装置
JP4506395B2 (ja) 基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置
JP2014062837A (ja) 欠陥検査装置及び欠陥レビュー装置
JP4354174B2 (ja) 電子回路用部品の製造方法
JP2004132950A (ja) 外観検査装置及び外観検査方法
JP4507785B2 (ja) 基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置
JP2002195958A (ja) 表面検査方法
KR20060084348A (ko) 고체 촬상 소자 검사 시스템
JP2006078285A (ja) 基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置
JP2006098093A (ja) 基板検査装置および基板検査方法並びに基板検査装置の検査ロジック生成装置および検査ロジック生成方法
JP4961370B2 (ja) 検査方法および検査装置
JP2006284543A (ja) 実装回路基板検査方法および実装回路基板検査装置
JP4858227B2 (ja) 検査パラメータ設定支援装置、その制御プログラムおよび制御方法
JP4419778B2 (ja) 基板検査装置並びにそのパラメータ設定方法およびパラメータ設定装置
JP4889018B2 (ja) 外観検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees