JP4089078B2 - データ取得装置及びデータ取得方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度や方位等の地学的データを取得するデータ取得装置、及びデータ取得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池を電源として動作する電子式の腕時計においては、使用者に単に時刻を知らせるだけでなく、例えば圧力センサを備えることにより高度(海抜高度)を、また磁気センサを備えることにより方位(磁北の方向)を計測できるものがある。一方、例えば自動車のナビゲーション装置に用いられているGPS受信機、あるいは電池を電源として動作するハンディタイプのGPS受信機においては、GPS衛星から送られてくる測位情報に基づき自己の現在位置と同時に、現在位置の高度および方位の計測が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した圧力センサを用いた高度計測では、気圧に基づき高度を計測するため天候の影響による誤差が不可避的に生じ、また、磁気センサを用いて高精度の方位計測を行うためには、磁気センサ毎に異なる特性の調整が製造段階において必要となっている。これに対し、GPS衛星を用いた高度計測、及び方位計測では、所定数以上のGPS衛星が捕捉できなければ、正確な計測ができないという欠点がある。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、使用者の現在地における高度や方位等の正確な地学的データが取得可能なデータ取得装置及びデータ取得方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1の受信装置にあっては、
自己の現在地に関する地学的データを取得するデータ取得装置であって、
前記地学的データの取得に用いる基礎データを検出する検出手段と、
衛星から送られてくる測位情報を受信する受信手段と、
前記検出手段により検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、前記受信手段により受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとする補正手段と、
各地の地形情報が記憶された地形情報記憶手段と、
前記受信手段により受信された測位情報に基づき自己の現在地を示す位置データを取得する位置データ取得手段と、
この位置データ取得手段により取得された現在データにより示される現在地が平地か否かを、前記地形情報記憶手段に記憶された地形情報に基づき判断する判断手段とを備え、
前記補正条件は、前記判断手段による現在地が平地であるとの判断であり、
前記補正手段は、取得する地学的データの種類に応じて決められた補正条件が満たされたとき、前記第1の地学的データを前記第2の地学的データにより補正することを特徴とする。
【0006】
請求項1の受信装置によれば、検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとすることができる。よって、より正確な地学的データが取得可能となる。また、現在地が平地か否かを、記憶された地形情報に基づき確実かつ迅速に判断することができる。
【0009】
また、請求項2の受信装置にあっては、
自己の現在地に関する地学的データを取得するデータ取得装置であって、
前記地学的データの取得に用いる基礎データを検出する検出手段と、
衛星から送られてくる測位情報を受信する受信手段と、
前記検出手段により検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、前記受信手段により受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとする補正手段とを備え、
前記補正手段は、取得する地学的データの種類に応じて決められた補正条件が満たされたとき、前記第1の地学的データを前記第2の地学的データにより補正し、
前記補正条件は、前記第1の地学的データと前記第2の地学的データとの差が所定の範囲内にあるとの条件であることを特徴とする。
【0010】
請求項2の受信装置によれば、検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとすることができる。よって、より正確な地学的データが取得可能となる。また、取得する地学的データの種類に応じて決められた補正条件が満たされたとき、第1の地学的データを第2の地学的データにより補正することができる。また、補正条件を、第1の地学的データと第2の地学的データとの差が所定の範囲内にあるとの条件であるとすることができる。
【0016】
請求項3に記載のデータ取得方法にあっては、
自己の現在地の高度を示す高度データを取得するデータ取得方法において、各地の地形情報が記憶された地形情報記憶手段をアクセスし、この地形情報記憶手段に記憶された地形情報に基づき、現在地が予め定められている地形か否かを判断し、その判断の結果、現在地が予め定められている地形であるとき、自己が検出した基礎データに基づき取得した第1の高度データを、衛星から受信した測位情報に基づき取得した第2の高度データによって補正し、補正後のデータを取得データとすることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載のデータ取得方法によれば、各地の地形情報が記憶された地形情報記憶手段をアクセスし、この地形情報記憶手段に記憶された地形情報に基づき、現在地が予め定められている地形か否かを判断し、その判断の結果、現在地が予め定められている地形であるとき、自己が検出した基礎データに基づき取得した第1の高度データを、衛星から受信した測位情報に基づき取得した第2の高度データによって補正し、補正後のデータを取得データとすることができる。よって、より正確な地学的データが取得可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係るデータ取得装置1を示すブロック図である。
【0021】
このデータ取得装置1は、使用者の腕に装着可能な腕時計型であるとともに、GPSアンテナ2及びGPS処理部3を有している。GPS処理部3は、RF、A/D、データレジスタ、カウンター、デコーダー、及びそれらの制御を行うCPU、ROM及びRAM等により構成されている。GPS処理部3はGPSアンテナ2によって受信されたGPS衛星からのL1帯の受信電波を増幅・復調した後、エフェメリス情報やアルマナック情報といった衛星データの解読を行い、解読したデータに基づき自己位置の計算等の位置計測を行う。GPS処理部3による計測結果は、データ取得装置1全体を制御するCPU4へ送られた後、表示回路5に設けられているLCD(図示せず)に表示される。なお、表示器には、測定が行われていないときには、時計の文字盤、及び図外の時計部からCPU4へ送られた現在時刻が表示される。GPS処理部3及びCPU4への電力供給は、電源(電池)を含む電源回路6によって行われている。CPU4は、RAM7をワーキングメモリとして使用しつつ、ROM8に格納されているプログラムに基づき動作し、GPS処理部3等の各部を制御する。前記RAM7には、CPU4の制御に際して各種データが記憶される。
【0022】
また、CPU4には、ユーザーが測位装置1の操作を行うための複数のスイッチが接続されたスイッチ入力部9と、衛星データ記憶部10、地図データ記憶部11、方位検出部12、高度検出部13が接続されている。衛星データ記憶部10は、GPS処理部3により読み出されたり或いは更新されたりするエフェメリス情報やアルマナック情報といった衛星データ保存するためのEEPROM等の不揮発性メモリである。地図データ記憶部11は、地図データや測位系データ等の変更されないデータが格納されたROMであって、前記地図データには、各地点の標高データ等の地形情報が含まれている。方位検出部12は地磁気の方向を検出するための磁気センサ14(例えばMR素子(磁気抵抗素子))を有しており、磁気センサ14の検出信号は方位検出部12によって処理されCPU4へ送られる。また、高度検出部13は気圧を検出するための圧力センサ15を有しており、圧力センサ15の検出信号は高度検出部13によって処理されCPU4へ送られる。
【0023】
次に、以上の構成からなるデータ取得装置1において、例えば使用者によって高度測定モードが設定されているときCPU4により実行される高度測定処理に関する動作を図2のフローチャートに従い説明する。
【0024】
すなわち、CPU4は、GPS衛星から送られてくる測位情報をGPS処理部3によって受信するとともに、受信した測位情報に基づき現在地の高度を測定し、その測定結果を第1の測定結果(A)としてRAM7に記憶する(ステップSA1)。さらに高度検出部13の圧力センサ15が検出した気圧に基づき現在地の高度を測定し、その測定結果を第2の測定結果(B)としてRAM7に記憶する(ステップSA2)。引き続き、第1の測定結果(A)と第2の測定結果(B)との平均値を算出し、その結果を最終的な測定結果とするとともに(ステップSA3)、表示回路5のLCDに表示し(ステップSA4)、高度測定処理を終了する。
【0025】
したがって、本実施の形態においては、測定時における天候などの環境の違いに起因する誤差が懸念される測定高度、つまり圧力センサ15により検出した気圧に基づく測定高度を、天候の影響を受けない測位情報に基づく測定高度により補正することによって、より正確な現在位置の高度を取得することができる。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に、本発明における第2の実施の形態を説明する。図3は、図1と同様の構成を備えたデータ取得装置1において、CPU4により実行される他の高度測定処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0027】
すなわち、CPU4は、高度検出部13の圧力センサ15が検出した気圧に基づき現在地の高度を測定し、その測定結果を第1の測定結果(A)としてRAM7に記憶する(ステップSB1)。次に、GPS衛星から送られてくる測位情報をGPS処理部3によって受信し、受信した測位情報に基づき現在位置を計測する(ステップSB2)。引き続き、ここでの計測結果すなわち緯度/経度データに基づき、地図データ記憶部11から現在地周辺の地図データを読み出し(ステップSB3)、読み出した地図データに含まれる地形情報から、現在地周辺が平地であるか否かを判断する(ステップSB4)。なお、係る判断は、例えば高度データ等に基づき、現在地を中心とする所定面積の地域が複数本の等高線が描かれるような地域であるか否かによって判断する。
【0028】
ここで、現在地周辺が平地であると判断できたときには、引き続き、ステップSB2受信した測位情報に基づき現在地の高度を測定し、その測定結果を第2の測定結果(B)としてRAM7に記憶する(ステップSB5)。しかる後、前述した第1の測定結果(A)と第2の測定結果(B)との平均値を算出し、その結果を最終的な測定結果とするとともに(ステップSB6)、その測定結果を表示回路5のLCDに表示し(ステップSA4)、高度測定処理を終了する。また、ステップSB4の判断結果がNOであって、現在地周辺が平地でないと判断できたとき、つまり現在地周辺が山地等であると考えられるときには、RAM7に記憶した前記第1の測定結果(A)を、そのまま最終的な測定結果とするともに(ステップSB8)、それを表示し(ステップSB7)、高度測定処理を終了する。
【0029】
したがって、本実施の形態においては、現在地周辺が平地であるときには、第1の実施の形態と同様に、より正確な現在位置の高度を取得することができる。しかも、現在地周辺が平地でなく山地等であるとき、つまり電波の受信状況が悪かったり、捕捉できる衛星数が少なかったりして、測位情報に基づき取得できる高度データに大きな誤差が含まれることが予想されるときには、そうしたデータによって、逆に最終的な測定結果の精度が低下することが防止できる。よって、現在地の地理的条件等に左右されることなく、測定高度の精度を維持することができる。
【0030】
(第3の実施の形態)
次に、本発明における第3の実施の形態を説明する。
図4は、図1と同様の構成を備えたデータ取得装置1において、例えば使用者によって特定のモードが設定されているとき、必要に応じてCPU4により実行される現在位置、高度決定処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0031】
すなわち、CPU4は、かかる動作を開始すると、GPS衛星から送られてくる測位情報をGPS処理部3によって受信し、受信した測位情報に基づき現在位置、及び現在地の高度(Xm)を測定し(ステップSC1)、さらに高度検出部13の圧力センサ15が検出した気圧に基づき現在地の高度Ymを測定する(ステップSC2)。次に、上記の各測定処理の試行回数をインクリメントした後(ステップSC3)、ステップSC1,SC2で測定した双方の測定高度Xm,Ymの差が、予め決められている誤差範囲内であるか否かを判別する(ステップSC4)。ここで前記差が誤差範囲内であれば、圧力センサ15による測定結果が妥当であるとして、その測定結果と、前記現在位置(緯度/経度)を最終的な測定結果として決定し(ステップSC5)、処理を終了する。
【0032】
また、ステップSC4の判別結果がNOであって、前記双方の測定高度Xm,Ymの差が誤差範囲外であったとき、つまり圧力センサ15による測定高度Ym、又は測位情報に基づく測定高度Xmのいずれかに大きな誤差があると判断できるときには、前記試行回数が所定回数を超えていなければ(ステップSC6でNO)、ステップSC1へ戻り前述した各測定処理を再度繰り返す。そして、ステップSC1〜SC4を繰り返す間に、双方の差が誤差範囲内となる測定高度Xm,Ymが得られれば、前記ステップSC5へ進む。これにより、大きな誤差が含まれていることが予想される測定結果を排除し、圧力センサ15の検出結果に基づく、より正確な測定高度を得ることができる。なお、所定回数だけ前述した各測定処理を繰り返しても、双方の差が誤差範囲内となる測定高度Xm,Ymが得られなかったときには、現在地の高度は決定せず、現在位置のみを決定し(ステップSC7)、処理を終了する。
【0033】
したがって、本実施の形態においては、例えば測位情報に基づく測定高度Xmに、現在地の地理的条件等に起因して大きな誤差が含まれていることが予想されるときには、そうしたデータによって、逆に最終的な測定結果の精度が低下することが防止できる。よって、より正確な測定高度を得ることができる。
【0034】
なお、本実施の形態においては、最終的な測定高度を圧力センサ15の検出結果とするようにしたが、例えば、圧力センサ15による測定高度Ymと測位情報による測定高度Xmとの差が所定の誤差範囲内であるとき、前述した第1及び第2の実施の形態と同様に、圧力センサ15による測定高度Ymを測位情報による測定高度Xmによって補正し、その補正結果を最終的な測定高度とするようにしてもよい。
【0035】
(第4の実施の形態)
次に、本発明における第4の実施の形態を説明する。図5は、図1と同様の構成を備えたデータ取得装置1において、例えば使用者によって傾斜角検出モードが設定されたとき、CPU4が実行する傾斜角検出処理にかかる動作を示すフローチャートである。
【0036】
すなわち、CPU4は、かかる動作を開始すると、GPS衛星から送られてくる測位情報をGPS処理部3によって受信し、受信した測位情報に基づきその時点に位置するA地点の位置を計測し(ステップSD1)、圧力センサ15によりA地点の高度を測定する(ステップSD2)。なお、計測位置及び測定高度のデータはRAM7等に順次記憶する。以後、所定時間が経過するまで待機するとともに、所定時間の経過に伴い(ステップSD3)、その時点に位置する地点をB地点として再び位置を計測する(ステップSD4)。引き続き、ここでの計測結果とRAM7等に記憶されているデータからA地点とB地点との間の距離Xを求め(ステップSD5)、それが所定距離以上でなければ(ステップSD6でNO)、ステップSD3へ戻る。所定距離以上であれば、その地点(B地点)の高度を圧力センサ15により測定した後(ステップSD7)、A地点とB地点の高度差Yを求める(ステップSD8)。そして、以下の式
θ = arctan(距離X/高度差Y)
から傾斜角度θを計算し(ステップSD9)、処理を終了する。
【0037】
これにより、使用者に何ら数値データを入力させることなく、ある地点(A地点)から他の地点(B地点)までの経路の傾斜角を自動的に計測することができる。ここで、傾斜角の取得に際しては、圧力センサ15により測定した高度データを用いることから、ある地点(A地点)と他の地点(B地点)の間の経路の傾斜度合がきつく、測位情報の受信状況が悪い場所、すなわち捕捉可能な衛星の数が少ないような場所であっても、測位情報に基づき取得した高度データを用いる場合と異なり、取得される傾斜角にはそうした場所の影響による誤差が存在しない。よって、地形の影響を受けることなく、より正確な傾斜角データを得ることができる。
【0038】
なお、本実施の形態においは、使用者によって傾斜角検出モードが設定されると、その時点の居場所をA地点とするとともに、そこから一定以上離れた他の地点をB地点として2地点間の経路の傾斜角を計測するものとしたが、以下のようにしてもよい。例えば、傾斜角検出モードの設定後に使用者によって最初にスイッチ操作が行われた時点に位置する地点をA地点とし、かつ次にスイッチ操作が行われた時点に位置する地点をB地点として前述した傾斜角度の計算を行わせてもよい。その場合には、勾配が変化する経路では所望する区間の傾斜角が検出できるようになる。
【0039】
(第5の実施の形態)
次に、本発明における第5の実施の形態を説明する。図6は、図1と同様の構成を備えたデータ取得装置1において、例えば位置計測に伴いCPU4が実行する補正方位角取得処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0040】
かかる動作を開始するとCPU4は、まず、位置計測処理を開始し、GPS処理部3によって現在位置を計測するとともに、自己の進行方向の方位を求める(ステップSE1)。ここで、進行方向の方位が確定できないとき、例えば使用者の移動速度が遅く、GPS衛星から受信した測位情報に基づく方位の確定に必要である単位時間当たりの位置変化がないときには(ステップSE2でNO)、位置計測処理を繰り返す。なお、かかる間においても現在位置が計測できればその表示を行う。次に、ステップSE1で進行方向が確定できたら、図7に示すように、その進行方向イに対する磁北ロの角度βを確定する(ステップSE3)。引き続き、磁気センサ14による方位計測処理を行った後(ステップSE4)、新たに取得した磁北ハの進行方向イに対する角度γを確定した後(ステップSE5)、GPSに基づく磁北の角度βと磁気センサ14に基づく磁北の角度γとのズレ角αを計算し、それを補正方位角としてRAM7に記憶し(ステップSE6)、処理を終了する。
【0041】
一方、図8は、図6で説明した処理が行われ、RAM7に前記補正方位角αが記憶された状態下において、例えば使用者により所定のボタン操作が行われたとき、CPU4が実行する方位表示処理動作を示すフローチャートである。かかる動作に際してCPU4は、まず磁気センサ14による方位計測処理を開始し(ステップSF1)、基準となる方向(本実施の形態では、表示回路5の前記表示器に表示される文字盤の12時方向)に対する磁北方向の角度θを確定する(ステップSF2)。次に、RAM7に記憶されている補正方位角αを読み出すとともに、以下の式
θ’ = θ − α
により補正データ角θ’を算出した後(ステップSF3)、表示回路5の前記表示器(図示せず)が表示する文字盤に、その12時方向と補正データ角θ’をなす方向を示すように磁北表示用の矢印を表示し(ステップSF4)、処理を終了する。
【0042】
したがって、磁気センサ14により計測した方位に製品毎の誤差が生じる場合であっても、正確な磁北方向の表示が可能である。また、そのような製品毎に生じる誤差を製品の出荷前に調整する作業が不要である。また、本実施の形態においては、位置計測時に伴い予め補正方位角αを取得しておき、それを記憶させておくようしたが、方位表示を行う毎に補正方位角αを取得することも可能である。但し、その場合には、方位表示を行う毎に位置計測処理が必要となることから、本実施の形態のように、予め取得しかつ記憶しておいた補正方位角αを用いる方が、方位表示に無駄な電力を消費することがなく、電池寿命の長期化が図れる。また、測位情報を受信できないような場所においても、正確な方位表示を行うことができる。また、本実施の形態では、位置計測処理を行うとき必ず前記補正方位角αを取得するものとしたが、補正方位角αの取得動作を、例えば、その日の最初に位置計測を行うとき自動的に行わせたり、使用者の要求があったときにだけ行わせたりしてもよい。
【0043】
また、前述した補正方位角取得処理(図6)においては、無条件に前記ズレ角αを算出し、それを補正方位角として記憶するものを示したが、例えば、現在地周辺が山地であると判断できる場合や、算出したズレ角αが所定の許容範囲よりも大きな角度であった場合には、その算出結果を破棄し補正方位角を記憶することなく、補正方位角取得処理を終了させるようにしてもよい。その場合には、記憶される補正方位角に、地理的条件等に起因して大きな誤差が含まれている事態を未然に回避することができる。その結果、その後に行われる方位表示処理に際して表示する方位に、より高い精度を確保することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の受信装置によれば、検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとすることができる。よって、より正確な地学的データが取得可能となる。また、現在地が平地か否かを、記憶された地形情報に基づき確実かつ迅速に判断することができる。
【0045】
請求項2の受信装置によれば、検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとすることができる。よって、より正確な地学的データが取得可能となる。また、取得する地学的データの種類に応じて決められた補正条件が満たされたとき、第1の地学的データを第2の地学的データにより補正することができる。また、補正条件を、第1の地学的データと第2の地学的データとの差が所定の範囲内にあるとの条件であるとすることができる。
【0046】
請求項3に記載のデータ取得方法によれば、各地の地形情報が記憶された地形情報記憶手段をアクセスし、この地形情報記憶手段に記憶された地形情報に基づき、現在地が平地か否かを判断し、その判断の結果、現在地が平地であるとき、自己が検出した基礎データに基づき取得した第1の高度データを、衛星から受信した測位情報に基づき取得した第2の高度データによって補正し、補正後のデータを取得データとすることができる。よって、より正確な地学的データが取得可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すデータ取得装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態においてCPUが実行する高度測定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態においてCPUが実行する他の高度測定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施の形態においてCPUが実行する現在位置、高度決定処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第4の実施の形態においてCPUが実行する傾斜角検出処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第5の実施の形態においてCPUが実行する補正方位角取得処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】同実施の形態において取得する補正方位角αを示す図である。
【図8】同実施の形態においてCPUが実行する方位表示処理の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 GPS処理部
4 CPU
7 RAM
8 ROM
12 方位検出部
13 高度検出部
14 磁気センサ
15 圧力センサ
Claims (6)
- 自己の現在地に関する地学的データを取得するデータ取得装置であって、
前記地学的データの取得に用いる基礎データを検出する検出手段と、
衛星から送られてくる測位情報を受信する受信手段と、
前記検出手段により検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、前記受信手段により受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとする補正手段と、
各地の地形情報が記憶された地形情報記憶手段と、
前記受信手段により受信された測位情報に基づき自己の現在地を示す位置データを取得する位置データ取得手段と、
この位置データ取得手段により取得された現在データにより示される現在地が平地か否かを、前記地形情報記憶手段に記憶された地形情報に基づき判断する判断手段とを備え、
前記補正条件は、前記判断手段による現在地が平地であるとの判断であり、
前記補正手段は、取得する地学的データの種類に応じて決められた補正条件が満たされたとき、前記第1の地学的データを前記第2の地学的データにより補正することを特徴とするデータ取得装置。 - 自己の現在地に関する地学的データを取得するデータ取得装置であって、
前記地学的データの取得に用いる基礎データを検出する検出手段と、
衛星から送られてくる測位情報を受信する受信手段と、
前記検出手段により検出された基礎データに基づく第1の地学的データを、前記受信手段により受信された測位情報に基づく第2の地学的データにより補正し、この補正された地学的データを取得データとする補正手段とを備え、
前記補正手段は、取得する地学的データの種類に応じて決められた補正条件が満たされたとき、前記第1の地学的データを前記第2の地学的データにより補正し、
前記補正条件は、前記第1の地学的データと前記第2の地学的データとの差が所定の範囲内にあるとの条件であることを特徴とするデータ取得装置。 - 自己の現在地の高度を示す高度データを取得するデータ取得方法において、各地の地形情報が記憶された地形情報記憶手段をアクセスし、この地形情報記憶手段に記憶された地形情報に基づき、現在地が平地か否かを判断し、その判断の結果、現在地が平地であるとき、自己が検出した基礎データに基づき取得した第1の高度データを、衛星から受信した測位情報に基づき取得した第2の高度データによって補正し、補正後のデータを取得データとすることを特徴とするデータ取得方法。
- 前記補正手段は、前記第1の地学的データに、前記第2の地学的データを加えて平均化する補正を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ取得装置。
- 前記地学的データは、高度を示す高度データであることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ取得装置。
- 前記地学的データは、方位を示す方位データであることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ取得装置。
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