JP4078084B2 - イオン化成膜方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSIのような半導体デバイスや光磁気ディスクのような記録媒体等の製造において用いられるイオン化成膜方法及び成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種半導体デバイスでは、配線の形成や層間絶縁膜の形成に、記録媒体では磁性層や保護層等を形成する際に様々な成膜方法が用いられている。その際使用される成膜装置には種々の性能が求められるが、最近、基体に形成されたホールの内面、特にボトム部分のカバレージ性の改善が求められている。
【0003】
図6に従来のスパッタ法により堆積した膜の形状を示している。
【0004】
基体8の溝上部103に堆積している膜100の厚さに比べて、溝底部104に堆積している膜102の厚さが極めて薄く、カバレージ性が悪いことが分かる。又、溝側面101にも膜が堆積していることが分かる。カバレージ性の悪化や側面への着膜は、良好な膜形成には悪影響を及ぼす。
【0005】
一例として特開平6−290496号公報に開示されている磁壁移動型の光磁気ディスクの場合について説明する。
【0006】
従来の光磁気ディスクやコンパクトディスクでは、ディスク上に溝(グルーブ)が同心円状に形成されており、その溝の部分は情報を記録するために使用されていなかった。しかしながら、磁壁移動型の光ディスクでは溝の底のボトム部分(グルーブ)も記録する部分とするために、溝以外の平坦部分(ランド)と同様に機能膜を形成する必要がある。しかも、グルーブとランドの間で干渉しないように境界面である溝側面では光磁気信号がでないようにしなければならず、溝側壁面への着膜量を可能な限り少なくしなければならない。即ち、磁壁移動型の光磁気ディスクでは指向性が強く、ボトムカバレッジ率(溝の周囲の面への成膜速度に対する溝底面への成膜速度の比)の高い膜形成が必要とされている。
【0007】
従来、ボトムカバレッジ率の高い成膜の手法として、特開平10−130832号公報等で開示されている低圧遠隔スパッタ法が知られている。低圧遠隔スパッタ法とは、チャンバー内の圧力を通常のスパッタ法の圧力よりも低くして平均自由行程を長くしているため、スパッタ粒子が散乱せず、真っ直ぐに飛行する。これとともに、ターゲットと基体との距離を長くすることにより、基体に対して垂直に飛行してくるスパッタ粒子を選択的に基体に堆積させる手法である。
【0008】
又、他の方法としてはコリメートスパッタ法が知られており、この方法はターゲットと基体との間に基体に垂直の方向に多数の穴が空いた円筒状の筒(コリメーター)を設置し、基体に垂直に飛行するスパッタ粒子のみを基体に到達させ、成膜する手法である。
【0009】
又、他の方法としては本出願人の出願した特願平11−339241号のイオン化成膜法があり、この方法は、熱陰極方式のイオン化機構を用いてスパッタ放電用ガスを励起し、スパッタ粒子に衝突させてスパッタ粒子をイオン化し、基板表面近傍に形成された電界によりイオン化したスパッタ粒子を基板に垂直に引き込み堆積させる手法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、低圧遠隔スパッタ法はターゲットと基体との距離を長くするために成膜速度が低下し、原材料(ターゲット)の利用効率が低く、量産では溝のアスペクト比が最大で4程度までの被成膜基体への使用が限界であると言われている。
【0011】
コリメートスパッタ法は、コリメーターの部分にスパッタ粒子が堆積して損失になるために成膜速度が低下し、原材料の利用効率が低いという問題があり、溝のアスペクト比が最大3程度までの被成膜基体への使用が限界であった。
【0012】
特願平11−339241号公報に記載されたイオン化成膜法は、イオン化用材料ガスとしてスパッタ用放電ガスを併用しているため、スパッタ放電用ガスのイオンが熱陰極フィラメントに衝突してスパッタし、フィラメントが消耗して寿命が短いという問題があった。
【0013】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、表面に深い溝が形成されている基体であっても、高ボトムカバレッジ率で堆積膜の形成が可能なイオン化成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
【0014】
又、本発明の別の目的は、イオン化機構内部で生成されたHeの準安定励起原子をスパッタ粒子に衝突させることにより、スパッタ粒子のイオン化効率を向上させたイオン化成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
【0015】
更に、本発明の別の目的は、イオン化用ガス材料としてHeガスを使用することにより、イオン化用材料ガスが励起され生成されたイオンによる熱陰極フィラメントのスパッタを防止し、熱陰極フィラメントの寿命を大幅に向上させることができるイオン化成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、熱陰極方式のイオン化機構を用いて、ターゲットをスパッタすることにより放出された粒子を、イオン化空間においてイオン化し基体に入射させて堆積膜を形成するイオン化成膜方法において、前記ターゲットの周囲にスパッタ放電用ガスとしてHe以外の希ガスを導入し、前記イオン化空間中心から見て熱陰極フィラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグリッド間のイオン化機構内部に、イオン化用材料ガスとしてHeガスを導入することを特徴とする。
【0017】
又、本発明は、熱陰極方式のイオン化機構を用いて、ターゲットをスパッタすることにより放出された粒子を、イオン化空間においてイオン化し、基体に入射させて堆積膜を形成するイオン化成膜装置において、前記ターゲットの周囲にスパッタ放電用ガスとしてHe以外の希ガスを導入するスパッタ放電用ガス導入手段と、前記イオン化空間中心から見て熱陰極フィラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグリッド間のイオン化機構内部にイオン化用材料ガスとしてHeガスを導入するイオン化用材料ガス導入手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明に係るイオン化成膜装置の断面図であり、同図において、5は蒸発粒子をイオン化するためのイオン化機構、6はイオン化空間に磁場を形成するための磁場発生手段、11は基体近傍に電界を形成するための電界発生手段である。そして、イオン化機構5内部にイオン化空間50hより見て熱陰極フィラメント50bの背面にイオン化用材料ガス用のガス導入手段50aを配置している。ガス導入手段50aは円筒状のパイプ中心のフィラメント側面にガス吹き出し穴が多数形成された構造をしたものを用いている。
【0020】
イオン化蒸着法のメカニズムは、坩堝3から蒸発した蒸発粒子をイオン化空間50hでイオン化し、基体8表面のマイナス電界12によりイオン化された蒸発粒子を基体面に垂直に入射させる方法である。
【0021】
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係るイオン化成膜装置の構成について説明する。
【0022】
チャンバー1はステンレス鋼又はアルミ等の金属製容器であり、電気的に接地されており、不図示のゲートバルブにより気密が保たれるようになっている。チャンバー1の容積は、坩堝及び基体の大きさにより変わるが、特殊な場合を除き20l(リットル)〜1000l(リットル)程度のものが使用される。排気系16は大気圧から1×10−5Pa程度まで排気可能な複合排気システムであり、不図示の排気速度調整器であるコンダクタンスバルブにより排気速度を調整しイオン化用材料ガスのチャンバー内での滞留時間の制御が可能となっている。ガス導入手段50aは、イオン化用材料ガスであるHeガスを導入するもので、円筒状のパイプ中心のフィラメント側面にガス吹き出し穴が多数形成された構造となっている。
【0023】
蒸着試料2を乗せる坩堝3は、例えば直径1mm程度のタングステンワイヤーを巻いた直径2cm、高さ2cm程度の半球状のもの、又は厚さ0.5mm、幅1cm、長さ5cm程度のタングステンボートであり、絶縁物を介してチャンバー1に設置されている。蒸着電源4は所定の電力を坩堝3に印加するものであり、直流電源又は交流電源により電力を印加することにより、坩堝3を加熱して蒸着試料2を蒸発させるものである。
【0024】
イオン化機構5は、ペニング電離を利用した熱陰極方式であり、フィラメント背面より導入されたHeガスにフィラメント50bから放出された熱電子が衝突することによりHeの準安定励起原子及びHeイオンを生成し、坩堝3から基体8への蒸発粒子の飛行経路に設定されたイオン化空間50hにおいて、Heの準安定励起原子及びHeイオンが蒸発粒子に衝突することにより蒸発粒子をイオン化するものである。
【0025】
図3はイオン化機構5の構造を示す平面図である。
【0026】
具体的には、イオン化機構5は、直列に繋がれたフィラメント50bに直流電源50eより電流を流し加熱して熱電子を放出させる。グリッド50cは網目構造であり、直流電源50fによりプラスの電圧が印加されことにより、フィラメント50bから放出された熱電子がグリッド50に向かって加速される。加速された熱電子は、フィラメント50bとグリッド50cの間のイオン化機構5内部及びイオン化空間50hにおいて、フィラメント50b背面より導入されたHeガスと衝突しHeの準安定励起原子及びHeイオンを生成し、生成されたHeの準安定励起原子及びHeイオンはイオン化空間50hに至り、蒸発粒子に衝突することにより蒸発粒子をイオン化する。
【0027】
又、フィラメント50bより放出された熱電子の一部は、Heガスと衝突せずグリッド50cを通り抜けてイオン化空間50hに至り、蒸発粒子と衝突して蒸発粒子をイオン化するものもある。上記の作用をした後の熱電子及びHeガスがイオン化されたときに放出された電子は、最終的にグリッド50cに捕捉される。
【0028】
尚、フィラメント50bの材質はReW、W等の熱電子放出係数の大きなものが採用され、グリッド50cは巾1mm、ピッチ3mm程度の網目構造のものが採用されている。又、フィラメント50b及びグリッド50cの片側、磁場発生手段6はケーシング50dと同電位であり、ケーシング50dは直流電源50gにより任意の直流電圧を印加することが可能な構成となっており、本実施の形態ではマイナスの直流電圧を印加している。
【0029】
本発明の特徴であるHeガスの導入位置及び導入ガス種について説明する。
【0030】
Heの準安定励起原子及びHeイオンの生成は、主にイオン化機構5内部のグリッド50cの近傍、特にフィラメント50bとグリッド50cの間で起こるため、Heガスの導入位置は、フィラメント50bの背面又はフィラメント50bとグリッド50cの間等のイオン化機構内部に設置されるのが好適である。
【0031】
一般に、イオン化用材料ガスとしてはNe、Ar、Kr、Xe等の希ガスが用いられる。しかしながら、これらのガスに熱電子が衝突し生成されたイオンはスパッタ率が高く、これらのイオンが周囲の物質に入射した場合容易にスパッタをおこしてしまう。従って、イオン化機構内部5及びイオン化空間50hの壁面は常にスパッタされている状態となる。特に、フィラメント50bは、細い線材又は薄いリボン状のものが使用されているため、スパッタされ消耗すると寿命が著しく低下してしまう。又、スパッタされた物質が基板に到達し取り込まれてしまうこともある。特に、機能性薄膜の成膜では、これらのコンタミが大きな問題となる場合がある。
【0032】
それと比較してHeをイオン化用材料ガスとして使用した場合、生成されたHeイオンのスパッタ率は上記のイオン種と比べて極めて小さく、Heイオンの入射による周囲のもののスパッタが極めて少ない。例えば、フィラメント材料として用いられるタングステンのスパッタ率を比較すると、イオンの入射エネルギーを400eVとした場合、Arイオンのスパッタ率は0.6程度であるのに対してHeイオンのスパッタ率は0.05以下であり、HeイオンはArイオンの1/10以下のスパッタ率である。従って、Heイオンの入射によるフィラメントの消耗は極めて少なく、フィラメントの寿命を延ばすことが可能となるとともに、膜中へのスパッタ物質のコンタミを防止することができる。
【0033】
Heガスをイオン化用材料ガスとして用いる他の目的は、生成されるHeの準安定励起原子の寿命が長く、その寿命の長い準安定励起原子を蒸発粒子のイオン化に用いることである。一般に準安定励起原子の多くは、寿命がμ秒オーダーと非常に短いが、Heの準安定励起原子のうち幾つかの状態は非常に安定であり、例えば1S、2S、3Sでは数千秒も寿命がある。この寿命の長い安定なHeの準安定励起原子を蒸発原子に衝突させることにより効率良く蒸発粒子をイオン化することが可能となる。
【0034】
磁場発生手段6は中心部分が空洞のドーナツ型の電磁石であり、坩堝3とイオン化機構5の間に配置されており、イオン化機構5に固定されている。坩堝3から放出された蒸発粒子は磁場発生手段6の中心の空洞部を通り、イオン化空間50hに至りイオン化され基体8に堆積する。磁場発生手段6により形成される磁場は、本実施の形態においては坩堝3側がN極、イオン化機構5側がS極となっているが、極性を逆にしても構わない。尚、本実施の形態においては、磁場発生手段6に電磁石を用いているが、同様の磁場を形成できる永久磁石を用いることも可能である。
【0035】
磁場発生手段6による磁力線7の機能は、基体8方向へのプラズマの拡散が防止され、イオン化空間50hのプラズマが高密度のまま維持され、イオン化効率を向上させることを可能とすることでる。又、加えて基体への電子入射防止による基体8の昇温抑制の効果も挙げられる。尚、磁場発生手段6の配置位置は図1に示した通りイオン化機構5の下部に接する形か、イオン化機構5の外周部に配置することが望ましい。又、磁場強度については、坩堝3の中心より30mm程イオン化機構5側の位置において、150〜300G程度の磁束密度の磁場を設定することが望ましい。
【0036】
基体ホルダー9は、絶縁体を介してチャンバー1に気密に設置されており、坩堝3に対して平行に基体8を保持できるようになっている。基体ホルダー9と基体8との間には、絶縁物10を介して、好ましくは基体8に対して平行に引込電極11が取り付けられている。引込電極11は、信号発生器(ファンクションシンセサイザー)13と電力増幅器14により構成された電圧印加手段が接続されている。この電圧印加手段により基準電位である接地電位に対して負極性の周期的に変動する矩形波、台形波、鋸波等の電圧が引込電極11に印加される。
【0037】
図5は引込電極11に印加されるバイアス電圧の一例を示している。
【0038】
バイアス電圧は、所定の周期で0又は負極性の最小電圧(基準電位に対して振幅が最小になる電圧)V1と、負極性の最大電圧(基準電位に対して振幅が最大となる電圧)V2とに変化する電圧である。このバイアス電圧により、基体表面に基体8に垂直な方向に電界12が形成され、イオン化した蒸発粒子が電界12に沿って(基体8に対して垂直に)加速され基体8に到達するようになっている。尚、電界12は負極性の周期的に変動する電圧により形成されていることから、基体8として誘電体基体を用いてもチャージアップ現象が発生せず、電界12が形成され、イオン化したスパッタ粒子を基体8に対して垂直に引き込むことが可能となっている。又、基体8が導電体の場合は、基体ホルダー9と基体8の間に配置されている絶縁体を取り外し、引込電極11に基体8が接する形とすることにより、信号発生器13及び電力増幅器14の代わりに直流電源を用いることが可能であり、引込電極11に直流電圧を印加することにより同様の効果が得られる。
【0039】
次に、図1を用いて本発明のイオン化成膜法の動作について説明する。
【0040】
基体ホルダー9に基体8をセットし複合排気系16によりチャンバー内を5×10−5Pa程度まで排気する。次に、磁場発生手段6を動作させ磁力線7を形成するとともにイオン化機構5を動作させる。即ち、電磁石用電源60aを動作させ、坩堝3とイオン化機構5の間のA点において150〜300Gの磁束密度が得られるように設定するとともに、フローティング用直流電源50gを動作させて任意の値に設定し、フィラメント用直流電源50eを動作しフィラメント50bを加熱し、イオン化空間50hに熱電子を放出させる。
【0041】
次に、イオン化用材料ガス導入手段50aによりHeガスを導入し、複合排気系16の排気速度調整器を制御してチャンバー1内の圧力を調整する。次に、蒸着電源4を動作させて坩堝3を加熱し蒸着物質2を加熱蒸発を開始する。同時に、信号発生器13と電力増幅器14を動作し引込電極11に電圧を印加し、基体表面で基体8に垂直な方向に引込み用電界12を形成する。このとき、引込電極11に印加する電圧は、例えば前述したように図5に示すような矩形波を用い、矩形波の基準電圧0Vに近い負の最小電圧V1では電子が入射可能となるように浮遊電位(電気的に絶縁された基体がプラズマ中に置かれた場合にプラズマにより発生する基体の電位であり、本実施の形態では引込電極11に電圧を印加しない場合に基体8に発生する電位)とプラズマ電位の間の電位に設定する。
【0042】
具体的には、負の最小電圧V1の値を0V〜−10Vの範囲から選択すると良い。矩形波の負の最大電圧V2は、逆スパッタの効果が発生し成膜速度が著しく減少しないようにするため−20V〜−100Vの範囲から選択される値に設定することが望ましい。又、基体のチャージアップを防止しながらイオンを効率良く入射させるために、周波数は100kHz以上とし、更には波形のデューティーは1対50以上、即ち、V2を印加している時間に対するV1を印加している時間の比が1/50以下となるように設定することが望ましい。
【0043】
次に、数分間そのままの状態で蒸発が安定するのを待ち、基体シャッター15を開け、成膜を開始する。蒸発粒子は、イオン化空間50hでイオン化され、基体8に向かって飛行し、基体表面の引込電界12により加速され、基体8に対して垂直に引き込まれ、基体8に形成されている溝の底面に効率良く堆積する。所定の厚さまで成膜された後、シャッター15を閉じ、信号発生器13、電力増幅器14、蒸着電源4及びガス導入手段50aを停止させ、次に、イオン化機構5のフィラメント電源50e、グリッド電源50f、フローティング電源50g、電磁石用電源60aを停止させる。最後に不図示のゲートバルブを閉じ、チャンバー1をリークさせ、基体8を基体ホルダー9より取り外す。
【0044】
次に、本発明の熱陰極方式のイオン化機構を用いたイオン化スパッタ装置について説明する。
【0045】
図2は本発明のイオン化スパッタ装置を表す図面である。
【0046】
図1のイオン化成膜装置の構成との違いは、蒸発源として、ターゲット17を用いたスパッタ法を用いていることである。そして、ターゲットを取り囲むようにして、ターゲットの直上にスパッタ放電用ガスのガス導入手段20を配置している。スパッタ放電用ガス導入手段20は、円環状のパイプの中心側面にガス吹き出し穴が多数形成された構造をしたものを用いるとターゲット表面へのガス導入が偏りなく均一に行えるので好適である。
【0047】
イオン化スパッタ法のメカニズムは、図1のイオン化成膜法と同様にターゲット2から放出されるスパッタ粒子をイオン化空間50hでイオン化し、基体9表面のマイナス電界12によりイオン化されたスパッタ粒子を基体面に垂直に入射させる方法である。
【0048】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態に係るイオン化スパッタ装置の構成について、実施の形態1のイオン化成膜装置と比較して相違している点を説明する。
【0049】
排気系16は大気圧から1×10−5Pa程度まで排気可能な複合排気システムであり、不図示の排気速度調整器であるコンダクタンスバルブにより排気速度を調整し、放電用ガスのチャンバー内での滞留時間の制御が可能となっている。
【0050】
ターゲット17は、例えば厚さ3mm、直径3インチ(76.2mm)程度の円板状であり、バッキングプレート及び絶縁物を介してスパッタチャンバー1に設置されている。ターゲット17の背後には磁石機構18が設置されており、マグネトロンスパッタを行えるようになっている。スパッタ電源19は、所定の電力をターゲット17に印加するものであり、直流電源又はRF電源等の高周波電源により200〜600(V)のマイナスの電圧が印加されるようになっている。
【0051】
ターゲット17の直上に配置されたスパッタ放電用ガス導入手段20より導入されるガスは、イオン化したときにスパッタ率の高いAr、Kr、Xe等の希ガスが使用される。スパッタ放電によりイオン化したAr、Kr、Xeの大部分は、ターゲット近傍に形成されている電界により加速され、ターゲットに入射し、ターゲットをスパッタする。一部の希ガスイオンは、イオン化空間に至るものもあるが、実施の形態1のイオン化成膜装置と同様にイオン化機構5内にはイオン化用材料ガスの導入手段が配置されており、Heガス、Heの準安定励起原子及びHeイオンで満たされているためにイオン化機構内部に至ることはない。
【0052】
従って、スパッタ率の高いAr、Kr、Xeイオンによるフィラメント50bのスパッタが起こらず、フィラメント50bの消耗を防止できる。このように、スパッタ放電用ガス導入手段20とイオン化用材料ガス導入手段50aを分離導入することにより、同一箇所から導入した場合と比較してフィラメント50bの寿命を延ばすことが可能となる。
【0053】
又、同一箇所からスパッタ放電用ガスとイオン化用材料ガスを導入した場合では、ターゲット2表面にAr、Kr、Xeのスパッタ放電用ガスイオンとともにスパッタ率の低いHeイオンが入射するため、ターゲット2のスパッタ効率(蒸発速度)を低下させてしまうが問題があるが、上記の構成のように分離導入することにより、ターゲット2近傍はスパッタ放電用ガスで満たされるため、ターゲット2近傍にHeイオンが到達し難く、スパッタ効率(蒸発効率)を低下させることなく成膜することが可能となる。
【0054】
磁場発生手段6の配置位置は実施の形態1のイオン化成膜装置と同様の位置であるが、近傍に形成される磁場はマグネトロンスパッタ用の磁石機構18と干渉し合い、図4に示すような磁力線7が形成される。磁力線7の機能は、スパッタ放電用ガスイオンをターゲット17方向に導きスパッタ効率を向上させることと、実施の形態1のイオン化成膜装置と同様にプラズマの拡散、基体8への電子の入射防止効果である。
【0055】
磁場発生手段6により形成される磁場と、マグネトロンスパッタ用の磁石機構18の極性の組み合わせは、本実施の形態においては、磁場発生手段6の極性が、ターゲット17側をN極、イオン化機構5側をS極とし、マグネトロンスパッタ用磁石機構18の極性は、ターゲット中心のターゲット表面側をS極、ターゲット外周部のターゲット表面側をN極としている。即ち、ターゲット中心部において、磁場発生手段6により形成される磁場と、マグネトロンスパッタ用の磁石機構18の極性が同極性で相向かい合うようにすることにより上記の効果が得られる。
【0056】
尚、本実施の形態においては、磁場発生手段6に電磁石を用いているが、同様の磁場を形成できる永久磁石を用いることも可能である。磁場発生手段6の配置位置及び磁場強度は実施の形態1のイオン化成膜装置と同等とすることが望ましい。基体ホルダー9に関しては、実施形態1と同等とすることが望ましい。
【0057】
次に、図2を用いて、本発明のイオン化スパッタ法の動作について説明する。基体ホルダー9に基体8をセットし、複合排気系16によりスパッタチャンバー内を5×10−5Pa程度まで排気する。次に、磁場発生手段6を動作させて磁力線 を形成するとともにイオン化機構5を動作させる。即ち、電磁石用電源60aを動作させ、ターゲット17とイオン化機構5の間のA点において150〜300Gの磁束密度が得られるように設定するとともに、フローティング用直流電源50gを動作させて任意の値に設定し、フィラメント用直流電源50eを動作させてフィラメント50bを加熱し、イオン化空間50hに熱電子を放出させる。
【0058】
次に、イオン化用材料ガス導入手段50aによりHeガスをスパッタ放電用ガス導入手段20によりアルゴンガス等のスパッタ放電用ガスを導入し、複合排気系16の排気速度調整器を制御してスパッタチャンバー1内の圧力調整する。次に、スパッタ電源4を動作させてスパッタ放電を生じさせ、スパッタを開始する。同時に、信号発生器13と電力増幅器14を動作させ、引込電極11に電圧を印加し、基体表面で基体8に垂直な方向に引込み用電界12を形成する。このとき、引込電極11に印加する電圧は、実施の形態1のイオン化成膜装置と同等である。
【0059】
次に、数分間そのままの状態でプレスパッタを行った後に基体シャッター15を開け、成膜を開始する。スパッタ放電によりスパッタされた粒子は、イオン化空間50hでイオン化され、基体8に向かって飛行し、基体表面の引込電界12により加速され基体8に対して垂直に引き込まれ、基体8に形成されている溝の底面に効率良く堆積する。所定の厚さまで成膜された後、シャッター15を閉じ、信号発生器13、電力増幅器14、スパッタ用電源19及びガス導入手段50a、20を停止させ、次に、イオン化機構5のフィラメント電源50e、グリッド電源50f、フローティング電源50g、電磁石用電源60aを停止させる。最後に不図示のゲートバルブを閉じ、スパッタチャンバー1をリークさせ、基体8を基体ホルダー9より取り外す。
【0060】
以下に本発明の実施例について具体的に説明する。
【0061】
[実施例1]
上述した実施の形態1に倣って連続してイオン化成膜を行い、フィラメント50bの寿命を測定した。
【0062】
・蒸発材質:Fe
・坩堝と基体間距離:155mm
・基体寸法:φ2”(50.8mm)
・スパッタチャンバー内圧力:0.5Pa
・イオン化用材料ガス種:He
・A点における磁束密度:200G
・イオン化機構グリッド電圧:50V
・イオン化機構グリッド電流:20A
・イオン化機構フローティング電源電圧:−40V
・引込電極電圧:最小値0V、最大値−60V
・引込電極電圧周波数:500kHz
・引込電極電圧デューティー:1対100
<比較例1>
イオン化用材料ガスとしてAr、Xeガスを用いたことを除いて、実施例1と同じ条件で連続してイオン化成膜を行い、フィラメント50bの寿命を測定した。
【0063】
表1には結果を示しており、イオン化用材料ガスとして本実施例のHeとすることにより、フィラメント50bの寿命が大幅に延びている。
【0064】
[実施例2]
前記実施例1と同じ条件にてボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体にイオン化成膜を行い試料を作成した。
【0065】
<比較例2>
イオン化用材料ガス導入手段50aの位置をフィラメントとグリッドの間に移動したことを除いて、前記実施例2と同じ条件にてボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体に試料を作成した。
【0066】
<比較例3>
イオン化用材料ガス導入手段50aの位置を坩堝3側面部に移動したことを除いて、前記実施例2と同じ条件にてボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体に試料を作製した。又、イオン化用材料ガス導入手段50aの位置をイオン化機構5の底面に接する形とし、前記実施例2と同じ条件にてボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体に試料を作製した。
【0067】
各試料についてサンプル基体の中心部においてボトムカバレッジ率を測定した。図7はボトムカバレッジ率の算出方法を示した図である。
【0068】
表2に結果を示しており、イオン化用材料ガス導入手段50aの位置をイオン化機構5内にすることにより、他の位置より導入した比較例3よりもボトムカバレッジ率が向上している。又、従来例の低圧遠隔スパッタでボトム巾0.25μm、アスペクト比4の基板に成膜した場合には、ボトムカバレッジ率は16%程度となり、低圧遠隔スパッタと比較しても高ボトムカバレッジ率の膜が得られていることが分かる。
【0069】
[実施例3]
上述した実施形態2に倣って連続してイオン化スパッタを行い、フィラメント50bの寿命を測定した。
【0070】
・ターゲット2の材質:TbFeCo
・ターゲット寸法:φ76.2×t3mm
・ターゲット2への投入電力:400W
・ターゲットと基体間距離:155mm
・基体寸法:φ2”(50.8mm)
・スパッタチャンバー内圧力:1Pa
・スパッタ放電用ガス種:アルゴン
・A点における磁束密度:150G
・イオン化用材料ガス種:ヘリウム
・イオン化機構グリッド電圧:50V
・イオン化機構グリッド電流:20A
・イオン化機構フローティング電源電圧:−40V
・引込電極電圧:最小値0V、最大値−60V
・引込電極電圧周波数:500kHz
・引込電極電圧デューティー:1対100
<比較例4>
イオン化用材料ガス導入手段50aからはガスを導入せず、イオン化用材料ガスHeとスパッタ放電用ガスArを混合ガスとしスパッタ放電用ガス導入手段20から混合ガスを導入したことを除いて、実施例3と同じ条件で連続してイオン化スパッタを行い、フィラメント50bの寿命を測定した。
【0071】
表3に結果を示しており、イオン化用材料ガスとスパッタ放電用ガスを分離導入することにより、フィラメント50bの寿命が大幅に延びている。
【0072】
[実施例4]
実施例3の条件において、3分間イオン化スパッタを行い、ガラス基体に試料を作製した。
【0073】
<比較例5>
比較例4の条件において、3分間イオン化スパッタを行い、ガラス基体に試料を作製した。
【0074】
各試料についてガラス基体の中心部において膜厚を測定し、単位時間当たりの成膜速度を算出した。
【0075】
表4に結果を示しており、イオン化用材料ガスとスパッタ放電用ガスを分離導入することにより、成膜速度が向上している。
【0076】
[実施例5]
上記の実施例3と同じ条件にてボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体にイオン化成膜を行い試料を作製した。
【0077】
<比較例6>
比較例4の条件において、ボトム巾0.25μm、アスペクト比4のサンプル基体にイオン化成膜を行い試料を作製した。
【0078】
各試料についてサンプル基体の中心部においてボトムカバレッジ率を測定した。
【0079】
表5に結果を示しており、イオン化用材料ガスとスパッタ放電用ガスを分離導入することにより、比較例よりもボトムカバレッジ率が向上している。
【0080】
【表1】
Figure 0004078084
【0081】
【表2】
Figure 0004078084
【0082】
【表3】
Figure 0004078084
【0083】
【表4】
Figure 0004078084
【0084】
【表5】
Figure 0004078084
【0085】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、高アスペクト比の溝に対し、ボトムカバレッジ率良く成膜を行うことができ、又、熱陰極フィラメントの寿命を大幅に延ばすことができる。従って、本発明は、次世代DRAM等のデバイス及び磁壁移動型の光磁気ディスク等の製作に大きな威力を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン化成膜装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係るイオンスパッタ装置の構成を示す断面図である。
【図3】本発明に用いられるイオン化機構の一例を示す模式的断面図である。
【図4】本発明に用いられる磁石機構により形成される磁力線を示す模式的断面図である。
【図5】本発明に用いられる引込電極に印加される電圧の波形を示した図である。
【図6】従来のスパッタにより堆積した膜の形状を示す模式的断面図である。
【図7】ボトムカバレッジ率の算出方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 蒸着試料
3 坩堝
4 蒸着電源
47 磁力線
5 イオン化機構
50a イオン化用材料ガス導入手段
50b フィラメント
50c グリッド
50d ケース
50e フィラメント用直流電源
50f グリッド用直流電源
50i 水冷配管
50h イオン化空間
50g フローティング用直流電源
6 磁場発生手段
60a 電磁石用電源
7 磁力線
8 基体
9 基体ホルダー
10 誘電体
11 引込電極
12 引込電界
13 信号発生器
14 電力増幅器
15 基体シャッター
16 複合排気系
17 ターゲット
18 マグネトロンスパッタ放電用磁石機構
19 スパッタ電源
20 スパッタ放電用ガス導入機構

Claims (2)

  1. 熱陰極方式のイオン化機構を用いて、ターゲットをスパッタすることにより放出された粒子を、イオン化空間においてイオン化し基体に入射させて堆積膜を形成するイオン化成膜方法において、
    前記ターゲットの周囲にスパッタ放電用ガスとしてHe以外の希ガスを導入し、前記イオン化空間中心から見て熱陰極フィラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグリッド間のイオン化機構内部に、イオン化用材料ガスとしてHeガスを導入することを特徴とするイオン化成膜方法。
  2. 熱陰極方式のイオン化機構を用いて、ターゲットをスパッタすることにより放出された粒子を、イオン化空間においてイオン化し基体に入射させて堆積膜を形成するイオン化成膜装置において、
    前記ターゲットの周囲にスパッタ放電用ガスとしてHe以外の希ガスを導入するスパッタ放電用ガス導入手段と、前記イオン化空間中心から見て熱陰極フィラメントの背面又は該熱陰極フィラメントとグリッド間のイオン化機構内部に、イオン化用材料ガスとしてHeガスを導入するイオン化用材料ガス導入手段を設けたことを特徴とするイオン化成膜装置。
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