JP4070096B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突等の際に乗員を保護するためのエアバッグ装置に関し、更に詳しくは、車両側部に配置され、側面衝突や横転等の際に、乗員の頭部が車両側部内壁やウィンドウ等に直接的に衝突することを防止するためのカーテン状エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の側面衝突時や横転時等、車両側部に高荷重が作用したときにインフレータを作動させ、車両内壁のルーフレールに沿ってフロントピラー側からリアピラー側にまで至る領域にカーテン状のエアバッグを展開させることによって、乗員の頭部が直接的に車両側壁やサイドウィンドウに対して衝突することを防止するエアバッグ装置として、本出願人らは、特開2001−39256号において、カーテン状エアバッグに上縁近傍から下縁近傍にまで繋がる筒状膨張部を設け、このエアバッグを自然取付状態においてその筒状膨張部を横切る弛みが生じるように車両に対して下縁の両端部を取り付けるとともに、この筒状膨張部にインフレータからのガスを注入して伸展させ、その伸展によって下縁両端部がエアバッグの下縁を突っ張らせることで下縁にテンションを付与する構成のエアバッグ装置を提案している。
【0003】
また更に、本出願人らは、特願2002−37207号において、前記カーテン状エアバッグの下縁の一部に、フロントピラー側とリアピラー側の取付点間の下縁長手方向に沿った距離を調節する膨張寸法調節機構を配置することにより、筒状膨張部の十分な伸展に必要な下縁長手方向に沿った両端取付点間の距離と、同方向へのテンションとを、自律的に調節することのできるエアバッグ装置を提案している。
【0004】
これらの提案によれば、多数の円筒状の膨張部を平行に形成するエアバッグ装置に比して、少ないガス容量で、カーテン状のエアバッグを、その下縁に弛みを生じさせることなく所要の展開位置に固定して、乗員を保護することができる。また、車両の取付け位置の誤差やエアバッグ自身の寸法精度等に左右されることなく、膨張時における筒状膨張部の伸展と、下縁に沿って発生するテンションとが安定することから、インフレータ作動時におけるエアバッグを、高い再現性をもって所要位置に展開させることができ、安定した乗員保護性能を発揮することが可能となる。
【0005】
図4は上記提案にかかるカーテン状エアバッグ100を車体から取り外して単体で広げた状態を示す図で、図5はそのエアバッグ100の車両への収納状態を示す側面図である。また、図6はカーテン状エアバッグ100の自然取付状態を示す側面図であり、図7はその展開状態を示す側面図である。なお、図示左方向を車両における前方側、図示右方向を車両における後方側とする。
【0006】
このカーテン状エアバッグ100は、図4に示すように、それぞれ上縁107近傍から下縁108近傍にまで繋がる前方側の筒状膨張部102と後方側の筒状膨張部101を備える。また、これら筒状膨張部101,102の間の上縁107近傍には、前部保護用膨張部103が形成され、かつ、筒状膨張部101,102の間の下縁108近傍には、これらに連通しつつ略一定の太さで上下に湾曲する管状に膨張する膨張寸法調節部105が形成されている。そして、後方側の筒状膨張部101の下部には、車両前方側に向かって略水平方向に伸びる横方向膨張部104が形成され、その逆の後方側には、後部保護用膨張部106が一体に形成されている。なお、エアバッグの材質としてはポリアミド等が好適に採用されるとともに、図示網目部分等の膨張しない部位や取付部位を含む周縁部は、溶着または縫製等を用いて所定の形状に形成され、このカーテン状エアバッグ100を外部に対して気密な袋状としている。
【0007】
以上のような構成のカーテン状エアバッグ100は、図6に示すように、上縁107に設けられた複数の取付部位107aが、車両のルーフレール31に設けられた複数の取付点31aのそれぞれに取り付けられている。また、下縁108の前方側の帯状部109先端の取付部位109aが、車両のフロントピラー32下方の所定位置に設けられた取付点32aに、後方側の取付部位108aが、ルーフレール31のセンターピラー33よりも後方の所定位置に設けられた取付点31bにそれぞれ取り付けられている。
【0008】
ここで、カーテン状エアバッグ100の後端に位置する取付部位108aがルーフレール31の高さにまで持ち上げられる結果、前方側の帯状部109から後方側の筒状膨張部101に至る弛みSが生じる。そして、この弛みSの存在によって、自然取付状態のカーテン状エアバッグ100は緊張しておらず、図5のように、ルーフレール31に沿って折り畳みあるいは巻回収納が可能となっている。なお、カーテン状エアバッグ100を巻回収納する場合は、その下縁108を車両内側(乗員)方向に曲げて巻回される。
【0009】
また、エアバッグ100の内部には、車両後方側からパイプ挿通部位108bとパイプ挿入口107bを介して、パイプ40が挿通されている。パイプ40の一端は、上縁107のフロントピラー32側前端まで挿入され、他端はパイプ挿通部位108bを貫通して、ルーフレール31の後方側に固定されたインフレータ41に接続されている。このパイプ40は、その側面に図示しない複数のガス噴出孔が設けられ、インフレータ41の作動時には、このガス噴出口を通じて、2つの筒状膨張部101,102および前部保護用膨張部103内に、上縁107側から下縁108側に向かってガスが注入されることとなる。
【0010】
以上の構成のエアバッグ装置において、車両の側面衝突等によりインフレータ41が作動した場合、図7に示すように、発生したガスは、パイプ40のガス噴出口から下縁108方向に向かって、筒状膨張部101,前部保護用膨張部103および筒状膨張部102の順にわずかの時間差を持って注入されていく。インフレータ41の作動初期においては、筒状膨張部101が下方に伸展しつつ膨張していくことになるが、このとき、筒状膨張部101は、下縁108に形成されている横方向膨張部104を下方に押し下げるように伸展し、弛みSを解消しながらカーテン状エアバッグ100を素早く展開させる。これと同時に、注入されたガスは、カーテン状エアバッグ100の展開に従って、前部保護用膨張部103と後部保護用膨張部106を膨張させつつ、筒状膨張部102からそれに連通する膨張寸法調節部105へと流れ込んで、その膨張寸法調節部105の連続方向(下縁108長手方向)の長さを収縮させる。
【0011】
すなわち、このエアバッグ装置においては、筒状膨張部101が横方向膨張部104を押し下げることによって発生する両端取付点32a,31b間のテンションの作用線(図7中の曲線T:以下テンションラインと記述する)上に、膨張寸法調節部105が配置されていることにより、ガス圧によって下縁108長手方向への収縮量が自律的に調整され、エアバッグ自身の寸法誤差や取付け位置のばらつきを吸収して、カーテン状エアバッグ100の膨張時の形状安定を実現している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、多目的車(マルチ・パーパス・ビークル)等に見られるような車両室内空間の拡大(例えば乗員シートの3列化等)の要求から、エアバッグ装置においても、従来より更に車両の後部まで乗員保護範囲を広げることが求められている。また、これらの車両の中には、車両の最後部に荷物の出し入れのためのリヤハッチ等を備えているものもあり、車両前端から後端までの車両高さがほとんど変わらない、いわゆる1BOX形状の車両も多い。
【0013】
これらの車両に対応するため、カーテン状エアバッグには、車両後方に向けて従来より大きな後部保護用膨張部を設ける必要があり、エアバッグの全長も長くなる傾向にある。しかしながら、リアピラー側のエアバッグ後端取付点は、車両の形状や装備の関係から自由な位置に設けることが難しく、エアバッグを十分に展開させる位置に設けることができない場合も考えられる。このような場合には、後部保護用膨張部の一部または全部が、膨張時にエアバッグの展開形状を安定させるフロントピラー側とリアピラー側の両端取付点間に発生するテンションの作用線(テンションライン)の外に位置してしまう可能性がある。
【0014】
また、このテンションが作用しないことによって、後部保護用膨張部に、展開途中における折れ曲がりやウィンドウへの干渉等が発生することも考えられ、万一このようなことが発生した場合には、カーテン状エアバッグ全体の展開が妨げられて、十分な乗員保護性能を発揮できない恐れもある。
【0015】
本発明は、上記する課題に対処するためになされたものであり、理想的なエアバッグの後端取付位置が確保できない場合でも、乗員を保護するのに十分な展開形状を安定して再現することのできるエアバッグ装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両側部への高荷重作用時に作動するインフレータからのガスの注入により、車両内壁のルーフレールに沿ってフロントピラー側からリアピラー側に膨張展開するカーテン状エアバッグを備え、上記カーテン状エアバッグは、インフレータの作動により膨張して乗員を保護する保護用膨張部と、この保護用膨張部に連通し、かつ、インフレータの作動により当該エアバッグの上縁近傍から下縁近傍にまで繋がる筒状に膨張する少なくとも1つの筒状膨張部を有し、上記上縁の複数箇所がルーフレールに設けられた複数の取付点に取り付けられ、かつ、上記下縁の両端部の一方がフロントピラー側に設けられた取付点に、他方がリアピラー側に設けられた取付点にそれぞれ取り付けられて、折り畳みもしくは巻回収納されているとともに、その収納を解いた状態において、ガスの非注入時には上記筒状膨張部を横切る弛みを生じ、かつ、ガスの注入による膨張時には、上記筒状膨張部がその弛みを解消するように伸展して、上記フロントピラー側取付点と上記リアピラー側取付点との間に、当該カーテン状エアバッグの下縁に沿ったテンションを付与するように構成されてなるエアバッグ装置において、
上記カーテン状エアバッグは、上記筒状膨張部のうち最もリアピラー側の筒状膨張部よりも更に車両後方側に、この筒状膨張部に連通する後部保護用膨張部を備えるとともに、この後部保護用膨張部の全部または一部を、当該筒状膨張部の一部にかかる折り返し線にて車内側に折り返してから、折り畳みもしくは巻回収納されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、上記後部保護用膨張部が、カーテン状エアバッグの下縁に沿った位置に配置されている構成(請求項2)を好適に採用することができる。
【0018】
また、上記カーテン状エアバッグにおける折り返し線の部位は、プリーツ加工されていること(請求項3)が好ましい。
【0019】
本発明は、車両後部の乗員を保護するために、筒状膨張部から車両後方に向かって形成された後部保護用膨張部を、筒状膨張部を含むその他の膨張部位の形状と位置が安定した後に、若干の時間差をもって一気に膨張展開させることによって、所期の目的を達成しようとするものである。
【0020】
すなわち、本発明におけるカーテン状エアバッグは、筒状膨張部のうち最もリアピラー側の筒状膨張部に連通し、かつ、この筒状膨張部よりも車両後方側に形成された後部保護用膨張部を、この筒状膨張部の一部にかかる折り返し線にて車内側に折り返してから収納することにより、この後部保護用膨張部の展開を、筒状膨張部の十分な膨張伸展と同時に開始することができる。言い換えれば、本発明のエアバッグ装置は、筒状膨張部を下方に十分膨張伸展させたインフレータからのガスが、若干の時間差をもって連通部から一気に後部保護用膨張部に流れ込むことにより、このカーテン状エアバッグ全体を、高い再現性をもって所要形状に展開させることができる。また、後部保護用膨張部が、膨張時にカーテン状エアバッグの両端取付点間に発生するテンションの作用線(テンションライン)の外側に位置した場合でも、この後部保護用膨張部は、エアバッグのその他の膨張部位が所要の位置に展開した後に遅れて膨張することから、展開途中の折れ曲がりやウィンドウへの干渉等の発生がなく、十分な展開形状を得ることができる。
【0021】
また、請求項2に係る発明によれば、カーテン状エアバッグの形状として、上記後部保護用膨張部が、カーテン状エアバッグの下縁に沿った位置に配置されている構成を採用することにより、この後部保護用膨張部が、膨張寸法調節部と同様の下縁長手方向の長さを収縮させる作用を発揮し、両端取付点間に発生するテンションを更に高めることができる。また、この下縁に沿った位置に配置された後部保護用膨張部は、ガス圧によって下縁長手方向方向への収縮量が自律的に調整されることから、エアバッグ自身の寸法誤差や取付け位置等のばらつきを吸収し、乗員を保護するのに必要な展開形状と下縁沿ったテンションを安定させる効果を奏することもできる。
【0022】
一方、請求項3に係る発明は、上記の後部保護用膨張部の膨張開始が、確実に筒状膨張部の膨張伸展より後となるように構成したものであって、このプリーツ加工により、後部保護用膨張部の折り返しは、筒状膨張部の十分な膨張が完了するまで保持され、エアバッグの展開途中にこの後部保護用膨張部がばたついたりするのを防止することができる。また、この折り返しが解放された後には、インフレータからのガスが一気に後部保護用膨張部に流れ込み、後部保護用膨張部は所要の形状に素早く膨張展開する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるエアバッグ装置のカーテン状エアバッグ1を車体から取り外して単体で広げた状態を示す図である。また、図2および図3は、このエアバッグ装置におけるインフレータ41作動後のエアバッグ1の膨張過程を説明する図であり、図2はその膨張初期のエアバッグ1の状態を示す側面図、図3は最大膨張時のエアバッグ1の状態を示す側面図である。なお、図示左方向を車両における前方側、図示右方向を車両における後方側とし、フロント側からリア側にかけてのピラーを順にAピラー22,Bピラー23,Cピラー24,Dピラー25と記述する。また、従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ符号を付記する。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態におけるカーテン状エアバッグ1も、それぞれ上縁17近傍から下縁18近傍にまで繋がる前方側の筒状膨張部12および後方側の筒状膨張部11を備えるとともに、これら筒状膨張部11,12の間の上縁17近傍には、前部保護用膨張部13が形成され、かつ、筒状膨張部11,12の間の下縁18近傍には、これらに連通しつつ略一定の太さで上下に湾曲する管状に膨張する膨張寸法調節部15が形成されている。そして、後方側の筒状膨張部11の下部には、車両前方側の膨張寸法調節部15に連通する横方向膨張部14が形成され、その逆の後方側には、連通部16aによって筒状膨張部11に連通する後部保護用膨張部16が一体に形成されている。なお、従来例と同様、エアバッグ1の材質としてはポリアミド等が好適に採用されるとともに、図示網目部分等の膨張しない部位や取付部位を含む周縁部は、溶着または縫製等を用いて所定の形状に形成され、このカーテン状エアバッグ1を外部に対して気密な袋状としている。
【0025】
本実施の形態におけるカーテン状エアバッグ1の特徴は、図1に示すように、車両後部に搭乗する乗員を保護するための比較的大きな後部保護用膨張部16が、筒状膨張部11に連通するように形成されているとともに、その後部保護用膨張部16を、連通部16aから筒状膨張部11の一部にかかる折り返し線(P−P線)にて車内側(矢印Q方向)に折り返してから、車両に収納している点である。また、この折り返し線Pの部位には、後部保護用膨張部16を折り返した状態で、熱等によるプリーツ加工が施されており、車両への取付けの準備段階として行なわれるエアバッグ1の折り畳みあるいは巻回の作業時にも、この折り返し形状が保持されるように構成されている。なお、この折り返し線(P−P線)は、筒状膨張部11と後部保護用膨張部16の間に形成された連通部16aを縦断するように設けることが好ましい。
【0026】
このような比較的長い形状のカーテン状エアバッグ1を必要とする車両として、例えば図2,3に示すような乗員シートを3列備える車両等が考えられる。また、このカーテン状エアバッグ1を車両へ取付ける場合は、図5に示した従来例と同様の方法にて行なわれる。
【0027】
上述したように後部保護用膨張部16の一部が車内側に折り返されたカーテン状エアバッグ1は、下縁18の前方側の取付部位18aに帯状部19が取り付けれらるとともに、車両の取付け位置の形状に合わせて、その上縁17後側の取付部位17bが前側の取付部位17aと略水平となるように持ち上げられた状態で、折り畳みされるかあるいは車内側に向けて巻回される。そして、この折り畳みあるいは巻回された状態のエアバッグ1は、その上縁17前方の取付部位17aおよび後方の取付部位17bを、ルーフレール21の取付点21aおよび21bにそれぞれ取り付け、帯状部19先端の取付部位19aを、Aピラー22の取付点22aに取り付けて、車両に固定される。
【0028】
また、この車両への取付けと同時に、エアバッグ1内部には、車両後方側からパイプ挿入口17cを介して、パイプ40が挿通される。パイプ40の一端は、上縁17のAピラー22側前端まで挿入され、他端はDピラー25近傍に配置されたインフレータ41に接続されている。インフレータ41は、車両側面に対する高荷重の作用を検出するコントロールユニット(図示省略)からの信号によって作動し、パイプ40を介してこのエアバッグ1にガスを供給する。また、このパイプ40は、その側面に図示しない複数のガス噴出孔が設けられ、インフレータ41の作動時には、このガス噴出口を通じて、2つの筒状膨張部11,12および前部保護用膨張部13内に、上縁17側から下縁18側に向かってガスが注入されることとなる。
【0029】
以上の構成のエアバッグ装置において、車両の側面衝突等によりインフレータ41が作動した場合、図2に示すように、発生したガスは、パイプ40のガス噴出口から下縁18方向に向かって、筒状膨張部11,前部保護用膨張部13および筒状膨張部12の順にわずかの時間差を持って注入されていく。インフレータ41の作動初期において発生したガスは、筒状膨張部11を下方に伸展しつつ膨張させることになるが、このとき、筒状膨張部11は下縁18に形成されている横方向膨張部14を下方に押し下げるように伸展し、収納による折り畳みあるいは巻回を解消しながら、カーテン状エアバッグ1を素早く下方に展開させる。また同時に、このガスは、前部保護用膨張部13と後部保護用膨張部16を膨張させつつ、筒状膨張部12からそれに連通する膨張寸法調節部15へと流れ込んで、その膨張寸法調節部15の連続方向(下縁18長手方向)の長さを収縮させてゆく。
【0030】
カーテン状エアバッグ1の膨張初期においては、図2のように、後部保護用膨張部16の折り返しPは維持されたままであるが、後部保護用膨張部16以外の膨張部位の十分な膨張が完了すると同時に、この折り返しPはガス圧によって矢印Rの方向に素早く解除される。また、この折り返しPが解除されると同時に、インフレータ41からのガスが後部保護用膨張部16に流れ込み、後部保護用膨張部16の膨張伸展が開始される。そして、このカーテン状エアバッグ1の最大膨張時には、図3に示すように、エアバッグ1全体が所要の展開形状となるとともに、両端取付点22a,21b間に、筒状膨張部11の下方伸展および膨張寸法調節部15の長手方向の長さ収縮に起因するテンション(テンションライン:T)が発生し、カーテン状エアバッグ1全体の位置と形状を安定させる。
【0031】
ここで注目すべき点は、このエアバッグ1の膨張過程において、後部保護用膨張部16の一部が車内側に向けて折り返されていることにより、この後部保護用膨張部16の展開が、筒状膨張部11の十分な膨張伸展と同時に始まっている点である。また、このことによって、後部保護用膨張部16は、展開中にばたついたりあるいは外側のウィンドウ等に干渉したりすることがなく、テンションラインTより後方に位置した場合でも、所要の形状に素早く安定して膨張伸展することができる。従って、本実施の形態におけるカーテン状エアバッグ1は、エアバッグ後端の取付点21bの位置に関わらず、乗員を保護するのに必要な展開形状を、安定して再現することができる。
【0032】
なお、以上の実施の形態では、後部保護用膨張部16が、両端取付点21a,21b間に発生するテンションラインTよりも後方に位置する場合を例示したが、後端取付点21bを更に車両後部側に設けるか、あるいは後部保護用膨張部16を小さく形成するかした場合は、この後部保護用膨張部16全体をテンションラインT内に収め、下縁18に沿って配置することが可能になる。その場合は、この後部保護用膨張部16が、膨張寸法調節部15と同様の下縁18長手方向の長さを収縮させる作用を発揮し、両端取付点21a,21b間に発生するテンションを更に高めることができ、好適である。
【0033】
また、このテンションラインT上に配置された後部保護用膨張部16は、ガス圧によって下縁18長手方向方向への収縮量が自律的に調整されることから、エアバッグ自身の寸法誤差や取付け位置等のばらつきを吸収し、乗員を保護するのに必要な展開形状と下縁18沿ったテンションを、更に安定させる効果を奏することもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のエアバッグ装置によれば、後部保護用膨張部の展開を、筒状膨張部の十分な膨張伸展と同時に開始させることにより、展開途中の折れ曲がりやウィンドウへの干渉等の発生がなく、所要の展開形状を安定して再現することができ、ひいては十分な乗員保護性能を発揮することが可能になる。
【0035】
また、折り返し部位をプリーツ加工することにより、この折り返しが確実に保持され、後部保護用膨張部が、エアバッグの展開途中にばたついたりするのを防止することができる。更に、このプリーツ加工は、エアバッグの折り畳みあるいは巻回作業を容易にするという効果も併せて奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるエアバッグ装置のカーテン状エアバッグを、車両から取り外して単体で広げた状態を示す図である。
【図2】本発明のエアバッグ装置の側面図を用いて示す膨張初期のカーテン状エアバッグの説明図である。
【図3】本発明のエアバッグ装置の側面図を用いて示す最大膨張時のカーテン状エアバッグの説明図である。
【図4】従来のエアバッグ装置におけるカーテン状エアバッグを、車両から取り外して単体で広げた状態を示す図である。
【図5】従来のエアバッグ装置の収納状態を示す側面図である。
【図6】従来のエアバッグ装置の自然取付状態を示す側面図である。
【図7】従来のエアバッグ装置の展開状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 カーテン状エアバッグ
11,12 筒状膨張部
13 前部保護用膨張部
14 横方向膨張部
15 膨張寸法調節部
16 後部保護用膨張部
16a 連通部
17 上縁
17a,17b 取付部位
17c パイプ挿入口
18 下縁
18a 取付部位
19 帯状部
19a 取付部位
21 ルーフレール
21a,21b 取付点
22 Aピラー(フロントピラー)
22a 取付点
23 Bピラー
24 Cピラー
25 Dピラー(リアピラー)
31 ルーフレール
32 フロントピラー
33 センターピラー
34 リアピラー
40 パイプ
41 インフレータ
100 カーテン状エアバッグ
101,102 筒状膨張部
103 前部保護用膨張部
104 横方向膨張部
105 膨張寸法調節部
106 後部保護用膨張部
107 上縁
108 下縁
109 帯状部
T テンションライン

Claims (3)

  1. 車両側部への高荷重作用時に作動するインフレータからのガスの注入により、車両内壁のルーフレールに沿ってフロントピラー側からリアピラー側に膨張展開するカーテン状エアバッグを備え、
    上記カーテン状エアバッグは、インフレータの作動により膨張して乗員を保護する保護用膨張部と、この保護用膨張部に連通し、かつ、インフレータの作動により当該エアバッグの上縁近傍から下縁近傍にまで繋がる筒状に膨張する少なくとも1つの筒状膨張部を有し、上記上縁の複数箇所がルーフレールに設けられた複数の取付点に取り付けられ、かつ、上記下縁の両端部の一方がフロントピラー側に設けられた取付点に、他方がリアピラー側に設けられた取付点にそれぞれ取り付けられて、折り畳みもしくは巻回収納されているとともに、その収納を解いた状態において、ガスの非注入時には上記筒状膨張部を横切る弛みを生じ、かつ、ガスの注入による膨張時には、上記筒状膨張部がその弛みを解消するように伸展して、上記フロントピラー側取付点と上記リアピラー側取付点との間に、当該カーテン状エアバッグの下縁に沿ったテンションを付与するように構成されてなるエアバッグ装置において、
    上記カーテン状エアバッグは、上記筒状膨張部のうち最もリアピラー側の筒状膨張部よりも更に車両後方側に、この筒状膨張部に連通する後部保護用膨張部を備えるとともに、この後部保護用膨張部の全部または一部を、当該筒状膨張部の一部にかかる折り返し線にて車内側に折り返してから、折り畳みもしくは巻回収納されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 上記後部保護用膨張部が、上記下縁に沿った位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 上記折り返し線が、プリーツ加工されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグ装置。
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