JP4041677B2 - オイルミスト除去用空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルミスト除去機能を備えた空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、切削加工を始めとした各種の金属加工を行う工場では、生産装置からオイルミストが発生することが知られている。オイルミストとは切削油などが空気中に分散して微細な煙状となったものであり、作業者の健康に大きな害を与えるばかりでなく、その濃度が高くなると青白くもしくは乳白色に煙り、見通し距離が減少する。しかも、工場の床面に沈着して滑りやすくなるため、作業の安全性が阻害される。さらに、オイルミストを含む空気が工場外に排出されると、大気汚染の一因にもなる。近年、環境保全に対する関心が高まっており、オイルミストの確実な除去が求められている。
【0003】
そこで図28に示すように、金属加工工場では生産装置1に対しオイルミスト除去装置2が設置されている。またこれに加えて、全外気型空気調和機3が配置されている。空気調和機3は全外気による空気調和を行うようになっている。なお、符号4は排気機ユニットである。
【0004】
ところで、オイルミスト除去装置2には様々な方式が提案されている。具体的には、静電気方式や濾過方式、洗浄方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などがある。静電気方式のオイルミスト除去装置は、針状または線状の放電電極と、平板状または円筒状のなめらかな捕集電極とを備えており、両電極間に直流電流を印加することでコロナ放電を発生させるようになっている。そして、コロナ放電空間にオイルミストを含む空気を通過させると、オイルミストはクーロン力を受けて捕集電極へ移動する。これにより、オイルミストを確実に捕集することができる。このような静電気方式は圧力損失が低いという長所があり、サブミクロンの粒子まで高い初期除去効率を得ることが可能である。
【0005】
また、濾過方式のオイルミスト除去装置にはユニット型や巻取型があり、エアフィルタを用いてさえぎり効果によりオイルミストを捕集している。一方、洗浄方式とは、オイルミストを含む空気流を液滴や液膜などの液体に衝突させることでオイルミストを捕集する方式であって、例えばベンチュリスクラバや充填塔などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方式のオイルミスト除去装置には次のような問題点があった。すなわち、静電気方式では、電極にオイルミストや固形物が付着すると、オイルミストの除去性能が悪くなる。より詳しくは、放電電極に対する付着物は放電特性を劣化させ、捕集電極に対する付着物は逆放電現象を起こす要因となる。このため、付着物を定期的に取り除くべく頻繁にメンテナンスを実施する必要がある。
【0007】
そこで従来より、電極から付着物を取り除く方式としては、付着物を機械的な衝撃を与えて払い落とす「つち打ち方式」や、電極表面に水または油の液膜を作る、あるいは水または油を噴射して付着物を洗い落とす「湿式方式」が採用されている。しかし、これらの方式は、オイルミスト除去装置の構成を複雑化、大型化させ、コスト高を招いた。また、「つち打ち方式」の場合、オイルミストの粘着性や濃度が高いと、付着物の除去が難しくなる。しかも、払い落とす力が強過ぎるとオイルミストが再飛散するおそれがある。
【0008】
また、エアフィルタを使用した濾過方式も使用されているが、この濾過方式では、エアフィルタが目詰まりを生じやすく、清掃作業や交換作業を頻繁に行わなくてはならず、やはりコストがかかる。さらに、前記のような洗浄方式では、サブミクロンのオイルミストを捕集しようとすると、大量の洗浄液や複雑な気体流路が必要となり、装置の小型化が困難である。
【0009】
以上述べたように、従来のオイルミスト除去装置では、装置の大型化・複雑化やメンテナンス費用の高騰が大きな問題点となっていた。作業環境だけではなく工場周辺の環境に対する配慮も重視される現在、オイルミスト除去装置の設置台数は増大傾向にあり、上記問題点の解消は急務となっている。また図28にて示した全外気型空気調和機3は、全外気による空気調和を行うので室内の空気を置き換えることにより、優れた作業環境を確保することができるが、その反面、運営コストが膨大になり、エネルギー消費量が極めて大きくなっていた。そこで、この点に関する改善も要求されている。
【0010】
本発明は、このような問題点を解消するために提案されたものであり、その主たる目的は、オイルミストを効率良く除去すると共に構成の簡略化とメンテナンスの容易化を実現することにより、コンパクト化と経済性に優れ、作業環境の改善及び周囲との環境調和を図ったオイルミスト除去用空気調和機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、運営コスト及びエネルギー消費量を大幅に削減可能なオイルミスト除去用空気調和機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、工場内に配置された生産装置から発生したオイルミストを除去するオイルミスト除去用空気調和機であって、外気を清浄化して清浄空気にする空気清浄化装置と、前記空気清浄化装置から前記清浄空気を取り入れてこれをイオン化する空気イオン化装置と、前記空気イオン化装置から空気イオンを取り入れると共に前記オイルミストを含んだ前記工場内の空気を取り入れ、互いを混合させる空気導入部と、接地極を取るコイルと、前記空気導入部内の空気を前記コイルに流す空気流路と、を備え、前記空気清浄化装置は外気をフィルタによって清浄処理する外気処理方式を採用し、前記空気清浄化装置からの清浄空気が流れる清浄空気供給配管を前記空気導入部の内部に設置し、前記清浄空気供給配管に複数の***を形成し、前記清浄空気供給配管の内部で且つ前記***に近接して前記空気イオン化装置を配置したことを特徴とする。
【0012】
以上のような構成を有する請求項1の発明では、空気清浄化装置にて清浄処理した空気を空気イオン化装置に供給する。空気イオン化装置は清浄空気をイオン化して空気イオンとし、これを空気導入部に送り込む。このとき、空気イオン化装置に取り込まれる空気は清浄処理がなされたものだけなので、空気イオン化装置は汚れることがなく、頻繁に清掃作業や交換作業を実施する必要がない。したがって、多大なメンテナンス費用をかけずに済む。また、外気処理方式の空気清浄化装置を採用しているため、空気調和機の処理風量が大きく工場に集中して空気調和機を設置する場合に最適である。
【0013】
ところで空気導入部では、空気イオン化装置から空気イオンを取り込むと同時にオイルミストを含む空気も取り込み、両者が混ざり合う。これによりオイルミストと空気イオンが結合し、オイルミストは帯電する。なお、清浄空気供給配管を用いて空気導入部の内部にまで清浄空気を引き込み、配管内部の空気イオン化装置にて空気イオンを発生させ、これを***から空気導入部に送り出している。そのため、空気導入部に空気イオンを均一に分配することができ、空気イオンとオイルミストとは良く混ざり合うことになる。帯電したオイルミストは空気流路を通ってコイルへと当たる。そしてオイルミストは接地極を取るコイルのクーロン力によってコイル表面に吸い寄せられる。このようにして両者の結合率すなわちオイルミストの帯電率が向上し、コイルは効率良くオイルミストを捕集することができる。オイルミストが取り除かれた空気は清浄な空気となり、コイルを通り抜けて空気調和機の外部に流出する。
【0014】
このようなオイルミスト除去用空気調和機によれば、空気イオン化装置の汚れを防いでメンテナンス費用を抑えつつ、接地極を取るコイルによって帯電したオイルミストを効率良く捕集することができる。したがって、コンパクトな構成でオイルミスト除去機能を果たすことができ、且つ経済性を高めることが可能である。また、オイルミストを確実に除去できるため、十分な見通し距離を確保でき工場床面も滑り難くなって、快適で安全な作業環境を得ることができる。さらには、工場周囲にオイルミストを排出して大気汚染を引き起こす心配もなくなり、環境保全に貢献することができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載のオイルミスト除去用空気調和機において、前記オイルミスト除去用空気調和機は室内循環型空気調和機からなることを特徴としている。
このような請求項2の発明によれば、空気調和機を室内循環型としたことで全外気による空気調和を行う必要がなくなり、運営コスト及びエネルギー消費量を大幅に削減することができる。また、室内循環型の空気調和機では例え1パス当たりのオイルミスト除去効率が低くても、室内空気を繰り返しコイルにより処理することで可能なので、所望の濃度までオイルミストの除去を実施することができ、優れた作業環境を得ることができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1に記載のオイルミスト除去用空気調和機において、前記コイルには、それを洗浄するコイル洗浄装置が設けられていることを特徴とする。以上の請求項3の発明では、オイルミストを捕集したコイル表面にはオイルミストが付着するが、コイル洗浄装置がコイルを定期的に洗浄するため、コイルは常に清浄な状態を保つことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。下記の実施の形態はいずれも、オイルミストの除去に優れた性能を発揮するオイルミスト除去用空気調和機であり、オイルミストを発生させる生産装置を配置した金属加工工場などに設置されるものである。なお、各実施の形態において、同一部材に関しては同一符号を付している。
【0035】
(1)第1の実施の形態/図1〜図9参照
[全体構成]まず、第1の実施の形態の全体的な構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は第1の実施の形態の構成図、図2は第1の実施の形態を設置した金属加工工場の構成図を示している。図2において図28にて示した従来例と同一の部材に関しては同一符号を付している。
【0036】
第1の実施の形態に係るオイルミスト除去用空気調和機は、従来例における全外気型ではなく、室内循環型空気調和機5からなる点に特徴がある。室内循環型空気調和機5には請求項に記載の空気清浄化装置に対応する清浄空気供給装置6が設置されている。室内循環型空気調和機5にはハウジング5aが設けられており、その一端面にはオイルミストを含む空気RAを取り入れる空気取入れ口7が開口され、他端面にはオイルミストを除去した空気SAを吐き出す空気吐出し口8が開口されている。これら空気取入れ口7及び空気吐出し口8間に空気流路9が形成される。さらに、室内循環型空気調和機5内には空気取入れ口7からオイルミストを含む空気RAを取り入れる空気導入部10が設けられており、前記空気流路9に沿って空気を後述するコイル13へと流すようになっている。
【0037】
ところで、清浄空気供給装置6には清浄空気を流す絶縁性の配管11aが接続され、該配管11aには同じく絶縁性の配管11b,11cが順次接続されている。これら配管11a〜11cは請求項に記載の清浄空気供給配管に対応する。配管11a,11bは室内循環型空気調和機5の上方に配置されており、配管11cは室内循環型空気調和機5の上方から空気導入部10に入り込むように配置されている。また、配管11cの内部には清浄空気をイオン化する空気イオン化装置12が収納されている。
【0038】
さらに、室内循環型空気調和機5のハウジング5a内部には次のような構成要素が収納、配置されている。ハウジング5aのほぼ中央には接地極13aを取るコイル13が配置されている。コイル13の空気流路9上流側(図1中の左側)にはコイル13を自動的且つ間欠的に洗浄する自動洗浄装置14は配置されている。自動洗浄装置14には洗浄水を流す洗浄水送水管15が接続されている。
【0039】
また、ハウジング5a内部において、コイル13の空気流路9下流側(図1中の右側)には送風機16が設置されている。送風機16は自動洗浄装置14が動作中でも停止しないようになっている。コイル13と送風機16との間には両者を仕切るようにしてエミリネータ17が設けられている。さらに、コイル13下方には洗浄水の排水管18が設けられている。一方、コイル13上方にはコイル13表面に水分を滴下する滴下装置19が配置されている。滴下装置19には給水管20が接続されている。なお、給水管20と前記洗浄水送水管15にはそれぞれ流量調整弁20a,15aが設置されている。
【0040】
続いて、各構成要素について詳しく説明する。
[清浄空気供給装置6の構成]
図3に示すように、清浄空気供給装置6は外気をフィルタによって清浄処理する外気処理方式であり、プレフィルタ6a、中性能フィルタ6b及び送風機6cから構成されている。
【0041】
[配管11a〜11cの構成]
図4に示すように、配管11aは清浄空気が流れる方向に、配管11bはそれと直交する方向にそれぞれ延びており、両方でT字状となっている。配管11cは例えば図示のように6本あり、いずれも配管11bから下方に向かって垂直に延びており、上述したように室内循環型空気調和機5の上方から空気導入部10内に入り込むようになっている。また、配管11cには複数の***21が等間隔で形成されている。これらの***21はいずれもオイルミストを含む空気RAが流れる方向の下流側に開口されている。
【0042】
[空気イオン化装置12の構成]
図5に示すように、本実施の形態では、空気イオン化装置12はコロナ放電方式であり、直流高圧電源12aと、高圧電線12bと、放電電極12cと、接地極12dを取る誘引電極12eとからなる。このうち、放電電極12cは配管11cの内部であって且つ各***21に近接して設けられており、***21から空気導入部10に空気イオンを出すように構成されている。また、誘引電極12eはリング状部材からなり、***21の外周部に沿って配管11cの外面に取り付けられている。なお、図5において空気イオン化装置12は清浄空気を負イオン化した例を示しているが、図6に示すように清浄空気を正イオン化しても構わない。
【0043】
[コイル13及び自動洗浄装置14の構成]
図7及び図8に示すように、コイル13はアルミニウム製などの長方形状のプレートフィンが複数枚配置されてなる。コイル13下部には冷温水入口13bが配置され、上部には冷温水出口13cが形成されている。プレートフィンの内部には金属製の管(図示せず)が蛇行しており、その一端部が冷温水入口13b、他端部が冷温水出口13cとなっている。
【0044】
自動洗浄装置14には洗浄水送水管15に連結した配管14aが設けられており、配管14aに洗浄水の噴射ノズル14bが取り付けられている。噴射ノズル14bは縦方向に一直線状に等間隔に配置されている。また、自動洗浄装置14には上部及び下部には配管14aを支持する駆動部14cが設置されている。駆動部14cは配管14aごと噴射ノズル14bを横方向に一体的に往復移動させるようになっている。
【0045】
[作用効果]
以上の構成を有する第1の実施の形態の作用は次の通りである。すなわち、清浄空気供給装置6が配管11a〜11cを介して清浄処理した空気を空気イオン化装置12に供給する。この場合、清浄空気供給装置6は外気処理方式なので空気調和機5の処理風量が大きく、工場に集中して空気調和機を設置する場合に最適である。空気イオン化装置12は各***21の近傍に設けた放電電極12c部分において、コロナ放電により清浄空気を確実にイオン化して負空気イオンとし、これを***21から空気導入部10に送り込む。このとき、***21の外周部にリング状の誘引電極12eを設けたので、空気イオン化装置12はより多くの負空気イオンを放出することができる。
【0046】
空気導入部10では、その内部に空気イオン化装置12からの負空気イオンを***21を通じて取り込むと同時に、空気取入れ口7からオイルミストを含む空気RAも取り込んでおり、ここで両者が混ざり合うことになる。特に、第1の実施の形態においては、複数の配管11cが空気導入部10の上部から下部の全域にわたって清浄空気を引き込み、配管11c内部にそれぞれ設けられた多数の***21近傍に設けた空気イオン化装置12にて負空気イオンを発生させているので、空気導入部10に負空気イオンを均一に分配することが可能となる。したがって、負空気イオンとオイルミストとは良く混ざり合い、オイルミストの帯電率が大幅に向上する。
【0047】
帯電したオイルミストは空気流路9を通ってコイル13を通過する。このとき、オイルミストは接地極13aを取るコイル13のクーロン力によりコイル13表面に吸い寄せられる。このようにしてオイルミストがコイル13に捕集される。オイルミストが取り除かれた空気は清浄な空気SAとなり、コイル13を通り抜けて空気吐出し口8から金属加工工場の作業空間に送り込む。
【0048】
ところで、オイルミストを捕集したコイル13表面にはオイルミストが付着するが、コイル洗浄装置14が噴射ノズル14aから洗浄水を間欠的に噴射してコイル13を定期的に洗浄する。しかも、コイル洗浄装置14では駆動部14cの働きにより噴射ノズル14aが横方向に往復移動するため、コイル13全体をまんべんなく洗うことができ、コイル13へのオイルミストの残留を防止できる。このため、コイル13は常に清浄な状態を保つことができ、コイル13によるオイルミストの捕集効率を高いレベルで維持することが可能となる。
【0049】
さらに第1の実施の形態では、滴下装置19がコイル13表面に水分を滴下するため、コイル13表面に液膜を形成させることができる。したがって、オイルミストがコイル13表面に付着しにくく、コイル13の洗浄に際してもオイルミストを簡単に洗い流すことができる。また、コイル13と送風機16との間にエミリネータ17を設けたので、コイル13を洗浄した後のオイルミストを含む洗浄液がこのエリミネータ17によって除去されるため、送風機16にかかることがない。これにより、オイルミストの再飛散を確実に防止できる。
【0050】
ところで、第1の実施の形態では、空気調和機を室内循環型としている。このため、従来のように全外気による空気調和を行う必要がない。この場合において、例えば1パス当たりのオイルミスト除去効率が低くても、室内空気を繰り返しコイルにより処理することで、所望の作業環境を得ることができる。この点に関しては図2及び図28を参照して具体的に説明する。
全外気型空気調和機3の場合、定常状態における室内オイルミスト濃度C1(mg/m3)は下記の数式で表す。
【数1】
C1=[G1+Co1×Qo1×(1−η1)]/Qs1
G1 :室内のオイルミスト発生量(mg/h)
Qs1:送風量(m3/h)
Qo1:外気量(m3/h)
Co1:外気のオイルミスト濃度(mg/m3)
η1 :全外気型空気調和機(フィルタ)の除去効率(%)
【0051】
この場合、Qo1=Qs1となる。ここで、外気に含まれている少量のオイルミスト濃度を省略して、Co1=0mg/m3と仮定すると、上式は、C1=G1/Qs1となる。
【0052】
室内循環型空気調和機5の場合、定常状態における室内オイルミスト濃度C2(mg/m3)は下記の数式で表す。
【数2】
C2=[G2+Co2×Qo2×(1−η2)×(1−ηc)]/(Qo2+Qr2×ηc)
G2 :室内のオイルミスト発生量(mg/h)
Qs2:送風量(m3/h)
Qo2:外気量(m3/h)
Qr2:還気量(m3/h)
Co2:外気のオイルミスト濃度(mg/h)
η2 :空気清浄装置の除去効率(%)
ηc:室内循環型空気調和機(コイル)の除去効率(%)
【0053】
ここで、上記と同様に、外気に含まれている少量のオイルミスト濃度を無視して、Co2=0(mg/m3)と仮定すれば、上式は、C2=G2/(Qo2+Qr2×ηc)となる。更に、導入外気量Qo2を送風量Qs2の1割と仮定すれば、Qo2=0.1×Qs2、Qr2=0.9×Qs2となる。よって、定常状態における室内のオイルミスト濃度C2は、下式で表すことができる。
【数3】
C2=G2/[(Qs2×(0.1+0.9×ηc)]
【0054】
ここで、室内のオイルミスト発生量をG1=G2とし、室内のオイルミスト濃度をC1=C2とすれば、下式が成り立つ。
【数4】
Qs2/Qs1=1/(0.1+0.9×ηc)
【0055】
下表にコイルの除去効率ηcが異なる時に、送風量Qs1とQs2の関係を示す。
【表1】
【0056】
すなわち、例えば循環型空気調和機コイルの除去効率ηcは50%とした場合、送風量を全外気型空調機の1.8倍にすれば、オイルミスト濃度が同様の環境が得られる。
この点に関して図9の空気線図を参照して具体的に説明する。但し、図9における具体的な数値はあくまで例示であり、本発明の特性がこれらの数値に限定されるものではない。なお、図9中のOAは外気、RAはオイルミストを含む空気、SAはオイルミストを除去した空気である。
【0057】
空気調和機の冷却能力q(kJ/h)を下記の数式で定義する。
【数5】
q=Q(m3/h)×1.2(kg/m3)×Δh(kJ/kg)
Q:送風量
Δh:エンタルピ差
【0058】
このため、全外気型空気調和機3の冷却能力q1、室内循環型空気調和機5の冷却能力q2は、図9のグラフからそれぞれ次のように表すことができる。
【数6】
【0059】
したがって、全外気型空気調和機3に対する室内循環型空気調和機5のエネルギー消費量は、下記の通りとなる。
【数7】
q2/q1=76.8%
【0060】
図9のグラフにそくして言えば、全外気型空気調和機3におけるエンタルピは▲1▼点の空気状態から▲2▼点の空気状態と変化したことになる。これに対して、本発明の係る室内循環型空気調和5では、まず▲1▼点の空気の状態と▲3▼の空気の状態とが混ざって▲1▼´点の空気状態となり、この状態から▲2▼点の空気状態と変化したことになる。したがって、エンタルピ差は小さく、全外気型の42.7%となる。室内循環型空気調和機3における省エネルギー量は、下記の通りとなる。
【数8】
1−q2/q1=23.2%
【0061】
以上述べたように、第1の実施の形態によれば、空気イオン化装置12に取り込まれる空気は清浄空気供給装置6からの清浄空気だけなので、空気イオン化装置12は汚れることがなく、頻繁に清掃作業や交換作業を実施する必要がない。したがって、多大なメンテナンス費用は不要となり、経済的に極めて有利である。また、接地極13aを取るコイル13によって帯電したオイルミストを効率良く捕集することができるため、コンパクトな構成でオイルミスト除去機能を果たすことができる。したがって、見通し距離を確保し、工場床面の滑りを防止でき、作業環境を改善して作業効率の向上を図ることができる。さらには、工場周囲にオイルミストを排出しないので環境保全に寄与することができる。また、空気調和機を全外気型ではなく室内循環型としているため、運営コストおよびエネルギー消費量を大きく削減することができる。
【0062】
(2)第2の実施の形態/図10参照
[構成]第2の実施の形態は、清浄空気供給装置22が外気を圧縮して清浄処理する圧縮空気方式であることに特徴がある。図10に示すように、清浄空気供給装置22は空気圧縮機22a、フィルタ22b、ドライヤ22c及び空気タンク22dから構成されている。
【0063】
[作用効果]
このような第2の実施の形態では、圧縮空気方式の清浄空気供給装置22を採用することで、前記第1の実施の形態とは反対に、空気調和機の処理風量が小さく工場内に分散して空気調和機を設置するような場合に最適である。
【0064】
(3)第3の実施の形態/図11〜図14参照
[構成]第3の実施の形態は、空気導入部10への空気イオンの搬送構成に特徴があり、空気導入部10の天井部分の壁面近傍に配管11cを開口させ、そこに空気イオン化装置12を設置している。図11は第31の実施の形態の構成図、図12は要部斜視図、図13及び図14は空気イオン化装置12の構成図を示している。
【0065】
第3の実施の形態では、第1の実施の形態における配管11cを空気導入部10の天井部分だけの短くしかもその先端に開口部を有するものとして、この短い配管11cの開口部近傍に空気イオン化装置12の放電電極12cを取り付け、この放電電極12cで生成したイオンを清浄空気供給装置22からの清浄空気と共に空気導入部10に送り込むようになっている。
【0066】
この第3の実施の形態の空気イオン化装置12はコロナ放電方式であるが、第1の実施の形態におけるそれとは違って接地極12dを取る誘引電極12eが無く、直流高圧電源12aと、高圧電線12bと、放電電極12cとからなる。放電電極12cは前記短い配管11cの内部に収納されており、配管11cにおける放電電極12cの下方が空気イオンを放出する開口部12fとなっている。清浄空気をイオン化する場合は、負イオン、性イオンの何れでも良いが、図13の空気イオン化装置12は清浄空気を負イオン化した例、図14では清浄空気を正イオン化した例を示している。
【0067】
[作用効果]
このような構成を有する第3の実施の形態によれば、空気導入部10の上部に設けられた短い配管11cから空気導入部10の全域にわたって空気イオンを送り込むため、第1の実施の形態のような空気イオンを空気導入部10の内部にまで搬送するための配管11cや、各配管の***毎の近傍に設ける放電電極12cが不要となり、構造の簡略化を進めることができる。
【0068】
なお、第3の実施の形態と前記第1の実施の形態との組み合わせとして、図15に示すように、第1実施形態と同様に各配管11cを空気導入部10の下方にまで延長し、各配管11c上に***21を一定間隔で設けておき、空気イオン化装置12の放電電極12cを第3の実施の形態のように各配管11cの上部にのみ設けることも可能である。このようにすると、空気イオン化装置12の取付数を低減することができ、各配管11c上部で生成されたイオンを空気導入部10の全域に均等に案内することができる。
【0069】
(4)第4の実施の形態/図16〜図19参照
[構成]第4の実施の形態は空気イオン化装置23に特徴がある。すなわち、空気イオン化装置23は軟X線照射方式であり、図16及び図17に示すように、軟X線制御装置23aと、軟X線を照射する軟X線発生部23bと、正イオンまたは負イオンを取り除くフィルタ電極23cと、高圧電線23dを介してフィルタ電極23cに接続された直流高圧電源23eとを備えている。このうち、軟X線発生部23bは配管11cの内部であって且つ各***21に近接して設けられており、フィルタ電極23cは***21の外周部に沿って配管11cの外面に取り付けられている。
【0070】
ところで、図16及び図17の実施の形態では第1の実施の形態における空気イオン化装置12を軟X線照射方式の空気イオン化装置23に替えたものである。これに対して、図18及び図19に示すように、第3の実施の形態における空気イオン化装置12に替えて、軟X線照射方式の空気イオン化装置23を用いても良い。この場合、フィルタ電極23cは***21外周部ではなく、軟X線発生部23b下方の開口部23fに取り付けられている。なお、図16及び図18の空気イオン化装置23では清浄空気を負イオン化した例、図17及び図19では清浄空気を正イオン化した例を示している。
【0071】
[作用効果]
以上のような第4の実施の形態に係る空気イオン化装置23では、軟X線発生部23bからの軟X線照射により正イオンと負イオンの両方を発生させた後、フィルタ電極23cにて正イオンまたは負イオンを取り除く。そして、負空気イオンまたは正空気イオンだけを空気導入部10に送り込む。このようにしてコロナ放電方式の空気イオン化装置12と同様の作用効果を得ることができる。
【0072】
(5)第5の実施の形態/図20及び図21参照
[構成]第5の実施の形態ではフィルタ電極23cの配置構成に特徴がある。すなわち、軟X線照射方式の空気イオン化装置23において、図20及び図21に示すように、室内循環型空気調和機5のハウジング5a内にフィルタ電極23cを一つだけ配置する構成としている。このとき、フィルタ電極23cは接地極23gを取り、コイル13における空気流路9の上流側にコイル13全面を覆うようになっている。
【0073】
すなわち、図20の実施の形態は、複数の配管11cを空気導入部10の下方にまで延長し、各配管11cに設けた各***部分にそれぞれ軟X線発生部23bを配置した場合において、1つのフィルタ電極23cを採用したものである。また、図21の実施の形態は、複数の配管11cを空気導入部10の天井部分に配置し、各配管11cの下端開口部に軟X線発生部23bを配置した場合において、1つのフィルタ電極23cを採用したものである。
【0074】
[作用効果]
以上のような第5の実施の形態によれば、フィルタ電極23cを一箇所に配置するだけなので、フィルタ電極23cを複数配置させる必要がない。したがって、構成の簡略化を進めることができ、コストを大幅に軽減することができる。
【0075】
(6)第6の実施の形態/図22参照
[構成]第6の実施の形態には、コイル13に対し洗浄液と同じ方向から高圧空気を吹き付けるターボブロア24が配置されている。ターボブロア24は請求項に記載の高圧空気供給手段に対応している。
【0076】
[作用効果]
第6の実施の形態では、ターボブロア24からコイル13に高圧空気を吹き付けるることでコイル13に付着したオイルミストを吹き飛ばし、これを取り除くことができる。したがって、コイル13にオイルミストが残留することがなく、コイル13の洗浄度を高めてオイルミストの捕集効率が向上する。また、自動洗浄装置として高圧空気供給装置を同時に作動させると、更に洗浄効果を高めることができる。
【0077】
(7)第7の実施の形態/図23及び図24参照
[構成]第7の実施の形態においては、コイル13における空気流路9の上流側には金属製のフィルタ25が設けられている。また、フィルタ25の空気流路9上流側(図23及び図24中の左側)にはフィルタ25を自動的且つ間欠的に洗浄する第2の自動洗浄装置26が配置されている。この第2の自動洗浄装置26は前記自動洗浄装置14と同様の構成を有しており、洗浄水送水管15は共有である。
【0078】
なお、図23の実施の形態は、複数の配管11cを空気導入部10の下方にまで延長し、各配管11cに設けた各***部分にそれぞれ空気イオン化装置を配置して第2の自動洗浄装置26を設けたものである。また、図24の実施の形態は、複数の配管11cを空気導入部10の天井部分に配置し、各配管11cの下端開口部に空気イオン化装置を配置して第2の自動洗浄装置26を設けたものである。なお、図23及び図24の実施の形態の金属フィルタ25において、空気イオン化装置はコロナ放電方式の場合は接地極として採用したものに対して、軟X線照射方式の場合はフィルタ電極として採用している。
【0079】
[作用効果]
このような第7の実施の形態では、まず金属製のフィルタ25にてオイルミストの一次捕集を行い、続いてコイル13にてオイルミストの二次捕集を行うことができる。つまり、二段階でオイルミストを除去することができ、高い除去効率を発揮できる。このため、オイルミストの濃度が極端に高い場合や、固形物を多く含み粘着性が高い場合などに特に有効である。また、フィルタ25は金属製なので第2の自動洗浄装置26による洗浄作業が容易であり、2つの自動洗浄装置14,26によってメンテナンスフリー化をいっそう進めることができる。
【0080】
(8)第8の実施の形態/図25〜図27参照
[構成]第8の実施の形態は、清浄空気供給装置6と空気イオン化装置12または23とが一体化されて共通のハウジング27に収納されている点に特徴がある。すなわち、前記各実施の形態は、いずれもコロナ放電方式や軟X線照射方式などの空気イオン化装置12または空気導入部10の近傍に設けたものであるが、この第8の実施の形態は、空気イオン化装置12又は23を空気導入部10から離れた箇所に配置して、その部分で発生したイオンと混合させた清浄空気を配管を介して空気導入部10内に送り込むものである。
【0081】
この場合、外部で生成されたイオン化空気を、空気導入部10内において分配するためには、図25および図26に示すように、空気導入部10内の上部から下部にかけて複数の配管11cを配置し、各配管11cに設けた***21から空気導入部10の各部にイオン化空気を吹き込むことができる。また、第27図に示すように、空気導入部10の天井部分に配置した複数の短い配管11cの下端部から、空気導入部10の下方に向けてイオン化空気を吹き出して、空気導入部10内の空気と混合させることも可能である。
【0082】
[作用効果]
第8の実施の形態では、清浄空気供給装置6と空気イオン化装置12または23との一体化を図ることや、空気イオン化装置12または23を空気導入部10の配管部分と離れた箇所に設けることにより、空気導入部10やその配管部分の構成を簡略化することが可能である。特に、配管部分に空気イオン化装置12または23を設ける場合には、小型の装置を比較的狭い箇所に設けることになるので、イオン化空気の発生源が空気導入部10に近く効率の良い利点はあるものの、装置の構成が複雑化するが、本実施の形態のように空気イオン化装置12または23を一箇所に設けることでこれらの問題を解決できる。また、既存の設備に本発明を適用する場合も、設備の改変箇所が少なくて済む。
【0083】
(9)他の実施の形態
本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、空気清浄化装置を単独に設置しなくても良く、清浄な空気であれば工場内にあるものや他の設備と兼用しても良い。また、空気イオン化装置に関しても、コロナ放電方式や軟X線照射方式にとらわれることなく、同程度に清浄空気をイオン化できるものであればどのような方式であっても構わない。さらに、空気清浄化装置や空気イオン化装置における方式の組み合わせは自由である。
【0084】
空気イオン化装置の設置場所や設置方法に関しても適宜変更可能である。例えば、軟X線照射方式において、軟X線発生部の周囲を軟X線が漏れない部材で囲むことにより、軟X線の漏洩を防止といった実施の形態も包含している。その際、軟X線が漏れない材質でエミリネータを構成すれば、両部材の兼用が可能であり、いっそうの構成簡略化を図ることができる。
【0085】
また、上記の実施の形態において、送り込み方式を採用した場合の空気イオン化装置あるいは空気清浄化装置は、空気調和機5のハウジング5a上方に配置したが、ハウジング5aの側方であっても良い。さらに、配管11a〜11cをダクトとしても良い。また、自動洗浄装置14の駆動部14bによる噴射ノズル14aの移動方向は適宜選択可能であり、横方向だけではなく、上下方向や斜め方向でも良い。
【0086】
なお、本発明はオイルミスト除去用空気調和機としているが、オイルミストの除去機能に優れている点を強調しているものであって、その用途はオイルミスト除去用だけではなく、加湿や再熱、さらには他の様々な空気処理プロセスの前置きあるいは後置きユニットとして使用可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明によれば、オイルミストを効率良く除去すると共に構成の簡略化とメンテナンスの容易化を実現することにより、コンパクト化と経済性に優れ、作業環境の改善及び周囲との環境調和を図ったオイルミスト除去用空気調和機を得ることができる。また、室内循環型空気調和機を使用した場合には、運営コストおよびエネルギー消費量を大きく削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の構成図。
【図2】第1の実施の形態を設置した金属加工工場の構成図。
【図3】第1の実施の形態における清浄空気供給装置6の構成図。
【図4】第1の実施の形態における空気導入部10の配管11a〜11c並びにコロナ放電方式による空気イオン化装置12の配置構造を示す斜視図。
【図5】第1の実施の形態における空気イオン化装置12の構成図で、配管11cの***近傍に空気イオン化装置12を設けて、清浄空気を負イオン化した例を示す。
【図6】第1の実施の形態における空気イオン化装置12の構成図配管11cの***近傍に空気イオン化装置12を設けて、清浄空気を正イオン化した例を示す。
【図7】第1の実施の形態におけるコイル13周辺の斜視図。
【図8】第1の実施の形態におけるコイル13周辺の側面図。
【図9】第1の実施の形態の効果を説明するための空気線図。
【図10】本発明に係る第2の実施の形態における清浄空気供給装置22の構成図。
【図11】本発明に係る第3の実施の形態の構成図。
【図12】第3の実施の形態における空気導入部10の配管11a〜11c並びにコロナ放電方式による空気イオン化装置12の配置構造を示す斜視図。
【図13】第3の実施の形態における空気イオン化装置12の構成図で、空気導入部10の上部に配設された配管11cの出口近傍に空気イオン化装置12を設けて、清浄空気を負イオン化した例を示す。
【図14】第3の実施の形態における空気イオン化装置12の構成図で、空気導入部10の上部に配設された配管11cの出口近傍に空気イオン化装置12を設けて、清浄空気を正イオン化した例を示す。
【図15】第3の実施の形態の変形例における空気導入部10の配管11a〜11c並びにコロナ放電方式による空気イオン化装置12の配置構造を示す斜視図。
【図16】本発明に係る第4の実施の形態における軟X線照射方式による空気イオン化装置23の構成図で、特に、軟X線発生部23bを空気導入部10内に伸びる配管の***近傍に設け、清浄空気を負イオン化したものを示す。
【図17】本発明に係る第4の実施の形態における軟X線照射方式による空気イオン化装置23の構成図で、特に、軟X線発生部23bを空気導入部10内に伸びる配管の***近傍に設け、清浄空気を正イオン化したものを示す。
【図18】第4の実施の形態における軟X線照射方式による空気イオン化装置23の構成図で、特に、軟X線発生部23bを空気導入部10の天井部分に配置された配管の出口近傍に設け、清浄空気を負イオン化したものを示す。
【図19】第4の実施の形態における軟X線照射方式による空気イオン化装置23の構成図で、特に、軟X線発生部23bを空気導入部10の天井部分に配置された配管の出口近傍に設け、清浄空気を負イオン化したものを示す。
【図20】本発明に係る第5の実施の形態の構成図であって、特に、軟X線照射方式による空気イオン化装置23の軟X線発生部23bを空気導入部10内に伸びる配管の***近傍に設けた場合の構成図。
【図21】本発明に係る第5の実施の形態の構成図であって、特に、軟X線照射方式による空気イオン化装置23の軟X線発生部23bを空気導入部10の天井部分に配置された配管の出口近傍に設けた場合の構成図。
【図22】本発明に係る第6の実施の形態においてコイル13周辺の斜視図。
【図23】本発明に係る第7の実施の形態の構成図であって、特に、軟X線照射方式による空気イオン化装置23の軟X線発生部23bを空気導入部10内に伸びる配管の***近傍に設けた場合の構成図。
【図24】本発明に係る第7の実施の形態の構成図であって、特に、軟X線照射方式による空気イオン化装置23の軟X線発生部23bを空気導入部10の天井部分に配置された配管の出口近傍に設けた場合の構成図。
【図25】本発明に係る第8の実施の形態の構成図であって、特に、空気イオン化装置を空気導入部10の外部に設けて、空気導入部10内に伸びる配管の***から送り出す場合の構成図。
【図26】図25の方式において空気導入部10に設けた配管11a〜11cの構成を示す斜視図。
【図27】第8の実施の形態の構成図であって、特に、空気イオン化装置を空気導入部10の外部に設けて、空気導入部10の天井部分に設けた配管から送り出す場合の構成図。
【図28】従来から知られている一般的な金属加工工場の構成図。
【符号の説明】
1…生産装置
2…オイルミスト除去装置
3…全外気型空気調和機
4…排気機ユニット
5…室内循環型空気調和機
6,22…清浄空気供給装置
7…空気取入れ口
8…空気吐出し口
9…空気流路
10…空気導入部
11a,11b,11c…配管
12,23…空気イオン化装置
12c…放電電極
12e…誘引電極
13…コイル
13a…接地極
14…自動洗浄装置
14a…噴射ノズル
15…洗浄水送水管
16…送風機
17…エミリネータ
18…排水管
19…滴下装置
20…給水管
21…***
24…ターボブロア
25…金属製のフィルタ
26…第2の自動洗浄装置
27…共通のハウジング
RA…オイルミストを含む空気
SA…オイルミストを除去した空気
Claims (3)
- 工場内に配置された生産装置から発生したオイルミストを除去するオイルミスト除去用空気調和機であって、
外気を清浄化して清浄空気にする空気清浄化装置と、
前記空気清浄化装置から前記清浄空気を取り入れてこれをイオン化する空気イオン化装置と、
前記空気イオン化装置から空気イオンを取り入れると共に前記オイルミストを含んだ前記工場内の空気を取り入れ、互いを混合させる空気導入部と、
接地極を取るコイルと、
前記空気導入部内の空気を前記コイルに流す空気流路と、を備え、
前記空気清浄化装置は外気をフィルタによって清浄処理する外気処理方式を採用し、
前記空気清浄化装置からの清浄空気が流れる清浄空気供給配管を前記空気導入部の内部に設置し、
前記清浄空気供給配管に複数の***を形成し、
前記清浄空気供給配管の内部で且つ前記***に近接して前記空気イオン化装置を配置したことを特徴とするオイルミスト除去用空気調和機。 - 前記オイルミスト除去用空気調和機は、室内循環型空気調和機からなることを特徴とする請求項1に記載のオイルミスト除去用空気調和機。
- 前記コイルには、それを洗浄するコイル洗浄装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオイルミスト除去用空気調和機。
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