JP4008070B2 - シール材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱によってシールすることができる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波加熱を利用したシール方法は簡便であるところから広く使用されているが、高周波加熱に不活性なポリオレフィンやスチレン系重合体のような非極性重合体には適用することができない。またオレフィン重合体においては、極性ビニルモノマーを共重合すると高周波シールが可能となるが、極性ビニルモノマーを相当量で共重合させる必要があり、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体においては、酢酸ビニル含量が少なくとも15重量%以上程度含有する共重合体を、またエチレン・不飽和カルボン酸共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体においては、さらに多くの極性ビニルモノマー含量のものを使用しなければ高周波シールは難しい。
【0003】
しかるにこのようなエチレン・極性ビニル共重合体において極性ビニルモノマー含量が増えてくると、耐熱性、機械的強度、剛直性等が低下してくるので、用途によっては望ましくないことがある。
【0004】
一方、ポリオレフィンやエチレン・極性ビニルモノマー共重合体の高周波シール特性を改善するための方法として、一酸化炭素を共重合したり、あるいはエチレン・一酸化炭素共重合体を配合すると効果的であることは、特公平7−5771号公報において知られている。このような方法は単にシール特性のみに着目した場合には優れた方法ではあるが、シール層には必ず一酸化炭素の共重合単位を有する重合体を含有させなければならないことから、応用範囲に制約を受けることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記事情に鑑み、さらに応用範囲の広いシール材料を得るため、シール層としてポリオレフィンや極性ビニルモノマー含量のより少ないエチレン共重合体を用いた場合においても高周波シールが可能となるような処方について検討を行った。その結果、後記するような積層構造のシール材料とすればその目的が達成できることを知り、本発明に到達した。したがって本発明の目的は、通常であれば高周波シールの困難なポリオレフィンやエチレン・極性ビニルモノマー共重合体をシール層とする高周波シール可能なシール材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレン・一酸化炭素共重合体層(A)及びエチレン・極性ビニルモノマー共重合体又はエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物からなり、極性ビニルモノマー成分が5重量%以上からなる層(B)を有する積層体からなり、(B)層がヒートシール層である高周波シール用積層体に関する。
【0007】
本発明はまた、エチレン・一酸化炭素共重合体層(A)、エチレン・極性ビニルモノマー共重合体又はエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物からなり、極性ビニルモノマー成分が7重量%以上の層(C)及びエチレン・極性ビニルモノマー共重合体、炭化水素系重合体又はそれらの組成物のいずれかからなる層(D)を有する積層体からなり、(D)層がヒートシール層である高周波シール用積層体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、シール層となる(B)層に隣接して、エチレン・一酸化炭素共重合体の層(A)が設けられた積層構造を有する高周波シール用積層体に関するもので、これらの基本構造を有する限りこれら2層構造のもののみならず、さらに(A)層に隣接した層(X)が設けられた3層以上の構成のものであってもよい。
【0009】
(A)層に用いられるエチレン・一酸化炭素共重合体は、エチレンと一酸化炭素のみの共重合体のみならず、さらに極性ビニルモノマーが共重合された多元共重合体であってもよい。このような共重合体として、エチレンが50〜95重量%、好ましくは55〜90重量%、一酸化炭素が3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、極性ビニルモノマーが0〜40重量%、好ましくは5〜30重量%のような割合で共重合されたものが好ましい。すなわちエチレン含量が上記範囲より少ないものを用いると、機械的強度が小さく、また(B)層との層間接着性を充分大きくすることができない場合がある。また一酸化炭素含量が上記範囲より少ないものを用いると、高周波シール性能が低下する一方、あまりその含量が多いものを用いると、機械的強度や(B)層との層間接着性に悪影響を及ぼすので避けるべきである。さらに極性ビニルモノマーは、高周波シール性や(B)層との層間接着性を向上させるため、上記のような範囲で適量含有されていることが望ましい。このような極性ビニルモノマーとしては、後記するエチレン・極性ビニルモノマー共重合体における極性ビニルモノマーとして例示したようなものが使用できる。
【0010】
エチレン・一酸化炭素共重合体としてはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜1000g/10分、好ましくは0.1〜200g/10分程度のものを使用するのが望ましい。
【0011】
このようなエチレン・一酸化炭素共重合体は、高圧法ポリエチレンの製法と類似の方法で製造することができる。
【0012】
エチレン・一酸化炭素共重合体層(A)は、エチレン・一酸化炭素共重合体のみで構成してもよいが、高周波シール特性を著しく損なわない範囲内において他の重合体を配合することができる。このような重合体の1例として、酢酸ビニル含量が15〜35重量%程度のエチレン・酢酸ビニル共重合体や(メタ)アクリル酸エステル含量が20〜40重量%程度のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。このような共重合体は、例えば、エチレン・一酸化炭素共重合体の等量以下程度の量で配合することができる。
【0013】
第1の発明のシール層(B)は、エチレン・極性ビニルモノマー共重合体又はエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物であって、極性ビニルモノマー成分の含量が5重量%以上のもので形成される。すなわち1種のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体を使用する場合は、極性ビニルモノマー含量が5重量%以上のものを選択し、また2種以上のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体の組成物として用いる場合は、極性ビニルモノマーの平均含量が5重量%以上のものとなるようにすればよく、同様に1種又は2種以上のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物を用いる場合には、極性ビニルモノマーの平均含量が5重量%以上となるようにすればよい。
【0014】
これらエチレン・極性ビニルモノマー共重合体における極性ビニルモノマー成分としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような不飽和カルボン酸又はその無水物、これら不飽和カルボン酸の塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などの塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどを例示することができる。これら極性ビニルモノマーは2種以上含むものであってもよい。
【0015】
(B)層におけるエチレン・極性ビニルモノマー共重合体に起因する極性ビニルモノマー成分の含量は、5重量%以上であるが、それ自体充分な高周波シール性を持つものは本発明を適用する意義が小さいので、充分な高周波シール性を有しないものに適用することが望ましく、例えば該共重合体を単独使用する場合、エチレン・酢酸ビニル共重合体であれば、酢酸ビニル含量が5〜17重量%、好ましくは7〜14重量%のもの、他の共重合体の場合には極性ビニルモノマー含量が5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%のものにそれぞれ適用することが望ましい。
【0016】
エチレン・極性ビニルモノマー共重合体を2種以上用いる場合には、極性ビニルモノマー含量が5重量%以上のもの同志のみならず、共重合体混合物中の極性ビニルモノマー含量が5重量%以上となるように、その含量が5重量%以上のものと5重量%以下のものを併用することができる。
【0017】
エチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物を使用する場合にはシール性の点から前者が50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有する組成物を使用することが好ましい。組成物中のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体に由来する極性ビニルモノマー成分の含量は5重量%以上であるが、この場合もこの組成物自体で充分な高周波シール性を有しないものに適用することが望ましく、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体の組成物を使用する場合には、酢酸ビニル含量が5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%程度のエチレン・酢酸ビニル共重合体を用い、組成物中の酢酸ビニル成分含量が5〜17重量%、好ましくは7〜14重量%となるような組成物を用い、他のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体を使用する場合は、極性ビニルモノマー含量が5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%の共重合体を用いて、組成物中の極性ビニルモノマー成分含量が、5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%となるような組成物を使用することが望ましい。
【0018】
ここに炭化水素系重合体としては、各種ポリエチレン、例えば中、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、マルチサイト触媒で重合された直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒で製造された密度が0.86〜0.94g/ccのエチレン・α−オレフィン共重合体、他の触媒系で製造された非晶性又は低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1,2−ブタジエンなどのポリオレフィン類、スチレン・ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン・イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物のようなスチレン系ブロック共重合体などを例示することができる。このような炭化水素系重合体は、無水マレイン酸のような極性ビニルモノマーでグラフト変性されたものであってもよい。
【0019】
(B)層を構成する重合体又はその組成物としては、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分程度のものを使用するのがよい。
【0020】
このような(A)層及び(B)層には任意に添加物を配合することができる。このような添加剤の例として、粘着付与樹脂、酸化防止剤、耐候安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、帯電防止剤等を代表例として挙げることができる。
【0021】
第1の発明において、(A)層の厚みは少なくとも80μm以上あることが望ましく、例えば80〜3000μm、好ましくは100〜2000μmの範囲である。一方、(B)層の厚みが大きくなりすぎると高周波シール性が低下するので、50μm以下の厚みが望ましく、たとえば2〜50μm、好ましくは5〜50μmの範囲である。
【0022】
第2の発明においては、シール層となる(D)層に隣接して、エチレン・極性ビニルモノマー共重合体を含む(C)層とエチレン・一酸化炭素共重合体層(A)が設けられた積層構造を有する高周波シール用積層体に関するもので、シール層(D)とエチレン・一酸化炭素共重合体層(A)の他にエチレン・極性ビニルモノマー共重合体を含む(C)層を設けたことにより、高周波シールが更に困難とされている重合体、例えばポリオレフィンや、第1の発明のヒートシール層(B)に用いられているよりも極性ビニルモノマー含量の少ないエチレン・極性ビニルモノマー共重合体を高周波シールすることができるので、更に応用範囲が拡大される。
【0023】
第2の発明においても、(A)層には更に隣接した層(X)が設けられたものであってもよい。(A)層に用いることのできるエチレン・一酸化炭素共重合体は、第1の発明のものと同じである。
【0024】
(C)層を構成する材料は、第1の発明の(B)層のものと極性ビニルモノマー含量が若干異なる以外は、類似した構成となっている。すなわち(C)層は、極性ビニルモノマー含量が7重量%以上のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体、2種以上のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体からなり、平均極性ビニルモノマー含量が7重量%以上のもの又はエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物であって、極性ビニルモノマー成分の含量が7重量%以上の組成物のいずれかにより形成される。
【0025】
ここにエチレン・極性ビニルモノマー共重合体を単独使用する場合の極性ビニルモノマー含量は、7重量%以上であるが、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体であれば、酢酸ビニル含量が7〜20重量%、好ましくは9〜15重量%のもの、他の共重合体の場合には極性ビニルモノマー含量が7〜30重量%、好ましくは10〜25重量%のものにそれぞれ適用することが望ましい。
【0026】
エチレン・極性ビニルモノマー共重合体の2種以上のブレンドを使用する場合には、極性ビニルモノマー含量が7重量%以上のもの同志のブレンドのみならず、その平均含量が7重量%以上となる限り、7重量%以上のものと7重量%未満のものを併用することができる。
【0027】
エチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物を使用する場合は、シール性の点から前者が50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有する組成物を使用することが好ましい。組成物中のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体に由来する極性ビニルモノマー成分の含量は7重量%以上であるが、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体の組成物を使用する場合には、酢酸ビニル含量が7〜25重量%、好ましくは9〜20重量%程度のエチレン・酢酸ビニル共重合体を用い、組成物中の酢酸ビニル成分含量が7〜20重量%、好ましくは9〜15重量%となるような組成物を用い、他のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体を使用する場合は、極性ビニルモノマー含量が7〜35重量%、好ましくは10〜30重量%の共重合体を用いて、組成物中の極性ビニルモノマー成分含量が、7〜30重量%、好ましくは10〜25重量%となるような組成物を使用することが望ましい。
【0028】
ここで使用される炭化水素系重合体の例としては、第1の発明の(B)成分として使用できるものとして例示したものと同様のものが使用できる。
【0029】
(C)層を構成する成分としてはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜1000g/10分、好ましくは1〜500g/10分程度のものを使用することが望ましい。
【0030】
第2の発明のヒートシール層となる層(D)は、エチレン・極性ビニルモノマー共重合体、炭化水素系重合体又はそれらの組成物からなるものであり、炭化水素系重合体単独のような、高周波シールに対し不活性とされている重合体も第2の発明により高周波シールを行うことができる。
【0031】
エチレン・極性ビニルモノマー共重合体としては、本来、単独では高周波シールが難しいものを選択すると、この発明を採用する意義があるので、(B)や(C)と同様の共重合体であって、エチレン・酢酸ビニル共重合体にあっては、酢酸ビニル含量が15重量%以下のもの、好ましくは10重量%以下のものを、また他の共重合体にあっては、極性ビニルモノマー含量が20重量%以下、好ましくは15重量%以下のものをそれぞれ選択することが望ましい。
【0032】
炭化水素系重合体としては、第1の発明の(B)層の1成分に使用できるものとして例示したものが使用できる。好ましいものは、ポリエチレン又はエチレンを主体とするエチレン・α−オレフィン共重合体であり、中でも190℃、2160g荷重のメルトフローレートが0.01〜200g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0033】
エチレン・極性ビニルモノマー共重合体同志の組成物またはエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物を使用する場合は、両者の任意割合の組成物であって、本来高周波シールが困難な組成のもので、溶融粘度が、上記と同様のものを選択するのが好ましい。
【0034】
第2の発明の各層には、各種添加剤を配合してよいことは第1の発明と同様である。とくに(C)層には、粘着付与剤、例えば各種炭化水素樹脂、例えば脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、これらの水素添加物、テルペン系樹脂、各種ロジン類などを配合すると効果的である。これら粘着付与樹脂は、例えば1〜20重量%程度配合することができる。
【0035】
第2の発明における(A)層の厚みは、20μm以上、例えば20〜200μm、好ましくは20〜100μm、(C)層の厚みは、通常2〜20μm、好ましくは5〜10μm、(D)層の厚みは20μm以下、例えば2〜20μm、好ましくは5〜20μmの範囲が望ましい。
【0036】
第1及び第2の発明において、エチレン・一酸化炭素共重合体(A)に隣接して設けることのできる層(X)としては、各種熱可塑性樹脂、紙、織布、不織布などからなる1層又はそれ以上の層である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、本来高周波シールが難しかった材料をシール層としても、高周波シールによって強固なシール強度を得ることができる。かくして本発明の高周波シール用積層体は、各種包装材料、ターポリン、各種シートなどの用途に使用することができる。
【0038】
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるものではない。なお実施例及び比較例に用いた原料樹脂の種類及び試験方法は以下のとおりである。
【0039】
1.原料
積層体を構成する各層の樹脂として下記のものを用いた。
【0040】
【表1】
Figure 0004008070
【0041】
上記原料樹脂の組成、物性等は以下のとおりである。
(1)E・VA・CO
共重合体組成(重量%):
エチレン 66
酢酸ビニル 24
一酸化炭素 10
MFR: 35g/10分
【0042】
(2)EVA▲1▼
三井・デュポンポリケミカル(株)製、エチレン・酢酸ビニル共重合体
”エバフレックス V5711”
VA含量:10重量%、
MFR: 3g/10分)
【0043】
(3)EVA▲2▼
下記2種のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)混合物に粘着付与剤としてアルコンP 100 (荒川化学(株)製、水添石油樹脂)を下記の比率で配合したもの。
【0044】
【表2】
Figure 0004008070
混合物のVA含量:12.6重量%
混合物のMFR: 10g/10分
【0045】
(4)EEA/PE
低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・α−オレフィン共重合体と、粘着付与剤としてアルコンP 115 )荒川化学(株)製、水添石油樹脂)を下記のとおり配合したもの。
【0046】
【表3】
Figure 0004008070
混合物中のアクリル酸エチル(EA)含量:4.2重量%
混合物のMFR: 18.5g/10分
【0047】
(5)LDPE
三井石油化学工業(株)製、低密度ポリエチレン
”ミラソン16”
MFR=3.7g/10分
【0048】
2.試験方法
(a)試料作成条件
(1) エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体
熱プレスシート成形機を使用して、厚さ1mm及び2mmのプレスシートを作成した。
【0049】
(2) その他の熱可塑性樹脂
30mmΦインフレーション成形機を使用して、厚さ50μmのフィルムを作成した。
【0050】
(b)高周波ウェルダーシール特性の測定
(B)〜(D)層を構成する熱可塑性樹脂フィルム同士を重ねあわせ、それぞれの外側にエチレン・不飽和エステル・一酸化炭素共重合体のシートを重ねて、E・VA・CO/熱可塑性樹脂/熱可塑性樹脂/E・VA・COの層構成とし、精電舎電子工業(株)製、高周波ウェルダーKV−3000TAを使用して、以下の条件で熱可塑性樹脂フィルム同士を高周波シールした。
発振強度 100%
発振時間 5秒
冷却時間 4秒
圧力 0.15MPa
【0051】
フィルムの高周波ウェルダーシール性は下記2段階により評価した。
○:フィルム同士が充分融着し、剥そうとすると材料破壊する。
×:シール部で界面剥離する。
【0052】
[実施例1]
厚み1000μmのE・VA・CO共重合体と厚み50μmのEVA▲1▼(エバフレックス V5711)フィルムとを前記(b)の方法で積層し、EVAフィルム同士を接触させて高周波シールし、高周波ウェルダー性を評価した。結果を表4に示す。
【0053】
[実施例2]
(A)層のE・VA・CO共重合体シートの厚みを2000μmとした以外は実施例1と同様にして高周波ウェルダーシールを行い、高周波ウェルダー性を評価した。結果を表4に示す。
【0054】
[比較例1〜2]
実施例1〜2において、(B)層としてEVA▲1▼のフィルムの代わりにLDPEフィルムを用いた以外は実施例1〜2と同様にして高周波シールし、高周波ウェルダー性を評価した。結果を表5に示す。
【0055】
[比較例3〜4]
実施例にて使用したE・VA・CO共重合体のプレスシートを使用せず、LDPEまたはEVA▲1▼のフィルムのみを使用して、実施例1と同様に高周波シールを行い、フィルムの高周波ウェルダーシール性を調べた。結果を表5に示す。
【0056】
[実施例3〜4]
E・VA・CO共重合体とEVA▲1▼とを、多層インフレーションフィルム成形機を用いて、2層フィルムを成形した。成形した2層フィルムのEVAフィルム層を内側にしてEVAフィルム同士を接触させて、高周波ウェルダーシールを行った。結果を表6に示す。
【0057】
[比較例5〜6]
実施例3〜4において、(B)層としてEVAフィルムの代わりにLDPEフィルムを用いて、2層フィルムを成形した。成形した2層フィルムのLDPEフィルム層を内側にしてLDPE同士を接触させて、高周波ウェルダーシールを行った。結果を表6に示す。
(B)層にLDPEを用いたため、比較例5〜6の試料では、高周波シールができず、E・VA・CO共重合体とLDPEフィルムとの間で層間剥離を起こした。
【0058】
【表4】
Figure 0004008070
【0059】
【表5】
Figure 0004008070
【0060】
【表6】
Figure 0004008070
【0061】
[実施例5〜8]
3層インフレーションフィルム成形機を使用して、内層(A層)にE・VA・CO共重合体、接着層(C層)にEVA▲2▼(混合EVA)フィルムを、また外層(D層)にLDPEからなる3層構成のフィルムを成形した。
成形した3層フィルムのLDPE層を内側にしてLDPE同士を接触させて、高周波ウェルダーシールを行った。結果を表7に示す。
E・VA・CO共重合体(A)層と、EVA層(C)層を設けたことにより、(D)層に本来高周波加熱シールが困難とされていたポリオレフィン系重合体を用いても、高周波加熱シールができた。
【0062】
[実施例9〜10]
実施例7〜8において、(D)層として、LDPEの代わりにEVA▲1▼のフィルムを用い、実施例7〜8と同様にしてEVAフィルム層同士を接触させて、高周波ウェルダーシールを行った。結果を表7に示す。
【0063】
[比較例7〜12]
実施例5〜10において、(C)層として、EVA▲2▼の代わりにEEA/PE組成物のフィルムを用いて実施例5〜10と同様にして(D)層のLDPEまたはEVA単体フィルム同士を接触させて、高周波ウェルダーシールを行った。結果を表8に示す。
(C)層に用いたEEA/PEは、エチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体との混合物であるが、混合物中のアクリル酸エチル含量の少ないものであるため、(D)層のLDPEまたはEVAフィルム同士の高周波シールはできなかった。
【0064】
【表7】
Figure 0004008070
【0065】
【表8】
Figure 0004008070

Claims (5)

  1. エチレン・一酸化炭素共重合体層(A)及びエチレン・極性ビニルモノマー共重合体又はエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物からなり、極性ビニルモノマー成分が5重量%以上からなる層(B)を有する積層体からなり、(B)層がヒートシール層である高周波シール用積層体。
  2. エチレン・一酸化炭素共重合体層(A)、エチレン・極性ビニルモノマー共重合体又はエチレン・極性ビニルモノマー共重合体と炭化水素系重合体の組成物からなり、極性ビニルモノマー成分が7重量%以上の層(C)及びエチレン・極性ビニルモノマー共重合体、炭化水素系重合体又はそれらの組成物のいずれかからなる層(D)を有する積層体からなり、(D)層がヒートシール層である高周波シール用積層体。
  3. エチレン・一酸化炭素共重合体が、エチレン・一酸化炭素・極性ビニルモノマー共重合体である請求項1又は2に記載の高周波シール用積層体。
  4. (B)、(C)、(D)のエチレン・極性ビニルモノマー共重合体の極性ビニルモノマーが、不飽和カルボン酸、その無水物、その塩又は不飽和エステルから選ばれたものである請求項1〜3のいずれかに記載の高周波シール用積層体。
  5. 炭化水素系重合体が、ポリオレフィン及びスチレン系重合体から選ばれるものである請求項1〜4のいずれかに記載の高周波シール用積層体。
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