JP4007026B2 - 捲回式円筒型電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、捲回式円筒型電池に係り、特に正、負極をセパレータを介して捲回した捲回群を有する捲回式円筒型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、捲回式円筒型電池は、有底円筒状の電池容器内に、セパレータを介して集電のためのタブが導出された帯状の正負極を捲回した捲回群が、電解液に浸潤されて収容されている。このような捲回式円筒型電池において、電池外部からの応力などによる電池変形で生じる内圧上昇に対応するために、例えば、特開平第7−192712号公報には、電池内のガスを電池外に開放する安全弁や電池蓋と安全弁との間に網目状の開口を有する膜が設けた技術が開示されている。この技術によれば、電池内圧の上昇時に、安全弁を作動させガスを開放して電池内圧の上昇を抑制し、膜によりガス開放時の電池内の固形分の飛散を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のリチウムイオン二次電池に代表されるように、電池のエネルギー密度が高く、また電池系に用いられる活物質が熱暴走反応を起こし得、更に電解液にも可燃性の有機系電解液が用いられた電池の場合に、上記の如く電池が変形した際には、電解液の気化などに起因する急激なガス発生により、電池の内圧上昇速度が安全弁の作動による内圧開放速度を上回り、電池容器の内圧が極端に上昇するという現象がみられた。
【0004】
本発明は上記事案に鑑み、安全性に優れた捲回式円筒型電池を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、正、負極をセパレータを介して捲回した捲回群を有する捲回式円筒型電池において、前記捲回群は、該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されており、前記隔絶層は、該隔絶層に内接又は外接する捲回群から連続したセパレータであることを特徴とする。
【0006】
第1の態様では、外からの応力付与などにより電池が変形して正極と負極とが押しつけられると、まず隔絶層に外接する捲回群で短絡が起こるが、捲回群が該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されているため、隔絶層に内接する捲回群での短絡を遅延することができるので、捲回群が即座に短絡するのを防止でき、隔絶層を有さない捲回群の場合に比べて、短絡に起因するガス発生が遅延され、電池全体として内圧上昇速度が低下させることができる。また、隔絶層を、隔絶層に内接又は外接する捲回群から連続するセパレータとしたので、電池部品数を削減することができると共に、捲回群の構造を簡単化することができる。本態様において、隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とを同極にすれば、隔絶層が破断しても短絡が生じないので、安全性を確保することができる。逆に、隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とを異極とすれば、隔絶層を介して電池反応が起こるので、隔絶層による電池のエネルギー密度の低下を補うことができる。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、正、負極をセパレータを介して捲回した捲回群を有する捲回式円筒型電池において、前記捲回群は、該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されており、前記隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、前記隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とが同極であることを特徴とする。第2の態様では、第1の態様と同様に、外からの応力付与などにより電池が変形して正極と負極とが押しつけられると、まず隔絶層に外接する捲回群で短絡が起こるが、捲回群が該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されているため、隔絶層に内接する捲回群での短絡を遅延することができるので、捲回群が即座に短絡するのを防止でき、隔絶層を有さない捲回群の場合に比べて、短絡に起因するガス発生が遅延され、電池全体として内圧上昇速度が低下させることができると共に、隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とを同極としたので、隔絶層が破断しても短絡が生じないため、安全性を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明を円筒型リチウムイオン二次電池に適用した第1の実施の形態について、電池の作製手順に従って説明する。
【0009】
(電極の作製)
リチウムマンガン複合酸化物の粉末と、導電材の炭素材料と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを固形分比(重量比)が90:5:5となるように混合し、N−メチルピロリドン(NMP)に溶解したバインダ溶液を撹拌して正極スラリを得た。この正極スラリを集電基体のアルミニウム箔に均一に塗布、乾燥し、櫛歯状に集電のためのタブを残してアルミニウム箔部分を切り取り、プレス加工して所定の厚さに成形した。これを有底円筒状の電池缶に合わせた寸法にスリット加工し、更に、捲回方向に2枚以上に分割して帯状の正極を2枚以上得た。
【0010】
非晶質炭素粉末と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを固形分比(重量比)が90:10となるように混合し、N−メチルピロリドン(NMP)に溶解したバインダ溶液を撹拌して負極スラリを得た。この負極スラリを集電基体の銅箔に均一に塗布、乾燥し、正極と同様に櫛歯状に集電のためのタブを残して銅箔部分を切り取り、プレス加工して所定の厚さに成形した。これを電池缶に合わせた寸法にスリット加工し、更に、捲回方向に2枚以上に分割して帯状の負極を2枚以上得た。
【0011】
(電極群の作製)
図1(A)に示すように、作製した正極及び負極を微孔を有する厚さ40μmのポリエチレン製薄膜セパレータを介して、ポリプロピレン製の軸芯4の周りに最外周が負極となるように捲回し内側捲回群2を作製した。なお、図示しない正極のタブと負極のタブとを互いに上下反対側に位置させた。その後、内側捲回群2の幅よりも約1%幅が大きく、厚さ約0.1mmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートを、内側捲回群2の外側に少なくとも1周捲回し隔絶層1を形成した。更に、その後、内側捲回群2の作製と同様に、正極及び負極をセパレータを介して隔絶層1の外側に最内周が負極となるように捲回して外側捲回群3を作製し、内側捲回群2と外側捲回群3とが隔絶層1により同心円状となるように隔絶された電極群10を作製した。なお、外側捲回群3の最外周には1周分以上セパレータを捲回した。
【0012】
従って、電極群10は、軸芯4を中心として、正極及び負極がセパレータを介して最外周が負極となるように捲回された内側捲回群2を有している。内側捲回群2の外側には、内側捲回群2の幅よりも幅が大きいPTFEシートが捲回され、隔絶層1が形成されている。隔絶層1の外側には、正極及び負極がセパレータを介して最内周が負極となるように捲回された外側捲回群3が同心円状に配置されている。このため、電極群10は、隔絶層1に内接する内側捲回群2及び外接する外側捲回群3が隔絶層1により隔絶されている。
【0013】
図1(B)に示すように、隔絶層1に内接する内側捲回群2の最外周の電極は、負極2Bとされている。負極2Bの内側には、負極2Bより捲回方向に長いセパレータ2Cを介して正極2Aが配置され、更に正極2Aの内側にはもう一枚のセパレータ2Cが配設されている。また、隔絶層1に外接する外側捲回群3の最内周の電極は、負極3Bとされている。負極3Bの外側には、負極3Bより捲回方向に長いセパレータ3Cを介して正極3Aが配置され、更に正極3Aの外側にはもう一枚のセパレータ3Cが配設されている。従って、内側捲回群2の最外周の電極と、外側捲回群3の最内周の電極とは同極(負極)となる。
【0014】
(電池の組立)
図3(A)に示すように、アルミニウム製で円盤状の正極集電極柱6の底面に正極2A、3Aのタブを、銅製で円盤状の負極集電極柱7の底面に負極2B、3Bのタブを、それぞれ超音波溶接した。負極集電極柱7の底面とは反対側の面に図示しない負極リード板を溶接した。図3(B)に示すように、この電極群10を鉄にニッケルメッキを施した有底円筒状の電池缶9(寸法φ40mm×145mm)内に挿入し、電池缶9の底に負極リード板を介して負極集電極柱7を抵抗溶接し、正極集電極柱6をリード板を介して、金属薄膜に馬蹄形の薄肉部が形成された安全弁(破裂弁)を有するアルミニウム製の電池蓋8に超音波溶接した。
【0015】
この電池内に露点−40゜C以下の乾燥空気雰囲気でエチルカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を溶解した電解質溶液を注入し、更に電池蓋8と電池缶9をとPFA樹脂製のガスケットを介してカシメて封口して円筒型リチウムイオン二次電池を得た。この電池を公称容量の2時間率をもって数サイクルの充放電を繰り返し、炭素材料の不可逆容量を飽和させ、電池機能を付与した。このとき、充電の終止電圧を4.2V、放電の終止電圧を2.7Vとした。
【0016】
(作用)
次に、本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の作用等について説明する。
【0017】
本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池では、電池外部から応力が加わると、電池が変形して正極2A、3Aと負極2B、3Bとが押しつけられ、外側捲回群3で短絡が起こる。このとき、電極群10が隔絶層1によって同心円状に隔絶されているので、同時には内側捲回群2側では短絡が生じない(その後、応力の程度により内側捲回群2側で短絡が生じることもある)。このため、電極群10全体が即座に短絡するのを防止でき(短絡が段階的に生じ)、隔絶層1を有しない電極群の場合に比べて、短絡に起因するガス発生現象が遅延され、電池全体として電池内で発生するガスの発生速度が低下し、安全弁から穏やかにガスを放出することが可能となる。換言すれば、ガス発生速度が安全弁の内圧開放速度(開裂速度)を上回る場合が少なくなるので、電池缶9内の極端な内圧上昇などの電池挙動の発生確率を低減することができ、電池の安全性を確保することができる。
【0018】
また、本実施形態では、万一隔絶層1が破断しても、負極2Bと、負極3Bとが同極(負極)なので、隔絶層1を介しての短絡を防止することができると共に、電池反応に関与しない負極2Bと負極3Bとが対向する部分を、リチウムイオン二次電池においてはより軽い(薄い)負極を選択し、隔絶層1の箇所数も1箇所に留めたので、エネルギー密度の低下を最小限に抑えることができる。
【0019】
なお、本実施形態では、隔絶層1にPTFEシートを例示したが、これに限定されるのもではなく、例えば、ポリエチレンシートとするようにしてもよい。また、本発明は隔絶層1の厚さや幅についても限定されるものではなく、例えば、厚さを約0.05mmにしてもよいし、幅も電極群10の幅より約2%程度長くしてもよい。更に、隔絶層1を1箇所有する電池を例示したが、隔絶層1は、任意箇所設けることができる。しかし、エネルギー密度の点から隔絶層1の箇所数は1又は2箇所とするのが望ましい。
【0020】
また、本実施形態では、内側捲回群2の最外周の電極(負極2B)と、外側捲回群3の最内周の電極(負極3B)とが同極(負極)の電池を例示したが、同極に限定されるものではなく、異極となるようにしてもよい。また、電池系が異なるときには、隔絶層1を介して正極同士が対向するように捲回してもよい。
【0021】
(第2実施形態)
次に、本発明を捲回式円筒型電池に適用した第2の実施の形態について説明する。本実施形態は、隔絶層に内側捲回群のセパレータから連続したセパレータを用いたものである。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
【0022】
図2に示すように、正極2A及び負極2Bをセパレータ2Cより長いセパレータ2Dを介して、軸芯の周りに最外周が負極2Bとなるように捲回し内側捲回群を作製した。内側捲回群から連続するセパレータ2Dを内側捲回群の外側に同心円状に少なくとも1周捲回して隔絶層とした。その後、セパレータ2D(隔絶層)の外側に、正極3A及び負極3Bを、セパレータ3Cを介して最内周が負極3Bとなるように捲回して外側捲回群を作製し、内側捲回群と外側捲回群とが隔絶層により同心円状に隔絶された電極群を作製した。
【0023】
従って、電極群は、軸芯を中心として、正極2A及び負極2Bをセパレータ2Cより捲回方向に長いセパレータ2Dを介して最外周が負極2Bとなるように捲回された内側捲回群を有している。内側捲回群の外側には、内側捲回群から連続するセパレータ2Dが少なくとも1周捲回されて隔絶層が形成されている。隔絶層の外側には、外側捲回群の最内周の電極が負極3Bとなるように正極3A及び負極3Bがセパレータ3Cを介して捲回された外側捲回群が同心円状に配置されている。このため、電極群は、隔絶層に内接する内側捲回群及び外接する外側捲回群が隔絶層により隔絶されている。隔絶層に内接する内側捲回群の最外周の電極は、負極2B、隔絶層に外接する外側捲回群の最内周の電極は、負極3Bとされている。従って、内側捲回群の最外周の電極と、外側捲回群の最内周の電極とは同極(負極)とされている。
【0024】
本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池では、電池外部からの応力が掛かり電池が変形して正極2A、3Aと負極2B、3Bとが押しつけられても、電極群が隔絶層によって同心円状かつ2つに隔絶されているため、電極群全体が即座に短絡するのを防止でき(短絡が段階的に生じ)、短絡に起因するガス発生現象が遅延され、電池全体として電池内で発生するガスの発生速度を低下させることができる。従って、第1実施形態と同様に、安全弁による内圧開放速度をガス発生速度が上回る場合が少なくなり、電池缶9の極端な内圧上昇などの電池挙動の発生確率を低減することができる。
【0025】
また、本実施形態では、内側捲回群から連続するセパレータ2Dを内側捲回群の外周に少なくとも1周捲回して隔絶層を形成したために、隔絶層のための別の部材が不要となると共に、電極群の構造を簡単化して電極群の作製を簡単化することができる。
【0026】
更に、本実施形態では、万一隔絶層(セパレータ2D)が破断しても、負極2Bと、負極3Bとが同極(負極)なので、短絡を防止することができると共に、電池反応に関与しない負極2Bと負極3Bとが対向する部分を、リチウムイオン二次電池においてはより軽い(薄い)負極を選択し、隔絶層の箇所数も1箇所に留めたので、エネルギー密度の低下を最小限に抑えることができる。
【0027】
なお、本実施形態では、内側捲回群から連続するセパレータ2Dを内側捲回群の外周に少なくとも1周捲回して隔絶層を形成した例を示したが、外側捲回群から連続するセパレータを内側捲回群の外周に1周以上捲回して隔絶層を形成するようにしても類似の効果を期待することができる。また、セパレータ2Dの材質についても、ポリエチレンに限定されるものではなく、ポリプロピレンやこれらを層状に重ねたセパレータを用いるようにしてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、内側捲回群の最外周の電極(負極2B)と、外側捲回群の最内周の電極(負極3B)とが同極(負極)の電池を例示したが、同極(負極)に限定されるものではなく、異極となるようにすることで、隔絶層を介して電池反応が起きるので、電池のエネルギー密度の低下を抑制できる。また、隔絶層を介して正極同士が対向するように捲回してもよい。
【0029】
更に、上記実施形態の電池では、正、負極の短絡によるガス発生現象が遅延されるだけでなく、例えば、過充電時の温度上昇などの現象も隔絶層により電池全体として遅延させることができる。また、外側捲回群で先に短絡が生じるときだけでなく、内側捲回群で先に短絡などが生じたときにも効果がある。
【0030】
また、上記実施形態では、円筒型リチウムイオン二次電池を例示したが、これに限定されるものではなく、電池内でガス発生が起こり得る電池系、例えば、鉛蓄電池などにも適用可能である。
【0031】
【実施例】
次に、上記実施形態に従って作製した実施例の円筒型リチウムイオン二次電池について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
【0032】
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、隔絶層1が厚さ0.1mmのPTFEシートで、内側捲回群2の最外周の電極及び外側捲回群3の最内周の電極が共に負極2B、3Bの電池を作製した。
【0033】
【表1】
Figure 0004007026
【0034】
(実施例2)
表1に示すように、実施例2では、隔絶層が内側捲回群から連続するセパレータ(PE)2Dである以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0035】
(実施例3)
表1に示すように、実施例3では、外側捲回群3の最内周の電極が正極3Aである以外は実施例1と同様に電池を作製した。
【0036】
(実施例4)
表1に示すように、実施例4では、隔絶層が内側捲回群から連続するセパレータ(PE)2Dで、外側捲回群の最内周の電極が正極3Aである以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0037】
(比較例1)
表1に示すように、比較例1では、隔絶層1を有さない電池を作製した。
【0038】
(試験・評価)
次に、上述した実施例及び比較例のリチウムイオン二次電池に公称容量の2時間率を以て4.2V定電圧−定電流充電を4h施し、満充電状態とした。これらを水平に寝かせて、電池缶9の直径と等しい直径のステンレス製半円筒状圧壊治具を油圧プレス機にて押し当てて、電池缶9の直径の1/2まで潰す圧壊による圧壊試験を実施した。この圧壊試験をそれぞれ5個の電池(n=5)で実施した。圧壊試験の試験結果を下表2に示す。なお、安全弁のみが作動した場合を「破裂なし」とし、それ以外の部分(電池蓋8のカシメ部や電池缶9底)がはずれたり裂けたりした場合を「破裂あり」として計数した。
【0039】
【表2】
Figure 0004007026
【0040】
表2に示すように、実施例の電池では、いずれも比較例の電池に対し破裂数が少なくなり、電池缶8の変形に対する安全性が向上することが示された。これは、実施例の電池において、電池内の電極群の短絡が内部の隔絶層により段階的に起こるようになり、単位時間当たりの電池缶8内でのガス発生量を低減できることによるものである。ここでは実施例の電池の効果を確認する試験として、条件として十分に過酷であると想定される短時間に大きな面積で短絡が起きる電池の大きさに対し比較的大きな圧壊治具で圧壊試験を行ったが、実施例の電池の安全性向上の対象事象を限定するものではない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の態様によれば、外からの応力付与などにより電池が変形して正極と負極とが押しつけられると、まず隔絶層に外接する捲回群で短絡が起こるが、同心円状に配置された捲回群同士が隔絶層により隔絶されて隔絶されているため、隔絶層に内接する捲回群での短絡を遅延することができるので、捲回群同士が即座に短絡するのを防止でき、隔絶層を有さない電極群の場合に比べて、短絡に起因するガス発生現象が遅延され、電池全体として電池内で発生するガスの発生速度を低下させることができ、また、隔絶層を、隔絶層に内接又は外接する捲回群から連続するセパレータとしたので、電池部品数を削減することができると共に、捲回群の構造を簡単化することができる、という効果を得ることができる。また、本発明の第2の態様によれば、外からの応力付与などにより電池が変形して正極と負極とが押しつけられると、まず隔絶層に外接する捲回群で短絡が起こるが、捲回群が該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されているため、隔絶層に内接する捲回群での短絡を遅延することができるので、捲回群が即座に短絡するのを防止でき、隔絶層を有さない捲回群の場合に比べて、短絡に起因するガス発生が遅延され、電池全体として内圧上昇速度が低下させることができると共に、隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とを同極としたので、隔絶層が破断しても短絡が生じないため、安全性を確保することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な第1の実施の形態の電極群を模式的に示し、(A)は外観斜視図、(B)は断面図である。
【図2】本発明が適用可能な第2の実施の形態の電極群を模式的に示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態の電池作製過程を模式的に示す外観斜視図であり、(A)は電池缶へ挿入前の電極群、(B)は電池缶へ挿入後の電極群を示す。
【符号の説明】
1 隔絶層
2 内側捲回群(捲回群の一部)
2A、3A 正極
2B、3B 負極
2C、2D、3C セパレータ
3 外側捲回群(捲回群の一部)
10 電極群(捲回群)

Claims (4)

  1. 正、負極をセパレータを介して捲回した捲回群を有する捲回式円筒型電池において、前記捲回群は、該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されており、前記隔絶層は、該隔絶層に内接又は外接する捲回群から連続したセパレータであることを特徴とする捲回式円筒型電池。
  2. 正、負極をセパレータを介して捲回した捲回群を有する捲回式円筒型電池において、前記捲回群は、該捲回群を隔絶する隔絶層によって同心円状かつ少なくとも2以上に隔絶されており、前記隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、前記隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とが同極であることを特徴とする捲回式円筒型電池。
  3. 前記隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、前記隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とが同極であることを特徴とする請求項1に記載の捲回式円筒型電池。
  4. 前記隔絶層に内接する捲回群の最外周の電極と、前記隔絶層に外接する捲回群の最内周の電極とが異極であることを特徴とする請求項1に記載の捲回式円筒型電池。
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