JP4001871B2 - 液晶表示装置および携帯電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、反射体を備えた液晶表示装置及び携帯電子機器に係わり、液晶表示装置の表示面に対する法線方向に近い方向から表示を観察したとき、他の視角より明るく見えるような視角特性を有する液晶表示装置及びこのような特性を備えた液晶表示装置を表示部に備えた携帯電子機器に関する。
一般に、液晶表示装置の表示形態には、バックライトを備えた半透過型、透過型と呼ばれるものと、反射型と呼ばれるものがある。反射型液晶表示装置は、太陽光、照明光等の外光だけを利用してバックライト無しで表示する液晶表示装置であり、例えば薄型で、軽量化、低消費電力が要求される携帯情報端末等に多く用いられている。また、半透過型液晶表示装置は、外光が十分得られない環境においてはバックライトを点灯させて透過モードで動作し、外光が十分得られる場合にはバックライトを点灯させない反射モードで動作するものであり、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ(ノート型PC)等の携帯電子機器に多く用いられている。
図12は、従来の半透過反射型液晶表示装置の例を示す断面図である。
この半透過反射型液晶表示装置は、下側偏光板70と下側位相差板73a付きの反射板71の下側位相差板73a上に、反射モードSTN(Super-Twisted Nematic)方式用の液晶セル72、 前方散乱板90、上側位相差板73b、上側偏光板74が下側位相差板73b側から順に積層され、一方、反射板71の下面側に光源としてバックライト95が備えられた概略構成となっている。
液晶セル72は、下側ガラス基板75、カラーフィルタ76、下側透明電極層78、下側配向膜79、この下側配向膜79と隙間を隔てて対向配置された上側配向膜80、上側透明電極層81、上側ガラス基板82が下側偏光板70側から順に積層され、上記下側及び上側の配向膜79,80間にSTN液晶層83が配設された概略構成となっている。カラーフィルタ76と下側透明電極層78との間には、シリカやアクリル樹脂からなるオーバーコート層(図示略)が設けられている。
反射板71は、表面が鏡面状態のAl膜から構成されており、バックライト90を使用時にバックライト光を透過するための孔71aが形成されている。
位相差板73a、73bは、STN液晶を透過する光の位相差を補償することにより表示が青や黄色に着色するのを防止するためのものである。
前方散乱板90は、上側偏光板74、上側位相差板73bを通って入射してきた入射光(外光)を液晶セル72側に散乱させることにより、入射光が反射板71表面で反射した反射光が正反射の方向だけでなく、正反射の近傍の方向にも反射するようにするために設けられたものである。
また、従来の半透過反射型液晶表示装置の例としては図13に示すものがある。
この反射型液晶表示装置は、反射モードSTN(Super-Twisted Nematic)方式用の液晶セル172上に 第1の位相差板173a、第2の位相差板173b、偏光板174が上側ガラス基板182側から順に積層され、一方、液晶セル172の下面側に光源としてバックライト195が備えられた概略構成となっている。
液晶セル172は、下側ガラス基板175、反射体171、オーバーコート層171c、カラーフィルタ176、オーバーコート層177a、下側透明電極層178、下側配向膜179、この下側配向膜179と隙間を隔てて対向配置された上側配向膜180、トップコート層177b、上側透明電極層181、上側ガラス基板182が順に積層された概略構成となっている。
反射体171は、反射面に多数の微細な凹凸(図13では凹部171e・・・)が不規則に隣接して形成されているものである。上記凹凸の形成方法としては、例えば感光性樹脂層等からなる樹脂基材171aの表面にマスクパターンを通して光を照射し、現像処理によって隣接する多数の微細な球面状凹部を形成し、このような球面状凹部が多数形成された樹脂基材171aの表面にアルミニウムや銀などを蒸着またはメッキし、凹凸(凹部171e・・・)を有する金属膜171bを形成する方法などが知られている。
金属膜171bの厚みは、30nm程度まで薄くすることにより、透過モード時にバックライト195からの光を透過できるようにされている。
上記凹部171・・・の形状は、内面が球面状で、傾斜角分布が−20度〜+20度の範囲で、深さが0.1μm〜3μmの範囲内とされ、その相互距離は隣接する凹部間のピッチ(中心間の距離)が5μm〜50μmの範囲内でばらつくように設定されたものである。
ところで、液晶表示装置の表示性能としては、通常、(1)解像度、(2)コントラスト、(3)画面の明るさ、(4)色の鮮やかさ、(5)視野角範囲が広い等の視認性、などが良好であることが要求される。
また、携帯電話やノート型PC等の携帯情報端末のように、表示面を斜めにして使用する装置に組み込まれた液晶表示装置は、図14に示すように、一般的に表示面に対する法線方向に近い方向、具体的には法線方向Pから10度の範囲内の方向から見られる場合が多い。また、一般的に観察者(使用者)が表示面(画面)を見るときの主たる観察方向αと法線方向Pとのなす角度θは0度乃至20度の範囲が多い。
図14は、液晶表示装置からなる表示部100が本体105に備えられた携帯電話を使用する状態の説明図である。図14において、Pは表示部100の表示面に対する法線、Qは入射光、ωは入射角度(例えば30度)である。また、Rは入射角度ωと反射角度ωが等しいときの反射光(正反射)、Rは反射角度ωが入射角度ωより小さい反射光、Rは反射角度ωが入射角度ωより大きい反射光である。
図からも理解できるように、観察者の視点Obは通常法線方向Pに近い反射光Rの方向、より具体的には法線方向Pから10度までの範囲内の方向に集中する。これに対して反射光R、R は、表示面を下から見上げるような方向となり見づらいものである。従って、観察者の利用の便宜を考えると、広い視野角を確保すると同時に、正反射より反射角度の小さい方向の反射率をより高くすることが望まれる。
しかしながら図12に示した従来の液晶表示装置においては、反射モード時は前方散乱板を設けていないタイプの液晶表示装置に比べて、入射光が反射する範囲が広くなるものの入射光の大部分は正反射およびその近傍の方向に反射する(反射率のピークは正反射の角度あるいは正反射の近傍の角度にある)ので、正反射およびその周辺の方向から見た表示は明るく見えるものの他の方向から見た表示は暗く見える。
また、図13に示した従来の液晶表示装置においても、入射光の大部分は正反射およびその近傍の方向に反射する(反射率のピークは正反射の角度あるいは正反射の近傍の両側の角度にある)ので、正反射およびその周辺の方向から見た表示は明るく見えるものの他の方向から見た表示は暗く見える。
従って、従来の半透過反射型表示装置が表示部に備えられた携帯電話等の表示面を見ると、先に述べたように観察者の視点は通常法線方向Pに近い方向に集中するので、表示が暗く、一方、明るい表示を見ようとすると正反射およびその周辺の方向から表示を見なければならず、上記のように表示面を下から見上げるような方向となり見づらいものであった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液晶表示装置の表示面に対する法線方向に近い方向から表示を観察したとき、他の視角より明るく見えるような視角特性を有する液晶表示装置を提供することを目的の1つとする。
また、本発明は、上記のような特性を有する液晶表示装置を表示部に備えた携帯電話、ノート型PC等の携帯電子端末等の携帯電子機器を提供することを目的の1つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、液晶層を挟んで対向する基板の一方の基板の内面側に電極および配向膜を該一方の基板側から順に設け、他方の基板の内面側に電極および配向膜を該他方の基板側から順に設けた液晶セルの前記一方の基板の外面側または前記一方の基板とこれの内面側に設けられた電極の間に反射体を設け、前記他方の基板の外面側に位相差板および偏光板を前記他方の基板側から順に設けてなる液晶表示装置であって、
前記反射体は、反射部の1側部で傾斜角(反射部表面上の任意の点における接平面と基材表面とのなす角度の絶対値)が最大となり、前記液晶表示装置の表示面に対する法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度のときに、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記法線方向に対して観察者の視点の反対側から入射し、かつ前記法線方向と入射光の光軸とのなす角度が30度である場合に該入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から30度より小さい範囲内にあるように設定され、多数の反射部が互いに不規則に隣接して形成され、前記反射部が前記基板上に形成された樹脂層に凹凸形状を有する転写型を押しつけることにより得られた凹部に金属膜が形成されたものであり、前記反射部の1側部を観察者の視点から遠い方向に揃うように形成されたことを特徴とするものである。
かかる構成の本発明の液晶表示装置によれば、前記液晶表示装置の表示面に対する法線方向から30度の範囲内までの範囲の反射光量が多くなるので、反射光量は観察者の視点に近い方向の分布も高くなり、実用の視点において、特に、前記法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。


上記の構成の本発明の液晶表示装置においては、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から20度の範囲内まで至るように設定(反射率のピーク領域の一端が受光角0度から20度の間に存在するように設定)されていることが好ましい。
かかる構成の本発明の液晶表示装置によれば、前記液晶表示装置の表示面に対する法線方向から20度の範囲内までの範囲の反射光量が多くなり、反射光量は観察者の視点に近い方向の分布も高くなり、しかも反射光量が高い領域が広がるので、実用の視点において、特に、前記法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
前記のような特性を備える液晶表示装置の実現手段の例としては、前記反射体として、基材上に形成した金属膜または基材の表面に光反射性を有する複数の凹部が形成され、これら凹部はそれぞれ凹部の内面が球面の一部をなし、かつ傾斜角分布が−30度〜+30度の範囲に形成され、前記凹部の深さが0.1μm〜3μmの範囲内で不規則に形成され、前記複数の凹部は隣接する凹部のピッチが2μm〜50μmの範囲内で不規則に配置にされた構成のものを使用することにより実現できる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、液晶層を挟んで対向する基板の一方の基板の内面側に電極および配向膜を該一方の基板側から順に設け、他方の基板の内面側に電極および配向膜を該他方の基板側から順に設けた液晶セルの前記一方の基板の外面側または前記一方の基板とこれの内面側に設けられた電極の間に反射体を設け、前記他方の基板の外面側に位相差板および偏光板を前記他方の基板側から順に設けてなり、
該液晶表示装置の表示面に対する法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度のときに、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から30度より小さい範囲内にあるように設定されたことを特徴とする。
かかる構成の本発明の液晶表示装置によれば、前記液晶表示装置の表示面に対する法線方向から30度より小さい範囲内の反射光量が多くなるので、反射光量は観察者の視点に近い方向の分布が高くなり、実用の視点において、特に、前記法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
上記の構成の本発明の液晶表示装置においては、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から20度の範囲内にあるように設定されていることが好ましい。
かかる構成の本発明の液晶表示装置によれば、前記液晶表示装置の表示面に対する法線方向から20度の範囲内の反射光量が多くなり、反射光量は観察者の視点に近い方向の分布が高くなり、しかも反射光量が高い領域が広がるので、実用の視点において、特に、前記法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
前記のような特性を備える液晶表示装置の実現手段の第一の例としては、前記反射体として、基材上に形成した金属膜または基材の表面に光反射性を有する複数の凹部が形成され、これらの凹部はそれぞれ、凹部の1側部で傾斜角(曲面上の任意の点における接平面と基材表面とのなす角度の絶対値)が最大となるように形成され、前記凹部の深さが0.1μm〜3μmの範囲内で不規則に形成され、前記複数の凹部は隣接する凹部のピッチが2μm〜50μmの範囲内で不規則に配置された構成のものを使用することにより実現できる。
前記のような特性を備える液晶表示装置の実現手段の第二の例としては、前記反射体として、基材上に形成した金属膜または基材の表面に光反射性を有する複数の凹部が形成され、これらの凹部は、各々が凹部の最深点を通過する以下の特定縦断面を有し、前記特定縦断面は、その内面の形状が、凹部の一の周辺部から最深点に至る第1曲線と、この第1曲線に連続して、凹部の最深点から第3曲線又は直線に至る第2曲線と、この第2曲線に連続して、他の周辺部に至る第3曲線又は直線とからなり、第1曲線の基材表面に対する傾斜角の絶対値の平均値が、第2曲線の基材表面に対する傾斜角の絶対値の平均値より大きくされ、しかも第3の曲線の基材表面に対する傾斜角の絶対値の平均値より大きくされ、しかも第2曲線の基材表面に対する傾斜角の絶対値の平均値と第3の曲線又は直線の基材表面に対する傾斜角の絶対値の平均値とは異なる構成にしたものを使用することにより実現できる。
前記のような特性を備える液晶表示装置の実現手段の第三の例としては、前記反射体として、基材上に形成した金属膜または基材の表面に光反射性を有する複数の凹部が形成され、前記凹部の内面が、各々半径の異なる2つの球面の一部である周縁曲面と周縁曲面に囲まれた位置に存在する底曲面とを連続させた面からなり、周縁曲面を形成する球面の半径が、底曲面を形成する球面の半径より小さいと共に、各々の球面の中心から反射体表面に立てた法線が、互いに異なる直線上に存在する構成のものを使用することにより実現できる。
また、前記のいずれかの構成の本発明の液晶表示装置においては、前記反射体は入射光の正反射角度に対して非対称の反射率分布を有し、しかも反射率の最大値は入射光の正反射角度より小さい反射角度範囲(受光角度範囲)にある反射特性を備えることを特徴とする。
かかる構成の本発明の液晶表示装置によれば、正反射角度より小さい受光角度範囲の反射光量が多くなるので、反射光量は観察者の視点に近い方向の分布が高くなり、実用の視点において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、前記反射体の反射率分布を示すグラフのプロファイルが階段状であり、前記反射率の最大値は前記階段状のプロファイルの頂部に存在することが好ましい。このような反射率分布を示す反射体を備えた液晶表示装置によれば、正反射角度より小さい反射角度範囲(受光角度範囲)内の特定角度範囲の反射率がさらに高くなるので、反射光量は観察者の視点に近い方向の分布が高くなり、実用の視点において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、前記のいずれかの構成の本発明の液晶表示装置においては、前記反射体が、基材とこの上に形成した複数の凹部を有する金属膜からなる場合は、前記金属膜の厚みを8nm〜20nmの範囲内とすることで、金属膜の厚みが薄くなり、前記反射体の下方側に設けたバックライトからの光の透光性を高めることができ、光を反射させる場合と、光を透過させる場合の両方において、優れた特性を発揮する半透過反射型液晶表示装置として使用できる。また、前記反射体が、複数の凹部を有する基材からなる場合は、前記基材の厚みを8nm〜20nmの範囲内とすることで、基材の厚みが薄くなり、前記反射体の下方側に設けたバックライトからの光の透光性を高めることができ、光を反射させる場合と、光を透過させる場合の両方において、優れた特性を発揮する半透過反射型液晶表示装置として使用できる。
上記の目的を達成するために、本発明の携帯電子機器は、上記のいずれかの構成の本発明の液晶表示装置が表示部に備えられたことを特徴とする。
かかる構成の本発明の携帯電子機器によれば、反射モードの動作、あるいは反射モードと透過モードのいずれの動作においても表示面(画面)の視認性に優れた携帯電話やノート型PC等の携帯電子機器を得ることができる。
以上、詳細に説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示装置の表示面に対する法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度のときに、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から30度の範囲内まで至るように設定されたことにより、好ましくは、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から20度の範囲内まで至るように設定されたことにより、液晶表示装置の表示面に対する法線方向に近い方向から表示を観察したとき、他の視角より明るく見えるような視角特性を有することができる。
また、本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示装置の表示面に対する法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度のときに、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から30度より小さい範囲にあるように設定されたことにより、好ましくは、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から20度の範囲にあるように設定されたことにより、液晶表示装置の表示面に対する法線方向に近い方向から表示を観察したとき、他の視角より明るく見えるような視角特性を有することができる。
また、本発明の携帯電子機器によれば、上記のいずれかの構成の本発明の液晶表示装置が表示部に備えられたことにより、反射モードの動作、あるいは反射モードと透過モードのいずれの動作においても表示面(画面)の視認性に優れた携帯電話やノート型PC等の携帯電子機器が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態である半透過反射型液晶表示装置の端部を含む部分断面構造を模式的に示した図である。
図1において、本発明の半透過反射型液晶表示装置1は、液晶層30を挟持して対向する透明なガラスなどからなる第1の基板(一方の基板)10と、第2の基板(他方の基板)20とをこれら2枚の基板10、20の周縁部に環状に設けられたシール材40で接着一体化した構成である。
第1の基板10の液晶層30側には順に、反射体7と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ13と、反射体7を被覆して保護するとともに反射体7やカラーフィルタ13による凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜14と、液晶層30を駆動するための透明電極層15と、液晶層30を構成する液晶分子の配向を制御するための配向膜16とが積層形成されている。また、第2の基板20の液晶層30側には順に、透明電極層25、オーバーコート膜24、配向膜26が積層形成されている。
上記の第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35が構成されている。
第1の基板10の液晶層30側と反対側(第1の基板10の外面側)に、偏光板18が設けられており、第2の基板20の液晶層30側と反対側(第2の基板20の外面側)には、位相差板27と、偏光板28がこの順で積層されている。偏光板28の外側面は表示面1aになっている。
また、第1の基板10の偏光板18の外側には、半透過液晶表示装置1において透過表示を行うための光源としてのバックライト5が配設されている。
また、この半透過反射型液晶表示装置1では、該液晶表示装置1の表示面1aに対する法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度θが0度乃至20度のときに、液晶セル35に入射した入射光が反射体7で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから30度の範囲内まで至るように設定されており、好ましくは、上記反射光の反射率のピークが、法線方向Pから20度の範囲内まで至るように設定されている。
上記反射体7は、有機膜(基材)11と、この有機膜11上に形成された金属反射膜(金属膜)12から構成されている。有機膜11は、その上に形成されている金属反射膜12に凹凸形状を与えて反射光を効率よく散乱させるために設けられているものである。このように金属反射膜12に凹凸形状を与えることにより、液晶表示装置1に入射した光を効率よく反射することができるため、反射モードにおける明るい表示を実現することができる。
図2は有機膜11と、その上に形成された金属反射膜12を備えた反射体7を示す斜視図である。この図に示すように、有機膜11の表面には、その内面が球面の一部をなす多数の凹部12Aが左右に重なり合うようにして連続して形成されており、その面上に金属反射膜12が積層されている。
上記凹部12Aの深さを0.1μm〜3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部12Aのピッチを2μm〜50μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部12A内面の傾斜角を−30度〜+30度の範囲に設定されている。
特に、凹部12A内面の傾斜角分布を−30度〜+30度の範囲に設定する点、隣接する凹部12Aのピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が特に重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部12Aのピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部12A内面の傾斜角分布が−30度〜30度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい表示が得られない(反射光の拡散角が空気中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなるからである。)からである。この液晶表示装置1に設定される反射特性を変更(例えば、反射光の反射率のピークが法線方向Pから30度の範囲内まで至るようにする反射特性から、反射光の反射率のピークが法線方向Pから20度の範囲内まで至るようにする反射特性にする)するには、液晶表示装置1に備える反射体7として、例えば、凹部12A内面の傾斜角分布を異なるものに変更することにより可能である(ただし、凹部12A内面の傾斜角分布は上記の範囲内である)。
また、凹部12Aの深さが3μmを超えると、後工程で凹部12Aを平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜(オーバーコート膜14)で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなり、表示むらの原因となる。
隣接する凹部12Aのピッチが2μm未満の場合、有機膜11を形成するために用いる転写型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、前記転写型の製作に使用しうる5μm〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部12Aのピッチを2μm〜50μmとすることが望ましい。
有機膜(基材)11は、第1の基板10上に、スピンコート法などによりアクリル系レジストなどの感光性樹脂液を塗布した後、プリベークして感光性樹脂層を形成し、凹凸形状を有する凹凸面とその周縁の平坦面とからなる面を備える転写型を、上記感光性樹脂層の表面に押しつけて、上記転写型の凹凸面の形状を感光性樹脂層の表面に転写して得られたものである。
金属反射膜12には、Al、Agなどの反射率の高い金属材料を用いることが好ましく、これらの金属材料をスパッタリング、真空蒸着などの成膜法により性膜することができる。
金属反射膜12の膜厚は、8nm〜50nm(80Å〜500Å)の範囲であることが好ましい。これは、8nmより膜厚が薄い場合には、金属反射膜12による光の反射率が小さすぎるために反射モード時の表示が暗くなってしまうためであり、50nmより厚い場合には、金属反射膜12の透光性が低下して透過モード時の表示が暗くなってしまうためである。
また、金属反射膜12の膜厚は、8nm〜30nm(80Å〜300Å)の範囲であることがより好ましい。金属反射膜12の膜厚をこのような範囲とするならば、透過モード時の表示を明るくすることができるので、透過モード時と反射モード時の表示の明るさの差を小さくすることができる。従って、前記2つの動作モードを切り替えながら使用する際の表示の見やすさを向上させることができる。さらに、金属反射膜12の膜厚は8nm〜20nm(80Å〜200Å)の範囲であることがもっとも好ましい。このような範囲の膜厚に設定することにより、反射モード時の明るさを保持してかつ透過モード時には格別に優れた明るさを実現することができる。
電極層15は、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを多数整列形成したもので、外部の駆動回路(図示せず)に個々に接続されて液晶層30を構成する液晶分子を駆動するために、オーバーコート膜14に形成されている。同様に電極層25もITOなどの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを基板20上に多数整列形成したものであり、個々に外部の駆動回路に接続されている。尚、電極層15と電極層25は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置1がパッシブマトリクス型とされている。
本実施形態の半透過反射型液晶表示装置1では、上記の構成の複数の凹部12Aが形成された反射体7を備えたことにより、液晶セル35に入射した入射光が反射体7で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから30度の範囲内まで至るように設定されており、反射モード時に、液晶表示装置1の表示面1aに対する法線方向Pから30度の範囲内までの範囲の反射光量が多くなるので、反射光量は観察者の視点Ob1に近い方向の分布も高くなり、実用の視点において、特に、法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度θが0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、特に、液晶セル35に入射した入射光が反射体7で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから20度の範囲内まで至るように設定されたものにあっては、反射モード時に、液晶表示装置1の表示面1aに対する法線方向Pから20度の範囲内までの範囲の反射光量が多くなり、反射光量は観察者の視点Ob1に近い方向の分布も高くなり、しかも反射光量が高い領域が広がるので、実用の視点において、特に、法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度が0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、本実施形態の半透過反射型液晶表示装置1は、薄い膜厚の金属反射膜12を用いているにもかかわらず、反射モード時に十分な明るさの表示を得ることができ、また、金属反射膜12を薄くしているために透過モードにおいては格別に明るい表示が得られる。これは、有機膜11の表面に先述の形状を形成していることによるものである。すなわち、金属反射膜12を薄くして透光性を高めると、金属反射膜12の反射率自体は低下するが、有機膜11の表面に内面が球面の一部をなす多数の凹部12Aを連続して形成することにより、金属反射膜12による光の反射効率を最大限に高めることで、反射モード時の表示の明るさを大きく損なうことなく、透過モード時の明るい表示を実現することができる。
また、金属反射膜12を8nm〜20nmとするならば、本実施形態の液晶表示装置1は透過モードにおいて格別に明るい表示を実現することができる。これは、金属反射膜12が極めて薄いことによる透光性の向上のみにより実現されるものではなく、上記の有機膜11表面の形状による効果が加えられたことによるものである。すなわち、図2に示すように有機膜11の表面に形成された凹部12Aの内面が球面であることにより、有機膜11に基板10側から入射する光に対してレンズ効果が作用し、有機膜11を通過するバックライト5からの光が増強されることにより、格段に明るい表示を得ることができるものである。
尚、上記実施形態では、本発明の液晶表示装置をパッシブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用可能である。その場合、例えば画素を構成する画素電極の上または下に先に記載の表面に光反射性を有する複数の凹部が形成された反射体を設ければよい。
図3は、第1の実施形態の液晶表示装置1でバックライトを設けていないものの表示面1aに、入射角30°(表示面1aに立てた垂線(法線)の一方の側から表示を観察する観察者の視点Ob の反対側から照明した外光の光軸とのなす角度)で外光を照射し、 観察方向α(受光角)を垂線位置(法線位置)(0°)から60°まで振ったときの受光角(°)と明るさ(反射率)との関係を示している。図3中、実線(1)、(2)は、第1の実施形態の液晶表示装置の受光角と反射率との関係を示しており、実線(1)と(2)のものの違いは、反射体7の凹部12aの深さ等が異なる点である。
図3では、比較例として、従来から用いられている図12または図13に示した液晶表示装置でバックライトを設けていないタイプのものの受光角と反射率との関係を破線(3)で示した。
図3から明らかなように、比較例の液晶表示装置では反射率のピークは正反射の角度(受光角30°)にあり、受光角20°より小さくなると反射率が大幅に小さくなっていることから、正反射方向から見た表示は明るく見えるものの他の方向から見た表示は暗く見えると考えられる。
これに対して、実線(1)で示される特性を有する第1の実施形態の液晶表示装置1では、受光角30°(正反射角度)を中心に特に反射率が高いピーク領域が存在し、しかもこの反射率のピークは法線方向(受光角0°)から20度の範囲内まで延びている(言い換えれば反射率のピーク領域の一端は受光角0°から20度の間に存在している。)ことから、受光角20°〜0°においては比較例に比べ高い反射率を示しており、法線方向に近い方向から表示を観察したとき、比較例のものより表示が明るく見えると考えられる。また、実線(1)で示される特性を有する第1の実施形態の液晶表示装置1では反射率のピークは受光角30°の±約10°の広い範囲に渡っている。
また、実線(2)で示される特性を有する第1の実施形態の液晶表示装置1では、受光角30°を中心に特に反射率が高いピーク領域が存在し、しかもこの反射率のピークは法線方向(受光角0°)から10度の範囲内まで延びている(言い換えれば反射率のピーク領域の一端は受光角0°から10度の間に存在している。)ことから、受光角10°〜0°においては比較例に比べ高い反射率を示しており、法線方向に近い方向から表示を観察したとき、比較例のものより表示が明るく見えると考えられる。また、実線(2)で示される特性を有する第1の実施形態の液晶表示装置1では反射率のピークは受光角30°の±約20°の広い範囲に渡っている。
このため、本実施形態の液晶表示装置を携帯電話やノート型PCなどの携帯電子機器の表示部に上記のいずれかの構成の本実施形態の液晶表示装置に組み込むと、特に視認性が良好なものとなる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態においては、外部から入射した光を反射させる反射体7を基板10と基板20の間に内蔵した反射体内付けタイプの場合を説明したが、液晶層を挟持した2枚の基板の外側に反射体を設けた反射体外付けタイプとすることもできる。この構成を本発明の第2の実施形態とし、図4を参照して以下に説明する。尚、第1の実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明を簡略化する。
図4は、本発明の第2の実施形態である半透過反射型液晶表示装置2の部分断面構造を示す図である。
第2の実施形態の半透過反射型液晶表示装置2が、第1の実施形態の半透過反射型液晶表示装置1と異なるところは、第1の基板10と電極15との間にオーバーコート膜14とカラーフィルタ13と反射体7が設けられておらず、第1の基板10とバックライト5の間に第1の実施形態で説明したものと同様の反射体7が設けられている点である。
第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35aが構成されている。
本実施形態の半透過反射型液晶表示装置2では、第1の実施形態と同様に該液晶表示装置2の表示面1aに対する法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度θが0度乃至20度のときに、液晶セル35aを通って入射した入射光が反射体7で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから30度の範囲内まで至るように設定されており、好ましくは、上記反射光の反射率のピークが、法線方向Pから20度の範囲内まで至るように設定されている。
なお、上記第1の基板10と電極15との間に、図示されていないが、カラーフィルタ層を印刷などの方法により形成することによって、この液晶表示装置2をカラー表示できるようにしてもよい。
本実施形態の半透過反射型液晶表示装置2では、上記の構成の複数の凹部12Aが形成された反射体7を備えたことにより、液晶セル35aを通って入射した入射光が反射体7で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから30度の範囲内まで至るように設定されており、反射モード時に、液晶表示装置2の表示面1aに対する法線方向Pから30度の範囲内までの範囲の反射光量が多くなるので、反射光量は観察者の視点Ob1に近い方向の分布も高くなり、実用の視点において、特に、法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度θが0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、特に、液晶セル35aを通って入射した入射光が反射体7で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから20度の範囲内まで至るように設定されたものにあっては、反射モード時に、液晶表示装置2の表示面1aに対する法線方向Pから20度の範囲内までの範囲の反射光量が多くなり、反射光量は観察者の視点Ob1に近い方向の分布も高くなり、しかも反射光量が高い領域が広がるので、実用の視点において、特に、法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度が0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、この実施形態2で用いられた反射体7は、液晶セルを構成する基板の外側に配設可能なものであるため、透過型の液晶表示装置であれば問題なく装着して反射モード、透過モードいずれにおいても明るい表示が可能な半透過反射型液晶装置を形成することができる。
尚、上記第2の実施の形態においては、本発明をパッシブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置に適用した例について説明したが、3端子型(TFT:薄膜トランジスタ)アクティブマトリクス型や、2端子型アクティブマトリクス型の液晶表示装置についても、本発明は問題なく適用することができる。
なお、上記第1〜第2の実施形態においては、第1の基板10の外側に偏光板18が設けられた場合について説明したが、第1の基板10の外側に偏光板18が設けなくても良く、その場合には、液晶表示装置を構成する各部材の光学条件を良好な表示特性が得られるように調整される。
また、上記第1〜第2の実施形態においては、本発明の液晶表示装置を半透過反射型液晶表示装置に適用した場合について説明したが、反射型液晶表示装置にも適用でき、その場合にはバックライト5を設けなくてもよく、また、金属反射膜12の厚みは50nmより厚くてもよい。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態である反射型液晶表示装置の部分断面構造を模式的に示した図である。
図5においてこの反射型液晶表示装置3は、液晶層30を挟持して対向する透明なガラスなどからなる第1の基板(一方の基板)10と、第2の基板(他方の基板)20とをこれら2枚の基板10、20の周縁部に環状に設けられたシール材で接着一体化した構成である。
第1の基板10の液晶層30側には順に、反射体47と、透明介在層53と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ13と、カラーフィルタ13による凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜(透明平坦化層)14と、液晶層30を駆動するための透明電極層15と、液晶層30を構成する液晶分子の配向を制御するための配向膜16とが積層形成されている。また、第2の基板20の液晶層30側には順に、透明電極層25、オーバーコート膜24、配向膜26が積層形成されている。
上記の第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35bが構成されている。
第1の基板10の液晶層30側と反対側(第1の基板10の外面側)に、偏光板18が設けられており、第2の基板20の液晶層30側と反対側(第2の基板20の外面側)には、位相差板27と、偏光板28がこの順で積層されている。この偏光板28の外側面は表示面1aになっている。
また、この反射型液晶表示装置3では、該液晶表示装置3の表示面1aに対する法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度θが0度乃至20度のときに、液晶セル35bに入射した入射光が反射体47で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから30度より小さい範囲内にあるように設定されており、好ましくは、上記反射光の反射率のピークが、法線方向Pから20度の範囲内にあるように設定されている。
反射型液晶表示装置3に備えれた反射体47は、図6に示すように例えばアルミニウムからなる平板状の基材61の表面(基準面H)に多数の光反射性を有する凹部63a、63b、63c、・・・(一般に凹部63と称する)が互いに不規則に隣接して形成されている。
これらの凹部63は、斜視図を図7に、また断面図を図8に示すように、平面視円形の凹面を有し、この凹面は、図中Dで示す最深点が前記平面視円形の中心Oから一方向(Y方向)にずれたスプーン形の非球面をなし、1側部Aで傾斜角(曲面上の任意の点における接平面と基材表面Hとのなす角度の絶対値)δが最大、すなわち最大傾斜角δmaxとなるように形成されている。従って凹面中で、側部Aとは中心Oを挟んで反対側となる側部Bにおける傾斜角δbは、側部Aの傾斜角(最大傾斜角δmax)より小さくなっている。本実施形態で備えられた反射体47において、凹部63a、63b、63c・・・におけるそれぞれの最大傾斜角δmaxは、2°〜90°の範囲内で不規則にばらついている。しかし多くの凹部は最大傾斜角δmaxが4°〜35°の範囲内で不規則にばらついている。
またこの凹部63は、その凹面が単一の極小点(傾斜角がゼロとなる曲面上の点)Dを有している。そしてこの極小点Dと基材の基準面Hとの距離が凹部63の深さdを形成し、この深さdは、凹部63a、63b、63c、・・・についてそれぞれ0.1μm〜3μmの範囲内で不規則にばらついている。
また、凹部63a、63b、63cは、隣接する凹部のピッチが2μm〜50μmの範囲内で不規則に配置されている。
本実施形態において、前記の各凹部63a、63b、63c、・・・は、図9に示すように、それぞれの凹面の最大傾斜角δmaxを有する側部Aが、観察者の視点Obから遠い方向Yの方向に揃うように形成されている。
一般に外光は様々な方向から凹部63に入射し、凹部63の曲面上で入射点の傾斜角に応じて様々な方向に反射するので、反射光は全体として広い視野角の範囲に拡散するが、図10に示すように、例えばOa方向から入射する外光に注目してその反射の方向を追跡すると、反射光は最大傾斜角δmaxを有する側部Aとは反対の方向、すなわち観察者側の、図10に示すWの範囲(明視範囲)に、より多くの光が偏って集まる傾向がある。
従ってこの明視範囲Wの範囲内に観察者の視点Obを置くようにすれば、他の方向から観察する場合に比べ、より明るく見えるようになる。言い換えれば、観察者の視点Obは通常表示面1aの法線方向Pに近い方向、より具体的には法線方向Pから20度までの範囲内の方向に集中するので、この範囲に、より多くの光が集まるように設定(設計)しておけば、液晶表示装置の表示面1aに対する法線方向Pに近い方向から観察すると、他の方向から観察する場合に比べ、より明るく見えるようになる。
この明視範囲Wの広がりおよび方向は、凹部63の形状と配列方向を調整することにより制御することができる。
本実施形態の反射体47では、各凹部63が単一の極小点を有する非球面に形成されているので、光の反射角の変化が滑らかで、特定の視角において反射光が眩しいほどに強く見えることはない。
各凹部63a、63b、63c、・・・の最大傾斜角δmaxは2°〜90°の範囲内とされているが、中でも4°〜35°の範囲内とされているものが多い。従って凹部63の全面に入射した光は反射光が無駄にならならない範囲で広範囲に散乱し視界が全体として明るいが、中でも特定の視野角内(法線方向Pから30度より小さい範囲内の方向、特に、法線方向Pから20度までの範囲内の方向)に多くの光が偏って反射され、この視野角内で観察するとき(実用の視点において、特に、前記法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度において観察するとき)特に明るく見える。
凹部63の深さは、0.1μm〜3μmの範囲内で不規則に形成されかつ各凹部63が不規則に隣接して配置されているので、反射型液晶表示装置に組み込んだときモアレ模様が発生せず、また特定視角における反射光量のピーク的な集中が緩和され、視界内の反射光量の変化がなだらかになっている。
上記の反射体47は、図9に示すように各凹部63a、63b、63c、・・・の最大傾斜角を有する側部Aの方向が観察者の視点Obから遠い側(Y方向)となるように装着されている。
また、液晶層30を挟む透明電極層15と透明電極層25とは、互いに直交するストライプ状に形成されていてその交点領域が画素となる単純マトリックス型の液晶装置を構成している。
本実施形態の反射型液晶表示装置3では、表示面1aに外光が入射すると、入射光は液晶パネル35b内に入って各層を透過して反射体47の表面に到達し、反射体47の凹部63a、63b、63c、・・・の曲面によって広角度に反射し、再び前記各層を透過して表示面1aから出射する。この出射光は広い視野角範囲に散乱するので、この表示面1aは広い視角から光源の映り込みなく観察することができるが、配向方向Yとは反対側の視点Ob方向から観察するとき、特に、前記法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度が0度乃至20度で観察するとき、画面の明るさが最大となる。
本実施形態の反射型液晶表示装置3では、上記の構成の複数の凹部63が形成された反射体47を備えたことにより、液晶セル35bに入射した入射光が反射体47で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから30度より小さい範囲内にあるように設定されており、反射モード時に、液晶表示装置3の表示面1aに対する法線方向Pから30度より小さい範囲内の反射光量が多くなるので、反射光量は観察者の視点Ob1に近い方向の分布も高くなり、実用の視点において、特に、法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度θが0度乃至20度において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
また、特に、液晶セル35bに入射した入射光が反射体47で反射した反射光の反射率のピークが、法線方向Pから20度の範囲内にあるように設定されたものにあっては、反射モード時に、液晶表示装置3の表示面1aに対する法線方向Pから20度の範囲内の反射光量が多くなり、反射光量は観察者の視点Ob1に近い方向の分布も高くなり、しかも反射光量が高い領域が広がるので、実用の視点において、特に、法線方向Pと主たる観察方向αとのなす角度が0度乃至20度)において、明るい表示(画面)の液晶表示装置を実現できる。
なお、図5に示した第3の実施形態の反射型液晶表示装置3においては、反射体47を電極層15とは別の層として形成したが、電極層15自体を反射体47により形成し、かつ電極層15を図5の反射体47の位置に形成すれば、透明電極層が反射体を兼ねることができて、反射型液晶表示装置の層構成が単純化される。
また、第3の実施形態においては、外部から入射した光を反射させる反射体47を基板10と基板20の間に内蔵した反射体内付けタイプの場合を説明したが、液晶層を挟持した2枚の基板の外側に反射体を設けた反射体外付けタイプとすることもできる。
また、第3の実施形態においては、本発明の液晶表示装置を反射型液晶表示装置に適用した場合について説明したが、半透過反射型液晶表示装置にも適用でき、その場合には反射体47の厚みを8nm〜50nm(80Å〜500Å)の範囲、好ましくは8nm〜30nm(80Å〜300Å)の範囲、さらに好ましくは8nm〜20nm(80Å〜200Å)の範囲にし、第1の基板10の外面側にバックライトを備えるようにすればよい。
第3の実施形態では、本発明を単純マトリックス型の反射型液晶表示装置に適用した場合について説明したが、薄膜トランジスタまたは薄膜ダイオードを用いたアクティブマトリックス型、またはセグメント型の液晶表示装置などにも同様に適用が可能である。これらの液晶表示装置はいずれも本発明に含まれるものである。
なお、第1〜第3の実施形態においては、第2の基板20と偏光板28との間に位相差板が1枚設けられた場合について説明したが、位相差板は複数設けられていてもよい。
図11は、第3の実施形態の反射型液晶表示装置3の表示面1aに、入射角30°(表示面1aに立てた垂線(法線)の一方の側から表示を観察する観察者の視点Ob の反対側から照明した外光の光軸とのなす角度)で外光を照射し、 観察方向α(受光角)を垂線位置(法線位置)(0°)から60°まで振ったときの受光角(°)と明るさ(反射率)との関係を示している。図11中、実線(4)、(5)、一点鎖線(6)は、第3の実施形態の反射型液晶表示装置の受光角と反射率との関係を示しており、実線(4)と(5)と一点鎖線(6)のものの違いは、反射体47の凹部63の形状や配列方向等が異なる点である。
図11では、比較例として、従来から用いられている図12または図13に示した液晶表示装置でバックライトを設けていないタイプのものの受光角と反射率との関係を破線(3)で示した。
図11から明らかなように、比較例の液晶表示装置では反射率のピークは正反射の角度(受光角30°)にあり、受光角20°より小さくなると反射率が大幅に小さくなっていることから、正反射方向から見た表示は明るく見えるものの他の方向から見た表示は暗く見えると考えられる。
これに対して、実線(4)で示される特性を有する第3の実施形態の液晶表示装置では反射率のピークが法線方向(受光角0°)から30度より小さい範囲内にあり、受光角約25°を中心に特に反射率が高いピーク領域が存在しており、受光角0°〜30°においては比較例に比べ高い反射率を示しており、法線方向に近い方向から表示を観察したとき、比較例のものより表示が明るく見えると考えられる。また、実線(5)で示される特性を有する第3の実施形態の液晶表示装置3では反射率のピークが法線方向(受光角0°)から20度の範囲内にあり、受光角約15°を中心に特に反射率が高いピーク領域が存在しており、受光角0°〜22°においては比較例に比べ高い反射率を示しており、法線方向に近い方向から表示を観察したとき、比較例のものより表示が明るく見えると考えられる。また、一点鎖線(6)で示される特性を有する第3の実施形態の液晶表示装置3では反射率のピークが法線方向(受光角0°)から約20度の範囲内にあり、受光角約20°付近の反射率は、正反射の角度の反射率より高くなっており、受光角0°〜25°においては比較例に比べ高い反射率を示しており、法線方向に近い方向から表示を観察したとき、比較例のものより表示が明るく見えると考えられる。 また、実線(4)又は(5)又は一点鎖線(6)で示される特性を有する第3の実施形態の液晶表示装置3においては、入射光の正反射角度に対して非対称の反射率分布となる反射特性を備えており、しかも反射率の最大値は入射光の正反射角度(本実施形態では受光角30°)より小さい反射角度範囲(受光角度範囲)にある反射特性を備えており、また、特に、一点鎖線(6)で示される特性を有する第3の実施形態の液晶表示装置3では反射率分布を示すグラフのプロファイルが階段状であり、反射率の最大値は受光角20°付近にあり、該最大値は上記階段状のプロファイルの頂部に存在しているが、比較例のものでは入射光の正反射角度に対して対称の反射率分布となる反射特性を備えている。
このため、本実施形態の液晶表示装置を携帯電話やノート型PCなどの携帯電子機器の表示部に上記のいずれかの構成の本実施形態の液晶表示装置に組み込むと、特に視認性が良好なものとなる。
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態である反射型液晶表示装置の部分断面構造を模式的に示した図である。
図15の反射型液晶表示装置4が図5に示した反射型液晶表示装置3と異なるところは、液晶セル35b内に設けられる反射体の構成が異なる点である。
本実施形態の反射型液晶表示装置4に備えられた反射体47は、例えばアルミニウムからなる平板状の基材61の表面(基準面)に多数の光反射性を有する凹部163a、163b、163c、・・・(一般に凹部163と称する)が互いに不規則に隣接して形成されている。
これらの凹部163は、断面図を図16に示すように、凹部163の特定縦断面Yにおける内面形状は、凹部の一の周辺部S1から最深点Dに至る第1曲線Jと、この第1曲線Jに連続して、凹部の最深点Dから第3曲線又は直線Lに至る第2曲線Kと、この第2曲線Kに連続して、他の周辺部S2に至る第3曲線又は直線Lとからなっている。これら第1と第2の曲線は、最深点Dにおいて共に基材表面Sに対する傾斜角がゼロとなり、互いにつながっている。
第1曲線Jの基材表面Sに対する傾斜角は第2曲線Kの傾斜角や第3曲線又は直線Lよりも急であって、最深点Dは凹部3の中心OからY方向にずれた位置にある。すなわち、第1曲線Jの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値(以下、第1曲線Jの傾斜角の平均値という。)は、第2曲線Kの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値や、第3曲線又は直線Lの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値より大きくされている。また、第2曲線Kの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値(以下、第2曲線Kの傾斜角の平均値という。)と第3の曲線又は直線Lの基材表面Sに対する傾斜角の絶対値の平均値(以下、第3曲線又は直線Lの傾斜角の平均値)とは異なっており、本実施形態では第3の曲線又は直線Lの傾斜角の平均値の方が第2曲線Kの傾斜角の平均値よりも大きくされている。
言い換えれば、第1曲線Jの曲率半径Rの大きさは、第2曲線Kの曲率半径Rや第3曲線又は直線Lの曲率半径Rより小さくされており、第3曲線又は直線Lの曲率半径Rの大きさは第2曲線Kの曲率半径Rより小さくされている。なお、上記第3曲線又は直線Lは曲率半径Rが∞である場合に、直線となる。
凹部163a、163b、163c、・・・における第1曲線Jの基材表面Sに対する傾斜角の平均値は1°〜89゜の範囲で不規則にばらついている。また、凹部163a、163b、163c、・・・における第2曲線Kの基材表面Sに対する傾斜角の平均値は0.5°〜88゜の範囲で不規則にばらついている。また、凹部163a、163b、163c、・・・における第3曲線又は直線Lの基材表面Sに対する傾斜角の平均値は0.5°〜88゜の範囲で不規則にばらついている。
第1曲線と第2曲線と第3曲線又は直線の傾斜角は、いずれもなだらかに変化しているので、第1曲線Jの最大傾斜角δmax(絶対値)は、第2曲線Kの最大傾斜角(絶対値)δbや第3曲線又は直線Lの最大傾斜角(絶対値)δcよりも大きくなっている。また、第1曲線Jと第2曲線Kとが接する最深点Dの基材表面に対する傾斜角はゼロとなっており、傾斜角が負の値である第1曲線Jと傾斜角が正の値である第2曲線Kとは、なだらかに連続しており、傾斜角が正の値である第2曲線Kと第3曲線又は直線Lとは、なだらかに連続している。
本実施形態の反射体において、凹部163a、163b、163c、・・・におけるそれぞれの最大傾斜角δmaxは、2〜90゜の範囲内で不規則にばらついている。しかし多くの凹部は最大傾斜角δmaxが4°〜35°の範囲内で不規則にばらついている。
またこの凹部163は、その凹面が単一の極小点(傾斜角がゼロとなる曲面上の点)Dを有している。そしてこの極小点Dと基材の基材表面Sとの距離が凹部163の深さdを形成し、この深さdは、凹部163a、163b、163c、・・・についてそれぞれ0.1μm〜3μmの範囲内で不規則にばらついている。また、凹部163a、163b、163cは、隣接する凹部のピッチが5μm〜50μmの範囲内で不規則に配置されている。
本実施形態においては、凹部163a、163b、163c、・・・における各特定縦断面Yは、いずれも同じ方向になっている。また、各々の第1曲線Jが観察者の視点Obから遠い方向Yの方向に揃うように形成されている。また、各々の第2曲線K、第3曲線又直線Lが観察者の視点Obから遠い方向Yの方向と反対方向に揃うように形成されている。
本実施形態の反射体147では、各々の第1曲線Jが単一の方向に配向するように形成されており、しかも第1曲線Jの傾斜角の平均値は、第2曲線Kの基材表面Sに対する傾斜角の平均値や、第3曲線又は直線Lの基材表面Sに対する傾斜角の平均値より大きくされいるため、その反射特性は、基材表面Sに対する正反射の方向からずれたものとなっている。すなわち、Y方向の斜め上方からの入射光に対する反射光は、正反射の方向よりも、基材表面Sに対する法線方向にシフトした方向に明るい表示範囲がシフトしたものとなっている。
さらに、本実施形態の反射体147では、各々第2曲線K、第3曲線又は直線Lが第1曲線Jと反対方向に配向するように形成されており、さらに第3の曲線又は直線Lの傾斜角の平均値の方が第2曲線Kの傾斜角の平均値よりも大きくされているので、特定縦断面Yにおける総合的な反射特性としては、第2曲線K周辺の面によって反射される方向の反射率が増加し、さらにこの反射率の大きさよりも第3曲線又は直線L周辺の面によって反射される方向の反射率が大きくなったものとなる。したがって、特定の方向に反射光を適度に集中させた反射特性とすることができる。
図17は、第4の実施形態の反射型液晶表示装置4の表示面1aに、入射角30°(表示面1aに立てた垂線(法線)の一方の側から表示を観察する観察者の視点Ob の反対側から照明した外光の光軸とのなす角度)で外光を照射し、 観察方向α(受光角)を垂線位置(法線位置)(0°)から60°まで振ったときの受光角(°)と明るさ(反射率)との関係を示している。図17中、一点鎖線(7)は、第4の実施形態の反射型液晶表示装置の受光角と反射率との関係を示している。
図17では、比較例として、従来から用いられている図12または図13に示した液晶表示装置でバックライトを設けていないタイプのものの受光角と反射率との関係を破線(3)で示し、この比較例の液晶表示装置の反射特性は図3や図11を用いて説明した通りであるので説明を略す。
一点鎖線(7)で示される特性を有する第4の実施形態の液晶表示装置4では反射率分布を示すグラフのプロファイルが階段状であり、しかも入射光の正反射角度に対して非対称となる反射特性を備えており、また、反射率の最大値は入射光の正反射角度(本実施形態では受光角30°)より小さい反射角度範囲(受光角度範囲)にある受光角20°付近に存在し、反射率の最大値は上記階段状のプロファイルの頂部に存在する反射特性を備えており、しかも反射率の最大値は第3の実施形態の液晶表示装置よりも大きな値が得られる。また、この第4の実施形態の液晶表示装置4では、受光角約20°付近の反射率は、正反射の角度の反射率より高くなっており、受光角0°〜25°においては比較例に比べ高い反射率を示しており、法線方向に近い方向から表示を観察したとき、比較例のものより表示が明るく見えると考えられる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態である反射型液晶表示装置について説明する。
第5の実施形態の反射型液晶表示装置が図15に示した第4の実施形態の反射型液晶表示装置4と異なるところは、液晶セル内に設けられる反射体の構成が異なる点である。
本実施の形態の反射型液晶表示装置に備えられた反射体が第4の実施形態の反射型液晶表示装置に備えられた反射体と異なるところは、平板状の基材61の表面(基準面)に形成された凹部の形状が異なるところである。
図18は本実施の形態の反射型液晶表示装置に備えられた反射体247の凹部263の説明図であり、図18(a)は、凹部263の断面図、図18(b)は凹部263の平面図である。
図18に示すように、各凹部263の内面は、周縁曲面264aと、周縁曲面264aに囲まれた位置ににある底曲面4bとから形成されている。周縁曲面264aは、中心をOとして半径がRである球面の一部である。また、底曲面264bは、中心をOとして半径がRである球面の一部である。各々の球面の中心であるOとOとから、反射体の表面に立てた法線は、各々別個の直線L、L上に位置する。また、凹部263・・・における各特定縦断面Yはいずれも同じ方向になっている。また、各々の底曲面264bが観察者の視点Obから近い方向(観察者の視点Obから遠い方向Yの方向と反対方向、即ち図18の左側方向)に揃うように形成されている。図18の右側の方向が光の入射側である。
各々の半径RとRとは、R<Rの関係にあり、かつ5μm≦R≦70μm、10μm≦R≦100μmの範囲で変化するものである。また、図2(a)において、θは周縁曲面264aの傾斜角で、4゜≦θ≦35゜および−35゜≦θ≦−4゜の範囲で変化するものである。また、θは底曲面264bの傾斜角で、−17°≦θ≦17゜の範囲で変化するものである。
なお、平面方向から見た周縁曲面264aの半径r及び底曲面264bの半径rは、各々の半径、R,R及び傾斜角θ、θに応じて決まるものである。
凹部263の深さdは0.1ないし3μmの範囲で各凹部毎にランダムな値をとる。凹部263の深さが0.1μmに満たないと、正反射が強くなり過ぎるからである。
隣接する凹部263のピッチは2μmないし50μmの範囲でランダムに配置する。なぜなら、仮に隣接する凹部263のピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、隣接する凹部263のピッチが2μm未満の場合、反射体の凹部を製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる。
第5の実施形態の反射型液晶表示装置の受光角と反射率との関係を上記第3の実施形態で行った方法と同様にして測定した結果、第5の実施形態の反射型液晶表示装置の受光角と反射率との関係は図11の一点鎖線(6)で示される特性と同様の特性を備えている。
このように、反射体247が備えられた本実施形態の反射型液晶表示装置においては、凹部263の内面に、半径の小さい球面の一部からなる周縁曲面264aが存在し、比較的絶対値の大きい傾斜角の範囲を与えるので、受光角約15゜〜45゜という広い反射角度範囲で良好な反射率を有している。また、半径の大きい球面の一部からなる底曲面264b、すなわち平坦面に近い曲面が偏在するので、特定の範囲の傾斜角を与える内面の割合が高くなる。その結果、正反射角度(本実施形態では受光角30度)よりも小さい反射角度における反射率が最も高くなり、その方向をピークとして近傍の反射率も高くなっている。
なお、図18の左側の方向から入射した場合には、入射角度である30度と対象な方向の反射角度30度よりも、大きい反射角度における反射率が最も高くなり、その方向をピークとして近傍の反射率も高くなる。
本発明の第1の実施形態の半透過反射型液晶表示装置の部分断面構造を示す図。 図1の液晶表示装置に備えられた有機膜と金属反射膜とからなる反射体を拡大して示した斜視図。 第1の実施形態の液晶表示装置と比較例の液晶表示装置の受光角と反射率との関係を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態の半透過反射型液晶表示装置の部分断面構造を示す図。 本発明の第3の実施形態の反射型液晶表示装置の部分断面構造を示す図。 図5の液晶表示装置に備えられた反射体を拡大して示した斜視図。 図6の反射体の表面に形成されたの一凹部を示す斜視図。 図7の凹部を示す断面図。 図6の反射体の部分を示す断面図。 図6の反射体の一凹部を示す断面図。 第3の実施形態の液晶表示装置と比較例の液晶表示装置の受光角と反射率との関係を示すグラフ。 従来の半透過反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図。 従来の半透過反射型液晶表示装置のその他の例を示す断面図。 携帯電話に備えられた半透過反射型液晶表示装置の使用状態の説明図。 本発明の第4の実施形態の反射型液晶表示装置の部分断面構造を示す図。 図15の反射型液晶表示装置に備えられた反射体の表面に形成された凹部を示す断面図。 第4の実施形態の液晶表示装置と比較例の液晶表示装置の受光角と反射率との関係を示すグラフ。 本発明の第5の本実施形態の反射型液晶表示装置に備えられた反射体の凹部の説明図。
符号の説明
1、2、3、4 液晶表示装置
1a 表示面
5 バックライト
7、47、147、247 反射体
10 基板(一方の基板)
11 有機膜(基材)
12 金属反射膜(金属膜)
12A、63、63a、63b、63c、163、263 凹部
13 カラーフィルタ
14、24 オーバーコート膜
15、25 透明電極層(電極)
16、26 配向膜
18、28 偏光板
20 基板(他方の基板)
27 位相差板
30 液晶層
35、35a、35b 液晶セル
40 シール材
53 透明介在層
61 基材
264a 周縁曲面
264b 底曲面
法線方向
Ob 視点
θ 角度
α 観察方向

Claims (6)

  1. 液晶層を挟んで対向する基板の一方の基板の内面側に電極および配向膜を該一方の基板側から順に設け、他方の基板の内面側に電極および配向膜を該他方の基板側から順に設けた液晶セルの前記一方の基板の外面側または前記一方の基板とこれの内面側に設けられた電極の間に反射体を設け、前記他方の基板の外面側に位相差板および偏光板を前記他方の基板側から順に設けてなる液晶表示装置であって、
    前記反射体は、反射部の1側部で傾斜角(反射部表面上の任意の点における接平面と基材表面とのなす角度の絶対値)が最大となり、前記液晶表示装置の表示面に対する法線方向と主たる観察方向とのなす角度が0度乃至20度のときに、前記液晶表示装置に入射した入射光が前記法線方向に対して観察者の視点の反対側から入射し、かつ前記法線方向と入射光の光軸とのなす角度が30度である場合に該入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から30度より小さい範囲内にあるように設定され、多数の反射部が互いに不規則に隣接して形成され、前記反射部が前記基板上に形成された樹脂層に凹凸形状を有する転写型を押しつけることにより得られた凹部に、金属膜が形成されたものであり、前記反射部の1側部を観察者の視点から遠い方向に揃うように形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示装置に入射した入射光が前記反射体で反射した反射光の反射率のピークが、前記法線方向から20度の範囲内にあるように設定されたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記凹部における最大傾斜角を有する1側部は、最大傾斜角が4度〜35度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記凹部の深さが0.1μm〜3μmの範囲内で不規則に形成され、前記複数の凹部は隣接する凹部のピッチが2μm〜50μmの範囲内で不規則に配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  5. 記金属膜の厚みが8nm〜20nmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶表示装置が表示部に備えられたことを特徴とする携帯電子機器。
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