JP3992852B2 - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表皮とコア間に発泡体を設けた発泡成形品の製造方法に関し、特には開口部形成予定部と対応する表皮の部分が凹部にされた発泡成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装部品などには、コアと表皮間に発泡体を設けた発泡成形品が多用されている。この発泡成形品の簡易な製造方法として、表皮とコアとをそれぞれ発泡成形型の型内に配置し、前記表皮とコア間でポリウレタン等の液状発泡原料を発泡させて、発泡体をコアおよび表皮と一体に形成する、いわゆる表皮一体発泡成形法がある。
【0003】
また、図10に示すような自動車のインストルメントパネル50などには、前記表皮一体発泡成形によって得られた発泡成形品の所定部を切除して他の部品を装着するための開口部51を形成したものが用いられている。図11は開口部形成前の発泡成形品の製造時を示す発泡成形型60の部分断面図である。この製造時、まず表皮70とコア75を発泡成形型60の下型61の型面62と上型65の型面66に配置し、次いで表皮70とコア75間にポリウレタン原料等からなる液状発泡原料80を注入し、発泡させることにより表皮70およびコア75と一体になった発泡体を形成する。その後成形品を脱型して所望の発泡成形品を得、その発泡成形品に対して所定部の切除を行い、開口部51を形成する。
【0004】
ところで、前記コア75は硬質プラスチック等の硬い材質で構成されるため、開口部形成時の切除作業が容易ではないことがある。そこで、図示の例のようにコア75には予め発泡成形品の開口部形成予定部と対応する位置に開口部76を形成し、該コア75の開口部76を発泡原料漏出防止用のフィルムFで覆って塞いでおくこともある。
【0005】
また、前記表皮70は、切除によって形成される表皮の開口部周縁の切り口が露出して外観を損なうのを防ぐため、および表皮70とともに切除される発泡体の量を減らして無駄を少なくするため等の理由から、予め前記コア75の開口部76と対応する表皮表面71に凹部72を表皮70の裏側へ突出させて形成しておき、該凹部72の奥が切除位置となるようにされるとともに、該凹部72とコア75の開口部76のフィルムF間に形成される発泡体部分が他部よりも薄くなるようにされている。通常、前記切除される発泡体部分の厚みは、他の一般部における発泡体の厚み10〜15mmに対し、薄肉の5mm程度に形成される。
【0006】
しかしながら、前記のような製造方法によって得られた発泡成形品は、図10のインストルメントパネル50のように、開口部51付近の発泡体にエア溜り53が発生し易かった。このエア溜まり53によって、発泡成形品の感触や外観が損なわれるため、修正工数が増加したり、修正できない場合には発泡成形品が不良品となる問題がある。
【0007】
図12ないし図15は、前記エア溜まり53の発生過程を説明するために、図11の2−2線で発泡成形型を切断して示す概略断面図である。前記表皮70とコア75間に注入された発泡原料80は、発泡して粘度を増大させながら流動し、前記表皮70の凹部72裏側とコア75の開口部76のフィルムF間を通って表皮70とコア75間に充満する。その際、前記表皮70の凹部72裏側とコア75の開口部76のフィルム間では、他の部分よりも間隔が狭くなっているため、図13のように、前記発泡原料80は、当該凹部72裏側と開口部76のフィルムF間を通る発泡原料81が、その両側の発泡原料82,82よりも流れが悪くなって、両側の発泡原料82,82よりも遅れるようになる。そして、流れの遅い発泡原料81の両側を流れる速い発泡原料82,82が、遅い発泡原料81の前方(発泡原料80の下流前方)に回り込んで、図14及び図15に示すように、エアAを包み込んだ状態となり、その状態で発泡原料80がさらに発泡流動して表皮70とコア75間に充満する。前記発泡原料80によって包み込まれたエアAは、発泡原料80の発泡反応進行によって増大する発泡体内の圧力で圧縮されて小さくなることはあっても逃げ場がないため消失せず、前記発泡成形品50の発泡体内にエア溜まり53となって残存する。
【0008】
なお、前記表皮70の凹部72の位置に発泡原料80を注入し、前記凹部72の位置から発泡原料80が周囲に流動するようにして前記エア溜まり53の発生を防ぐことも考えられるが、次の理由から現実的な方法とは言いがたかった。すなわち、インストルメントパネル等にあっては、開口部(表皮の凹部)が成形品の両端付近に設定されることが多く、しかも成形品が大型とされる。したがって、発泡成形型を開けて発泡原料の注入を行うオープン注入においては、通常では発泡原料の均一な充填が可能となるよう、発泡成形型内の中央位置で発泡原料の注入が行われるが、それに加えて、両端の表皮の凹部位置でも注入を行わねばならず、発泡原料注入装置の注入ヘッドの移動等に余分な時間が必要となって、発泡原料の注入中に発泡原料の反応が始まり、閉型が間に合わなくなることがある。
【0009】
他方、発泡成形型の上型の一箇所に原料注入口を形成しておいて、発泡成形型を閉じた状態で前記原料注入口から発泡原料の注入を行うクローズド注入においては、前記表皮の凹部位置に合わせて発泡成形型の端に注入口を形成し、その端の注入口を介して発泡原料の注入を行うようにしなければならず、注入された発泡原料が型内に均一に充満しにくい問題がある。さらに、前記表皮の凹部が複数箇所設けられる場合には、表皮の凹部位置に合わせて注入口を複数個所設けねばならず、各注入口と対応する複数の注入ヘッドを用意するのは設備上現実的ではなく、また、一つの注入ヘッドで複数箇所の注入口に対応するのも、作業が煩雑となり、しかも注入完了前に発泡原料の発泡反応が始まって未だ注入前の注入口から発泡原料が溢れたりするため、実現不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、開口部形成予定部の周辺にエア溜まりが発生するのを簡単かつ確実に防止して、エア溜まりによる外観および物性低下の無い良好な発泡成形品を得る製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明は、開口部がフィルムで塞がれたコアを発泡成形型の一方の型面に配置し、前記コアの開口部と対応する表皮表面に凹部が表皮裏側へ突出して形成された表皮を当該表皮の裏面が前記コアと対向するように発泡成形型の他方の型面に配置し、前記表皮とコア間に発泡原料を注入し、該発泡原料を反応させながら前記表皮とコア間で流動させて表皮とコア間に充満させることにより、前記表皮とコアと一体になった発泡体を形成する発泡成形品の製造方法において、前記コアの開口部のフィルムが位置する型面または表皮の凹部が位置する型面のいずれか一方または両方に突部を設け、前記型面の突部によりコアの開口部のフィルムと表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流動方向下流側が開いた環形状に密着させて前記発泡原料の流動充満を行うことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、開口用切除予定部を有するコアを発泡成形型の一方の型面に配置し、前記コアの開口用切除予定部と対応する表皮表面に凹部が表皮裏側へ突出して形成された表皮を当該表皮の裏面が前記コアと対向するように発泡成形型の他方の型面に配置し、前記表皮とコア間に発泡原料を注入し、該発泡原料を反応させながら前記表皮とコア間で流動させて表皮とコア間に充満させることにより、前記表皮とコアと一体になった発泡体を形成する発泡成形品の製造方法において、前記コアの開口用切除予定部にまたは表皮の凹部が位置する型面にあるいは前記開口用切除予定部と凹部が配置される型面との両方に突部を設け、前記突部によりコアの開口用切除予定部と表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流動方向下流側が開いた環形状に密着させて前記発泡原料の流動充満を行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は請求項1の発明の一実施例に係る発泡成形型の要部を示す断面図、図2は図1の1−1線における発泡原料の流れを示す概略断面図、図3は同じく発泡原料が突部に当たった状態を示す概略断面図、図4は同じく流動する発泡原料が突部前方で合流した状態を示す概略断面図、図5は同じく流動する発泡原料が突部の内部に侵入した状態を示す概略断面図、図6は請求項1の発明に係る他の実施例を示す断面図、図7は突部の例を示す断面図、図8は請求項2の発明の一実施例に係る発泡成形型の要部を示す断面図、図9は請求項2の発明の製造方法に係る他の実施例を示す断面図である。
【0014】
図1に示す発泡成形型10は、従来技術の項で説明したような開口部を長手方向両端付近に有するインストルメントパネル等に用いられる発泡成形品を成形するためのもので、下型11と上型21を備え、前記下型11と上型21とによって形成される成形品キャビティCを有する。
【0015】
前記下型11は、表皮30が配置される型面12を有する。この型面12は、発泡成形品の表面形状に対応する形状からなり、後記する表皮30の凹部35と対応する下型11の両端付近には、支持凸部15が形成されている。この支持凸部15は、表皮30の凹部35を支持するためのもので、表皮30の凹部35が嵌る形状にされている。なお、下型11は成形品形状が複雑な場合等、必要に応じて割型構造とされることもある。
【0016】
前記上型21は、コア40が適宜クリップ等(図示せず)で脱着可能に取り付けられる型面22を有する。この実施例の型面22には、後記するコア40の開口部45と対応する上型21の両端付近に突部25が形成されている。この突部25は、発泡成形品の成形時に発泡成形型10内中央部に注入された発泡原料Pの流動方向に対して下流側となる発泡成形型10の両端を向く一側が開口26した環状の堤防形状からなるもので、前記開口26を介して突部25外と通じる空間Sを包囲形成している。また、この突部25の外形はコア40の開口部45よりもやや小さく、かつ高さがコア40の開口部45の厚みより大きくされていて、上型21の型面22にコア40を配置して閉型した際に、該突部25下端と接触するコア40の開口部45のフィルムFを下型11方向へ押し出して、下型型面12に配置されている表皮30の凹部35裏面にフイルムFを略突部25下端形状に密着させることができるように設計されている。前記開口26の開き程度は、発泡原料Pが発泡時に開口26を通って突部25内の空間Sへ侵入可能となるように設定され、発泡原料Pの粘度やコア40の開口部45の大きさ等に応じて最適寸法が決定される。この例の突部25は、厚み(幅)10mm、高さ(下型方向への突出量)10mm、開口26の開き20mmである。
【0017】
また、前記上型型面22の突部25で包囲される部分には、上型21外面に通じるエア抜き穴27を形成するのが好ましい。なお、前記突部25は、前記表皮30の凹部裏面36の縁に沿った形状が好ましく、本実施例のような平面形状が略コの字状のものの他、表皮30の凹部35形状に合わせて、図7(B),(C)に示す突部25B,25Cのような、一部切り欠かれた円形状のものや、楕円形状のものでもよい。図において、符号26A,26B,26Cは開口を示す。
【0018】
前記コア40は、発泡成形品の形状維持や強度向上あるいは取り付け等のためのもので、ABS樹脂やガラス繊維強化ポリプロピレン等、剛性のあるプラスチックや金属板からなるもので、予め発泡成形品の開口部形成予定部に開口部45が形成され、この開口部45を覆って塞ぐフィルムFがコア40の内面(表皮と対向する面)に貼着される。このフィルムFは、発泡成形品の成形時に発泡原料Pが前記コア40の開口部45から漏出するのを防ぐためのもので、ポリエチレンフィルム等の公知のフィルムが用いられる。その他、連通気孔からなる公知の軟質ウレタンスラブフォームなどの通気性発泡体をシート状にした物も、このフィルムFの好適な実施例として使用される。また、前記フィルムFは、そのフィルムFが取り付けられるコア40の開口部45周囲のコア40内面と表皮30裏面との間隔などに応じて、適宜の厚みや伸び率を有するものが考慮して選択される。
【0019】
前記表皮30は、発泡成形品10の外面を構成するもので、塩化ビニル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等からなり、パウダースラッシュ成形や真空成形等によって成形品形状に形成されたものが用いられる。この表皮30の表面31には、前記コア40の開口部45に対応する位置に凹部35が表皮裏面36へ突出して形成されている。この凹部35の深さ(コア40方向への突出量)は、発泡成形品の用途や形状等によって、適宜決定されるが、この実施例では8mmである。
【0020】
次に、前記発泡成形型10を用いて行う請求項1の発明の発泡成形品の製造例について図1ないし図5を用いて説明する。なお、図2ないし図5においては、前記フィルムFを省略して示す。まず、図1のように、表皮30を下型11の型面12にその表皮裏面36が上側を向き、かつ前記凹部35が型面12の支持凸部15に嵌まるように配置し、一方上型21の型面22には前記コア40を配置する。このとき、前記上型21の突部25が、コアの開口部45より突出し、前記フィルムFを該突部25下端と接触する部分で下型11方向へ押し曲げる。次いで、発泡成形型10の両端間略中央位置の表皮30とコア40間に発泡原料Pを注入して下型11と上型21を閉型する。これによって、前記上型型面22の突部25で押されたフィルムFの部分が、下型型面12の表皮30の凹部裏面36と密着する。なお、前記発泡原料Pの注入をクローズド注入で行う場合には、前記上型21の略中央位置に原料注入口(図示せず)を形成し、その原料注入口を介して発泡原料の注入を行う。
【0021】
前記表皮30とコア40間に注入された発泡原料Pは、図2および図3に示すように、発泡原料PがキャビティCの表皮30とコア40間で発泡して表皮30とコア40間を発泡成形型10の両端方向へ流動し、発泡原料Pの体積および粘度を増しながら前記表皮30の凹部裏面36とコア40の開口部45のフィルムF間に接近する。このとき、前記突部25が発泡原料Pの上流方向で閉じているため、前記突部25によって押されたフィルムFと表皮30の凹部裏面36との密着部Gも発泡原料Pの流動方向上流側で閉じた状態となっている。そのため、発泡原料Pの上流側から流動してきてフィルムFと表皮30の凹部裏面36との密着部Gに突き当たった発泡原料Pは、前記突部25で包囲された空間S内に侵入することなく、前記表皮30の凹部35とフィルムFとの密着部Gの両側へ分かれて発泡成形型10の両端方向へ流動する。
【0022】
前記フィルムFと表皮30の凹部裏面36との密着部Gで両側へ分かれて発泡成形型10の両端方向へさらに流動した発泡原料P1,P1は、図4に示すように、前記フィルムFと表皮30の凹部裏面36との密着部G前方へ回り込んで再び合流する。このときその合流部と前記密着部G間で多少のエアAが包囲される。そして、発泡原料Pがさらに流動し、発泡して発泡成形型10の両端まで到達すると、発泡原料Pの発泡による発泡成形型10内の圧力増大によって、図5のように、前記フィルムFと表皮30の凹部裏面密着部G付近の発泡原料P2は、前記突部25の開口26によって発泡成形型10の端部方向に向かって開いているフィルムFと表皮30間の開口26aを通って、前記突部25で包囲されたフィルムFと表皮30間の空間S内に侵入し、それとともに前記合流部と密着部G間に存在していた気泡Aが空間S内に導入される。その際、前記エア抜き穴27を該突部25で包囲された上型型面22に設けておけば、前記空間S内への発泡原料Pの侵入及びエアAの導入時に、その侵入および導入によるフィルムFの変形に応じてフィルムFと上型型面22間の空気を上型外部へ逃がすことができるので、前記フィルムFの変形が容易になって前記空間S内への発泡原料Pの侵入及びエアAの導入がよりスムーズになる。
【0023】
その後、発泡成形型10を開いて、成形品を取り出せば、前記表皮30とコア40間に発泡体が一体に形成された所望の発泡成形品が得られる。このようにして得られた発泡成形品は、開口部形成予定部における表皮30の凹部裏面36とコア40の開口部45のフィルムF間にエアAが閉じ込められた状態となるため、発泡成形品の外観不良等を生じることがない。しかも、前記エアAが閉じ込められた部分は、その後切除される部分であるため、残った製品にとって何ら問題を生じることがない。
【0024】
なお、前記実施例においては突部25を上型型面22に設けたが、図6に示す成形型100のように、下型110に突部180を設けて表皮30の凹部35を延伸させて上型210のコア開口部45のフィルムFに密着するようにしたり、あるいは前記下型110の表皮30の凹部35が配置される型面120と上型210の対応する型面220に所定高さの突部をそれぞれ設けて(図示せず)、下型110と上型210間の中間位置で前記フィルムFと表皮30とを密着させてもよい。また、前記図6の実施例において、表皮30の凹部35には予め前記下型110の突部180の形状に応じた第二凹部35aを賦形しておき、表皮30を下型110に配置した際、下型110の突部180が第二凹部35aに嵌まって、その第二凹部35aの裏面がフィルムFと密着するようにしてもよい。もちろん、前記第二凹部35aは、前記突部を下型110と上型210の両方に設ける場合に適用してもよい。図において、270はエア抜き穴を示し、また、前記実施例と同一の符号は同一の部材、部分を表す。
【0025】
次に、請求項2の発明の実施例について説明する。請求項2の発明は、使用するコアに予め前記開口部が形成されてなく、その開口部に代えて開口用切除予定部が設けられ、そのコアの開口用切除予定部に、または表皮の凹部が配置される型面に、あるいはその両方に、表皮の凹部裏面とコアの開口用切除予定部を所定の環形状に密着させる突部が形成されている点で、請求項1の発明と相違する。従って、この請求項2の発明の実施によって製造された発泡成形品は、脱型後の開口部形成時に、表皮の凹部とともにコアの開口用切除予定部も切除される。
【0026】
図8は請求項2の発明の一実施例における発泡成形型101の要部を示す断面図である。使用する成形型101は、下型111と上型211とよりなり、下型111の型面121には請求項1の発明の実施例と同じ表皮30が配置され、上型211の型面221には、次に示すコア401が配置される。符号151は表皮30の凹部35が嵌まる支持凸部である。
【0027】
コア401は、硬質プラスチック等からなるもので、所定部が開口用切除予定部461となっていて、表皮30の凹部35裏面と対向する面に突部481が形成されている。このコア401の開口用切除予定部461は、発泡成形品の成形後切除される部分で、前記表皮30の凹部35と対応する位置に存在する。なお、この例では、開口用切除予定部461はその周囲と連続して形成され、周囲と区別する境界線等は存在しないが、開口用切除予定部461の範囲を明確にする等のため、開口用切除予定部461を表皮側へ突出した段部等(図示せず)で構成してもよい。
【0028】
前記コア401の突部481は、前記請求項1の実施例で説明した突部25A,25B,25Cと同様、発泡原料Pの下流側が開口した環形状からなり、閉型時に表皮30の凹部35裏面36と突部481下端が密着し、その突部481で包囲された空間Sを表皮の凹部裏面36とコア401の開口用切除予定部461間に、発泡原料Pの下流側が開口482となった状態で形成する。
【0029】
この実施例においても、請求項1の発明の実施例と同様に、下型111の表皮30と上型211のコア401との間に発泡原料Pを注入し、前記コア401の開口用切除予定部461の突部481と表皮30の凹部35裏面36が密着した状態で発泡成形を行うことにより、発泡原料P内に閉じ込められた気泡を、前記突部481で包囲された空間S内に導入することができ、請求項1の発明と同様の効果が得られる。
【0030】
図9は請求項2の発明に係る他の実施例における発泡成形型102の要部を示す断面図である。この例では、開口用切除予定部462を有するコア402に突部を設けるのに代えて、下型112の型面122における表皮30の凹部35が配置される位置に、図6に示した請求項1の発明の実施例における下型110の突部180と略同様の形状からなる突部182を設け、閉型時にその突部182で表皮30の凹部35を押してコア402の開口用切除予定部462に密着させ、表皮30の凹部35裏面36とコア402の開口用切除予定部462の間に前記突部182で包囲された空間Sを、発泡原料下流側が開口183となった状態で形成するもので、その他は、図8に示した実施例及び請求項1の発明の実施例と同様である。符号212は上型、222は上型の型面、152は支持凸部である。
【0031】
また、図9に示した実施例において、表皮30の凹部35には、予め下型112の突部182と対応する第二凹部35aを賦形しておき、表皮30を下型型面122に配置する際に、前記第二凹部35aに下型112の突部182を嵌めるようにすれば、閉型時に表皮30の凹部35が強引に伸ばされず、その強引な伸びによって表皮30が下型型面122に対して部分的に位置ずれするおそれもなくなり、表皮30を正確に型面122に配置でき、より良好な発泡成形品が得られるようになる。
【0032】
さらに、請求項2の発明においても、下型型面の表皮の凹部が配置される部分と、コアの開口用切除予定部の両方に前記環形状の突部を設けて、閉型時に下型と上型との中間位置で突部同士を表皮の凹部を介して密着させ、その突部で包囲される隙間を、発泡原料下流側に開口の開いた状態で表皮の凹部裏面とコアの開口用切除予定部間に形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の発泡成形品の製造方法によれば、発泡成形時、開口部形成予定部におけるコアと表皮の凹部とを発泡原料の流動方向下流側が開いた環形状に密着させて発泡原料の流動充満を行うため、発泡成形型内における発泡原料の流動充満がスムーズになり、しかもエア溜まりを生じさせるエアを、その後の開口形成時に除去される表皮の凹部とコア間へ誘導してエア溜まりによる不具合を減少させることができるので、従来必要とされたエア溜まりの修正にかかる手間やコストを低減すると共に、良質な発泡成形品を簡単かつ経済的に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例に係る発泡成形型の要部を示す断面図である。
【図2】図1の1−1線における発泡原料の流れを示す概略断面図である。
【図3】発泡原料が突部に当たった状態を示す概略断面図である。
【図4】流動する発泡原料が突部前方で合流した状態を示す概略断面図である。
【図5】流動する発泡原料が突部の内部に浸入した状態を示す概略断面図である。
【図6】請求項1の発明に係る他の実施例における発泡成形型の要部断面図である。
【図7】突部の例を示す断面図である。
【図8】請求項2の発明の一実施例に係る発泡成形型の要部断面図である。
【図9】請求項2の発明に係る他の実施例における発泡成形型の要部断面図である。
【図10】一般的なインストルメントパネルの一例を示す斜視図である。
【図11】従来の開口部を有する発泡成形品の製造方法の一例を示す断面図である。
【図12】図11の成形型内における発泡原料の流れを示す概略断面図である。
【図13】発泡原料が表皮の凹部裏側を通過する状態を示す概略断面図である。
【図14】発泡原料がエアを巻き込んだ状態を示す概略断面図である。
【図15】発泡原料がエアの巻き込み後発泡を続ける状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 発泡成形型
11 下型
12 下型型面
15 支持凸部
21 上型
22 上型型面
30 表皮
35 凹部
40 コア
45 コア開口部
C キャビティ
F フィルム
P 発泡原料

Claims (2)

  1. 開口部がフィルムで塞がれたコアを発泡成形型の一方の型面に配置し、前記コアの開口部と対応する表皮表面に凹部が表皮裏側へ突出して形成された表皮を当該表皮の裏面が前記コアと対向するように発泡成形型の他方の型面に配置し、前記表皮とコア間に発泡原料を注入し、該発泡原料を反応させながら前記表皮とコア間で流動させて表皮とコア間に充満させることにより、前記表皮とコアと一体になった発泡体を形成する発泡成形品の製造方法において、
    前記コアの開口部のフィルムが位置する型面または表皮の凹部が位置する型面のいずれか一方または両方に突部を設け、前記型面の突部によりコアの開口部のフィルムと表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流動方向下流側が開いた環形状に密着させて前記発泡原料の流動充満を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
  2. 開口用切除予定部を有するコアを発泡成形型の一方の型面に配置し、前記コアの開口用切除予定部と対応する表皮表面に凹部が表皮裏側へ突出して形成された表皮を当該表皮の裏面が前記コアと対向するように発泡成形型の他方の型面に配置し、前記表皮とコア間に発泡原料を注入し、該発泡原料を反応させながら前記表皮とコア間で流動させて表皮とコア間に充満させることにより、前記表皮とコアと一体になった発泡体を形成する発泡成形品の製造方法において、
    前記コアの開口用切除予定部にまたは表皮の凹部が位置する型面にあるいは前記開口用切除予定部と凹部が位置する型面との両方に突部を設け、前記突部によりコアの開口用切除予定部と表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流動方向下流側が開いた環形状に密着させて前記発泡原料の流動充満を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
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