JP3964831B2

JP3964831B2 - 油圧ショベル機用バケット

Info

Publication number: JP3964831B2
Application number: JP2003185022A
Authority: JP
Inventors: 正巳川名
Original assignee: 正巳川名
Priority date: 2003-06-27
Filing date: 2003-06-27
Publication date: 2007-08-22
Anticipated expiration: 2023-06-27
Also published as: JP2005016230A

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル機のブームに取り付けられる油圧ショベル機用バケット、詳しくは掬い取った収集物を所定の大きさ以上に分別する篩機能を備えた油圧ショベル機用バケットに関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
油圧ショベル機は、ブームの先端部に取り付けられたバケットを油圧シリンダーや油圧モータの作動に伴って揺動して、例えばコンクリートや岩（石）の瓦礫が混じった土砂等の収集物を掬い取っている。そして掬い取った収集物を廃棄する際には、廃棄コストを低減する必要から収集物中から、土砂等を除いて廃棄すべき瓦礫を選別する必要があるが、従来は掬い取った瓦礫等が混ざった収集物を篩装置等にかけて瓦礫と土砂とに分別して取り出している。
【０００３】
しかし、この方法にあっては、掬い取った収集物を一旦溜めた後に別体の篩装置にかけて選別作業を行う必要があり、作業効率が極めて悪かった。
【０００４】
この欠点を解決するため、バケットの底板に、選別しようとするコンクリート片や岩（石）等の瓦礫の大きさに応じた空隙部を有した篩板を取り付け、コンクリート片等の瓦礫を含む土砂をバケット内に掬い取った後に油圧シリンダーや油圧モータを作動制御してバケットを振動させて空隙部以下の大きさの土砂や瓦礫を篩い落として所望の大きさ以上の瓦礫を選別可能にしている。
【０００５】
しかし、この方法にあっては、バケット全体を振動させるには、バケットに連結された油圧機器を短いストロークで往復移動制御しなければならず、油圧操作に高い熟練度が要求されると共に手間がかかり、選別作業性が悪かった。
【０００６】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたもので、その課題とする処は、バケット全体を振動させることなく掬い取った土砂等の収集物から所定の大きさ以上の収集物を効率的に選別することができる油圧ショベル機用バケットを提供することにある。
【０００７】
本発明の他の課題は、油圧操作の熟練度が低い作業者であっても、掬い取った土砂等の収集物から所定の大きさ以上の収集物を効率的に選別することができる油圧ショベル機用バケットを提供することにある。
【０００８】
本発明は、油圧ショベル機のブーム先端部に揺動可能に設けられ、該ブームに設けられた油圧作動部材が連結されるバケットにおいて、該バケット底板のほぼ全体に形成された開口を覆い、かつ開口中央部にて揺動可能に支持され、所望の大きさからなる多数の空隙部が形成された篩部材と、該篩部材の一端部に設けられた軸支部に対し、偏心部材を介して連結される回転駆動部材とを備え、回転駆動部材により回転する偏心部材により篩部材を、その偏心量に応じた角度で往復揺動してバケット内の収集物を振動させて上記空隙部以下の大きさの収集物を篩い落とし可能にすることを特徴とする。
【０００９】
【発明の実施形態】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図１及び図２において、従来公知の油圧ショベル機（図示せず）のブーム１先端部には油圧ショベル機用バケット３が、ブーム１に設けられた油圧シリンダーや油圧モータ（図示せず）により揺動可能に支持される。尚、図中の符号３ａは油圧シリンダー（図示せず）のロッド５が軸支されるリンク部で、該ロッド５の伸縮に伴って油圧ショベル機用バケット３を往復揺動してコンクリート片や岩（石）等の瓦礫を含む土砂等の収集物を堀削して掬い取る。
【００１０】
油圧ショベル機用バケット３は所望のバケット容量で、その先端部には掬い取り用または掘削用の爪３ｂが設けられている。また、油圧ショベル機用バケット３の底面及び一部の背面板３ｃには開口部３ｄが形成され、該開口部３ｄの中央部には該開口部３ｄのほぼ全体を覆う大きさの篩部材７のほぼ中央部が揺動可能に支持されている。
【００１１】
該篩部材７は油圧ショベル機用バケット３のブーム１連結側から先端部側に向かう開口部３ｄの長手方向の長さからなる複数本の縦桟７ａと開口部３ｄの長手直交方向長さからなる複数本の横桟７ｂを格子状に連結し、選別しようとするコンクリート片や岩等の瓦礫に応じた大きさの多数の空隙部７ｃを有した構造からなる。上記した各縦桟７ａの長手方向中間部には上記長手方向と直交する方向（長手直交方向という。）に一致する各軸支孔（図示せず）を挿通する軸部材９が設けられ、該軸部材９の軸端部は油圧ショベル機用バケット３の側板３ｅに設けられた軸受部１１にそれぞれ軸支され、篩部材７を揺動するように支持する。
【００１２】
また、上記した各縦桟７ａにおける長手方向の中間部（軸支孔にほぼ一致する箇所）には所要の高さで上方へ突出する突出部７ｅがそれぞれ設けられている。この突出部７ｅは、必ずしもすべての縦桟７ａに設ける必要はなく、例えば長手直交方向の中間部に位置する一部の縦桟７ａに設けてもよい。また、上記した篩部材７における縦桟７ａの内、長手直交方向の中間部に位置する少なくとも２本の縦桟７ａのブーム１側の端部は他の縦桟７ａより長く、油圧ショベル機用バケット３の背面板３ｃから後方へ突出し、その端部には長手直交方向に軸線を有した軸７ｆが設けられている。
【００１３】
また、図３に示すように油圧ショベル機用バケット３の背面板３ｃには回転駆動部材を構成する油圧モータ１３が取り付けられ、該油圧モータ１３の出力軸には油圧ショベル機用バケット３の背面板３ｃに固定された軸受部材１５に軸支された回転軸１７が連結されている。該回転軸１７には偏心部材としての偏心回転体１９が固着され、該偏心回転体１９は一端部が軸７ｆに回転可能に軸支された連結部材としてのリンクアーム２１の他端部に形成された軸支孔２１ａに回転可能に軸支されている。これにより油圧モータ１３の作動に伴う偏心回転体１９の回転により、リンクアーム２１を偏心回転体１９の偏心量に応じたストロークで往復移動して篩部材７を、軸部材９を中心に所定の角度で往復揺動させる。
【００１４】
次に、油圧ショベル機用バケット３による収集物の分別作用を説明する。
先ず、油圧ショベル機用バケット３の爪３ｂを地面に押し当てた状態で油圧シリンダーのロッド５を伸縮することにより、例えばコンクリート片や岩等の瓦礫を含んだ土砂を堀削して掬い取り、篩部材７上に溜める。
【００１５】
そして油圧ショベル機用バケット３内に所定量の土砂が掬い取られると、油圧モータ１３を回転駆動して偏心回転体１９を回転させる。これにより篩部材７は、図３に示すように偏心回転体１９の偏心量に応じたストロークで往復移動するリンクアーム２１により、軸部材９を中心にリンクアーム２１の移動量に応じた角度で実線矢印方向へ往復揺動し、掬い取られた土砂を振動させる。この振動により油圧ショベル機用バケット３内に溜められた土砂の内、篩部材７の空隙部７ｃより小さい大きさの土砂やコンクリート片、岩（石）を篩い落とし、空隙部７ｃより大きい瓦礫を篩い分ける。
【００１６】
篩部材７の揺動時においては、各縦桟７ａの長手方向中央部に設けられた突出部７ｅにより油圧ショベル機用バケット３内を前方側と後方側とに区画し、篩部材７の揺動に伴って油圧ショベル機用バケット３内の後方及び前方に溜められた土砂が他方へ流動して混ざり合うのを防止することにより篩落とし作業を効率的に行うことができる。
【００１７】
尚、この突出部７ｅ自体、篩部材７の揺動中心部に位置しているため、揺動に伴う移動幅が少なく、油圧ショベル機用バケット３内における土砂の流動を最小限にしながら篩落とし作業を効率的に行うことができる。
【００１８】
本実施形態は、油圧ショベル機用バケット３全体を揺動したり、別体に設けられた篩装置により土砂を篩い分けすることなく、油圧ショベル機用バケット３により掬い取られた土砂を直接篩い分けすることができ、作業性を向上することができる。また、油圧モータ１３を駆動する操作のみで土砂を篩い分けして選別することができ、従来のように油圧ショベル機用バケット３を油圧操作して振動させる作業を不要にすることができ、簡易に土砂を篩い分けすることができる。
【００１９】
篩部材としては、複数本の縦桟と横桟とを組み合わせて格子状に形成した構造の他に、油圧ショベル機用バケットの開口部をほぼ覆う大きさの底板に、篩い落とす瓦礫に応じた大きさの多数の孔を設けた構造であってもよい。
【００２１】
更に、分別されるものとしては、上記した瓦礫が混ざった土砂等に限定されるものではなく、例えば色々な大きさの混ざった塵や瓦礫であってもよいことは勿論である。
【００２２】
【発明の効果】
本発明は、バケット全体を振動させることなく掬い取った土砂等の収集物から所定の大きさ以上の収集物を効率的に選別することができる。また、油圧操作の熟練度が低い作業者であっても、掬い取った土砂等の収集物から所定の大きさ以上の収集物を効率的に選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】油圧ショベル機のブーム先端部に取り付けられる油圧ショベル機用バケットを示す略体斜視図である。
【図２】油圧ショベル機用バケットを背面側から見た略体斜視図である。
【図３】偏心駆動機構を示す拡大説明図である。
【図４】選別作用を示す説明図である。
【符号の説明】
１−ブーム、３−油圧ショベル機用バケット、３ｄ−開口部、７−篩部材、７ｃ−空隙部、１３−回転駆動部材としての油圧モータ、１９−偏心部材としての偏心回転体

Claims

油圧ショベル機のブーム先端部に揺動可能に設けられ、該ブームに設けられた油圧作動部材が連結されるバケットにおいて、
該バケット底板のほぼ全体に形成された開口を覆い、かつ開口中央部にて揺動可能に支持され、所望の大きさからなる多数の空隙部が形成された篩部材と、
該篩部材の一端部に設けられた軸支部に対し、偏心部材を介して連結される回転駆動部材とを備え、
回転駆動部材により回転する偏心部材により篩部材を、その偏心量に応じた角度で往復揺動してバケット内の収集物を振動させて上記空隙部以下の大きさの収集物を篩い落とし可能にする油圧ショベル機用バケット。
請求項１の回転駆動部材は、油圧モータからなる油圧ショベル機用バケット。
請求項１の偏心部材は、回転駆動部材の出力軸に固定されると共に篩部材に設けられた軸に回転可能に支持された連結部材の軸支孔に回転可能に軸支される偏心回転体からなり、
回転駆動部材の駆動に伴う偏心回転体の回転に伴って篩部材を、出力軸に対する偏心回転体の偏心量に応じた角度で揺動可能にした油圧ショベル機用バケット。
請求項１の篩部材は、バケットのブーム連結部側から先端部に向かう長手方向における開口幅にほぼ一致する長さで、上記長手方向の中間部上部にバケット内部に向かって所要の高さで突出する突部を有した複数本の縦桟を、篩い落とす収集物に応じた間隔をおいて並列配置すると共にこれらの縦桟に対し、上記長手方向と直交する方向に延出する複数本の横桟を、篩い落とす収集物に応じた間隔をおいて並行配置して格子状に連結し、多数の空隙部を設けた油圧ショベル機用バケット。