JP3900543B2 - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP3900543B2 JP18045695A JP18045695A JP3900543B2 JP 3900543 B2 JP3900543 B2 JP 3900543B2 JP 18045695 A JP18045695 A JP 18045695A JP 18045695 A JP18045695 A JP 18045695A JP 3900543 B2 JP3900543 B2 JP 3900543B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高度な防湿性を有する積層フィルムに関する。さらに詳しくはエレクトロルミネセンス(EL)素子の保護フィルムとして有用な防湿性に優れた積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機分散型EL素子は、軽量、薄型である特徴に加え、低電力消費で安価な面発光素子である。しかしながら有機分散型EL素子は、ZnS等の蛍光物質を有機バインダーに分散して発光体層を作成しているために、雰囲気中の水分を発光体が吸湿してしまう。発光物質は、水分に接触すると変質し、発光しなくなる。そこで従来は、防湿性且つ光透過性に優れたフッ素系フィルム、特にポリ塩化三フッ化エチレン(PCTFE)を主体とした積層フィルムにより、EL素子をパッケージし、発光物質を水分から保護している。
また最近では、フッ素系フィルムの代わりに、プラスチックフィルムの表面に無機薄膜層を有する防湿性に優れたフィルムを主体とした積層フィルムも使用されている。例えば、特開昭60−159165号公報では、プラスチックフィルムにMgOをコーティングしたフィルムを提案している。特開平2−258251号公報では、ポリビニルアルコールフィルムにケイ素酸化物をコーティングしたフィルムを提案している。また特開平3−203634号公報では、フィルムを堅くすることによりフィルムの変形を防ぐ事を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フッ素系フィルムを主体とした積層フィルムは高価であるため、EL素子の製造コストが上がってしまう欠点をもっている。またフッ素系フィルムは、地球環境問題の上から、その製造、廃棄が問題とされている。
一方、表面に無機薄膜層を有するプラスチックフィルムを主体とした積層フィルムは、EL素子をパッケージする工程において防湿性の劣化が起こるという問題がある。通常、EL素子のパッケージは以下に記述するように行われる。EL用防湿積層フィルムには多くの場合に片面にシーラント層が設けられている。EL素子の発光面がシーラント面とあわさるよう、EL素子上に防湿積層フィルムを置く。EL素子の非発光面側に、金属、ガラス等の防湿性のある物質を設置、或いは防湿積層フィルムのシーラント面と非発光面があわさるように防湿積層フィルムを設置される。これを、加熱したロール間を通すことによって、またはヒートプレスすることによって熱圧着する。このとき防湿積層フィルムがEL素子の端等でEL素子に沿うよう曲げられる。この曲げにより無機薄膜層が破壊され、防湿性はその曲げられた部分で著しく低下する。前記のように特開平3−203634号公報では、これを解決するためフィルムの剛性を上げているが、これではうまくEL素子がパッケージできない欠点がある。
【0004】
本発明の目的は、高度な防湿性を有し、経済的にも優れ、EL素子用保護フィルムとして使用し得る積層フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリプロピレンからなり、1μm以上、100μm以下の厚みで水蒸気透過度が3g/m2 /day以下の有機層(B層);Al2 3 、SiO2 、MgO、CaO、ZrO、Al2 3 −SiO2 、MgO−SiO2 又はAl2 3 −MgOから形成される無機層を有する、厚みが10〜100μmのプラスチックフィルム(A層);Al2 3 、SiO2 、MgO、CaO、ZrO、Al2 3 −SiO2 、MgO−SiO2 又はAl2 3 −MgOから形成される無機層を有する、厚みが10〜100μmのプラスチックフィルム(A層)及びエチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)又はエチレン−メタアクリル酸共重合樹脂(EMAA)からなるシーラント層がこの順に積層され、かつ、前記2つのA層の無機層面同士が接着されてなることを特徴とするEL素子保護用積層フィルム、に関する。
【0006】
本発明の積層フィルムは、無機層を含んでなり、次に示す処理の前後で水蒸気透過量の上昇が2.5×10-3g/day以下であることを特徴とする。
該処理とは、当該積層フィルムの試験片を90mm×110mmとし、その片面上、但し積層フィルムの片面にシーラント層が設けられている場合は、シーラント層側の面上の中心に厚さ0.6mm、50mm×50mmのポリテトラフルオロエチレンを設置し、さらにその上に厚さ0.1mm、90mm×110mmのポリテトラフルオロエチレンフィルムを試験片と外形が一致するように重ね、これをロール圧力6kgf/cm2 、温度140℃に加熱したロール間に、フィルムの送り速度1m/minで通す処理である。
即ち、該処理を施した後、ポリテトラフルオロエチレンから積層フィルムを剥がしてその水蒸気透過度を測定し、この処理後の積層フィルムの水蒸気透過度から処理前の水蒸気透過度を引いた値に、測定面積を掛けることにより算出した水蒸気透過量が、2.5×10-3g/day以下である。
該処理前後の水蒸気透過量の上昇が2.5×10-3g/dayを越えると、防湿性が低下し、EL素子用保護フィルムとして用いた場合にEL素子の発光層の劣化が激しくなる。好ましくは1×10-3g/day以下、より好ましくは5×10-4g/day以下である。
【0007】
本発明において水蒸気透過量とは、JIS K 7129 B法に基づき、MOCON社製、PERMATRAN−W3/31を用いて40℃、90%RHで測定したものである。
【0008】
上記特性を有する本発明の積層フィルムは、無機層を含んでなる積層フィルムであってもよいが、好適には少なくとも片面に無機層を有するプラスチックフィルム(以下、A層ともいう)と、1μm以上の厚みで水蒸気透過量が2.5×10-4g/m2 /day以下である有機層(以下、B層ともいう)とを含んでなる積層フィルムとすることにより得ることができる。
【0009】
本発明に用いられる無機層を形成する無機物としては、金属酸化物(例えば、Al2 3 、SiO2 、MgO、CaO、ZrO等)等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよく、例えばAl2 3 −SiO2 、MgO−SiO2 、Al2 3 −MgO等が挙げられる。水に対して安定である点、また可撓性、水蒸気バリア性の点から、好ましくはSiO2 、Al2 3 −SiO2 である。
【0010】
無機層の製造方法は特に限定されず、例えば真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、ウェットコート法によって製造される。
【0011】
無機層の厚みは、可撓性及び水蒸気バリア性の点から、5〜800nmが好ましく、より好ましくは7〜100nmである。
【0012】
また当該無機層には、特性(防湿性、透明性)が損なわれない限り不純物(例えば、炭素等)を例えば3%程度以下含んでいても良い。
【0013】
さらに当該無機層は、酸化アルミニウムを20〜99重量%含有してなることが好ましく、該無機層の比重が式:
D=0.01A+b
(式中、Dは無機層の比重を、Aは無機層中の酸化アルミニウムの重量%を、bは1.6〜2.2の数を示す)を満足することが好ましい。
bの値が1.6未満で上記式が成立する場合は、無機層の構造が粗雑となり、積層フィルムの水蒸気バリア性が十分に得られない傾向がある。また、上記式が成立するためのbの値が2.2よりも大きい場合は、成膜後の初期水蒸気バリア特性は優れているものの、膜が硬くなりすぎて機械特性が劣り、取扱によって積層フィルムの水蒸気バリア性が低下する傾向がある。
より好ましくは、上記式においてbが1.7〜2.1の範囲である。
【0014】
本発明において比重とは、JIS K 0061に基づいて、密度勾配管法により測定したものである。
【0015】
該無機層の比重は、無機層の製造条件によって適宜調整される。
【0016】
本発明に用いられるプラスチックフィルムを形成する有機高分子としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート、ポリスチレン等が挙げられる。中でも、防湿性の点から、PET、PP、PVAが好ましい。
該有機高分子は、これら有機高分子同士を、または該有機高分子と他の有機物(例えば、アクリル等)とを共重合したりブレンドしたりして用いてもよい。
【0017】
該有機高分子の合成方法は特に限定されず、自体既知の方法で行われる。
【0018】
また、有機高分子には、公知の添加剤、例えば滑剤、可塑剤、帯電防止剤等が配合されていてもよい。
【0019】
本発明に用いられるプラスチックフィルムは、例えば前記有機高分子を溶融押し出しして、必要に応じ長手方向または、及び幅方向に延伸、冷却、熱固定して製造される。
【0020】
また、プラスチックフィルムはコロナ処理、火炎処理、アンーカーコート等の表面処理をしても良い。
【0021】
プラスチックフィルムの厚みは、3〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。厚みが3μm未満であると、変形しやすく、取扱が困難となる傾向があり、500μmを越えると可撓性が低下する傾向がある。
【0022】
A層は、上記プラスチックフィルムの少なくとも片面に前記無機層を設けてなり、その製造方法は特に限定されず、例えば真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、ウェットコート法によって製造される。
【0023】
本発明に用いられる有機層(B層)は、100μm以下の厚みで水蒸気透過度が6g/m2 /day以下であり、好ましくは3g/m2 /day以下、より好ましくは1g/m2 /day以下である。
水蒸気透過度が6g/m2 /dayを越えると、前記処理後の水蒸気透過量の上昇量が大きくなる。
有機層を形成する有機物としては、上記特性を満たすものであれば特に限定されないが、例えばPP、PVDC、PVC、ポリアクリルニトリル等のプラスチックが挙げられ、中でも厚みが薄くても水蒸気透過度の少ない点から、PP、PVDCが好ましい。
【0024】
ここで、有機層の水蒸気透過量とは、前述の積層フィルムの水蒸気透過量の測定方法に従って測定したものである。
但し、該有機層が他のフィルムにコーティングされて製造される場合は、以下のようにして測定することができる。まず、他のフィルムの水蒸気透過度を予め測定した後、有機物をコーティングして他のフィルム上に有機層を作る。この水蒸気透過度を同様にして測定して他のフィルムの水蒸気透過度から換算した値である。即ち、コーティングフィルムの水蒸気透過度の逆数が、有機層の水蒸気透過度の逆数と他のフィルムの水蒸気透過度の逆数との和に等しく、これより換算することができる。
【0025】
該有機層の水蒸気透過量は、有機層に用いる原料有機物や有機層の厚さ等によって調整される。
【0026】
有機層を形成する有機物の製造方法は特に限定されず、自体既知の方法で製造される。
【0027】
本発明に用いられる有機層の製造方法は特に限定されないが、例えば前記のプラスチックフィルムの製造方法に準じてフィルム状にする、または他のフィルムにコーティングする方法等が挙げられる。
【0028】
該有機層の厚みは、好ましくは100μm以下、より好ましくは20μm以下である。100μmを越えると積層フィルムの可撓性が低下する傾向がある。
【0029】
本発明の積層フィルムは、前記A層と、有機層(B層)とを含んでなる。A層、B層は1層ずつでも良いし、数層重ねても良い。各層の積層の順番も、特に限定されないが、B層に含まれる無機層が最外層とならないように積層される。また、積層フィルムの透明性を損なわなければ、A層、B層以外の層が設けられていてもよい。
【0030】
本発明の積層フィルムの製造方法は特に制限されず、例えばA層フィルムとB層フィルムとを接着剤(例えば、ポリウレタン系接着剤)によりラミネートする方法でも良いし、或いはA層フィルム上に、フィルムとしたときに1μm以上の厚みで水蒸気透過量が2.5×10-4g/m2 /day以下となるような有機物をコーティングすることによって、A層フィルム上にB層を設ける方法でも良い。また、任意のプラスチックフィルム上に、フィルムとしたときに1μm以上の厚みで水蒸気透過量が2.5×10-4g/m2 /day以下となるような有機物をコーティングし、このフィルムを接着剤によりB層とラミネートして製造することもできる。
【0031】
また、本発明の積層フィルムは、シーラント層を有していてもよい。
シーラント層としては、熱圧着可能である点から熱可塑性樹脂、例えばエチレン−アクリル系共重合樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂、接着性ポリエステル樹脂等が挙げられる。特にEL用としては、金属との接着性の点から、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合樹脂(EMAA)が好ましい。
【0032】
シーラント層を設ける方法は特に限定されないが、例えば押出しラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
【0033】
さらに、本発明の積層フィルムは、その光線透過率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。
【0034】
本発明において光線透過率とは、JIS K 7105に基づいて、NDH−1001DPヘイズメータ(日本電色工業(株)製)を用いて測定したものである。
【0035】
積層フィルムの光線透過率は、使用するプラスチックフィルム、無機層、有機層の種類や厚さ等によって調整される。
【0036】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明する。また、特性値の測定方法を以下に示す。
【0037】
〔水蒸気透過量〕
水蒸気透過量は、JIS K 7129 B法に基づいて、MOCON社製、PERMATRAN−W3/31を用い、40℃×90%RHで測定した。
【0038】
〔光線透過率〕
光線透過率は、JIS K 7105に基づいて、NDH−1001DPヘイズメータ(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
【0039】
〔比重〕
比重は、JIS K 0061に基づいて、密度勾配管法により測定した。
【0040】
〔輝度〕
輝度は、色彩色差計CS−100(ミノルタカメラ株式会社製)を用いて測定した。
【0041】
参考例1
厚さ12μmのPETフィルムの片面に、蒸着法でSiOx(以下、xは約1.8)を50nmコーティングしてA層を得た。B層として厚さ60μmの2軸延伸PP(OPP)フィルム(水蒸気透過量:2.1g/m2 /day)を使用し、シーラント層として厚さ50μmのEAAフィルムを使用した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、OPP/SiOxコートPET/EAAであり、SiOxコート面はOPP側とした。
【0042】
比較例1
OPPフィルムの代りに、厚さ60μmのPETフィルム(水蒸気透過量:9.2g/m2 /day)を用いた以外は参考例1と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、PET/SiOxコートPET/EAAである。
【0043】
参考例2
厚さ12μmのPETフィルムの片面に、蒸着法でSiOxを50nmコーティングしてA層を得た。該A層のSiOx側に、PVDCを厚さ4μmとなるようにコーティングし、さらにPVDC層の上に厚さ100μmのPETフィルムを重ね、A層上にB層を形成した(B層の水蒸気透過量:3.5g/m2 /day)。また、シーラント層として厚さ50μmのEAAフィルムを使用した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、PET/PVDC/SiOxコートPET/EAAである。
【0044】
比較例2
PVDCを使用しない以外は参考例2と同様にして積層フィルムを得た(B層の水蒸気透過量:5.5g/m2 /day)。積層フィルムの構成はPET/SiOxコートPET/EAAである。
【0045】
参考例3
厚さ12μmのPETフィルムの片面に、酸化アルミニウムを40重量%含んだ比重2.6(b=2.2)の酸化アルミニウム−酸化ケイ素複合酸化物からなる無機層を、蒸着法で20nmコーティングすることによって形成し、A層を得た。B層として厚さ60μmのOPPフィルム(水蒸気透過量:2.1g/m2/day)を使用し、シーラント層として厚さ50μmのEAAフィルムを使用した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、A層を2層とし、Al2 3 −SiO2 コートPET/OPP/Al2 3 −SiO2 コートPET/EAAであり、Al2 3 −SiO2 コートPETのAl2 3 −SiO2 コート面はいずれもOPP側とした。
【0046】
比較例3
厚さ60μmのOPPフィルムの代りに厚さ60μmのPETフィルム(水蒸気透過量:9.2g/m2 /day)を使用した以外は参考例3と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、Al2 3 −SiO2 コートPET/PET/Al2 3 −SiO2 コートPET/EAAである。
【0047】
参考例4
参考例3のA層を用い、B層として厚さ12μmのPETフィルムにPVDCを5μmとなるようにコーティングしたフィルムを使用した(B層の水蒸気透過量:2.8g/m2 /day)。また、シーラント層として厚さ50μmのEAAフィルムを使用した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、A層を2層とし、PVDCコートPET/Al2 3 −SiO2 コートPET/Al2 3 −SiO2 コートPET/EAAである。Al2 3 −SiO2 コートPETフィルムはAl2 3 −SiO2 コート面同士を接着した。PVDCコートPETフィルムのPVDCコート面はAl2 3 −SiO2 コートPET側とした。
【0048】
比較例4
PVDCコートPETフィルムの代りに厚さ12μmのPETフィルム(水蒸気透過量:46g/m2 /day)を用いた以外は参考例4と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、PET/Al2 3 −SiO2 コートPET/Al2 3 −SiO2 コートPET/EAAである。
【0049】
実施例
A層として2種類のフィルムを使用した。一方は参考例3で得られたA層を用い、他方は厚さ12μmのナイロン(Ny)フィルムの片面に、酸化アルミニウムを55重量%含んだ比重2.3(b=1.7)の酸化アルミニウム−酸化ケイ素複合酸化物からなる無機層を、蒸着法で20nmコーティングすることによって形成し、A層を得た。B層として厚さ60μmのOPPフィルム(水蒸気透過量:2.1g/m2 /day)を使用した。また、他方のA層のNyフィルム面に、EEAを厚さ50μmとなるように押し出しラミネートしてシーラント層を形成した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、A層を2層とし、OPP/Al2 3 −SiO2 コートPET/Al2 3 −SiO2 コートNy/EEAである。Al2 3 −SiO2コートPETフィルムとAl2 3 −SiO2 コートNyフィルムはコート面同士を接着した。
【0050】
比較例5
厚さ60μmのOPPフィルムの代りに厚さ150μmのPETフィルム(水蒸気透過量:3.7g/m2 /day)を使用した以外は実施例と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、PET/Al2 3 −SiO2 コートPET/Al2 3 −SiO2 コートNy/EEAである。
【0051】
実施例
A層として2種類のフィルムを使用した。一方は参考例2で得られたA層を用い、他方は厚さ12μmのPVAフィルムの片面に、蒸着法でSiOxを50nmコーティングして得た。B層として厚さ60μmのOPPフィルム(水蒸気透過量:2.1g/m2 /day)を使用した。また、他方のA層のPVAフィルム面に、EAAを厚さ50μmとなるように押し出しラミネートしてシーラント層を形成した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、OPP/SiOxコートPET/SiOxコートPVA/EEAである。SiOxコートPETフィルムとSiOxコートPVAフィルムはSiOxコート面同士を接着した。
【0052】
比較例6
厚さ60μmのOPPフィルムの代りに厚さ150μmのPETフィルム(水蒸気透過量:3.7g/m2 /day)を用いた以外は実施例と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、PET/SiOxコートPET/SiOxコートPVA/EEAである。
【0053】
実施例
A層として2種類のフィルムを使用した。一方は参考例3で得られたA層を用い、他方は厚さ12μmのPVAフィルムの片面に、酸化アルミニウムを40重量%含んだ比重2.6(b=2.2)の酸化アルミニウム−酸化ケイ素複合酸化物からなる無機層を、蒸着法によって20nmコーティングすることによって得た。B層として厚さ60μmのOPPフィルム(水蒸気透過量:2.1g/m2/day)を使用した。また、他方のA層のPVAフィルムと反対面に、EEAを厚さ50μmとなるように押し出しラミネートしてシーラント層を形成した。各フィルムを接着剤でドライラミネートして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、OPP/Al2 3 −SiO2 コートPET/Al2 3 −SiO2コートPVA/EEAである。Al2 3 −SiO2 コートPETフィルムとAl2 3 −SiO2 コートPVAフィルムはAl2 3 −SiO2 コート面同士を接着した。
【0054】
比較例7
厚さ60μmのOPPフィルムの代りに厚さ150μmのPET(水蒸気透過量:3.7g/m2 /day)を用いた以外は実施例と同様にして積層フィルムを得た。積層フィルムの構成は、PET/Al2 3 −SiO2 コートPET/Al2 3 −SiO2 コートPVA/EEAである。
【0055】
参考例1〜4、実施例1〜および比較例1〜7で得られた積層フィルムの構成を表1に、有機層の水蒸気透過度、積層フィルムの光線透過率、下記処理前後の積層フィルムの水蒸気透過度および水蒸気透過量上昇量を表2に示す。
得られた積層フィルムを90mm×110mmの試験片とし、そのシーラント層側の面上の中心に、厚さ0.6mm、50mm×50mmのポリテトラフルオロエチレンを設置し、さらにその上に厚さ0.1mm、90mm×110mmのポリテトラフルオロエチレンフィルムを、試験片と外形が一致するように重ね、これをロール圧力6kgf/cm2 、温度140℃に加熱したロール間に、フィルムの送り速度1m/minで通す処理を行った。該処理を施した後、ポリテトラフルオロエチレンから積層フィルムを剥がしてその水蒸気透過量を測定し、この処理後の積層フィルムの水蒸気透過量から処理前の水蒸気透過量を引いた値に、測定面積(50cm2 )を掛けることにより算出した値を水蒸気透過量上昇量とした。
【0056】
【表1】
Figure 0003900543
【0057】
【表2】
Figure 0003900543
【0058】
実験例1
実施例および比較例7の積層フィルム(90mm×110mm)を用い、実際に15mm×40mmのEL素子をパッケージした。
蛍光層はZnSをバインダー(シアノレジン)に分散したものを使った。背面電極にはアルミ板を使い、その上に誘電体層(BaTiO3 層)、蛍光層、透明電極(ITOフィルム)を順に重ねた。これを、積層フィルムを用いて両側よりラミネートし、図1に示される積層フィルムでパッケージされたEL素子を得た。
比較例7の積層フィルムを用いた場合は、特に積層フィルム同士の接着部分に気泡が入り、きれいにラミネートできなかった。
これを、50℃×90%RHで、100V、400Hzの交流電源に接続し、連続点灯してその輝度を測定した。0時間後の輝度を100%とし、輝度の経時変化を観察した。結果を図
2に示す。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性に優れ、かつ優れた防湿性を有する積層フィルムを提供できる。また該積層フィルムは、加工性に優れ、また経済性の面からも優れている。したがってEL素子パッケージに最適であり、かつその他の防湿性能を要求される用途にも好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実験例1の積層フィルムでパッケージされたEL素子の断面図である。
【図2】 実施例、比較例7の積層フィルムでパッケージされたEL素子の輝度の経時変化を示すグラフである。
1 積層フィルム
2 透明電極
3 蛍光層
4 誘電体層
5 電極

Claims (1)

  1. ポリプロピレンからなり、1μm以上、100μm以下の厚みで水蒸気透過度が3g/m2 /day以下の有機層(B層);Al2 3 、SiO2 、MgO、CaO、ZrO、Al2 3 −SiO2 、MgO−SiO2 又はAl2 3 −MgOから形成される無機層を有する、厚みが10〜100μmのプラスチックフィルム(A層);Al2 3 、SiO2 、MgO、CaO、ZrO、Al2 3 −SiO2 、MgO−SiO2 又はAl2 3 −MgOから形成される無機層を有する、厚みが10〜100μmのプラスチックフィルム(A層)及びエチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)又はエチレン−メタアクリル酸共重合樹脂(EMAA)からなるシーラント層がこの順に積層され、かつ、前記2つのA層の無機層面同士が接着されてなることを特徴とするEL素子保護用積層フィルム。
JP18045695A 1995-07-17 1995-07-17 積層フィルム Expired - Lifetime JP3900543B2 (ja)

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