JP3893299B2 - シート搬送装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等で使用される用紙やOHPシート、及び紙幣や切符などのような、積層載置されたシートのシート搬送装置、画像形成装置に関する。詳しくは、積層載置された多数枚のシートを1枚づつ分離して搬送するようにしたシート搬送装置、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート搬送装置に用いられるシート搬送方法の1つとして、Ricoh・Technical・Report No.12,December,1984(P44−48)の「FRR給紙方式」(石井泰明著)が知られている。ここで、FRRとは、Feed & Reverse Rollerの頭文字をとっている。また、この種のシート搬送装置の1つとして、特開昭56−7847号公報の「シート送り装置」が提案されている。
【0003】
図1乃至図4に、上記「FRR給紙方式」による従来のシート搬送装置を示す。このシート搬送装置は、リバースローラ1、トルクリミッタ2、リバース従動ギヤ3、リバース駆動ギヤ4、フィードローラ5、フィード軸6、軸受け7、リバース軸8、支点9などを備えている。リバースローラ1は、トルクリミッタ2を介して、リバース軸8に軸支されている。リバース従動ギヤ3は、リバースローラ軸8に軸支されている。リバースローラ軸8は、軸受け7及び支点9により、回転自在に支承されている。リバース駆動ギヤ4は、リバース駆動ギヤ軸4aに軸支されており、リバース従動ギヤ3に噛み合っている。フィードローラ5は、フィード軸6に軸支されている。ここで、リバースローラ軸8は、図3の右端側に配置された支点9を揺動中心として、リバース従動ギヤ3及び軸受け7とともに、図3の左端側に軸支しているリバースローラ1を、ほぼ垂直な方向に揺動するように構成されている。また、軸受け7には、図1に示すバネにより軸受け7を押し上げる向きの図3に示す加圧力P3が付与されている。この加圧力P3によって軸受け7が押し上げられることにより、リバースローラ1がフィードローラ5に圧接して、両ローラの圧接部位にシートSを搬送するためのニップが形成される。
【0004】
図1乃至図3において、図示しない給紙ローラによりシートSが給紙されると、所定のタイミングで、フィードローラ5及びリバース駆動ギヤ4が回転する。このリバース駆動ギヤ4の回転によってリバース従動ギヤ3にギヤ押し上げ力が加わる。これにより、リバースローラ1が、リバース従動ギヤ3、リバース軸8、及びトルクリミッタ2を介して、支点9を揺動中心として上昇し、フィードローラ5に対するリバースローラ1の圧接力が増大される。ここで、フィードローラ5は、これに接触しているシートを給紙方向下流側に向けて搬送し、リバースローラ1は、これに接触しているシートを給紙方向上流側に向けて搬送するようになっている。
【0005】
また、上記シート搬送装置におけるフィードローラ5とリバースローラ1との材質や、両ローラの接触圧は、次に述べるようなシート搬送条件を満足するように設定されている。すなわち、上記ニップに1枚のみのシートが送り込まれた場合には、ニップ圧及びフィードローラ5の回転によって、フィードローラ5とシートとの間に働く摩擦力により、シートが給紙方向下流側に搬送される。そして、このシートとリバースローラ1との間に働く摩擦力が、トルクリミッタ2を介して回転するリバースローラ1がシートを給紙方向上流側に戻す戻し力に打ち勝つ。これによって、リバースローラ1が本来の回転方向とは反対のシート搬送方向に連れ回り回転する。以下、上記戻し力を「トルクリミッタ戻し力」という。これにより、給紙されたシートが不送りを生じることなく給紙方向下流側に搬送される。
これに対し、上記ニップに複数枚のシートが重なり合って送り込まれた場合には、フィードローラ5とシートとの間に働く摩擦力が、重なり合ったシート間の摩擦力に打ち勝つ。これによって、このフィードローラ5に接しているシートが不送りされることなく給紙方向下流側に搬送される。一方、リバースローラ1に接しているシートは、リバースローラ1とシートとの間に働く摩擦力が、重なり合ったシート間の摩擦力に打ち勝つことによって、上記トルクリミッタ戻し力により給紙方向上流側に戻される。このように、トルクリミッタ戻し力によってリバースローラ1とシートSとの間に生じる摩擦力は、シート搬送時におけるフィードローラ5とシートSとの間の摩擦力よりも小さく設定されている。また、リバースローラ1とシートSとの間に生じる摩擦力は、重なり合った複数枚のシート間の摩擦力よりも大きくなるように設定されている。
【0006】
ここで、上記リバース軸8の駆動力は、リバース駆動ギヤ4の回転により与えられる。この駆動力は、上記トルクリミッタ戻し力及び戻し抵抗と釣り合う力であるが、リバース軸8はY軸方向にのみ揺動自在になっているので、そのY軸方向の分力について考えれば十分である。従って、リバース駆動ギヤ4の回転によりリバース従動ギヤ3に加わるギヤ押し上げ力のY軸方向分力P1は、図2に示すリバース軸8を中心とした力の釣合いより成立する次の式(1)で表される。
P1=(RS/RZ)TA+(RB/RZ)μB・PB・・・(1)
式(1)において、RZはリバース従動ギヤ3の半径、RSはリバースローラ1の半径、RBはリバースローラ1を取付けるリバース軸8の半径、μBはリバース軸8と軸受け7の半径間の摩擦係数とした。また、PBはフィードローラ5とリバースローラ1との間の加圧力(以下、これをニップ圧という)、TAはトルクリミッタ2の回転トルクTrより定義されるトルクリミッタ2の戻し力とした。
【0007】
また、上記ニップ圧PBは、図3に示す支点9を中心とした力の釣合いより成立する次の式(2)で表される。
PB=(L1/L4)P1+(L3・P3−L2・P2)/L4・・・(2)
式(2)において、L1は支点9からリバース従動ギヤ3までの距離、P2はリバースローラ1,リバース軸8,トルクリミッタ2,軸受け7,及びリバース従動ギヤ3の各重量を合算した自重とした。また、L2は支点9から合算した自重重心までの距離、P3は軸受け7よりリバース軸8が受ける抗力、L3は支点9から軸受け7までの距離、L4は支点9からリバースローラ1までの距離とした。
【0008】
上記式(2)のP1に、式(1)を代入すると、次式(3)となる。
PB=(L1/L4)・{(RS/RZ)TA+(RB/RZ)μB・PB}+(L3・P3−L2・P2)/L4・・・(3)
【0009】
式(3)において、トルクリミッタ2の戻し力TA=Tr/RSとし、(L1/L4)・(RS/RZ)=K(第1因子)、(RB/RS)μB=k(第2の因子)とする。また、(L3/P3−L2・P2)/L4=P0(初期圧)とすると、式(3)は次の式(4)を以って定式化される。
PB=(K・TA+P0)/(1−K・k)・・・(4)
【0010】
図4に、上記式(4)におけるニップ圧PBを作動線12として描画したグラフを示す。このグラフは、横軸をトルクリミッタ2の戻し力TA、縦軸をニップ圧PBとしたものである。
上記「FRR給紙方式」では、シートの重送が発生しないための条件、及び不送りが発生しないための条件は、次の各式(5)、(6)(不等式)で与えられる。
重送しない条件:PB<(1/μP)・TA−3m・・・(5)
不送りしない条件:PB>(1/μr)・TA+(μP/μr)・m・・・(6)
ただし式(5)、(6)では、シートの自重をmとした。また、シート間摩擦係数をμPとし、シートとフィードローラ1との間の摩擦係数をμrとした。
【0011】
従って、上記式(5)、(6)の各条件における各々の境界線、すなわち、図4における重送境界線10、及び不送り境界線11は、次の式(5)’、(6)’となる。
重送境界線:PB=(1/μP)・TA−3m・・・(5)’
不送り境界線:PB=(1/μr)・TA+(μP/μr)・m・・・(6)’
【0012】
すなわち、図4において、重送境界線10と不送り境界線11の間の領域が、シートSの重送及び不送りが発生しない適性領域24となる。
従って、上記「FRR給紙方式」のシート搬送装置を設計する場合には、以下のようにする。まず、上記式(4)によって得た作動線12が、図4の適性領域24内に位置するように、前述の各定数L1、L2、L3、L4、P2、RB、RZ、RSを決める。次に、トルクリミッタ2の戻し力TAを設定する。そして、この戻し力TAの設定点13によって決まる、作動線12上の値である作動点14をニップ圧PBとすることで、設計が完了する。
このように、上記「FRR給紙方式」のシート搬送装置においては、上記式(4)によって得た作動線12を、図4の適性領域24内に位置させることで、シートSの重送及び不送りを防止するようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の従来のシート搬送装置においては、前述したように、その構成要素のレイアウト上の制約により、図4に示した作動線12の変化範囲が狭くなることが多い。ここでいう作動線12の変化とは、設計段階で、種々の条件を設定するにあたり、各パラメータの値を変更しながら各パラメータの組み合わせ毎に作動線を計算した場合の、この組み合わせ間での作動線の相違をいう。例えば、この種のシート搬送装置では、非常に高いシート間摩擦係数μPを有するシートの搬送を行う場合のシートの不送りを防止する目的で、ニップ圧PBを予め高い値に設定しておくことがある。ここで、支点9の位置からリバース従動ギヤ3の位置までの距離L1は、例えば、前記式(4)の傾きに最も効く因子である。そこで、リバース従動ギヤ3が他の機器(例えば、ケーシングやケーブルなど)に衝突しないように、レイアウト上の最長距離となるように設定したとする。このように、距離L1を最長距離に設定しても、従来のシート搬送装置では、図4の作動線12の傾きは思ったほど大きくならず、頭打ちとなる場合が多い。このため、この種の従来のシート搬送装置では、やむを得ずトルクリミッタ戻し力TAを大きくしている。つまり、図4における設定点13の値を大きく設定し、これより決まる作動点14を上方にシフトさせて、ニップ圧PBを高くするのが通例である。
【0014】
しかしながら、上述のように、トルクリミッタ戻し力TAを大きくすると、TA×RSで表されるトルクリミッタトルクTrが高くなる。このようなトルクリミッタトルクTrの高いトルクリミッタ2を用いた場合には、シート搬送装置のコストアップを招く。また、この場合には、トルクリミッタ2の回転トルクにより、リバースローラ1に多大な搬送負荷がかかるようになり、リバースローラ1の寿命低下や品質劣化が促進される。このように、この種のシート搬送装置においては、トルクリミッタ戻し力TAを大きくしてもメリットが少ない。従って、このトルクリミッタ戻し力TAは、できるだけ小さい値に保持しておくことが望ましい。
【0015】
一方、このようなシート搬送装置により搬送されるシートは、その使用環境により、重なり合ったシート間に密着力が発生することがある。例えば、低湿度の環境下では、静電気の発生により重なり合ったシート間の密着力が高くなる。また、高湿度の環境下では、水滴の発生により重なり合ったシート間に密着力が高くなる。このような密着力がシート間に発生すると、シート搬送時におけるシート間の摩擦力が、トルクリミッタ2の戻し力によるリバースローラ1とシートとの間の摩擦力よりも大きくなって、シートの重送が発生してしまうことがある。つまり、上述のように、シート間の密着力が高くなると、図4における重送境界線10が、平行に下降した位置にシフトした状態となる。この結果、図4の作動線12が適性領域24の外側に位置して、シートの重送が発生してしまうことがある。このようなシートの重送を回避する方法としては、一般的に、支点9の位置からリバース従動ギヤ3の位置までの距離L1を小さくして、ニップ圧PBを下げ、図4の作動点14が適性領域24の内側に位置するようにしている。しかしながら、このような方法では、レイアウト上の制約により上記距離L1をあまり小さくすることができないため、ニップ圧PBを狙いとする値まで下げられないことがままあった。
【0016】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、レイアウト上の制約を受けずに、狙いのニップ圧を得る作動線の変化範囲を広げることができるシート搬送装置、該シート搬送装置を搭載した画像形成装置を提供することである。なお、ここでいう作動線の変化範囲とは、設計段階で、種々の条件を設定するにあたり、各パラメータの値を変更しながら各パラメータの組み合わせ毎に作動線を計算した場合の、この組み合わせ間での作動線の相違する範囲をいう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項の発明は、シート搬送方向に回転してシートを搬送するフィードローラと、正逆回転自在なリバースローラと、該フィードローラとリバースローラとを加圧接触させる加圧手段と、該リバースローラに対して上記フィードローラと同一方向に回転する戻し力を回転トルクにより付与するトルクリミッタとを備え、上記フィードローラとリバースローラとの間のニップにより搬送されるシートが1枚の場合には、該シートと上記リバースローラとの間の摩擦力により、該リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力に抗して、上記フィードローラの回転に連れ回りする方向に正回転させ、上記ニップにより搬送されるシートが複数枚の場合には、上記リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力により逆回転させる構成のシート搬送装置において、 上記リバース駆動ギヤと上記リバース従動ギヤとからなる二組のギヤ列を備え、上記各組のギヤ列の、上記リバース軸の固定端である支点から上記リバース従動ギヤまでの距離L1が互いに異なり、且つ上記二組のギヤ列のリバース駆動ギヤもしくはリバース従動ギヤのいずれか一方に、該ギヤ列の回転により、一方の組のギヤ列が噛み合っている状態のときに、他方の組のギヤ列の噛み合いが外れるように形成した、一箇所もしくは複数箇所の欠歯部と有歯部とを有しており、上記リバースローラとともに回転するリバース従動ギヤの半径をRZ、該リバースローラの半径をRS、該リバースローラを軸支するリバース軸の半径をRB、該リバース軸と該リバース軸の軸受けとの間の摩擦係数をμB、該リバース軸の固定端である支点から上記リバース従動ギヤまでの距離をL1、リバースローラリバース軸トルクリミッタ軸受け及びリバース従動ギヤのそれぞれの自重を合算した合算自重をP2、上記支点から合算自重の重心までの距離をL2、上記軸受けから上記リバース軸が受ける抗力をP3、上記支点から上記軸受けまでの距離をL3、上記支点から上記リバースローラまでの距離をL4、上記トルクリミッタの回転トルクをTrとし、また以上により定義できる、第一因子K=(L1/L4)・(RS/RZ)、第二因子k=(RB/RS)・μB、及び係数P0=(L3・P3−L2・P2)/L4、上記トルクリミッタによる戻し力TA=Tr/RSとし、上記リバースローラを駆動するための上記リバース駆動ギヤを軸支するリバース駆動ギヤ軸と上記リバース軸との軸中心を結ぶ直線と、該リバース軸と上記フィードローラを軸支するフィード軸との軸中心を結ぶ直線とによって形成される角度をθ[rad]とするとき、該θの範囲、及び上記フィードローラと上記リバースローラ間に生ずるニップ圧PBが、次の式、0[rad]<θ<π/2[rad]、π/2[rad]<θ<π[rad]、PB={[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ―π/2)]・TA+P0}/[1−K・k/Cos(θ―π/2)]、で定式化される値に設定されていることを特徴とするものである
求項の発明は、請求項のシート搬送装置において、上記各組のギヤ列の各リバース従動ギヤのうち、支点からの距離L1が短い方のリバース従動ギヤの、上記欠歯部分による回転時間をPBLTとするとき、上記フィードローラと上記リバースローラとが接触するニップ幅をNIP、該リバースローラの回転速度をVRとすると、次の式、PBLT=NIP/VRが成り立つことを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項のシート搬送装置において、上記各組のギヤ列の各リバース従動ギヤのうち、支点からの距離L1が長い方のリバース従動ギヤに対する角度θ[rad]は、次の式、π/2[rad]<θ<π[rad]、に従い、且つ各組のギヤ列の各リバース従動ギヤのうち、支点からの距離L1が短い方のリバース従動ギヤに対する角度θ[rad]は、次の式、0[rad]<θ<π/2[rad]、に従うことを特徴とするものである。
請求項の発明は、シート搬送方向に回転してシートを搬送するフィードローラと、正逆回転自在なリバースローラと、該フィードローラとリバースローラとを加圧接触させる加圧手段と、該リバースローラに対して上記フィードローラと同一方向に回転する戻し力を回転トルクにより付与するトルクリミッタとを備え、上記フィードローラとリバースロ ーラとの間のニップにより搬送されるシートが1枚の場合には、該シートと上記リバースローラとの間の摩擦力により、該リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力に抗して、上記フィードローラの回転に連れ回りする方向に正回転させ、上記ニップにより搬送されるシートが複数枚の場合には、上記リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力により逆回転させる構成のシート搬送装置において、1つのリバース従動ギヤが、2つのリバース駆動ギヤに噛み合い、該リバース駆動ギヤもしくは該リバース従動ギヤのいずれか一方に、ギヤ列の回転駆動時に、一方の組のギヤ列の歯部分が噛み合うことにより、他方の組のギヤ列の歯部分の噛み合いを外す形状の、一箇所もしくは複数箇所の欠歯部分を有し、且つ上記2つのリバース駆動ギヤに設けた各駆動伝達用全歯部分が、アイドラギヤの噛み合によって回転駆動される構成を有しており、上記リバースローラとともに回転するリバース従動ギヤの半径をRZ、該リバースローラの半径をRS、該リバースローラを軸支するリバース軸の半径をRB、該リバース軸と該リバース軸の軸受けとの間の摩擦係数をμB、該リバース軸の固定端である支点から上記リバース従動ギヤまでの距離をL1、リバースローラ、リバース軸、トルクリミッタ、軸受け、及びリバース従動ギヤのそれぞれの自重を合算した合算自重をP2、上記支点から合算自重の重心までの距離をL2、上記軸受けから上記リバース軸が受ける抗力をP3、上記支点から上記軸受けまでの距離をL3、上記支点から上記リバースローラまでの距離をL4、上記トルクリミッタの回転トルクをTrとし、また以上により定義できる、第一因子K=(L1/L4)・(RS/RZ)、第二因子k=(RB/RS)・μB、及び係数P0=(L3・P3−L2・P2)/L4、上記トルクリミッタによる戻し力TA=Tr/RSとし、上記リバースローラを駆動するための上記リバース駆動ギヤを軸支するリバース駆動ギヤ軸と上記リバース軸との軸中心を結ぶ直線と、該リバース軸と上記フィードローラを軸支するフィード軸との軸中心を結ぶ直線とによって形成される角度をθ[rad]とするとき、該θの範囲、及び上記フィードローラと上記リバースローラ間に生ずるニップ圧PBが、次の式、0[rad]<θ<π/2[rad]、π/2[rad]<θ<π[rad]、PB={[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ―π/2)]・TA+P0}/[1−K・k/Cos(θ―π/2)]、で定式化される値に設定されていることを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項のシート搬送装置において、上記π/2[rad]<θ<π[rad]の角度θを有するギヤの、上記支点からの距離L1が、上記0[rad]<θ<π/2[rad]の角度θを有するギヤの、上記支点からの距離L1よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。
請求項乃至のシート搬送装置においては、上記リバース駆動ギヤ軸と上記リバース軸との軸中心を結ぶ直線と、該リバース軸と上記フィード軸との軸中心を結ぶ直線とによって形成される角度θが、π/2[rad]に限定されず、0[rad]<θ<π/2[rad]、π/2[rad]<θ<π[rad]、の範囲となる。すなわち、該角度θが、上記0[rad]からπ[rad]までの範囲に拡張される。これにより、上記ニップ圧PBの範囲が拡大される。また、上記フィードローラと上記リバースローラ間に生ずるニップ圧PBが、上記の式、PB={[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ―π/2)]・TA+P0}/[1−K・k/Cos(θ―π/2)]、で定式化される。これにより、これまでのシート搬送装置における構成要素のレイアウトにより制約されるニップ圧の範囲を拡大させる設計が可能になる。つまり、このシート搬送装置においては、その構成要素のレイアウト上の制約を受けることなく、狙いとするニップ圧を得る作動線の変化範囲を広げることができるようになる。
請求項の発明は、複数枚のシートを積層載置するシート載置体と、該シート載置体に積層載置したシートを給紙する給紙手段と、該給紙手段により給紙したシートを1枚づつ分離しながら搬送するシート搬送手段と、該シート搬送手段により搬送したシート上に画像を形成する画像形成手段とを有する画像形成装置において、上記シート搬送手段として、請求項1、2、3、4又のシート搬送装置を使用することを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、上記シート搬送装置を使用しているので、レイアウトの自由度が高い設計が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、シート搬送装置に適用した実施形態について説明する。このシート搬送装置は、前述したように、リバースローラ1、トルクリミッタ2、リバース従動ギヤ3、リバース駆動ギヤ4、フィードローラ5、フィード軸6、軸受け7、リバース軸8、支点9などを備えている。
このシート搬送装置においては、図1乃至図3に示したように、トルクリミッタ2の図示しない軸受けと軸との噛み合いによって、リバース軸8の回転がトルクリミッタ2に伝達されるように構成されている。また、リバースローラ1に対してトメワ18により固定された凸部17aと、トルクリミッタの凹部17bとが係合することによって、トルクリミッタ2の回転トルクがリバースローラ1に伝達されるように構成されている。
【0019】
ところが、このような構成のシート搬送装置において、トルクリミッタ戻し力TAを大きくするには、トルクリミッタトルクTrの高いトルクリミッタ2を用いる必要があり、シート搬送装置のコストアップを招く。従って、このトルクリミッタ戻し力TAは、できるだけ小さい値に保持しておくことが望ましい。
また、密着したシートの重送を回避する方法としては、一般的に、支点9の位置からリバース従動ギヤ3の位置までの距離L1を小さくして、ニップ圧PBを下げ、図4の作動点14が適性領域24の内側に位置するようにしている。しかしながら、このような方法では、レイアウト上の制約により上記距離L1をあまり小さくすることができないため、ニップ圧PBを狙いとする値まで下げられないことがままあった。
【0020】
図5乃至図10を参照して、本実施形態に係るシート搬送方法及び装置について説明する。なお、以下の説明において、前述した従来のシート搬送装置の各構成要素と同等の機能を有する構成要素については、前記符号と同符号を付し、その詳述を省略する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態に係るシート搬送装置の一例構成を、図5乃至図13に示す。
図5において、フィード軸6の軸中心とリバース軸8の軸中心とを結ぶ直線と、リバース軸8の軸中心とリバース駆動ギヤ4のリバース駆動ギヤ軸4aの軸中心とを結ぶ直線とで形成される角度をθとする。本実施形態に係るシート搬送装置においては、この角度θを、図1に示したπ/2[rad]に限定せず、0[rad]からπ[rad]までの範囲に拡張する。そして、このとき導出されるニップ圧PBを定式化して設計条件化する。
つまり、本実施形態に係るシート搬送装置においては、上記角度θを、次の式(7)の条件を満たす角度に設定する。
0[rad]<θ<π[rad]・・・(7)
また、上記ニップ圧PBは、次の式(8)で定式化される。
PB={[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ―π/2)]TA+P0}/[1−K・k/Cos(θ−π/2)]・・・(8)
【0022】
上記式(8)は、図5から図8を以って定式化される式である。以下に、この式(8)の導出方法を説明する。
図5は、リバース軸8を中心に、かかる力を示している。また、図6は、図5中のX、Y軸成分に分解した力を示している。ここでは、従来のシート搬送装置では定義されていない、リバース駆動ギヤ4とリバース従動ギヤ3と間の抗力Tを考慮する。
まず、図5において、リバース軸8を中心とした回転モーメントの釣り合いより、次の式(9)が導かれる。
P1=(RS/RZ)・TA+(RB/RZ)・μB・PB・・・(9)
また、図6に注目し、図7より、支点9を中心に、Y軸(鉛直方向)のモーメントの釣り合いより、次の式(10)が導かれる。
L1[P1・Cos(θ−π/2)+T・Sin(θ−π/2)]+L3・P3=L2・P2+L4・PB・・・(10)
【0023】
一方、図8より、同じく支点9を中心に、X軸(水平方向)の力のモーメントの釣り合いより、次の式(11)が導かれる。
L1[−P1・Sin(θ−π/2)+T・Cos(θ−π/2)]=L4・TA・・・(11)
この式(11)から上記抗力Tを消去するため、式(11)を次の式(11)’に変形する。
T=P1・Tan(θ−π/2)+(L4/L1)・TA/Cos(θ−π/2)・・・(11)’
そして、上記式(9)、(11)’を式(10)へ代入し、上記式(3)より置き換えをすることで、上記式(8)が導かれる。
【0024】
ここで、式(8)のトルクリミッタ戻し力TAの係数、[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ−π/2)]/[1−K・k/Cos(θ−π/2)]は、角度θに依存して変化する。従来の装置のトルクリミッタ戻し力TAの、角度θ=π/2のときのTAの係数は、K/(1−K・k)である。この係数と比べると、0[rad]<θ<π/2[rad]の範囲で傾きが低下し、π/2[rad]<θ<π[rad]の範囲で傾きが上昇する(図10参照)。ここでは、例として、次の表1(設計パラメータ表)に示す各パラメータの場合とした。
【表1】
Figure 0003893299
【0025】
例えば、上記角度θを、π/2[rad]<θ<π[rad]とした場合には、ニップ圧PBの作動線が、図9における作動線16となる。この作動線16は、図4に示した従来のシート搬送装置の作動線12に比べて、傾きが上昇する。これにより、従来のシート搬送装置のニップ圧PBが、設定点13に対する作動線12上の作動点14であったのに対し、このシート搬送装置では、作動点14よりも高い、作動点15になる。ただし、上記角度θが、π[rad]<θ<2π[rad]の範囲の場合、傾きが著しく大きくなる。このため、この範囲の角度θのシート搬送装置は、その経時劣化、例えばリバースローラ1の磨耗によるRS変化における角度変化を考慮すると、ニップ圧PBが大きく変化し、実用上向かない。従って、シート搬送装置の角度θの範囲としては、上記式(7)に示した0[rad]<θ<π[rad]の条件が適している。
【0026】
上述のように、例えば、θ=110°、θ=70°の場合のシート搬送装置では、従来のθ=π/2[rad](=90°)のシート搬送装置に比べ、作動線の傾きがそれぞれ1.5倍、0.6倍になる。これより、レイアウト上の制約、例えばリバース従動ギヤ3の支点9からの距離L1の制限より、作動線の傾きの変化を確保できない場合でも、角度θを変化させた構成を採ることで、作動線の傾きの変化範囲が増加する。従って、このシート搬送装置においては、そのニップ圧PBの設計マージンが広がるので、レイアウト上の制約に関係なく、シート搬送性能を高めるように、比較的自由に構成できるようになる。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態に係るシート搬送装置の一例の構成を、図12及び図13に示す。
このシート搬送装置は、図12及び図13に示すように、2つの駆動ギヤが一体的に形成されたリバース駆動ギヤ18を備えている。このリバース駆動ギヤ18は、その各駆動ギヤが、2つのリバース従動ギヤ3、3’に、それぞれ噛み合うように配設されている。これにより、リバース駆動ギヤ18の各駆動ギヤとリバース従動ギヤ3、3’とからなる二組のギヤ列が構成されている。
ここで、2つのリバース従動ギヤ3、3’は、前述した角度θが、π/2[rad]<θ<π[rad]の条件を満たすように、リバース駆動ギヤ18に対して配置されている。
また、上記各組のギヤ列の、上記リバース軸の固定端である支点9から各リバース従動ギヤ3、3’までの距離が、L1a>L1bと互いに異なっている。
さらに、リバース駆動ギヤ18には、図13に示すように、2つの駆動ギヤに、欠歯部22、22’と、有歯部23、23’とがそれぞれ形成されている。この欠歯部22、22’と、有歯部23、23’とは、リバース駆動ギヤ18の各駆動ギヤの周面に、互いに異なった位相を成すように形成されている。例えば、各ギヤ列の回転により、一方の組の駆動ギヤの歯有部23に対してリバース従動ギヤ3が噛み合っている状態のときに、他方の組の駆動ギヤの有歯部23’とリバース従動ギヤ3’との噛み合いが外れるように形成されている。
【0028】
このような構成とすることで、図12において、リバース駆動ギヤ18が回転すると、距離L1が互いに異なるリバース従動ギヤ3、3’に対して、リバース駆動ギヤ18の各駆動ギヤの有歯部23、23’が交互に噛み合う。これにより、フィードローラ5とリバースローラ1とのニップ圧PBが、所定の周期で増減される。つまり、図12に示すように、支点9からの距離L1aが長いリバース従動ギア3がリバース駆動ギヤ18の駆動ギヤの有歯部23に噛み合った状態では、ニップ圧PBが高くなる。一方、支点9からの距離L1bが短いリバース従動ギヤ3’がリバース駆動ギヤ18の駆動ギヤの有歯部23’に噛み合った状態では、ニップ圧PBが低くなる。
【0029】
ところで、例えば、静電気や水滴などにより、シート間に極めて高い密着力が働く場合、この密着力をQとすると、前記式(5)’、(6)’は、それぞれ次の(5)″、(6)″に変化する。
密着力が働く場合の重送境界線:PB=(1/μP)・TA−3m−2Q/μP・・・(5)″
密着力が働く場合の不送り境界線:PB=(1/μr)・TA+(μP/μr)・m+Q/μr・・・(6)″
【0030】
そこで、前記表1に示す構成で、且つ、θ=120°、L1=95mm、及びL1=43mmとしたシート搬送装置において、上記シート間に密着力Qが働くときのシートの最大搬送力と最大分離力とを測定する実験を行った。ただし、最大搬送力は、一枚のシートに力センサを取り付けて固定し、シート搬送動作開始時における力センサの最大固定力を測定することで得た。一方、最大分離力は、二枚のシート間に液滴を添加し、擬似密着力を課すことで、分離できる密着力の最大値を測定することで得た。
【0031】
上記実験による測定の結果、最大搬送力は、θ=120°の条件下で、L1=95mm、L1=43mmを、上記式(8)に代入したところ、高いニップ圧PBaの値と、低いニップ圧PBbの値との差分の、ほぼ1/3の値と、低いニップ圧PBbとをプラスした値に、μrを乗じた値と一致した。すなわち、この最大搬送力をμrで除した値を、実搬送ニップ圧PBcとすると、次の式(12)が成立した。
PBc=PBb+1/3(PBa−PBb)・・・(12)
【0032】
また、上記最大分離力は、ほぼ(μP/2)・(TA/μP−3m−PBb)に一致した。従って、次の等式(13)が成立する。
Q=(μP/2)・(TA/μP−3m−PBb)・・・13
この式(13)より、最大分離力が得られる際のニップ圧を実分離ニップ圧PBdとすると、次の式(14)が成り立つ。
PBd=PBb=TA/μP−3m−2Q/μP・・・(14)
【0033】
これらの式(12)、(14)から明らかなように、本実施形態に係るシート搬送装置では、シート搬送時とシート分離時とでのニップ圧PBの値が異なる。ここで、実搬送ニップ圧PBcと実分離ニップ圧PBdとの差が正の値であることから、この差分だけ、シート間に密着力Qが働く際の、重送境界線の余裕度が増加することが判る。このように、本実施形態に係るシート搬送装置おいては、従来のものに比較して、上記差分だけ重送境界線の余裕度が増加するので、シート間に密着力Qが働く場合でも、シートの重送を防止できるようになる。
【0034】
(実施形態3)
本実施形態に係るシート搬送装置は、実施形態2のシート搬送装置において、上記二組のギヤ列の各リバース従動ギヤ3、3’のうち、リバース軸8の固定端である支点9からからの距離(L1b)が短い方のリバース従動ギヤ3’の、欠歯部22’による回転時間をPBLTとし、フィードローラ5とリバースローラ1とが接触するニップ幅をNIP、リバースローラ1の回転速度をVRとするとき、次の式(15)、
PBLT=NIP/VR・・・(15)
が成り立つように構成したものである。
【0035】
このシート搬送装置において、上記回転時間PBLTを4タイプ変化させ、実施形態2のシート搬送装置の場合と同様の実験を行った。この実験結果を、次の表2に示す。
【表2】
Figure 0003893299
【0036】
この実験結果(表2)から明らかなように、このシート搬送装置においては、その実搬送ニップPBcは、支点9からからの距離L1bが短い方のリバース従動ギヤ3’の、欠歯部22’による回転時間PBLTの増加に従って低下する。また、その実分離ニップPBdは、上記式(15)の条件ではほぼ飽和した。この結果、実搬送ニップPBcと実分離ニップPBdとの差分は、式(15)の条件のとき最も大きくなる。すなわち、この式(15)は、シート間に密着力Qが働いた場合のシート搬送において最も有利な条件となる。従って、本実施形態に係るシート搬送装置においては、シート間に密着力Qが働く際の重送余裕度が最も増加した条件下で、シート搬送が行われるようになる。
【0037】
(実施形態4)
本実施形態に係るシート搬送装置は、上記各組のギヤ列の各リバース従動ギヤ3、3’のうち、支点9からの距離(L1a)が長い方のリバース従動ギヤ3に対する角度θ[rad]は、次の式(16)に従い、且つ支点9からの距離(L1b)が短い方のリバース従動ギヤ3’に対する角度θ[rad]は、次の式(17)に従うように構成されている。π/2[rad]<θ<π[rad]・・・(16)
0[rad]<θ<π/2[rad]・・・(17)
【0038】
このシート搬送装置の構成の一例を、図14、及び図15(a)、(b)に示す。このシート搬送装置においては、その各組のギヤ列の各リバース従動ギヤ3、3’が、互いに独立した別体のリバース駆動ギヤ18、18’に噛み合っている。また、図15(a)に示すように、リバース従動ギヤ3とリバース駆動ギヤ18とは上記角度θ=θ1、リバース従動ギヤ3’とリバース駆動ギヤ18‘とは上記角度θ=θ2となる位置関係に配置されている。さらに、各リバース駆動ギヤ18、18’には、全周に歯を有する駆動伝達用の全歯部19が形成されている。この各リバース駆動ギヤ18,18’は、アイドラギヤ20により同期して回転駆動されるようになっている。つまり、図15において、リバース駆動ギヤ18、18’のいずれか一方が、主回転駆動系に接続されて駆動されることにより、アイドラギヤ20を介して他方のリバース駆動ギヤも回転駆動される構成となっている。
【0039】
これにより、リバース従動ギヤ3の回転時におけるニップ圧と、リバース従動ギヤ3’の回転時におけるニップ圧とが異なるようになる。そして、これらのニップ圧の差分、つまり上記表2に示したPBLT=NIP/VR時の実搬送ニップPBcと実分離ニップPBdとの差分が、0.5×(PBa−PBb)となって最大になる。この結果、上記角度θに対し、上記式(16)で決まる高ニップ圧PBaの値は、従来のシート搬送装置における角度θ=π/2[rad]時のニップ圧PBよりも高くなる。また、上記式(17)で決まる低ニップ圧PBbの値は、同様に従来のシート搬送装置における角度θ=π/2[rad]時のニップ圧PBよりも低くなる。従って、このシート搬送装置では、そのニップ圧が、上記差分0.5×(PBa−PBb)により、実施形態3のシート搬送装置の場合よりも高い値が保証されるようになり、密着力Qが働く際の重送余裕度が増加し、より安定したシート搬送を実現できるようになる。
【0040】
(実施形態5)
本実施形態に係るシート搬送装置の一例を、図16及び図17に示す。このシート搬送装置は、実施形態4のシーと搬送装置と同様の、互いに独立した2つのリバース駆動ギヤ18、18’を有しており、それらの駆動伝達用の全歯部19に噛み合ったアイドラギヤ20により同期して回転駆動されるようになっている。ただし、このシート搬送装置においては、実施形態4のシーと搬送装置と異なって、各リバース駆動ギヤ18、18’に対して、1つのリバース従動ギヤ3のみが噛み合っている。これにより、実施形態4のシーと搬送装置と同じ動作を、1つのリバース従動ギヤ3を用いた省スペースな構成により実現できるようになる。
(実施形態6)
本実施形態に係るシート搬送装置は、実施形態4のシート搬送装置において、上記角度θがπ/2[rad]<θ<π[rad]の上記式(16)に従うリバース従動ギヤ3の支点9からの距離L1aが、上記角度θが0[rad]<θ<π/2[rad]の上記式(17)に従うリバース従動ギヤ3‘の支点9からの距離L1bよりも大きく設定されている。これにより、このシート搬送装置においては、実施形態4で述べた差分0.5×(PBa−PBb)が必ず正の値となる。また、この差分0.5×(PBa−PBb)により、そのニップ圧が、角度θ=π/2[rad]である従来のシート搬送装置の場合よりも高い値が保証されるようになり、密着力Qが働く際の重送余裕度が増加し、より安定したシート搬送を実現できるようになる。
【0041】
(他の実施形態1)
本実施形態に係るシート搬送載置は、前記角度θを、
0[rad]<θ<π/2[rad]・・・(18)、
としたものである。
このシート搬送装置では、前記式(4)、(8)より、[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ−π/2)]/[1−K・k/Cos(θ−π/2)]/(1−K・k)の因子だけ、作動線の傾きが低下する。例えば高湿度環境下で、シート間に高い密着力が働く場合、シート間の密着力をQとすると、図4に示す重送境界線10は、式(5)’より変化し、次の式(5)″になる(図示は省略)。
密着力Qが働く場合の重送境界線:PB=(1/μP)・TA−3m−2Q/μP・・・(5)″
このときレイアウト上の制約、例えばリバース従動ギヤ3のL1の制限より、L1を短くできない場合には、L1を短くせずに角度θを式(18)の範囲にする。このことで、傾きが[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ−π/2)]/[1−K・k/Cos(θ−π/2)]/(1−K・k)倍だけ小さくなる。これにより、ニップ圧力PBが低下し、式(5)″に表される密着力が働く重送境界線以下のニップ圧力PBが実現し、重送を防いでシートを搬送できるようになる。
【0042】
(他の実施形態2)
本実施形態に係るシート搬送載置は、前記角度θを、
π/2[rad]<θ<π[rad]・・・(19)、
としたものである。
このシート搬送装置では、前記式(4)、(8)より、[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ−π/2)]/[1−K・k/Cos(θ−π/2)]/(1−K・k)の因子だけ、傾きが上昇する。従って、高い摩擦係数を有するシートの搬送においては、シート間摩擦係数μPが大きいため、図4に示すような不送り境界線11は、式(6)’のもと、平行上昇する。
このときレイアウト上の制約、例えばリバース従動ギヤ3のL1の制限より、L1を長くできない場合には、L1を長くせずに角度θを式(19)の範囲にする。このことで、傾きが[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ−π/2)]/[1−K・k/Cos(θ−π/2)]/(1−K・k)倍だけ大きくなる。これにより、ニップ圧力PBを上昇させ、不送り境界線11が図4において平行上昇しても、それ以上のニップ圧力PBが実現し、不送りを防いでシートを搬送できるようになる。
【0043】
(他の実施形態3)
本実施形態に係るシート搬送載置では、前記角度θ=π/2[rad]におけるシート搬送方法で使用したトルクリミッタ戻し力TAをTA90とするとき、次の式(20)に示すトルクリミッタ戻し力TAを採用する。
TA={[1−K・k/Cos(θ−π/2)]・(K・TA90+P0)/(1−K・k)−P0}/[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ−π/2)]・・・(20)
式(20)に従うトルクリミッタ戻し力TAでは、式(8)に式(20)を代入することで、次の式(21)が導かれる。
PB=(K・TA90+P0)/(1−K・k)・・・(21)
この式(21)は、TA90を採用したときの従来のシート搬送方法、つまりθ=π/2[rad]時のシート搬送方法と同値である。すなわち、ニップ圧力PBが同値でありながら、同時に式(19)、(20)より、TA<TA90が成立する。これを図で示したのが、図11である。従来のトルクリミッタ戻し力TA90は設定点13である。この設定点13における作動線12上の作動点14と同値になる、他の実施形態2における作動線16で決まる設定点17が、この実施形態3におけるトルクリミッタ戻し力TAである。
以上より、ニップ圧力PBを従来と同値に保ちながら、TA<TA90のため、Tr=TA・RSで決まるトルクリミッタトルクTrが、従来よりも低減する。これにより、低トルク化による、リバースローラ1の性能維持、コスト上のメリットが実現し、従来のものと同等性能を以ってシートを搬送できる。
【0044】
図18に、上述の実施形態に係るシート搬送装置39を搭載した画像形成装置の一例としての複写機を示す。この複写機は、原稿読み取り部(イメージスキャナ)101、書き込み部107、画像形成部112、給紙部119等から構成されている。
原稿読み取り部101は、光源102、ミラー103、結像レンズ104、イメージセンサとしてのCCD105等を備えている。また、原稿読み取り部101のコンタクトガラス上には自動原稿給紙装置(ARDF)106が設置されている。この原稿読み取り部101は、コンタクトガラス上の原稿の画像を光源102、ミラー103、結像レンズ104を介してCCD105に結像して、画素単位で読み取り、デジタル化した画像信号に変換する。この画像信号は書き込み部107に送られるか、図示しない画素メモリに記憶される。書き込み部107は、光源としてのレーザーダイオード108、走査用の回転多面鏡109、ポリゴンモータ110,fθレンズ等の走査光学系111等を備えている。この書き込み部107は、原稿読み取り部101によって読み取られた画像信号に応じてレーザー光を走査し、ミラーを介して感光体上に画像を書き込む。画像形成部112は、像担持体としての感光体ドラム113、帯電装置114、現像装置115、転写搬送ベルトを用いた転写装置116、クリーニング装置117、定着装置118等を備えている。感光体ドラムは帯電装置114により一様に帯電した後、上記書き込み部1お7よりレーザー光を照射され静電潜像を形成する。この静電潜像は現像装置115により現像され、顕像としてのトナー像を形成する。一方、転写材としてのシートは、給紙部119より給紙され、シート搬送装置39により、感光体ドラム113と転写装置116とが対向する転写位置に搬送される。そして転写装置116により、感光体ドラム113上に形成されたトナー像を静電的にシートへ転写する。次いで、シートは定着装置118に送られ、シート上のトナーを定着させることで画像が得られる。一方、感光体ドラム101上の残留トナーは、クリーニング装置117にて除去される。また、この複写機においては、画像形成部112と給紙部119との間に両面ユニット120を設置している。この両面ユニット120により、片側に印字された用紙を反転し再給紙することで、用紙の両面に画像を形成することを可能としている。
【0045】
上述したように、本発明を適用したシート搬送方法、及びシート搬送装置においては、ニップ圧の設計マージンが広がるので、シートの搬送性及び分離性の高い設計が可能になる。
特に、実施形態2のシート搬送装置においては、支点9からの距離L1aが長いリバース従動ギア3がリバース駆動ギヤ18の駆動ギヤの有歯部23に噛み合った状態では、ニップ圧PBが高くなる。一方、支点9からの距離L1bが短いリバース従動ギヤ3’がリバース駆動ギヤ18の駆動ギヤの有歯部23’に噛み合った状態では、ニップ圧PBが低くなる。これにより、従来のものに比較して、上記差分だけ重送境界線の余裕度が増加し、シート間に密着力Qが働く場合でも、シート間の搬送性及び分離性能が向上して、シートの重送を防止できるようになる。
また、実施形態3のシート搬送装置においては、その実搬送ニップPBcが、支点9からからの距離L1bが短い方のリバース従動ギヤ3’の、欠歯部22‘による回転時間PBLTの増加に従って低下する。そして、実分離ニップPBdが、上記式(15)の条件でほぼ飽和する。この結果、実搬送ニップPBcと実分離ニップPBdとの差分が、式(15)の条件のとき最も大きくなり、シート間に密着力Qが働く際の重送余裕度が最も増加した条件下で、シート搬送が行われるようになる。これにより、ニップ圧の高低変化分の二分の一分だけ、従来のシート搬送装置に比べてシート分離性が向上し、シート間に密着力Qが働く場合でも、シート間の搬送性及び分離性能がより向上して、シートの重送を防止できるようになる。
また、実施形態4のシート搬送装置においては、そのニップ圧が、上記差分0.5×(PBa−PBb)により、実施形態3のシート搬送装置の場合よりも高い値が保証されるようになる。これにより、密着力Qが働く際の重送余裕度が増加し、より安定したシート搬送を実現できるようになる。また、上記角度θが、二組のギヤ列で異なるので、従来のシート搬送装置における角度θがπ/2[rad]時のニップ圧と比べて、ニップ圧の高低変化を有利に高める角度条件となる。これにより、ニップ圧の高低変化分がより増加し、シートの分離性能がより向上する。
また、実施形態5のシート搬送装置においては、各リバース駆動ギヤ18、18’に対して、1つのリバース従動ギヤ3のみが噛み合っている。これにより実施形態4のシーと搬送装置と同じ動作を、1つのリバース従動ギヤ3を用いた省スペースな構成により実現できるようになる。この結果、リバース従動ギヤ3の配置におけるレイアウト上の制約を回避できるようになるので、設計がし易く、また部品点数も下がり、低コスト化も図れる。
さらに、実施形態6のシート搬送装置においては、実施形態4で述べた差分0.5×(PBa−PBb)が必ず正の値となる。また、この差分0.5×(PBa−PBb)により、そのニップ圧が、角度θ=π/2[rad]である従来のシート搬送装置の場合よりも高い値が保証される。これにより、密着力Qが働く際の重送余裕度が増加し、より安定したシート搬送を実現できるようになる。また、二組のギヤ列の各支点9からの位置が、ニップ圧の高低変化を高める有利な配置条件となるので、ニップ圧の高低変化分が増加し、シートの分離性能が一層向上する。
本発明を適用した画像形成装置においては、上述したようなシート搬送装置39を使用しているので、自由度の高い設計ができるようになる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、リバース従動ギヤの配置を固定しても、フィードローラとリバースローラとのニップ圧を示す作動線の変化する範囲が拡大し、ニップ圧の設計マージンが広がる。これにより、従来のシート搬送方法よりも、シート搬送性、及びシート分離性を向上させる設計が可能になるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のシート搬送装置の概略断面図。
【図2】上記シート搬送装置における各構成要素の力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図3】上記シート搬送装置の各構成要素の軸方向における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図4】上記シート搬送装置における作動線図。
【図5】本発明の実施形態におけるシート搬送装置の、断面方向における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図6】図5における力の成分図。
【図7】本発明の実施形態におけるシート搬送装置の、長手方向(Y軸方向)における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図8】本発明の実施形態におけるシート搬送装置の、長手方向(X軸方向)における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図9】本発明の実施形態のシート搬送装置における作動線図。
【図10】本発明の実施形態のシート搬送装置における作動線の傾きを示す線図。
【図11】本発明の実施形態のシート搬送装置における低トルクリミッタ戻し力の場合の作動線図。
【図12】本発明の実施形態における二組のギヤ列を備えたシート搬送装置の、長手方向(Y軸方向)における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図13】本発明の実施形態のシート搬送装置におけるリバース駆動ギヤの構成の一例を示す斜視図。
【図14】本発明の実施形態における二組のギヤ列を備え、角度θが各々異なる構成のシート搬送装置の、長手方向(Y軸方向)における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図15】(a)は、本発明の実施形態のシート搬送装置における他のリバース駆動ギヤの構成の一例を示す斜視図。
(b)は、上記リバース駆動ギヤの構成を示す側面図。
【図16】本発明の実施形態における2つのリバース駆動ギヤと、1つのリバース従動ギヤとを備え、角度θが各々異なる構成のシート搬送装置の、長手方向(Y軸方向)における力の釣合いについて説明するための概略断面図。
【図17】(a)は、本発明の実施形態のシート搬送装置における更に他のリバース駆動ギヤの構成の一例を示す斜視図。
(b)は、上記リバース駆動ギヤの構成を示す側面図。
【図18】本発明の実施形態におけるシート搬送装置を搭載した画像形成装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 リバースローラ
2 トルクリミッタ
3 リバース従動ギヤ
3’ リバース従動ギヤ
4 リバース駆動ギヤ
4a リバース駆動ギヤ軸
5 フィードローラ
6 フィード軸
7 軸受け
8 リバース軸
9 支点
10 重送境界線
11 不送り境界線
12 FRR作動線
13 設定点
14 作動点
15 作動点
16 FRR作動線
17 設定点
18 欠歯リバース駆動ギヤ
18’ 欠歯リバース駆動ギヤ
19 駆動伝達用全歯部分
20 アイドラギヤ
21 シート
22 欠歯部分
23 歯部分
24 適性領域
25 シート搬送装置
P1 ギヤ押し上げ力
P2 自重
P3 軸受け力
PB ニップ圧
TA トルクリミッタ戻し力
Tr トルクリミッタトルク
T 抗力
θ フィード軸−リバース軸−リバース駆動ギヤ間の角度
θ1 フィード軸−リバース軸−リバース駆動ギヤ間の角度
θ2 フィード軸−リバース軸−リバース駆動ギヤ間の角度
μB リバース軸−軸受け間摩擦係数
RB リバース軸半径
RZ リバース従動ギヤ半径
RS リバースローラ半径
L1 リバース従動ギヤ−支点間距離
L1a リバース従動ギヤ−支点間距離
L1b リバース従動ギヤ−支点間距離
L2 重心−支点間距離
L3 軸受け−支点間距離
L4 リバースローラ−支点間距離

Claims (6)

  1. ート搬送方向に回転してシートを搬送するフィードローラと、
    正逆回転自在なリバースローラと、
    該フィードローラとリバースローラとを加圧接触させる加圧手段と、
    該リバースローラに対して上記フィードローラと同一方向に回転する戻し力を回転トルクにより付与するトルクリミッタとを備え、
    上記フィードローラとリバースローラとの間のニップにより搬送されるシートが1枚の場合には、該シートと上記リバースローラとの間の摩擦力により、該リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力に抗して、上記フィードローラの回転に連れ回りする方向に正回転させ、上記ニップにより搬送されるシートが複数枚の場合には、上記リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力により逆回転させる構成のシート搬送装置において、
    上記リバース駆動ギヤと上記リバース従動ギヤとからなる二組のギヤ列を備え、
    上記各組のギヤ列の、上記リバース軸の固定端である支点から上記リバース従動ギヤまでの距離L1が互いに異なり、
    且つ上記二組のギヤ列のリバース駆動ギヤもしくはリバース従動ギヤのいずれか一方に、該ギヤ列の回転により、一方の組のギヤ列が噛み合っている状態のときに、他方の組のギヤ列の噛み合いが外れるように形成した、一箇所もしくは複数箇所の欠歯部と有歯部とを有しており、
    上記リバースローラとともに回転するリバース従動ギヤの半径をRZ、該リバースローラの半径をRS、該リバースローラを軸支するリバース軸の半径をRB、該リバース軸と該リバース軸の軸受けとの間の摩擦係数をμB、該リバース軸の固定端である支点から上記リバース従動ギヤまでの距離をL1、リバースローラリバース軸トルクリミッタ軸受け及びリバース従動ギヤのそれぞれの自重を合算した合算自重をP2、上記支点から合算自重の重心までの距離をL2、上記軸受けから上記リバース軸が受ける抗力をP3、上記支点から上記軸受けまでの距離をL3、上記支点から上記リバースローラまでの距離をL4、上記トルクリミッタの回転トルクをTrとし、また以上により定義できる、第一因子K=(L1/L4)・(RS/RZ)、第二因子k=(RB/RS)・μB、及び係数P0=(L3・P3−L2・P2)/L4、上記トルクリミッタによる戻し力TA=Tr/RSとし、上記リバースローラを駆動するための上記リバース駆動ギヤを軸支するリバース駆動ギヤ軸と上記リバース軸との軸中心を結ぶ直線と、該リバース軸と上記フィードローラを軸支するフィード軸との軸中心を結ぶ直線とによって形成される角度をθ[rad]とするとき、該θの範囲、及び上記フィードローラと上記リバースローラ間に生ずるニップ圧PBが、次の式、
    0[rad]<θ<π/2[rad]、
    π/2[rad]<θ<π[rad]、
    PB={[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ―π/2)]・TA+P0}/[1−K・k/Cos(θ―π/2)]、
    で定式化される値に設定されていることを特徴とするシート搬送装置
  2. 求項のシート搬送装置において、
    上記各組のギヤ列の各リバース従動ギヤのうち、支点からの距離L1が短い方のリバース従動ギヤの、上記欠歯部分による回転時間をPBLTとするとき、上記フィードローラと上記リバースローラとが接触するニップ幅をNIP、該リバースローラの回転速度をVRとすると、次の式、
    PBLT=NIP/VR
    が成り立つことを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項のシート搬送装置において、
    上記各組のギヤ列の各リバース従動ギヤのうち、支点からの距離L1が長い方のリバース従動ギヤに対する角度θ[rad]は、次の式、
    π/2[rad]<θ<π[rad]、
    に従い、
    且つ各組のギヤ列の各リバース従動ギヤのうち、支点からの距離L1が短い方のリバース従動ギヤに対する角度θ[rad]は、次の式、
    0[rad]<θ<π/2[rad]、
    に従うことを特徴とするシート搬送装置。
  4. シート搬送方向に回転してシートを搬送するフィードローラと、
    正逆回転自在なリバースローラと、
    該フィードローラとリバースローラとを加圧接触させる加圧手段と、
    該リバースローラに対して上記フィードローラと同一方向に回転する戻し力を回転トルクにより付与するトルクリミッタとを備え、
    上記フィードローラとリバースローラとの間のニップにより搬送されるシートが1枚の場合には、該シートと上記リバースローラとの間の摩擦力により、該リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力に抗して、上記フィードローラの回転に連れ回りする方向に正回転させ、上記ニップにより搬送されるシートが複数枚の場合には、上記リバースローラを上記トルクリミッタの回転トルクによる戻し力により逆回転させる構成のシート搬送装置において、
    1つのリバース従動ギヤが、2つのリバース駆動ギヤに噛み合い、
    該リバース駆動ギヤもしくは該リバース従動ギヤのいずれか一方に、ギヤ列の回転駆動時に、一方の組のギヤ列の歯部分が噛み合うことにより、他方の組のギヤ列の歯部分の噛み合いを外す形状の、一箇所もしくは複数箇所の欠歯部分を有し、
    且つ上記2つのリバース駆動ギヤに設けた各駆動伝達用全歯部分が、アイドラギヤの噛み合によって回転駆動される構成を有しており、
    上記リバースローラとともに回転するリバース従動ギヤの半径をRZ、該リバースローラの半径をRS、該リバースローラを軸支するリバース軸の半径をRB、該リバース軸と該リバース軸の軸受けとの間の摩擦係数をμB、該リバース軸の固定端である支点から上記リバース従動ギヤまでの距離をL1、リバースローラ、リバース軸、トルクリミッタ、軸受け、及びリバース従動ギヤのそれぞれの自重を合算した合算自重をP2、上記支点から合算自重の重心までの距離をL2、上記軸受けから上記リバース軸が受ける抗力をP3、上記支点から上記軸受けまでの距離をL3、上記支点から上記リバースローラまでの距離をL4、上記トルクリミッタの回転トルクをTrとし、また以上により定義できる、第一因子K=(L1/L4)・(RS/RZ)、第二因子k=(RB/RS)・μB、及び係数P0=(L3・P3−L2・P2)/L4、上記トルクリミッタによる戻し力TA=Tr/RSとし、上記リバースローラを駆動するための上記リバース駆動ギヤを軸支するリバース駆動ギヤ軸と上記リバース軸との軸中心を結ぶ直線と、該リバース軸と上記フィードローラを軸支するフィード軸との軸中心を結ぶ直線とによって形成される角度をθ[rad]とするとき、該θの範囲、及び上記フィードローラと上記リバースローラ間に生ずるニップ圧PBが、次の式、
    0[rad]<θ<π/2[rad]、
    π/2[rad]<θ<π[rad]、
    PB={[K/Cos(θ−π/2)+Tan(θ―π/2)]・TA+P0}/[1−K・k/Cos(θ―π/2)]、
    で定式化される値に設定されていることを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項のシート搬送装置において、
    上記π/2[rad]<θ<π[rad]の角度θを有するギヤの、上記支点からの距離L1が、上記0[rad]<θ<π/2[rad]の角度θを有するギヤの、上記支点からの距離L1よりも大きく設定されていることを特徴とするシート搬送装置。
  6. 複数枚のシートを積層載置するシート載置体と、該シート載置体に積層載置したシートを給紙する給紙手段と、該給紙手段により給紙したシートを1枚づつ分離しながら搬送するシート搬送手段と、該シート搬送手段により搬送したシート上に画像を形成する画像形成手段とを有する画像形成装置において、
    上記シート搬送手段として、請求項1、2、3、4又のシート搬送装置を使用することを特徴とする画像形成装置。
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