JP3888200B2 - 回転検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気素子を用いて回転情報の検出を行う回転検出装置に関し、特に、車両におけるエンジン制御や車両ブレーキにおけるABS制御に使用する回転検出装置に適用すると好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジン制御や車両ブレーキにおけるABS制御に使用する回転検出装置は、永久磁石を用いて歯車形状のギアに向けてバイアス磁界を発生させ、ギアの「山」(ギア歯の凸部)と「谷」(ギア歯の凹部)による「山」から「谷」、「谷」から「山」の変化に基づいて、変位する磁界の方向を磁気抵抗効果素子(MRE)で検出することにより、ギアの回転状態を検出している。
【0003】
図6に、従来の回転検出装置の構成を模式的に示す。
【0004】
図6の回転検出装置103にあっては、被検出体である歯車形状のギア3の回転状態を検出するため、バイアス磁界4を発生する永久磁石9、ギア3の歯の回転によって発生するバイアス磁界4の変化を電気信号に変換する磁気素子20を形成したICチップ50、及び磁気素子20からの電気信号を検出するための検出回路7とを備えている。
【0005】
回転検出装置103においては、永久磁石9の端面の一方がN極、他方がS極になるように着磁されており、永久磁石9の中心軸がバイアス磁界4の磁気的中心をなしている。永久磁石9は、回転検出装置103において、被検出体であるギア3に近い面がN極、遠い面がS極となるように配置されている。
【0006】
磁気素子20を形成したICチップ50は、永久磁石9が発生するバイアス磁界の方向変化の検出を行うべく、永久磁石9と被検出体であるギア3の外周面との間に位置するように、磁気素子20と永久磁石9からなる回転検出素子303において、永久磁石9のN極の前方に配置されている。
【0007】
回転検出素子303は、永久磁石9の中心軸上にギア3の回転軸が概ね位置するように、被検出体であるギア3の外周面に対向して配置される。これによって、ギア3の外周面に向けて、永久磁石9がバイアス磁界4を発生するようになっている。さらに、図6に示したように、回転検出素子303は、2つのMRE201、202からなる磁気素子20を形成したICチップ50の平面がギア3の両端面が形成する平面の間に位置するように配置される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転検出装置1では、次の図7に示したような問題が生じる。尚、図7において図6と同様の部分については同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0009】
図7(a)は、回転検出素子303の製造工程において発生する問題の一例である。図7(a)は、永久磁石9とICチップ50の組み付けばらつきにより、永久磁石9と磁気素子20の間の距離Lmsが規定の値より大きくなった場合を示す。回転検出素子303の製造工程にあっては、永久磁石9とICチップ50の組み付けばらつきが存在するために、永久磁石9と磁気素子20の間の距離Lmsが製品毎に変化する。組み付けられる永久磁石9の磁界強度が一定であるとしても、図7(a)の距離Lmsが異なると、磁気素子20に印加される磁界強度は変化する。従って、図7(a)のように距離Lmsが規定の値より大きくなると、磁気素子20に必要なバイアス磁界強度4が十分に得られず、磁気素子20は感度不足になるという問題が生じる。さらに、回転検出素子303を構成する永久磁石9の発生する磁界強度や磁気素子20の感度についても、実際には部品毎にばらつきがある。従って、永久磁石9の発生する磁界強度が規定値よりも小さいものや、磁気素子20の感度が規定値より低い場合にも、回転検出素子303の感度が不足するといった問題が生じる。また、図7(a)の距離Lmsや永久磁石9の発生する磁界強度だけでなく、永久磁石9とICチップ50の相対的な組み付けの向きや永久磁石9の磁化方向のばらつきも存在し、これらの方向ばらつきによっても磁気素子20の検出精度が劣化する。
【0010】
図7(b)は、回転検出素子303の被検出体3への適用にあたって発生する問題の一例である。図7(b)は、回転検出素子303の被検出体であるギア3への適用にあたって、回転検出素子303のギア3への組み付けばらつきにより、磁気素子20とギア3の間の距離Lswが規定の値より大きくなった場合を示す。回転検出装置1にあっては、被検出体であるギア3の回転に伴うバイアス磁界4の変化を磁気素子20で検出し、ギア3の回転状態を検出する。従って、図7(b)のように磁気素子20とギア3の間の距離Lswが規定の値より大きくなると、ギア3の回転による磁気素子20の位置でのバイアス磁界の変化量が小さくなり、この場合も、磁気素子20は感度不足になるという問題が生じる。さらに、図7(b)の距離Lswだけでなく、ギア3に対する回転検出素子303の相対的な組み付けの向きのばらつきも存在し、この方向ばらつきによっても磁気素子20の検出精度が劣化する。また、永久磁石9の発生する磁界強度は経時変化があるため、回転検出素子303を長期間使用すると、回転検出素子303の感度が低下するといった問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、当該回転検出装置の組み付け時のばらつきや、当該回転検出装置を被検出体に適用するにあたっての組み付けばらつきが発生しても、必要な検出感度と検出精度を確保することのできる回転検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の回転検出装置は、被検出体である歯車形状のギアの回転状態を検出するための回転検出装置において、前記歯車形状のギアの歯に向けてバイアス磁界を発生する電磁石と、前記電磁石を駆動してバイアス磁界を発生するための電磁石駆動回路と、前記ギアと前記電磁石との間であって、前記ギアの歯の回転によって発生するバイアス磁界の変化を電気信号に変換する磁気素子と、前記磁気素子が出力する電気信号を検出するための検出回路とを備え、前記電磁石駆動回路は、前記電磁石を構成しているコイルに流す電流を発生するための電流発生回路と、前記電流発生回路によって発生する電流の大きさを設定する電流設定回路とを有し、当該回転検出装置の製造工程内で、前記電流設定回路によりコイルに流す電流と前記電磁石が発生するバイアス磁界が設定され、前記磁気素子が出力する電気信号が所定の基準値に調整され、前記電流設定回路は、前記歯車形状のギアの回転時における前記磁気素子の出力電位の極大値と極小値から中点電位を読み取り、これによって前記バイアス磁界の大きさを検出して、検出したバイアス磁界の大きさに応じて設定する電流値を変化することができる回路であり、当該回転検出装置の使用開始時に、前記電流設定回路により前記中点電位を適正中点電位に調整して、コイルに流す電流と前記電磁石が発生するバイアス磁界が設定され、前記磁気素子が出力する電気信号が所定の基準値に調整されることを特徴としている。
【0013】
上記回転検出装置では、回転状態を検出するために被検出体と磁気素子に印加されるバイアス磁界は、電磁石によって発生される。電磁石は、電磁石駆動回路からの電流によってバイアス磁界を発生するが、電流の値を変化させることで、バイアス磁界の大きさも容易に変化させることができる。従って、当該回転検出装置の組み付け時のばらつきや、当該回転検出装置を被検出体に適用するにあたっての組み付けばらつきが発生しても、それらの組み付け状態を調整することなしに、組み付け後でも調整容易な電磁石への電流の値を変えることで、磁気素子や被検出体へ印加するバイアス磁界の大きさを容易に調整することが可能となる。これにより、当該回転検出装置の適正な検出感度と検出精度を、容易に確保することができる。
上記回転検出装置では、電磁石駆動回路により、当該回転検出装置の製造工程内で組み付けばらつきが発生しても、電磁石駆動回路に設けた電流設定回路により電磁石の駆動電流とバイアス磁界の大きさを変えて、磁気素子が出力する電気信号を最適に調整して出荷することが可能となる。
また、上記回転検出装置では、当該回転検出装置を用いて被検出体の回転状態を検出するに際して、使用開始時に、電流設定回路が歯車形状のギアの回転時における磁気素子の出力電位の極大値と極小値から中点電位を読み取り、これによって現状のバイアス磁界の大きさを検出し、電流発生回路により発生する電磁石の駆動電流とバイアス磁界の大きさを変えて、磁気素子が出力する電気信号の前記中点電位を適正中点電位に最適に調整することが可能となる。従って、磁気素子の組み付け状態や感度に経時変化が生じていても、回転検出装置の使用時には、磁気素子が出力する電気信号を常に最適な状態に調整しておくことが可能となる。
【0018】
請求項に記載したように、前記電磁石を複数個配置して、バイアス磁界を設定することが好ましい。これによれば、当該回転検出装置の電磁石や磁気素子の組み付け向きのばらつきや、当該回転検出装置を被検出体に適用するにあたっての被検出体に対する組み付け向きのばらつきが発生しても、バイアス磁界の向きを容易に変えることができる。従って、当該回転検出装置の適切な検出感度と検出精度を、容易に確保することができる。
【0019】
請求項に記載したように、前記磁気素子は、磁気抵抗効果素子またはホール効果素子であることを特徴としている。
【0020】
これによれば、検出感度が高いがバイアス磁界の強度や方向に影響されやすい磁気抵抗効果素子やホール効果素子であっても、当該回転検出装置の組み付け時や当該回転検出装置を被検出体に適用する際の組み付けばらつきが発生しても、容易にバイアス磁界を調整することができ、当該回転検出装置の適切な検出感度と検出精度を確保することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本実施形態における回転検出装置の構成を示す模式図である。以下、図1(a)に示した回転検出装置100について説明するが、図1(a)において、図6と同様の部分については同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0023】
図1(a)の回転検出装置100にあっては、被検出体である歯車形状のギア3の回転状態を検出するため、ギア3の歯30に向けてバイアス磁界4を発生する電磁石10、この電磁石10を駆動してバイアス磁界4を発生するための電磁石駆動回路60、ギア3の歯30の回転によって発生するバイアス磁界4の変化を電気信号に変換する磁気素子20を形成したICチップ50、及び磁気素子20からの電気信号を検出するための検出回路7とを備えている。
【0024】
電磁石10は、コイル11とコアとなる鉄心12により構成されている。電磁石10では、コイル11に流す電流の向きにより鉄心12の先端の磁極を切り替えることができるが、図1(a)の回転検出装置100の例では、被検出体であるギア3に面したほうがN極になるように、電磁石10に電流を流している。鉄心12の中心軸の方向は、バイアス磁界4の磁気的中心をなしている。
【0025】
電磁石10を駆動するための電磁石駆動回路60は、電流値が設定変更可能な電流発生回路61を有しており、電流設定回路62によりコイル11に流す電流を変化させて適当な値に設定することで、磁気素子20に印加されるバイアス磁界4の大きさを最適に調整する。
【0026】
回転検出装置100は、磁気素子20を形成したICチップ50を備えている。この磁気素子20は、この場合薄膜状のMREであり、ICチップ50上に形成され、このICチップ50の面に略平行に横切る磁力線の強さと方向に応じて自身の抵抗値が変化するものである。磁気素子20を形成したICチップ50は、電磁石10が発生するバイアス磁界4の変化を検出すべく、電磁石10と被検出体であるギア3の間に位置するように、電磁石10の鉄心12の中心軸方向に沿って、一方の磁極の前方に配置される。その際、ギア3の回転軸方向の端面31が形成する平面(この場合、紙面に平行)に概ね平行な面内に配置され、電磁石10からの磁力線がICチップ50の面を略平行に横切るように設定されている。
【0027】
ICチップ50の表面上には、磁気素子20を構成する2つのMRE201,202が形成されており、MRE201,202はそれぞれの長手方向に電流が流れるように配線処理がなされている。2つのMRE201,202は、それぞれ長手方向がバイアス磁界4の磁気的中心(鉄心12の中心軸)に対して45度と−45度の角度を成すように、すなわち互いに直交するハの字状になるように配置されており、異なった方向性を有している。なお、ICチップ50は、電磁石10と一体となるように組み付けられ、回転検出素子300として、電磁石60と共にモールド樹脂(図示せず)によって封止される。
【0028】
回転検出素子300は、電磁石10の鉄心12の中心軸上にギア3の回転軸が概ね位置するように、被検出体であるギア3の歯30に対向して配置される。これによって、ギア3の歯30に向けて、電磁石10がバイアス磁界4を発生する配置となる。また、回転検出素子300は、2つのMRE201,202が形成されたICチップ50の面の向きがギア3の端面31と略平行となるように、配置される。
【0029】
図1(b)に、磁気素子20と検出回路7の電気回路構成を示す。2つのMRE201,202が互いに直列接続されて、1組のMREブリッジからなる磁気素子20が構成される。このMREブリッジ20はMRE202からMRE201に向けて所定の電流が流され、直列接続された2つのMRE201,202の中点電位がMREブリッジ20の出力電圧として、検出回路7で検出される。
【0030】
具体的には、MREブリッジ20の出力電位が、図1(b)に示すように検出回路7に設けたコンパレータの反転入力端子に入力されるようになっており、コンパレータの非反転入力端子に入力された所定のしきい値電圧と比較される。
【0031】
次に、図2(a)、(b)に基づいて、本実施形態における回転検出装置100における、ギア3の回転状態の検出原理を説明する。図2(a)は、ギア3の回転にともなうバイアス磁界4の変化の様子を経時的に示したものであり、図2(b)は、ギア3の回転にともなうMREブリッジ20の出力電位を経時的に示したものである。
【0032】
MREブリッジ20では、磁性体であるギア3の回転に伴う、MRE201,202を通過するバイアス磁界4の向き、すなわち磁力線の向きの変化を検出している。バイアス磁界4の向きの変化は、MREブリッジ20の出力電位に変換され、コンパレータで所定のしきい値電圧と比較される。
【0033】
図2(a)に示したように、ギア歯30が「山」(ギア歯30の凸部)の中心位置にある場合41,45,49と「谷」(ギア歯30の凹部)の中心位置にある場合43,47では、電磁石10からギア歯30に向けて放出される磁力線が左右対称となる。このため、MREブリッジ20の位置でのバイアス磁界4は、電磁石10の鉄心12の中心軸に対して平行の方向を向き、ギア歯30に対して垂直の向きである。この時、MREブリッジ20の2つのMRE201,202は同じ抵抗値となるため、図2(b)に示したMREブリッジ20の出力電位は、中点電位の値となる。
【0034】
次に、ギア歯31が「山」から「谷」への境界位置にある場合42,46と「谷」から「山」への境界位置にある場合44,48では、電磁石10からギア歯30に向けて放出される磁力線は、磁性体であるギア歯30の「山」側に引き寄せられる方向に向く。従って、ギア3の回転によって「山」から「谷」へ移る場合42,46と「谷」から「山」へ移る場合44,48とでは、図2(a)に示したように、バイアス磁界4の振れる方向が逆転する。このため、図2(b)に示したMREブリッジ20の出力電位は、それぞれ極大値と極小値をとる。
【0035】
図2(b)に示した中点電位は、図1(a)で示した回転検出素子300としてICチップ50と電磁石10と一体的に組み付ける際の組み付けばらつきや、回転検出素子300を被検出体であるギア3に対向して配置する際の組み付けばらつきによって、適正な値からはずれることがある。このMREブリッジ20の中点電位の適正値からのずれは、回転検出装置100の製造工程内における回転検出素子300の組み付け後や、回転検出装置100を被検出体であるギア3に適用して回転状態を検出する際の直前に、図2(b)に示したように調整される。
【0036】
図2(b)に示した中点電位の調整は、図1(a)の電磁石駆動回路60に設けた電流設定回路62によりコイル11に流す電流と電磁石10で発生するバイアス磁界4を変えて、容易に適正値に調整することができる。このようにして、本発明の回転検出装置100の製造工程においては、回転検出素子300を磁性体であるギア3に対向させて中点電位の適正値からのずれを調整することにより、回転検出装置100の検出感度と検出精度のばらつきを極力低減した状態で、出荷することが可能となる。
【0037】
図3に、使用開始時に、磁気素子が出力する電気信号の調整が可能な回転検出装置の構成を示す。図3においては、バイアス磁界4の大きさを検出して、バイアス磁界4の大きさに応じて設定する電流値を変化させる電流設定回路62を、ブロック別に示している。
【0038】
図3に示す電流設定回路62においては、MREブリッジ20の出力電位をAMP601で増幅し、極大検出器602と極小検出器603を用いて、増幅した出力電位から極大値と極小値を検出する。次に、演算器604を用いて、中点電位の演算と適正中点電位への補正量を決定する。その後、発振器605,アップダウンカウンタ606,DAコンバータ607を用いて補正量に対応する信号を電流発生回路61に送り、電流発生回路61で発生する電流と電磁石10で発生するバイアス磁界4を変えて、MREブリッジ20の中点電位を適正中点電位に調整する。尚、補正量は、EPROMやEEPROMに記憶しておく。
【0039】
上記の調整は、例えば車両に取り付けた回転検出装置100にあっては、使用開始時の電源投入毎に自動的に行うように、電流設定回路62の回路を構成する。これにより、磁気素子20の組み付け状態や感度に経時変化が生じていても、回転検出装置100の使用時には磁気素子20が出力する電気信号を常に最適な状態に調整して、回転検出装置100を使用することができる。
【0040】
また図3では、バイアス磁界4の設定とギア3の回転状態の検出にMREブリッジ20を兼用して用いているが、2個のMREブリッジを用いて、一方のMREブリッジをギア3の回転状態の検出に用いて、もう一方のMREブリッジの出力信号をバイアス磁界設定のための参照として用いることもできる。
【0041】
このようにして、回転検出素子300を常に最適な状態で作動させることができ、回転検出装置100の検出感度と検出精度を、常に最適な状態に保つことができる。
【0042】
尚、磁気素子20は、図1においては、ギア3の回転軸方向の端面31が形成する平面(紙面に平行)に概ね平行な面内に配置して、この平行な面内にあるバイアス磁界4(平行成分)の変化を検出したが、ギア3の端面31が形成する平面に垂直な面内に配置することも可能である。この場合には、磁気素子20は、ギア3の端面31が形成する平面に垂直な面内にあるバイアス磁界4(垂直成分)の変化を検出する。
【0043】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、被検出体であるギアと磁気素子にバイアス磁界を印加するために、1個の電磁石とその電磁石を駆動するための電磁石駆動回路を有する回転検出装置を示した。本実施形態は、前記バイアス磁界を発生するために2個の電磁石を用いた回転検出装置に関する。以下、本実施形態について図に基づいて説明する。
【0044】
図4(a)は、本実施形態における回転検出装置を示す模式図である。以下、図4(a)に示した回転検出装置101について説明するが、第1の実施形態である図1(a)と同様の部分については同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0045】
図4(a)の回転検出装置101にあっては、被検出体であるギア3とMREブリッジからなる磁気素子20に印加するバイアス磁界を発生するために、回転検出素子301が2個の電磁石10,13を有している。また言うまでもなく、電磁石駆動回路61は2個の電磁石10,13をそれぞれ独立して駆動させることができる構成となっており、例えば、図1(a)および図3に示した電磁石駆動回路60を2個用いてもよい。図4(a)の回転検出装置101にあっては、同じ大きさの2個の電磁石10,13が、ギア3の端面31とICチップ50の作る面内であって、ギア3と磁気素子20を結ぶ中心軸に対して対称的に配置されている。
【0046】
2個の電磁石10,13は、それぞれ独立してバイアス磁界400,401を発生するが、磁気素子20の感じるバイアス磁界は、図4(b)に示すように、各バイアス磁界400,401が合成された磁界402である。従って、図4(b)に示したように、2個の電磁石10,13が発生する各バイアス磁界400,401の大きさを変えることで、合成バイアス磁界402の大きさだけでなく向きについても、ICチップ50の面内で任意に設定することができる。また、電磁石の数をさらに増やすことで、合成バイアス磁界402の向きを、ICチップ50の面内から外れる方向にも振らせることができ、任意の方向への設定も可能である。
【0047】
これによって、回転検出素子301の電磁石10,13や磁気素子20の組み付け時に向きのばらつきが発生したり、回転検出装置101を被検出体であるギア3に適用するにあたって、ギア3に対する組み付け時に向きのばらつきが発生しても、それらの組み付け状態を調整することなしに、バイアス磁界の向きを任意に変えることができる。このようにして、回転検出装置101の適切な検出感度と検出精度を、容易に確保することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、2つのMREが互いに直列接続されて、1組のMREブリッジを構成した磁気素子からなる回転検出装置を示した。本実施形態は、磁気素子として、ホール効果素子を用いた回転検出装置に関する。以下、本実施形態について図に基づいて説明する。
【0049】
図5は、本実施形態における回転検出装置を示す模式図である。以下、図5に示した回転検出装置102について説明するが、第1の実施形態である図1(a)と同様の部分については同一の符号をつけ、その説明を省略する。
【0050】
図5の回転検出装置102にあっては、回転検出素子302を構成するICチップ51には、ホール効果素子21が形成されている。ホール効果素子21を形成したICチップ51は、電磁石10が発生するバイアス磁界4の大きさの変化を検出すべく、電磁石10と被検出体であるギア3の間に位置するように、電磁石10の鉄心12の中心軸方向に対して垂直となるように、一方の磁極の前方に配置される。なお、ICチップ51は、電磁石10と一体となるように組み付けられ、回転検出素子302として、電磁石60と共にモールド樹脂(図示せず)によって封止される。
【0051】
ホール効果素子21は、回転するギア3に対するバイアス磁界4の強度変化を、電圧に変換して出力する。従って、ホール効果素子21に対する検出回路71としては、図1(b)に示したコンパレータと同様の回路を用いることができ、ホール効果素子21の出力電位をコンパレータの反転入力端子に入力して、コンパレータの非反転入力端子に入力された所定のしきい値電圧と比較すればよい。
【0052】
また、ICチップ51上に2個のホール効果素子を形成して、一方のホール効果素子をギア3の回転状態の検出に用いて、もう一方のホール効果素子の出力信号をバイアス磁界設定のための参照として用いることもできる。
【0053】
以上のようにして、MREだけでなくホール効果素子を用いても回転検出装置を構成することができ、前記したのと同様に、ホール効果素子と電磁石を組み合わせることで、当該回転検出装置の組み付け時や当該回転検出装置を被検出体に適用する際の組み付けばらつきが発生する場合には、これら組み付け状態を調整することなく、組み付け後であっても容易にバイアス磁界を調整することができ、当該回転検出装置の適切な検出感度と検出精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明における第1の実施形態の回転検出装置の構成を示す模式図でり、図1(b)は、磁気素子と検出回路の回路構成図である。
【図2】図2(a)は、ギアの回転にともなうバイアス磁界の変化の様子を経時的に示した図であり、図2(b)は、ギアの回転にともなう磁気素子の出力電位を経時的に示した図である。
【図3】図3は、第1の実施形態における使用時にバイアス磁界の調整が可能な回転検出装置の構成を示す模式図である。
【図4】図4(a)は、本発明における第2の実施形態の回転検出装置の構成を示す模式図であり、図4(b)は、合成されたバイアス磁界の様子を示す図である。
【図5】図5は、本発明における第3の実施形態の回転検出装置の構成を示す模式図である。
【図6】図6は、従来の回転検出装置の構成を示す模式図である。
【図7】図7(a)は、従来の回転検出装置の製造工程において発生する問題点を説明するための図であり、図7(b)は、従来の回転検出装置の使用時に発生する問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
100,101,102 回転検出装置
10,13 電磁石
20,21 磁気素子
3 ギア(被検出対象)
4 バイアス磁界
50 ICチップ
60,61 電磁石駆動回路
7 検出回路

Claims (3)

  1. 被検出体である歯車形状のギアの回転状態を検出するための回転検出装置において、
    前記歯車形状のギアの歯に向けてバイアス磁界を発生する電磁石と、
    前記電磁石を駆動してバイアス磁界を発生するための電磁石駆動回路と、
    前記ギアと前記電磁石との間であって、前記ギアの歯の回転によって発生するバイアス磁界の変化を電気信号に変換する磁気素子と、
    前記磁気素子が出力する電気信号を検出するための検出回路とを備え
    前記電磁石駆動回路は、前記電磁石を構成しているコイルに流す電流を発生するための電流発生回路と、
    前記電流発生回路によって発生する電流の大きさを設定する電流設定回路とを有し、
    当該回転検出装置の製造工程内で、前記電流設定回路によりコイルに流す電流と前記電磁石が発生するバイアス磁界が設定され、前記磁気素子が出力する電気信号が所定の基準値に調整され、
    前記電流設定回路は、前記歯車形状のギアの回転時における前記磁気素子の出力電位の極大値と極小値から中点電位を読み取り、これによって前記バイアス磁界の大きさを検出して、検出したバイアス磁界の大きさに応じて設定する電流値を変化することができる回路であり、
    当該回転検出装置の使用開始時に、前記電流設定回路により前記中点電位を適正中点電位に調整して、コイルに流す電流と前記電磁石が発生するバイアス磁界が設定され、前記磁気素子が出力する電気信号が所定の基準値に調整されることを特徴とする回転検出装置。
  2. 前記電磁石を複数個配置して、前記バイアス磁界が設定されることを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置。
  3. 前記磁気素子は、磁気抵抗効果素子またはホール効果素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の回転検出装置。
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