JP3879141B2 - 環状エステル化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医・農薬等生理活性物質の中間体として有用な新規なシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物及びその製造方法、該環状エステル化合物からのシリルビニル基を有する環状エステル化合物及びビニル環状エステル化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状化合物、特に光学活性な環状化合物は生理活性物質の骨格化合物として重要である。
3員環化合物である光学活性シクロプロパン化合物は、ピレスロイド系殺虫剤やβ−ラクタム系抗生物質の合成中間体としてよく知られている。
【0003】
一般に、環状化合物の製造法としては、例えば3員環化合物はオレフィンのシクロプロパン化反応による製造法、6員環化合物はディールスアルダー反応による製造法が知られている。
中でも、光学活性な環状化合物の製造法として、Synlett 638 (1993)、J. Am.Chem. Soc., 113, 1423 (1991)及び J. Am.Chem. Soc., 116, 2223 (1994)には、金属錯体触媒を用いた不斉シクロプロパン化反応による3員環形成反応が記載されている。
【0004】
又、Bull. Chem. Soc. Jpn.,65, 3501 (1992)、J. Am. Chem. Soc., 111, 5340 (1989)及び J. Am. Chem. Soc., 110, 6254 (1989)には、光学活性なルイス酸触媒を用いた不斉ディールスアルダー反応による6員環形成反応が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法は、いずれも優れた方法ではあるが、高価な不斉源を使用する必要があったり、得られる光学活性体の光学純度が満足のいくものではなかったりと現在も更に精力的に開発研究が行なわれているのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、環状化合物の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、新規なシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物及びその製造方法、該環状エステル化合物からのシリルビニル基を有する環状エステル化合物及びビニル環状エステル化合物の製造方法を開発し、これらの化合物が生理活性物質の中間体として有用な環状化合物の前駆物質となることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、式(1)
【0008】
【化9】
Figure 0003879141
【0009】
〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。) を意味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にC1〜C4アルキル基又はフェニ ル基を意味し、W1、W2、W3、Z1及びZ2はそれぞれ独立に置換されていて もよいC1〜C6アルキル基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜 C6アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。)又は置換されて いてもよいアリール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6ア ルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。)を意味し、nは1〜6 の整数を意味する。〕
で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物、
式(2)
【0010】
【化10】
Figure 0003879141
【0011】
〔式中、Ar、R1、R2及びR3は前記に同じ。〕
で表わされるβ−シリルエチルスルホキシド化合物を、
式(3)
【0012】
【化11】
Figure 0003879141
【0013】
〔式中、Xはハロゲン原子を意味し、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕
で表わされるα,β−不飽和エステル化合物と、塩基の存在下反応させることを特徴とする、
式(1)
【0014】
【化12】
Figure 0003879141
【0015】
〔式中、Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕
で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物の製造方法、
式(1)
【0016】
【化13】
Figure 0003879141
【0017】
〔式中、Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物を加熱することを特徴とする
式(4)
【0018】
【化14】
Figure 0003879141
【0019】
〔式中、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕
で表わされるシリルビニル基を有する環状エステル化合物の製造方法及び
式(1)
【0020】
【化15】
Figure 0003879141
【0021】
〔式中、Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物を、フッ素イオン及び/又は塩基と反応させることを特徴とする
式(5)
【0022】
【化16】
Figure 0003879141
【0023】
〔式中、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕
で表わされるビニル環状エステル化合物の製造方法に関するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、詳細に本発明を説明する。
先ず、置換基Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1及びZ2について説明する。
アリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリ−i−プロピルフェニル基、4−iプロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロルフェニル基、3−クロルフェニル基、4−クロルフェニル基、2−ブロムフェニル基、3−ブロムフェニル基、4−ブロムフェニル基、2,4−ジクロルフェニル基、4−フェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチルル基、1−アントラセルニル基、2−アントラセニル基、5−アントラセルニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等が挙げられる。
【0025】
1〜C4アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基,i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
1〜C6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基,i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0026】
1〜C6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基,i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−アミロキシ基、i−アミロキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
【0027】
次に、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物の製造方法について説明する。
式(2)のβ−シリルエチルスルホキシド化合物と、式(3)のα,β−不飽和エステル化合物の当量比は、0.1〜10の範囲、望ましくは、0.5〜2.0の範囲である。
【0028】
式(3)のα,β−不飽和エステル化合物の代表例としては、4−ハロゲノクロトン酸エステル、4−ハロゲノ−4−メチル−2−ペンテン酸エステル、6−ハロゲノ−2−ヘキセン酸エステル、7−ハロゲノ−2−ヘプテン酸エステル等が挙げられる。
具体的には、4−クロロクロトン酸メチル、4−クロロクロトン酸エチル、4−ブロモクロトン酸メチル、4−ブロモクロトン酸エチル、4−ヨードクロトン酸メチル、4−ヨードクロトン酸エチル、4−クロロ−4−メチル−2−ペンテン酸メチル、4−クロロ−4−メチル−2−ペンテン酸エチル、4−ブロモ−4−メチル−2−ペンテン酸メチル、4−ブロモ−4−メチル−2−ペンテン酸エチル、4−ヨード−4−メチル−2−ペンテン酸メチル、4−ヨード−4−メチル−2−ペンテン酸エチル、6−クロロ−2−ヘキセン酸メチル、6−クロロ−2−ヘキセン酸エチル、6−ブロモ−2−ヘキセン酸メチル、6−ブロモ−2−ヘキセン酸エチル、6−ヨード−2−ヘキセン酸メチル、6−ヨード−2−ヘキセン酸エチル、7−クロロ−2−ヘプテン酸メチル、7−クロロ−2−ヘプテン酸エチル、7−ブロモ−2−ヘプテン酸メチル、7−ブロモ−2−ヘプテン酸エチル、7−ヨード−2−ヘプテン酸メチル、7−ヨード−2−ヘプテン酸エチル等が挙げられる。
【0029】
塩基としては、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジド、リチウムヘキサメチルジシラシド等が挙げられる。
塩基の使用量は、式(2)のβ−シリルエチルスルホキシド化合物に対して、当量から10当量の範囲、好ましくは、当量から3当量の範囲が望ましい。
【0030】
反応温度は、通常−100℃から使用する溶媒の沸点までの範囲で可能であるが、好ましくは−80℃から50℃の範囲で行うのがよい。
反応時間は、通常0.1〜1000時間である。
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテルが挙げられる。
【0031】
更に、これらの溶媒は、単独又は組み合わせて使用することも出来る。
溶媒の使用量は、式(2)のβ−シリルエチルスルホキシド化合物に対して0.1〜200重量倍が望ましい。
反応終了後は、水を加えてクエンチして適当な溶媒により目的物の抽出を行い、溶媒を減圧濃縮して粗製物を得ることができる。
【0032】
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行なうことで、純粋な式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物を得ることができる。
式(4)のシリルビニル基を有する環状エステル化合物の製造方法について説明する。
【0033】
本反応は、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物を加熱することにより容易に進行する。
反応温度は、通常0℃から使用する溶媒の沸点までの範囲で可能であるが、好ましくは40℃から使用する溶媒の還流温度が望ましい。
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタンが挙げられる。
【0034】
更に、これらの溶媒は、単独又は組み合わせて使用することも出来る。
溶媒の使用量は、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物に対して0.1〜200重量倍が望ましい。
反応終了後は、溶媒を減圧濃縮して粗製物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行なうことで、純粋な式(4)のシリルビニル基を有する環状エステル化合物を得ることができる。
【0035】
式(5)のビニル環状エステル化合物の製造方法について説明する。
本反応は、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物を、フッ素イオン及び/又は塩基と反応させることにより容易に進行する。
フッ素イオン源としては、テトラn−ブチルアンモニウムフルオライド等の第4級アンモニウム塩、フッ化カリウム、フッ化水素等が挙げられる。
【0036】
フッ素イオン源の使用量は、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物に対して0.1〜20当量の範囲、好ましくは、1.0〜5.0当量の範囲である。
塩基としては、金属水素化物が望ましく、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等が挙げられる。
【0037】
塩基の使用量は、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物に対して0.1〜20モル倍の範囲、好ましくは、2.0〜5.0モル倍の範囲である。
反応温度は、通常−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−80℃から50℃の範囲で行うのがよい。
【0038】
反応時間は、通常0.1〜1000時間である。
本反応は、通常溶媒が使用されるが、溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類等が挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテルが挙げられる。
【0039】
更に、これらの溶媒は、単独又は組み合わせて使用することも出来る。
溶媒の使用量は、式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物に対して0.1〜200重量倍が望ましい。
反応終了後は、水を加えてクエンチして適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗製物を得ることができる。
【0040】
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行なうことで、式(5)の純粋なビニル環状エステル化合物を得ることができる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例を挙げて更に詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸エチル(3)の合成
【0042】
【化17】
Figure 0003879141
【0043】
アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン0.3ml中に、ジイソプロピルアミン0.04ml(0.285ミリモル)を加え、0℃に冷却し、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液0.17ml(1.63M/n−ヘキサン、0.277ミリモル)を3分間かけて滴下した。
10分間攪拌した後、−78℃に冷却し、(R)−p−トリル−2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)53.1mg(0.220ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液0.25mlを10分間かけて滴下した後、5分間攪拌した。
【0044】
この反応溶液に、7−ブロモ−2−ヘプテン酸エチル(2)70.0mg(0.298ミリモル)を一気に加え、10分間−78℃で攪拌した後、0℃に昇温し、15分間攪拌した。
反応終了後、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えクエンチした後、塩化メチレンで水層を抽出した。
【0045】
有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:15g、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製を行ったところ、目的物(3)の収率は93%であった。
以下に分析値を示す。
【0046】
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
0.14(s,9H),0.56(dd,1H,J=2.7,15.0Hz),1.03(dd,1H,J=11.9,15.0Hz),1.32(t, 3H,J=7.1Hz),1.15-2.10(m,9H),2.40(s,3H),2.51(ddd,1H,J=2.4,2.4,11.9Hz), 2.99(ddd,1H,J=3.8,11.3,11.3Hz),4.19(dq,2H,J=7.1,3.2Hz),7.29(d,2H,J=8. 3Hz),7.37(d,2H,J=8.3Hz)
IR(NaCl)
2950,2850,2740,1720,1500,1450,1250,1180,1100,1050,850,820,730cm-1
実施例2
2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロヘキサンカルボン酸エチル(3)の合成
【0047】
【化18】
Figure 0003879141
【0048】
実施例1と同様に、(R)−p−トリル−2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)52.1mg(0.217ミリモル)と7−ヨード−2−ヘプテン酸エチル(4)87.0mg(0.308ミリモル)から合成した。
反応は−78℃で45分間攪拌することによって行ない、実施例1と同様の後処理を行なったところ、目的物(3)の収率は77%で、原料(4)を22%回収した。
実施例3
2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロペンタンカルボン酸エチル(6)の合成
【0049】
【化19】
Figure 0003879141
【0050】
実施例1と同様に、(R)−p−トリル−2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)52.4mg(0.218ミリモル)と6−ブロモ−2−ヘキセン酸エチル(5)63.6mg(0.288ミリモル)から合成した。
反応は−78℃で40分間攪拌することによって行ない、実施例1と同様の後処理を行なった。
【0051】
但し、精製をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:20g、n−ヘキサン/酢酸エチル=85/15)で行ったところ、目的物(6)の収率は72%であった。
以下に分析値を示す。
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
0.17(s,9H),0.73(dd,1H,J=3.1,15.1Hz),0.87(dd,1H,J=11.0,15.6Hz),1.31(t, 3H,J=7.1Hz),1.62-2.18(m,6H),2.41(s,3H),2.40-2.55(m,1H),2.82(ddd,1H,J= 3.1,3.1,11.0Hz),3.19(ddd,1H,J=8.3,8.3,10.1Hz),4.19(q,2H,J=7.1Hz),7.28 (d,2H,J=8.3Hz),7.35(d,2H,J=8.3Hz)
IR(KBr)
2940,2880,1730,1480,1420,1400,1380,1250,1190,1090,1030,1010,870,860, 800,700cm-1
実施例4
2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(8)の合成
【0052】
【化20】
Figure 0003879141
【0053】
実施例1と同様に、(R)−p−トリル−2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)102.7mg(0.427ミリモル)と4−ブロモクロトン酸エチル(7)0.070ml(0.508ミリモル)から合成した。
反応は−78℃で40分間攪拌することによって行ない、実施例1と同様の後処理を行なった。
【0054】
但し、精製をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:20g、塩化メチレン/n−ヘキサン/エーテル=4/5/1)で行なったところ、目的物(8)の収率は54%(収量81.2mg)であった。
以下に分析値を示す。
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
0.00(s,9H),0.8-0.9(m,2H),1.1-1.45(m,3H),1.24(t,3H,J=7.1Hz),1.5-1.65(m, 1H),2.19(ddd,1H,J=7.4,7.4,9.1Hz),2.43(s,3H),4.11(q,2H,J=7.1Hz),7.32(d, 2H,J=8.1Hz),7.48(d,2H,J=8.1Hz)
IR(KBr)
2980,2960,2930,1730,1500,1450,1410,1370,1340,1290,1260,1230,1180,1090, 1040,860,840,810cm-1
元素分析:C18283SSi
計算値 C 61.32%,H 8.00%
実測値 C 61.49%,H 8.17%
実施例5
2,2−ジメチル−3−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2− (トリメチルシリル)エチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(10)の合成
【0055】
【化21】
Figure 0003879141
【0056】
実施例1と同様に、(R)−p−トリル−2−(トリメチルシリル)エチルスルホキシド(1)52.8mg(0.220ミリモル)と4−ブロモ−4−メチル−2−ペンテン酸エチル(9)64.0mg(0.290ミリモル)から合成した。
反応は−78℃で15分間攪拌することによって行ない、実施例1と同様の後処理を行なったところ、目的物(10)の収率は57%であった。
【0057】
以下に分析値を示す。
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
0.06(s,9H),0.82(dd,1H,J=4.1,14.9Hz),0.94(dd,1H,J=9.4,14.9Hz),1.21(s, 3H),1.25(t,2H,J=7.2Hz),1.26(s,3H),1.40(d,1H,J=5.4Hz),1.55(dd,1H,J=5.4, 11.0Hz),2.42(s,3H),2.42(m,1H),4.12(dq,2H,J=5.9,7.2Hz),7.30(d,2H,J=7.2 Hz),7.43(d,2H,J=7.2Hz)
IR(KBr)
2950,1730,1460,1430,1380,1270,1200,1170,1120,1040,1020,870,850, 810cm-1
実施例6
(E)−2−(2−トリメチルシリルエテニル)シクロプロパン−1−カルボン酸エチル(11)の合成
【0058】
【化22】
Figure 0003879141
【0059】
2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(8)27.1mg(0.083ミリモル)のベンゼン溶液0.8mlを30分間加熱還流した後、減圧下で溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:3g、n−ヘキサン/塩化メチレン=7/3)で精製し、目的物(11)を収率78%(収量13.7mg)で得た。
【0060】
以下に分析値を示す。
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
0.05(s,9H),1.00(ddd,1H,J=4.3,6.2,8.5Hz),1.27(t,3H,J=7.1Hz),1.39(ddd, 1H,J=4.3,5.1,8.8Hz),1.68(ddd,1H,J=3.7,5.1,8.5Hz),1.95-2.15(m,1H),4.14 (q,2H,J=7.1Hz),5.51(dd,1H,J=8.1,18.5Hz),5.82(d,1H,J=18.5Hz)
IR(neat)
2990,2960,2900,1730,1610,1450,1410,1390,1320,1300,1260,1200,1190,1090, 1040,990,840cm-1
実施例7
(E)−1,2−トランス−2−ビニルシクロプロパン−1−カルボン酸エチル(12)の合成
【0061】
【化23】
Figure 0003879141
【0062】
2−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(8)32.2mg(0.091ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液0.46mlに、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドのテトラヒドロフラン溶液0.11ml(1.0M/テトラヒドロフラン、0.109ミリモル)を加え30分攪拌後、減圧下で溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:3g、n−ヘキサン/塩化メチレン=4/1)で精製して、目的物(12)を収率56%(収量7.2mg)で得た。
【0063】
以下に分析値を示す。
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
0.98(ddd,1H,J=4.3,6.2,8.5Hz),1.27(t,3H,J=7.1Hz),1.38(ddd,1H,J=4.3,5.0, 8.8Hz),1.65(ddd,1H,J=4.0,5.0,8.5Hz),2.03(ddd,1H,J=4.0,6.2,8.3,8.7Hz), 4.14(q,2H,J=7.1 Hz),5.00(dd,1H,J=1.7,9.9Hz),5.00(dd,1H,J=1.7,17.1Hz), 5.41(ddd,1H,J=8.3,9.9,17.1Hz)
IR(neat)
3090,2990,2940,1740,1650,1460,1400,1390,1320,1300,1290,1270,1200,1180, 1100,1040,990,910,850cm-1
実施例8
2,2−ジメチル−3−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチル(13)の合成
【0064】
【化24】
Figure 0003879141
【0065】
2,2−ジメチル−3−[1−{(R)−p−トリルスルフィニル}−2−(トリメチルシリル)エチル]シクロプロパンカルボン酸エチル(10)93.8mg(0.246ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液1.0mlに、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドのテトラヒドロフラン溶液0.30ml(1.0M/テトラヒドロフラン、0.30ミリモル)を加え30分攪拌後、減圧下で溶媒を留去し、塩化メチレンを加えた後、有機層を飽和食塩水で洗浄した。
【0066】
有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル:15g、n−ヘキサン/塩化メチレン=4/1)で精製し、目的物(13)を収率78%(収量32.4mg)で得た。
以下に分析値を示す。
1H-NMR(200 MHz,CDCl3)
1.26(s,3H),1.27(t,2H,J=7.1Hz),1.56(d,1H,J=5.4Hz),2.05(dd,1H,J=5.4,8.0 Hz),4.13(dq,2H,J=1.2,7.1Hz),5.06(ddd,1H,J=1.2,1.9,10.1Hz),5.18(dd,1H, J=1.9,17.1Hz),5.58(ddd,1H,J=8.0,10.1,17.3Hz)
IR(NaCl)
3090,2980,2960,2940,2870,1730,1640,1470,1450,1410,1380,1330,1280,1230, 1180,1150,1070,1040,990,910,840,730cm-1
【0067】
【発明の効果】
本発明に従うと、式(2)のβ−シリルエチルスルホキシド化合物と式(3)のα,β−不飽和エステル化合物から式(1)のシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物、更に式(1)シリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物から式(4)のシリルビニル基を有する環状エステル化合物及び式(5)のビニル環状エステル化合物を容易に製造することができる。

Claims (4)

  1. 式(2)
    Figure 0003879141
    〔式中、Arは置換されていてもよいアリール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。) を意味し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立にC1〜C4アルキル基又はフェニル基を意味する。〕で表わされるβ−シリルエチルスルホキシド化合物を、式(3)
    Figure 0003879141
    〔式中、W1、W2、W3、Z1及びZ2はそれぞれ独立に置換されていてもよいC1〜C6アルキル基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子を意味する。)又は置換されていてもよいアリール基(該置換基としては、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、 フェニル基、ハロゲン原子を意味する。)を意味し、Xはハロゲン原子を意味 し、nは1〜6の整数を意味する。〕で表わされるα,β−不飽和エステル化合物と、塩基の存在下反応させることを特徴とする、式(1)
    Figure 0003879141
    〔式中、Ar、R1、R2、R3、W1、W2、W3、Z1、Z2及びnは前記に同じ。〕で表わされるシリルエチルスルホキシ基を有する環状エステル化合物の製造方法。
  2. β−シリルエチルスルホキシド化合物が光学活性体である請求項1記載の製造方法。
  3. α,β−不飽和エステル化合物が4−ブロモクロトン酸エチルである請求項1記載の製造方法。
  4. α,β−不飽和エステル化合物が4−ブロモ−4−メチル−2−ペンテン酸エチルである請求項1記載の製造方法。
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