JP3840359B2 - 自走式破砕機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョークラッシャ、インパクトクラッシャ、ロールクラッシャ、及びシュレッダ等、被破砕物を破砕する破砕装置を備えた自走式破砕機に関し、さらに詳しくは、ホッパを本体フレームの一方側に配置するとともに動力体及びコンベアを本体フレームの他方側に配置した自走式破砕機に関する。
【0002】
【従来の技術】
破砕機は、例えば、ビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな建設廃材・産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を、運搬する前にその作業現場で所定の大きさに破砕するものである。
【0003】
このような破砕機において、破砕プラントの用地確保の困難化あるいは用地の分散化等の背景に基づき、破砕機を自力走行可能として機動性を持たせた自走式破砕機が既に提唱されている。この自走式破砕機は、走行装置で自走すると共に、本体フレームの長手方向一方側(前方側)に設けたホッパに投入された被破砕物を破砕装置に導入して破砕し、その破砕物をコンベアで搬出する。
【0004】
またこの自走式破砕機では、通常、前記走行装置、前記破砕装置、及び前記コンベアを動作させるための動力を供給する動力源(油圧アクチュエータへの油圧源となる油圧ポンプ、及びこの油圧ポンプを駆動するエンジン等)を、前記本体フレームの前方側に配置した前記ホッパとの重量バランスやあるいは油圧ショベル等の他の機械によるホッパへの被破砕物投入時における干渉防止等の観点に基づき、前記本体フレームの長手方向他方側(後方側)に設けた1つの動力体(パワーユニット)に集中配置している。
【0005】
また、近年の自走式破砕機においては、例えば特開平5−115809号公報に記載のように、前記コンベアも前記本体フレームの後方側に設け、破砕物を後方側に搬出するようになっている。このような構造とすることにより、前記コンベアが前記油圧ショベル等によるホッパへの被破砕物投入作業の邪魔になることがなく、また被破砕物を自走式破砕機の3方向からホッパへ投入することが可能となり、しかも破砕物を被破砕物から離れた場所に搬出することができる。したがって、作業現場のレイアウトの自由度が高くなるというメリットが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、自走式破砕機の破砕装置としては、動歯を固定歯に対して揺動させることにより被破砕物の破砕を行うジョークラッシャや、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に岩石・建設廃材等を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより岩石・建設廃材等をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)や、複数個の刃物を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃及び反発板との衝突を用いて岩石・建設廃材等を衝撃的に破砕する破砕装置(いわゆるインパクトクラッシャ)や、木材、枝木材、建設廃木等の木材をカッタを備えたロータに投入することにより細片にする木材破砕装置等、種々のものがあるが、いずれも、前記動力源からの動力をアクチュエータ(例えば油圧モータ)に供給してアクチュエータを回転駆動させ、その回転運動を用いて被破砕物の破砕を行っている。そのため、破砕装置は、上記回転により振動を発生することとなる。
【0007】
特に、破砕装置として前記ジョークラッシャを用いる場合には、前記動歯の揺動運動に対し慣性力を付与するためのフライホイールを設けるのが通常である。そして、このフライホイールの回転中心に対し前記動歯を偏心して接続すると共に、フライホイールにはその偏心接続に対応する位置に重量を偏らせたおもり部を設け、これによってこの偏心接続構造における重量バランスをとるようになっている。しかしながら、この重量バランスを完全にとるのは困難であるため、実際はわずかな重量アンバランスが存在しており、そのためフライホイールの回転によって偏心構造に由来する振動が生じざるを得ない。すなわち、ジョークラッシャの場合は、構造上、他の破砕装置に比べて特に大きな振動が発生しやすい構造となっている。
【0008】
ここで、自走式破砕機は、走行装置によって作業現場で自由に移動可能であり地面に対して固定されていない(非固定物である)ため、上記破砕装置の振動が自走式破砕機全体に及んで全体が振動しやすくなる傾向がある。
【0009】
一方、1990年代に入ってから建設廃棄物の発生量は年々増加しているが、これをとりまく環境は年々厳しくなってきており、再生資源促進法(いわゆるリサイクル法)が平成3年(1991年)10月より施行され、建設副産物の再利用が義務づけられる方向にある。このような背景の下、被破砕物として、例えば、ビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊など、建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建設廃材あるいは産業廃棄物等も加わりつつあり、自走式破砕機の被破砕物の量が増加する傾向にある。
【0010】
このような背景の下、近年の自走式破砕機は、次第に大型化する傾向にある。その主たる要因は、大きく分けて次の2つである。
【0011】
(1)コンベアの長尺化
一般に、コンベアは、搬出側(後方側)端部の地上からの高さが低いと、破砕作業開始後短時間のうちにコンベア後方側端部下方の空間が破砕物で埋まってしまい、以降の破砕作業が不可能となり、作業を一旦中断しなければならない。これにより、破砕作業全体の連続処理性及び円滑性が損なわれ、作業効率が低下することとなる。逆に、コンベアの搬出側端部の高さ方向位置が高いと、搬出落下させる破砕物を大量に山積み状態として保留(ストック)することができるので、作業効率を向上することができる。また、その高さ方向位置がある程度高いと、破砕物を他の作業機械、例えばホイールローダ等で運搬可能になるというメリットもある。
【0012】
従来の自走式破砕機では、前記コンベアの搬送方向長さはそれほど長くなく、そのままでは搬出側端部の高さ方向位置を高くするのが困難であったため、コンベアの下流側に別途定置式の2次コンベアを設け、これによって前記自走式破砕機のコンベアで搬出された破砕物をさらにより高くかつ遠くへ搬送する場合が多かった。
【0013】
ところが、この場合、自走式破砕機を移動するたびにその定置式の2次コンベアをも併せて移動しなければならず、その移動作業が面倒であり機動性が低下していた。そこで、近年の自走式破砕機では、前記特開平5−115809号公報にも開示されているように、コンベアの搬出方向長さを長くする(併せて搬送方向を途中で1度曲げるように変える屈曲形状とすることもある)ことにより、機動性を低下させることなく破砕作業全体の作業効率を向上させている。
【0014】
このように、コンベアの搬送方向への長尺化により、自走式破砕機全体の走行前後方向の寸法は大型化する傾向となっている。
【0015】
(2)フィーダの採用
従来の自走式破砕機では、ホッパに投入された被破砕物を直接破砕装置へ落下導入する場合が多かったが、この場合、ホッパ内への投入量の大小によって破砕装置へ送り込まれる被破砕物の量が変化することとなり、破砕装置の破砕能力に対して過小供給や過剰供給が生じていた。また、ホッパ内に被破砕物が詰まって破砕装置へ送り込めない場合もあった。そのため、破砕装置での安定した破砕を確保できず、破砕効率の向上が困難であり、生産性が低かった。
【0016】
そこで、近年の自走式破砕機では、前記特開平5−115809号公報にも開示されているように、ホッパと破砕装置との間に、ホッパで受け入れた被破砕物を駆動力を利用し破砕装置に搬送するフィーダを設ける傾向となっている。これにより、その駆動力を適宜設定する又は制御することで、被破砕物の投入量に関係なく破砕装置の破砕能力や破砕状況に応じ破砕装置への被破砕物供給量を調整でき、過小供給や過剰供給を防止して常に適正な量の被破砕物を供給できるようになっている。また、直接破砕装置へと導いていた場合のような供給途中での被破砕物詰まりの発生が防止されている。これにより、ホッパから破砕装置への円滑かつ安定的な被破砕物の供給を確保し、破砕装置での破砕効率を向上し、高い生産性を実現している。
【0017】
このように、フィーダの採用によっても、自走式破砕機全体の高さ方向あるいは走行前後方向の寸法が大型化する傾向となっている。
【0018】
ここにおいて、上記(1)(2)等の理由により大型化する傾向にある自走式破砕機にあっては、前述した破砕作業時における自走式破砕機全体の振動増大の問題がより顕著になってきている。例えばコンベアやパワーユニット等自走式破砕機の端部側にある機器・部材が大きく揺れて変形や破損が生じる可能性が懸念される。また、自走式破砕機全体が大きく振動すると、その振動は走行装置を介し地盤にも伝達されることから、周囲環境へ騒音・振動等の悪影響を与える可能性が懸念される。
【0019】
本願発明者等の検討によれば、上記のように自走式破砕機が大型化した場合に、破砕作業時に自走式破砕機全体の振動が増大する原因として、次の2つがあることが分かった。
▲1▼破砕装置の回転中心が走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上からずれていると、破砕装置の振動が走行装置の前方側・後方側とで不均等に分配され(すなわちいずれかに偏る)、その影響によって自走式破砕機全体の振動が増大する。
▲2▼被破砕物を投入した状態の自走式破砕機全体の重心位置が走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上からずれていると、破砕装置の振動に基づき自走式破砕機全体の振動が増大する。
【0020】
上記特開平5−115809号公報に記載の従来技術では、上記2つの点のいずれにも特に配慮されておらず、破砕装置の回転中心が走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上から前方側にずれており、破砕装置の振動が走行装置の前方側・後方側へ均等には分配されない。また特に明示はないが、重心位置が上記鉛直線上に一致するような配置にもなっていない。そのため、破砕作業時の安定性を確保し振動を抑制するのが困難となる。
【0021】
なお、特開昭63−77553号公報に記載の自走式破砕機では、破砕装置の回転中心を走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上(鉛直断面内)にほぼ一致させているように見える。しかしながら、この自走式破砕機は、上記(1)で述べた長尺コンベアや上記(2)で述べたフィーダを備えておらず、さらに被破砕物受入手段としてホッパのように貯留機能のないシュートしか備えていない(=すなわち破砕処理量が比較的少ない)ことからも明らかなように、上述した大型化傾向となる以前の小型の自走式破砕機である。そのため、そもそも上記の安定性の課題が顕著に生じるものではなく、その課題に配慮する必要はなかった。
【0022】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、破砕作業時の安定性を確保でき、振動を抑制できる自走式破砕機を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するために、本発明は、走行装置で自走すると共に、本体フレームの長手方向一方側に設けたホッパに投入された被破砕物をフィーダを介し破砕装置に導入して破砕し、その破砕物をコンベアで前記本体フレーム長手方向の他方側へと搬出し、かつ、前記走行装置、前記フィーダ、前記破砕装置、及び前記コンベアを動作させるための動力を、前記本体フレームの前記長手方向他方側に配置した動力体の動力源から供給する自走式破砕機において、前記破砕装置は、固定歯とこの固定歯に対して揺動して前記被破砕物の破砕を行う動歯と、前記動歯の揺動運動に対し慣性力を付与するためのフライホイールと、このフライホイールの回転軸に設けられ前記動歯に連結する偏心軸とを備え、前記フライホイールの回転軸の中心を、前記走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上にほぼ位置させたことを特徴とする。
【0024】
破砕作業時における自走式破砕機全体の振動を考える場合、破砕装置の振動の走行装置前方側・後方側への配分を考慮するのが有効な方策の1つである。本発明においては、フライホイールの回転軸の中心を、前記走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上にほぼ位置させることにより、破砕装置において回転により生じる振動を、走行装置の前方側と後方側とでほぼ均等に分配して地面に伝えることができる。これにより、破砕作業時における安定性を確保し自走式破砕機全体の振動を抑制することができる。したがって、過度の振動により構成機器・部材に変形や破損が生じるのを防止でき、また周囲環境へ騒音・振動等の悪影響を与えるのを防止できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式破砕機の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態の自走式破砕機の全体構造を表す側面図であり、図2は図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【0043】
これら図1及び図2において、この自走式破砕機は、例えば油圧ショベルのバケット等の作業具により被破砕物(例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな建設廃材・産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等、以下適宜、岩石・建設廃材等という)が投入され、その岩石・建設廃材等を受け入れるホッパ1、このホッパ1に受け入れた岩石・建設廃材等を所定の大きさに破砕し下方へ排出する破砕装置、例えばジョークラッシャ2、及び前記ホッパ1に受け入れた岩石・建設廃材等をジョークラッシャ2へと搬送し導くフィーダ3を搭載した破砕機本体4と、この破砕機本体4の下方に設けられた走行体5と、前記ジョークラッシャ2で破砕され下方へ排出された破砕物を受け入れて破砕機の後方側(後述するトラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向の他方側、図1中右側)に運搬し搬出するコンベア6と、このコンベア6の上方に設けられコンベア6上を運搬中の破砕物に含まれる磁性物(鉄筋等)を磁気的に吸引除去する磁選機7とを有する。
【0044】
前記の走行体5は、トラックフレーム8と、その下部に設けられた走行装置9とを備えている。前記トラックフレーム8は、例えば略長方形の枠体によって形成され前記破砕装置2、前記ホッパ1、及び後述のパワーユニット24等を載置する破砕機取付け部8Aと、この破砕機取付け部8Aと前記の走行装置9とを接続する脚部8Bとから構成される。また走行装置9は、前記脚部8Bに回転自在に支持された駆動輪10a及びアイドラ10bと、これらの間に掛け渡された無限軌道履帯11とを備えており、駆動輪10a側に設けられた左・右走行用油圧モータ12によって駆動力が与えられることにより破砕機を自走させるようになっている。
【0045】
前記のホッパ1は、前記フィーダ3とともに、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向(図1中左右方向)一方側(破砕機前方側、すなわち図1中左側)端部の上方に搭載されている。
【0046】
前記のジョークラッシャ2は、前記ホッパ1及びフィーダ3よりも破砕機後方側(図1中右側)に位置しており、図1に示すように、トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向ほぼ中間部上に搭載されている。このとき、図1に示すように、動歯2aを備えたスイングジョー2bの上端部を、回転軸(エキセントリックシャフト)2cに偏心させて取り付けている。また、エキセントリックシャフト2cの両側は、ブラケット2dによって回転自在に軸支され、さらにその両端部に、慣性力を付与する(増大させる)ためのフライホイール14が取り付けられている。
【0047】
そして、クラッシャ用油圧モータ13(図2参照)で発生した駆動力を、ベルト(図示せず)及び前記フライホイール14を介し前記エキセントリックシャフト2cに伝達して回転させ、このエキセントリックシャフト2cの回転によって前記スイングジョー2bの上端部を偏心回転運動させることにより、前記動歯2aを固定歯2eに対し前後に揺動運動させ、フィーダ3より供給された岩石・建設廃材等を所定の大きさに破砕するようになっている。
【0048】
前記のフィーダ3は、図1に示すように、トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向一方側(図1中左側)端部近傍に設けたフィーダフレーム15上に搭載されており、その略直上に前記ホッパ1が位置している。また、このフィーダ3は、いわゆるグリズリフィーダと称されるものであり、フィーダ用油圧モータ16で発生した駆動力によって、ホッパ1からの岩石・建設廃材等を載置する複数枚(この例では2枚)の鋸歯状プレート3a(図2参照)を含む底板部を加振する。このような構造により、ホッパ1に投入された岩石・建設廃材等を順次ジョークラッシャ2に搬送供給する(=搬送機能)とともに、その搬送中において岩石・建設廃材等中に含まれる細粒や細かい土砂等を前記鋸歯状プレート3aの鋸歯の隙間からシュート17(図1参照)を介し下方に落下させ前記コンベア6上へ導入するようになっている。すなわち、前記鋸歯状プレート3aの鋸歯の隙間の大きさよりも小さな粒度の岩石・建設廃材等をふるい落とすことにより、上記隙間の大きさ以上の粒度の岩石・建設廃材等を選別するという選別機能も併せて備えている。
前記のコンベア6は、コンベア用油圧モータ20(図2参照)によってベルト6aを駆動し、これによって前記ジョークラッシャ2から前記ベルト6a上に落下してきた破砕物及び前記シュート17を介した細粒落下物(未破砕)を運搬するようになっている。
【0049】
またこのコンベア6は、搬送側(言い換えれば破砕機後方側、図1中右側)の部分が支持部材18a,18bを介しパワーユニット24(詳細は後述)に取りつけたアーム部材19に吊り下げ支持されている。また、反搬送側(破砕機前方側、図1中左側)の部分は、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aよりも下方に位置し、支持部材(図示せず)を介し前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aから吊り下げられるように支持されている。これにより、コンベア6は、図1に示すように、パワーユニット24の外縁部(後端部)24aの下方空間を、搬出方向(図1中右方)に斜めに立ち上がるように配置されている。そして、前記支持部材18aは、前記コンベア6が前記パワーユニット24に最も接近する箇所、すなわち前記コンベア6の搬送方向中間部6bと前記パワーユニット外縁部(後端部)24aとをほぼ最短距離で結ぶように連結している。
【0050】
前記の磁選機7は、支持部材21を介し前記アーム部材19に吊り下げ支持されており、前記のコンベアベルト6aの上方にこのコンベアベルト6aと略直交するように配置された磁選機ベルト7aを、磁選機用油圧モータ22によって磁力発生手段(図示せず)まわりに駆動することにより、磁力発生手段からの磁力を磁選機ベルト7a越しに作用させて磁性物を磁選機ベルト7aに吸着させた後、コンベアベルト6aと略直交する方向に運搬してそのコンベアベルト6aの側方に落下させるようになっている。
【0051】
ここで、上記破砕装置2、フィーダ3、コンベア6、磁選機7、及び走行装置9は、この自走式破砕機に備えられる動力源、すなわち原動機としてのエンジン(図示せず)及びこのエンジンによって駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ(同)からの動力によって駆動される。前記油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び流量を制御するコントロールバルブを備えた制御棒装置(図示せず)を介し、前記破砕用油圧モータ13、前記フィーダ用油圧モータ16、前記コンベア用油圧モータ20、前記磁選機用油圧モータ22、及び前記左・右走行用油圧モータ12へと供給され、これによってこれら油圧モータ13,16,20,22,12が回転駆動する。
【0052】
そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び制御弁装置は、いずれも、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向他方側端部の上部にパワーユニット積載部材23(図1参照)を介し搭載されたパワーユニット24内に設けられている。このパワーユニット24は、図1に示したように、ジョークラッシャ2よりさらに破砕機後方側(図1中では右側)に位置している。
【0053】
このパワーユニット24の破砕機後方側(図2中右側)の領域には、前記油圧ポンプと、前記エンジンと、このエンジンの冷却水を冷却するラジエータを備えた熱交換器装置とが、破砕機の幅方向(図2中上下方向、前記トラックフレーム8の短手方向)に並設されている。
【0054】
一方、パワーユニット24の破砕機前方側(図2中左側)の領域には、前記エンジンの燃料タンク(その給油口25のみを図2に図示)と、前記動力としての圧油(作動油)を貯留する作動油タンク(その給油口26のみを図2に図示)と、制御弁装置27と、運転席28とが、この順序で破砕機幅方向右側(図2中上側、前記トラックフレーム8短手方向一方側)から左側(図2中下側、前記トラックフレーム8短手方向一方側)へ向かって並設されている。
【0055】
ここで、前記の運転席28は、操作者が搭乗する区画であり、操作者がこの運転席28に立つことにより、破砕作業中においてフィーダ3による岩石・建設廃材等の供給状況やジョークラッシャ2による破砕状況をある程度監視することができるようになっている。この運転席28には、前記制御弁装置に備えられた左・右走行用コントロールバルブ(図示せず)を切り換え操作して前記左・右走行用油圧モータ12の駆動速度を制御するための操作手段、例えば左・右操作レバー29L,29Rが設けられている。
【0056】
なお、以上のパワーユニット24の各機器は、パワーユニット24の基礎下部構造をなすパワーユニットフレーム24b(図1参照)上に配置されており、このパワーユニットフレーム24bが、前記パワーユニット積載部材23(図1参照)を介し、前記トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向他方側(後方側)端部の上部に搭載されている。
【0057】
以上のような基本構成の本実施の形態の自走式破砕機において、最も大きな特徴は、まず第1に、破砕装置の配置位置である。
すなわち、図1において、前記ジョークラッシャ2は、エキセントリックシャフト2cの軸心位置(言い換えればジョークラッシャ2の回転中心位置)Aが、前記走行装置9の走行前後方向(=破砕機前後方向、図1中左右方向)中央部を通る鉛直線(鉛直断面)B、言い換えれば走行装置9や無限軌道履帯11を前半分と後半分とに2等分する鉛直線B上にほぼ位置している。
【0058】
また、本実施の形態の第2の特徴は、上述したホッパ1、ジョークラッシャ2、フィーダ3、コンベア6、磁選機7を含む自走式破砕機の各機器及びパワーユニット24の配置バランスである。
すなわち、ホッパ1、ジョークラッシャ2、フィーダ3、コンベア6、磁選機7を含む自走式破砕機の各機器及びパワーユニット24は、ホッパ1に被破砕物30(後述の図3参照)を投入しない状態(=図1の状態)では、自走式破砕機全体の重心位置Cが図1に示すように前記走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上よりも破砕機後方側(=ホッパ1と反対側)にずれた鉛直線B′上に位置するような重量バランスとなるように、互いに関連づけられて配置されている。
【0059】
そしてこのとき、さらにホッパ1、ジョークラッシャ2、フィーダ3、コンベア6、磁選機7を含む自走式破砕機の各機器及びパワーユニット24は、破砕作業時において図3に示すようにホッパ1に所定量(例えばホッパ容量に応じて予め想定し定める)の被破砕物30を投入積載した状態では、その被破砕物30の重量によって前記重心位置Cが破砕機前方側(=ホッパ1側)に移動して(例えば200mm程度)、前記走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上にほぼ位置することとなる(例えば、ずれ量が走行装置9の走行前後方向全長の5%以内となる)ように、互いに関連づけられて配置されている。
【0060】
上記において、トラックフレーム8が特許請求範囲各項記載の本体フレームを構成し、トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向がフレームの長手方向に相当し、トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向一方側(図1及び図2中左側)がフレームの長手方向一方側に相当し、トラックフレーム破砕機取付け部8Aの長手方向他方側(図1及び図2中右側)がフレームの長手方向他方側に相当する。また、パワーユニット24が動力体を構成する。
【0061】
次に、本実施の形態の動作を以下に説明する。
【0062】
上記図3に示したように、例えば油圧ショベルのバケット等によりホッパ1に被破砕物(=岩石・建設廃材等)30を投入すると、ホッパ1で受け入れられた岩石・建設廃材等30は、フィーダ3によって鋸歯状プレート3aの鋸歯間の間隙よりも小さなものが除かれつつ、ジョークラッシャ2へ搬送される。ジョークラッシャ2へ搬送された岩石・建設廃材等30は、ジョークラッシャ2で破砕され、その破砕物は、ジョークラッシャ2下部の空間からジョークラッシャ2下方のコンベア6上に落下し、コンベア6で運搬される。この運搬の途中で、コンベア6上方に配置された磁選機7によって例えばコンクリート塊に混入している鉄筋片等を吸着して取り除かれ、最終的にある程度大きさが揃えられて破砕機後部から搬出される。
【0063】
以上のような構成及び動作である本実施の形態の自走式破砕機によれば、以下のような効果を得る。
【0064】
(1)破砕作業時の安定性向上
(1−A)ジョークラッシャの回転中心位置設定による安定性向上
本実施形態のように破砕装置としてジョークラッシャ2を用いる場合には、前述したように、前記動歯2aの揺動運動に対し慣性力を付与するためのフライホイール14の回転中心(=エキセントリックシャフト2cの軸心位置)Aに対し前記動歯2aを偏心して接続する。また図1では詳細な図示を省略したが、通常、フライホイール14には上記偏心接続に対応する位置に重量を偏らせたおもり部を設け、これによってこの偏心接続構造における重量バランスをとるようになっている。しかしながら、この重量バランスを完全にとるのは困難であるため、実際はわずかな重量アンバランスが存在しており、そのためフライホイール14の回転によって偏心構造に由来する振動が生じざるを得ない。すなわち、ジョークラッシャ2の場合は、構造上、回転運動を行う破砕作業時に特に大きな振動が発生しやすい構造となる。
【0065】
ここで、本願発明者等の検討によれば、ジョークラッシャ2の振動の走行装置9前方側・後方側への分配を考慮するのが有効な方策の1つであることがわかった。つまり、ジョークラッシャ2の回転中心が、走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線Bから大きくずれていると、ジョークラッシャ2から発生する振動が走行装置9の前方側と後方側とで均等に分配されないため、自走式破砕機全体が比較的大きく振動(いわゆるバタツキ)してしまう。
そこで、本実施の形態においては、エキセントリックシャフト2cの軸心位置(=ジョークラッシャ2の回転中心)を、前記走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上にほぼ位置させている。これにより、ジョークラッシャ2において回転により生じる振動を、走行装置9の前方側と後方側とでほぼ均等に分配して地面に伝えることができる。これにより、破砕作業時における自走式破砕機全体の安定性を確保し、振動を抑制できる。したがって、過度の振動により構成機器・部材(例えば鉛直線Bから遠く離れた位置にあるコンベアやパワーユニット等)に変形や破損が生じるのを防止でき、また周囲環境へ騒音・振動等の悪影響を与えるのを防止できる。
【0066】
(1−B)自走式破砕機の重心位置設定による安定性向上
また、本願発明者等の検討によれば、自走式破砕機全体の振動を考える場合、その全体を1つのまとまっった質量系と見なしその重心位置Cを考慮することも有効である。つまり、自走式破砕機全体の重心位置Cが走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線Bから大きくずれていると、ジョークラッシャ2から発生する振動に基づき自走式破砕機全体が比較的大きく振動してしまう。
【0067】
但し、図1に示すような非作業状態のときに自走式破砕機全体の重心位置Cを前記鉛直線B上に仮に位置させたとしても、破砕作業中はホッパ1にその容量に応じた被破砕物30が存在しておりその重量により自走式破砕機全体の重心位置Cが前記鉛直線Bから離れてしまうため、破砕作業時の振動を防止することができない。
【0068】
本実施の形態においては、上記(1)に加え、図1に示したようにホッパ1に被破砕物30を投入しない状態では自走式破砕機全体の重心位置Cを前記走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上よりもホッパ1と反対側にずれた鉛直線B′内に位置するようにし、図3に示したようにホッパ1に所定量の被破砕物30を投入積載した状態でその重量により前記重心位置Cがホッパ1側に移動して前記鉛直線B上にほぼ位置するように予め設定配置する。
【0069】
これにより、破砕作業時における自走式破砕機全体の安定性をさらに向上でき、振動を十分に抑制できる。
(2)各機器・部材の耐久性向上
この効果を図4及び図5を用いて説明する。
【0070】
図1及び図2に示した本実施形態の自走式破砕機のように、コンベア6で破砕物を後方側に搬出するとともにパワーユニット(動力体)24もその後方側に設け、かつフィーダ3を設けるような自走式破砕機では、被破砕物をホッパ1に投入しない空車状態では、通常、自走式破砕機全体の重心位置Cが走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線Bよりも破砕機後方側に大きくずれる(すなわち図1の鉛直線B′よりももっと後方側へずれる)ことが多い。この場合、以下のような不都合がある。
【0071】
すなわち、一般に、自走式破砕機は、図4に示すように、その運搬時には自走してトレーラー31等の荷台32の上に登るが、その際には、地面33から荷台32後端部まで斜めに板部材34を掛け渡しておいて、その板部材34の上を前方(図4中左方)に走行しトレーラー31上に載置される場合が多い。つまり、まず最初に板部材34上を斜めに駆け上がるように走行した後、板部材34と荷台32後端部との接続位置35を通過し、さらに荷台32後端部からの略平坦面32a上を略水平に走行して荷台32上の所定位置まで至る。
【0072】
ここで、図4に示すように例えば自走式破砕機の重心位置Cが前記鉛直線Bから後方に大きくずれていると、その重心位置Cの下方位置Coが前記接続位置35を通過するまでは、その重心位置下方位置Coより前方側(図4中左側)の部分は前記斜めになった板部材34に沿って空中に突出するように浮き上がった状態であり(図4はまさにこの状態を示している)、重心位置下方位置Coが前記接続位置35を通過した直後に前記浮き上がった状態から下方に落下するように沈んで前記略平坦面32a上に着地することとなる。そのため、前記のように重心位置Cが破砕機後方側に大きくずれていると、その分、前記の空中に突出する部分の前後方向長さL0(図4参照)が大きくなりまた浮き上がり高さH0(図4参照)も大きくなるため、前記沈むように着地するときの衝撃が非常に大きくなり、自走式破砕機の各機器・部材の耐久性が低下して寿命が短くなる可能性がある。
【0073】
これに対して、本実施の形態においては、図1に示したように空車状態の自走式破砕機全体の重心位置Cを走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線Bに比較的近くできることにより、図5に示すように前記の空中に突出する部分の前後方向長さLや浮き上がり高さHを比較的小さい値とでき、前記沈むように着地するときの衝撃を低減できるので、自走式破砕機の各機器・部材の耐久性を向上し寿命を伸ばすことができる。
【0074】
なお、上記本発明の一実施の形態においては、ホッパ1に所定量の被破砕物30を投入積載した状態で前記重心位置Cが走行前後方向中央部を通る鉛直線B上にほぼ位置するようにし、かつジョークラッシャ2の回転中心位置Aが前記鉛直線B上にほぼ位置するようにしたが、上記(1−A)及び(1−B)で説明したように、これら条件の一方を満たすだけでも、上記(1)の効果を得ることができえることは言うまでもない。
すなわち、ホッパ1に所定量の被破砕物30を投入積載した状態で前記重心位置Cが前記鉛直線B上からずれていても、エキセントリックシャフト2cの軸心位置(ジョークラッシャ2の回転中心位置)Aが前記走行装置9の鉛直線B上にほぼ位置していれば足り、逆にエキセントリックシャフト2cの軸心位置Aが、前記走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上にほぼ位置からずれていても、ホッパ1に所定量の被破砕物30を投入積載した状態で前記重心位置Cが前記鉛直線B上に位置すれば足りる。これらのいずれの場合でも、破砕作業時の安定性を確保でき、振動を抑制できる。
また、上記本発明の一実施の形態においては、上記(1)で説明したように、基本的には、破砕作業時において自走式破砕機全体の安定性を確保でき、振動を十抑制できる。しかしながら、例えば1度破砕作業を行った後に、さらなる完全な振動抑制を行いたい場合があり得る。そこで、このような場合に備えて、図1及び図2に示した自走式破砕機の各機器・構成部材のうち少なくとも一部の重量分布を変えたり、あるいは設置位置を前後方向に微調整移動可能とし、これによって自走式破砕機全体の重心位置をさらに細やかに微調整可能とすることが考えられる。このような応用変形例としては、例えば以下の3つが考えられる。
▲1▼フライホイール偏重量調整
すなわち、フライホイール14の適宜の周方向位置に重量調整手段としてのおもりを取り付け、フライホイール14の偏重量分布を調整するものである。
【0075】
▲2▼ジョークラッシャ搭載位置の調整
すなわち、トラックフレーム破砕機取付け部8A上にジョークラッシャ2を搭載するときの位置を、何らかのスライド機構によって破砕機前後方向に微調整可能にしておくものである。
【0076】
▲3▼パワーユニット搭載位置の調整
すなわち、パワーユニット積載部材23上にパワーユニット24を搭載するときの位置を、何らかのスライド機構によって破砕機前後方向に微調整可能にしておくものである。この場合、通常は、パワーユニット積載部材23上面に設けた円孔にボルトを通してパワーユニットフレーム24bを締結する構造であることから、例えば前記円孔を破砕機前後方向に長軸を備えた長円(楕円)とすることで、前記搭載位置を容易に調整可能とできる。
【0077】
上記▲1▼〜▲3▼の応用変形例によれば、例えば1度破砕作業を行った後に、自走式破砕機全体の重心位置Cをさらに微調整し、被破砕物積載時に前記した走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線Bにさらに精密に近づけることができる。したがって、破砕作業時における自走式破砕機全体の安定性をさらに確実に向上し振動を抑制できる。
【0078】
また例えば、走行時(=非破砕作業時)には、ホッパ1に被破砕物がなくなる分そのままでは前述のように自走式破砕機全体の重心位置Cは破砕機後方側にずれることとなる(鉛直線B′上となる)が、上記▲1▼〜▲3▼の手法によって自走式破砕機全体の重心位置Cを前方側に微調整し前記鉛直線Bに近づければ、この空車状態での自走式破砕機全体の安定性を向上することもできる。これにより、走行時の走行安定性を向上できる。
【0079】
そしてこの場合には、上記(2)で説明したトレーラ荷台への登り走行時に関し各機器・部材の耐久性向上に関しさらに大きな効果を得ることができる。すなわち、上記▲1▼〜▲3▼の手法によれば上記のように空車状態での自走式破砕機全体の重心位置Cを前記鉛直線Bに近づけることができる。したがって、トレーラ荷台32への登り走行時に前記空中に突出する部分の前後方向長さLや浮き上がり高さHをさらに小さい値とできるので、自走式破砕機の各機器・部材の耐久性をさらに向上し寿命を伸ばすことができる。
【0080】
また、上記本発明の一実施の形態においては、破砕装置として動歯2aと固定歯2eとで破砕を行うジョークラッシャ2を備えた自走式破砕機を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装置、例えば、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に岩石・建設廃材等を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより岩石・建設廃材等をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)や、複数個の刃物を備えた打撃板を高速回転させ、この打撃板からの打撃及び反発板との衝突を用いて岩石・建設廃材等を衝撃的に破砕する破砕装置(いわゆるインパクトクラッシャ)や、木材、枝木材、建設廃木等の木材をカッタを備えたロータに投入することにより細片にする木材破砕機にも適用可能である。これらの場合には、フィーダ3を適宜省略しても良い。これらの場合にも同様の効果を得る。
但し、これら他の破砕装置の場合で、破砕に寄与する回転体の回転軸が2つ以上存在する場合は、「破砕装置の回転中心」とは、その破砕装置の回転によって生じる振動の抑制・防止に当たって最も適当な位置(すなわち破砕に係わる複数の回転体の理論上の重心位置)を考えれば良く、例えば回転軸が2つの場合はそれら2軸間の中点位置とし、回転軸が3つあって1つが他の2軸を結ぶ水平面の鉛直2等分横断面上にあった場合には、当該1つの回転軸の位置とすれば足りる。
【0081】
また、上記本発明の一実施の形態においては、フィーダ3として、油圧モータの駆動力を用いて、被破砕物を載置する複数枚の鋸歯状プレート3aを含む底板部を加振するグリズリフィーダを備えた自走式破砕機を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、他のタイプのフィーダ、例えば、ホッパから投入された被破砕物をホッパ下方に設けた略平板形状の底板に載置し、この底板を油圧モータで発生した駆動力に基づきベース駆動機構によって略水平方向に往復運動させることにより、後続の被破砕物の投入によって先行の被破砕物を底板上で順次押し出し、底板の前端から被破砕物を破砕装置へと順次供給するいわゆるプレートフィーダを備えた破砕機にも適用可能である。
【0082】
以上の説明から分かるように、本発明の根本的な技術思想は、破砕装置の回転中心を走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上になるべく近づけるようにするか、あるいは、破砕作業時においてホッパ1に被破砕物30を積載した状態で重心位置Cをなるべく走行装置9の走行前後方向中央部を通る鉛直線B上に近づけるようにすることにあり、これによって、破砕作業時の安定性を確保でき、振動を抑制できるようにするものである。
【0083】
本発明によれば、フライホイールの回転軸の中心を、走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上にほぼ位置させるので、破砕作業時における自走式破砕機全体の安定性を確保でき、振動を抑制できる。したがって、過度の振動により構成機器・部材に変形や破損が生じるのを防止でき、また周囲環境へ騒音・振動等の悪影響を与えるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の自走式破砕機の全体構造を表す側面図である。
【図2】図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【図3】図1に示した自走式破砕機の破砕作業中の様子を示した図である。
【図4】従来構造の自走式破砕機の運搬時における様子を示した図である。
【図5】図1に示した自走式破砕機の運搬時における様子を示した図である。
【符号の説明】
1 ホッパ
2 ジョークラッシャ(破砕装置)
2a 動歯
2c エキセントリックシャフト
2e 固定歯
3 フィーダ
6 コンベア
8 トラックフレーム(本体フレーム)
9 走行装置
14 フライホイール
24 パワーユニット(動力体)
30 被破砕物
A エキセントリックシャフトの軸心位置(破砕装置の回転中心)
B 走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線
C 自走式破砕機全体の重心位置

Claims (1)

  1. 走行装置で自走すると共に、本体フレームの長手方向一方側に設けたホッパに投入された被破砕物をフィーダを介し破砕装置に導入して破砕し、その破砕物をコンベアで前記本体フレーム長手方向の他方側へと搬出し、かつ、前記走行装置、前記フィーダ、前記破砕装置、及び前記コンベアを動作させるための動力を、前記本体フレームの前記長手方向他方側に配置した動力体の動力源から供給する自走式破砕機において、
    前記破砕装置は、固定歯とこの固定歯に対して揺動して前記被破砕物の破砕を行う動歯と、前記動歯の揺動運動に対し慣性力を付与するためのフライホイールと、このフライホイールの回転軸に設けられ前記動歯に連結する偏心軸とを備え、前記フライホイールの回転軸の中心を、前記走行装置の走行前後方向中央部を通る鉛直線上にほぼ位置させたことを特徴とする自走式破砕機。
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