JP3815861B2 - サーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法 - Google Patents

サーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動サーボモータによってスライドが駆動されるサーボプレスにおいて、周辺機器との連動時の高速作動を可能とするサーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレス機械には、クランク軸の回転動力をリンク機構により直線運動に変換されて駆動されるスライドを備えた機械式プレス、油圧シリンダにより直線駆動されるスライドを備えた油圧プレス、あるいは、電動サーボモータの回転動力により例えばボールネジ機構等を介して直線駆動されるスライドを備えたサーボプレスなどがある。そして、サーボプレスは、機械式プレスに比べてスライドの可動範囲を任意に設定可能なことや、油圧プレスに比べて駆動源がクリーンで、かつ、騒音が小さいことなどの理由によって、作業環境を重要視する産業分野に広く使用されている。
【0003】
一方、このようなサーボプレスや油圧プレスにおいては、材料搬入、搬送又は搬出等を行う周辺機器との連動運転を行うために、例えば、リミットスイッチ等の位置検出センサを設け、上下駆動されるスライドの位置を検出している。そして、所定の位置信号の検出順序に基づいてスライド移動方向を判断し、また、その検出位置によってスライド位置を判断し、これらの判断結果に基づいて所定のタイミングで材料の搬入指令、搬送指令等の信号を周辺機器に出力して連動運転を行っている。
【0004】
そして、上記位置検出センサの取り付け位置は、作業者が経験的に決めて設定している。例えば、コイル材の送給装置を制御しているコイルライン制御装置に対して、コイル材の送り開始を指令するときのスライド位置は、通常、サーボプレスのスライドが下限位置から上昇してコイル材の上面より所定距離上昇した位置、すなわち、コイル材の送り時に上型と干渉しない位置に設定されている。上記のコイル材送り開始の指令は、生産性を上げるために、出来るだけ早いタイミングで出力する必要があり、このため、上記送り開始を指令するリミットスイッチはコイル材上面になるべく近く設定される。このとき、コイル材の送り開始時に、スライドに取着された金型(つまり上型)にコイル材が引っ掛からないようにするため、コイル材の板厚のばらつきを考慮して、作業者が上記設定位置を経験的に決めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、従来のリミットスイッチ等の位置設定の方法はコイル材の板厚のばらつき等を考慮しなければならないので、余裕を持ってコイル材の上面より上方に設定されている。したがって、この余裕度が大きい場合には、コイル材送り開始指令、つまり周辺機器の起動指令を出力するタイミングが遅くなるので、コイル材供給装置等の周辺機器との連動加工システム全体での生産速度を上げることが困難となっている。また、加工対象のコイル材の板厚の変更に対応して、このリミットスイッチの位置を設定し直さなければならないので、段取り換え時の作業時間がかかるという問題がある。
さらに、サーボプレスは電動サーボモータの回転動力をボールネジ等を介して減速して加圧力を大きくすることによってスライド駆動を行う機構となっているので、サーボプレス自体の生産速度は機械式プレスよりも遅くなるのが一般的となっている。しかしながら、生産性向上の要求から、サーボプレスにおいても機械式プレスの生産速度になるべく近づけた生産速度で生産することが非常に重要な課題となっている。
【0006】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、周辺機器との連動加工システムでの生産速度を向上できるサーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電動サーボモータ4により駆動されて直動するスライド2を、コイル材15又はシート材等の素材を供給する周辺機器10と同期して連動運転し、この供給された素材の打ち抜き加工を行うサーボプレスの周辺機器制御装置において、
スライド2の位置を検出するスライド位置検出手段33と、
スライド2にかかる荷重を検出する荷重検出手段34と、
前記検出されたスライド位置のデータの増加又は減少の区別によって、スライド2の上昇行程又は下降行程の判別を行う上昇/下降行程判別手段37と、
前記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置をスライド位置検出手段33から入力し、この位置を前記素材の上面位置Cとして記憶する荷重発生位置検出手段41と、
スライド2の上昇行程のとき、かつ、スライド位置が前記上面位置Cの近傍に来たときに、前記周辺機器10に起動信号を出力する起動信号生成手段38とを備えた構成としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によると、サーボプレスの各ショット毎に、スライド荷重が増加開始したときのスライド位置に基づいて素材の上面位置を検出しているので、素材の板厚のばらつきに影響されずに確実に上面位置が検出される。そして、スライドが上昇行程中にこの上面位置に来たとき、周辺機器に起動信号が出力されるので、上型と素材との干渉を発生させずに早いタイミングで周辺機器を起動できる。したがって、1サイクル加工時間を短縮した周辺機器との連動運転が可能となり、全体としてサーボプレスの生産性を向上できる。さらに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、前記起動信号生成手段38が前記起動信号を出力するときのスライド位置は、上型5と素材の干渉、及び前記素材を上方から押さえるガイド17の素材上面からの許容距離を考慮した上昇余裕距離αだけ前記上面位置Cより上方にある位置Aとしている。
【0010】
請求項2に記載の発明によると、上型上昇時の素材の引っ掛かり、及びこの素材のガイドの素材上面からの許容距離等を考慮した上昇余裕距離αだけ素材上面位置より上方の位置にスライドが来たときに、周辺機器に起動信号が出力される。これによって、上記引っ掛かりが発生したり、あるいは、素材の平面度が悪くても、これらの影響による干渉を発生させずに早いタイミングで周辺機器を起動できる。したがって、1サイクル加工時間を短縮した周辺機器との連動運転が可能となり、全体としてサーボプレスの生産性を向上できる。さらに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、
前記荷重検出手段34により検出された荷重が所定の減少率以上で減少したときのスライド位置を打ち抜き位置として前記スライド位置検出手段33より入力し、この打ち抜き位置に基づいて素材の前記上面位置Cを算出して記憶する打ち抜き位置判断手段39を付設すると共に、
前記起動信号生成手段38は、この打ち抜き位置判断手段39から入力した前記上面位置Cに基づいて、前記周辺機器10に起動信号を出力するときのスライド位置を判断することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によると、サーボプレスの各ショット毎に、スライド荷重が所定の減少率以上で減少したとき打ち抜き発生とみなし、このときの打ち抜き位置に基づいて素材の上面位置を算出しているので、素材の板厚のばらつきには影響されずに確実に上面位置が検出される。そして、スライドが上昇行程中にこの上面位置の近傍に来たときに、周辺機器に起動信号が出力されるので、干渉を発生させずに早いタイミングで周辺機器を起動できる。したがって、1サイクル加工時間を短縮した周辺機器との連動運転が可能となり、全体としてサーボプレスの生産性を向上できる。さらに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化できる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記上昇/下降行程判別手段37の判別結果が下降行程のとき、かつ、前記荷重発生位置検出手段41が荷重の増加開始と判断したときに、コイル材を供給するコイルフィーダ14の送り用ローラを上昇させるフィーダリリース信号を出力するリリース信号生成手段43が付設された請求項1又は2記載のサーボプレスの周辺機器制御装置としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によると、スライドが下降行程中にスライド荷重増加開始位置に来たとき、すなわち荷重が発生したときは、上型がコイル材の上面に接触しているので、コイルフィーダの送り用ローラをリリース、つまり所定距離だけ上昇させる。これによって、打ち抜き時にコイル材を上記送り用ローラの押さえ力から開放し、コイル材に意図しない引っ張り力が掛かることを防止する。この結果、良好な加工品が得られる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、
前記荷重検出手段34は、前記電動サーボモータ4の駆動電流値から算出されるモータ出力トルクに基づいてスライド荷重を求めるようにしている。
【0016】
請求項5に記載の発明によると、スライドを駆動する電動サーボモータの駆動電流値からモータ出力トルクを算出し、この出力トルクに基づいて、サーボプレスが実際の加圧に要する加圧力として実作業トルクを求め、この実作業トルクからスライド荷重を求めることができる。これによって、スライド荷重が精度良く求められるので、このスライド荷重が増加開始するときのスライド位置に基づいて求められる素材の上面位置、あるいは、スライド荷重が所定の減少率以上に急激に減少するときのスライド位置に基づいて求められる打ち抜き位置をそれぞれ精度良く検出できる。したがって、この上面位置又は打ち抜き位置に基づいて、金型と素材との干渉が無く、かつ、周辺機器への起動指令を出力することが可能なスライド位置が精度良く算出され、このスライド位置で確実にスライドを一時停止できる。この結果、例えばコイルフィーダ等の周辺機器が素材の供給を開始したときの金型と素材との干渉が、確実に防止される。また、スライドの一時停止位置と下限位置との距離が板厚のばらつきに因らずに最短に設定されるので、各ショット毎の加工サイクル時間を最短化することができ、周辺機器との連動運転におけるサーボプレスの生産速度を機械式プレスと同等程度に向上することが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、直動するスライド2を、コイル材15又はシート材等の素材を供給する周辺機器10と同期して連動運転し、この供給された素材の打ち抜き加工を行うサーボプレスの周辺機器制御方法において、
スライド2にかかる荷重が増加開始するときのスライド位置を前記素材の上面位置Cとして記憶すると共に、スライド2の上昇行程のとき、かつ、スライド位置が前記上面位置Cの近傍に来たときに、前記周辺機器10に起動信号を出力する方法としている。
【0018】
請求項6に記載の発明によると、サーボプレスの各ショット毎に、スライド荷重が増加開始したときのスライド位置に基づいて素材の上面位置を検出しているので、素材の板厚のばらつきに影響されずに確実に上面位置が検出される。そして、スライドが上昇行程でこの上面位置に来たときに、周辺機器に起動信号が出力されるので、干渉を発生させずに早いタイミングで周辺機器を起動できる。したがって、1サイクル加工時間を短縮した周辺機器との連動運転が可能となり、全体としてサーボプレスの生産性を向上できる。さらに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチの位置を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わるサーボプレスの周辺機器制御装置及びその方法に関する実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、周辺機器10としてコイル材供給装置の例を示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、シート材を搬入又は搬出するロボット装置あるいはトランスファフィーダ装置等の場合にも適用できる。
【0020】
図1は、本発明に係わるサーボプレスとコイル材供給装置(以後、コイルラインと呼ぶ)との連動加工システムの一例の構成図を示している。
同図において、サーボプレス1の本体フレーム7の下部にはベッド9が設けられ、ベッド9の上部にボルスタ3が設置されている。また、本体フレーム7の上部後側には、スライド駆動手段4の一例として電動サーボモータ(以後、電動サーボモータ4と言う)が配設されており、本体フレーム7の上部前側の左右方向略中央部には、この電動サーボモータ4の回転動力を上下方向の直動に変換する例えばボールネジ等で構成される動力変換装置8が配設されている。そして、この電動サーボモータ4の出力回転軸は回転伝達部材4b(例えばベルトやギア等)を介して動力変換装置8の回転部(例えばボールネジのネジ部)上端と回転自在に連結されている。さらに、前記動力変換装置8の直動部(例えばボールネジのナット部)の下端で、かつ、ボルスタ3と対向した位置にスライド2が昇降自在に配設されている。このようにスライド2は電動サーボモータ4によって上下駆動されるようになっており、このスライド2の上下動に伴って、ボルスタ3の上面に取着された下型6と、スライド2の下面に取着された上型5との間でプレス加工が行われる。
【0021】
電動サーボモータ4の前記出力回転軸と反対側で、かつ、この出力回転軸と同軸上に、例えばエンコーダ等の速度センサ4aが取着されており、この速度センサ4aからの速度信号は後述するサーボアンプに入力されている。なお、電動サーボモータ4は、ACサーボモータ又はDCサーボモータのいずれで構成されてもよい。
【0022】
また、スライド2の後部側には、例えばリニアセンサよりなるスライド位置センサ23が配設されている。このスライド位置センサ23は、軸心方向がスライド2の移動方向と平行で、かつ、スライド2の後部に支持されたセンサロッド23aと、このセンサロッド23aに嵌挿され、かつ、本体フレーム7側に取着されたセンサヘッド23bとからなっている。そして、スライド2の上下動に伴ってセンサロッド23aがセンサヘッド23bに対して上下動し、これによって、センサヘッド23bの内部の位置検出部によりスライド2の位置がボルスタ3の上面からの高さとして検出されるようになっている。このスライド位置センサ23が検出した位置信号は後述するプレスコントローラ20に入力され、このプレスコントローラ20は前記位置信号に基づいて前記電動サーボモータ4を駆動してスライド2の位置を所定のモーションカーブに沿うように制御する。
【0023】
また、サーボプレス1の側方には、素材としてコイル材を供給するコイルライン10aが配設されている。このコイルライン10aは、コイルライン制御装置11とコイル材アンコイラー12とレベラー13とコイルフィーダ14とを備えている。コイル材アンコイラー12は、コイル材15が巻かれたリールを所定速度で回転させながら、コイル材をレベラー13及びコイルフィーダ14を介してサーボプレス1に供給する。レベラー13はこのコイル材15の曲がり方向の反対側から所定圧で押圧してこの曲がりくせを矯正しながらコイル材15を送給しており、コイルフィーダ14はこの矯正されたコイル材15を所定のタイミングでサーボプレス1の上型5と下型6間に搬入する。そして、コイルライン制御装置11は、サーボプレス1の作動を制御している後述のプレスコントローラ20との間で信号を送受信して連動の同期をとっており、上記コイル材アンコイラー12、レベラー13及びコイルフィーダ14の各機器に所定のタイミング信号を出力している。
【0024】
図2は、本発明に係わるサーボプレスの周辺機器制御装置のハード構成ブロック図を示している。
モータ電流センサ24は電動サーボモータ4の駆動電流値を検出しており、例えばシャント抵抗の両端の電圧降下を検出して駆動電流値を検出するようになっている。この駆動電流値に比例した大きさの検出信号は後述のプレスコントローラ20に入力され、プレスコントローラ20はこの駆動電流値に基づいて電動サーボモータ4の出力トルクを算出し、この出力トルクから実作業トルクを算出する。この実作業トルクは、前記コイル材15をプレス加工するための電動サーボモータ4の実質的な加圧力に等しい。
また、スライド位置センサ23は前述のようにスライド2の高さ方向の位置を検出し、この検出したスライド位置信号はプレスコントローラ20に入力されている。
【0025】
さらに、このプレスコントローラ20には、上方余裕量設定スイッチ21及び操作モードスイッチ22が付設されている。
上方余裕量設定スイッチ21は、プレスコントローラ20がコイルライン制御装置11にフィーダ搬送開始指令(つまり起動指令であり、以後起動指令と言う)を出力するときのスライド位置の、コイル材15の上面からの上昇余裕距離αを設定するものであり、この上昇余裕距離αの設定値はプレスコントローラ20に入力される。図3は、この上昇余裕距離αの説明図であり、金型(上型5と下型6)の近傍を一部断面の側面図で示している。同図において、板厚Tのコイル材15が矢印16の方向にフィードされ、上型5と下型6間に供給されている。この供給時にコイル材15がばたついても所定の供給経路から外れないように、下型6の上方にガイド17が設けられており、このガイド17によってコイル材15を上方及びフィード方向左右から押さえ込んでガイドしている。矢印Zはスライド2の上昇行程での動作を示しており、上昇行程で上型5は下限位置Lから上限位置Uまで上昇しているとする。このとき、上型5の下端部がコイル材15の上面位置Cから上方に上昇余裕距離αだけ上昇したときに、プレスコントローラ20は前記起動指令を出力するようにしている。この上昇余裕距離αは、コイル材15の送り開始のときにコイル材15が上型5に引っ掛からないようにするための余裕度や、下型6に配設され、かつ、コイル材搬入時にコイル材を当接させて位置決めさせるパイロット18の上方逃げに要する距離、あるいは、上記起動指令に対するコイルフィーダ14の応答遅れ時間等を考慮して設定される。当然のことながら、上記の引っ掛かりやパイロット18の逃げ距離等を考慮する必要がない場合には、上昇余裕距離αを零に設定、つまり上面位置Cで起動指令を出力してもよい。なお、本発明においては、後述するように、コイル材15の上面位置Cは各ショット毎にスライド荷重値に基づいて求められている。
【0026】
また、操作モードスイッチ22はプレス操作モードを選択でき、少なくとも、コイルライン10aなどの周辺機器との連動が可能な連動モード等の生産モードを選択可能となっている。選択されたモード信号は、プレスコントローラ20に入力される。
【0027】
プレスコントローラ20は、例えばマイクロコンピュータを主体にした一般的なコンピュータ制御装置で構成されている。プレスコントローラ20の内部には、前記上昇余裕距離αの設定値や前記モーションカーブのモーション設定値等を記憶するメモリ20aが設けられている。プレスコントローラ20は、前記各センサの検出信号、上方余裕量設定スイッチ21からの設定値データ及び操作モードスイッチ22からのモード信号を入力し、後述する所定の演算及び判定処理を行っている。そして、この処理結果に基づいて、スライド2が予め設定された所定のモーションカーブに沿って、すなわち、スライド位置とスライド速度と経過時間との関係を設定したモーションカーブに沿って作動するようにサーボアンプ28へ速度指令を出力したり、コイルライン制御装置11と各制御信号を送受信したり、あるいは、後述の設定値表示器27に上昇余裕距離αの設定値や前記上面位置Cの検出データ等を表示させる。
【0028】
サーボアンプ28は、プレスコントローラ20からの前記速度指令に基づいて電動サーボモータ4を制御する。すなわちサーボアンプ28は、この速度指令と、前記速度センサ4aにより検出したモータ回転速度のフィードバック値との速度偏差が小さくなるように電動サーボモータ4の駆動電流(モータ出力トルクに相当する)を制御する。これにより、スライド2は前記モーションカーブに沿って制御される。サーボアンプ28はサーボモータを駆動する一般的なサーボアンプにより構成することができ、例えば演算増幅器等を使用したアナログサーボ回路や、あるいは、コンピュータ又はディジタル信号処理IC(いわゆる、DSP)等を主体にしたディジタルサーボ回路により構成することができる。
【0029】
また、設定値表示器27は、プレスコントローラ20からの表示指令に基づいて、前述のように上昇余裕距離αの設定値や前記上面位置Cの検出データ等を表示でき、例えば液晶やEL等のグラフィック表示器や、LED表示素子等でなるキャラクタ表示器などで構成することができる。
【0030】
また、送受信回路26はコイルライン制御装置11との制御信号の送受信を行うためのインターフェース回路であり、例えば、シリアル通信回路や、パラレルI/O回路、又は、データバス通信回路等によって構成することができる。
【0031】
以上のようなハード構成によって周辺機器との連動運転を制御する際、前記起動指令をコイルライン10aに送信するタイミングの判断は、次に述べるような異なる2つの方法で可能となる。
まず、第1実施形態として、スライド荷重が急激に増加することを検出して上型5がコイル材15の上面に当接するスライド位置を検出し、これによって算出された上面位置Cから上記タイミングを判断する方法を説明する。
【0032】
図4には第1実施形態における周辺機器制御装置の機能構成ブロック図を示しており、同図に基づいて各機能構成を説明する。
上方余裕量設定手段31は、前記上方余裕量設定スイッチ21によって入力された前記上昇余裕距離αの設定値を取り込んでメモリ20aの所定エリアに記憶する。なお、この上昇余裕距離αの設定値の入力手段は、上方余裕量設定スイッチ21に限定されず、例えば、上位コンピュータ等のような他の制御装置からの通信などによることもできる。
また、操作モード設定手段32は、操作モードスイッチ22からモード信号を入力し、モード信号が周辺機器10との連動を行うための連動モード信号の時はこの連動モード信号を出力演算手段46に出力している。なお、この操作モード設定手段32は、操作モードスイッチ22からのモード信号に限らず、例えば上位コンピュータ等の他の制御装置からの通信によってモード信号を入力するようにしてもよい。
【0033】
スライド位置検出手段33は、スライド位置センサ23からの位置信号を入力してこの位置信号に基づいてスライド位置を求め、このスライド位置データを上昇/下降行程判別手段37、起動信号生成手段38、打ち抜き位置判断手段39、荷重発生位置検出手段41、リリース信号生成手段43及び出力演算手段46にそれぞれ出力する。
【0034】
また、荷重検出手段34は加圧加工時にコイル材15から反力を受けてスライド2にかかる荷重を検出しており、本実施形態では、荷重として、スライド2を駆動する電動サーボモータ4の実作業トルクに基づいて検出している。この実作業トルクは、電動サーボモータ4の出力トルクの内、実際の加圧加工に要する加圧力に相当するものである。実作業トルクの演算は、例えば以下のようにして行われる。
【0035】
荷重検出手段34は予め、加速又は減速トルクを算出するための負荷イナーシャ定数、定速を維持するトルクを算出するための速度抵抗トルク比例定数、摩擦トルク定数、及び、モータ駆動電流と出力トルクとの関係を表すトルク定数等の各定数データを記憶しておく。そして、加速時又は減速時には、必要な加速度値又は減速度値と上記の各定数データとに基づいて必要なモータ出力トルクを求め、モータ電流センサ24で検出した駆動電流値に基づいて実際のモータ出力トルクを算出し、この実際のモータ出力トルクから前記求めた必要なモータ出力トルクを差し引いて、加減速時の実作業トルクを算出する。定速時も、同様にして、この時維持すべき速度値と上記各定数データとに基づいて必要なモータ出力トルクを求め、この時検出した駆動電流値に基づいて算出した実際のモータ出力トルクから前記求めた必要なモータ出力トルクを差し引いて、定速時の実作業トルクを算出する。そして、この実作業トルクとスライド2の加圧力との関係を予め求めて記憶しておき、加工時に検出された駆動電流値に基づいて実作業トルクを求め、この実作業トルクからスライド2の加圧力を演算することができる。
【0036】
なお、スライド2にかかる荷重の検出は、上記のように駆動電流値から求めるモータ出力トルクによる方法に限定されずに、例えばサーボプレス1の本体フレーム7の歪みを歪みゲージセンサによって検出し、この歪みの大きさに基づいてスライド荷重値を算出することも可能である。
【0037】
フィーダ送り完入力手段36は、コイルフィーダ14によるコイル材15の供給が完了したとき、コイルライン制御装置11からデータ通信等によってフィーダ送り完了信号を入力する。このフィーダ送り完了信号は、起動/停止判断手段45に出力され、スライド2を再起動する指令となる。
【0038】
また、上昇/下降行程判別手段37は、スライド位置検出手段33から入力するスライド位置データの時間的な増加又は減少の区別に基づいて、スライド2が上昇行程か又は下降行程かを判別し、この判別結果を出力する。
また、荷重発生位置検出手段41は、荷重検出手段34により検出された荷重値の大きさに基づいて、コイル材15の上面に上型5が接触したときのスライド位置を検出している。ここで、コイル材15の上面に上型5が接触したか否かを荷重値により判断する方法について、図5に基づいて説明する。同図にはスライド2のモーションカーブとスライド荷重との関係を表すタイムチャートが示されており、横軸は経過時間を表し、また縦軸はスライド位置とスライド荷重値を表している。同図に示すように、スライド2が所定の低速度で下降中に(図示では、位置Bから下限位置Lの間)上型5がコイル材15の上面に接触すると、スライド2が下降するに伴ってスライド荷重値は徐々に増加して行く。したがって、この荷重値が増加開始した時点を荷重発生と判断することができる。上記荷重発生位置検出手段41は、荷重値が増加開始したとき荷重発生信号を出力すると共に、荷重発生時点でのスライド位置をスライド位置検出手段33から入力し、このスライド位置をコイル材15の上面位置Cと判断し、メモリ20aの所定エリアに記憶しておく。
【0039】
起動信号生成手段38は、荷重発生位置検出手段41から上記上面位置Cの位置データを入力すると共に、上方余裕量設定手段31から上昇余裕距離αの設定データを入力し、両データに基づいて、周辺機器(ここでは、コイルライン制御装置11)に起動信号を出力すべき位置A(図3を参照)を求める。ここで、位置Aの位置データA0 は、以下の数1によって算出される。
【数1】
A0 =C+α
さらに、起動信号生成手段38は、上昇/下降行程判別手段37から入力する行程判別結果が上昇行程のときに、スライド位置検出手段33から入力するスライド位置を上記位置Aと比較し、スライド2が位置Aより上に上昇したとき、周辺機器起動信号を出力する。そして、起動信号出力手段42はこの周辺機器起動信号を受けてコイルライン制御装置11に送受信回路26を介して送信する。
【0040】
また、打ち抜き位置判断手段39は、荷重検出手段34により検出された荷重値の大きさに基づいて、コイル材15が打ち抜かれたときのスライド位置を検出している。ここで、荷重値により打ち抜きが発生したか否かを判断する方法について、図5に基づいて説明する。同図において、上型5がコイル材15の上面に接触した後、スライド2が下降するに伴ってスライド荷重値は徐々に増加して行き、下限位置Lの手前の位置H1 (通常は、コイル材15の板厚の略中間位置)に来て打ち抜きが発生すると、荷重値が所定の減少率以上に急激に減少して行く。したがって、上記打ち抜き位置判断手段39はこの荷重値が急激に減少する時点を打ち抜き発生と判断するようにしており、この判断情報を出力する。また、このときの位置H1 をスライド位置検出手段33から入力してメモリ20aの所定エリアに記憶する。
【0041】
リリース信号生成手段43は、荷重発生位置検出手段41から前記荷重発生信号を入力すると共に、上昇/下降行程判別手段37から前記行程判別結果を入力し、行程が下降行程で、かつ、荷重発生信号を入力したときは、コイルフィーダ14のコイル材15の送り用ローラを所定距離だけ上昇させるフィーダリリース信号をリリース信号出力手段44に出力する。また、打ち抜き位置判断手段39から打ち抜き発生の判断情報を入力したときは、上記フィーダリリース信号の出力を停止する。そして、リリース信号出力手段44は、このフィーダリリース信号を受けてコイルライン制御装置11に送受信回路26を介して送信する。
【0042】
また、起動/停止判断手段45は、起動信号生成手段38が前記周辺機器起動信号を出力したとき、すなわち、スライド2が前記位置Aまで上昇したとき、スライド2を一時停止させるための停止指令を出力演算手段46に出力する。そして次に、フィーダ送り完入力手段36からフィーダ送り完了信号を入力したとき、スライド2を再起動させて所定のモーションカーブに沿って移動するようにスライド起動指令を出力演算手段46に出力する。
【0043】
出力演算手段46は、操作モード設定手段32により設定されたプレス操作モードが連動モードのとき、起動/停止判断手段45からスライド起動指令を入力すると、予め設定された所定のモーションカーブに沿ってスライド2が所定速度で移動するように、スライド位置を監視しながら、電動サーボモータ4の速度指令値を演算してサーボアンプ28に出力する。これにより、スライド駆動手段(ここでは、電動サーボモータ)4の位置及び速度が制御される。ここで、この所定のモーションカーブは、前記一時停止時の位置Aを上限位置として位置Aから直ちに下降するように設定されている。また、起動/停止判断手段45から前記停止指令を入力したときは、出力演算手段46はスライド2を一時停止させる速度指令を出力し、次に前記スライド起動指令を入力するまで前記位置Aにてスライド2を待機させる。
【0044】
図6に本実施形態に係わる周辺機器制御装置の制御フローチャートを示しており、同図に基づいて制御方法を説明する。なお、ここでは、各処理ステップ番号はSを付して表している。
まず、S1で(上昇/下降行程判別手段37)現在の行程が下降行程か否かを判断し、下降行程のときはS2に処理を移行し、そうでないとき、つまり停止又は上昇行程のときはS7に処理を移行する。S2では(荷重発生位置検出手段41)荷重が発生したか、すなわち、荷重が増加開始したか否かを判断し、荷重が発生してないときは発生するまでS2の処理を繰り返して待つ。そして、荷重が発生したときはS3で、その時点のスライド位置を入力して上面位置Cとして記憶する。次に、S4で(リリース信号生成手段43)フィーダリリース信号を出力し、この後S5で(打ち抜き位置判断手段39)打ち抜きが発生したか否かを判断し、発生してないときは発生するまでS5の処理を繰り返して待つ。そして、打ち抜きが発生したときは、S6で(リリース信号生成手段43)フィーダリリース信号の出力を停止する。そして、S1に戻って以上の処理を繰り返す。このとき、打ち抜き後にスライドの上昇行程に入り、S1からS7に移行する。
【0045】
S7では(起動信号生成手段38)、現在のスライド位置Pが数式「P≧C+α」を満足するか、すなわち、前記記憶した上面位置Cから上昇余裕距離αだけ上方にある位置Aまで上昇したか否かを判断する。数式「P≧C+α」を満足してないときは、満足するまでS7を繰り返して待ち、満足するときは、S8で(起動信号生成手段38)周辺機器起動信号を出力すると共に、S9で(起動/停止判断手段45)スライド2の停止指令を出力する。これによって、コイルフィーダ14がコイル材15の供給を開始すると共に、(出力演算手段46)スライド2は前記位置Aで待機する。次に、S10で(起動/停止判断手段45)フィーダ送り完入力手段36がコイルライン制御装置11からのフィーダ送り完了信号を受信したか否かを判断し、受信してないときは、受信するまでS10を繰り返して待る。そして、受信したときはS11で、モーションカーブに従って位置Aから直ちに下降させるスライド起動指令を出力して再起動すると同時に、前記周辺機器起動信号の出力を停止する。これにより、(出力演算手段46)スライド2はモーションカーブに沿って駆動され、コイルフィーダ14は送給停止する。そして、S11の後、スライド2の下降行程となるので、S1に戻ってから再びS2に処理が移行し、この後以上の処理を繰り返す。
【0046】
次に、図7〜図8に基づいて第2実施形態を説明する。
本実施形態では、荷重が所定の減少率以上に急激に減少することを検出して打ち抜き発生時のスライド位置を検出し、これによって算出された上面位置Cに基づいて、起動信号をコイルライン制御装置11に送信するタイミングを判断する方法を説明する。
ここで、本実施形態における構成は図1及び図2と同様とする。
【0047】
また、図7は本実施形態に係わる周辺機器制御装置の機能構成ブロック図を示している。同図において、前実施形態における図4と同じ機能構成には同一の符号を付してあり以下の説明を省く。ここでは、起動信号生成手段38は、判断のための上面位置Cを算出する際に打ち抜き位置判断手段39からの打ち抜き発生信号に基づいているので、この算出方法の異なる点のみを説明する。
【0048】
打ち抜き位置判断手段39は、前述と同様にして、荷重検出手段34により検出された荷重値が急激に減少したとき打ち抜き発生と判断し、このときのスライド位置を打ち抜き位置H1 として検出してメモリ20aの所定エリアに記憶しておく。この打ち抜き位置H1 の位置データは、起動信号生成手段38に出力される。
【0049】
そして、起動信号生成手段38は、荷重発生位置検出手段41から上記打ち抜き位置H1 の位置データを入力すると共に、上方余裕量設定手段31から上昇余裕距離αの設定データを入力し、両データに基づいて、起動信号を出力すべき位置Aの位置データA1 を次の数2によって算出する。
【数2】
A1 =H1 +β+α
ここで、βはコイル材15の標準板厚Tの半分の値としている。すなわち、通常、打ち抜きは板厚の略中間位置で発生するものと考えられるので、打ち抜き位置H1 より距離βだけ上方の位置を上面位置Cとみなし、これよりさらに上昇余裕距離αだけ上方の位置を上記位置Aとしている。さらに、起動信号生成手段38は、行程が上昇行程のときに現在のスライド位置をこの位置Aと比較し、スライド2が位置A以上に上昇したとき、周辺機器起動信号を出力する。
【0050】
図8に本実施形態の制御フローチャート例を示しており、同図に基づいて制御方法を説明する。本制御フローチャートにおいては、前記図6と同じ処理内容のステップに同一のステップ番号を付してあり、以下異なる処理内容のみを詳細に説明する。
まず、S1で(上昇/下降行程判別手段37)現在の行程が下降行程か否かを判断し、下降行程のときは前実施形態と同様にS2〜S6の処理を実行し、そうでないときはS7aに処理を移行する。なお、S6では(打ち抜き位置判断手段39)、打ち抜き発生時のスライド位置を打ち抜き位置H1 として記憶しておく。S7aでは(起動信号生成手段38)、現在のスライド位置Pが数式「P≧H1 +β+α」を満足するか、すなわち、数式「H1 +β」で算出される上面位置Cから上昇余裕距離αだけ上方にある位置Aより上にスライドが上昇したか否かを判断する。数式「P≧H1 +β+α」を満足してないときは、満足するまでS7aを繰り返して待ち、満足するときは、前実施形態と同様にS8〜S11の処理を実行する。
【0051】
以上説明したように、サーボプレスの各ショット毎に、スライド荷重が増加開始したときのスライド位置、又は、スライド荷重が所定の減少率以上で減少した、すなわち打ち抜きが発生したときのスライド位置を求めることによって素材の上面位置を検出しているので、素材の板厚のばらつきに影響されずに確実に上面位置が検出される。そして、スライドが上昇行程中にこの上面位置近傍(つまり、位置A)に到達したとき、周辺機器に起動信号が出力されるので、上型5と素材との干渉を発生させずに早いタイミングで周辺機器を起動できる。このとき、この起動信号を出力する位置は上記上面位置から上方に所定の上昇余裕距離αだけ上昇した位置に設定され、また、この上昇余裕距離αは、コイル材15の送り開始のときにコイル材15が上型5に引っ掛からないようにするための余裕度や、下型6に配設された素材搬入位置決め用のパイロット18の逃げに要する距離、あるいは、上記起動信号に対する周辺機器(例えば、コイルフィーダ14)の応答遅れ時間等を考慮して設定される。なお、上記の引っ掛かりやパイロット逃げ距離等を考慮する必要がない場合には、上昇余裕距離αを零に設定してもよい。
【0052】
したがって、素材の板厚のばらつきに影響されずに、スライド2が素材の上面位置C近傍まで上昇したときに直ちに周辺機器を起動するので、周辺機器の停止時間が短くなる。また、スライド2の上限位置つまり上面位置C近傍の位置Aから下限位置までの距離を板厚のばらつきに左右されずに最短にすることができるので、サーボプレス1の1サイクル加工時間の短縮化が可能となる。この結果、サーボプレス1と周辺機器10との連動運転において、全体としてサーボプレス1の生産性を向上できる。さらに、素材の板厚が変わる毎にリミットスイッチ等の位置を設定し直す作業が不要となるので、段取り換え時間を短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサーボプレスの連動加工システム例の構成図を示す。
【図2】本発明に係わるサーボプレスの周辺機器制御装置のハード構成ブロック図を示す。
【図3】本発明に係わる周辺機器制御装置の上昇余裕距離の説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態の周辺機器制御装置の機能構成ブロック図を示す。
【図5】本発明に係わるモーションカーブとスライド荷重との関係を表すタイムチャートを示す。
【図6】本発明に係わる第1実施形態の制御フローチャート例を示す。
【図7】本発明の第2実施形態の周辺機器制御装置の機能構成ブロック図を示す。
【図8】本発明に係わる第2実施形態の制御フローチャート例を示す。
【符号の説明】
1…サーボプレス、2…スライド、3…ボルスタ、4…スライド駆動手段(電動サーボモータ)、4a…速度センサ、5…上型、6…下型、7…本体フレーム、8…動力変換装置、9…ベッド、10…周辺機器、10a…コイルライン、11…コイルライン制御装置、12…コイル材アンコイラー、13…レベラー、14…コイルフィーダ、15…コイル材、17…ガイド、18…パイロット、20…プレスコントローラ、20a…メモリ、21…上方余裕量設定スイッチ、22…操作モードスイッチ、23…スライド位置センサ、24…モータ電流センサ、26…送受信回路、27…設定値表示器、28…サーボアンプ、31…上方余裕量設定手段、32…操作モード設定手段、33…スライド位置検出手段、34…荷重検出手段、36…フィーダ送り完入力手段、37…上昇/下降行程判別手段、38…起動信号生成手段、39…打ち抜き位置判断手段、41…荷重発生位置検出手段、42…起動信号出力手段、43…リリース信号生成手段、44…リリース信号出力手段、45…起動/停止判断手段、46…出力演算手段。

Claims (6)

  1. 電動サーボモータ(4) により駆動されて直動するスライド(2) を、コイル材(15)又はシート材等の素材を供給する周辺機器(10)と同期して連動運転し、この供給された素材の打ち抜き加工を行うサーボプレスの周辺機器制御装置において、
    スライド(2) の位置を検出するスライド位置検出手段(33)と、
    スライド(2) にかかる荷重を検出する荷重検出手段(34)と、
    前記検出されたスライド位置のデータの増加又は減少の区別によって、スライド(2) の上昇行程又は下降行程の判別を行う上昇/下降行程判別手段(37)と、
    前記検出された荷重が増加開始するときのスライド位置をスライド位置検出手段(33)から入力し、この位置を前記素材の上面位置(C) として記憶する荷重発生位置検出手段(41)と、
    スライド(2) の上昇行程のとき、かつ、スライド位置が前記上面位置(C) の近傍に来たときに、前記周辺機器(10)に起動信号を出力する起動信号生成手段(38)とを備えたことを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御装置。
  2. 請求項1記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、前記起動信号生成手段(38)が前記起動信号を出力するときのスライド位置は、上型(5) と素材の干渉、及び前記素材を上方から押さえるガイド(17)の素材上面からの許容距離を考慮した上昇余裕距離( α) だけ前記上面位置(C) より上方にある位置(A) であることを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御装置。
  3. 請求項1又は2記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、
    前記荷重検出手段(34)により検出された荷重が所定の減少率以上で減少したときのスライド位置を打ち抜き位置として前記スライド位置検出手段(33)より入力し、この打ち抜き位置に基づいて素材の前記上面位置(C) を算出して記憶する打ち抜き位置判断手段(39)を付設すると共に、
    前記起動信号生成手段(38)は、この打ち抜き位置判断手段(39)から入力した前記上面位置(C) に基づいて、前記周辺機器(10)に起動信号を出力するときのスライド位置を判断することを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御装置。
  4. 前記上昇/下降行程判別手段(37)の判別結果が下降行程のとき、かつ、前記荷重発生位置検出手段(41)が荷重の増加開始と判断したときに、コイル材を供給するコイルフィーダ(14)の送り用ローラを上昇させるフィーダリリース信号を出力するリリース信号生成手段(43)が付設されたことを特徴とする請求項1又は2記載のサーボプレスの周辺機器制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のサーボプレスの周辺機器制御装置において、
    前記荷重検出手段(34)は、前記電動サーボモータ(4) の駆動電流値から算出されるモータ出力トルクに基づいてスライド荷重を求めることを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御装置。
  6. 直動するスライド(2) を、コイル材(15)又はシート材等の素材を供給する周辺機器(10)と同期して連動運転し、この供給された素材の打ち抜き加工を行うサーボプレスの周辺機器制御方法において、
    スライド(2) にかかる荷重が増加開始するときのスライド位置を前記素材の上面位置(C) として記憶すると共に、スライド(2) の上昇行程のとき、かつ、スライド位置が前記上面位置(C) の近傍に来たときに、前記周辺機器(10)に起動信号を出力することを特徴とするサーボプレスの周辺機器制御方法。
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