JP3812190B2 - 半導体レーザの劣化検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザの劣化検出装置に係り、特に、デジタル複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置に使用される半導体レーザの劣化検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザプリンタや電子写真複写機等の画像形成装置は、図5に示すように、帯電装置52によって表面が一様に帯電された感光体60上を、走査装置50によって画像データに基いて変調されたレーザ光を走査することにより静電潜像を形成し、得られた静電潜像にトナー供給装置52によってトナーを供給して顕像化した後、転写部54において記録紙などの記録媒体48上に転写し定着ローラ55によって定着させる、いわゆる電子写真方式によって画像を形成している。
【0003】
転写後の感光体60の表面は、クリーニング部56によってクリーニングされて再び帯電装置52によって表面が一様に帯電され、上述の処理が繰り返される。
【0004】
レーザビームを感光体上に走査する光走査装置50は、図6に示すように、半導体レーザであるレーザダイオード26(以下、LD26と称する。)、コリメータレンズ28、ポリゴンミラー36、fθレンズ40、反射ミラー42、シリンダミラー44から構成されている。
【0005】
LD26は、画像データに基いて変調された点滅タイミングに応じてレーザ光を出力する。LD26からのレーザ光はコリメータレンズ28を介してポリゴンミラー36に入射する。
【0006】
ポリゴンミラー36は、モータ駆動基板38上に固定された図示しない駆動モータによって等角速度で回転される。この回転によってポリゴンミラー36に入射したレーザ光の反射角が変更されるので、結果として感光体上の一方向に沿ってレーザ光が主走査されることとなる。
【0007】
fθレンズ40は、ポリゴンミラー36の回転に伴って照射位置が変わるレーザ光の焦点位置を同一平面上とし、且つ、レーザ光が等速度で前記同一平面上を主走査するように集光する。
【0008】
fθレンズ40を介したレーザ光は、反射ミラー42により反射されてシリンダミラー44に入射し、シリンダミラー44によって図示しない感光体上に導かれるように光路が偏向される。なお、近年では、LD26、コリメータレンズ28、ポリゴンミラー36、fθレンズ40、反射ミラー42、シリンダミラー44をユニット化したROS(Raster Output Scanner)が提案されている。
【0009】
一般に、このような構成の光走査装置において、画像の書き出しタイミングを得るために、主走査開始位置に受光素子から構成されるスタートオブスキャンセンサ32(以下、SOSセンサ48と称す。)が設けられている。
【0010】
レーザ光の主走査開始位置に対応した光路中には、画像の書き出しタイミング調整用の反射ミラー46が設けられており、SOSセンサ48は、反射ミラー46で反射されたレーザ光が入射する位置に配置されている。したがって、画像の書き出しタイミングは、SOSセンサ48の検知信号の立下りをスタート信号とし、SOSセンサ48の検知信号の立下り時からクロックをカウントすることにより得ている。
【0011】
また、このような光走査装置において、LD26からのレーザ光の光出力値を一定の光出力値に維持するために、1走査間で自動出力調整(APC;オートパワーコントロール)が行なわれている。
【0012】
このAPC制御は、LD26からの光を受光し、受光量に応じた電流を出力するフォトダイオード(以下、PDと称す。)の電流を電圧変換して得られるモニタ電圧と、一定の光出力値に対応する所望の電圧参照値(Vref)とを逐次比較し、常に電圧参照値(Vref)になるようにLD26の駆動電流を調整する制御である。この制御によって、画像書き込みの光出力値を必要な光出力値に制御することができる。レーザプリンタや複写機においては、一般的にこのようなAPC制御がなされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、光源として使用するLDは、図7に示すように、どのような温度環境下に置かれていてもある閾値電流Ithまではレーザ発振せずにLED発光領域(自然発光領域)となっているため、光出力値Poもほとんど増加しないが、閾値電流Ithを越えるとレーザ発振を開始するため、LDに与えられる駆動電流の大きさに比例してレーザ光の光出力値Poが大きくなるという特性(I‐L特性)を有している。
【0014】
そのため、LD故障はAPC制御時に決定される駆動電流の増加率により判断することができる。一般に、LD故障は、図8に示すように、3つのタイプ(タイプ1〜タイプ3)に分類することができる。なお、図8では、縦軸に一定の光出力値を得るために必要な駆動電流If、横軸にLD点灯時間hを取り、初期の駆動電流値Ifaの1.5倍の駆動電流値Ifbを故障判断基準としている。
【0015】
タイプ1の故障は、短い点灯間で急激に電流が増大して故障判断基準の駆動電流値を越えるタイプであり、製造工程に起因して生じる初期故障である。このタイプ1の故障が生じる主要因は、LDの共振器ミラー傷などの光吸収部形成不良、LDの活性層内部の暗部(ダークスポットなど)、電極短絡などのLD製造時の欠陥である。
【0016】
また、タイプ2は、機械使用中に突然発生して、急激に電流が増大して故障判断基準の駆動電流値を越えるタイプであり、LDに誤って静電気を印加したり、過電流を印加したことにより、共振器ミラー破壊を引き起こしたり、LDの共振器ミラー製造時に存在する微小な欠陥などによる光吸収部増殖に起因して起こる。
【0017】
さらに、タイプ3は、磨耗故障に属するものであり、LDチップ製造時に基板面から熱により格子欠陥がLDの活性層内部に転移移動するなど、LDの活性層内部に格子不整合により暗部を形成することに起因するもので、いずれも電流注入−発光効率が徐々に悪化していく現象である。
【0018】
これら3つのタイプのLD故障のうち、タイプ1のLD故障は、バーンインなどのスクリーニングで取り除くことが可能である。また、タイプ3のLD故障は、レーザプリンタ、複写機などに利用する際、必要な装置寿命に対し問題のないように設計を行なうことにより回避できる。
【0019】
すなわち、タイプ1のLD故障とタイプ3のLD故障は或る程度回避することができるが、機械の使用中に突然発生するタイプ2のLD故障は全く予測できないため回避することが難しく、また、このタイプ2のLD故障が発生すると機械の動作が停止するため、画像データの消失など大きな問題となる。
【0020】
したがって、タイプ2のLD故障を早期に検知することは非常に重要であり、従来では、特開平3−1883181号公報のように、LDに与えられる駆動電流の変動に対するLDの光出力変動の比率である微分効率ηの変化の検出による劣化判断法が提案されている。
【0021】
この劣化判断法は、微分効率ηがLDの正常時には温度変化にほとんど依存せずに一定となるが、LDの経時変化の程度に応じて変化することを利用した方法であり、LDが経時変化する前の微分効率ηを初期微分効率η0として予め求めて記録部に格納しておき、装置が立ち上げられたとき、或は、LDの劣化状態をチェックする必要が生じたときに、現在の状態のLDから演算される微分効率ηを記録部に記録された初期微分効率η0と比較して、演算された微分効率ηが許容範囲から外れた場合は、劣化と判断する方法である。
【0022】
しかしながら、特開平3−1883181号公報に開示された方法では、LDが正常な状態では微分効率ηは温度変化に依存しないとしているが、実際には、LDの微分効率ηは、図9に示すように、温度変化に伴なって変化し、温度が上昇するに従って微分効率ηは低下する。
【0023】
図9は、複数のLDについての微分効率ηの変化を15℃〜60℃の範囲で調べた結果を示す。図9では、一例として、2つのLD(LD#1、LD#2)の微分効率ηの変化及び代表値Typicalの微分効率ηの変化を示している。なお、この温度範囲は、光走査装置を組み込む画像出力装置の設置温度を10℃〜35℃としたとき、LDが配置される光走査装置内の温度変化の範囲が15℃〜60℃となることから決定されている。
【0024】
この温度変化の範囲(15℃〜60℃;X軸方向の範囲)において、LDの製造ロットの違いによる微分効率ηのバラツキ(Y軸方向の範囲)は、図9に示すように、1点鎖線内で示す0.1〜0.6の範囲となる。代表値Typicalは、1点鎖線内で示す0.1〜0.6の範囲内の全てのLDの温度に対する微分効率ηの変化を平均化した値であり、温度が15℃のとき、微分効率ηは0.4、温度が60℃のとき微分効率ηは0.25となる。
【0025】
具体的には、LD#1で示す例では、温度が15℃のとき微分効率ηは0.5で、温度が60℃のとき微分効率ηは0.15となる。また、LD#2で示す例では、温度が15℃のとき微分効率ηは0.55で、温度が60℃のとき微分効率ηは0.42となる。
【0026】
ここで、温度の変動によってバラツキが生じている場合について、LD#1を使用した光学走査装置を考えたときの上記特開平3−1883181号公報に則した劣化判断基準について考えてみる。
【0027】
まず、LD#1の温度が15℃のときに微分効率ηを測定し、微分効率ηが0.4の初期値を得る。この値に対し、微分効率ηが半減した場合(微分効率η=0.2)を劣化基準と仮定する。
【0028】
次に、LD#1の温度が60℃のときの微分効率ηを測定する。得られた微分効率ηは0.15となる。すなわち、LD#1の温度が60℃のときの微分効率ηは劣化基準である0.2よりも低い0.15にまで変化するため、60℃近傍で微分効率に基いた劣化判断を行うと、LD自身は劣化していないにもかかわらず、劣化状態と判断されてしまう。
【0029】
この場合、誤検知を避けるためには、(微分効率η/初期微分効率η0)<(LDの温度に対する微分効率ηのバラツキ範囲の最低値/LDの温度に対する微分効率ηのバラツキ範囲の最高値)=0.1/0.6≒0.17とする必要がある。
【0030】
ところで、従来の故障の判断基準となる駆動電流値は初期駆動電流値の1.5〜3倍であり、これは、測定された微分効率ηが初期微分効率η0の2/3〜1/3に低下するまで、故障として判断しないことを意味している。
【0031】
図10は、機械の使用中に発生するタイプ2のLD故障とLDの磨耗により発生するタイプ3のLD故障における初期微分効率η0に対する微分効率ηの比とLD点灯時間hとの関係を示している。
【0032】
測定された微分効率ηが初期微分効率η0の2/3〜1/3程度まで低下した状態では、初期微分効率η0に対する微分効率ηの比は0.67〜0.34となり、図10からわかる様に、すでに故障している状態となっている。すなわち、図10より少なくとも初期微分効率η0に対する微分効率ηの比が0.7(すなわち、微分効率ηが初期微分効率η0の7割程度となった状態)になるまでに劣化状態(故障発生前)であると判断しなくては意味がなく、従来の判断基準ではこれを満たす事ができない。
【0033】
このように、従来の半導体レーザ劣化検出装置では、半導体レーザの製造ロットの違いによる微分効率ηのバラツキ及び、温度による微分効率ηの変動によって、半導体レーザの劣化状態の検出に必要な精度を確保できず、市場でのトラブル発生を未然に防ぐことがはできない。
【0034】
以上のことから本発明は、温度による微分効率ηの変動や半導体レーザの製造ロットの違いによる微分効率ηのバラツキに左右されずに、半導体レーザの劣化状態を早期に判断可能な半導体レーザの劣化検出装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の半導体レーザの劣化検出装置は、半導体レーザが配置された環境の温度を検知する温度検知手段と、駆動電流の変動に対する劣化前の半導体レーザの光出力変動の比率である初期微分効率と半導体レーザが配置された環境の温度との関係を表す初期微分効率特性を用いて、前記検知された温度における初期微分効率を算出する初期微分効率算出手段と、前記温度検知手段により検知された温度において半導体レーザに与えられる駆動電流の変動に対する半導体レーザの光出力変動の比率である微分効率を演算する演算手段と、前記初期微分効率に対する前記微分効率の比が所定値以上で、且つ、前記比と予め定めた期間以前の初期微分効率に対する前記微分効率の比との比が予め定めた一定値未満のときに半導体レーザが劣化していると判断する劣化判断手段と、を備える。
【0036】
すなわち、請求項1の発明では、初期微分効率算出手段は、初期微分効率特性を用いて初期微分効率を算出している。すなわち、初期微分効率特性は、駆動電流の変動に対する劣化前の半導体レーザの光出力変動の比率である初期微分効率と、半導体レーザが配置された環境の温度とを一対一で対応付けたものであり、初期微分効率算出手段は、温度検知手段が検知した温度と対応する初期微分効率を初期微分効率特性から求めることによって、半導体レーザが配置された環境の温度での初期微分効率を算出する。
【0037】
また、演算手段は、前記温度検知手段により検知された温度での半導体レーザの微分効率を、半導体レーザに与えられる駆動電流の変動に対する半導体レーザの光出力変動の比率から演算する。劣化判断手段は、初期微分効率に対する微分効率の比が所定値以上で、且つ、該比と予め定めた期間以前の初期微分効率に対する微分効率の比との比が予め定めた一定値未満のときに半導体レーザが劣化していると判断する
【0038】
すなわち、請求項1の発明では、半導体レーザが配置された環境の温度変化に応じて算出される初期微分効率と半導体レーザの微分効率とに基いて劣化判断手段が劣化状態かどうかを判断するため、半導体レーザが配置された環境の温度変化に伴なって初期微分効率が変動しても、常に精度のよい劣化判断ができる。
【0039】
なお、劣化判断手段は、更に、請求項2のように、前記初期微分効率に対する前記微分効率の比が前記所定値未満のときに劣化と判断するとよい。
【0040】
なお、劣化判断手段は、請求項2のように、前記初期微分効率に対する前記微分効率の比が所定値未満のときに劣化と判断するとよい。
【0041】
また、初期微分効率特性は、請求項3のように、前記初期微分効率特性は、半導体レーザの製造時または半導体レーザを使用する光学装置の製造時に算出するとよい。
【0042】
さらに、請求項1〜請求項3に記載の半導体レーザの劣化検出装置では、請求項4のように、前記劣化判断手段は、前記初期微分効率に対する前記微分効率の比が前記所定値以上で、且つ、前記比と予め定めた期間以前の初期微分効率に対する前記微分効率の比との比が予め定めた一定値未満のときに劣化と判断するようにしてもよい。
【0043】
また、請求項〜請求項のいずれか1項に記載の半導体レーザの劣化検出装置では、請求項のように、前記劣化判断手段は、半導体レーザの使用時間が増加するに従って前記所定値を大きくするようにしてもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の半導体レーザの劣化検出装置の実施の形態の概略構成を示す説明図である。図1に示すように、この半導体レーザの劣化検出装置は、温度検知手段である温度計12と、CPU14とROM16とRAM18とを含む判断部10とから構成されており、判断部10は本発明の初期微分効率算出手段、演算手段及び劣化判断手段を構成する。
【0045】
温度計12は、LD26が配置された環境と同じ環境下に設けられており、LD26が配置された環境の温度を測定して入出力ポートに入力する。温度計12により測定された温度データは、A/D変換器11によってデジタルデータに変換された後、入出力ポート20を介して一旦RAM18に記憶される。
【0046】
判断部10の入出力ポート20の出力側には、D/A変換器22、半導体レーザ駆動回路24(以下、LD駆動回路24と称す。)、半導体レーザ26(以下、LD26と称す。)が順に接続されている。
【0047】
D/A変換器22は、後述するCPUから出力されたデジタルデータをアナログデータに変換してLD駆動回路24に出力する。LD駆動回路24は、入力されたアナログデータに基いてLD駆動電流を生成してLD26に供給する。LDは、供給された駆動電流の大きさに対応する光強度のレーザ光を照射する。
【0048】
判断部10の入出力ポート20の入力側には、A/D変換器34、I/V変換器32、フォトダイオード30(以下、PD30と称す。)が順に接続されると共に、温度計12が接続されている。
【0049】
PD30は、LD26からのレーザ光を受光すると、受光したレーザ光の光出力値に応じた大きさの電流をモニタ電流としてI/V変換器32に出力する。
【0050】
I/V変換器32は、入力されたモニタ電流を電圧値に変換しアナログ電圧としてA/D変換器34に出力する。A/D変換器34は、入力されたアナログ電圧をデジタルデータに変換して判断部10の入出力ポート20に入力する。
【0051】
判断部10を構成するCPU14は、ROM16に記憶されている初期微分効率特性を呼び出し、RAM18に記憶された温度に対応した初期微分効率η0を算出する。
【0052】
ここで、ROM16に記憶されている初期微分効率特性について説明する。この初期微分効率特性は、レーザ走査装置の製造ラインでレーザ光源を組み込む際に記憶されたものであり、例えば、以下のように算出される。
【0053】
まず、図2に示すように、ROSに組み込まれたLD26の環境温度がt1℃のときに、LD26の光出力が最大光出力値Pmax(mW)となるように与えた駆動電流値If2と、LD26の光出力値が最大光出力値Pmax(mW)の60%P60となるように与えた駆動電流値If1とを測定する。次に、LD26の光出力値P60、Pmaxと駆動電流値If1、If2とにより初期微分効率η0(t1)≒(Pmax−P60)/(If2‐If1)を求める。
【0054】
LD環境温度をt2℃に変更し、上記と同様にLD26の光出力値が最大光出力値Pmax(mW)となるように与えた駆動電流値If4と、LD26の光出力値が最大光出力値Pmax(mW)の60%P60となるように与えた駆動電流値If3とを測定し、これら駆動電流値If3、If4により初期微分効率η0(t2)≒(Pmax−P60)/(If4‐If3)を求める。
【0055】
図3に示すように、横軸にLD環境温度(℃)、縦軸に初期微分効率η0を取り、上記の2つの温度値t1、t2と、これら2つの温度値t1、t2にそれぞれ対応して得られた微分効率η0(t1)、η0(t2)とから、初期微分効率特性η0(t)=(η0(t2)−η0(t1)/t2−t1)t+B=At+Bを算出し、これをROMに記憶させる。
【0056】
なお、ここでは、初期微分効率特性η0(t)=At+Bを記憶させるようにしたが、上記の2つの温度値t1、t2と、これら2つの温度値t1、t2にそれぞれ対応して得られた微分効率η0(t1)、η0(t2)とを記憶させるように構成できる。
【0057】
ここで、図4を用いて判断部10の判断ルーチンについて説明する。ここでは、光走査装置をプリンタに組み込み、所定枚数(本実施の形態では1000枚)のプリントが終了すると劣化の判断を行うように設定した場合について説明する。なお、ステップ108は初期微分効率算出手段に対応し、ステップ110は演算手段に対応し、ステップ114、ステップ116、ステップ118及びステップ120は劣化判断手段に対応する。
【0058】
まず、ステップ100において、判断部10は1000枚のプリントが終了したかを判断する。ステップ100において1000枚のプリントが終了したと判断した場合は、ステップ102においてカウント値nを1インクリメントしてステップ104に移行し、温度計12(温度検知手段)により検知されデジタル変換されたLD26の環境温度tnを取り込む。ステップ106では、温度計12により検知されデジタル化された環境温度tnをRAM18に記憶する。
【0059】
ステップ108では、CPU14がROM16に記憶された初期微分効率特性η0(t)=At+Bに基いてRAM18に記憶された環境温度tnにおける初期微分効率η0(tn)=Atn+Bを算出する。
【0060】
ステップ110では、RAM18に記憶された環境温度tnにおける微分効率η(tn)を演算する。CPU14は、LD26に対して少なくとも2種類の大きさの駆動電流If5、If6を供給し、これら少なくとも2種類の大きさの駆動電流If5、If6と、夫々の駆動電流If5、If6に対応してPD30により受光された光出力値Pf5、Pf6とから環境温度tnにおける微分効率η(tn)≒(Pf6−Pf5)/(If6‐If5)を演算する。
【0061】
ここでは、LDが最大Pmaxの光出力となるときの駆動電流Ifmaxと、LDが60%の光出力P60となるときの駆動電流If60とを測定して、微分効率η(tn)≒(Pmax−P60)/(Imax‐I60)を演算する。
【0062】
ステップ112では、CPU14が初期微分効率η0(tn)=Atn+Bに対する微分効率η(tn)の比η(n、tn)とを演算し、ステップ114において、前記比η(n、tn)が劣化判断基準(例えば、0.75)以上かを判断する。なお、図3に、一例として、LD#1の初期微分効率η0(tn)=Atn+Bと、劣化判断基準の微分効率η0(tn)×0.75とを示す。
【0063】
ステップ114では、0.75を劣化判断基準として設定したが、この劣化判断基準は、前述した図10の初期微分効率η0(tn)に対する微分効率η(tn)の比とLD点灯時間hとの関係に基いて決定したものであり、0.75に限定するものではない。好ましくは、図10において前記比が急激に減少し始める0.7前後であればよく、より好ましくは0.75とするとよい。
【0064】
ステップ114において、前記比η(n、tn)が0.75よりも小さいと判断すると、ステップ122に移行して図示しない表示装置に劣化有りの表示を行いこのルーチンを終了する。
【0065】
ステップ114において、前記比η(n、tn)が0.75以上と判断すると、ステップ116に移行して累積プリント枚数が所定枚数(例えば、1万枚)未満か(n<10?)を判断する。
【0066】
ステップ116において累積プリント枚数が1万枚未満である(n<10)と判断した場合は、ステップ118に移行する。ステップ118では、前記比η(n、tn)が0.9以上かを判断する。即ち、前記比η(n、tn)が0.9以上であれば初期微分効率に対する微分効率の比の変化量が0.1よりも小さいのでLDは正常、逆に前記比η(n、tn)が0.9未満であれば初期微分効率に対する微分効率の比の変化量が0.1よりも大きくなるのでLDは劣化状態と判断することができる。ここでは、一例として前記比η(n、tn)が0.9以上であるかの判断によって、LDが正常か、劣化状態かを判断している。
【0067】
なお、初期微分効率に対する微分効率の比の変化量を0.1以上であれば劣化状態とするという劣化判断基準を決定したのは、累積プリント枚数が1万枚未満である場合は、LDの磨耗故障の可能性が低く、従って、LDが正常な状態であれば前記比η(n、tn)は1に近い値となるが、LDが何らかの理由で劣化し始めると急激に前記比η(n、tn)が小さくなるという理由からである。従って、ここで劣化判断基準とした0.1は、限定的なものではない。
【0068】
ステップ118において、前記比η(n、tn)が0.9以上と判断した場合は、再びステップ100に戻り、上述の動作を繰り返す。また、ステップ118において、前記比η(n、tn)が0.9以上でない(すなわち、0.9未満である。)と判断すると、ステップ122に移行して図示しない表示装置に劣化有りの表示を行い、このルーチンを終了する。
【0069】
また、ステップ116において累積プリント枚数が1万枚未満でない(すなわち、1万枚以上である)と判断した場合は、ステップ120に移行して、1万枚前の初期微分効率η0(t(n−10))に対する微分効率η(t(n−10))の比η(n−10、t(n−10))と、環境温度tnにおける初期微分効率η0(tn)に対する微分効率η(tn)の比η(n、tn)との比が所定値(例えば、0.9)未満かを判断する。
【0070】
即ち、前記比η(n、tn)/η(n−10、t(n−10))が0.9未満であれば1万枚前の初期微分効率に対する微分効率の比η(n−10、t(n−10)と現在の初期微分効率に対する微分効率の比η(n、tn)との変化量が0.1以上も大きくなるのでLDは劣化状態と判断することができ、逆に、前記変化量が0.1よりも小さいのでLDは正常と判断することができる。
【0071】
すなわち、LDの仕様を超える大きさの静電気等をLDに放電すると、図8に示す様に、放電されたときから2〜5時間のLD点灯時間経過後に光走査装置が故障することが確認されている。
【0072】
例えば、プリンタの場合では、2〜5時間のLD点灯時間で1万枚〜10万枚のプリントを行うことができるため、1万枚前の初期微分効率η0(t(n−10))と比較して経時的な劣化状態の検出を行うように設定することによって、LDの故障を早期に検知することができる。
【0073】
なお、変化の判断基準として、ここでは、1万枚前の初期微分効率η0(t(n−10))に対する微分効率η(t(n−10))との比η(n−10、t(n−10))に対する前記比η(n、tn)の比η(n、tn)/η(n−10、t(n−10))が0.9未満としたが、この値は比の変化が0.1程度以上であれば、LDの劣化の可能性が高いことから決定した値であり、特に0.9に限定するものではない。
【0074】
ステップ120において、1万枚前の初期微分効率η0(t(n−10))に対する微分効率η(t(n−10))との比η(n−10、t(n−10))に対する前記比η(n、tn)の比が0.9未満でないと判断した場合は、再びステップ100に戻り、上述の動作を繰り返す。
【0075】
また、ステップ120において、1万枚前の初期微分効率η0(t(n−10))に対する微分効率η(t(n−10))との比η(n−10、t(n−10))に対する前記比η(n、tn)の比が0.9未満であると判断した場合は、ステップ122に移行して図示しない表示装置に劣化有りの表示を行い、このルーチンを終了する。
【0076】
以上説明した判断ルーチンでは、1000枚のプリントが終了すると(すなわち、予め定めた期間毎に)劣化の判断を行うように設定した場合について説明したが、例えば、図示しない指示部から指示されたときに劣化の判断を行うように設定したり、予め定めた期間毎に劣化の判断を行うと共に図示しない指示部から指示されたときに劣化の判断を行うように設定することが可能である。
【0077】
このように光走査装置に組み込まれたLD毎にLDが配置された環境温度に合わせてLDの劣化状態を検出できるので、精度よくLDの劣化状態を検知することができる。
【0078】
また、このような劣化状態の判断に基いて、図示しない表示装置にLD26の劣化有り表示がされたときに、LDの交換を行うようにすることで、突然のLD故障によるデータの消失、機械の停止などのトラブル未然に防ぐことができる。
【0079】
また、光走査装置のキーパーツであるLDを交換すれば、再び光走査装置の使用が可能となるので、光走査装置のリサイクル化を実現できる。したがって、部品コスト、再調整コストを低く押さえることができるので、高信頼性に加えて、低コスト、環境保護対応商品の製造が可能となる。
【0080】
さらに、光走査装置に組み込まれたLD毎にLDの置かれている環境温度に合わせてLDの劣化状態を検出できることから、例えば半導体レーザアレイのように、複数の光源を備えたLDにおいて微分効率の変動要因として問題となる光源間の熱的クロストークに起因する誤検知を回避でき、精度よくLDの劣化状態を検出することが可能である。
【0081】
なお、以上の実施の形態では、独立した構成の半導体レーザの劣化検出装置について説明しているが、例えば、APC制御を行うプログラム等他のプログラム上に半導体レーザの劣化検出装置を組み込んだ構成とする事も可能である。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、温度による微分効率ηの変動や半導体レーザの製造ロットの違いによる微分効率ηのバラツキに左右されずに、半導体レーザの劣化状態を早期に判断可能な半導体レーザの劣化検出装置を提供できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体レーザの劣化検出装置の実施の形態の概略構成を示す説明図である。
【図2】 LDの環境温度がt1℃のときとt2℃のときの駆動電流Ifと光出力Pとの関係を示すグラフである。
【図3】 横軸をLD環境温度t(℃)、縦軸を微分効率ηとしたときに得られる初期微分効率特性と、この初期微分効率特性対して決定される劣化判断基準とを示すグラフである。
【図4】 判断部の劣化判断の制御ルーチンである。
【図5】 画像形成装置の一般的な構成を示す説明図である。
【図6】 光走査装置の一般的な構成を示す説明図である。
【図7】 LDの光出力Pと駆動電流Ifとの温度毎の関係を示すグラフである。
【図8】 LDの光出力Pが一定となるように調整した場合のタイプ2とタイプ3の故障における駆動電流IfとLDの点灯時間hとの関係を示すグラフである。
【図9】 LDの製造ロット毎の微分効率のバラツキを示すグラフである。
【図10】 LDの初期微分効率η0に対する微分効率ηの比とLDの点灯時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 判断部
11、34 A/D変換器
12 温度計
14 CPU
16 ROM
18 RAM
20 入出力ポート
22 D/A変換器
24 LD駆動回路
26 半導体レーザ
30 スタートオブスキャンセンサ
32 I/V変換器

Claims (4)

  1. 半導体レーザが配置された環境の温度を検知する温度検知手段と、
    駆動電流の変動に対する劣化前の半導体レーザの光出力変動の比率である初期微分効率と半導体レーザが配置された環境の温度との関係を表す初期微分効率特性を用いて、前記検知された温度における初期微分効率を算出する初期微分効率算出手段と、
    前記温度検知手段により検知された温度において半導体レーザに与えられる駆動電流の変動に対する半導体レーザの光出力変動の比率である微分効率を演算する演算手段と、
    前記初期微分効率に対する前記微分効率の比が所定値以上で、且つ、前記比と予め定めた期間以前の初期微分効率に対する前記微分効率の比との比が予め定めた一定値未満のときに半導体レーザが劣化していると判断する劣化判断手段と、
    を備えた半導体レーザの劣化検出装置。
  2. 前記劣化判断手段は、更に、前記初期微分効率に対する前記微分効率の比が前記所定値未満のときに劣化と判断する請求項1に記載の半導体レーザの劣化検出装置。
  3. 前記初期微分効率特性は、半導体レーザの製造時または半導体レーザを使用する光学装置の製造時に算出される請求項1又は2に記載の半導体レーザの劣化検出装置。
  4. 前記劣化判断手段は、半導体レーザの使用時間が増加するに従って前記所定値を大きくする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体レーザの劣化検出装置。
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