JP3794011B2 - 固形ルーおよびその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固形ルーおよびその製造法に関するものであり、さらに詳しくは、カレー、ハヤシ、シチューなどに用いられる固形油脂食品である固形ルーおよびこの固形ルーを効率的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カレー、ハヤシ、シチューなどに用いる固形ルーは、家庭用にも業務用にも簡単に利用でき便利であるので大量に消費されている。このような固形ルーは、流通ルートで過酷な条件にさらされることから、長期間に亙って表面の光沢、艶を維持できるものが要求されており、種々の技術が提案されている。例えば、特開昭61−40745号公報には、ポリグリセリン1モルに対して、平均4モル以上の脂肪酸でエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルが0.02〜5重量%を含み、さらに油脂分が25重量%以上であり、固体脂含有率が20℃の時には30%以上である油性固形物が、特開平7−39351号公報には、ソルビタン脂肪酸エステルやレシチンなどのHLB値が2〜10の乳化剤を0.05〜10重量%を含有させた固形油脂食品が、また、特開昭58−198245号公報には、構成脂肪酸としてベヘン酸を20〜60%含有する製菓用油脂のグレイニング防止剤が、夫々開示されている。さらに上記従来技術に加えて、油脂の種類を限定したり、油脂の融点を高くする方法、油脂の添加量を多くする方法などの様々な方法が試みられている。
【0003】
また、特開平9−224571号公報には脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数との差が5以上で、その構成している脂肪酸の炭素数の合計が40以上であり、且つその脂肪酸が飽和脂肪酸のみで構成されているトリアシルグリセリンを5〜98重量%含む油脂組成物を10〜50重量%含む固形ルーが開示されている。
【0004】
一方、小麦粉、油脂を含むルウ原料を加熱攪拌した後、20〜35%の油脂を含み、且つ特定量の無脂乳固形分、カゼインナトリウム、リゾレシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルを含む水中油型乳化クリームを添加、攪拌混合する、レトルトに強い高粘性ホワイトソースの製造方法(特開平9−222号公報)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の固形ルーは、粉末乃至乾燥物のみを原料として用い、これらを混合して製造されているので、製品中に原料粒子が残り、舌触りがざらざらするなどクリーム感に乏しく、含水のルー(例えばレトルト品など)に比べて、風味およびまろやかさに劣る傾向があり、特にこの傾向はシチュー類においてより顕著であった。
【0006】
粉末乃至乾燥物のみを原料とする際の上記問題を避けるために、含水の原料、例えば生クリームを用いて固形ルーを得ようとすると、加熱攪拌による水分低下などで油脂の分離が起こり、また褐変が著しくて良好な製品を得ることができなかった。
前記特開平9−222号公報に開示されているレトルトに強い高粘性ホワイトソースの製造方法においては、油脂含量が35%を越えると、加熱攪拌による油の分離が起こりやすくなることが示されている。かかる技術を固形ルーの製造に用いると、加熱攪拌時の水分低下などで油の分離が起こり、外観不良、風味劣化などの原因となるため、固形ルーの製造に使用することはできない。
【0007】
本発明の第1の目的は、加熱攪拌時の水分低下などで油の分離が起こらず、褐変が生ぜず、色調、クリーム感、風味およびまろやかさに優れており、表面の光沢、艶などを長期間に亙って維持でき、クリーミーなカレー、ハヤシ、シチューなどを容易に作ることができる固形ルーを提供することであり、本発明の第2の目的は、そのような固形ルーを容易に効率的に製造する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、構成脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が特定の範囲にあり、且つトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が特定の範囲にある油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物を用いると油脂を35重量%を越えて含んでいても加熱時に褐変が生ぜず、また固形ルーの製造時に加熱攪拌時の水分低下などで油の分離が起こらず、色調、クリーム感、風味およびまろやかさに優れており、表面の光沢、艶などを長期間に亙って維持できる固形ルーを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の請求項1の発明は、飽和脂肪酸のみで実質的に構成されているトリグリセリドからなる油脂含量が35〜80重量%であり、構飽和脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8で、且つトリグリセリド全体中の各トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸の炭素数の合計(以下、トリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計と称す場合がある)最小44〜最大68である油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物、および小麦粉若しくは澱粉、油脂、調味料などを含むことを特徴とする固形ルーである。
【0010】
本発明の請求項2の発明は、請求項1記載の固形ルーにおいて、前記最大炭素数と最小炭素数の差が6以下であることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の固形ルーにおいて、油脂が、パーム硬化油と菜種硬化油の混合物であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4の発明は、飽和脂肪酸のみで実質的に構成されているトリグリセリドからなる油脂含量が35〜80重量%であり、構飽和脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8で、且つトリグリセリド全体中の各トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸の炭素数の合計が最小44〜最大68である油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物を、小麦粉若しくは澱粉、油脂、および調味料などと加熱混合することを特徴とする固形ルーの製造法である。
【0013】
本発明の請求項5の発明は、請求項4記載の固形ルーの製造法において、小麦粉若しくは澱粉と油脂を品温が約80〜130℃に達するまで充分に加熱混合後、混合しながら品温が約60〜125℃程度になったところで、砂糖、塩、グルタミン酸ソーダなどの調味料、香辛料、その他を順次添加して攪拌混合し、次いで前記O/Wクリーム状組成物を添加して攪拌混合することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
O/Wクリーム状組成物に用いる油脂の飽和脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などが例示でき、一般的な硬化油脂や、1,2,3−飽和型トリグリセリドすなわち、極度硬化油脂や分別高融点油脂に由来する油脂を原料の一部に用いることができる。またO/Wクリーム状組成物に用いる油脂を構成する脂肪酸は、飽和・不飽和ともに、直鎖、分岐脂肪酸のいずれでもよいが、トリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が、44〜68、好ましくは48〜68、より好ましくは48〜66がよい。。
【0015】
本発明において飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4未満の例えば、硬化大豆油を用いると、加熱攪拌時に油分離が起きる恐れがあり、逆に8を越えるとワキシーになり易くいずれも好ましくない。
【0016】
飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8の範囲にあっても、トリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が44未満であるような、例えばラウリン系油脂(硬化ヤシ油)やMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)などを用いると加熱攪拌時に油分離が起きるので好ましくなく、逆に68を超えるとワキシーになりやすく好ましくない。
【0017】
本発明で用いる油相中の油脂の融点は特に限定されないが、約35〜50℃が好ましく、より好ましくは約40〜45℃である。35℃未満では、店頭などにおいて固形ルーが軟化することが懸念され、逆に50℃を超えると使用時に固形ルーが溶けにくい、ワキシーな食感となるなどいずれも好ましくない。
【0018】
本発明で用いる油脂は、具体的には例えば、炭素数18以上の飽和脂肪酸を主として含有する油脂と、炭素数16以下の飽和脂肪酸を主として含有する油脂を混合して得られる、あるいはその後、エステル交換を行うことにより得ることができる。また、必要に応じて分別、硬化、精製などの各処理を行うことによっても得ることができる。上記油脂を製造時の炭素数18以上の飽和脂肪酸を主として含有する油脂と炭素数16以下の飽和脂肪酸を主として含有する油脂を混合する比率は、混合またはエステル交換した後のトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計が44〜68となる比率でなければならい。
【0019】
上記炭素数18以上の飽和脂肪酸を主として含有する油脂としては、例えば大豆油、菜種油、綿実油、米油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油などが例示できる。さらには、これらの油脂の硬化油または分別油を硬化した油脂を用いることができる。また、炭素数が16以下の飽和脂肪酸を主として含有する油脂としては、パーム油、ヤシ油、パーム核油、さらには、これらの分別油などを硬化した油脂を用いることができる。
これらの中でもパーム硬化油と菜種硬化油の混合物は安定性など各種特性に優れる上、入手しやすく経済的であるので好ましく使用できる。
【0020】
本発明で用いるO/Wクリーム状組成物は加熱攪拌により乳化破壊や褐変を起こさない安定なクリーム状組成物であり、上記油脂を組成物全体に対して35〜80重量%、好ましくは50〜80重量%含む。上記油脂が組成物全体に対して35重量%未満では加熱攪拌による水分低下を速やかに実施できない。上記油脂が組成物全体に対して80重量%を越えると加熱攪拌により乳化破壊を起こしやすく好ましくない。
【0021】
本発明で用いるO/Wクリーム状組成物の製法は常法を用いることができ特に限定されない。具体的には例えば、上記油脂の他に無脂乳固形分を組成物全体に対して約0.5〜4.0重量%(無脂乳固形分を用いると特にシチュー用の場合に色調良好となる)、公知の乳化剤(例えば特開平4−330258号公報、特開平9−222号公報などに記載の乳化剤)としてカゼインナトリウム、リゾレシチン、ポリグリセリン酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルなどを適当な配合割合で添加し、その他に必要に応じてリン酸塩、クエン酸塩などの乳化安定剤、砂糖などの調味料、ブドウ糖、香辛料、pH調整剤などを適宜添加し、水を液状を維持するために必要な配合割合で、例えば組成物全体に対して約20〜65重量%、好ましくは約30〜55重量%、より好ましくは約35〜50重量%用いてO/Wに乳化させることにより得ることができる。
【0022】
本発明の固形ルーは、上記O/Wクリーム状組成物を、小麦粉若しくは澱粉、油脂、および調味料などと混合し、加熱により水分を低下させ、適当な型にいれて、冷却して製造することができる。キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、タマリンドガム、カラヤガム、グアガム、ローカストビーンガムなどの増粘多糖類を適宜加えてもよい。
本発明の固形ルーの製造に用いる油脂は、特に限定されず、具体的には、例えば菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、イリッペ脂、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換などを施した加工油脂などを挙げることができ、好ましくは上記O/Wクリーム状組成物の製造に用いた油脂と同じものを用いる。
【0023】
本発明の固形ルー中の各成分の配合割合はカレー、ハヤシ、シチューなどに応じて適宜決められるものであり特に限定されない。この場合、小麦粉の含量が少なくなりすぎると、スープ様となり好ましくない。反対に、小麦粉の含量が多くなりすぎると粘性が高くなりすぎる。また、油脂の含量が少なくなりすぎると、粉臭くなったり、風味があっさりしすぎてしまう。反対に、油脂の含量が多くなりすぎると、風味的にも油っぽくなる傾向があるので好ましくない。
【0024】
本発明の固形ルーを製造するには、具体的には、例えば先ず、上記O/Wクリーム状組成物を加えることなく小麦粉と油脂を攪拌混合しながら、品温が約80〜130℃に達するまで加熱する。このようにして原料が均一に混合されるとともに、小麦粉が十分にα化して好ましい状態に調整される。80℃未満では小麦粉が十分にα化されない恐れがあり、130℃を超えると風味が損なわれる恐れがあるので好ましくない。前記攪拌混合においては、攪拌装置の大きさや速度などに特に限定されるものではなく、原料を焦げつかせることなく均一に混合できればよい。
加熱攪拌後、混合しながら品温が約60〜125℃程度になったところで、砂糖、塩、グルタミン酸ソーダなどの調味料、香辛料、その他を順次添加して攪拌混合し、次いで上記O/Wクリーム状組成物を添加して攪拌混合する。60℃未満では調味料、香辛料、その他の混合が不十分となる恐れがあり、125℃を超えると風味が損なわれる恐れがあるので好ましくない。なお、必要に応じて再度加熱してもよい。
【0025】
さらに攪拌混合した後、適当な容器に入れ冷却して固化させ、密封シールし、包装して商品とすることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明の内容をさらに具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に何ら限定されるものではない。(実施例1)
菜種・パーム硬化油[菜種硬化油とパーム硬化油の混合物(重量比約80:20)]、脱脂粉乳、乳化剤(加水分解したレシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよび蔗糖脂肪酸エステルを重量比2:2:1:1の割合で配合した乳化剤)、メタリン酸Na、および水を表1に示した配合割合で用いて常法によりO/Wクリーム状組成物を作った。
表2に使用した菜種・パーム硬化油の脂肪酸組成、融点、構成脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数Cmaxと最小炭素数Cmin、最大炭素数Cmaxと最小炭素数Cminの差(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。
このO/Wクリーム状組成物を用いて次のようにして本発明のカレー用固形ルーを作った。
小麦粉と油脂を攪拌混合しながら品温が約120℃に達するまで加熱後、攪拌混合しながら品温が約110℃程度になったところで、砂糖、塩、各種ブイヨンなど、グルタミン酸ソーダなどの調味料、カレー粉などの香辛料、その他を順次添加して攪拌混合し、次いで上記O/Wクリーム状組成物を添加して攪拌混合した。このO/Wクリーム状組成物は加熱攪拌時に水分が低下しても油の分離が起こらず、褐変もせず安定性に優れていた。攪拌混合を続けながら冷却して固化して本発明のカレー用固形ルーを作った。
本発明のカレー用固形ルーは、表面の光沢、艶、色調に優れ、これらの特性が長期間に亙って維持された。
本発明のカレー用固形ルーは舌触りがよく、クリーム感に優れ、風味およびまろやかさに優れていた。
【0027】
(比較例1)
菜種・パーム硬化油を用いる代わりに、ヤシ油を表1に示した配合割合で用いた以外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリーム状組成物およびカレー用固形ルーを作った。
表2に、使用したヤシ油の脂肪酸組成、融点、CmaxとCmin、(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。
カレー用固形ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って外観が悪くなり、得られたカレー用固形ルーは風味およびまろやかさに劣っていた。
【0028】
(比較例2)
菜種・パーム硬化油を用いる代わりに、硬化大豆油を表1に示した配合割合で用いた以外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリーム状組成物およびカレー用固形ルーを作った。
表2に、使用した硬化大豆油の脂肪酸組成、融点、CmaxとCmin、(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。
カレー用固形ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って外観が悪くなり、得られたカレー用固形ルーは風味およびまろやかさに劣っていた。
【0029】
(比較例3)
菜種・パーム硬化油を用いる代わりに、硬化菜種油を表1に示した配合割合で用いた以外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリーム状組成物およびカレー用固形ルーを作った。
表2に、使用した硬化菜種油の脂肪酸組成、融点、CmaxとCmin、(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。
カレー用固形ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って外観が悪くなり、得られたカレー用固形ルーは風味およびまろやかさに劣っていた。
【0030】
(比較例4)
菜種・パーム硬化油を用いる代わりに、全脂粉乳を表1に示した配合割合で用いた以外は実施例1と同様にして比較のためのO/Wクリーム状組成物およびカレー用固形ルーを作った。
表2に、使用した乳脂の脂肪酸組成、融点、CmaxとCmin、(Cmax−Cmin)およびトリグリセリドを実質的に構成する脂肪酸の炭素数の合計を示す。
カレー用固形ルーを作る時、加熱攪拌時に油の分離が起って外観が悪くなり、得られたカレー用固形ルーは舌触りがざらつき、風味およびまろやかさに劣っていた。
【0031】
【表1】
Figure 0003794011
【0032】
【表2】
Figure 0003794011
【0033】
【発明の効果】
本発明の固形ルーは、加熱攪拌時に水分低下などで油の分離が起こらず、褐変が生ぜず、色調、クリーム感、風味およびまろやかさに優れており、表面の光沢、艶などを長期間に亙って維持できる。本発明の固形ルーを用いて、例えば、クリーミーなカレー、ハヤシ、シチューなどを容易に作ることができる。
本発明の製造法により、本発明の固形ルーを容易に効率的に製造することができる。

Claims (5)

  1. 飽和脂肪酸のみで実質的に構成されているトリグリセリドからなる油脂含量が35〜80重量%であり、構飽和脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8で、且つトリグリセリド全体中の各トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸の炭素数の合計が最小44〜最大68である油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物、および小麦粉若しくは澱粉、油脂、調味料などを含むことを特徴とする固形ルー。
  2. 前記最大炭素数と最小炭素数の差が6以下であることを特徴とする請求項1記載の固形ルー。
  3. 油脂が、パーム硬化油と菜種硬化油の混合物であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の固形ルー。
  4. 飽和脂肪酸のみで実質的に構成されているトリグリセリドからなる油脂含量が35〜80重量%であり、構飽和脂肪酸組成中1重量%以上を占める飽和脂肪酸の最大炭素数と最小炭素数の差が4〜8で、且つトリグリセリド全体中の各トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸の炭素数の合計が最小44〜最大68である油脂を必須成分とするO/Wクリーム状組成物を、小麦粉若しくは澱粉、油脂、および調味料などと加熱混合することを特徴とする固形ルーの製造法。
  5. 小麦粉若しくは澱粉と油脂を品温が約80〜130℃に達するまで充分に加熱混合後、混合しながら品温が約60〜125℃程度になったところで、砂糖、塩、グルタミン酸ソーダなどの調味料、香辛料、その他を順次添加して攪拌混合し、次いで前記O/Wクリーム状組成物を添加して攪拌混合することを特徴とする請求項4記載の固形ルーの製造法。
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