JP3793033B2 - 赤外線センサ及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線センサ及びその駆動方法に係わり、特に非冷却型の赤外線センサにおける信号読み出し回路の改良をはかった赤外線センサ及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤外線を利用した撮像装置は、昼夜に拘わらず撮像可能であると共に、可視光よりも煙や霧に対して透過性が高いという特長を有し、さらに被写体の温度情報をも得られるいう特長を有する。このため、防衛分野を初め監視カメラや火災検知カメラとして広い応用範囲を有する。
【0003】
従来の主流素子である量子型赤外線固体撮像素子の最大の欠点は低温動作のための冷却機構を必要とすることであるが、近年このような冷却機構を必要としない非冷却型赤外線固体撮像素子の開発が盛んになってきている。非冷却型、即ち熱型の赤外線固体撮像素子においては、波長10μm程度の入射赤外線を吸収構造により熱に変換した上で、この微弱な熱により生じる感熱部の温度変化を何らかの熱電変換手段により電気的信号に変換し、この電気的信号を読み出すことで赤外線画像情報を得ている。
【0004】
非冷却型の赤外線固体撮像素子としては、一定の順方向電流により温度変化を電圧変化に変換するシリコンpn接合をSOI領域に形成したものが報告されている(Tomohiro Ishikawa, et al.,Proc.SPIE Vol.3698, p.556,1999)。SOI基板を用いたシリコンpn接合型の素子は、シリコンLSI製造工程のみによる製造が可能であるという特長があり、従って量産性に優れた素子である。また、シリコンpn接合型素子には、熱電変換手段であるpn接合が整流特性を利用した画素選択機能を有していることから、画素の内部構造を単純化できるという特長もある。
【0005】
ところで、非冷却型の赤外線固体撮像素子における画素部の温度変化は、赤外線吸収層の吸収率や光学系にもよるが、一般的には被写体の温度変化の5×10-3倍程度であり、被写体温度が1[K]変化すれば画素温度は5[mK]変化する。シリコンpn接合を8個直列接続した場合の、熱電変換効率は10[mV/K]程度であるので、被写体温度が1[K]変化した場合には画素部に50[μV]の信号電圧が発生する。実際には、被写体の温度変化として0.1[K]程度を識別することが要求されることが多いので、その場合に発生する5[μV]程度の信号電圧を読み出すことが必要となる。
【0006】
このような非常に微弱な信号電圧を読み出す方法として、画素部で発生した信号電圧を増幅トランジスタのゲート電圧として電流増幅し、増幅された信号電流を蓄積容量で時間積分するという回路構成が知られている。この回路構成は、ゲート変調積分回路と呼ばれる回路であり、この回路構成を各列毎に配置して1行分の電流増幅を並列処理することで、信号帯域を制限しランダム雑音を低減できるという効果がある。
【0007】
ゲート変調積分回路における電圧ゲインGは、増幅トランジスタの相互コンダクタンスgm(=δId/δVg)、積分時間ti、そして蓄積容量Ciにより決まり、
G=(ti×gm)/Ci …(1)
で表現される。積分時間ti及び蓄積容量Ciが与えられたとき、上記のゲインは増幅トランジスタの相互コンダクタンスgmにより支配され、n型のMOSトランジスタが飽和領域で動作する場合のgmは、下記の(2)式により近似表現される。
【0008】
gm=(W/L)・(εox/Tox)・μn・(Vgs−Vth)…(2)
但し、W:チャネル幅、L:チャネル長、εox:ゲート酸化膜の誘電率、Tox:ゲート酸化膜厚、μn:電子移動度、Vgs:ゲート・ソース間電圧、Vth:トランジスタの閾値電圧、である。
【0009】
既に述べたように、被写体の温度差として0.1[K]程度を認識することが要求されるので、そのときに画素出力部に発生する5[μV]程度の信号を読み出すことが必要となる。この信号電圧レベルは、可視光を撮像するセンサであるCMOSセンサと比較して、非常に低い電圧である。例えば、文献(「高感度CMOSイメージセンサ」、映像情報メディア学会誌Vo1.54,No.2,p.216,2000)によれば、雑音電圧は約0.4[mV]=400[μV]であり、これと比較すれば、上記の赤外線センサの雑音レベルはCMOSセンサの約1/80という低電圧であり、取り扱う信号電圧も同じく約1/80という低電圧になる。従って、センサ出力を一般的な撮像素子であるCMOSセンサと同様の回路によって処理することを考えれば、約80倍のゲインを実現することが望ましい。
【0010】
ところが、ゲート変調積分回路における増幅トランジスタのゲートには、5[μV]程度の画素出力よりも大きい揺らぎ成分が存在しており、実際にはゲインを低く設計している。この揺らぎ成分は、MOS増幅トランジスタの閾値の揺らぎと、定電流源として使用する負荷MOSトランジスタの閾値揺らぎに起因したものであり、いずれも一般的には約30[mV]程度の揺らぎが発生することが知られている。
【0011】
この閾値揺らぎ成分は、増幅トランジスタのゲート電圧として与えられる画素出力信号と同様に、増幅読み出し回路により増幅されるので、ゲインを約80倍に設計した場合には、蓄積容量に2.4[V]もの揺らぎが発生することになってしまう。勿論、この閾値揺らぎは、各々の増幅MOSトランジスタ及び各々の負荷MOSトランジスタに固有の揺らぎであり、画像上は固定パターンとして発生するので、外部回路による補正を行うことが可能である。しかし、このような補正を行うと、蓄積容量の電圧スイングの大部分を閾値揺らぎ対策として消費してしまうと同時に、外部回路に要求されるダイナミックレンジが拡大してしまうことになる。
【0012】
従って、これまでは増幅読み出し回路のゲインを犠牲にして、外部回路での処理への負荷を低減せざるを得なかった。また、ゲインを十分に大きくできないために、増幅読み出し回路における電流ショット雑音や1/f雑音等のランダム雑音の影響を十分に低減できなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、非冷却型赤外線センサにおいては、画素出力部に発生する信号電圧レベルが低いため、増幅トランジスタを用いて十分に増幅する必要があるが、増幅トランジスタのゲートには揺らぎ成分が存在しており、増幅ゲインを上げた場合には蓄積容量に現れる揺らぎも大きくなる。このため、ゲインを犠牲にして、外部回路での処理への負荷を低減せざるを得なかった。そして、ゲインを十分に大きくできないために、増幅読み出し回路における電流ショット雑音や1/f雑音等のランダム雑音の影響を十分に低減できないという問題があった。
【0014】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、増幅トランジスタのゲートに現れる揺らぎの影響を低減することができ、低雑音・高感度・ワイドダイナミックレンジの非冷却型赤外線センサ及びその駆動方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を採用している。
【0016】
即ち本発明は、赤外線センサにおいて、半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列された撮像領域と、この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、前記各信号線と前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、前記各増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタとを具備してなることを特徴とする。
【0017】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものがあげられる。
【0018】
(1) 赤外線検出画素は、半導体基板上に入射赤外線を吸収し熱に変換するための赤外線吸収手段と、赤外線吸収手段で発生した熱による温度変化を電気信号に変換するための熱電変換手段と、熱電変換手段からの画素出力信号を読み出す画素を選択する画素選択手段と、画素選択手段により選択された赤外線検出画素からの画素出力信号を出力するための出力手段とから構成される。
【0019】
(2) 半導体基板は、単結晶シリコン支持基板上に酸化シリコン層を介してSOI単結晶シリコン層を積層形成してなるSOI基板であり、熱電変換手段は、第1導電型のSOI単結晶シリコン層内部に第2導電型領域を設けることで形成された単結晶シリコンpn接合であり、SOI基板内部に形成された中空構造上に中空支持されている。
【0020】
(3) 撮像領域には、入射赤外線によって画素出力信号が変化せず、入射赤外線に対して感度を有さない無感度画素が行方向に配列された無感度画素列が、少なくとも1行配置されている。
【0021】
(4) 無感度画素は、熱電変換手段が半導体基板と熱分離されないことにより無感度化されている。
【0022】
(5) 読み出し手段から時系列で得られる第1の行出力情報群を保持する記憶保持手段と、記憶保持手段に保持された第1の行出力情報群に基づき、第1の出力情報群を得た行とは異なる行を選択した結果として得られる第2の行出力情報群を補正する補正手段とを備えている。
【0023】
また本発明は、上記構成の赤外線センサを駆動するための駆動方法において、1フレーム期間内で前記行選択線により前記赤外線検出画素を選択していない非選択期間においては、該非選択期間中の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで該トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記非選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで該トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタのゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、1フレーム期間内で前記赤外線検出画素を前記行選択線により選択している選択期間、及び前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持することを特徴とする。
【0024】
さらに別の駆動方法として、1フレーム期間内で前記行選択線により赤外線検出画素を選択していない非選択期間においては、該非選択期間内の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、非選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタのゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電圧を保持し、1フレーム期間内で前記行選択線により前記赤外線検出画素を選択している行選択期間においては、前記サンプルトランジスタほオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧と異なる第2のソース電圧を印加し、1フレーム期間内で前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加することを特徴とする。
【0025】
また本発明は、赤外線センサにおいて、半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、前記各増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタとを具備してなることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、上記構成の赤外線センサを駆動するための駆動方法において、1フレーム期間内で前記行選択線により前記無感度画素行を選択している第1の選択期間においては、該第1の選択期間内の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、第1の選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタのゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、1フレーム期間内で前記行選択線により前記有感度画素行を選択している第2の選択期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧とは異なる第2のソース電圧を印加し、1フレーム期間内で前記行選択線により前記前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加することを特徴とする。
【0027】
さらに、別の駆動方法として、
1フレーム期間内で前記行選択線により前記無感度画素行を選択している第1の選択期間においては、該第1の選択期間内の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、第1の選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタのゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、第1の選択期間内の第1の期間及び第2の期間を除いた第3の期間においては、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、1フレーム内で前記行選択線により前記赤外線検出画素を選択している行選択期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧と異なる第2のソース電圧を印加し、1フレーム内で前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加することを特徴とする。
【0028】
また本発明は、赤外線センサにおいて、半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、前記増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、前記読み出し手段から時系列で得られる第1の行出力情報群を保持する記憶保持手段と、該記憶保持手段に保持された第1の行出力情報群に基づき、第1の行出力情報群を得た行とは異なる行を選択した結果として得られる第2の行出力情報群を補正する補正手段とを具備してなることを特徴とする。
【0029】
また本発明は、赤外線センサにおいて、半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも2行含まれた撮像領域と、この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、前記各増幅トランジスタのドレイン電圧をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、前記増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタとを具備してなることを特徴とする。
【0030】
また本発明は、上記構成の赤外線センサを駆動するための駆動方法において、1フレーム期間内で前記行選択線により第1の無感度画素行を選択している第1の選択期間においては、該第1の選択期間内の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、第1の選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、1フレーム期間内で前記行選択線により第1の無感度画素行と異なる第2の無感度画素行を選択している第2の選択期間、及び前記行選択線により有感度画素行を選択している第3の選択期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧と異なる第2のソース電圧を印加し、1フレーム期間内で前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加することを特徴とする。
【0031】
また本発明は、赤外線センサにおいて、半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有する有感度画素行の複数行と共に赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、これらの信号線の各々と第1結合容量を介してそれぞれ接続される複数の増幅トランジスタと、これらの増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、前記各増幅トランジスタのドレインと第2結合容量を介してそれぞれ接続された複数の第1の蓄積容量と、前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、前記各第1の蓄積容量の電圧をそれぞれクランプする複数の第1のクランプ手段と、前記各第1の蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出すための複数の読み出し手段とを具備してなることを特徴とする。
【0032】
ここで、前記各第1の蓄積容量と転送トランジスタを介してそれぞれ接続された複数の第2の蓄積容量と、前記各第2の蓄積容量の電圧をそれぞれリセットする複数の第2のリセット手段とを備え、前記各第2の蓄積容量に転送された信号電荷がそれぞれ前記複数の読み出し手段により読み出されることが望ましい。
【0033】
また本発明は、上記構成の赤外線センサを駆動するための駆動方法において、前記赤外線検出画素の検出信号を行単位に読み出す期間を水平走査期間とし、毎回の水平走査期間の水平ブランキング期間中に、前記リセット手段をオフした状態で前記サンプリングトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタの閾値情報サンプリング動作を行い、次に前記行選択線により選択された前記無感度画素行の増幅読み出し動作を行い、次に前記行選択線により選択された有感度画素行の増幅読み出し動作を行い、前記無感度画素行の読み出し期間においては前記クランプ手段により前記蓄積容量の電圧を所定の電圧にクランプし、前記有感度画素行の増幅読み出し期間においては前記クランプ手段をオフ状態に保持し、該有感度画素行の増幅読み出し期間の終了時点においては前記蓄積容量に前記無感度画素出力と前記有感度画素出力との差分出力を蓄積し、該差分出力を前記読み出し手段を介して順次読み出し、かつ1フレーム内の各走査期間毎に有感度画素行を異ならせることを特徴とする。
【0034】
また本発明は、赤外線センサにおいて、半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有する有感度画素行の複数行と共に赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、これらの信号線の各々と第1結合容量を介してそれぞれ接続された複数の増幅トランジスタと、これらの増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の第1サンプリングトランジスタと、前記各増幅トランジスタのドレインと第2結合容量を介してそれぞれ接続された複数の第1蓄積容量と、前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、第1蓄積容量の電圧をそれぞれクランプする複数のクランプ手段と、第1蓄積容量と第2サンプリングトランジスタを介してそれぞれ接続された複数の第2蓄積容量と、第2蓄積容量に保持された各々の信号電圧を読み出すための複数の水平選択読み出し手段とを具備してなることを特徴とする。
【0035】
また本発明は、上記構成の赤外線センサを駆動するための駆動方法において、前記赤外線検出画素の検出信号を行単位に読み出す期間を水平走査期間とし、第1水平走査期間中に、前記リセット手段をオフした状態で前記サンプリングトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタの閾値情報サンプリング動作を行い、次に前記行選択線により選択された無感度画素行の増幅読み出し動作を行い、次に前記行選択線により選択された有感度画素行の増幅読み出し動作を行い、前記無感度画素行の増幅読み出し期間においては、前記クランプ手段により第1蓄積容量の電圧を所定の電圧にクランプし、前記有感度画素行の増幅読み出し期間においては、前記クランプ手段をオフ状態に保持し、該有感度画素行の増幅読み出し期間の終了時点においては第1蓄積容量に無感度画素行の出力と有感度画素行の出力の差分出力を蓄積し、次に第2サンプリングトランジスタをオンすることで、第1蓄積容量に蓄積された差分出力を第2蓄積容量に転送し、第1水平走査期間の終了後、第1水平走査期間に続く第2水平走査期間において、前記読み出し手段を介して順次読み出されるまで信号電荷を保持し、該第2水平走査期間においては、第2サンプリングトランジスタをオフした状態で第1水平走査期間と同じ動作を繰り返し実行することを特徴とする。
【0036】
(作用)
本発明によれば、列毎に異なる増幅トランジスタの閾値がばらつくことによって発生する、列毎の電圧ゲインのばらつきを無くすために、画素出力が発生する信号線と増幅トランジスタのゲートとの間に結合容量を設けてDC的に分離し、さらにフレーム毎に列毎の増幅トランジスタの閾値情報を増幅トランジスタのゲートに与えているので、列毎の閾値ばらつきの影響は無くなり、この閾値ばらつきに起因する蓄積容量の電圧スイングを確保するために必要な蓄積容量の動作電圧領域のマージン設定が不要となる。このため、ゲート変調積分回路のゲインを大きく設計することが可能となり、高感度な非冷却型赤外線センサを得ることができる。また、同じ理由で、蓄積容量電位をフルに利用できるようになり、広ダイナミックレンジな非冷却型赤外線センサを得ることができる。
【0037】
また本発明によれば、負荷MOSトランジスタの閾値の情報を含んだ無感度画素選択時の無感度画素電圧が信号線に発生しているタイミングで、列毎の増幅MOSトランジスタの閾値情報と同時に、列毎の負荷MOSトランジスタの閾値情報サンプリングを行うことにより、増幅トランジスタの閾値のばらつきを補正すると同時に動作点ばらつきを補正しているので、列毎の負荷MOSトランジスタの閾値ばらつきの影響を無くすことができ、蓄積容量の電圧スイングを確保するために必要な蓄積容量の動作電圧領域のマージン設定が不要となる。このため、ゲート変調積分回路のゲインを大きく設計することが可能となり、高感度な非冷却型赤外線センサを得ることができる。また、同じ理由で、蓄積容量電位をフルに利用できるようになり、広ダイナミックレンジな非冷却型赤外線センサを得ることができる。
【0038】
さらに本発明によれば、リセット雑音を含む無感度画素行の1行分の無感度画素出力情報群を1フレーム期間保持する手段を有しているので、結合容量のリセット雑音がフレーム内で一定であるということから、同一フレーム内でのリセット雑音成分除去が可能であり、結合容量に起因するランダム雑音の影響なく、高感度化することが可能である。ここで、読み出し手段から時系列で得られる第1の行出力情報群を保持する記憶保持手段と、保持された第1の行出力情報群に基づいて第2の行出力情報群を補正する補正手段を設けることにより、リセット雑音成分の除去をより有効に行うことができる。
【0039】
また本発明によれば、増幅トランジスタの閾値情報のサンプリングは、水平走査期間毎に行うので、上記閾値情報は水平走査期間に相当する期間に保持されればよい。従って、上記の保持電圧に対して上記結合容量及び結合容量に接続されているトランジスタ等のリーク電流が影響する時間は、フレーム期間から水平走査期間に大幅に短縮される。よって、製造プロセスの変動等により上記リーク電流が設計値より増加しても、その影響によって垂直シェーディング等の特性不良が発生する可能性が大幅に低下するので、安定に製造可能となり、従って高い製造歩留まりを得ることができる。
【0040】
さらに本発明によれば、毎水平走査期間内に、増幅トランジスタの閾値情報サンプリング動作と、無感度画素出力信号の増幅読み出し動作と、選択画素出力信号の増幅読み出し動作と、無感度画素出力信号と選択画素出力信号との差分処理動作を行うことが可能である。従って、増幅トランジスタの閾値情報サンプリング動作に伴って結合容量に発生するランダム雑音であるリセット雑音成分は、上記の差分処理において除去されることになり、外部回路或いはオンチップ回路において、上記のランダム雑音情報をフレーム期間保持する記憶保持回路、及びこの記憶保持回路に保持されたランダム雑音情報に基づいて出力信号を補正する補正回路は不要となり、素子構造及び素子駆動を大幅に簡略化することができる。
【0041】
また本発明によれば、水平走査期間内に無感度画素出力信号と選択画素出力信号との差分処理動作を行うことができるので、信号帯域の低周波側に帯域制限がかかる。従って、低周波数側で高雑音となる増幅トランジスタの1/f雑音や、信号線に接続される定電流源として用いられる負荷MOSトランジスタの1/f雑音を大幅に低減可能となる。さらに、差分処理動作回路と水平読み出し回路との間に1水平走査期間の記憶保持回路を設けることで、水平走査期間の大部分を占める水平有効期間に撮像信号の増幅読み出しを行うことが可能となる。このため、信号周波数帯域の高周波数側について帯域制限をかけることになり、さらに低雑音化できる。また、このような構造と駆動によって、センサチップ内の単体素子のリーク電流や、MOS界面トラップ密度に対する仕様を大幅に緩和できることになるので、製造工程のばらつきによらず安定に製造が可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0043】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図である。図では、説明を簡単にするために2行2列の2×2画素構成を示しているが、より多数行,多数列のm×n画素構成に適用できるのは勿論のことである。
【0044】
入射赤外線を電気信号に変換する赤外線検出画素1が半導体基板上に2次元的に配置されて撮像領域3を構成している。撮像領域3の内部には、複数本の行選択線4(4−1,4−2)と複数本の垂直信号線5(5−1,5−2)が配置されている。
【0045】
画素選択のために、行選択回路40と水平アドレス回路6が撮像領域3の行方向と列方向に各々隣接配置され、行選択回路40には行選択線4が接続され、水平アドレス回路6には水平選択線7(7−1,7−2)が接続されている。画素出力電圧を得るための低電流源として、各列の垂直信号線5には負荷MOSトランジスタ8(8−1,8−2)が接続されている。負荷MOSトランジスタ8のソースには基板電圧Vsが印加されている。
【0046】
行選択回路40により選択された行選択線4には電源電圧Vdが印加され、行選択回路40により選択されない行選択線にはVsが印加される。その結果、選択された行の赤外線検出画素1内部のpn接合が順バイアスとなりバイアス電流が流れ、画素内部のpn接合の温度と順バイアス電流とにより動作点が決まり、各列の垂直信号線5に画素信号出力電圧が発生する。このとき、行選択回路40によって選択されない画素1のpn接合は逆バイアスとなる。即ち、画素内部のpn接合は画素選択の機能を持っている。
【0047】
垂直信号線5に発生する電圧は、極めて低電圧であり、被写体の温度変化dTsと画素温度変化dTdとの比として5×10-3を仮定し、この値と画素のpn接合が8個のpn接合を直列接続した場合の熱電変換感度dV/dTd=10[mV/K]とにより、dTs=0.1[K]のときには僅かに5[μV]であることが分かる。従って、この被写体温度差を認識するためには、垂直信号線5に発生する雑音を5[μV]以下にすることが必要になる。この雑音の値は、MOS型の可視光イメージセンサであるCMOSセンサの雑音の約1/80と、非常に低い。
【0048】
この低電圧の信号電圧を増幅するために、列毎に増幅読み出し回路9が配置されており、各列の増幅トランジスタ10のゲートと各列の垂直信号線5とは、結合容量11により容量結合している。この結合容量11により、垂直信号線5と増幅読み出し回路9とはDC的に分離される。
【0049】
増幅トランジスタ10のドレイン側には、電流増幅した信号電流を積分し蓄積するための蓄積容量12が接続されている。信号電流を積分する蓄積時間は、行選択回路40により行選択線4に印加される行選択パルスにより決定される。蓄積容量12には、該蓄積容量12の電圧をリセットするためのリセットトランジスタ13が接続され、水平選択トランジスタ14による信号電圧の読み出しが完了した後にリセット動作を行うようになっている。
【0050】
増幅トランジスタ10のドレインは、サンプルトランジスタ15を介して増幅トランジスタ10のゲートに接続されており、サンプルトランジスタ15をオンすることにより、増幅トランジスタ10のゲートとドレインが同電位となる。
【0051】
図2は、本実施形態の赤外線センサにおける赤外線検出画素の断面構造(a)と平面構造(b)とを説明するための概略構成図である。熱電変換のためのpn接合を含むセンサ部16は、単結晶シリコン支持基板17の内部に形成された中空構造18の上に形成された、赤外線吸収層22と、熱電変換のために形成されたSOI層19内部のpn接合と、このSOI層19を支持している埋め込みシリコン酸化膜層20とから成る。また、このセンサ部16を中空構造18上に支持すると共にセンサ部16からの電気信号を出力するために支持部21が設けられ、センサ部16と垂直信号線5及び行選択線4とを接続する接続部(不図示)が設けられている。
【0052】
このように、センサ部16及び支持部21が中空構造18上に設けられることにより、入射赤外線によるセンサ部16の温度の変調を効率良く行う構造になっている。なお、図2では、pn接合が2個直列接続される場合の構造を示している。
【0053】
図3は、本実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図1に示した2行2列からなる4画素の場合の駆動タイミングチャートである。タイミングチャートに記さない負荷MOSトランジスタ8のソース電位と増幅トランジスタ10のソース電位は何れも基板電位を与えており、リセットトランジスタ13のドレイン電圧には電源電圧を与えている。
【0054】
行選択1行目の行選択線4−1が選択される期間101の前に、行選択回路40が行選択を行わない非選択期間100があり、ここで増幅トランジスタ10の閾値情報を取得し保存する動作を行う。この非選択期間100においては、垂直信号線5の電圧は負荷MOSトランジスタ8のソース電圧と等しくなるので基板電位になる。
【0055】
まず、リセットトランジスタ13をオンして蓄積容量12の電圧Vc1,Vc2をリセットする。次に、非選択期間100においてサンプルトランジスタ(SMP)15をオンして、増幅トランジスタ10のゲートに電源電圧にリセットされた増幅トランジスタ10のドレイン電圧を与える。そのため、増幅トランジスタ10はオンされドレイン電流が流れる。このドレイン電流によりドレイン電圧Vcは低下して増幅トランジスタ10のコンダクタンス低下させ、ドレイン電流が流れない状態のゲート電圧がドレイン電圧Vcに取得される。この電圧が各列毎の増幅トランジスタ10の閾値電圧である。
【0056】
増幅トランジスタ10の閾値情報がドレイン電圧Vcに読み出された後にサンプルトランジスタ15をオフすることで、閾値情報は結合容量11に保持されることになる。この閾値情報の読み出しは、フレーム期間内に一度行うものであるので、第1行の行選択に先立ち行い、第2行目以降の行選択前には行わず、以降は第1行選択前に保持された閾値情報をそのまま使用する。次に、第1行の選択に先立ちリセットトランジスタ13をオンして閾値電圧が読み出されたドレイン電圧Vcをリセットする。
【0057】
第1行の選択期間101においては、第1行選択線4−1に行選択パルスV1が印加され、負荷MOSトランジスタ8〜垂直信号線5〜第1行の画素1〜第1行選択線4−1〜行選択回路40の電流パスを、負荷MOSトランジスタ8により決定されるバイアス電流が流れる。このバイアス電流と画素1の熱電変換手段であるpn接合の温度とにより画素1の動作点が決まり、画素1の温度により変化する画素出力電圧が各列の垂直信号線5に発生する。そして、垂直信号線5の電圧が基板電圧から画素出力電圧に変化する。
【0058】
この垂直信号線5の電圧変化は、結合容量11によるカップリングで増幅トランジスタ10のゲート電圧を変化させる。従って、増幅トランジスタ10のゲート電圧は、非選択期間100において保持された増幅トランジスタ10の閾値情報に画素出力電圧変化情報が加わったものとなる。その結果、増幅トランジスタ10がオンされ垂直信号線電圧に応じたドレイン電流が流れ、蓄積容量12で第1行選択期間101の期間、電流が積分されドレイン電圧Vcが変化する。このとき、増幅トランジスタ10のドレイン電流を支配するゲート電圧は、保持された閾値電圧からのシフト量により決定されるので、列毎にばらつく閾値の影響を受けない。
【0059】
選択期間101に続く水平読み出し期間102に、水平選択回路6により水平読み出しトランジスタ14が順次選択されドレイン電圧Vc1,Vc2が時系列で出力線24に読み出される。第2行以降の動作は、サンプルトランジスタ15の動作がないこと以外は、第1行での動作と同様であり、行選択期間のドレイン電流を積分し、順次読み出す。
【0060】
本実施形態によれば、各列毎に異なる増幅トランジスタ10の閾値情報は、非選択期間100における閾値読み出し動作により増幅トランジスタ10のゲートに接続される結合容量11に保持されているので、画素選択期間101に行われる電流積分動作においては増幅トランジスタ10の閾値のばらつきの影響がなくなり、垂直信号線5に発生する画素出力電圧のみでドレイン電流が決定される。
【0061】
従って、ドレイン電流積分による増幅読み出し回路9の動作において、垂直信号線5に発生するμVオーダーの画素信号電圧よりも、遙かに高レベルである30mV程度の閾値ばらつきによる蓄積容量12の飽和を防止するためのマージンを設計することが不要となる。その結果として、高い電圧ゲインを得ることが可能となり、増幅読み出し回路9以降における雑音の影響を大幅に低減できるので、低雑音,高感度,ワイドダイナミックレンジの赤外線センサを得ることができる。
【0062】
本実施形態における、増幅読み出し回路9の動作は、負荷MOSトランジスタ8のソース電圧、行選択回路40の選択パルス電圧、増幅トランジスタ10のソース電圧、リセットトランジスタ13のドレイン電圧により、ゲインや飽和等の動作を最適化することが可能である。
【0063】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0064】
本実施形態におけるセンサ構成は第1の実施形態で用いた図1、2と同一であり、タイミングチャートも第1の実施形態における図3とほぼ同一であるが、本実施形態におけるタイミングチャート(図4)においては増幅トランジスタ10のソース電圧SSをパルス駆動している。即ち、非選択期間100における増幅トランジスタ10の閾値情報取得動作時に、トランジスタ10のソースSSにパルス電圧を印加している。
【0065】
このような駆動によれば、画素選択時の画素1を含むバイアス電流が流れる経路の動作点を変化することなく、増幅読み出し動作時の増幅トランジスタ10のゲート・ソース間電圧を調整可能となり、増幅読み出し回路9の動作点調整が容易になり、より最適な状態での動作を行うことが可能である。従って、より低雑音,高感度,ワイドダイナミックレンジの赤外線センサを得ることができる。
【0066】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図であり、図1に示したセンサ構成図を簡略表記した上で、5行5列の25画素の構成を示している。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0067】
行選択回路40により選択された行選択線4に行選択パルスが印加され、選択された行にある画素1には負荷MOSトランジスタによる低電流回路80から供給されるバイアス電流が垂直信号線5を介して流れ、バイアス電流と画素1の温度により決まる画素pn接合の動作点に応じた画素出力電圧が垂直信号線5に発生する。垂直信号線5は、結合容量11とサンプルトランジスタ15からなる閾値保持回路110を介して増幅読み出し回路90に接続されており、増幅読み出し回路90内で増幅された1行分の信号電圧情報群は、水平選択回路6により選択される水平読み出し回路70から出力端Vout に順次読み出される。
【0068】
本実施形態においては、撮像領域内部に赤外線感度を有さない無感度画素2が1行配置された無感度画素行200が配置されており、行選択回路40は、通常の画素1と同様な行選択手段で無感度画素2を選択することができる。
【0069】
図6は、無感度画素2の構造の一例を示す断面構造図(a)及び表面構造図(b)である。前記図2に示した通常の画素の構造と比較して明らかなように、支持基板17内部に中空構造18が形成されていないことを除けば、通常の画素1と同一の構造であり、電気的構造は同一である。しかし、中空構造18を形成していないため、入射赤外線が赤外線吸収層22で吸収されて発生した熱は支持基板17に伝導されてしまう。つまり、赤外線が入射してもセンサ部16の温度は変化しないことになるので、結果的に赤外線に対して感度を有さない無感度画素となる。
【0070】
図5に示すように、無感度画素行200を撮像領域3内に含むセンサを図3に示したタイミングチャートで駆動することによって、無感度画素行200の出力情報が得られる。この無感度画素行200の出力を得ることにより、さらに低雑音化することが可能となる。即ち、増幅トランジスタ10の閾値情報を結合容量11に保持する際に、結合容量11には結合容量11のリセット雑音が発生するが、このリセット雑音は、閾値情報が1フレーム期間保持されるためにフレーム期間内では各列で一定である。従って、無感度画素行200の信号を読み出し、外部回路により通常の画素出力との差分を得られるような信号処理を行うことで除去可能となるので、無感度画素行200を設けることによって、より低雑音で高感度な赤外線センサを得ることができる。
【0071】
このリセット雑音は、結合容量値をCcとした場合に、ボルツマン定数をk、素子の絶対温度をTとして、(kT/Cc)1/2 で表現され、Cc=1pFの場合は約60μVにもなる。この値は、増幅トランジスタ10の閾値ばらつきの値(約30mV)の1/100以下であるので、増幅読み出し回路9における動作マージンを設定する必要はない。また、フレーム内での縦筋状の固定パターン雑音として発生するが、フレーム内での相関を利用して、無感度画素出力との差分をとることで除去可能になるので、雑音の増加を招くことは無い。
【0072】
また、図7に示すように、1行分の出力情報群を保持する記憶回路301を設けて、保持した行とは異なる行からの出力を、記憶回路301に保持した出力情報群によって補正する補正回路302をチップ内に含むセンサ構造によって、チップ上での処理を行うことも可能である。
【0073】
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャートであり、1行目に無感度画素行を含む、2行2列の素子の駆動例を示している。
【0074】
本実施形態におけるセンサ構成は第3の実施形態で用いた図5と同一である。なお、図8では説明を簡単にするために2行2列の例を示しているが、5行5列の場合も同様に適用できるのは勿論のことである。
【0075】
本実施形態においては、増幅トランジスタ10の閾値情報読み取りを、非選択期間ではなく、無感度画素行の選択期間103に行っている。無感度画素行200を選択している期間103で閾値情報を読み取るために、この期間103において増幅トランジスタソースSSにパルス電圧を印加している。なお、無感度画素行の選択期間103に読み取られた閾値情報は、これに続く水平読み出し期間104で水平選択回路6により水平読み出しトランジスタ14を順次選択することにより出力線24に読み出される。
【0076】
このように本実施形態では、増幅トランジスタソースに印加するパルス電圧によって、結合容量11に読み出される閾値情報に付加されるオフセット電圧を調整可能であり、従って増幅読み出し回路9の動作点を調整することが可能である。無感度画素行200を選択している期間103に閾値情報を読み取る動作を行うことで、増幅トランジスタ10の閾値情報のみならず、定電流源である負荷MOSトランジスタ8の閾値情報を同時に読み出すことになるので、増幅読み出し回路9のゲインをさらに大きく設定可能となるので、より低雑音,高感度,ワイドダイナミックレンジな赤外線センサを得ることができる。
【0077】
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。この図では、1行目に無感度画素行がある2行3列の画素構成の駆動を示している。
【0078】
本実施形態においては、行選択回路40が無感度画素行200を2回選択しており、1回目の行選択期間103において閾値情報の読み取りを行い、2回目の行選択期間105において無感度画素出力を得ている。さらに、選択期間103に読み取られた閾値情報はこれに続く水平読み出し期間104で読み出され、選択期間105に読み取られた無感度画素出力はこれに続く水平読み出し期間106で読み出される。
【0079】
このように図9のタイミングによれば、無感度画素行を1行設けるだけの構造で、無感度画素による閾値読み取り動作と、無感度画素出力の読み取りを行うことが可能である。そして、閾値読み取りにより増幅トランジスタ10のしきい値のばらつきの影響を無くすことができ、無感度画素出力の読み取りに加え、先に説明した外部回路による通常画素出力との差分をとることにより、結合容量11のリセット雑音を無くすことができる。
【0080】
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図であり、図1に示したセンサ構成図を簡略表記した上で、5行5列の25画素の構成を示している。第3の実施形態で説明した図5の構成と基本的には同じであるが、本実施形態では無感度画素2が2行設けられている。
【0081】
図10のセンサの駆動方法は、図11のタイミングチャートに示す通りであり、第1行目の無感度画素行を選択する期間103で閾値情報の読み取りを行い、第2行目の無感度画素行を選択する期間105で無感度画素出力を得ている。増幅トランジスタ10のソースには、閾値情報の読み出し期間103には高電圧が印加され、画素出力信号の増幅読み出し期間105、101には低電圧が印加される。
【0082】
本実施形態によれば、第5の実施形態と同様に、無感度画素による閾値読み取り動作と無感度画素出力の読み取りを行うことが可能となり、増幅トランジスタ10のしきい値のばらつきの影響を無くすことができ、結合容量11のリセット雑音を無くすことができる。これに加え、行選択回路40には単純なシフトレジスタ回路を用いることが可能であるので、周辺回路の設計が容易である。
【0083】
(第7の実施形態)
前記図7に示した構成例では、保持された閾値情報に基づく出力信号を、1フレーム期間保持する記憶保持手段301や、この保持記憶された情報に基づいて、有効出力信号を補正するための補正手段302が必要である。さらに、結合容量11に閾値情報を1フレーム期間保持するために、結合容量11及び結合容量11に接続されたトランジスタ等のリーク電流の影響を受けやすい。従って、これらのリーク電流が大きい場合には、保持された閾値情報が1フレーム期間内に変化してしまい、出力画像に縦方向のシェーディングが発生する可能性もある。そこで、以下の実施形態ではこれを解決している。
【0084】
図12は、本発明の第7の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図であり、3行2列の3×2画素構成を示している。なお、図1と同一部部には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。また、図では説明を簡単にするために2行2列の3×2画素構成を示しているが、より多数行,多数列のm×n画素構成に適用できるのは勿論のことである。
【0085】
図12の上方の2行には赤外線検出画素1が配列され、図12の下方の1行には無感度画素2が配列され無感度画素行200が構成されている。撮像領域3には、入射赤外線を電気信号に変換する赤外線検出画素1が2次元的に配置された領域と、上記の無感度画素2が行方向に配列された無感度画素行200とが存在している。
【0086】
赤外線検出画素1の構造例は前記図2と同様である。また、無感度画素2の構造例は前記図6と同様である。なお、図12においては、無感度画素行200を図12の下部側の行に配置しているが、必要に応じて、図12の上部側の行に配置する等の構成も可能である。また、無感度画素行200は少なくとも1行分配置することが必要であるが、さらに必要に応じて2行以上配置することも可能である。
【0087】
撮像領域3内部には、行選択線4(4−1,4−2,4−3)と垂直信号線5(5−1,5−2)が配置されている。行選択線4は、行選択のための回路である行選択回路40に接続され、行選択駆動される。垂直信号線5には、赤外線検出画素1及び無感度画素2からの信号読み出しのためのバイアス電流を供給するための定電流源が接続されている。
【0088】
垂直信号線5と増幅トランジスタ10(10−1,10−2)の各々のゲートとの間に第1の結合容量11が配置され、増幅トランジスタ10のゲート・ドレイン間にサンプリングトランジスタ15を配置し、増幅トランジスタ10の閾値電圧ばらつきに起因する問題を図1の構成と同様に回避している。しかし、図12の構成においては、増幅読み出しの回路以降の構成が異なっている。増幅トランジスタ10のドレインは、各列に配置される積分トランジスタ(INT)32を介して第2結合容量33に接続されている。第2結合容量33の他端には蓄積容量30が接続されていると共に、クランプトランジスタ(CL)31が接続されている。蓄積容量30に蓄積,保持された信号電圧は、水平選択回路6によって、順次水平読み出しトランジスタ6(6−1,6−2)を介して、出力部Vout に時系列で読み出される。
【0089】
図12の構成によって、毎水平走査期間内に増幅トランジスタの閾値電圧情報のサンプリングを行い、結合容量11に閾値電圧情報が保持される期間が、水平走査期間に短縮することが可能となり、結合容量11及びそれに接続されるサンプリングトランジスタ15等のリーク電流の影響を大幅に低減可能となる。
【0090】
例えば、結合容量11における閾値電圧保持期間がフレーム期間であるという図1の構成では、上述のリーク電流の影響により垂直シェーディングが発生する可能性がある。さらに、製造プロセスの変動等により、上述のリーク電流が増大してしまった場合には、さらに大きい垂直シェーディング問題が発生したり、或いはある行以降において撮像不能となる可能性があり、特性上の安定性及び製造上の安定性に課題がある。
【0091】
一方、本実施形態によれば、閾値電圧を毎水平走査期間にサンプリングしているので、上述のような垂直シェーディングは本質的に発生しない。さらに、閾値電圧の保持時間が、フレーム期間から水平走査期間に大幅に短縮されているので、リーク電流に対する仕様は大幅に緩和されることになり、製造上の安定性が大幅に向上し、安定的に製造が可能となる。
【0092】
さらに、図12の構成によれば、毎水平走査期間内に赤外線検出画素1からの出力電圧と、無感度画素2からの出力電圧の差分処理を行うことが可能となる。この差分処理によって、得られる効果は、以下の二つの雑音低減効果と、その各々と関連して得られる製造歩留まり向上効果である。一つは、上記の増幅トランジスタ10の閾値電圧情報のサンプリングにおいて発生する、結合容量11のリセット雑音を、列増幅読み出し回路内部で除去できるということである。この結合容量11におけるリセット雑音を見積もると、以下のようになる。
【0093】
リセット雑音電圧Vnは、Vn=(kT/C)1/2 で表現される。但し、k:ボルツマン定数、T:絶対温度である。従って、結合容量値として1pFを仮定すれば、結合容量に発生するリセット雑音は約60μVにもなってしまう。これは、前述した赤外線感度の見積もり結果を適用すると、被写体温度換算で1.2[℃]にもなる、非常に大きい雑音成分である。従って、高感度のセンサを実現するためには、何らかの手段によって、この結合容量のリセット雑音を除去することが不可欠である。このリセット雑音を除去するための素子構成例の一つが前記図7である。
【0094】
次に、本実施形態の赤外線センサを駆動するタイミングチャートの例を図13に示し、図13のタイミングチャートに沿って、図12の赤外線センサの動作を説明する。水平ブランキング期間301における動作は、増幅トランジスタ10の閾値サンプリング動作(図13、期間a)、無感度画素2からの信号読み出し動作(図13、期間b)、そして、赤外線検出画素1からの信号読み出し動作(図13、期間c)である。
【0095】
まず、行選択回路40による行選択を行わない非選択状態として、全ての行選択線4はオフされている。従って、前述のように、垂直信号線5には、負荷MOSトランジスタ8のソース電圧として印加している基板電位Vsが発生する。そして、サンプリングトランジスタ15及びリセットトランジスタ14をオンにする。この動作により、増幅トランジスタ10のゲートとドレインは同電圧となり、リセットトランジスタ15によりリセットされ、増幅トランジスタ10はいずれもオン状態になる。
【0096】
次に、リセットトランジスタ15をオフにすることで、増幅トランジスタ10のドレイン電圧及びゲート電圧は各々のドレイン電流により低下し、各々のドレイン電流がゼロになった状態に収束する。このときの、各々の増幅トランジスタ10のドレイン電圧及びゲート電圧が、各々の増幅トランジスタ10の閾値電圧である。その後、サンプリングトランジスタ15をオフとすることで、増幅トランジスタ10のゲートとドレインは分離され、以後、サンプリングされた各々の閾値電圧は、列毎の第1結合容量11に保持されることになる。
【0097】
次に、リセットトランジスタ14と積分トランジスタ32とクランプトランジスタ31をオンする。このとき、増幅トランジスタ10のドレイン電圧及び第2結合容量33の電圧はリセットされ、蓄積容量30の電圧Vcsが所望の電圧に固定される。
【0098】
次に、リセットトランジスタ14をオフにして、ゲート変調積分回路による増幅読み出しを開始する。行選択回路40により行選択線4−3に電源電圧Vdを印加し、無感度画素行200を行選択する。このとき、負荷MOSトランジスタ8から垂直信号線5を介して無感度画素行200の無感度画素2が順バイアスされ、負荷MOSトランジスタ8により決定される順バイアス電流と、半導体基板17の温度とにより無感度画素2内部のpn接合の動作点が決まり、垂直信号線5に無感度画素出力が発生する。垂直信号線5に発生した電圧変化は、結合容量11を介して増幅トランジスタ10のゲート電圧変化を変調し、増幅トランジスタ10をオン状態としてドレイン電流が流れ、第2結合容量33に蓄積される。
【0099】
次に、行選択回路40による行選択線4−3の選択をオフにすることで、増幅トランジスタ10はオフし、ゲート変調積分読み出し動作が完了し、無感度画素2の信号出力が第2結合容量33に蓄積される。そして、クランプトランジスタ31をオフにした後に、リセットトランジスタ14をオンし、増幅トランジスタ10のドレイン電圧及び第2結合容量33の電圧をリセットし、再度リセットトランジスタ14をオフにする。
【0100】
行選択回路40により、行選択線4−1に電源電圧が印加され、第1行の赤外線検出画素が選択される。このとき、負荷MOSトランジスタ8から垂直信号線5を介して選択された第1行の赤外線検出画素1が順バイアスされ、負荷MOSトランジスタ8により決定される順バイアス電流と、赤外線検出画素1内部のセンサ部16の温度とにより赤外線検出画素1内部のpn接合の動作点が決まり、垂直信号線5に第1行の赤外線検出画素出力が発生する。行選択回路40により第1行が選択される期間(図13、期間c)、前述の無感度画素行選択期間(図13、期間b)と同様な動作により、赤外線検出画素出力によるゲート変調積分読み出し動作が行われ、そのドレイン電流は第2結合容量33に信号電荷として蓄積される。このとき、クランプトランジスタ31はオフとなっているので、上記の赤外線検出画素による信号電荷の発生により蓄積容量30の電圧Vcsは変調される。
【0101】
最後に積分トランジスタ32をオフすることで、第1行に関する水平ブランキング期間の動作が完了する。このとき、蓄積容量30には、クランプトランジスタ31のオン動作により固定されたクランプ電圧を基準に、無感度画素2からの出力と赤外線検出画素1からの出力の差分により変調された電圧Vcsが保持されている。
【0102】
次に、水平有効期間300では、水平選択回路6により水平読み出しトランジスタ7が順次オンされ、時系列で出力線24に出力信号が読み出される。続く、水平ブランキング期間302においては、前述した水平ブランキング期間301における動作と基本的に同一であり、行選択回路40により選択される行選択線が第1行の行選択線4−1ではなく、第2行の行選択線4−2であることを除けば、同じ動作を行う。さらに、水平ブランキング期間302に続く水平有効期間300では、第1行の信号読み出しと同等に、水平選択回路6により水平読み出しトランジスタ6が順次オンされ、時系列で出力線24に出力信号が読み出される。
【0103】
以上のような動作によれば、前述の通り、毎水平走査期間において増幅トランジスタ10の閾値サンプリングを行うことが可能となり、低雑音であると共に製造工程の変動への耐性が高く、製造歩留まりが高い赤外線センサを実現できる。しかも、前記図7に示した構成例とは異なり、記憶保持手段301や補正手段302等の外部回路を設ける必要もなくオンチップで実現することができるため、赤外線センサシステムを低コスト化できる。
【0104】
図12の実施形態を駆動するためのタイミングチャートは、図13以外にもバリエーションがあるが、ここでは、増幅トランジスタ10のソース電圧をパルス駆動する例について、図14を用いて説明する。図14と図13とは、基本的には同様の動作を行うものであり、大部分タイミングチャートは同一である。図14には、図13ではDC駆動であった、増幅トランジスタソースSSの電圧をパルス駆動している。また、それにシンクロしたタイミングで無感度画素行200の行選択線4−3にもパルスが追加されている。図14での動作は、基本的に図13と同一であるので、同一の部分についての説明は省略する。
【0105】
図14の駆動は、水平ブランキング期間301の初期(図14、期間a)における、増幅トランジスタ10の閾値電圧サンプリング動作においてソースSSにパルス電圧Vsを印加し、それと同時に無感度行200の選択を行うために行選択線4−3もオンとしている。この動作においては、増幅トランジスタ10のソースSSが基板電圧Vsより高い電圧に設定されるために、サンプリングされる閾値電圧は増幅トランジスタ10のソースSSがVsの時の値となり、図13の動作よりも高い閾値電圧がサンプリングされることになる。その後の、無感度画素行200の選択からゲート変調積分読み出し動作、及び赤外線検出画素の選択からゲート変調積分読み出し動作においては、ソースSSは基板電圧Vsに設定される。
【0106】
図14の駆動によれば、増幅トランジスタ10の動作点調整の調整対象が増加し、より最適な状態での素子動作が可能となり、その結果として、さらに高感度特性を得ることが可能となる。即ち、図13の駆動において、増幅トランジスタ10の動作点を決定するのは、行選択回路40によって行選択線4に印加される電源電圧Vdによって決定されてしまう。ところが、行選択回路40によって印加する電源電圧Vdは、赤外線検出画素1の感度にも影響を及ぼすので、必ずしも増幅トランジスタ10の動作の最適化だけのための調整を行うことができない。従って、増幅トランジスタ10の増幅率を最適にできない場合があり、最高の感度を得ることができない。
【0107】
なお、図13、14では、はじめに無感度画素2からの信号出力を読み出し、それに続き赤外線検出画素1からの信号出力を読み出すタイミングチャートを例示したが、逆に赤外線検出画素1からの信号読み出しを行ってから、無感度画素2からの信号読み出しを行うことももちろん可能である。さらに、図13、14では、赤外線検出画素2と無感度画素1との出力信号を差分処理するためのタイミングチャートを例示しているが、異なる行の赤外線検出画素からの出力同士の差分処理を行うことも可能である。その場合には、これまで述べてきた効果の他に、例えば隣接行間の差分処理を行うことが可能となり、垂直方向に限定されるものの、いわゆるエッジ検出を行うことも可能となる。
【0108】
(第8の実施形態)
図15は、本発明の第8の実施形態を説明するための赤外線センサの構成図である。3×2画素構成を示しており、図15の上方の2行には赤外線検出画素1が配列され、図15の下方の1行には無感度画素2が配列され無感度画素行200が構成されている。
【0109】
撮像領域3には、入射赤外線を電気信号に変換する赤外線検出画素1が2次元的に配置された領域と、上記の無感度画素2が行方向に配列された無感度画素行200とが存在している。赤外線検出画素1及び無感度画素2の構造は、各々図2、図6に例示したものと同様である。図15の構成の基本部分は、第7の実施形態である図12と同一であるのでその説明を省略し、ここでは第7の実施形態との差異を中心に説明する。
【0110】
撮像領域3及びその周辺回路構成、垂直信号線5−1,5−2から第1結合容量11を介して接続されるゲート変調積分読み出し回路の構成、及び2回の信号読み出し結果を差分処理する回路については、図12と同一の構成になっている。本実施形態においては、差分処理後の信号電圧を保持する第1蓄積容量30と、水平読み出しトランジスタ14との間に、さらに一段のサンプルホールド回路を設けた構成となっている。
【0111】
即ち、第1蓄積容量30に保持された信号電圧は、転送トランジスタ42を介して、第2蓄積容量43に接続されており、水平読み出しトランジスタは14は、第2蓄積容量43に蓄積された信号を順次読み出す構造となっている。第2蓄積容量43の電圧を初期化するために、第2蓄積容量43には第2リセットトランジスタ44が接続されている。第1蓄積容量30と、第2蓄積容量43とを転送トランジスタ42で分離することで、信号電圧を第2蓄積容量43に保持した状態で、第1蓄積容量30を使用して行うゲート変調積分読み出し動作を行うことが可能となる。
【0112】
図15の本実施形態による赤外線センサを駆動するためのタイミングチャートの一例を図16に示し、その動作と効果について、以下説明する。
【0113】
本実施形態においては、第7の実施形態では水平ブランキング期間101、102で行っていた撮像信号の読み出し動作を、有効期間100に行うことが異なっている。初めの有効期間100において、図13における水平ブランキング期間での動作と同様な動作を行うことで、各水平走査期間毎の増幅トランジスタ10の閾値電圧サンプリング動作(図16、期間a)、第1蓄積容量30の電圧を固定した状態での無感度画素2からの暗信号のゲート増幅積分読み出し動作(図16、期間b)、そして差分処理のためのクランプトランジスタ31をオフにした後に行う、選択行の赤外線検出画素1からの光信号のゲート増幅積分読み出し動作(図16、期間c)を行う。この結果、第1蓄積容量30には、増幅トランジスタ10の閾値のばらつきの影響が排除され、さらに低周波数での帯域制限が行われた結果として負荷MOSトランジスタ8及び増幅トランジスタ10の1/f雑音が低下した状態での低雑音な信号電圧が保持される。
【0114】
この間、転送トランジスタ42はオフされており、水平読み出しトランジスタ14は第1蓄積トランジスタ30と分離されている。水平選択回路6からの水平選択パルスにより、水平読み出しトランジスタ14が順次選択されるが、出力部24には、リセット信号が出力される。
【0115】
本実施形態における水平ブランキング期間101での動作は、第1蓄積容量30に蓄積されていた信号電圧を、第2蓄積容量43に転送するという動作のみである(図16、期間d)。まず、第2リセットトランジスタ44をオンして、第2蓄積容量43の電圧をリセットし、再度第2リセットトランジスタ44をオフする。次に、転送トランジスタ42をオンして、第1蓄積容量30に保持された信号電荷を第2蓄積容量43に転送し、再度転送トランジスタ42をオフする。この水平ブランキング期間101において、第2蓄積容量43に転送された信号電圧は、次の有効期間において順次読み出されることになる(図16、期間e)。
【0116】
本実施形態によれば、無感度画素2からのゲート変調積分読み出し動作、及び赤外線検出画素1からのゲート変調積分読み出し動作を、水平走査期間の大部分を占める有効期間内に動作することが可能となる。即ち、上述のゲート変調積分読み出し動作を支配する行選択パルスの幅を、大幅に拡大できることになる。その結果、信号周波数帯域の高周波側における帯域制限が可能となり、ランダム雑音を低減可能となるので、さらに低雑音の赤外線センサを得ることができる。勿論、第7の実施形態の効果である、信号周波数帯域の低周側での帯域制限による、負荷MOSトランジスタ及び増幅トランジスタにおいて発生する1/f雑音の低減効果や、毎水平走査期間に閾値電圧をサンプリングすることによる垂直シェーディング防止効果や、差分処理動作による、第1結合容量11で発生する高レベルのリセット雑音の除去効果は、本実施形態においても同様に得られる。
【0117】
また、これらの特長によって、製造工程の変動への耐性が向上しているので、第7の実施形態と同様に、製造工程の変動があっても、高い歩留まりで安定に製造可能であるという効果も得られる。
【0118】
図15に示した赤外線センサを駆動するためのタイミングチャートは、図16以外にもバリエーションがあるが、ここでは、増幅トランジスタ10のソース電圧をパルス駆動する例について、図17を用いて説明する。図17と図16とは基本的には同様の動作を行うものであり、大部分タイミングチャートは同一である。図17には、図16ではDC駆動であった、増幅トランジスタ10のソースSSの電位をパルス駆動している。また、それにシンクロしたタイミングで無感度行200の行選択線4−3にもパルスが追加されている。
【0119】
図17での動作は、基本的に図16と同一であるので、同一の部分についての説明は省略する。図17の駆動は、有効期間100の初期(図17、期間a)における、増幅トランジスタ10の閾値電圧サンプリング動作において増幅トランジスタ10のソースSSにパルス電圧Vsを印加し、それと同時に無感度行200の選択を行うために行選択線4−3もオンとしている。この動作においては、増幅トランジスタ10のソースSSが基板電圧Vsより高い電圧に設定されるために、サンプリングされる閾値電圧は増幅トランジスタ10のソースSSがVsの時の値となり、図16の動作よりも高い閾値電圧がサンプリングされることになる。その後の、無感度画素行の選択からゲート変調積分読み出し動作、及び赤外線検出画素の選択からゲート変調積分読み出し動作においては、ソースSSは基板電圧Vsに設定される。
【0120】
図17の駆動によれば、増幅トランジスタ10の動作点調整の調整対象が増加し、より最適な状態での素子動作が可能となり、その結果として、さらに高感度特性を得ることが可能となる。即ち、図16の駆動において、増幅トランジスタ10の動作点を決定するのは、行選択回路40によって行選択線4に印加される電源電圧Vdによって決定されてしまう。ところが、行選択回路40によって印加する電源電圧Vdは、赤外線検出画素1の感度にも影響を及ぼすので、必ずしも増幅トランジスタ10の動作の最適化だけのための調整を行うことができない。従って、増幅トランジスタ10の増幅率を最適にできない場合があり、最高の感度を得ることができない。
【0121】
なお、図16、17では、初めに無感度画素2からの信号出力を読み出し、それに続き赤外線検出画素1からの信号出力を読み出すタイミングチャートを例示したが、逆に赤外線検出画素1からの信号読み出しを行ってから、無感度画素2からの信号読み出しを行うことも勿論可能である。さらに、図16、17では、赤外線検出画素2と無感度画素1との出力信号を差分処理するためのタイミングチャートを例示しているが、異なる行の赤外線検出画素からの出力同士の差分処理を行うことも可能である。その場合には、これまで述べてきた効果の他に、例えば隣接行間の差分処理を行うことが可能となり、垂直方向に限定されるものの、いわゆるエッジ検出を行うことも可能となる。
【0122】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。画素構成は実施形態に示したもの以外にm×nの各種の画素構成に適用できる。赤外線検出画素は図2の構造に何ら限定されるものではなく、仕様に応じて適宜変更可能である。具体的には、半導体基板上に入射赤外線を吸収し熱に変換するための赤外線吸収手段と、赤外線吸収手段で発生した熱による温度変化を電気信号に変換するための熱電変換手段と、熱電変換手段からの画素出力信号を読み出す画素を選択する画素選択手段と、画素選択手段により選択された赤外線検出画素からの画素出力信号を出力するための出力手段とを有するものであればよい。また、赤外線を直接電気信号に変換できる素子を使用することも可能である。
【0123】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0124】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、画素出力が発生する信号線と増幅トランジスタのゲートとの間に結合容量を設けてDC的に分離し、増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にサンプリングトランジスタを設け、フレーム毎に列毎の増幅トランジスタの閾値情報を増幅トランジスタのゲートに与えるようにしているので、閾値ばらつきに起因する蓄積容量の電圧スイングを確保するために必要な蓄積容量の動作電圧領域のマージン設定が不要となる。従って、ゲート変調積分回路のゲインを大きく設計することが可能となり、感度の向上をはかることができる。また同じ理由で、蓄積容量電位をフルに利用できるようになり、ダイナミックレンジの拡大をはかることができる。これにより、低雑音,高感度,ワイドダイナミックレンジの非冷却赤外線センサを実現することが可能となる。また、製造工程の変動への耐性が向上するので、高い製造歩留まりで、安定に製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図。
【図2】第1の実施形態に用いた赤外線検出画素の断面構造と平面構造を示す図。
【図3】第1実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図4】第2の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図5】第3の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図。
【図6】第3の実施形態に用いた無感度画素の断面構造と平面構造を示す図。
【図7】第3の実施形態の変形例を示す図。
【図8】第4実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図9】第5の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図10】第6の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図。
【図11】第6の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図12】第7の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図。
【図13】第7の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図14】第7の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図15】第8の実施形態に係わる赤外線センサの全体構成を示す回路図。
【図16】第8の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【図17】第8の実施形態に係わる赤外線センサの駆動方法を説明するためのタイミングチャート。
【符号の説明】
1…赤外線検出画素
2…無感度画素
3…撮像領域
4…行選択線
40…行選択回路
5…垂直信号線
6…水平選択回路
7…水平選択線
70…水平読み出し回路
8…負荷MOSトランジスタ
80…定電流回路
9…列増幅読み出し回路
90…増幅読み出し回路
10…増幅トランジスタ
11…結合容量
110…閾値保持回路
12…蓄積容量
14…リセットトランジスタ
15…サンプルトランジスタ
16…センサ部
17…支持基板
18…中空構造
19…SOI単結晶シリコン層
20…埋め込み酸化シリコン層
21…支持部
22…赤外線吸収層
24…出力部
25…増幅トランジスタソース
100…非選択期間
101,103,105…行選択期間
102,104,106…水平読み出し期間
200…無感度画素行
301…行出力情報記憶回路
302…出力補正回路

Claims (10)

  1. 半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列された撮像領域と、
    この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、
    前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、
    これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、
    これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、
    前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、
    前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、
    を具備してなることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 請求項1記載の赤外線センサを駆動するための駆動方法であって、
    1フレーム期間内で前記行選択線により前記赤外線検出画素を選択していない非選択期間においては、該非選択期間中の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記非選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで該トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、
    1フレーム期間内で前記赤外線検出画素を前記行選択線により選択している選択期間、及び前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持することを特徴とする赤外線センサの駆動方法。
  3. 半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、
    この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、
    前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、
    これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、
    これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、
    前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、
    前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、
    を具備してなることを特徴とする赤外線センサ。
  4. 請求項3記載の赤外線センサを駆動するための駆動方法であって、
    1フレーム期間内で前記行選択線により前記無感度画素行を選択している第1の選択期間においては、該第1の選択期間内の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、第1の選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタのゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、
    1フレーム期間内で前記行選択線により前記有感度画素行を選択している第2の選択期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧とは異なる第2のソース電圧を印加し、
    1フレーム期間内で前記行選択線により前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加することを特徴とする赤外線センサの駆動方法。
  5. 半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、
    この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、
    前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、
    これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、
    これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、
    前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、
    前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、
    前記増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、
    前記読み出し手段から時系列で得られる第1の行出力情報群を保持する記憶保持手段と、
    該記憶保持手段に保持された第1の行出力情報群に基づき、第1の行出力情報群を得た行とは異なる行を選択した結果として得られる第2の行出力情報群を補正する補正手段と、
    を具備してなることを特徴とする赤外線センサ。
  6. 半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも2行含まれた撮像領域と、
    この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、
    前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、
    これらの信号線に発生した信号電圧によりそれぞれ変調される複数の増幅トランジスタと、
    これらの増幅トランジスタのドレインにそれぞれ接続され該トランジスタからの信号電荷を蓄積する複数の蓄積容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレイン電圧をそれぞれリセットする複数のリセット手段と、
    前記各蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出す複数の読み出し手段と、
    前記各信号線と該信号線に対応する前記増幅トランジスタのゲートとの間にそれぞれ設けられた複数の結合容量と、
    前記増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、
    を具備してなることを特徴とする赤外線センサ。
  7. 請求項6記載の赤外線センサを駆動するための駆動方法であって、
    1フレーム期間内で前記行選択線により第1の無感度画素行を選択している第1の選択期間においては、該第1の選択期間内の第1の期間において、前記リセット手段をオフすることで前記増幅トランジスタのドレイン電位をリセットされていない状態とし、前記サンプルトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを接続して同一電位とし、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加し、第1の選択期間内の第1の期間を除いた第2の期間において、前記サンプルトランジスタをオフすることで前記増幅トランジスタのドレインとゲートを分離し、前記増幅トランジスタゲートには第1の期間における該トランジスタのドレイン電位を保持し、
    1フレーム期間内で前記行選択線により第1の無感度画素行と異なる第2の無感度画素行を選択している第2の選択期間、及び前記行選択線により有感度画素行を選択している第3の選択期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧と異なる第2のソース電圧を印加し、
    1フレーム期間内で前記読み出し手段により信号電圧を読み出す期間においては、前記サンプルトランジスタをオフ状態に保持した上で、前記増幅トランジスタのソースに第1のソース電圧を印加することを特徴とする赤外線センサの駆動方法。
  8. 半導体基板上に入射赤外線を検出する赤外線検出画素が二次元的に配列され、かつ赤外線感度を有する有感度画素行の複数行と共に赤外線感度を有さない無感度画素行が少なくとも1行含まれた撮像領域と、
    この撮像領域内に行方向に配置された複数の行選択線と、
    前記撮像領域内に列方向に配置された複数の信号線と、
    これらの信号線の各々と第1結合容量を介してそれぞれ接続される複数の増幅トランジスタと、
    これらの増幅トランジスタのドレインとゲートとの間にそれぞれ設けられた複数のサンプリングトランジスタと、
    前記各増幅トランジスタのドレインと第2結合容量を介してそれぞれ接続された複数の第1の蓄積容量と、
    前記各増幅トランジスタのドレイン電位をそれぞれリセットする複数の第1のリセット手段と、
    前記各第1の蓄積容量の電圧をそれぞれクランプする複数のクランプ手段と、
    前記各第1の蓄積容量に保持された信号電荷をそれぞれ読み出すための複数の読み出し手段と、
    を具備してなることを特徴とする赤外線センサ。
  9. 前記各第1の蓄積容量と転送トランジスタを介してそれぞれ接続された複数の第2の蓄積容量と、前記各第2の蓄積容量の電圧をそれぞれリセットする複数の第2のリセット手段とを備え、
    前記各第2の蓄積容量に転送された信号電荷がそれぞれ前記複数の読み出し手段により読み出されることを特徴とする請求項8記載の赤外線センサ。
  10. 請求項8記載の赤外センサを駆動するための駆動方法であって、
    前記赤外線検出画素の検出信号を行単位に読み出す期間を水平走査期間とし、毎回の水平走査期間の水平ブランキング期間中に、リセット手段をオフした状態で前記サンプリングトランジスタをオンすることで前記増幅トランジスタの閾値情報サンプリング動作を行い、次に前記行選択線により選択された前記無感度画素行の増幅読み出し動作を行い、次に前記行選択線により選択された有感度画素行の増幅読み出し動作を行い、前記無感度画素行の読み出し期間においては前記クランプ手段により前記蓄積容量の電圧を所定の電圧にクランプし、前記有感度画素行の増幅読み出し期間においては前記クランプ手段をオフ状態に保持し、該有感度画素行の増幅読み出し期間の終了時点においては前記蓄積容量に前記無感度画素出力と前記有感度画素出力との差分出力を蓄積し、該差分出力を前記読み出し手段を介して順次読み出し、かつ1フレーム内の各走査期間毎に有感度画素行を異ならせることを特徴とする赤外線センサの駆動方法。
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