JP3726571B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

車両用乗員保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3726571B2
JP3726571B2 JP21238499A JP21238499A JP3726571B2 JP 3726571 B2 JP3726571 B2 JP 3726571B2 JP 21238499 A JP21238499 A JP 21238499A JP 21238499 A JP21238499 A JP 21238499A JP 3726571 B2 JP3726571 B2 JP 3726571B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distance
occupant
seat
seat back
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21238499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001039269A (ja
Inventor
治久 是
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP21238499A priority Critical patent/JP3726571B2/ja
Publication of JP2001039269A publication Critical patent/JP2001039269A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3726571B2 publication Critical patent/JP3726571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシートベルトを利用した車両用乗員保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両、特に自動車においては、乗員保護のためにシートベルトによって乗員をシートに拘束することが行われており、一般には3点式シートベルトが多く用いられている。3点式シートベルトは、基本的に、車体に連結されたリトラクタから引き出されたシートベルトの先端部がシートの左右一方側において車体に連結され、前記シートベルトの中間部に取付けられた第1係合部(タング)がシートの左右他方側において車体に連結された第2係合部(バックル)に着脱自在に係合されるようになっている。このような3点式シートベルトにおいて、リトラクタからひきだされたシートベルトは、第2係合部に係合する第1係合部を境として、乗員の肩部を主に拘束するショルダ部と、乗員の腰部を主に拘束するラップ部とに区別することができる。
【0003】
衝突に関連して乗員を効果的に保護するために、プリテンショナによってシートベルトを強制的に引張することが提案されている。特開平9ー175327号公報には、後突時あるいは後突予知時に、プリテンショナによってシートベルトを引張することにより、乗員のシートに対する拘束性を高めることが提案されている。この公報記載のものでは、特に、後突に起因して生じやすいむち打ち症を防止あるいは抑制するものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
後突あるいは後突予知時、特に後突予知時において、シートベルトをプリテンショナによって一律に引張することは、乗員のシートに対する拘束性を高めるという点では好ましい反面、未だ改善の余地がある。すなわち、プリテンショナが作動して乗員がシートベルトによってシートバックへ拘束されるということは、乗員にとっては不意の外力が与えられることになり、この点において改善の余地がある。また、乗員がシートバックからかなり大きく離間している状態でプリテンショナを作動させることは、少なくとも乗員の上体がかなり大きくシートバックへ向けて変位されることになり、このことはハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルとの相対的な位置関係が少なからず変化して、衝突対応のための操作性を十分に確保するという観点から改善の余地がある。
【0005】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、後突あるいは後突予知時において、プリテンショナの作動制御をより最適化して、乗員に対してシートバックへ向けての不意となり易い不必要な外力が付与されることがないようにすると共に、ハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルの操作性をも十分に確保できるようにした車両用乗員保護装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明はその第1の解決手法として次のようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
後突予知時または後突時に、シートベルトを引張するプリテンショナを作動させる制御手段を備えた車両用乗員保護装置において、
乗員の上体とシートバックとの離間距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段で検出される距離が第1所定値から該第1所定値より小さい距離に設定された第2所定値までの所定距離範囲内にない場合は、該所定距離範囲内にある場合に比して前記プリテンショナを小さいトルクで作動させるか又はプリテンショナの作動を禁 止する規制手段と、
を備えたものとしてある。
【0007】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。
【0008】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、乗員の上体がシートバックから大きく離間しているときは、プリテンショナの作動トルクを小さく又は作動を禁止することにより、乗員の上体が急激に大きくシートバックへ向けて変位されることが防止あるいは抑制されて、ハンドル等の操作生が悪化することが防止あるいは抑制されることになる。勿論、不意に大きな外力が乗員の上体に作用することが防止あるいは抑制されることにもなり、乗員を驚かしてしまう事態も防止される。なお、乗員の上体がシートバックから大きく離間しているときに、プリテンショナを通常通り作動させてしまうと、むち打ち症を助長しかねないが、このような事態も防止あるいは抑制する上でも好ましいものとなる。
また、乗員の上体がシートバックに近接しているときは、プリテンショナの作動トルクを小さく又は作動を禁止することにより、不意に大きな外力が乗員の上体に作用することが防止あるいは抑制されることになり、乗員を驚かしてしまう事態が防止される。また、乗員の上体がシートバックに近接しているので、プリテンショナの作動を規制しても、むち打ち症の防止の上では特に問題はないものとなる。勿論、乗員の上体が急激にシートバックへ向けて押圧されることが防止あるいは抑制されて、ハンドル等の操作生が悪化することを防止あるいは抑制する上でも好ましいものとなる。
【0009】
以上に加えて、プリテンショナの作動規制を、プリテンショナの作動禁止とした場合には、上記効果を十分に発揮させることができる。
請求項2によれば、距離センサによって、乗員の上体とシートバックとの間の距離を簡単にかつ正確に検出することができる。
請求項によれば、車室前面に設けられた距離センサを有効利用して、乗員の上体とシートバックとの間の距離を検出することができる。特に、フロントエアバッグの作動制御のために車室前面に距離センサが設けられているときは、このフロントエアバッグ用の距離センサをそのまま利用することができる。
【0010】
請求項によれば、車室前面に設けた距離センサを利用する場合に、乗員の上体とシートバックとの間の距離を精度よく決定することができる。
請求項によれば、請求項4に対応した効果とほぼ同様の効果を得つつ、請求項の場合よりもより簡便な構成とすることができる。
請求項によれば、乗員が荷物等を抱えた状態でシートに着座しているときでも、この荷物等をノイズとすることなく、乗員までの距離を精度よく検出することができる。
請求項によれば、シートベルトとして一般的な3点式シートベルトにおいて、具体的な構成が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1、図2において、1は運転席シートであり、そのシートクッションが符号2で、シートバックが符号3で、ヘッドレストが符号4で示される。シート1に着座された乗員Jによって操作されるステアリングハンドルが符号5で示され、このハンドル5にはエアバッグ装置6が装備されている。
【0012】
シート1用の3点式シートベルト装置10は、シートベルト11を巻き取るためのリトラクタ12を有し、このリトラクタ12は、シートクッション2の右後方の低い位置において車体(実施形態ではBピラー)に固定されている。リトラクタ12から引き出されたシートベルト11は、その先端部が、シートクッション2の直右方の低い位置において、固定具13を利用して車体(実施形態ではフロアパネル)に固定されている。シートクッション2の直左方の低い位置には、固定具14を介してバックル15が車体(実施形態ではフロアパネル)に固定されている。
【0013】
シート1の右方の高い位置のうち、通常使用状態(起立状態)にあるシートバック4よりも若干後方位置において、ガイド部材16が車体(実施形態ではBピラー)に固定されている。リトラクタ12から引き出されたシートベルト11は、一旦上方へ向けて伸びて、ガイド部材16をスライド自在に挿通された後、その先端部が前述のように固定具13を介して車体に固定されている。シートベルト11の中間部分、より具体的にはガイド部材16と固定具13との間の部分には、タング17がスライド自在に保持されている。このタング17は、前述したバックル15に対して係脱自在に係合される。このタング17は第1係合部を構成するものであり、バックル15は第2係合部を構成するものであるが、タング17を車体側に設け、バックル15をシートベルト11側に設けることもできる。
【0014】
シート1に着座されている乗員Jの前方にシートベルト11を位置させた状態で、タング17をバックル15に係合させることにより、図1、図2に示すように乗員Jがシート1に拘束される。すなわち、シートベルト11を介して乗員Jは、リトラクタ12、固定具13、バックル15(固定具14)の3点によってシート1つまり車体に拘束された状態となる。このように、リトラクタ12が車体への第1の連結部となり、固定具13が車体への第2の連結部となり、バックル15が車体への第3の連結部となる。シートベルト11によって乗員Jが拘束されているとき、シートベルト11のうち、タング17(バックル15)からガイド部材16に渡る部分が乗員Jの肩部から胸部を主として拘束するショルダ部11aとなり、タング17から固定具13に渡る部分が乗員Jの腰部を主として拘束するラップ部11bとなる。
【0015】
リトラクタ12には、プリテンショナ(プリテンショナ装置)およびロック手段が装備されており、以下リテーナ12部分の詳細について図3、図4を参照しつつ説明する。まず、リテーナ12のうち車体への固定部分となるケースが符号21で示され、このケース21に回転自在に保持されたシートベルト11用の巻き取り軸の軸線が符号22で示される。ケース21の一側方には、ぜんまいばねを利用したばね機構23が装備され、このばね機構23によって、シートベルト11を巻き取るための付勢力が巻き取り軸線22(巻き取り軸)に対して付与されている。
【0016】
ケース21の後方、つまりシートベルト11の引き出し位置とは反対側には、電動式のモータ24が固定されている。このモータ24は、プリテンショナ用となるもので、電磁式のクラッチ25、減速機26を介して巻き取り軸線22に連結されている。ケース11のうち、ばね機構23とは反対側において、ロック手段27が取付けられている。このロック手段27は、既知のように、シートベルト11が所定以上の大きな速度でもって引張されたとき、つまり巻き取り軸線22が所定回転速度以上でもってシートベルト引き出し方向に回転されたときに、巻き取り軸線22の回転をロックして、シートベルト11の引き出しをロックする作用を行う。
【0017】
図5は、制御系統を示すものであり、図中Uは、マイクロコンピュータを利用して構成された制御ユニットである。この制御ユニットUには、各種センサ、スイッチ等S1〜S7からの信号が入力される。スイッチS1は、乗員Jがシートベルト11をきちんと装備しているか否かを検出するスイッチであり、例えばバックル15に装備されて、タング17をバックル15にきちんと係合させたときにONとされる。センサS2は、シートバック3のリクライニング角を検出する角度センサである。センサS3は、シート1つまりシートクッション2の前後方向スライド位置を検出するものである。センサS4は、インストルメントパネル31に設けられて、インストルメントパネル31の後端から乗員Jの顔面(あるいは胸部で、シートバック3上端部付近に指向させることもできる)までの距離を検出する距離センサである。センサS5は、シートクッション2に設けられて、シート1に着座された乗員Jの体重(および存在)を検出するものである。
【0018】
センサS6は、シートバック3(の上端部付近)に設けられて、シート1に着座された乗員Jからの押圧力(シートバック3によりかかっている程度)を検出するものである。センサS7は、後突予知センサであり、後突の予知を行う。この後突予知センサS7は、例えば車両後方の障害物を検出するレーダを利用して構成されて、このレーダによって検出された例えば障害物までの距離と相対速度とから、衝突する可能性が高いか否かが制御ユニットUによって判定される。センサS8は、Gセンサ(加速度センサ)で、後突されたときに車体に生じる加速度が所定値以上のときにONとなって、後突を検出するものである。制御ユニットUによって制御させる機器としては、プリテンショナ(モータ24)、エアバッグ6の他、ランプ、ブザー等からなる警報器41(音による警報が好ましい)が含まれる。
【0019】
次に、図6のフローチャートを参照しつつ、プリテンショナの作動制御の一例について説明する。なお、図6のフローチャートは,後突予知が検出(判定)されたときにスタートされ、また以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1において、シートベルトスイッチS1がONされているか否か、つまりシートベルト11が装着されている状態であるか否かが判別される。このQ1の判別でYESのときは、Q2において、センサS3からの出力に基づくシートスライド位置SSと、センサS2の出力に基づくリクライニング角θと、距離センサS4の出力に基づくインストルメントパネル31後端から乗員Jの顔面までの距離D2とが読み込まれる。
【0020】
Q3では、シートスライド位置SSとリクライニング角θとから、インストルメントパネル31後端からシートバック3上端つまりヘッドレスト4までの距離DXが決定される。Q4では、上記距離DXを勘案して、インストルメントパネル31後端から乗員Jの顔面位置までの適正距離範囲L1〜L2(L1<L2)が決定される。この適正距離範囲L1〜L2は、乗員Jのシートバック3からの離間距離が小さすぎずかつ大きすぎない範囲である。なお、適正距離L1〜L2の決定に際しては、乗員Jの頭部幅(前後方向長さ)が標準的な大きさであることを想定している。
【0021】
Q5では、センサS5の出力に基づいて、シートクッション2に加わる乗員Jからの荷重が所定値P1以上であるか否かが判別される。このQ5の判別でNOのときは、Q5の判別が繰り返されるが、Q1へ戻るようにしてもよい。Q5の判別でYESのときは、Q6において、センサS2からの出力に基づいて、シートバック3に加わる乗員Jからの荷重が所定値P2以上であるか否かが判別される。Q6の判別でYESのときは、Q7において、距離センサS4で検出された距離D2が、適正距離範囲L1〜L2の範囲にあるか否かが判別される。
【0022】
Q7の判別でYESのときは、乗員Jのシートバック3からの離間距離が適正範囲なので(乗員Jがほぼ標準的な姿勢で着座している)、このときはQ8において、モータ24が基準トルクとなる中トルクで作動される(プリテンショナの作動有り)。勿論、モータ24の作動トルクの大きさが、シートベルト11の引張力の大きさを示すものとなる。Q7の判別でNOのときは、Q9において、距離D2が、L1よりも小さいか否かが判別される。このQ9の判別でYESのときは、Q10において、モータ24が高トルクで作動される(プリテンショナの作動有り)。このQ10の処理が行われるときは、乗員Jが体格の大きい場合あるいは荷物を抱えている場合が考えられる。Q9の判別でNOのときは、Q11において、モータ24が低トルクで作動される(プリテンショナの作動有り)。このQ11の処理が行われるときは、乗員Jがシートバック3に十分に接触している場合である。
【0023】
前記Q6の判別でNOのときは、Q12に移行して、距離D2が、前記距離範囲L1〜L2よりも若干大きい範囲とされた距離範囲L3〜4の間にあるか否かが判別される(L3<L1<L2<L4)。このQ12の判別でYESのときは、Q13において、モータ24が高トルクで作動される(プリテンショナの作動有り)。このQ13の処理が行われるのは、乗員Jがシートバック3からやや離れすぎているときである。Q12の判別でNOのときは、Q14において、モータ24の作動が禁止される(プリテンショナの作動なし)。このQ14の処理が行われるのは、乗員Jがシートバック3から大きく離れすぎているとき、あるいは乗員Jが前方または側方に上体を折り曲げているときが考えられる。
【0024】
以上の説明で明確なように、図6の制御例では、乗員Jがシートバック3から大きく離れすぎているときに、プリテンショナの作動を禁止するものとなっている。なお、Q6の判別に代えて、乗員Jのシートバック3からの離間距離が所定値以下であるか否かを判別するものとして、判別がYESのときにQ7へ移行するようにすることもできる。
【0025】
図7は、本発明の別の制御例を示すフローチャートである。まず、Q21において、センサS5の出力に基づいてシート1に乗員Jが着座されていること、およびスイッチS1の出力に基づいてシートベルト11が装着されていることが確認されると、Q23において、後突の可能性が大きいか否かが判別される(後突予知センサS7の出力に基づいて判定)。
【0026】
Q23の判別でYESのときは、Q24において、乗員Jの上体とヘッドレスト4との間の検出距離に基づいて、プリテンショナの作動ゲインAが、図8の実線に基づいて決定される(0≦A≦1)。この作動ゲインAは、モータ24の作動トルクの大きさを決定するためのもので、作動ゲインAが1のときが基準トルクであり、作動夫ゲインAが小さくなるほど作動トルクが小さくされる。作動ゲインAは、上記検出距離が適正距離範囲β3〜β4の間にあるときは1に設定され、所定値β3よりも小さくなるにしたがって徐々に小さくされ、β4よりも大きいときは急激に小さくされて最終的に0に設定される。Q24の後、Q25において、基準トルクに作動ゲインAを乗算することにより、最終トルクG1が演算される。この後、Q26において警報器41が作動され、Q27において、最終トルクG1でもって、モータ24が作動される(プリテンショナの作動有り)。
【0027】
Q27の後、あるいはQ23の判別でNOのときは、それぞれQ28において、GセンサS8の出力に基づいて、後突が検出されたか否かが判別される。このQ28の判別でYESのときは、Q29において、モータ24の作動ゲインBが、図8の波線で示すように決定される。この作動ゲインBは、乗員Jの上体とヘッドレスト4との間の検出距離が十分に小さいβ1以下のときに1に設定され、β1よりも大きくなるにしたがって急激に小さくされて最終的に0に設定される。この後、Q30において、基準トルクに作動ゲインBを乗算することにより、最終トルクG2が演算される。この後、Q31において、最終トルクG2でもって、モータ24が作動される(プリテンショナの作動有り)。乗員Jが存在しないとき(Q21の判別でNOのとき)、シートベルト11が装着されていないとき(Q22の判別でNOのとき)、およびQ28の判別でNOのときは、それぞれリターンされる。
【0028】
図7の変形例として、次のようにすることもできる。まず、後突予知がされたときに、図9に示すように、乗員Jの上体とヘッドレスト4との間の検出距離が所定範囲β3〜β4までの間にあるときにのみ、モータ24を基準トルクで作動させ、その他のときはモータ24の作動を禁止することができる。また、後突検出時には、図9に示すように、上記検出距離が小さい所定距離β1以下のときにのみモータ24を基準トルクで作動させ、その他のときはモータ24の作動を禁止することができる。
【0029】
図10は、インストルメントパネル31に設けた距離センサS4を利用して、乗員Jの上体とシートバック上端つまりヘッドレスト4との間の距離Xを精度よく検出できるようにした例を示すものである。まず、ヘッドレスト4とインストルメントパネル31後端との距離Dhは、図11に示すように、シートスライド位置(センサS3で検出)とシートバックリクライニング角(センサS2で検出)とから正確に知ることができる。また、乗員Jの顔面とインストルメントパネル31後端との距離Liは、距離センサS4によって正確に知ることができる。乗員Jの頭部幅(前後方向長さ)Fpは、乗員Jの体格の大きさを示す体重(センサS5で検出)に基づいて、図12のマップから正確に決定することができる(体重が大きいほど頭部幅Fpが大)。そして、最終的に求める乗員Jとヘッドレスト4との間の距離Xは、X=Dh−Li−Fpの計算式によって得られる。上記計算式において、頭部幅Fpのみがわずかの誤差を生じる程度であり、最終的に得られる距離Xは、相当に精度の高いものとなる。なお、Fpの値を予測値として一定に設定して、別途Fpを計算することなく距離Xを決定するようにしてもよい。
【0030】
図13は、ヘッドレスト4に、乗員Jの頭部とヘッドレスト4との間の距離を直接検出するセンサS10を設けた例を示すものである。すなわち、ヘッドレスト4のうち、クッション体が符号51で示され、フレームが符号52で示される。フレーム52は、シートバック3への取付部となる左右一対の取付脚部52aを有すると共に、クッション体51内において取付脚部52a同士を連結する上下一対の連結部52b、52cを有する。クッション体51は、そのほぼ中央部分において開口部51aを有し、下方の連結部52cが、当該開口部51aの下端縁部付近に位置されている。そして、距離センサS10が、開口部51a内に配置された状態で、連結部52cに固定されている。
【0031】
図14、図15は、ヘッドレスト4に、乗員Jの頭部とヘッドレスト4との間の距離を直接検出するセンサS10を設けた別の例を示すものであり、図13R>3と同一構成要素には同一符号を付してのその重複した説明は省略する。本実施形態では、クッション体51の前面に、下方の連結部52cに臨ませて、取付凹部51bを形成してある。そして、距離センサS10を、取付凹部51b内に配設すると共に、連結部52cに固定してある。
【0032】
図16〜図21は、距離センサを用いることなく、安価な感圧スイッチ(圧力センサ)を利用して、乗員Jのシート1への着座姿勢状態を検出できるようにした例を示す。本実施形態では、図16に示すように、シートクッション2の後部上面と、シートバック3の上端部前面と、シートバック3の下端部前面とに、それそれに、左右一対の感圧スイッチ61、62、63を設けてある。この感圧スイッチ61〜63は、所定以上の荷重を受けたときにONとされるもので、そのONとOFFとの組み合わせによって、乗員Jの着座姿勢状態が、図18〜図21に示すように姿勢1ないし姿勢4として検出(分類)される。そして、検出された姿勢状態に応じて、図17に示すようにプリテンショナの作動が制御される。
【0033】
図18に示す姿勢1は、標準着座姿勢であり、プリテンショナは通常どおり(通常トルクで)作動される。図19に示す姿勢2は、姿勢1に比較して、乗員Jの上体が若干シートバック3の上端から離間しているものの、姿勢1とほぼ同じ標準姿勢に近いものであり、この場合は、プリテンショナは通常どおり作動されるか、あるいは通常時よりも高トルクでもってプリテンショナが作動される。図20に示す姿勢3は、乗員Jの上体がシートバック3から完全に離間しているときであり、この場合は、低トルクでプリテンショナを作動させるか、あるいはプリテンショナの作動が禁止される。図21に示す姿勢4は、乗員Jがシートバック3から大きく離間した上体であり、このときはプリテンショナの作動が禁止される。
【0034】
図22は、乗員Jの上体とヘッドレスト4との間の距離を検出する別の例を示すものである。本実施形態では、ヘッドレスト4の前面に、例えば図13〜図15に示すようにして距離センサS10を設ける一方、シートバック3の上端部前面に、所定以上の荷重を受けたときにONとなる圧力スイッチ64を設けてある。圧力スイッチ64がONされているときは、乗員Jの上体がシートバック3に十分近接しているときであると判定されて、この判定結果がプリテンショナの作動制御に用いられる。圧力スイッチ64がOFFのときは、距離センサS10で検出された検出距離が、プリテンショナの作動制御のために用いられる。
【0035】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。運転席シート以外のシートにも同様に適用し得る。プリテンショナの駆動源としては、モータ24の代わりに、流体式シリンダを利用する等、適宜選択できる。プリテンショナが、バックル15を引張するように構成することもでき、この場合は、プリテンショナの作動時に、リトラクタ12からシートベルト11が引き出されるのを防止する電磁式のロック手段を設けることが望ましい。
【0036】
シートベルト11側にバックル15を設ける一方、車体側にタング17を設けるようにすることもできる。勿論、着脱自在な係合が可能であれば、バックルとタング以外の係合部材を用いることができる。シートベルト装置としては、3点式に限らず、2点式や4点式等、適宜の形式のものとすることができる。後突予知時にのみプリテンショナの作動を規制するようにして、後突時にはプリテンショナの作動に規制を与えないようにすることもできる。これとは逆に、後突時にのみプリテンショナの作動を規制するようにして、後突予知時にはプリテンショナの作動に規制を与えないようにすることもできる。インストルメントパネル31に設けた距離センサS4の代わりに、図2に示すように、ルーフ71の前端に、乗員Jまでの距離を検出する距離センサS4Aを設けるようにすることもでき、この場合は、乗員Jが荷物等を抱えていても、抱えている荷物等が距離検出のためのノイズになってしまうことが防止される。なお、シートベルト装置が後席乗員用のときは、後席乗員の前方にある車室内にセンサS4(S4A)を設けるようにすればよい(例えば、運転席上方のル−フにセンサS4Aを設ける)。
【0037】
後突予知時あるいは後突時、特に後突時のプリテンショナの作動ゲイン(図8、図9の作動ゲインB対応)は、エアバッグ装置6の作動ゲインに対応したものとして設定することもできる。すなわち、GセンサS8によって検出される衝突時の加速度が大きいほど、また、図2に示すエアバッグ装置用として設定された距離センサS4で検出される乗員Jまでの距離が大きいほど、エアバッグ装置6の作動ゲイン(エアバッグの膨張速度つまり膨張圧力を決定するゲイン)が大きくなるように設定されるが、このエアバッグ用の作動ゲインが大きいほど、プリテンショナ用の作動ゲインを大きく設定することができる。
【0038】
フローチャートに示す各ステップ(ステップ群)あるいはセンサやスイッチ等の各種部材は、その機能の上位表現に手段の名称を付して表現することができる。また、各ステップ(ステップ群)の機能は、制御ユニット内に構成された制御部(機能部)の機能として表現することもできる。本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。さらに、本発明は、制御方法として表現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、プリテンショナによってシートベルトが引張される様子を合わせて示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態を示すもので、プリテンショナによってシートベルトが引張される様子を合わせて示す側面図。
【図3】リトラクタ付近の詳細を示す平面図。
【図4】図3の側面図。
【図5】制御系統例を示す図。
【図6】本発明の一制御例を示すフローチャート。
【図7】本発明の別の制御例を示すフローチャート。
【図8】プリテンショナの作動トルクを決定する作動ゲインの設定例を示す特性図。
【図9】プリテンショナの作動トルクを決定する作動ゲインの別の設定例を示す特性図。
【図10】乗員の上体とシートバックとの離間距離を検出する一例を示す側面図。
【図11】図10での離間距離検出に用いる特性図。
【図12】図10での離間距離検出に用いる特性図。
【図13】ヘッドレストに距離センサを設ける場合の一例を示す正面図。
【図14】ヘッドレストに距離センサを設ける場合の別の例を示す正面図。
【図15】図14の側面図。
【図16】乗員の上体とシートバックとの離間距離を圧力スイッチを利用して検出する一例を示す斜視図。
【図17】図16の例において、圧力スイッチの作動状態とプリテンショナの作動状態との関係をまとめて示す図。
【図18】図16の例において、圧力スイッチの作動状態に応じた想定される乗員姿勢状態を示す側面図。
【図19】図16の例において、圧力スイッチの作動状態に応じた想定される乗員姿勢状態を示す側面図。
【図20】図16の例において、圧力スイッチの作動状態に応じた想定される乗員姿勢状態を示す側面図。
【図21】図16の例において、圧力スイッチの作動状態に応じた想定される乗員姿勢状態を示す側面図。
【図22】乗員の上体とシートバック上端部との距離を検出する別の例を示す斜視図。
【符号の説明】
1:シート
2:シートクッション
3:シートバック
4:ヘッドレスト
10:3点式シートベルト装置
11:シートベルト11
11a:ショルダ部
11b:ラップ部
12:リトラクタ(第1連結部)
13:固定具(第2連結部)
14:固定具(第3連結部)
15:バックル(第2係合部)
16:ガイド部材
17:タング(第1係合部)
24:モータ(プリテンショナの駆動源)
32:ピストン
61〜64:圧力スイッチ(乗員姿勢検出用)
71:ルーフ
S2:センサ(リクライニング角検出)
S3:センサ(シートスライド位置検出)
S4:センサ(乗員までの距離検出)
S4A:センサ(距離検出)
S5:センサ(シートクッションに加わる乗員の荷重検出)
S6:センサ(シートバックに加わる乗員の荷重検出)
S7:センサ(後突予知用)
S8:Gセンサ(後突検出用)
S10:センサ(距離検出)
61〜64:圧力スイッチ(乗員姿勢検出用)
J:乗員
U:制御ユニット

Claims (7)

  1. 後突予知時または後突時に、シートベルトを引張するプリテンショナを作動させる制御手段を備えた車両用乗員保護装置において、
    乗員の上体とシートバックとの離間距離を検出する距離検出手段と、
    前記距離検出手段で検出される距離が第1所定値から該第1所定値より小さい距離に設定された第2所定値までの所定距離範囲内にない場合は、該所定距離範囲内にある場合に比して前記プリテンショナを小さいトルクで作動させるか又はプリテンショナの作動を禁止する規制手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 請求項において、
    前記距離検出手段が、前記シートバックの上端部付近に設けられて、乗員の背面までの距離を検出する距離センサとされている、ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  3. 請求項において、
    前記距離検出手段が、乗員前方の車室内に設けられて乗員の前面までの距離を検出する距離センサを備えて、該距離センサで検出された検出距離に基づいて乗員の上体と前記シートバックとの離間距離を決定するものとされている、ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  4. 請求項において、
    前記距離検出手段が、
    シートのスライド位置を検出するスライド位置検出手段と、
    前記シートバックのリクライニング角を検出するリクライニング角検出手段と、
    前記両検出手段での検出結果に基づいて、シートバック上端部と車室前面との間の第1特定距離を決定する第1特定距離決定手段と、
    シートクッションに設けられ、乗員から受ける荷重の大きさを検出する圧力センサと、
    前記圧力センサで検出された荷重に基づいて、乗員の頭部の大きさに対応した第2特定距離を決定する第2特定距離決定手段と、
    前記距離センサで検出された距離と前記第1特定距離と前記第2特定距離とから、乗員の上体とシートバック上端部との間の距離を演算する演算手段と、
    を備えている、ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  5. 請求項において、
    前記距離検出手段が、
    シートのスライド位置を検出するスライド位置検出手段と、
    前記シートバックのリクライニング角を検出するリクライニング角検出手段と、
    前記両検出手段での検出結果に基づいて、シートバック上端部と車室前面との間の特定距離を決定する特定距離決定手段と、
    シートクッションに設けられ、乗員から受ける荷重の大きさを検出する圧力センサと、
    前記距離センサで検出された距離と前記特定距離とから、乗員の上体とシートバック上端部との間の距離を演算する演算手段と、
    を備えている、ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  6. 請求項または請求項において、
    前記距離センサが、車体のルーフ前端部に設けられている、ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    シートベルトが、車体に連結されたリトラクタから引き出されて、シートの左右両端部において車体に連結される3点式とされ、
    前記プリテンショナが、前記リトラクタにシートベルトの巻き取り方向の力を付与する電動モータを備え、
    前記制御手段が、前記電動モータの作動を制御するようにされている、
    ことを特徴とする車両用乗員保護装置。
JP21238499A 1999-07-27 1999-07-27 車両用乗員保護装置 Expired - Fee Related JP3726571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21238499A JP3726571B2 (ja) 1999-07-27 1999-07-27 車両用乗員保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21238499A JP3726571B2 (ja) 1999-07-27 1999-07-27 車両用乗員保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001039269A JP2001039269A (ja) 2001-02-13
JP3726571B2 true JP3726571B2 (ja) 2005-12-14

Family

ID=16621698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21238499A Expired - Fee Related JP3726571B2 (ja) 1999-07-27 1999-07-27 車両用乗員保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3726571B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001058552A (ja) 1999-08-04 2001-03-06 Takata Corp 車両衝突被害軽減システム
JP3815420B2 (ja) 2002-10-24 2006-08-30 トヨタ自動車株式会社 車両の乗員保護装置
JP4355899B2 (ja) * 2003-05-15 2009-11-04 トヨタ自動車株式会社 車両デバイス制御装置
JP2006240544A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Mazda Motor Corp 車両用乗員保護装置
JP4597755B2 (ja) * 2005-04-21 2010-12-15 本田技研工業株式会社 シートベルト装置
JP5164587B2 (ja) * 2008-01-25 2013-03-21 本田技研工業株式会社 車両のシートベルト装置
JP7103270B2 (ja) 2019-02-25 2022-07-20 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001039269A (ja) 2001-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108692953B (zh) 包括安全气囊的车辆座椅
CN110949209B (zh) 车辆用座椅及车辆用座椅配置结构
EP1591308B1 (en) Occupant protection device for vehicle
US11584326B2 (en) Roof airbag system and vehicle
JP6784558B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP3297441B2 (ja) 自動車の補助拘束手段のための制御装置
EP1419939A1 (en) Passenger protection apparatus for a vehicle
JP3726571B2 (ja) 車両用乗員保護装置
US20050006884A1 (en) Occupant safety protection system
JP3460633B2 (ja) 車両用乗員保護装置
JPH1059122A (ja) 動力車用安全ベルトシステム
US7455318B2 (en) Occupant restraint system
US11691592B2 (en) Vehicle occupant restraint system
CN111605509B (zh) 车辆用乘客保护装置
JP4457720B2 (ja) 車両用乗員保護装置
EP1445155A1 (en) Seat belt system
US20040135354A1 (en) Occupant protection apparatus for vehicle
US7159683B2 (en) Motor vehicle having an electric seat adjuster for a seat and method of using the same
JP6839012B2 (ja) 乗員保護装置
US10906491B2 (en) Safety and comfort restraining device for a vehicle occupant and method for operating said device
JP2005306339A (ja) 車両の乗員保護装置
US20240116472A1 (en) Airbag apparatus for vehicle and method of controlling operation of the same
KR100190457B1 (ko) 파열 각도에 따른 에어 백 제어 방법
JP2006006547A (ja) 車両用フットレスト装置
KR100190456B1 (ko) 리프팅 시트를 이용한 에어 백 제어 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees