JP3699691B2 - 高耐食性溶融メッキ鋼線およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金網、落石防止網、護岸工事用の籠マット、ワイヤーロープ、鋼撚り線等の屋外で使用されるメッキ鋼線における耐食性と加工性を高めた高耐食性溶融メッキ鋼線およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼線に耐食性を付与する方法として、Znメッキが一般的に行なわれている。最近では、一回目に溶融Znメッキを行ない、引き続いて二回目にZn−Al合金メッキを行なう二浴法によるZn−6%Al合金メッキまたはZn−11%Al合金メッキが行なわれている。
他方、鋼板の分野では、Zn−Al合金メッキの耐食性をさらに高耐食にする方法として、Mgを重量比で3%添加するZn−6%Al−3%Mg合金メッキが鋼板用のメッキ製造方法として特開平10−306357等に提案されている。
この鋼板分野におけるZn−Al−Mg合金メッキを鋼線に適用すべくZn−6%Al−3%MgおよびZn−11%Al−3%Mg合金メッキの試作を行なってきた。ところが、耐食性は良いものの、メッキ層の硬度が高いために、曲げ加工した際に、メッキ層の偏肉による肉厚部及びブツ等の表面欠陥部に集中して剥離及びクラックが多発した。そして、実際的にメッキ鋼線には必ず前述した表面欠陥を多少は伴うので、曲げ加工を避けられない製品であるメッキ鋼線には応用できない問題があった。
また、メッキ付着量についても、外観、偏肉が良好であっても、曲げ加工時のメッキ部の剥離、クラックが発生するため、合金層とメッキ層を合わせたメッキ厚さに限界があり、300g/m2以上の厚メッキが安定して製造できない問題があった。
また、Zn−Al−3%Mg合金は、Zn−Al合金に比較して表面粗度が大きく、表面が梨地状になり、平滑性に乏しく、外観上の問題があった。
また、公知の通常の製造装置による製造方法では、偏肉比は3〜5程度に悪化し、メッキの剥離及びクラックが発生する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、第1には、耐食性を有し、同時に、鋼線特有の要求品質である曲げ加工時のメッキ部の剥離及びクラックの問題が解消されているZn−Al−Mg合金組成の高耐食性溶融メッキ鋼線を、第2には、耐食性、加工性に優れ、且つ、メッキ表面が平滑で表面粗度の小さいZn−Al−Mg合金組成の高耐食性溶融メッキ鋼線を、第3には、さらに、曲げ加工時にメッキ部に剥離及びクラックが発生し難く、偏肉が少なくて、ブツ、ザラ等の表面欠陥のない外観良好なメッキ層からなる高耐食性溶融メッキ鋼線を、第4には、前記した高耐食性溶融メッキ鋼線を効率良く安定して量産することが可能な高耐食性溶融メッキ鋼線の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を達成するため、高耐食性溶融メッキ鋼線では、2浴法により溶融メッキされ、低速の空気流冷却の後に相対的に高速の空気流で冷却する二段階空冷のZn−Al−Mg合金メッキ鋼線において、メッキ層のビッカース硬度が60〜90で、合金層のビッカース硬度が100〜140で、メッキ層がZnを主成分とし、メッキ層および合金層全体における組成比が、Mg:0.03〜0.15%、Al:8〜15%、Zn:残部からなり、メッキ層と合金層を合わせたメッキ厚さに関して、横断面上の最大厚さを最小厚さで除した偏肉比の平均値が2.0以下であることを特徴とする。
また、本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線では、2浴法により溶融メッキされ、低速の空気流冷却の後に相対的に高速の空気流で冷却する二段階空冷のZn−Al−Mg合金メッキ鋼線において、メッキ層のビッカース硬度が60〜90で、合金層のビッカース硬度が100〜140で、メッキ層がZnを主成分とし、メッキ層および合金層全体における組成比が、Mg:0.03〜0.15%、Al:8〜15%、Zn:残部からなり、メッキ表面の円周方向の表面粗度がRa:1.0μm以下で、メッキ層と合金層を合わせたメッキ厚さに関して、横断面上の最大厚さを最小厚さで除した偏肉比の平均値が2.0以下で、前記メッキ厚さが553〜740g/m2であることを特徴とする。
そして、本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線の製造方法では、2浴法による高耐食性溶融メッキ鋼線の製造方法において、線材にZnを主成分とする溶融Znメッキを行なった後、組成比が、Mg:0.03〜0.15%、Al:8〜15%、Zn:残部からなる溶融Zn−Al−Mg合金メッキを行ない、Zn−Al−Mg合金メッキ浴面からメッキ絞り部を経て立ち上がる複数本の線材を、加圧空気部下部の下側冷却部と加圧空気部上部の上側冷却部からなる空冷装置に通過させて、前記加圧空気部の空気噴出口から前記上側冷却部内に形成された線材ごとの各整流空間部に流入して、前記上側冷却部上端出口より流出する高速の主冷却空気と、この主冷却空気流に吸引されて前記下側冷却部下端の入口から前記下側冷却部内に形成された線材ごとの各整流空間部に流入して前記主冷却空気に合流する相対的に低速の副冷却空気とで前記空冷装置内で二段階に空冷して製造することを特徴とする。
【0005】
本発明におけるAl重量比については、下限を8%以上にすることで高耐食性が確保され、上限を15%にすることにより厚メッキ製品にできることを確認し、8〜15%とした。Mg重量比は0.15%以下で巻付テストの合格率が100%になることを確認し、硬度が下がって加工性が向上し且つ高耐食が得られる0.03〜0.15%とした。メッキ層と合金層を合わせたメッキ厚さに関して、横断面上の最大厚さを最小厚さで叙した偏肉比の平均値を2.0以下に設定することは、高耐食である反面、半面硬度が高くて低加工性のZn−Al−Mg合金メッキ鋼線を曲げ加工性良好にする重要な項目である。2浴法においては、1次メッキと二次メッキを連続的または断続的のどちらの方式で行なっても良い。
【0006】
【発明の実施の形態】
図8〜図13には本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線を製造するのに採用した製造装置を例示しており、1次メッキとしての溶融Znメッキ槽1と、二次メッキとしてのZn−Al−Mgメッキ槽2を連続状に配設してあると共に、Zn−Al−Mgメッキ槽2のメッキ浴面2aにおけるメッキ絞り部3の上部には空冷装置4を、この空冷装置4の上部には水冷装置8を、それぞれ配設していて、複数本の線材Lが、溶融Znメッキ槽1を通過した後、Zn−Al−Mgメッキ槽2内のシンカーローラー9を経てメッキ浴面2aから無酸化性の雰囲気ガスで覆われたメッキ絞り部3を通過して同時に立ち上がり、空冷装置4および水冷装置5を通過する過程でメッキ層L1を空冷そして水冷された後にトップローラー10を経てドラム(図示せず)に同時に巻き取られるようにしてある。水冷装置8は用途に応じて使用しなくても良い。
空冷装置4は、加圧空気部5と、加圧空気部5下部の下側冷却部6と、加圧空気部5上部の上側冷却部7からなり、この空冷装置4を通過する複数本の線材Lが、加圧空気部5の空気噴出口5aから上側冷却部7内に流入して同上側冷却部7上端の出口7aより流出する高速の主冷却空気aと、主冷却空気流に自然吸引されて下側冷却部6下端の入口6aから同下側冷却部6内に流入して主冷却空気aに合流する低速の副冷却空気bとで、それぞれ同時に二段階に空冷されるようにしてある。
【0007】
加圧空気部5は、二又状左右先部5b間に、前後に並列状の複数本の線材Lが同時に通過可能な長孔状の線材通し部5cを形成していると共に、左右の先部5b上面に左右一対の空気噴出口5aを上側冷却部7における各整流空間部7bと連通状にそれぞれ開口形成していて、各空気噴出口5aから20〜50m/s程度の風速の主冷却空気aが整流空間部7bに噴出するようにしてある。
【0008】
下側冷却部6は、横断面略長四角形状の筒体の内部に副冷却空気bの乱流を抑制する複数の乱流防止板6bを各線材Lの通過軌道脇に沿いそれぞれ左右対向状に配設してあると共に、前後および左右に隣接する各乱流防止板6bで隔てられた複数の整流空間部6cを形成していて、上側冷却部7内を流れる主冷却空気流に吸引されて、5〜15m/Sの風速の副冷却空気bが入口6aから整流空間部6c内に流入して乱流を抑制されて整流された状態で、メッキ絞り部3通過直後における複数の線材Lのメッキ層L1を同時に冷却するようにしてある。
【0009】
上側冷却部7は、横断面略長四角形状の筒体の内部に主冷却空気aの乱流を抑制する複数の乱流防止板7cを各線材Lの通過軌道脇に沿いそれぞれ左右対向状に配設してあると共に、前後および左右に隣接する各乱流防止板7cで隔てられた複数の整流空間部7bを形成していて、空気噴出口5aから噴出する主冷却空気aが整流空間部7b内に流入して乱流を抑制されて整流された状態で、副冷却空気bによる冷却直後の複数の線材Lにおけるメッキ層L1を同時に冷却するようにしてある。
【0010】
そして、空冷装置4における加圧空気部5と下側冷却部6と上側冷却部7は、相互に位置出しすることで一体的に組み付けて形成してあり、空冷装置5のメンテナンス時或いは線材Lの断線時等に装脱着して迅速に対応し得るようにしてある。
【0011】
このことにより、低速と高速の二つの速度が異なる整流空気すなわち主冷却空気aと副冷却空気bがひとつの空冷装置4に発生することによって、メッキ絞り部3通過直後における偏肉が発生し易い高温のメッキ層を低速の副冷却空気bという整流空気で冷却し、しかる後に、副冷却空気bによる冷却直後の比較的偏肉が発生しにくい低温のメッキ層L1を高速の主冷却空気aという整流空気で冷却することにより、メッキ層L1は偏肉を防止されて効率的に冷却されることになる。
【0012】
次に、前記した製造装置により製造した本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線の一例を説明する。
線材(軟鋼線材JIS G3505 SWRM6K、4mm)Lに通常の条件で溶融Znメッキ槽1による1次メッキとしてのZnメッキを行なった後、比較のため、図1および図2の条件で、Zn−6%Al合金メッキした各比較品と、Zn−Al−Mgメッキ槽2による二次メッキとしてのZn−11%Al−Mg合金メッキした本発明品を得た。Mg重量比については、3%、2%、1.5%、0.8%、0.3%、0.15%、0.08%、0.03%、0%の9種類で行なった。そして、比較品および本発明品について、耐食性、加工性、メッキ層硬度、合金層硬度、メッキ層表面粗度の各項目について総合的に確認した。
【0013】
耐食性評価:JIS Z2371に示す塩水噴霧テストを連続500時間行なった後、腐食生成物を同JISに基づき酢酸アンモン溶液で除去し、試験前後の重量差により腐食原料を求めた。結果は図1、図2、図4に示す。
結果は、図1、図2、図4に示す如く、Zn−6%Al−Mg合金層およびZn−11%Al−Mg合金層ともに、Mgが3.0〜0.8%の間では耐食性は大差なく良好である。また、Mgが0.8〜0.03%の間ではMgの量に比例して順次耐食性が低下するものの、0.08%Mgで0%Mgのものと比較して約2倍程度の耐食性を有し、0.03%Mgで0%Mgのものと比較して約1.7程度の耐食性の改善効果があり、Mgは少量でも大きな効果が認められた。また、Mgの量が同じであれば、耐食性はZn−11%Al−Mg合金層がZn−6%Al−Mg合金層を上回っており、特にMgが1.5%以下の低い領域でこの傾向が大きく認められる。そして、Al重量比については、下限を8%以上にすることで高耐食性が確保され、上限を15%にすることにより厚メッキ製品にできることを確認した。
【0014】
加工性評価:線材Lを6mm(1.5×d)の鋼線に6回巻き付けて、メッキ層表面を目視確認し判定した。剥離がないこと及び鋼線が見えるような大きなクラックがないことを巻付テストの合格条件とし、各比較品および本発明品ともにそれぞれ20本宛てテストを行なった。結果は図1、図2に示す。加工性は、メッキ層の硬度による影響を受けるため、各テスト品毎のメッキ層と合金層の硬度についての測定を併せて行なった(図1、図2、図5、図6参照)。
加工性の評価結果は、両者ともMg量の低下に伴いメッキ層と合金層の硬度が低下して合格率が向上する。Mg重量比は1.5%以下で合格率が大幅に向上し、0.8%以下で合格率が100%になることを確認した。Mg重量比は、硬度が下がって加工性が向上し且つ高耐食が得られる0.03〜1.5%とした。特に加工性が向上するMg0.03〜0.8%未満は厚めっき用として好適である。Mg重量比によるメッキ層の硬度変化を図5に、合金層の硬度変化を図6に示している。
【0015】
メッキ層表面粗度評価:JIS B0601に基づき、Zn−Al−Mg合金層の円周方向の中心線平均粗さRaを測定することで行い、結果を図7に示している。
結果は、Mg重量比の低下とともにRaが低下しており、Mgが合金浴の溶湯の流動性を低下する添加元素であり、メッキ層凝固時にメッキ層表面に微細な収縮引による表面のへこみが発生していることを示している。
Zn−11%Al−Mg合金層の場合、Mgが1.5%で中心線平均粗さRaは1.0μm以下、Mgが0.8%でRaは0.8μm以下を示しており、0.2μm程度のバラツキを考慮すると、Mgが1.5%でRaは1.2μm以下、Mgが0.8%でRaは1.0μm以下となる。
【0016】
厚メッキ実績および耐食性評価:Mg重量比の低下にともない耐食性は低下するが、逆にメッキ層の硬度低下に伴いメッキ層の加工性が向上して、厚メッキが可能となり、結果としてはMgが0.03%〜1.5%の低いMg重量比のものでも、Mg1.6〜3%の高いMg重量比のものと同等以上の耐食性を示すことになる(図3参照)。
【0017】
【発明の効果】
A.請求項1により、耐食性を有し、同時に、鋼線特有の要求品質である曲げ加工時におけるメッキ部の剥離及びクラックの発生の心配がなく、しかも、耐食性については、Zn−Al合金メッキ鋼線に比較して約1.5〜3倍の高耐食性を有していて、偏肉が少なくて、良好な耐食性及び曲げ加工性を要望されるメッキ鋼線として有用である。
B.請求項2により、耐食性を有し、同時に、鋼線特有の要求品質である曲げ加工時におけるメッキ部の剥離及びクラックの発生の心配がなく、しかも、耐食性については、Zn−Al合金メッキ鋼線に比較して約1.5〜3倍の高耐食性を有していて、良好な耐食性、曲げ加工性、表面粗度と、曲げ加工時にメッキ部に剥離及びクラックが発生し難く、偏肉が少なくて、ブツ、ザラ等の表面欠陥のない外観良好なメッキ層を要望されるメッキ鋼線として有用である。
C.請求項3により、メッキ絞り部通過直後の線材における高温で流動性が大きく偏肉の発生し易いメッキ層を、整流されている低速の副冷却空気で冷却し、そして、この副冷却空気による冷却直後の低温で流動性が低く偏肉しにくいメッキ層を、整流されている高速の主冷却空気で冷却するようにしてあるため、偏肉を抑制した効率的冷却が可能である。したがって、偏肉比が従来品と同等以上に少なくて、しかも、外観良好で、高加工性を有する高耐食性溶融メッキ鋼線を効率良く安定して量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較品の塩水噴霧テスト結果、巻付テスト結果、メッキ層硬度、合金層硬度を示しているデーター表。
【図2】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線および比較品の塩水噴霧テスト結果、巻付テスト結果、メッキ層硬度、合金層硬度を示しているデーター表。
【図3】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線および比較品の巻付テストおよび厚メッキ実績を示しているデーター表。
【図4】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線および比較品の塩水噴霧テスト結果を示しているグラフ。
【図5】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線および比較品のメッキ層硬度を示しているグラフ。
【図6】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線および比較品の合金層硬度を示しているグラフ。
【図7】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線および比較品の表面粗度を示しているグラフ。
【図8】 本発明の高耐食性溶融メッキ鋼線を製造するのに採用した製造装置を例示している概略図。
【図9】 側面図。
【図10】 図9の(10)−(10)縦断面図。
【図11】 図9の(11)−(11)縦断面図。
【図12】 図9の(12)−(12)縦断面図。
【図13】 図9の(13)−(13)縦断面図。
【符号の説明】
L 線材
L1 メッキ層
1 溶融Znメッキ槽
2 Zn−Al−Mgメッキ槽
2a メッキ浴面
3 メッキ絞り部
4 空冷装置
5 加圧空気部
5a 空気噴出口
5b 二又状左右先部
5c 線材通し部
6 下側冷却部
6a 入口
6b 乱流防止板
6c 整流空間部
7 上側冷却部
7a 出口
7b 整流空間部
7c 乱流防止板
8 水冷装置
9 シンカーローラー
10 トップローラー
a 主冷却空気
b 副冷却空気
Claims (3)
- 2浴法により溶融メッキされ、低速の空気流冷却の後に相対的に高速の空気流で冷却する二段階空冷のZn−Al−Mg合金メッキ鋼線において、メッキ層のビッカース硬度が60〜90で、合金層のビッカース硬度が100〜140で、メッキ層がZnを主成分とし、メッキ層および合金層全体における組成比が、Mg:0.03〜0.15%、Al:8〜15%、Zn:残部からなり、メッキ層と合金層を合わせたメッキ厚さに関して、横断面上の最大厚さを最小厚さで除した偏肉比の平均値が2.0以下であることを特徴とする高耐食性溶融メッキ鋼線。
- 2浴法により溶融メッキされ、低速の空気流冷却の後に相対的に高速の空気流で冷却する二段階空冷のZn−Al−Mg合金メッキ鋼線において、メッキ層のビッカース硬度が60〜90で、合金層のビッカース硬度が100〜140で、メッキ層がZnを主成分とし、メッキ層および合金層全体における組成比が、Mg:0.03〜0.15%、Al:8〜15%、Zn:残部からなり、メッキ表面の円周方向の表面粗度がRa:1.0μm以下で、メッキ層と合金層を合わせたメッキ厚さに関して、横断面上の最大厚さを最小厚さで除した偏肉比の平均値が2.0以下で、前記メッキ厚さが553〜740g/m2であることを特徴とする高耐食性溶融メッキ鋼線。
- 2浴法による高耐食性溶融メッキ鋼線の製造方法において、線材にZnを主成分とする溶融Znメッキを行なった後、組成比が、Mg:0.03〜0.15%、Al:8〜15%、Zn:残部からなる溶融Zn−Al−Mg合金メッキを行ない、Zn−Al−Mg合金メッキ浴面からメッキ絞り部を経て立ち上がる複数本の線材を、加圧空気部下部の下側冷却部と加圧空気部上部の上側冷却部からなる空冷装置に通過させて、前記加圧空気部の空気噴出口から前記上側冷却部内に形成された線材ごとの各整流空間部に流入して、前記上側冷却部上端出口より流出する高速の主冷却空気と、この主冷却空気流に吸引されて前記下側冷却部下端の入口から前記下側冷却部内に形成された線材ごとの各整流空間部に流入して前記主冷却空気に合流する相対的に低速の副冷却空気とで前記空冷装置内で二段階に空冷して製造することを特徴とする高耐食性溶融メッキ鋼線の製造方法。
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